JP2006073839A - 半導体素子保持装置およびそれを用いて製造した半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体素子を負圧により吸着して保持するコレットを備えた半導体素子保持装置において、コレットの保持側に突条を設け、この突条に形成した複数の吸引孔の開口を半導体素子に対向させて保持面を形成し、この保持面により半導体素子のおもて面を吸着する。
【選択図】 図1
Description
また、半導体素子がCCD(Charge Coupled Device)のようにそのおもて面に直接触れることができない領域を有する半導体素子の場合に、半導体素子の長手方向の両端に接触エリアを設け、接触エリアに対応したコレットの接触部に真空吸引穴を設けて半導体素子を吸着保持しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上述した特許文献1の技術においては、ウェハから切出した半導体素子をコレットの傾斜面に吸着して保持するようにしているため、半導体素子の切断面の角部にコレットの傾斜面が接触すると素子崩落層が崩れ、コレットによる吸着時または搬送後の解除時に崩れた素子崩落層の屑(素子崩落屑という。)が他の半導体素子の上に落下し、半導体素子の清浄性が損なわれるという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、素子崩壊層が形成された半導体素子においても素子崩壊屑の発生を防止する手段を提供することを目的とする。
また、突条の保持面により可撓部を保護しながら半導体素子を吸引孔で吸引して保持することができ、可撓部の破損を防止することができる。
図1において、1は半導体素子保持装置であり、コレット2並びに図示しない吸引ポンプ、コレット2の昇降機構およびX−Y移動機構等により構成される。
コレット2の半導体素子3側は、保持する半導体素子3のおもて面4と略同等の形状に成形される。本実施例では図2に示すように略四角形に成形されている。
6は突上げ針であり、昇降可能に構成され、個片に分割された半導体素子3を固定シート5から持上げてコレット2に引渡す機能を有している。
本実施例の突条は、半導体素子3の中心線に沿うように配置した中央突条13と、半導体素子3の縁部に沿うように配置した2つの縁部突条14とで構成され、縁部突条14の中央部が中央突条13の両端部で中央突条13に直交し、略H型に形成されている。
図3、図4において、15は中央負圧路であり、コレット2の中央部で中央突条13の上方に形成されたコレット2を貫通する孔であって、図示しない吸引ポンプに接続して負圧をコレット2へ供給する負圧供給穴16と連通すると共に、中央突条13の保持面12に開口する複数の吸引孔11と連通している。
18は留め栓であり、貫通孔である中央負圧路15および2本の縁部負圧路17のそれぞれの両端部に図2の右下に示すように圧入等により嵌合して中央負圧路15および2本の縁部負圧路17の負圧が外部に洩れることを防止している。
上記の突条の高さは、図3、図4に示す寸法Sに設定されており、半導体素子3のおもて面4に突条の保持面12が接触したときには半導体素子3のおもて面4とコレット2の本体の本体裏面19との間に寸法Sに相当する隙間が形成される。
以上説明したように、本実施例では、コレットの半導体素子側に突条を設け、突条に設けた複数の吸引孔の開口を半導体素子に対向させて保持面を形成したことによって、半導体素子のおもて面にコレットの突条の保持面を接触させて半導体素子を保持することができ、コレットが半導体素子の切断面に形成される素子崩壊層に接触することがないので、素子崩壊屑の発生を防止することができ、搬送後等の半導体素子を清浄に保つことができる。
これに加えて、本実施例では、突条を略H型に配置し、その保持面に半導体素子を吸着するようにしたことによって、半導体素子の保持力の安定性を向上させることができると共に吸着時の位置ずれを防止することができる。
図5は実施例1の半導体加速度センサに用いる半導体素子の上面図、図6は図5のC−C断面図、図7は実施例1の可撓部を形成した半導体素子の保持状態を示す説明図である。
