JP2007113661A - 流体式トルク伝達装置およびそれに用いられるロックアップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置において、組付および分解作業を容易にする。
【解決手段】ロックアップ装置5は、クラッチ機構6と、第1ダンパー機構70と第2ダンパー機構71とからなるダンパー機構7とを備えている。第1ダンパー機構70は、1対のリティーニングプレート72、73と、センタープレート74と、複数の第1コイルスプリング77とを有している。センタープレート74は、1対のリティーニングプレート72、73の軸方向間に相対回転可能に配置されている。第2ダンパー機構71は、ドリブンプレート78と、複数の第2コイルスプリング79とを有している。センタープレート74の一部は、第2コイルスプリング79の端部同士の間に軸方向から挿入されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体式トルク伝達装置およびそれに用いられるロックアップ装置、特に、トルクコンバータやフリュード・カップリング等の流体式トルク伝達装置およびそれに用いられるロックアップ装置に関する。
流体式トルク伝達装置として、ロックアップ装置を備えたトルクコンバータが知られている。トルクコンバータは、3種の羽根車からなるトーラス(インペラー、タービン、ステータ)を有し、トーラス内部の流体を介してトルクを伝達する装置である。インペラーは入力側回転体としてのフロントカバーに固定されている。タービンは流体室内でインペラーに対向して配置されている。インペラーが回転すると、インペラーからタービンに作動油が流れ、タービンを回転させることでトルクを出力する。
ロックアップ装置は、タービンとフロントカバーとの間の空間に配置されており、フロントカバーとタービンを機械的に連結することでフロントカバーからタービンにトルクを直接伝達するための機構である。この種のロックアップ装置は、例えばフロントカバーとタービンとを機械的に連結するためのクラッチ機構と、フロントカバーとタービンとを回転方向に弾性的に連結するためのダンパー機構とから構成されている(例えば、特許文献1および2を参照。)。
特許文献1および2に記載のダンパー機構は、入力側プレートと、出力側プレートと、中間プレートと、外周側に配置された複数の第1コイルスプリングと、内周側に配置された複数の第2コイルスプリングとから構成されている。このダンパー機構では、入力側プレートと中間プレートとが第1コイルスプリングにより回転方向に弾性的に連結されており、中間プレートと入力側プレートとが第2コイルスプリングにより回転方向に弾性的に連結されている。また入力側プレートと中間プレートとはリベットにより相対回転可能に軸方向に連結されており、中間プレートと出力側プレートとはリベットにより相対回転可能に軸方向に連結されている。
特開2000−2312号公報 特開2000−110915号公報
しかし、このダンパー機構は各部材が軸方向に連結されているため、全体として一体の機構を構成している。そのため、このダンパー機構は構造が複雑になるとともに組付および分解作業が容易でない。
本発明の課題は、流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置において、組付および分解作業を容易にすることにある。
請求項1に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、フロントカバーとタービンとの間に配置され、フロントカバーとタービンとを機械的に連結するための装置である。このロックアップ装置は、クラッチ機構と、ダンパー機構とを備えている。クラッチ機構は、フロントカバーとタービンとを機械的に連結するための機構である。ダンパー機構は、クラッチ機構に連結された第1ダンパー機構と、第1ダンパー機構とタービンとの間に配置され第1ダンパー機構と直列に作用する第2ダンパー機構とを有している。第1ダンパー機構は、1対の入力側部材と、中間部材と、複数の第1弾性部材とを有している。1対の入力側部材は、クラッチ機構側の部材からトルクが入力される部材である。中間部材は、1対の入力側部材の軸方向間に相対回転可能に配置されている。第1弾性部材は、1対の入力側部材と中間部材との間で弾性変形可能に配置されている。第2ダンパー機構は、出力側部材と、複数の第2弾性部材とを有している。出力側部材はタービンに固定されている。第2弾性部材は、第1弾性部材の外周側に配置されており、中間部材と出力側部材との間で弾性変形可能に配置されている。中間部材の一部は、第2弾性部材の端部同士の間に軸方向から挿入されている。
この装置では、中間部材の一部が第2弾性部材の端部同士の間に軸方向から挿入されているため、第1および第2ダンパー機構を別々のアッセンブリーとして取り扱うことができる。これにより、ロックアップ装置の組付および分解が容易となる。
請求項2に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、請求項1において、中間部材が環状の中間部材本体と、中間部材本体から半径方向外側へ延びる少なくとも1つの爪部とを有している。爪部は第2弾性部材の端部同士の間に軸方向から挿入されている。
この装置では、第1および第2ダンパー機構が中間部材の爪部のみにより連結されているため、第1および第2ダンパー機構を別々のアッセンブリーとして取り扱うことができる。これにより、ロックアップ装置の組付および分解が容易となる。また、第2弾性部材の配置の自由度が高くなり、流体室内のスペースの有効利用が可能となる。
請求項3に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、請求項1または2において、第1ダンパー機構が1対の入力側部材と中間部材との間に配置され両部材と摺動可能に配置された少なくとも1つの摩擦部材をさらに有している。
この装置では、第1ダンパー機構が摩擦部材を有しているため、入力側部材と中間部材とが相対回転すると両部材間に回転方向の摩擦抵抗、すなわちヒステリシストルクが発生する。これにより、ダンパー機構において捩り振動を効果的に吸収・減衰することができる。
請求項4に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、請求項1から3のいずれかにおいて、タービンが内周側に配置されたタービンハブを有しており、タービンハブが軸方向に延びる筒状部を有している。第1ダンパー機構は、筒状部の外周側に支持されている。
この装置では、第1ダンパー機構がタービンハブの筒状部の外周側に支持されているため、第1ダンパー機構の半径方向の位置決めをタービンハブにより行うことができる。
請求項5に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、請求項4において、筒状部が軸方向の端部から外周側へ延びるツバ部を有しており、第1ダンパー機構がツバ部に軸方向に当接している。
この装置では、第1ダンパー機構がツバ部に軸方向に当接しているため、第1ダンパー機構の軸方向の位置決めをタービンハブにより行うことができる。
請求項6に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、請求項1から5のいずれかにおいて、出力側部材の一部が入力側部材と軸方向に当接している。
この装置では、出力側部材の一部が入力側部材と軸方向に当接しているため、第1ダンパー機構の軸方向の位置決めを出力側部材を介してタービンにより行うことができる。
請求項7に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、請求項1から6のいずれかにおいて、出力側部材が軸方向フロントカバー側に突出する少なくとも1つの軸方向突部を有している。軸方向突部は入力側部材と軸方向に当接している。
この装置では、出力側部材の突起が入力側部材と軸方向に当接しているため、第1ダンパー機構の軸方向の位置決めを出力側部材を介してタービンにより行うことができる。
請求項8に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、請求項1から7のいずれかにおいて、第2ダンパー機構が出力側部材に固定され出力側部材との軸方向間に第2弾性部材を挟み込む支持部材をさらに有している。支持部材と中間部材とは回転方向に当接可能に配置されている。
