JP2006070982A - ダンパ装置 - Google Patents

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Toshiya Yamashita
俊哉 山下
Takatsugu Ibaraki
隆次 茨木
Takashi Kuwabara
貴史 桑原
Michio Yoshida
倫生 吉田
朋亮 ▲柳▼田
Tomoaki Yanagida
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Abstract

【課題】 トルク負荷を低減させてダンパ装置の軽量化、低コスト化を達成する。
【解決手段】 ダンパ装置7は、フロントカバー2と、このフロントカバー2から動力が伝達されるタービンハブ5との間に設けられ、フロントカバー2からタービンハブ5に伝達されるトルクの変動を吸収するものである。ダンパ装置7は、ロックアップ時にフロントカバー2と回転方向に一体化されるガイドプレート73,74と、タービンハブ5と連結された中間プレート71とを備え、更に、ガイドプレート73,74が中間プレート71に対して所定角度だけ回転した際に、ガイドプレート73,74と回転方向に一体化しているロックアップピストン80とタービンハブ5との相対回転を規制するストッパ手段として、ロックアップピストン80の突起80xとタービンハブ5の開口5xとを有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入力部材から出力部材に伝達されるトルクの変動を吸収可能なダンパ装置に関する。
従来から、車両用のトルクコンバータとして、入力部材としてのコンバータカバーと、出力部材としてのタービンハブとを弾性的に相対回動可能に連結するダンパ装置(捩じりダンパ)を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このダンパ装置では、コンバータカバーにハブが連結される一方、このハブの両側に設けられた一対のプレート(ドライブプレート)がタービンハブに連結されている。そして、このダンパ装置では、一対のプレートを連結するピンがハブに形成された長孔の一端に当接すると、一対のプレートとハブとの相対回転が規制される。これにより、コンバータカバーとタービンハブとが機械的に直結され、コンバータカバーからハブ、ばね部材および一対のプレートを介してタービンハブへとトルクが伝達される。
また、この種のダンパ装置としては、出力ボス(タービンハブ)に固定されたフランジを挟む一対のプレート(側方プレート)の一方が連結されているタービンランナボスと、上記出力ボス(タービンハブ)との間にストッパ歯部を備えたものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。このダンパ装置では、一対のプレートとフランジの相対回転が規制された段階で、入力側からの動力が、一対のプレートからフランジを介して出力ボスに伝達されると共に、一対のプレートからタービンランナボスを介して出力ボスに伝達されるようになる。
特開2000−2313号公報 特表2001−514366号公報
しかしながら、上記各従来例では、入力部材と出力部材とが機械的に直結されると、入力部材側から、ダンパ装置を構成するプレートやハブ等に大きなトルクが入力することから、ダンパ装置のトルク負荷が大きくなっていた。このため、ダンパ装置の強度を確保するために、プレート類の厚さを増加させる等の対策を講じる必要があった。この点で、従来のダンパ装置には、軽量化や低コスト化を図る上でなお改善の余地が存在している。
そこで、本発明は、トルク負荷を低減させてダンパ装置の軽量化、低コスト化を達成することを目的とする。
本発明によるダンパ装置は、入力部材と、入力部材から動力が伝達される出力部材との間に設けられ、入力部材から出力部材に伝達されるトルクの変動を吸収することができるダンパ装置において、入力部材と回転方向に一体化され得るドライブ部材と、出力部材と連結されたドリブン部材と、ドライブ部材がドリブン部材に対して所定角度だけ回転した際に、ドライブ部材と回転方向に一体化している所定の部材と出力部材との相対回転を規制するストッパ手段とを備えることを特徴とする。
このダンパ装置では、入力部材からの動力(トルク)によりドライブ部材がドリブン部材に対して所定角度だけ回転すると、ストッパ手段により、ドライブ部材と回転方向に一体化している所定の部材と出力部材との相対回転が規制される。これにより、上記所定の部材と回転方向に一体化しているドライブ部材と、出力部材に固定されているドリブン部材との相対回転が規制され、入力部材と出力部材とが機械的に直結される。