22はチップ本体であり、ウェハを個片に分割して形成され、その中央領域を異方性エッチング等で形成したスリット23により略4葉のクローバ状に切り取った重錘部24、葉間に残された梁部の裏側を掘込んだ掘込部25により薄肉による可撓性を持たせて形成した可撓部26、可撓部26に不純物を添加拡散させて形成したピエゾ抵抗素子のブリッジ回路により可撓部26の変位を電気特性の変化を用いて加速度として測定する測定素子Pおよび測定素子Pと内部接続されたチップ電極27等が形成されている。
この半導体素子21はウェハとガラス板28を接合した状態で個片に分割される。このためコレット2はチップ本体22にガラス板28を接合した半導体素子21を吸着して図7に示すように保持する。
このように半導体加速度センサに用いる半導体素子のように可撓部を形成した半導体素子の保持においても本実施例の略H型の突条を設けたコレットは、その突条の保持面により可撓部を保護しながら半導体素子を吸引孔で吸引して保持することができ、可撓部の破損を防止することができる。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の説明に用いる半導体素子は上記の可撓部26を形成した半導体素子21である。
本実施例のコレット2は、図8、図9に示すように半導体素子21に向かって縮小する円錐台上に形成されており、コレット2の本体の本体裏面19には半導体素子21の4方の縁部に沿うように配置した4つの縁部突条14で構成された略ロの字状の突条が形成されている。
更に、保持面12の表面には鏡面仕上またはポリテトラフルオロエチレンのコーティングが施されている。
本実施例の各部位の寸法は、突条の高さである寸法Sは0.05〜0.3mm、負圧供給穴16の直径はφ1.2〜1.8mm、吸引孔11の直径はφ0.05〜0.2mm、孔深さは1.0〜1.5mm、孔ピッチは0.5〜0.7mm、4つの縁部突条14の幅は半導体素子21の4方の端面から0.3〜0.5mmの部分を吸着するために0.3〜0.5mmに設定されており、一辺が1.8mm以下の略四角形状の半導体素子21の保持に適している。
そして、図9に示すように吸着により保持された半導体素子21は、半導体素子保持装置1の図示しない昇降機構、X−Y移動機構等により個別にチップトレイやリードフレームまたは基板等に搬送され、負圧が開放されてこれらに移し変えられる。
また、可撓部を形成した半導体素子の保持においてもその突条に設けた吸引孔により可撓部の外側を吸引して半導体素子を保持することができ、可撓部の破損を一層防止することができる。
2 コレット
3、21 半導体素子
4 おもて面
5 固定シート
6 突上げ針
11 吸引孔
12 保持面
13 中央突条
14 縁部突条
15 中央負圧路
16 負圧供給穴
17 縁部負圧路
18 留め栓
19 本体裏面
22 チップ本体
23 スリット
24 重錘部
25 掘込部
26 可撓部
27 チップ電極
28 ガラス板
Claims (5)
- 半導体素子を負圧により吸着して保持するコレットを備えた半導体素子保持装置において、
前記コレットの保持側に突条を設け、該突条に複数の吸引孔を設け、該吸引孔の開口を前記半導体素子に対向させて保持面を形成したことを特徴とする半導体素子保持装置。 - 請求項1において、
前記突条を、前記半導体素子の中心線に沿うように配置した中央突条と、該中央突条の両端部で該中央突条に直交し、前記半導体素子の縁部に沿うように配置した縁部突条により構成したことを特徴とする半導体素子保持装置。 - 請求項1において、
前記突条を、前記半導体素子の4方の縁部に沿うように配置した縁部突条により構成したことを特徴とする半導体素子保持装置。 - 請求項1、請求項2または請求項3において、
前記半導体素子に、薄肉による可撓性を有する可撓部が形成されていることを特徴とする半導体素子保持装置。 - 請求項1、請求項2または請求項3に記載の半導体素子保持装置を用いて製造された半導体素子を備えることを特徴とする半導体装置。
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