この装置では、支持部材と中間部材とが回転方向に当接可能に配置されているため、第2ダンパー機構の作動角が両部材により決定される。これにより、簡素な構造で第2ダンパー機構の作動角を決めることができ、部品点数の増大を防止することができる。
請求項9に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、請求項8において、支持部材が軸方向へ延びる少なくとも1つの突起を有しており、爪部および突起が回転方向に噛み合っている。
この装置では、支持部材の突起と中間部材の爪部とが回転方向に当接可能に配置されているため、第2ダンパー機構の作動角が両部材により決定される。これにより、簡素な構造で第2ダンパー機構の作動角を決めることができ、部品点数の増大を防止することができる。
請求項10に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、請求項1から7のいずれかにおいて、第2ダンパー機構が出力側部材に固定され出力側部材との軸方向間に第2弾性部材を挟み込む支持部材をさらに有している。支持部材と入力側部材とは回転方向に当接可能に配置されている。
この装置では、支持部材と入力側部材とが回転方向に当接可能に配置されているため、第2ダンパー機構の作動角が両部材により決定される。これにより、簡素な構造で第2ダンパー機構の作動角を決めることができ、部品点数の増大を防止することができる。
請求項11に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、請求項10において、支持部材が軸方向へ延びる少なくとも1つの突起を有している。入力側部材は、円板状の入力側部材本体と、入力側部材本体から半径方向外側へ延びる少なくとも1つの外周突部とを有している。外周突部および突起は回転方向に噛み合っている。
この装置では、支持部材の突起と入力側部材の外周突部とが回転方向に当接可能に配置されているため、第2ダンパー機構の作動角が両部材により決定される。これにより、簡素な構造で第2ダンパー機構の作動角を決めることができ、部品点数の増大を防止することができる。
請求項12に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、請求項1から11のいずれかにおいて、第1ダンパー機構が1対の入力側部材を連結する少なくとも1つの連結部材をさらに有している。連結部材と中間部材とは回転方向に当接可能に配置されている。
この装置では、中間部材と連結部材とが回転方向に当接可能に配置されているため、第1ダンパー機構の作動角が両部材により決定される。これにより、簡素な構造により第1ダンパー機構の作動角を決めることができ、部品点数の増大を防止することができる。
請求項13に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、請求項1から12のいずれかにおいて、タービンがタービンシェルと、タービンシェルに固定された複数のタービンブレードと、タービンシェルの内周側に配置されたタービンハブと、タービンシェルおよびタービンハブを連結するための第1固定部材とを有している。出力側部材はタービンハブに対してタービンシェルとともに第1固定部材により固定されている。
この装置では、第1固定部材によりタービンシェルとともにタービンハブに対して出力側部材を固定しているため、出力側部材固定用の部材を設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
請求項14に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置は、請求項1から12のいずれかにおいて、タービンがタービンシェルと、タービンシェルに固定された複数のタービンブレードと、タービンシェルの内周側に固定されたタービンハブと、タービンシェルと出力側部材とを連結する第2固定部材とを有している。
請求項15に記載の流体式トルク伝達装置では、フロントカバーと、フロントカバーとともに流体室を形成するインペラーと、流体室内で前記インペラーに対向して配置されたタービンと、フロントカバーとタービンとの間に配置された請求項1から14のいずれかに記載のロックアップ装置とを備えている。
この装置では、請求項1から14のいずれかに記載のロックアップ装置を備えているため、ロックアップ装置の組付および分解が容易となる。また、第2弾性部材の配置の自由度が高くなり、流体室内のスペースの有効利用が可能となる。
本発明に係る流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置では、第1ダンパー機構の一部が第2ダンパー機構に軸方向に挿入されているため、ロックアップ装置の組付および分解作業を容易に行うことができる。
以下、図面に基づいて、本発明に係る流体式トルク伝達装置およびロックアップ装置の実施形態について説明する。
A.第1実施形態
1.トルクコンバータの全体構造
図1に、本発明の第1実施形態としてのロックアップ装置が採用されたトルクコンバータ1の縦断面概略図を示す。図1の左側にはエンジン(図示せず)が配置され、図の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。また、図1に示すO−Oは、トルクコンバータ1の回転軸線である。
トルクコンバータ1は、エンジン側のクランクシャフト(図示せず)からトランスミッションの入力シャフトにトルクを伝達するための装置であり、入力側の部材に固定されるフロントカバー2と、3種の羽根車(インペラー9、タービン10、ステータ11)からなるトーラス8を含むトルクコンバータ本体3と、ロックアップ装置5とから構成されている。
フロントカバー2は、エンジン側の部材に固定された環状の部材であり、主に、第1カバー部材21と、第2カバー部材22と、第3カバー部材23とから構成されている。
第1カバー部材21は、フロントカバー2の主要部を構成する部材であり、円板状のカバー円板部21aと、カバー円板部21aの外周部に形成され軸方向トランスミッション側に突出する外周筒状部21bとを有している。外周筒状部21bは、後述するインペラー9のインペラーシェル12に溶接によって固定されている。カバー円板部21aの軸方向トランスミッション側には、軸方向に延びる筒状の第3筒状支持部21cが固定されている。
第2カバー部材22は、第1カバー部材21の内周部に固定された環状の部材であり、外周部に軸方向トランスミッションに突出する第1筒状支持部22bを有している。第3カバー部材23は、第2カバー部材22の内周部に固定された環状の部材であり、外周部に軸方向トランスミッション側に突出する第2筒状支持部23bを有している。
インペラー9は、インペラーシェル12と、その内側に固定された複数のインペラーブレード13と、インペラーシェル12の内周側に配置された筒状のインペラーハブ24とから構成されている。
タービン10は、流体室内でインペラー9に対向して配置されている。タービン10は、タービンシェル14と、タービンシェル14に固定された複数のタービンブレード15と、タービンシェル14の内周側に固定されたタービンハブ16とから構成されている。タービンハブ16は、外周側に延びるフランジ16aを有しており、このフランジ16aには、タービンシェル14の内周部が後述のドリブンプレート78とともに複数のリベット17(第1固定部材)によって固定されている。また、タービンハブ16の筒状部16bには、図示しないトランスミッションの入力シャフトがスプライン係合している。筒状部16bの軸方向エンジン側の先端部には、半径方向外側へ延びる環状のツバ部16dが形成されている。
ステータ11は、インペラー9とタービン10の内周部間に配置され、タービン10からインペラー9へと戻る作動油(作動流体)を整流するための機構である。ステータ11は、主に、環状のステータキャリア18と、その外周面に配置された複数のステータブレード19とから構成されている。ステータキャリア18は、ワンウェイクラッチ20を介して図示しない固定シャフトに支持されている。なお、フロントカバー2の第3カバー部材23とタービンハブ16との軸方向間には第1スラストベアリング31が配置され、タービンハブ16とステータ11との軸方向間には第2スラストベアリング32が配置され、ステータ11とインペラーシェル12との軸方向間には第3スラストベアリング33が配置されている。各スラストベアリング31〜33には、半径方向に作動油が流通可能なポートが形成されている。
