JP2007113661A - 流体式トルク伝達装置およびそれに用いられるロックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロックアップ装置5は、クラッチ機構6と、第1ダンパー機構70と第2ダンパー機構71とからなるダンパー機構7とを備えている。第1ダンパー機構70は、1対のリティーニングプレート72、73と、センタープレート74と、複数の第1コイルスプリング77とを有している。センタープレート74は、1対のリティーニングプレート72、73の軸方向間に相対回転可能に配置されている。第2ダンパー機構71は、ドリブンプレート78と、複数の第2コイルスプリング79とを有している。センタープレート74の一部は、第2コイルスプリング79の端部同士の間に軸方向から挿入されている。
【選択図】図2
Description
1.トルクコンバータの全体構造
図1に、本発明の第1実施形態としてのロックアップ装置が採用されたトルクコンバータ1の縦断面概略図を示す。図1の左側にはエンジン(図示せず)が配置され、図の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。また、図1に示すO−Oは、トルクコンバータ1の回転軸線である。
図2にロックアップ装置5周辺の縦断面概略図を示す。ロックアップ装置5は、必要に応じてフロントカバー2とタービン10とを機械的に連結するための装置であり、図2に示すようにフロントカバー2とタービン10と間に配置されている。ロックアップ装置5は、フロントカバー2に連結可能なクラッチ機構6としての機能と、クラッチ機構6とタービン10とを回転方向に弾性的に連結するダンパー機構7としての機能とを有している。
図2に示すように、クラッチ機構6は主に、ロックアップ用ピストン61と、ロックアップ用油圧室62と、クラッチドラム67と、ロックアップ用エンドプレート65と、ロックアップ用クラッチプレート63と、ロックアップ用摩擦ディスク64とから構成されている。
図2に示すように、ダンパー機構7は主に、第1ダンパー機構70と、第2ダンパー機構71とから構成されている。
ロックアップ装置5は、さらに摩擦発生機構4を有している。図4に、摩擦発生機構4周辺の縦断面概略図を示す。摩擦発生機構4はフロントカバー2とタービン10との間で摩擦抵抗を発生させるための機構であり、図4に示すようにフロントカバー2とタービン10との間であって、ロックアップ装置5の内周側、より詳細にはクラッチ機構6およびダンパー機構7の内周側に配置されている。摩擦発生機構4は主に、摩擦発生用ピストン41と、摩擦発生用油圧室42と、摩擦発生用クラッチプレート43と、摩擦発生用エンドプレート45と、摩擦発生用摩擦ディスク44とから構成されている。
次に、トルクコンバータ1の動作について説明する。
本発明に係るトルクコンバータ1の作用効果について以下にまとめる。
1)ロックアップ装置5の作用効果
このトルクコンバータ1では、クラッチ機構6が作動するとロックアップ用ピストン61がロックアップ用クラッチプレート63の内周部を軸方向へ付勢し、そしてロックアップ用クラッチプレート63の第1押圧部63bがロックアップ用摩擦ディスク64と摩擦係合する。すなわち、ロックアップ用クラッチプレート63を有しているため、ロックアップ用ピストン61の径を小さくすることができ、ロックアップ用ピストン61を従来に比べて小型化することができる。これにより、ロックアップ用ピストン61の作動性が向上し、ロックアップ装置5の応答性を向上させることができる。
このトルクコンバータ1では、第1センタープレート74の一部である第2爪部74bが第2コイルスプリング79の端部同士の間に軸方向から挿入されている。すなわち、第1および第2ダンパー機構70、71が第1センタープレート74の第2爪部74bのみにより連結されている。そのため、第1および第2ダンパー機構70、71を別々のアッセンブリーとして取り扱うことができる。これにより、ロックアップ装置5の組付および分解が容易となる。これにより、ロックアップ装置5の組付および分解が容易となる。また、第2コイルスプリング79の配置の自由度が高くなり、流体室内のスペースの有効利用が可能となる。
前述のように、このトルクコンバータ1では摩擦発生用ピストン41および油圧室42により摩擦発生用摩擦ディスク44の付勢力を得ているため、従来のように弾性部材を用いている場合に比べて摩擦発生用摩擦ディスク44への付勢力を高く設定することができる。これにより、このトルクコンバータ1では、従来よりも大きなヒステリシストルクを発生させることができ、捩り振動をより確実に吸収・減衰することができる。また、摩擦発生用摩擦ディスク44の径を小さくしても、十分なヒステリシストルクを得ることができるため、従来よりも摩擦発生機構4の小型化を図ることができる。さらに摩擦発生機構4は、フロントカバー2とタービン10との回転方向間で作動するように配置されている。すなわち、摩擦発生機構4はダンパー機構7と並列に作用するように構成されている。これにより、摩擦発生機構4をダンパー機構7の第1コイルスプリング77および第2コイルスプリング79等とは別個に配置することが可能となり、ロックアップ装置5の構造の簡素化を図ることができる。