この結果、入力部材と出力部材とが機械的に直結されると、入力部材からの動力(トルク)は、ドライブ部材およびドリブン部材を介して出力部材に伝達されると共に、上記所定の部材を介して出力部材に伝達されるようになる。すなわち、ドライブ部材およびドリブン部材に加えられるトルクは、ドライブ部材をドリブン部材に対して所定角度だけ回転させるだけのトルクを超えることはなく、当該トルクを越えた分は、上記所定の部材に加えられることになる。従って、このダンパ装置では、ドライブ部材やドリブン部材等の構成部材のトルク負担を低減化できるので、その軽量化、低コスト化を容易に達成することが可能となる。
本発明のダンパ装置において、上記所定の部材は、入力部材とドライブ部材とを回転方向に一体化させるためのロックアップクラッチ機構に含まれるロックアップピストンであると好ましい。
そして、ストッパ手段は、ドライブ部材がドリブン部材に対して所定角度だけ回転した段階でロックアップピストンと出力部材とを係合させる手段を含むと好ましい。すなわち、ストッパ手段は、例えば、ロックアップピストンに形成された突起と、出力部材に形成されており、ロックアップピストンの突起が遊嵌される開口とを含むと好ましい。これにより、ストッパ手段を簡素化して低コストで構成すると共に、ストッパ手段に要するスペースを削減することが可能となる。
更に、入力部材と出力部材とに、両者間で動力を伝達するための流体伝動要素がそれぞれ設けられていれば、ストッパ手段は、ドライブ部材がドリブン部材に対して所定角度だけ回転した段階でロックアップピストンと出力部材に設けられた流体伝動要素とを係合させる手段を含むものであってもよい。
かかる構成のもとでは、ドライブ部材がドリブン部材に対して所定角度だけ回転した段階でストッパ手段により、ロックアップピストンと、出力部材に設けられた流体伝動要素とが係合させられる。これにより、ロックアップピストンと回転方向に一体化しているドライブ部材と、出力部材に固定されているドリブン部材との相対回転が規制され、入力部材と出力部材とが機械的に直結される。
この結果、かかる構成のもとでは、入力部材と出力部材とが機械的に直結されると、入力部材からの動力(トルク)は、ドライブ部材およびドリブン部材を介して出力部材に伝達されると共に、ロックアップピストンおよび流体伝動要素を介して出力部材に伝達されるようになる。従って、かかる構成を採用しても、ドライブ部材やドリブン部材等の構成部材のトルク負担を低減化できるので、ダンパ装置の軽量化、低コスト化を容易に達成することが可能となる。この場合、ストッパ部材は、例えば、ロックアップピストンの外周部に形成された凹部と、出力部材に設けられた流体伝動要素に固定されており、当該凹部に遊嵌される係合部材とを含むと好ましい。
また、本発明のダンパ装置において、上記所定の部材は、入力部材と出力部材とを回転方向に一体化させるためのロックアップクラッチ機構に含まれる摩擦ディスクであってもよい。
この場合、入力部材と出力部材とに、両者間で動力を伝達するための流体伝動要素がそれぞれ設けられていれば、ストッパ手段は、ドライブ部材がドリブン部材に対して所定角度だけ回転した段階で摩擦ディスクと出力部材に設けられた流体伝動要素とを係合させる手段を含むものであるとよい。
かかる構成のもとでは、ドライブ部材がドリブン部材に対して所定角度だけ回転した段階でストッパ手段により、摩擦ディスクと、出力部材に設けられた流体伝動要素とが係合させられる。これにより、摩擦ディスクと回転方向に一体化しているドライブ部材と、出力部材に固定されているドリブン部材との相対回転が規制され、入力部材と出力部材とが機械的に直結される。
この結果、かかる構成のもとでは、入力部材と出力部材とが機械的に直結されると、入力部材からの動力(トルク)は、ドライブ部材およびドリブン部材を介して出力部材に伝達されると共に、摩擦ディスクおよび流体伝動要素を介して出力部材に伝達されるようになる。従って、かかる構成を採用しても、ドライブ部材やドリブン部材等の構成部材のトルク負担を低減化できるので、ダンパ装置の軽量化、低コスト化を容易に達成することが可能となる。
更に、ドリブン部材は、弾性体を介してドライブ部材から回転方向の力を受けるものであると好ましい。
本発明によれば、トルク負荷を低減させてダンパ装置の軽量化、低コスト化を達成することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るダンパ装置を備えた流体伝動装置の一例であるトルクコンバータを示す部分断面図である。第1実施形態に係るトルクコンバータ1は、エンジンを備えた車両に適用されるものであり、図1に示されるように、フロントカバー(入力部材)2、ポンプインペラ(流体伝動要素)3、タービンランナ(流体伝動要素)4、タービンハブ(出力部材)5、ステータ6、本発明によるダンパ装置7およびロックアップクラッチ機構8を含む。フロントカバー2には、図示されないエンジンの回転軸が固定される。また、タービンハブ5には、図示されない自動変速機(AT)あるいは無段変速機(CVT)の入力軸(図示省略)が固定(スプライン嵌合)される。