2.ロックアップ装置5の構造
図2にロックアップ装置5周辺の縦断面概略図を示す。ロックアップ装置5は、必要に応じてフロントカバー2とタービン10とを機械的に連結するための装置であり、図2に示すようにフロントカバー2とタービン10と間に配置されている。ロックアップ装置5は、フロントカバー2に連結可能なクラッチ機構6としての機能と、クラッチ機構6とタービン10とを回転方向に弾性的に連結するダンパー機構7としての機能とを有している。
(1)クラッチ機構6
図2に示すように、クラッチ機構6は主に、ロックアップ用ピストン61と、ロックアップ用油圧室62と、クラッチドラム67と、ロックアップ用エンドプレート65と、ロックアップ用クラッチプレート63と、ロックアップ用摩擦ディスク64とから構成されている。
ロックアップ用ピストン61は、後述するロックアップ用クラッチプレート63を介してロックアップ用摩擦ディスク64を付勢するための部材であり、フロントカバー2に軸方向へ相対移動可能に支持されている。ロックアップ用ピストン61は、円板状のピストン本体61aと、第1支持突起61bとを有している。第1支持突起61bは、ピストン本体61aの外周部から軸方向トランスミッション側に突出している。ロックアップ用ピストン61は、前述の第3筒状支持部21cおよび第1筒状支持部22bの半径方向間に挿嵌されており、第3筒状支持部21cの内周面および第1筒状支持部22bの外周面と半径方向に当接している。
ロックアップ用油圧室62は、ロックアップ用ピストン61駆動時に油圧が供給される環状の空間であり、フロントカバー2とロックアップ用ピストン61との間に形成されている。ロックアップ用油圧室62は、シール部材61cおよび22cによりシールされている。
クラッチドラム67は、ロックアップ用クラッチプレート63およびロックアップ用エンドプレート65をフロントカバー2に対して一体回転可能に支持するための部材であり、フロントカバー2の外周筒状部21bの内周側に配置されている。より具体的には、クラッチドラム67は、フロントカバー2とタービン10との軸方向間であってタービン10の外周側に配置されている。クラッチドラム67は、ドラム本体67aと、複数のドラム溝67cと、複数のドラム連通孔67bとを有している。ドラム本体67aは、軸方向トランスミッション側へ延びる筒状の部分である。ドラム溝67cは、ドラム本体67aの内周側に形成された軸方向に延びる溝である。ドラム連通孔67bは、ドラム本体67aに形成された軸方向に貫通する孔である。ドラム連通孔67bは、例えばロックアップ用エンドプレート65およびロックアップ用クラッチプレート63の軸方向間に配置されている。図2に示すように、クラッチドラム67と外周筒状部21bとの半径方向間には、流路68が形成されている。
ロックアップ用クラッチプレート63は、後述するロックアップ用摩擦ディスク64を付勢するための部材であり、ロックアップ用ピストン61と後述するロックアップ用摩擦ディスク64との間に配置されている。ロックアップ用クラッチプレート63は、ロックアップ用ピストン61の外周部からさらに外周側へ延びており、クラッチドラム67の内周側に配置されている。
ロックアップ用クラッチプレート63は、クラッチプレート本体63aと、第1押圧部63bと、複数の第1外周歯63dと、第1支持孔63cと、内周部63eとを有している。第1押圧部63bは、クラッチプレート本体63aの外周側に形成された環状の部分であり、後述するロックアップ用摩擦ディスク64と摩擦係合する部分である。第1外周歯63dは、第1押圧部63bから半径方向外側へ延びる部分であり、ドラム溝67cと係合している。第1支持孔63cは、クラッチプレート本体63aの内周部に形成された軸方向に貫通する孔であり、ロックアップ用ピストン61の第1支持突起61bが挿嵌されている。内周部63eは、ロックアップ用摩擦ディスク64の内周側に形成された部分であり、ロックアップ用ピストン61と軸方向に当接可能に配置されている。
ロックアップ用エンドプレート65は、ロックアップ用ピストン61からの付勢力を受けるための部材であり、ロックアップ用クラッチプレート63の軸方向トランスミッション側であってクラッチドラム67の内周側に配置されている。ロックアップ用エンドプレート65は、エンドプレート本体65aと、複数の第2外周歯65bとを有している。エンドプレート本体65aは、ロックアップ用摩擦ディスク64と摩擦係合する部分である。第2外周歯65bは、エンドプレート本体65aから半径方向外側へ突出する部分であり、ドラム溝67cと係合している。ロックアップ用エンドプレート65は、クラッチドラム67に固定された固定リング66により、軸方向トランスミッション側へ移動不能となっている。
ロックアップ用摩擦ディスク64は、ロックアップ用クラッチプレート63およびロックアップ用エンドプレート65と摩擦係合するための部材であり、摩擦ディスク本体64aと、複数の第1内周歯64cと、1対の摩擦フェーシング64bとを有している。第1内周歯64cは、摩擦ディスク本体64aから半径方向内側へ突出する部分であり、後述する第1ダンパー機構70のリティーニングプレート72(ダンパー機構側の部材)に一体回転可能なように係合している。摩擦フェーシング64bは、摩擦ディスク本体64aの軸方向両側に固定された環状のプレートであり、ロックアップ用クラッチプレート63およびロックアップ用エンドプレート65に軸方向に対向している。
以上より、ロックアップ用ピストン61は、ロックアップ用クラッチプレート63およびクラッチドラム67を介してフロントカバー2に一体回転可能に支持されている。またロックアップ用クラッチプレート63は、クラッチドラム67を介してフロントカバー2に一体回転可能にかつ軸方向へ相対移動可能に支持されている。そしてロックアップ用油圧室62に圧力を供給してロックアップ用ピストン61を軸方向トランスミッション側へ移動させると、ロックアップ用クラッチプレート63とロックアップ用エンドプレート65との間にロックアップ用摩擦ディスク64が狭持される。この結果、ロックアップ用摩擦ディスク64の摩擦フェーシング64bの摩擦面で発生する摩擦力によりトルクがダンパー機構7へ伝達される。
(2)ダンパー機構7
図2に示すように、ダンパー機構7は主に、第1ダンパー機構70と、第2ダンパー機構71とから構成されている。
第1ダンパー機構70は、クラッチ機構6から入力されたトルクを第2ダンパー機構71へ伝達するとともに入力された捩り振動を吸収・減衰するための機構であり、クラッチ機構6とタービン10との間に配置されている。第1ダンパー機構70は主に、1対のリティーニングプレート72、73(入力側部材)と、第1センタープレート74(中間部材)と、第2センタープレート82と、複数の第1コイルスプリング77(第1弾性部材)とから構成されている。図3にリティーニングプレートおよびセンタープレートの軸方向エンジン側から見た平面図を示す。
図2および図3に示すように、1対のリティーニングプレート72、73は、第1ダンパー機構70の入力側の部材であり、軸方向に一定の間隔を保った状態で複数のストップピン75(連結部材)により連結されている。1対のリティーニングプレート72、73は、タービンハブ16の筒状部16bの外周側に挿嵌されており、筒状部16bにより相対回転可能に支持されている。
リティーニングプレート72、73は複数の収容部72a、73aを有している。収容部72a、73aは第1コイルスプリング77を軸方向間に収容している。また収容部72a、73aは第1コイルスプリング77の端部を回転方向に支持している。リティーニングプレート72は外周側に軸方向へ延びる複数の第1爪部72bを有しており、第1爪部72bはロックアップ用摩擦ディスク64の第1内周歯64cと噛み合っている。すなわち、クラッチ機構6からのトルクはロックアップ用摩擦ディスク64を介してリティーニングプレート72へ入力される。