前述したように、例えば低周波振動のように捩り振動の捩り角度が大きい場合は、摩擦発生用摩擦ディスク44が摩擦発生用クラッチプレート43および摩擦発生用エンドプレート45と摺動し、摩擦発生機構4において高ヒステリシストルクが発生する。これにより、フロントカバー2に入力された低周波振動はロックアップ装置5および摩擦発生機構4により速かに吸収・減衰される。
前述の第1実施形態の各部の構成に若干変更を加えた実施形態について説明する。図8に本発明の第2実施形態としてのトルクコンバータ101の縦断面概略図を示す。第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付している。主要な構成部分については第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
前述の実施形態では、摩擦発生用摩擦ディスク44とタービンハブ16との回転方向間に微小隙間47が確保されいるが、摩擦発生用クラッチプレート43および摩擦発生用エンドプレート45と第3カバー部材23との回転方向間に微小隙間47が形成されている場合も考えられる。また摩擦発生用摩擦ディスク44とタービンハブ16との回転方向間と、摩擦発生用クラッチプレート43および摩擦発生用エンドプレート45と第3カバー部材23との回転方向間とに、微小隙間が形成されている場合も考えられる。これらの場合であっても、前述の第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、第2実施形態についても同様のことが言える。
前述の実施形態では、各部において複数の突起や溝が形成されているが、突起や溝の数量はこれに限定されず1つであってもよい。
前述の実施形態では、ロックアップ用摩擦ディスク64や摩擦発生用摩擦ディスク44の枚数は1枚として記載しているが、これに限定されず、複数の摩擦ディスクが軸方向に並設されていてもよい。この場合、例えば多板クラッチのように摩擦ディスク同士の間には中間ディスク等が配置される。
前述の実施形態では、ダンパー機構7の第1ダンパー機構70において複数の第1コイルスプリング77が直列に配置されているが、並列に配置されていてもよい。また第2ダンパー機構71において複数の第2コイルスプリング79が直列に配置されているが、並列に配置されていてもよい。
前述の第1および第2実施形態では、各部の構成が若干異なっているが、各実施形態に示されている構成に限定されるものではない。例えば、第2実施形態にのみ示されている一部の構成を第1実施形態に適用することもできるし、その逆も可能である。
2 フロントカバー
4 摩擦発生機構
5 ロックアップ装置
6 クラッチ機構
7 ダンパー機構
9 インペラー
10 タービン
41 摩擦発生用ピストン
42 摩擦発生用油圧室
43 摩擦発生用クラッチプレート
44 摩擦発生用摩擦ディスク
45 摩擦発生用エンドプレート
44 摩擦フェーシング
45 摩擦発生用エンドプレート
61 ロックアップ用ピストン
62 ロックアップ用油圧室
63 ロックアップ用クラッチプレート
64 ロックアップ用摩擦ディスク
65 ロックアップ用エンドプレート
70 第1ダンパー機構
71 第2ダンパー機構
Claims (15)
- フロントカバーとタービンとの間に配置され、前記フロントカバーと前記タービンとを機械的に連結するための流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置であって、
前記フロントカバーと前記タービンとを機械的に連結するためのクラッチ機構と、
前記クラッチ機構に連結された第1ダンパー機構と、前記第1ダンパー機構と前記タービンとの間に配置され前記第1ダンパー機構と直列に作用する第2ダンパー機構とを有するダンパー機構とを備え、
前記第1ダンパー機構は、前記クラッチ機構側の部材からトルクが入力される1対の入力側部材と、前記1対の入力側部材の軸方向間に相対回転可能に配置された中間部材と、前記1対の入力側部材と前記中間部材との間で弾性変形可能に配置された複数の第1弾性部材とを有しており、
前記第2ダンパー機構は、前記タービンに固定された出力側部材と、前記第1弾性部材の外周側に配置され前記中間部材と前記出力側部材との間で弾性変形可能に配置された複数の第2弾性部材とを有しており、
前記中間部材の一部は、前記第2弾性部材の端部同士の間に軸方向から挿入されている、
流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - 前記中間部材は、環状の中間部材本体と、前記中間部材本体から半径方向外側へ延びる少なくとも1つの爪部とを有しており、