ポンプインペラ3は、入力部材としてのフロントカバー2に対して設けられている。すなわち、ポンプインペラ3は、ポンプシェル3aと複数のブレード3bとを有し、ポンプシェル3aは、フロントカバー2に密に固定されている。また、タービンランナ4は、出力部材としてのタービンハブ5に設けられている。すなわち、タービンランナ4は、タービンシェル4aと複数のブレード4bとを有し、タービンシェル4aはタービンハブ5に固定されている。
フロントカバー2側のポンプインペラ3と、タービンハブ5側のタービンランナ4とは互いに対向し合い、両者の間には、入力軸と同軸に回転可能な複数のブレード6bを有するステータ6が配置される。ステータ6は、その回転方向を一方向のみに設定するワンウェイクラッチ9を有しており、ステータ6(およびワンウェイクラッチ9)は、ハブ3cとタービンハブ5との間でスラスト軸受10aおよび10bによりタービンハブ5の軸方向に位置決めされる。これらのポンプインペラ3、タービンランナ4およびステータ6は、作動油を循環させるトーラス(環状流路)を形成する。
一方、トルクコンバータ1に備えられた本発明によるダンパ装置7は、タービンシェル4aと共にタービンハブ5に連結されている。ダンパ装置7は、図1に示されるように、中間プレート(ドリブン部材)71、複数(本実施形態では、4体)のスプリング(弾性体)72、一対のガイドプレート(ドライブ部材)73,74を含む。中間プレート71は、図2に示されるように、その外周縁の周方向における複数箇所(本実施形態では、等間隔に4箇所)から概ね台形状の突起71aが外方に向けて延出されている環状部材として形成されており、その内周部は、リベット等を介してタービンハブ5に固定されている。中間プレート71の突起71a同士の間には、図2に示されるように、スプリング72が各1体ずつ配置され、中間プレート71および各スプリング72は、ガイドプレート73および74によって両側から挟持される。
ガイドプレート73,74は、環状に形成されており、周方向の複数箇所(本実施形態では、4箇所)にプレートの一部を外方に膨らませると共に開口することにより形成されたスプリング保持部73a,74aを有する。ガイドプレート73とガイドプレート74とは、それぞれの外周側縁部の周方向における複数箇所でリベット等によって互いに連結(固定)される。そして、中間プレート71は、ガイドプレート73および74との間に、両者に対して回転自在になるように保持され、中間プレート71の突起間に配置されたスプリング72は、それぞれ対応するスプリング保持部73aおよび74a内に収容される。この際、スプリング72の一方の端部が、スプリング保持部73aおよび74aの一方の端部と当接する。
そして、トルクコンバータ1のロックアップクラッチ機構8は、上述のダンパ装置7と、フロントカバー2との間に配置される。図1に示されるように、ロックアップクラッチ機構8は、ロックアップピストン80、第1摩擦ディスク(第1摩擦部材)81および第2摩擦ディスク(第2摩擦部材)82を含む。ロックアップピストン80は環状に形成されており、その中心部は、タービンハブ5のフロントカバー2側の端部5aの周りに摺動自在に支持されている。これにより、ロックアップピストン80は、タービンハブ5の軸方向に移動自在となり、フロントカバー2に対して接近離間可能となる。
本実施形態では、タービンハブ5の端部5aにはめ込まれるロックアップピストン80の内周側位置決め端部80aがポンプインペラ3側に延出されている。そして、図3に示されるように、ロックアップピストン80の内周側位置決め端部80aのポンプインペラ3側の端部からは、複数(本実施形態では、等間隔に4つ)の突起80xが延出されている。また、図2に示されるように、タービンハブ5には、ロックアップピストン80の複数の突起80xに対応するように複数(本実施形態では、等間隔に4つ)の開口5xが形成されている。
ロックアップピストン80の各突起80xは、タービンハブ5の対応する開口5xに遊嵌され、当該開口5x内で摺動自在となる。各開口5xは、概ね円弧状に形成されており、各突起80xの幅よりも大きい周方向長さを有する。これにより、ロックアップピストン80は、各開口5xにおける突起80xの移動範囲内において、すなわち、各突起80xが対応する開口5xの一端から他端まで移動する間、タービンハブ5に対して回転可能となる。なお、タービンハブ5や各突起80xのサイズ等に応じて、開口5xの代わりに、各突起80xが摺動可能な凹部をタービンハブ5に形成してもよい。
図1に示されるように、第1摩擦ディスク81は、環状に形成された本体810を含み、ロックアップピストン80とフロントカバー2との間に配置される。本体810の外周側の表裏面(ロックアップピストン80側の面およびフロントカバー2側の面)には、摩擦板83が固定されている。また、本体810の内縁部には、複数の溝が放射状に形成されており、各溝は、フロントカバー2の内面に固定されたディスク支持部材11のガイド部11aと係合する。これにより、第1摩擦ディスク81は、ディスク支持部材11によってフロントカバー2等の回転方向への移動(フロントカバー2等に対する回転)を規制された状態でディスク支持部材11に対して軸方向に摺動自在となる。すなわち、第1摩擦ディスク81は、フロントカバー2等の回転方向においてフロントカバー2と一体化される一方、フロントカバー2に対してタービンハブ5等の軸方向に移動自在となる。