第1センタープレート74は、第1ダンパー機構70の出力側の部材であり、リティーニングプレート72、73の軸方向間に相対回転可能に配置されている。第1センタープレート74は、第1センタープレート本体74a(中間部材本体)と、複数の第2爪部74bと、複数の係止溝部74cと、複数の第1係止部74dとを有している。第1センタープレート本体74aは、第1センタープレート74の主要部を構成する部分であり、後述する第1コイルスプリング77の外周側に配置された環状の部分である。第2爪部74bは、第1センタープレート本体74aの外周部から半径方向外側かつ軸方向へ延びる部分であり、第2ダンパー機構71の第2コイルスプリング79の端部を回転方向に支持している。また第2爪部74bは、第2コイルスプリング79の端部同士の間に軸方向から挿入されている。係止溝部74cは内周側に形成された凹部であり、係止溝部74cにはストップピン75が回転方向に当接可能なように配置されている。リティーニングプレート72、73と第1センタープレート74との相対回転は、係止溝部74cおよびストップピン75によりある一定角度の範囲内で規制されている。第1係止部74dは、第1センタープレート本体74aから半径方向内側に延びる部分であり、第1コイルスプリング77の端部を回転方向に支持している。
またリティーニングプレート72、73と第1センタープレート74との軸方向間には、1対のフリクションワッシャ76(摩擦部材)が挟み込まれている。リティーニングプレート72、73と第1センタープレート74とが相対回転すると、両プレート72、73、74とフリクションワッシャ76とが回転方向に摺動し、ヒステリシストルクが発生する。
第2センタープレート82は、第1センタープレート74の内周側に相対回転可能に配置された環状の部材であり、第2センタープレート本体82aと、複数の第2係止部82bとを有している。第2センタープレート本体82aは、後述する第1コイルスプリング77の内周側に配置された環状の部分である。第2係止部82bは、第2センタープレート本体82aから半径方向外側へ延びる部分であり、第1コイルスプリング77の端部を回転方向に支持している。
第1コイルスプリング77は、リティーニングプレート72、73と第1センタープレート74とを回転方向に弾性的に連結しており、回転方向に弾性変形可能に収容部72a、73aに収容されている。
以上より、第1ダンパー機構70はタービンハブ16の筒状部16bにより相対回転可能に支持されている。またリティーニングプレート72に入力されたトルクはリティーニングプレート72、73、ストップピン75を介して第1センタープレート74に出力され、リティーニングプレート72に入力された捩り振動は第1コイルスプリング77およびフリクションワッシャ76により吸収・減衰される。
第2ダンパー機構71は、第1ダンパー機構70から入力されたトルクをタービン10へ伝達するとともに捩り振動を吸収・減衰するための機構であり、第1ダンパー機構70とタービン10との間に配置されている。第2ダンパー機構71は主に、ドリブンプレート78(出力側部材)と、複数の第2コイルスプリング79(第2弾性部材)と、支持プレート80(支持部材)とを有している。
ドリブンプレート78は、第2ダンパー機構71の出力側の部材であり、内周部がタービンシェル14とともにタービンハブ16にリベット17により固定されている。ドリブンプレート78は、第1ダンパー機構70とタービン10との間に配置された円板状の部材であり、複数の軸方向突部78aと、複数の保持部78cと、複数の保持突起78bとを有している。軸方向突部78aは、例えばプレス加工等により形成された突起部分であり、リティーニングプレート73と軸方向に当接している。またリティーニングプレート72の内周縁は、タービンハブ16のツバ部16dと軸方向に当接している。すなわち、第1ダンパー機構70はタービンハブ16のツバ部16dとドリブンプレート78の軸方向突部78aとの間に挟み込まれている。これにより、第1ダンパー機構70の軸方向の位置決めをドリブンプレート78を介してタービンハブ16により行うことができる。
保持部78cは、第2コイルスプリング79を半径方向および軸方向に保持する部分であり、第2コイルスプリング79の形状に合わせて折り曲げられている。保持突起78bは、第2コイルスプリング79を回転方向に支持するための部分であり、保持部78cおよび第2コイルスプリング79の回転方向両端に配置された半径方向外側へ延びている。
第2コイルスプリング79は、第1センタープレート74とドリブンプレート78とを回転方向に弾性的に連結するためのもので、回転方向に弾性変形可能なように保持部78cに収容されている。また図2に示すように、第2コイルスプリング79およびドリブンプレート78の保持部78cは、後述するクラッチドラム67の軸方向トランスミッション側に配置されており、第2コイルスプリング79の内周側であって軸方向トランスミッション側にタービン10が配置されている。
支持プレート80は、第2コイルスプリング79を軸方向に支持するための環状の部材であり、ドリブンプレート78にリベット81により固定されている。保持部78cと支持プレート80との間には、第2コイルスプリング79が挟み込まれている。支持プレート80は、外周側に軸方向に延びる複数の突起80aを有している。突起80aは、第2爪部74b同士の間に第2爪部74bと回転方向に当接可能なように配置されている。
以上より、第1ダンパー機構70から第2ダンパー機構71に入力されたトルクは、支持プレート80およびドリブンプレート78を介してタービン10に伝達され、捩り振動は第2コイルスプリング79により吸収・減衰される。
(3)摩擦発生機構4
ロックアップ装置5は、さらに摩擦発生機構4を有している。図4に、摩擦発生機構4周辺の縦断面概略図を示す。摩擦発生機構4はフロントカバー2とタービン10との間で摩擦抵抗を発生させるための機構であり、図4に示すようにフロントカバー2とタービン10との間であって、ロックアップ装置5の内周側、より詳細にはクラッチ機構6およびダンパー機構7の内周側に配置されている。摩擦発生機構4は主に、摩擦発生用ピストン41と、摩擦発生用油圧室42と、摩擦発生用クラッチプレート43と、摩擦発生用エンドプレート45と、摩擦発生用摩擦ディスク44とから構成されている。
摩擦発生用ピストン41は、後述する摩擦発生用クラッチプレート43を介して摩擦発生用摩擦ディスク44を付勢するための部材であり、フロントカバー2に軸方向へ相対移動可能に支持されている。また図2および図4に示すように、摩擦発生用ピストン41は前述のロックアップ用油圧室62の内周側に配置されている。摩擦発生用ピストン41は、複数の第2支持突起41aと、第2押圧部41cとを有している。第2支持突起41aは、摩擦発生用ピストン41の内周部から軸方向トランスミッション側に突出している部分である。第2押圧部41cは、摩擦発生用ピストン41の外周部から軸方向トランスミッション側に突出している部分であり、例えば環状を有している。摩擦発生用ピストン41は、前述の第1筒状支持部22bおよび第2筒状支持部23bの半径方向間に挿嵌されており、第1筒状支持部22bの内周面および第2筒状支持部23bの外周面と半径方向に当接している。
摩擦発生用油圧室42は、摩擦発生用ピストン41駆動時に油圧が供給される環状の空間であり、フロントカバー2と摩擦発生用ピストン41との間に形成されている。摩擦発生用油圧室42は、シール部材41dおよび23cによりシールされている。また摩擦発生用油圧室42は、第2カバー部材22の第1筒状支持部22bに形成された第1連通孔22cとによりロックアップ用油圧室62と連通している。また摩擦発生用油圧室42は、第3カバー部材23の第2筒状支持部23bに形成された第2連通孔23cによりタービンハブ16の内周側の空間と連通している。この結果、ロックアップ用油圧室62には摩擦発生用油圧室42を介して油圧が供給され、両油圧室62、42内部の圧力はほぼ同じとなる。
摩擦発生用クラッチプレート43は、後述する摩擦発生用摩擦ディスク44を付勢するための部材であり、摩擦発生用ピストン41と後述する摩擦発生用摩擦ディスク44との軸方向間に配置されている。また摩擦発生用クラッチプレート43は、第2筒状支持部23bの外周側に配置されている。
