JP2006170345A - トルクコンバータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ワンウェイクラッチ付きのステータを備えたトルクコンバータの軸方向寸法の短縮化と部品点数の削減を目的とする。
【解決手段】 ポンプインペラ3およびタービンランナ4を介してフロントカバー2からタービンハブ5に動力を伝達可能なトルクコンバータ1は、タービンランナ4からの作動油をポンプインペラ3へと指向させるステータ6と、ステータ6の回転方向を一方向のみに設定するワンウェイクラッチ9とを備え、ワンウェイクラッチ9は、2枚の支持プレート910および911によって両側から保持され、これら2枚の支持プレート910および911は、単一のスナップリング905により、ステータ6に対して軸方向に位置決め・固定されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ポンプインペラおよびタービンランナを介して入力部材から出力部材に動力を伝達可能なトルクコンバータに関する。
従来から、車両用のトルクコンバータとして、入力部材としてのフロントカバーに設けられたポンプインペラや、出力部材としてのタービンハブに設けられたタービンランナに加えて、タービンランナからの作動油をポンプインペラへと指向させるためのステータを備えたものが知られている。この種のトルクコンバータでは、ステータの回転方向を一方向のみに設定すると共に、ポンプインペラとタービンランナとの回転速度差が小さくなった際にステータを空転させるべく、ステータに対してワンウェイクラッチが設けられる。この場合、ワンウェイクラッチは、両側から2枚の支持プレートによって保持され、2枚の支持プレートは、それぞれスナップリングを用いてステータに対して位置決め・固定される(例えば、特許文献1および2参照)。
しかしながら、上記従来例のように、2つのスナップリングを用いて各支持プレートをステータに対して固定すると、スナップリングの厚さ分だけ、トルクコンバータの軸方向寸法が増加してしまい、スナップリングの数だけ、部品点数も増加してしまう。
そこで、本発明は、ワンウェイクラッチ付きのステータを備えたトルクコンバータの軸方向寸法の短縮化と部品点数の削減を目的とする。
本発明によるトルクコンバータは、ポンプインペラおよびタービンランナを介して入力部材から出力部材に動力を伝達可能なトルクコンバータにおいて、タービンランナからの流体をポンプインペラへと指向させるステータと、ステータの回転方向を規制するためのワンウェイクラッチとを備え、ワンウェイクラッチは、2枚の支持プレートによって両側から保持され、これら2枚の支持プレートは、単一の位置決め部材により、ステータに対して軸方向に位置決めされることを特徴とする。
このトルクコンバータでは、ワンウェイクラッチを保持する2枚の支持プレートの双方が、単一の位置決め部材により、ステータに対して軸方向に位置決めされる。従って、2つの位置決め部材(スナップリング等)を用いて各支持プレートをステータに対して固定する場合と比較して、位置決め部材1つ分だけ、軸方向寸法を短縮化すると共に部品点数を削減することが可能となる。
この場合、2枚の支持プレートのうち、タービンランナ側に配置される支持プレートのステータへの取付部は、ポンプインペラ側にオフセットされていると好ましい。
一般に、トルクコンバータの作動中、ステータには、タービン側からポンプ側に向かうスラスト力が作用する。従って、このようにタービンランナ側に配置される支持プレートのステータへの取付部をポンプインペラ側にオフセットしておくことにより、2枚の支持プレートのステータへの取付部の双方をポンプ側にオフセットすることが可能となるので、支持プレートの取付部に大きなスラスト力が作用することを抑制して、ワンウェイクラッチの取付強度を向上させることができる。
また、2枚の支持プレートはそれぞれ係合部を有しており、一方の支持プレートの係合部と他方の支持プレートの係合部とは、回転方向に互いに重なり合う状態で係合するように形成されていると好ましい。
このように、2枚の支持プレートの係合部同士を回転方向に互いに重なり合う状態で係合するように形成することにより、2枚の支持プレート同士が係合した際、双方の支持プレートの係合部の表裏面を概ね面一にすることができるので、単一の位置決め部材が支持すべき部材の厚さは、実質的に支持プレート1枚分となる。従って、かかる構成を採用すれば、トルクコンバータの軸方向寸法をより一層短縮化することが可能となる。また、このように、2枚の支持プレート同士を互いに係合させることにより、何れか一方の支持プレートをワンウェイクラッチ(アウターレース)に対して回転方向に位置決めしておけば、他方の支持プレートも合わせてワンウェイクラッチに対して回転方向に位置決めすることができる。これにより、2枚の支持プレートがワンウェイクラッチ(アウターレース)に対して回転して磨耗することを抑制可能となる。
更に、ワンウェイクラッチは、インナーレースとアウターレースとを含み、ステータは、アウターレースによって軸方向に位置決めされると好ましい。