また、第2摩擦ディスク82も、環状に形成された本体820を含み、図1に示されるように、ダンパ装置7のガイドプレート73および74と、ロックアップピストン80との外周に配置される。本体820は、タービンハブ5の径方向に延びる基部82aと、基部82aからタービンハブ5の軸方向に延びる複数のスプライン82bとを有する。そして、基部82aのフロントカバー2側の面には、摩擦板83が固定されている。
更に、ロックアップピストン80の外周部には、図4に示されるように、第2摩擦ディスク82のスプライン82bと対応するように凹部80bが形成されている。同様に、ダンパ装置7を構成するガイドプレート73,74の外周部にも、第2摩擦ディスク82のスプライン82bと対応するように凹部73b,74bが形成されている。図4に示されるように、第2摩擦ディスク82の各スプライン82bは、ロックアップピストン80の凹部80bと、ガイドプレート73,74の凹部73b,74bとに軸方向に摺動自在に係合させられる。
これにより、第2摩擦ディスク82は、(フロントカバー2等の)回転方向においてロックアップピストン80と一体化されると共に、ロックアップピストン80に対して(タービンハブ5等の)軸方向に移動自在となる。更に、第2摩擦ディスク82は、(フロントカバー2等の)回転方向においてダンパ装置7のガイドプレート(ドライブ部材)73,74と一体化されると共に、ガイドプレート73および74に対して(タービンハブ5等の)軸方向に移動自在となる。
さて、上述のように構成されるトルクコンバータ1では、図示されないエンジンが作動してフロントカバー2およびポンプインペラ3が回転すると、作動油の流れによりタービンランナ4が引きずられるようにして回転し始める。ステータ6は、ポンプインペラ3とタービンランナ4との回転速度差が大きい時に、作動油の流れをポンプインペラ3の回転を助ける方向に変換する。これにより、トルクコンバータ1は、ポンプインペラ3とタービンランナ4との回転速度差が大きい時には、トルク増幅機として作動し、両者の回転速度差が小さくなると、ステータ6がワンウェイクラッチ9を介して空転して流体継手として作動するようになる。すなわち、エンジンの動力は、ポンプインペラ3およびタービンランナ4(作動流体)を介してフロントカバー2からタービンハブ5に伝達される。
そして、車両の発進後、所定の条件が満たされると(例えば、車速が所定値に達すると)、ロックアップクラッチ機構8が作動される。かかるロックアップに際しては、図示されない油圧装置によってロックアップピストン80とポンプシェル3aとの間に画成される油室に作動油が供給される。これにより、ロックアップピストン80は、当該油室からの作動油の流れによって押圧され、フロントカバー2に向けて移動する。これに伴い、第1摩擦ディスク81および第2摩擦ディスク82がロックアップピストン80によって押圧されてフロントカバー2に向けて移動し、第1摩擦ディスク81および第2摩擦ディスク82は、ロックアップピストン80とフロントカバー2とによって挟持される。
第1摩擦ディスク81の一方(図中左側)の摩擦板83は、ロックアップピストン80と摩擦接触し、第2摩擦ディスク82の摩擦板83は、フロントカバー2と摩擦接触する。また、第1摩擦ディスク81の他方(図中右側)の摩擦板83は、第2摩擦ディスク82の基部82aと摩擦接触するので、第1摩擦ディスク81と第2摩擦ディスク82とが互いに摩擦接触する。この結果、ロックアップピストン80とフロントカバー2とが強固に連結され、両者は一体となって回転する。同様に、ダンパ装置7のガイドプレート73,74も、第2摩擦ディスク82を介してロックアップピストン80およびフロントカバー2と一体化され、フロントカバー2およびロックアップピストン80と共に回転する。なお、トルクコンバータ1では、フロントカバー2とロックアップピストン80との間に画成される油室に作動油が供給されると、フロントカバー2とロックアップピストン80の連結が断たれ、両者間には回転差が生じることになる。
このように、ガイドプレート73,74がフロントカバー2と一体に回転するようになり、フロントカバー2からの動力(トルク)が大きくなると、ガイドプレート73,74は、中間プレート71およびそれが固定されているタービンハブ5に対して図5における矢印Aの方向に回転する。これにより、中間プレート71の互いに隣り合う突起71a間のスプリング72が、各スプリング保持部73aおよび74aの一方の端部によって図5において白抜矢印で示されるように圧縮される。この結果、中間プレート(ドリブン部材)71は、スプリング72を介してガイドプレート(ドライブ部材)73,74から回転方向の力を受けることになり、各スプリング72によってフロントカバー2から伝えられるトルクの変動が吸収されて振動や騒音等の発生が抑制される。そして、フロントカバー2からの動力(トルク)は、ダンパ装置7、すなわち、ガイドプレート73,74、各スプリング72および中間プレート71を介して出力部材としてのタービンハブ5へと伝達されることになる。