摩擦発生用クラッチプレート43は、クラッチプレート本体43aと、第2支持孔43cと、第2押圧部43bと、複数の第2内周歯43dとを有している。第2押圧部43bは、クラッチプレート本体43aの外周側に形成された環状の部分であり、後述する摩擦発生用摩擦ディスク44と摩擦係合する部分である。第2内周歯43dは、クラッチプレート本体43aから半径方向内側へ延びる部分であり、第2筒状支持部23bの外周溝23dと係合している。第2支持孔43cは、クラッチプレート本体43aの内周部に形成された軸方向に貫通する孔であり、摩擦発生用ピストン41の第2支持突起41aが挿嵌されている。
摩擦発生用エンドプレート45は、摩擦発生用ピストン41からの付勢力を受けるための部材であり、摩擦発生用クラッチプレート43の軸方向トランスミッション側であって第2筒状支持部23bの外周側に配置されている。摩擦発生用エンドプレート45は、エンドプレート本体45aと、環状突起部45bと、複数の貫通孔45cと、複数の第3内周歯45dとを有している。第3内周歯45dは、半径方向外側へ突出する部分であり、外周溝23dと係合している。摩擦発生用エンドプレート45は、第2筒状支持部23bに固定された固定リング46により、軸方向トランスミッション側へ移動不能となっている。
摩擦発生用摩擦ディスク44は、摩擦発生用クラッチプレート43および摩擦発生用エンドプレート45と摩擦係合するための部材であり、タービンハブ16の筒状部16bの内周側に配置されている。摩擦発生用摩擦ディスク44は、摩擦ディスク本体44aと、複数の第3外周歯44cと、1対の摩擦フェーシング44bとを有している。第3外周歯44cは、摩擦ディスク本体44aから半径方向外側へ突出する部分であり、筒状部16bの内周溝16cと係合している。また摩擦フェーシング44bは、摩擦ディスク本体44aの軸方向両側に固定された環状のプレートであり、摩擦発生用クラッチプレート43および摩擦発生用エンドプレート45に軸方向に対向している。
図6に図4のA−A断面図を示す。図6に示すように第3外周歯44cと内周溝16cとの半径方向間には、微小隙間47およびそれに対応する微小捩り角度θが確保されている。すなわち、摩擦発生機構4の作動状態においてフロントカバー2とタービン10との回転方向間には微小隙間47が形成されており、両部材2、10は微小捩り角度θだけ相対回転が可能となっている。これにより、エンジンの回転変動に伴う捩り振動に対して微小捩り角度θの範囲内だけ高ヒステリシストルクが発生せず、こもり音等を低減することができる。
以上より、摩擦発生用ピストン41は、摩擦発生用クラッチプレート43およびクラッチドラム67を介してフロントカバー2に一体回転可能に支持されている。また摩擦発生用クラッチプレート43は、クラッチドラム67を介してフロントカバー2に一体回転可能にかつ軸方向へ相対移動可能に支持されている。そして摩擦発生用油圧室42に圧力を供給して摩擦発生用ピストン41を軸方向トランスミッション側へ移動させると、摩擦発生用クラッチプレート43と摩擦発生用エンドプレート45との間に摩擦発生用摩擦ディスク44が狭持される。この結果、摩擦発生用摩擦ディスク44の摩擦フェーシング44bの摩擦面で発生する摩擦力によりフロントカバー2とタービン10との間に伝達される捩り振動を効果的に吸収・減衰することができる。
4.トルクコンバータ1の動作
次に、トルクコンバータ1の動作について説明する。
エンジン側のクランクシャフト(図示せず)からのトルクは、フロントカバー2に入力される。これにより、インペラー9が回転し、作動油がインペラー9からタービン10へと流れる。この作動油の流れによりタービン10は回転し、タービン10のトルクは入力シャフト(図示せず)に出力される。
トルクコンバータ1の速度比が上がり、入力シャフトが一定の回転速度になると、入力シャフト内部の油路を通ってロックアップ用油圧室62に油圧が供給される。この結果、ロックアップ用ピストン61が軸方向トランスミッション側へ移動し、ロックアップ用クラッチプレート63が軸方向トランスミッション側へ付勢される。これにより、ロックアップ用摩擦ディスク64がロックアップ用クラッチプレート63とロックアップ用エンドプレート65との間に狭持され、フロントカバー2に入力されたトルクがロックアップ装置5を介してタービン10へ出力される。
このようなロックアップ装置5の連結時において、フロントカバー2に捩り振動が入力されると、ロックアップ用摩擦ディスク64とドリブンプレート78とが相対回転し、第1コイルスプリング77および第2コイルスプリング79が回転方向に圧縮される。このとき、第1コイルスプリング77と第2コイルスプリング79とは第1センタープレート74を介して直列に作用するため、広い捩り角度を確保することができる。
そして、ロックアップ装置5の連結時においては、ロックアップ用油圧室62に油圧が供給されるため、油圧室62と連通している摩擦発生用油圧室42にも油圧が供給される。このとき、両油圧室62、42内の圧力はほぼ等しくなる。この結果、ロックアップ用ピストン61が軸方向に移動するとともに、摩擦発生用ピストン41も軸方向に移動し、摩擦発生用油圧室42が軸方向トランスミッション側へ付勢される。そして、摩擦発生用摩擦ディスク44が摩擦発生用クラッチプレート43と摩擦発生用エンドプレート45との間に狭持され、摩擦フェーシング44bの摩擦面において摩擦力が発生する。これにより、摩擦発生機構4ではフロントカバー2とタービン10との間でヒステリシストルクが発生するため、フロントカバー2に入力された捩り振動を効果的に吸収・減衰することができる。
このとき、ロックアップ装置5と摩擦発生機構4とによりフロントカバー2およびタービン10は連結されるが、摩擦発生機構4の摩擦ディスク本体44aや油圧室42の有効半径がロックアップ装置5のクラッチ機構6のものに比べて小さく、そして両油圧室42、62内の圧力が同程度であるため、摩擦発生機構4で発生する摩擦力の方がクラッチ機構6で発生する摩擦力に比べて小さくなる。したがって、図5に示すように、摩擦発生機構4の各部材の寸法を調整することで、摩擦発生機構4において所望の高ヒステリシストルク(DCヒス)を得ることができる。
そして、摩擦発生機構4では油圧により付勢力を得ているため、従来の摩擦発生機構に比べて大きな付勢力を得ることができる。したがって、この摩擦発生機構4では従来よりも大きなヒステリシストルクを得ることができ、捩り振動をより効果的に吸収・減衰することができる。
さらに、この摩擦発生機構4では、各部材間に微小隙間47が確保されているため、微小捩り振動が入力された場合、微小捩り角度θの範囲内においては摩擦発生用摩擦ディスク44と摩擦発生用クラッチプレート43および摩擦発生用エンドプレート45とが一体回転し摺動しない。すなわち、図5に示すように、微小捩り角度θの範囲内で微小捩り振動が入力された場合には、摩擦発生機構4が作動せず高ヒステリシストルクが発生しない。
この場合、微小捩り振動はダンパー機構7の第1コイルスプリング77および第2コイルスプリング79により吸収されるが、このときにリティーニングプレート72、73と第1センタープレート74とが相対回転すると、両プレート72、73、74とフリクションワッシャ76とが摺動し、ヒステリシストルクが発生する。このヒステリシストルクは、摩擦発生機構4で発生するヒステリシストルクに比べて小さく設定することができる。これにより、微小捩り角度θの範囲内においてはフリクションワッシャ76の低ヒステリシストルク(ACヒス)のみが作用するため、微小捩り振動を効果的に吸収・減衰することができる。なお、ここでのACヒスとは、摩擦発生機構4以外で発生するヒステリシストルクを意味している。
またロックアップ装置5の連結解除時においては、ロックアップ用油圧室62および摩擦発生用油圧室42への油圧の供給が停止される。この結果、ロックアップ用摩擦ディスク64および摩擦発生用摩擦ディスク44への付勢力が解除される。またそれと同時に、ステータ11の内周側からトーラス8へ油圧が供給される。この結果、タービンハブ16の連通孔16eを通ってロックアップ用ピストン61および摩擦発生用ピストン41の軸方向トランスミッション側の油圧室の圧力が上昇し、ロックアップ用ピストン61および摩擦発生用ピストン41が軸方向エンジン側へ付勢される。これにより、ロックアップ装置5のクラッチ機構6ではフロントカバー2とタービン10との機械的な連結が完全に解除されるとともに、摩擦発生機構4では高ヒステリシストルクの発生が完全に停止する。