前記爪部は、前記第2弾性部材の端部同士の間に軸方向から挿入されている、
請求項1に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - 前記第1ダンパー機構は、前記1対の入力側部材と前記中間部材との間に配置され前記両部材と摺動可能に配置された少なくとも1つの摩擦部材をさらに有している、
請求項1または2に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - 前記タービンは、内周側に配置されたタービンハブを有しており、
前記タービンハブは、軸方向に延びる筒状部を有しており、
前記第1ダンパー機構は、前記筒状部の外周側に支持されている、
請求項1から3のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - 前記筒状部は、軸方向の端部から外周側へ延びるツバ部を有しており、
前記第1ダンパー機構は、前記ツバ部に軸方向に当接している、
請求項4に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - 前記出力側部材の一部は、前記入力側部材と軸方向に当接している、
請求項1から5のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - 前記出力側部材は、軸方向フロントカバー側に突出する少なくとも1つの軸方向突部を有しており、
前記軸方向突部は、前記入力側部材と軸方向に当接している、
請求項1から6のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - 前記第2ダンパー機構は、前記出力側部材に固定され前記出力側部材との軸方向間に前記第2弾性部材を挟み込む支持部材をさらに有しており、
前記支持部材と前記中間部材とは、回転方向に当接可能に配置されている、
請求項1から7のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - 前記支持部材は、軸方向へ延びる少なくとも1つの突起を有しており、
前記爪部および突起は、回転方向に噛み合っている、
請求項8に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - 前記第2ダンパー機構は、前記出力側部材に固定され前記出力側部材との軸方向間に前記第2弾性部材を挟み込む支持部材をさらに有しており、
前記支持部材と前記入力側部材とは、回転方向に当接可能に配置されている、
請求項1から7のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - 前記支持部材は、軸方向へ延びる少なくとも1つの突起を有しており、
前記入力側部材は、円板状の入力側部材本体と、前記入力側部材本体から半径方向外側へ延びる少なくとも1つの外周突部とを有しており、
前記外周突部および突起は、回転方向に噛み合っている、
請求項10に記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - 前記第1ダンパー機構は、前記1対の入力側部材を連結する少なくとも1つの連結部材をさらに有しており、
前記連結部材と前記中間部材とは、回転方向に当接可能に配置されている、
請求項1から11のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - 前記タービンは、タービンシェルと、前記タービンシェルに固定された複数のタービンブレードと、前記タービンシェルの内周側に配置されたタービンハブと、前記タービンシェルおよびタービンハブを連結するための第1固定部材とを有しており、
前記出力側部材は、前記タービンハブに対して前記タービンシェルとともに前記第1固定部材により固定されている、
請求項1から12のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - 前記タービンは、タービンシェルと、前記タービンシェルに固定された複数のタービンブレードと、前記タービンシェルの内周側に固定されたタービンハブと、前記タービンシェルと前記出力側部材とを連結する第2固定部材とを有している、
請求項1から12のいずれかに記載の流体式トルク伝達装置用ロックアップ装置。 - フロントカバーと、
前記フロントカバーとともに流体室を形成するインペラーと、
前記流体室内で前記インペラーに対向して配置されたタービンと、
前記フロントカバーと前記タービンとの間に配置された請求項1から14のいずれかに記載のロックアップ装置と、
を備えた流体式トルク伝達装置。
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