また、上述のように、ロックアップピストン80の各突起80xは、対応するタービンハブ5の開口5x内に摺動自在に嵌め込まれている。このため、ガイドプレート73,74が中間プレート71およびタービンハブ5に対して回転する間、ガイドプレート73および74と共にフロントカバー2と一体に回転しているロックアップピストン80も、中間プレート71およびタービンハブ5に対して回転する。ここで、本実施形態において、各突起80xおよび各開口5xは、各スプリング72が完全に収縮する前に、ロックアップにより一体化したガイドプレート(ドライブ部材)73,74とロックアップピストン80とが中間プレート(ドリブン部材)71およびタービンハブ5に対して所定角度だけ回転すると、図5に示されるように各突起80xが対応する開口5xの端部と当接するように形成されている。
従って、ダンパ装置7を備えたトルクコンバータ1では、フロントカバー2からの動力(トルク)によりガイドプレート73,74およびロックアップピストン80が中間プレート71およびタービンハブ5に対して所定角度だけ回転すると、各突起80xと各開口5xとの協働によりロックアップピストン80とタービンハブ5との相対回転が規制され、それに伴って、ロックアップピストン80と回転方向に一体化しているガイドプレート73,74と、タービンハブ5に固定されている中間プレート71との相対回転が規制される。すなわち、ダンパ装置7では、ロックアップピストン80の各突起80xとタービンハブ5の各開口5xとにより、ガイドプレート(ドライブ部材)73,74と中間プレート(ドリブン部材)71との相対回転を規制するストッパ手段が構成される。
突起80xと開口5xとを含むストッパ手段により、ガイドプレート73,74と中間プレート71との相対回転が規制されるようになると、入力部材としてのフロントカバー2と出力部材としてのタービンハブ5とがダンパ装置7を介して機械的に直結される。そして、フロントカバー2とタービンハブ5とが機械的に直結されると、フロントカバー2からの動力(トルク)は、ガイドプレート73,74および中間プレート71を介してタービンハブ5に伝達されると共に、ロックアップピストン80を介してタービンハブ5に伝達されるようになる。すなわち、ガイドプレート73,74および中間プレート71に加えられるトルクは、ガイドプレート73,74を中間プレート71に対して上記所定角度だけ回転させるだけのトルクを超えることはなく、当該トルクを越えた分は、ロックアップピストン80に加えられることになる。
従って、ダンパ装置7では、ガイドプレート73,74や中間プレート71等のトルク負担を低減化できるので、装置全体の軽量化や低コスト化を容易に達成することが可能となる。また、ダンパ装置7のように、ロックアップピストン80の各突起80xとタービンハブ5の各開口5xとを用いて、ガイドプレート73,74と中間プレート71との相対回転を規制することにより、ストッパ手段を簡素化して低コスト化で構成すると共に、ストッパ手段に要するスペースを削減することが可能となる。
〔第2実施形態〕
以下、図6〜図8を参照しながら、本発明によるダンパ装置の第2実施形態について説明する。なお、上述の第1実施形態に関連して説明されたものと同一の要素には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略される。
図6は、本発明の第2実施形態に係るダンパ装置7Aを備えたトルクコンバータ1Aを示す部分断面図である。図6のトルクコンバータ1Aに備えられたダンパ装置7Aにおいて、ガイドプレート73,74と中間プレート71との相対回転を規制するためのストッパ手段は、ガイドプレート73,74が中間プレート71に対して所定角度だけ回転した段階でロックアップピストン80Aとタービンハブ5に設けられた流体伝動要素であるタービンランナ4とを係合させるものとして構成されている。
すなわち、図6に示されるように、タービンランナ4のタービンシェル4aの背面には、複数(本実施形態では、等間隔に4つ)の係合部材40yが固定されている。各係合部材40yは、細幅の帯材からなり、タービンシェル4aの背面からロックアップピストン80Aに向けて延在する。また、図7に示されるように、ロックアップピストン80Aの外周部には、タービンランナ4の複数の係合部材40yに対応するように複数(本実施形態では、等間隔に4つ)の係合凹部80yが形成されている。