このように、このトルクコンバータ1では、ロックアップ装置5の作動時においてはクラッチ機構6の作動圧力により摩擦発生機構4が作動状態となり、ロックアップ装置5の非作動時においてはトルクコンバータ本体3の作動圧力により摩擦発生機構4が非作動状態となる。これにより、クラッチ機構6の作動圧力やトルクコンバータ本体3の作動圧力により摩擦発生機構4の作動・非作動状態を切り換えることができ、摩擦発生機構4用の油圧制御が不要となる。
5.作用効果
本発明に係るトルクコンバータ1の作用効果について以下にまとめる。
(1)構造による作用効果
1)ロックアップ装置5の作用効果
このトルクコンバータ1では、クラッチ機構6が作動するとロックアップ用ピストン61がロックアップ用クラッチプレート63の内周部を軸方向へ付勢し、そしてロックアップ用クラッチプレート63の第1押圧部63bがロックアップ用摩擦ディスク64と摩擦係合する。すなわち、ロックアップ用クラッチプレート63を有しているため、ロックアップ用ピストン61の径を小さくすることができ、ロックアップ用ピストン61を従来に比べて小型化することができる。これにより、ロックアップ用ピストン61の作動性が向上し、ロックアップ装置5の応答性を向上させることができる。
このトルクコンバータ1では、ロックアップ用ピストン61の第1支持突起61bがロックアップ用クラッチプレート63の第1支持孔63cに挿嵌されているため、ロックアップ用クラッチプレート63を介してロックアップ用ピストン61がフロントカバー2に一体回転可能に支持される。これにより、ロックアップ用ピストン61と周辺部材(例えば、第2筒状支持部23bおよび第3筒状支持部21c等)との相対回転を抑制することができ、ロックアップ用ピストン61および周辺部材の損耗を防止することができる。
このトルクコンバータ1では、フロントカバー2の外周筒状部21bとクラッチドラム67との半径方向間に流路68が形成されているため、図7に示すように流体室の外周側を流れる作動油が流路68を介してロックアップ用摩擦ディスク64周辺に案内される。これにより、ロックアップ用摩擦ディスク64の冷却効果を向上させることができる。またこのトルクコンバータ1では、クラッチドラム67がドラム連通孔67bを有しているため、流路68に流れ込んだ作動油がドラム連通孔67bを通ってロックアップ用摩擦ディスク64周辺に流れ込みやすくなる。これにより、ロックアップ用摩擦ディスク64の冷却効果をより確実に向上させることができる。さらにこのトルクコンバータ1では、ドラム連通孔67bがロックアップ用クラッチプレート63およびロックアップ用エンドプレート65の軸方向間に配置されているため、ロックアップ用摩擦ディスク64周辺により確実に作動油を導入することができる。
このトルクコンバータ1では、クラッチドラム67の軸方向トランスミッション側にダンパー機構7の一部、より詳細には第2コイルスプリング79およびドリブンプレート78の保持部78c等が配置されているため、トーラス外周部から排出された作動油がダンパー機構7とインペラー9またはフロントカバー2の間に形成された隙間を介してクラッチドラム67の外周側の流路68に確実に案内することができる。これにより、ロックアップ用摩擦ディスク64の冷却効果をさらに向上させることができる。
2)ダンパー機構の作用効果
このトルクコンバータ1では、第1センタープレート74の一部である第2爪部74bが第2コイルスプリング79の端部同士の間に軸方向から挿入されている。すなわち、第1および第2ダンパー機構70、71が第1センタープレート74の第2爪部74bのみにより連結されている。そのため、第1および第2ダンパー機構70、71を別々のアッセンブリーとして取り扱うことができる。これにより、ロックアップ装置5の組付および分解が容易となる。これにより、ロックアップ装置5の組付および分解が容易となる。また、第2コイルスプリング79の配置の自由度が高くなり、流体室内のスペースの有効利用が可能となる。
このトルクコンバータ1では、第1ダンパー機構70がフリクションワッシャ76を有しているため、リティーニングプレート72、73と第1センタープレート74とが相対回転すると各部材同士が摺動し、リティーニングプレート72、73と第1センタープレート74との間に回転方向の摩擦抵抗、すなわちヒステリシストルクが発生する。これにより、ダンパー機構7において捩り振動を効果的に吸収・減衰することができる。
このトルクコンバータ1では、第1ダンパー機構70がタービンハブ16の筒状部16bの外周側に支持されているため、第1ダンパー機構70の半径方向の位置決めをタービンハブにより行うことができる。また第1ダンパー機構70がタービンハブ16のツバ部16dと第2ダンパー機構71のドリブンプレート78と軸方向間に挟み込まれているため、第1ダンパー機構70の軸方向の位置決めをドリブンプレート78を介してタービンハブ16により行うことができる。
このトルクコンバータ1では、第1センタープレート74とストップピン75とが回転方向に当接可能に配置されているため、第1ダンパー機構70の作動角が両部材74、75により決定される。これにより、簡素な構造により第1ダンパー機構70の作動角を決めることができ、部品点数の増大を防止することができる。また第2ダンパー機構71の支持プレート80と第1ダンパー機構70のリティーニングプレート73とが回転方向に当接可能に配置されているため、第2ダンパー機構71の作動角が両プレート80、73により決定される。これにより、簡素な構造により第2ダンパー機構の作動角を決めることができ、部品点数の増大を防止することができる。さらに、リベット81によりドリブンプレート78をタービンシェル14とともにタービンハブ16に固定しているため、ドリブンプレート78固定用の部材を設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
また、第1コイルスプリング77と第2コイルスプリング79との間に第1センタープレート74が弾性変形可能に配置されているため、第1コイルスプリング77と第2コイルスプリング79とが直列に作用する。これにより、ダンパー機構7の低剛性化および広捩り角化を図ることができる。
3)摩擦発生機構4の作用効果
前述のように、このトルクコンバータ1では摩擦発生用ピストン41および油圧室42により摩擦発生用摩擦ディスク44の付勢力を得ているため、従来のように弾性部材を用いている場合に比べて摩擦発生用摩擦ディスク44への付勢力を高く設定することができる。これにより、このトルクコンバータ1では、従来よりも大きなヒステリシストルクを発生させることができ、捩り振動をより確実に吸収・減衰することができる。また、摩擦発生用摩擦ディスク44の径を小さくしても、十分なヒステリシストルクを得ることができるため、従来よりも摩擦発生機構4の小型化を図ることができる。さらに摩擦発生機構4は、フロントカバー2とタービン10との回転方向間で作動するように配置されている。すなわち、摩擦発生機構4はダンパー機構7と並列に作用するように構成されている。これにより、摩擦発生機構4をダンパー機構7の第1コイルスプリング77および第2コイルスプリング79等とは別個に配置することが可能となり、ロックアップ装置5の構造の簡素化を図ることができる。
このトルクコンバータ1では、ロックアップ装置5の作動圧力やトルクコンバータ1の作動圧力により摩擦発生機構4の作動・非作動状態を切り換えることができる。これにより、摩擦発生機構4用の油圧制御が不要となり、構造の簡素化を図ることができる。また、摩擦発生用油圧室42がロックアップ用油圧室62と連通しているため、ロックアップ装置5作動時にロックアップ用油圧室62に油圧が供給されると、摩擦発生用油圧室42にも油圧が供給される。これにより、ロックアップ装置5の作動圧力により摩擦発生機構4を作動させることができ、摩擦発生機構4用の油圧制御が不要となる。
このトルクコンバータ1では、摩擦発生機構4がロックアップ装置5の内周側に配置されており、そして摩擦発生用ピストン41がロックアップ用ピストン61の内周側に配置されている。これにより、トルクコンバータ1全体の大型化を防止することができる。