このような構成のもとでは、ステータに作用するスラスト力がワンウェイクラッチのアウターレースによって受けられることになる。これにより、ステータがスラスト力を受けた際の挙動を安定化させると共に、ワンウェイクラッチの取付強度等を向上させることが可能となる。
また、2枚の支持プレートのうち、ポンプインペラ側に配置される支持プレートの位置決め部は、タービンランナ側にオフセットされてもよい。
このような構成を採用すれば、2枚の支持プレートの双方をワンウェイクラッチ(アウターレース)に対して容易に係合させることができる。そして、2枚の支持プレートの双方をワンウェイクラッチ(アウターレース)に対して係合させることにより、2枚の支持プレートがワンウェイクラッチ(アウターレース)に対して回転して磨耗することを抑制可能となる。
更に、2枚の支持プレートのうち、少なくとも何れか一方は、ワンウェイクラッチのエンドベアリングとして機能するように形成されていると好ましい。
このような構成を採用すれば、ワンウェイクラッチからエンドベアリングを省略して部品点数を削減することが可能となる。
本発明によれば、ワンウェイクラッチ付きのステータを備えたトルクコンバータの軸方向寸法を短縮化すると共に部品点数を削減することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明によるトルクコンバータを示す部分断面図である。本実施形態のトルクコンバータ1は、エンジンを備えた車両に適用されるものであり、図1に示されるように、フロントカバー(入力部材)2、ポンプインペラ(流体伝動要素)3、タービンランナ(流体伝動要素)4、タービンハブ(出力部材)5、ステータ6、ダンパ装置7およびロックアップクラッチ機構8を含む。フロントカバー2には、図示されないエンジンの回転軸が固定される。また、タービンハブ5には、図示されない自動変速機(AT)あるいは無段変速機(CVT)の入力軸(図示省略)が固定(スプライン嵌合)される。
ポンプインペラ3は、入力部材としてのフロントカバー2に対して設けられている。すなわち、ポンプインペラ3は、ポンプシェル3aと複数のブレード3bとを有し、ポンプシェル3aは、フロントカバー2に密に固定されている。また、タービンランナ4は、出力部材としてのタービンハブ5に設けられている。すなわち、タービンランナ4は、タービンシェル4aと複数のブレード4bとを有し、タービンシェル4aはタービンハブ5に固定されている。
フロントカバー2側のポンプインペラ3と、タービンハブ5側のタービンランナ4とは互いに対向し合い、両者の間には、入力軸と同軸に回転可能な複数のブレード6bを有するステータ6が配置される。ステータ6は、その回転方向を一方向のみに設定するワンウェイクラッチ9を有しており、ステータ6(およびワンウェイクラッチ9)は、スリーブ(ハブ)30とタービンハブ5との間でスラスト軸受10aおよび10bによりタービンハブ5の軸方向に位置決めされる。これらのポンプインペラ3、タービンランナ4およびステータ6は、作動油を循環させるトーラス(環状流路)を形成する。
一方、トルクコンバータ1に備えられたダンパ装置7は、タービンシェル4aと共にタービンハブ5に連結されている。ダンパ装置7は、図1に示されるように、中間プレート(ドリブン部材)71、複数(例えば4体)のスプリング(弾性体)72、一対のガイドプレート(ドライブ部材)73,74を含む。中間プレート71は、その外周縁の周方向における複数箇所(例えば等間隔に4箇所)から例えば概ね台形状の突起が外方に向けて延出されている環状部材として形成されており、その内周部は、リベット等を介してタービンハブ5に固定される。中間プレート71の突起同士の間には、スプリング72が各1体ずつ配置され、中間プレート71および各スプリング72は、ガイドプレート73および74によって両側から挟持される。
ガイドプレート73,74は、概ね環状に形成されており、周方向の複数箇所(本実施形態では、4箇所)にプレートの一部を外方に膨らませると共に開口することにより形成されたスプリング保持部73a,74aを有する。ガイドプレート73とガイドプレート74とは、それぞれの外周側縁部の周方向における複数箇所でリベット等によって互いに連結(固定)される。そして、中間プレート71は、ガイドプレート73および74の間に、両者に対して回転自在になるように保持され、中間プレート71の突起間に配置されたスプリング72は、それぞれ対応するスプリング保持部73aおよび74a内に収容される。この際、スプリング72の一方の端部が、スプリング保持部73aおよび74aの一方の端部と当接する。