タービンランナ4の各係合部材40yは、対応するロックアップピストン80Aの各係合凹部80yに遊嵌され、当該係合凹部80y内で移動(摺動)自在となる。また、各係合凹部80yは、各係合部材40yの幅よりも大きい周方向長さを有する。これにより、ロックアップピストン80Aは、各係合凹部80yにおける係合部材40yの移動範囲内において、すなわち、各係合部材40yが対応する係合凹部80yの一端から他端まで移動する間、タービンランナ4およびそれが固定されているタービンハブ5に対して回転可能となる。
なお、第2実施形態に係るトルクコンバータ1Aでは、タービンハブ5の端部5aにはめ込まれるロックアップピストン80の内周側位置決め端部80aがフロントカバー2側に延出されている。そして、フロントカバー2には、この内周側位置決め端部80aとタービンハブ5の端部5aとに対向するように凹部2aが形成されており、端部5aと凹部2aとの間には、スラスト軸受10cが配置される。これにより、ロックアップピストン80のタービンハブ5の軸方向における位置決めと、スラスト軸受10cの配置とに要するスペースを削減することができる。
上述のように構成されるダンパ装置7Aを備えたトルクコンバータ1においても、ロックアップクラッチ機構8が作動されると、ロックアップピストン80Aとフロントカバー2とが強固に連結され、両者は一体となって回転する。また、ダンパ装置7Aのガイドプレート73,74も、第2摩擦ディスク82を介してロックアップピストン80Aおよびフロントカバー2と一体化され、フロントカバー2およびロックアップピストン80Aと共に回転する。
このように、ガイドプレート73,74がフロントカバー2と一体に回転するようになり、フロントカバー2からの動力(トルク)が大きくなると、ガイドプレート73,74は、中間プレート71およびタービンハブ5に対して図8における矢印Aの方向に回転する。これにより、中間プレート71の互いに隣り合う突起71a間のスプリング72が、各スプリング保持部73aおよび74aの一方の端部によって図8において白抜矢印で示されるように圧縮される。そして、フロントカバー2からの動力(トルク)は、ダンパ装置7Aのガイドプレート73,74、各スプリング72および中間プレート71を介して出力部材としてのタービンハブ5へと伝達されることになる。
また、上述のように、タービンランナ4の各係合部材40yは、対応するロックアップピストン80Aの係合凹部80y内で移動自在であることから、ガイドプレート73,74が中間プレート71およびタービンハブ5に対して回転する間、ガイドプレート73および74と共にフロントカバー2と一体に回転しているロックアップピストン80Aも、タービンハブ5(およびタービンランナ4)に対して回転する。ここで、本実施形態において、各係合部材40yおよび各係合凹部80yは、各スプリング72が完全に収縮する前に、ロックアップにより一体化したガイドプレート73,74とロックアップピストン80Aとが中間プレート71およびタービンハブ5に対して所定角度だけ回転すると、図8に示されるように、タービンランナ4の各係合部材40yが対応する係合凹部80yの一方の端部壁面と当接するように形成されている。
従って、ダンパ装置7Aを備えたトルクコンバータ1Aでは、フロントカバー2からの動力(トルク)によりガイドプレート73,74およびロックアップピストン80Aが中間プレート71およびタービンハブ5に対して所定角度だけ回転すると、各係合部材40yと各係合凹部80yとの協働によりロックアップピストン80Aとタービンランナ4との相対回転が規制され、それに伴って、ロックアップピストン80Aと回転方向に一体化しているガイドプレート73,74と、タービンランナ4が連結されているタービンハブ5に固定された中間プレート71との相対回転が規制される。
係合部材40yと係合凹部80yとを含むストッパ手段により、ガイドプレート73,74と中間プレート71との相対回転が規制されるようになると、入力部材としてのフロントカバー2と出力部材としてのタービンハブ5とがダンパ装置7を介して機械的に直結される。そして、フロントカバー2とタービンハブ5とが機械的に直結されると、フロントカバー2からの動力(トルク)は、ガイドプレート73,74および中間プレート71を介してタービンハブ5に伝達されると共に、ロックアップピストン80、各係合部材40yおよびタービンランナ4を介してタービンハブ5に伝達されるようになる。すなわち、ガイドプレート73,74および中間プレート71に加えられるトルクは、ガイドプレート73,74を中間プレート71に対して上記所定角度だけ回転させるだけのトルクを超えることはなく、当該トルクを越えた分は、ロックアップピストン80を介してタービンランナ4に加えられることになる。