このトルクコンバータ1では、微小隙間47の範囲内では摩擦発生用摩擦ディスク44とタービン10とが相対回転するため、摩擦発生機構4において大きなヒステリシストルクが発生しない。これにより、エンジンの回転変動による微小捩り振動がフロントカバー2からロックアップ装置5に伝達された際に、微小隙間47の範囲内においてエンジンの回転変動が十分に吸収・減衰され、車両走行時に異音が発生しにくくなる。また、タービンハブ16の内周溝16cと摩擦発生用摩擦ディスク44の第3外周歯44cとの回転方向間や摩擦発生用エンドプレート45の第3内周歯45dと第3カバー部材23の外周溝23dとの回転方向間に微小隙間47が確保されているため、簡素な構造により高ヒステリシストルクが発生しない、いわゆるACヒス機構を実現することができる。
このトルクコンバータ1では、摩擦発生用摩擦ディスク44が摩擦発生用エンドプレート45の環状突起部45bの外周側に配置されているため、摩擦発生用摩擦ディスク44の半径方向の位置決めを環状突起部45bにより行うことができる。またこのトルクコンバータ1では、摩擦発生用エンドプレート45が貫通孔45cを有しているため、摩擦発生用摩擦ディスク44周辺に作動流体が流れ込みやすくなり、摩擦発生用摩擦ディスク44の冷却効果を向上させることができる。さらに、摩擦発生用ピストン41が摩擦発生用クラッチプレート43に一体回転可能に支持されているため、摩擦発生用クラッチプレート43を介して摩擦発生用ピストン41をフロントカバー2に対して一体回転可能に支持することができる。これにより、摩擦発生用ピストン41およびその周辺部材(例えば、第1筒状支持部22bや第2筒状支持部23b等)の損耗を防止することができる。また、摩擦発生用ピストン41の第2支持突起41aが摩擦発生用クラッチプレート43の第2支持孔43cに挿嵌されているため、摩擦発生用ピストン41と摩擦発生用クラッチプレート43との相対回転を簡素な構造により防止することができる。
(2)捩り特性による作用効果
前述したように、例えば低周波振動のように捩り振動の捩り角度が大きい場合は、摩擦発生用摩擦ディスク44が摩擦発生用クラッチプレート43および摩擦発生用エンドプレート45と摺動し、摩擦発生機構4において高ヒステリシストルクが発生する。これにより、フロントカバー2に入力された低周波振動はロックアップ装置5および摩擦発生機構4により速かに吸収・減衰される。
一方、捩り振動の捩り角度が小さい場合は、摩擦発生用摩擦ディスク44とタービンハブ16との間に配置された微小隙間47の範囲内では摩擦発生用摩擦ディスク44は摺動せず、微小捩り角度θの範囲内において高ヒステリシストルクが発生しない。これにより、エンジンの回転変動に起因する微小捩り振動はロックアップ装置5において十分に吸収・減衰され、走行時異音は発生しにくい。
B.第2実施形態
前述の第1実施形態の各部の構成に若干変更を加えた実施形態について説明する。図8に本発明の第2実施形態としてのトルクコンバータ101の縦断面概略図を示す。第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付している。主要な構成部分については第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第2実施形態のトルクコンバータ101は、ロックアップ装置105のクラッチ機構106が第1実施形態と異なっている。具体的には、ロックアップ用ピストン161が外周側へ延びており、外周側に押圧部161dを有している。またロックアップ用クラッチプレート163がロックアップ用エンドプレート165と同程度の内径となっている。
また、第1実施形態においては、支持プレート80と第1センタープレート74とにより第2ダンパー機構71の作動角が決定されているが、図8に示すように第2実施形態のトルクコンバータ101では支持プレート180とリティーニングプレート173とにより第2ダンパー機構71の作動角が決定されている。より詳細には、支持プレート180は内周側に軸方向エンジン側へ延びる複数の突起180aを有しており、そしてリティーニングプレート173は外周側に半径方向外側へ延びる複数の外周突部173aを有している。突起180aおよび外周突部173aは噛み合っている。
さらに、第1実施形態においては、摩擦発生用摩擦ディスク44の第3外周歯44cがタービンハブ16の筒状部16bの内周側に形成された内周溝16cと噛み合っているが、第2実施形態のトルクコンバータ101ではタービン10がタービンハブ16とは別部材である係止部材190を有している。係止部材190は、タービンハブ116の筒状部116bの内周側に配置されている。係止部材190は、固定部190cと、筒状係止部190aとを有している。固定部190cは、円板状の部分であり、リベット117によりタービンハブ116のフランジ116aに固定されている。筒状係止部190aは、固定部190cの外周部から軸方向エンジン側へ延びる筒状の部分であり、内周側に摩擦発生用摩擦ディスク144が配置されている。筒状係止部190aは複数の係止突起190bを有している。係止突起190bは、筒状係止部190aの先端部に形成された軸方向へ延びる部分であり、摩擦発生用摩擦ディスク144の第1外周歯144cと噛み合っている。また係止突起190bと第1外周歯144cとの回転方向間には、微小隙間(図示せず)が形成されている。
このトルクコンバータ101では、タービンハブ116とは別の部材である係止部材190により摩擦発生用摩擦ディスク144が支持されているため、第1実施形態のようにタービンハブ116に内周溝等を形成する必要がなく、構造の簡素化を図ることができる。また、このトルクコンバータ101では、微小隙間の範囲内では摩擦発生用摩擦ディスク144とタービン110とが相対回転するため、摩擦発生機構104において大きなヒステリシストルクが発生しない。これにより、エンジンの回転変動による微小捩り振動がフロントカバー2からロックアップ装置5に伝達された際に、微小隙間の範囲内においてエンジンの回転変動が十分に吸収・減衰され、車両走行時に異音が発生しにくくなる。また、係止部材190の係止突起190bと摩擦発生用摩擦ディスク144の第1外周歯144cとの回転方向間に微小隙間が形成されているため、簡素な構造により高ヒステリシストルクが発生しないACヒス機構を実現することができる。
また第1実施形態においては、ドリブンプレート78はタービンハブ16のフランジ16aにタービンシェル14の内周部が後述のドリブンプレート78とともに複数のリベット17によって固定されているが、第2実施形態のトルクコンバータ101ではドリブンプレート178がタービンシェル114に直接連結されている。具体的には図8に示すように、ドリブンプレート178はタービンハブ116まで内周側に延びておらず、第2コイルスプリング79の軸方向トランスミッション側までしか半径方向内側へ延びていない。ドリブンプレート178の内周部は、リベット191(第2固定部材)によりタービンシェル114に固定されている。これにより、タービンハブ116のフランジ116a周辺の軸方向寸法を短縮することができる。
C.他の実施形態
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)微小隙間
前述の実施形態では、摩擦発生用摩擦ディスク44とタービンハブ16との回転方向間に微小隙間47が確保されいるが、摩擦発生用クラッチプレート43および摩擦発生用エンドプレート45と第3カバー部材23との回転方向間に微小隙間47が形成されている場合も考えられる。また摩擦発生用摩擦ディスク44とタービンハブ16との回転方向間と、摩擦発生用クラッチプレート43および摩擦発生用エンドプレート45と第3カバー部材23との回転方向間とに、微小隙間が形成されている場合も考えられる。これらの場合であっても、前述の第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、第2実施形態についても同様のことが言える。
(2)突起等の数量
前述の実施形態では、各部において複数の突起や溝が形成されているが、突起や溝の数量はこれに限定されず1つであってもよい。
(3)摩擦ディスク
前述の実施形態では、ロックアップ用摩擦ディスク64や摩擦発生用摩擦ディスク44の枚数は1枚として記載しているが、これに限定されず、複数の摩擦ディスクが軸方向に並設されていてもよい。この場合、例えば多板クラッチのように摩擦ディスク同士の間には中間ディスク等が配置される。
(4)ダンパー機構7