トルクコンバータ1のロックアップクラッチ機構8は、上述のダンパ装置7と、フロントカバー2との間に配置される。図1に示されるように、ロックアップクラッチ機構8は、ロックアップピストン80を含む。ロックアップピストン80は、タービンハブ5の径方向に拡がる環状の基部81と、基部81の外縁部からタービンハブ5の軸方向に延びる複数のスプライン82とを有する。ロックアップピストン80の基部81の中心部には、プレス加工等により、ポンプインペラ3に向けて延びる内周側位置決め部81aが形成されており、内周側位置決め部81aは、タービンハブ5のフロントカバー2側の端部5aに摺動自在に嵌合されている。これにより、ロックアップピストン80は、タービンハブ5の軸方向に移動自在となり、フロントカバー2に対して接近離間可能となる。また、基部81のフロントカバー2側の面の外周部には、フロントカバー2と対向するように、環状の摩擦板83が固定されている。
更に、ダンパ装置7を構成するガイドプレート73,74の外周部には、ロックアップピストン80のスプライン82と対応するように凹部が形成されている。そして、ロックアップピストン80の各スプライン82は、ガイドプレート73,74の凹部に軸方向に摺動自在に係合させられる。これにより、ロックアップピストン80は(フロントカバー2等の)回転方向においてダンパ装置7のガイドプレート(ドライブ部材)73,74と一体化されると共に、ガイドプレート73および74に対して(タービンハブ5等の)軸方向に移動自在となる。
上述のように構成されるトルクコンバータ1では、図示されないエンジンが作動してフロントカバー2およびポンプインペラ3が回転すると、作動油の流れによりタービンランナ4が引きずられるようにして回転し始める。ステータ6は、ポンプインペラ3とタービンランナ4との回転速度差が大きい時に、ポンプインペラ3の回転を助けるべく、タービンランナ4からの流体をポンプインペラへ3と指向させる。これにより、トルクコンバータ1は、ポンプインペラ3とタービンランナ4との回転速度差が大きい時には、トルク増幅機として作動し、両者の回転速度差が小さくなると、ステータ6がワンウェイクラッチ9によって空転させられて流体継手として作動するようになる。すなわち、エンジンの動力は、ポンプインペラ3およびタービンランナ4(作動流体)を介してフロントカバー2からタービンハブ5に伝達される。
そして、車両の発進後、所定の条件が満たされると(例えば、車速が所定値に達すると)、ロックアップクラッチ機構8が作動される。かかるロックアップに際しては、図示されない油圧装置によってロックアップピストン80とポンプシェル3aとの間に画成される油室に作動油が供給され、ロックアップピストン80の表裏面間に圧力差が形成される。これにより、ロックアップピストン80は、フロントカバー2に向けて(タービンハブ5の)軸方向に移動し、ロックアップピストン80に固定された摩擦板83がフロントカバー2と当接するようになる。
更に、ロックアップピストン80に作用する油圧(ロックアップピストン80の表裏面間における圧力差)が概ね最大になると、ロックアップピストン80とフロントカバー2とが摩擦板83を介して摩擦結合し、両者は一体となって回転する。なお、トルクコンバータ1では、ロックアップピストン80とフロントカバー2との間に画成される油室に作動油が供給されると、ロックアップピストン80とフロントカバー2との連結が断たれ、両者間には回転差が生じることになる。
ロックアップピストン80とフロントカバー2とが摩擦結合し、フロントカバー2からの動力(トルク)が大きくなると、ガイドプレート73,74は、中間プレート71およびそれが固定されているタービンハブ5に対して回転する。これにより、中間プレート71の互いに隣り合う突起間のスプリング72が、各スプリング保持部73aおよび74aの一方の端部によって圧縮される。この結果、中間プレート(ドリブン部材)71は、スプリング72を介してガイドプレート(ドライブ部材)73,74から回転方向の力を受けることになり、各スプリング72によってフロントカバー2から伝えられるトルクの変動が吸収されて振動や騒音等の発生が抑制される。そして、フロントカバー2からの動力(トルク)は、ダンパ装置7、すなわち、ガイドプレート73,74、各スプリング72および中間プレート71を介して出力部材としてのタービンハブ5へと伝達されることになる。
また、各スプリング72が完全に収縮する前に、ロックアップにより一体化したガイドプレート(ドライブ部材)73,74とロックアップピストン80とが中間プレート(ドリブン部材)71およびタービンハブ5に対して所定角度だけ回転すると、所定のストッパにより、ロックアップピストン80と回転方向に一体化しているガイドプレート73,74と、タービンハブ5に固定されている中間プレート71との相対回転が規制される。これにより、入力部材としてのフロントカバー2と出力部材としてのタービンハブ5とがロックアップクラッチ機構8およびダンパ装置7を介して機械的に直結され、フロントカバー2からの動力(トルク)は、ガイドプレート73,74および中間プレート71を介してタービンハブ5に伝達されることになる。