従って、ダンパ装置7Aにおいても、ガイドプレート73,74や中間プレート71等のトルク負担を低減化できるので、装置全体の軽量化や低コスト化を容易に達成することが可能となる。また、ダンパ装置7Aのように、流体伝動要素であるタービンランナ4の各係合部材40yと、ロックアップピストン80Aの各係合凹部80yとを用いて、ガイドプレート73,74と中間プレート71との相対回転を規制することにより、ストッパ手段を簡素化して低コスト化で構成すると共に、ストッパ手段に要するスペースを削減することが可能となる。
〔第3実施形態〕
以下、図9および図10を参照しながら、本発明によるダンパ装置の第2実施形態について説明する。なお、上述の第1実施形態等に関連して説明されたものと同一の要素には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略される。
図9は、本発明の第3実施形態に係るダンパ装置7Bを備えたトルクコンバータ1Bを示す部分断面図である。図9のトルクコンバータ1Bに備えられたダンパ装置7Bにおいて、ガイドプレート73,74と中間プレート71との相対回転を規制するためのストッパ手段は、ガイドプレート73,74が中間プレート71に対して所定角度だけ回転した段階でロックアップクラッチ機構8の第2摩擦ディスク82とタービンハブ5に設けられた流体伝動要素であるタービンランナ4とを係合させるものとして構成されている。
図9に示されるダンパ装置7Bにおいても、タービンランナ4のタービンシェル4aの背面には、複数(本実施形態では、例えば、等間隔に4つ)の係合部材40zが固定されている。各係合部材40zは、細幅の帯材からなり、タービンシェル4aの背面からロックアップピストン80Aに向けて延在する。また、ロックアップクラッチ機構8の第2摩擦ディスク82は、図10に示されるように、比較的広い間隙82zをおいて2本ずつ配設された複数(本実施形態では、8本)のスプライン82bを有している。各スプライン82bは、第1および第2実施形態と比較して、タービンランナ4側に多少延長されている。
タービンランナ4の各係合部材40zの先端は、対応する第2摩擦ディスク82の間隙82z内に配置(位置決め)される。また、各間隙82zは、各係合部材40zの幅よりも大きい周方向長さを有する。これにより、第2摩擦ディスク82は、各間隙82zにおける係合部材40zの移動範囲内において、すなわち、各係合部材40zが対応する間隙82zの一端から他端まで移動する間、タービンランナ4およびそれが固定されているタービンハブ5に対して回転可能となる。
このように構成されるダンパ装置7Bを備えたトルクコンバータ1Bにおいても、ロックアップクラッチ機構8が作動されると、第2摩擦ディスク82を介してフロントカバー2、ロックアップピストン80およびダンパ装置7Bのガイドプレート73,74が一体に回転するようになる。また、上述のように、タービンランナ4の各係合部材40zは、対応する第2摩擦ディスク82の間隙82z内で移動自在であることから、ガイドプレート73,74が中間プレート71およびタービンハブ5に対して回転する間、ガイドプレート73および74と共にフロントカバー2と一体に回転している第2摩擦ディスク82も、タービンハブ5(およびタービンランナ4)に対して回転する。ここで、本実施形態において、各係合部材40zおよび各間隙82zは、各スプリング72が完全に収縮する前に、ロックアップにより一体化したガイドプレート73,74と第2摩擦ディスク82とが中間プレート71およびタービンハブ5に対して所定角度だけ回転すると、タービンランナ4の各係合部材40zが対応する間隙82zを定めるスプライン82bの一方と当接するように形成されている。
従って、ダンパ装置7Bを備えたトルクコンバータ1Bでは、フロントカバー2からの動力(トルク)によりガイドプレート73,74およびロックアップピストン80Aが中間プレート71およびタービンハブ5に対して所定角度だけ回転すると、各係合部材40zと各間隙82zとの協働により第2摩擦ディスク82とタービンランナ4との相対回転が規制され、それに伴って、第2摩擦ディスク82と回転方向に一体化しているガイドプレート73,74と、タービンランナ4が連結されているタービンハブ5に固定された中間プレート71との相対回転が規制される。すなわち、ダンパ装置7Bでは、タービンランナ4の各係合部材40zと第2摩擦ディスク82の各間隙82zとにより、ガイドプレート(ドライブ部材)73,74と中間プレート(ドリブン部材)72との相対回転を規制するストッパ手段が構成される。
係合部材40zと間隙82zとを含むストッパ手段により、ガイドプレート73,74と中間プレート71との相対回転が規制されるようになると、入力部材としてのフロントカバー2と出力部材としてのタービンハブ5とがダンパ装置7Bを介して機械的に直結される。そして、フロントカバー2とタービンハブ5とが機械的に直結されると、フロントカバー2からの動力(トルク)は、ガイドプレート73,74および中間プレート71を介してタービンハブ5に伝達されると共に、第2摩擦ディスク82、各係合部材40zおよびタービンランナ4を介してタービンハブ5に伝達されるようになる。すなわち、ガイドプレート73,74および中間プレート71に加えられるトルクは、ガイドプレート73,74を中間プレート71に対して上記所定角度だけ回転させるだけのトルクを超えることはなく、当該トルクを越えた分は、第2摩擦ディスク82を介してタービンランナ4に加えられることになる。