前述の実施形態では、ダンパー機構7の第1ダンパー機構70において複数の第1コイルスプリング77が直列に配置されているが、並列に配置されていてもよい。また第2ダンパー機構71において複数の第2コイルスプリング79が直列に配置されているが、並列に配置されていてもよい。
(5)各部の構成
前述の第1および第2実施形態では、各部の構成が若干異なっているが、各実施形態に示されている構成に限定されるものではない。例えば、第2実施形態にのみ示されている一部の構成を第1実施形態に適用することもできるし、その逆も可能である。
本発明の第1実施形態としてのトルクコンバータ1の縦断面概略図。 ロックアップ装置5周辺の縦断面概略図。 リティーニングプレート72、第1センタープレート74および第2センタープレート82の平面図。 摩擦発生機構4周辺の縦断面概略図。 ダンパー機構7の捩り特性線図。 図4のA−A断面図。 クラッチドラム67周辺の作動油の流れを示す図。 本発明の第2実施形態としてのトルクコンバータ101の縦断面概略図。
符号の説明
1 トルクコンバータ(流体式トルク伝達装置)
2 フロントカバー
4 摩擦発生機構
5 ロックアップ装置
6 クラッチ機構
7 ダンパー機構
9 インペラー
10 タービン
41 摩擦発生用ピストン
42 摩擦発生用油圧室
43 摩擦発生用クラッチプレート
44 摩擦発生用摩擦ディスク
45 摩擦発生用エンドプレート
44 摩擦フェーシング
45 摩擦発生用エンドプレート
61 ロックアップ用ピストン
62 ロックアップ用油圧室
63 ロックアップ用クラッチプレート
64 ロックアップ用摩擦ディスク
65 ロックアップ用エンドプレート
70 第1ダンパー機構
71 第2ダンパー機構

Claims (15)

  1. フロントカバーとタービンとの間に配置され、前記フロントカバーと前記タービンとを機械的に連結するための流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置であって、
    前記フロントカバーと前記タービンとを機械的に連結するためのクラッチ機構と、
    前記クラッチ機構に連結された第1ダンパー機構と、前記第1ダンパー機構と前記タービンとの間に配置され前記第1ダンパー機構と直列に作用する第2ダンパー機構とを有するダンパー機構とを備え、
    前記第1ダンパー機構は、前記クラッチ機構側の部材からトルクが入力される1対の入力側部材と、前記1対の入力側部材の軸方向間に相対回転可能に配置された中間部材と、前記1対の入力側部材と前記中間部材との間で弾性変形可能に配置された複数の第1弾性部材とを有しており、
    前記第2ダンパー機構は、前記タービンに固定された出力側部材と、前記第1弾性部材の外周側に配置され前記中間部材と前記出力側部材との間で弾性変形可能に配置された複数の第2弾性部材とを有しており、
    前記中間部材の一部は、前記第2弾性部材の端部同士の間に軸方向から挿入されている、
    流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  2. 前記中間部材は、環状の中間部材本体と、前記中間部材本体から半径方向外側へ延びる少なくとも1つの爪部とを有しており、
    前記爪部は、前記第2弾性部材の端部同士の間に軸方向から挿入されている、
    請求項1に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  3. 前記第1ダンパー機構は、前記1対の入力側部材と前記中間部材との間に配置され前記両部材と摺動可能に配置された少なくとも1つの摩擦部材をさらに有している、
    請求項1または2に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  4. 前記タービンは、内周側に配置されたタービンハブを有しており、
    前記タービンハブは、軸方向に延びる筒状部を有しており、
    前記第1ダンパー機構は、前記筒状部の外周側に支持されている、
    請求項1から3のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  5. 前記筒状部は、軸方向の端部から外周側へ延びるツバ部を有しており、
    前記第1ダンパー機構は、前記ツバ部に軸方向に当接している、
    請求項4に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  6. 前記出力側部材の一部は、前記入力側部材と軸方向に当接している、
    請求項1から5のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  7. 前記出力側部材は、軸方向フロントカバー側に突出する少なくとも1つの軸方向突部を有しており、
    前記軸方向突部は、前記入力側部材と軸方向に当接している、
    請求項1から6のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  8. 前記第2ダンパー機構は、前記出力側部材に固定され前記出力側部材との軸方向間に前記第2弾性部材を挟み込む支持部材をさらに有しており、
    前記支持部材と前記中間部材とは、回転方向に当接可能に配置されている、
    請求項1から7のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  9. 前記支持部材は、軸方向へ延びる少なくとも1つの突起を有しており、
    前記爪部および突起は、回転方向に噛み合っている、
    請求項8に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  10. 前記第2ダンパー機構は、前記出力側部材に固定され前記出力側部材との軸方向間に前記第2弾性部材を挟み込む支持部材をさらに有しており、
    前記支持部材と前記入力側部材とは、回転方向に当接可能に配置されている、
    請求項1から7のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  11. 前記支持部材は、軸方向へ延びる少なくとも1つの突起を有しており、
    前記入力側部材は、円板状の入力側部材本体と、前記入力側部材本体から半径方向外側へ延びる少なくとも1つの外周突部とを有しており、
    前記外周突部および突起は、回転方向に噛み合っている、
    請求項10に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  12. 前記第1ダンパー機構は、前記1対の入力側部材を連結する少なくとも1つの連結部材をさらに有しており、
    前記連結部材と前記中間部材とは、回転方向に当接可能に配置されている、
    請求項1から11のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  13. 前記タービンは、タービンシェルと、前記タービンシェルに固定された複数のタービンブレードと、前記タービンシェルの内周側に配置されたタービンハブと、前記タービンシェルおよびタービンハブを連結するための第1固定部材とを有しており、
    前記出力側部材は、前記タービンハブに対して前記タービンシェルとともに前記第1固定部材により固定されている、
    請求項1から12のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  14. 前記タービンは、タービンシェルと、前記タービンシェルに固定された複数のタービンブレードと、前記タービンシェルの内周側に固定されたタービンハブと、前記タービンシェルと前記出力側部材とを連結する第2固定部材とを有している、
    請求項1から12のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。
  15. フロントカバーと、
    前記フロントカバーとともに流体室を形成するインペラーと、
    前記流体室内で前記インペラーに対向して配置されたタービンと、
    前記フロントカバーと前記タービンとの間に配置された請求項1から14のいずれかに記載のロックアップ装置と、
    を備えた流体式トルク伝達装置。
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