従って、ダンパ装置7Bにおいても、ガイドプレート73,74や中間プレート71等のトルク負担を低減化できるので、装置全体の軽量化や低コスト化を容易に達成することが可能となる。また、ダンパ装置7Bのように、流体伝動要素であるタービンランナ4の各係合部材40zと、第2摩擦ディスク82の各間隙82zとを用いて、ガイドプレート73,74と中間プレート71との相対回転を規制することにより、ストッパ手段を簡素化して低コスト化で構成すると共に、ストッパ手段に要するスペースを削減することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るダンパ装置を備えた流体伝動装置を示す断面図である。 第1実施形態に係るダンパ装置を説明するための要部拡大図である。 第1実施形態に係るダンパ装置を説明するための要部拡大図である。 図1の流体伝動装置に含まれるロックアップクラッチ機構の要部拡大図である。 第1実施形態に係るダンパ装置を説明するための要部拡大図である。 本発明の第2実施形態に係るダンパ装置を備えた流体伝動装置を示す断面図である。 第2実施形態に係るダンパ装置を説明するための要部拡大図である。 第2実施形態に係るダンパ装置を説明するための要部拡大図である。 本発明の第3実施形態に係るダンパ装置を備えた流体伝動装置を示す断面図である。 第3実施形態に係るダンパ装置を説明するための要部拡大図である。
符号の説明
1,1A,1B トルクコンバータ
2 フロントカバー
3 ポンプインペラ
4 タービンランナ
5 タービンハブ
5x 開口
6 ステータ
7,7A,7B ダンパ装置
8 ロックアップクラッチ機構
9 ワンウェイクラッチ
11 ディスク支持部材
40y,40z 係合部材
71 中間プレート
71a 突起
72 スプリング
73,74 ガイドプレート
73a,74a スプリング保持部
73a スプリング保持部
80,80A ロックアップピストン
80a 端部
80x 突起
80y 係合凹部
81 第1摩擦ディスク
82 第2摩擦ディスク
82b スプライン
82z 間隙

Claims (7)

  1. 入力部材と、前記入力部材から動力が伝達される出力部材との間に設けられ、前記入力部材から前記出力部材に伝達されるトルクの変動を吸収することができるダンパ装置において、
    前記入力部材と回転方向に一体化され得るドライブ部材と、
    前記出力部材と連結されたドリブン部材と、
    前記ドライブ部材が前記ドリブン部材に対して所定角度だけ回転した際に、前記ドライブ部材と回転方向に一体化している所定の部材と前記出力部材との相対回転を規制するストッパ手段とを備えることを特徴とするダンパ装置。
  2. 前記所定の部材は、前記入力部材と前記ドライブ部材とを回転方向に一体化させるためのロックアップクラッチ機構に含まれるロックアップピストンであることを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
  3. 前記ストッパ手段は、前記ドライブ部材が前記ドリブン部材に対して所定角度だけ回転した段階で前記ロックアップピストンと前記出力部材とを係合させる手段を含むことを特徴とする請求項2に記載のダンパ装置。
  4. 前記入力部材と前記出力部材とには、両者間で動力を伝達するための流体伝動要素がそれぞれ設けられており、
    前記ストッパ手段は、前記ドライブ部材が前記ドリブン部材に対して所定角度だけ回転した段階で前記ロックアップピストンと前記出力部材に設けられた前記流体伝動要素とを係合させる手段を含むことを特徴とする請求項2に記載のダンパ装置。
  5. 前記所定の部材は、前記入力部材と前記出力部材とを回転方向に一体化させるためのロックアップクラッチ機構に含まれる摩擦ディスクであることを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
  6. 前記入力部材と前記出力部材とには、両者間で動力を伝達するための流体伝動要素がそれぞれ設けられており、
    前記ストッパ手段は、前記ドライブ部材が前記ドリブン部材に対して所定角度だけ回転した段階で前記摩擦ディスクと前記出力部材に設けられた前記流体伝動要素とを係合させる手段を含むことを特徴とする請求項5に記載のダンパ装置。
  7. 前記ドリブン部材は、弾性体を介してドライブ部材から回転方向の力を受けることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のダンパ装置。
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