図2は、本発明によるトルクコンバータ1の要部拡大部分断面図である。同図は、上述のトルクコンバータ1のステータ6に対して設けられるワンウェイクラッチ9の支持構造を示すものである。図2に示されるように、ワンウェイクラッチ9は、インナーレース901、アウターレース902、複数のスプラグ903および一対のエンドベアリング904を含むものである。アウターレース902の外周には、スプライン902aが放射状に複数形成されており、各スプライン902aは、ステータ6の内周に形成された対応する嵌合溝に嵌め込まれる。これにより、アウターレース902は、ステータ6と回転方向に一体化される。
また、トルクコンバータ1は、図2に示されるように、ワンウェイクラッチ9をステータ6に対して位置決め・固定するために2枚の支持プレート910および911を有している。2枚の支持プレート910および911のうち、ポンプインペラ3側に配置される支持プレート910は、図2および図3に示されるように、平坦な薄い板材により概ね円環状に形成されており、その外周には、アウターレース902のスプライン902aの配列ピッチと概ね同ピッチで、複数の係合片(係合部)910aが形成されている。また、支持プレート910には、スプラグ903やエンドベアリング904に対して潤滑・冷却用の作動油を導くための開口910bが形成されている。なお、図3は、ポンプインペラ3側から見た支持プレート910の正面図である。
また、2枚の支持プレート910および911のうち、タービンランナ4側(フロントカバー2側)に配置される支持プレート911は、支持プレート910と概ね同一の厚さを有する板材を例えばプレス成形することにより、概ね環状に形成されている。支持プレート911は、図4および図5に示されるように、タービンハブ5の径方向に広がる環状の基部912と、基部912の外縁部からポンプインペラ3に向けてタービンハブ5の軸方向に延びる複数の延出部914とを含む。なお、図4は、ポンプインペラ3側から見た支持プレート911の正面図である。
支持プレート911の基部912にも、スプラグ903やエンドベアリング904に対して潤滑・冷却用の作動油を導くための開口912bが形成されている。また、延出部914は、アウターレース902のスプライン902a同士間の溝に嵌るように所定の配列ピッチで設けられている。そして、各延出部914の先端には、タービンハブ5の径方向かつ外方に延びる係合片(係合部)914aが形成されている。各係合片914aは、ポンプインペラ3側の支持プレート910の各係合片910aと概ね同一の厚さを有し、図3に示されるように、支持プレート910の係合片910a同士の間に配置され得る寸法を有している。すなわち、ポンプインペラ3側の支持プレート910の係合片910aと、タービンランナ4側の支持プレート911の係合片914aとは、回転方向に互いに重なり合う状態で係合できるように形成されている。
さて、ワンウェイクラッチ9をステータ6に対して位置決め・固定するに際しては、まず、上述のインナーレース901、アウターレース902、複数のスプラグ903および一対のエンドベアリング904を2枚の支持プレート910および911によって保持(挟持)すると共に、支持プレート910の係合片910aと、支持プレート911の係合片914aとを互いに係合させる。この際、支持プレート911の延出部914は、アウターレース902のスプライン902a同士間の溝内に配置される。次いで、ワンウェイクラッチ9(その構成部品)を2枚の支持プレート910および911によって保持した状態で、アウターレース902のスプライン902aをステータ6の内周に形成された嵌合溝に嵌め込む。そして、図2に示されるように、係合片910aと係合片914aとが互いに係合している2枚の支持プレート910および911を単一のスナップリング(位置決め部材)905を用いてステータに対して軸方向に位置決め・固定する。
このように、トルクコンバータ1では、ワンウェイクラッチ9(その構成部品)を保持する2枚の支持プレート910および911の双方が、単一のスナップリング905によってステータ6に対して軸方向に位置決め・固定される。これにより、従来例のように2枚のスナップリングを用いて各支持プレートをステータに対して固定する場合と比較して、スナップリング1枚分だけ、トルクコンバータ1の軸方向寸法を短縮化すると共に部品点数を削減することが可能となる。
また、トルクコンバータ1では、支持プレート910と支持プレート911とを係合させた際に、支持プレート910の係合片910aと支持プレート911の係合片914a同士が回転方向に互いに重なり合う状態で係合し、各係合片910aおよび各係合片914aの表裏面は概ね面一になる。従って、単一のスナップリング905が支持すべき部材の厚さは、実質的に支持プレート1枚分となることから、これによってトルクコンバータ1の軸方向寸法をより一層短縮化することが可能となる。
更に、トルクコンバータ1では、上述のように、支持プレート911の延出部914がアウターレース902のスプライン902a同士間の溝内に配置されることから、一方の支持プレート911は、ワンウェイクラッチ9のアウターレース902に対して回転方向に位置決めされる。これにより、支持プレート911と係合する他方の支持プレート910も、ワンウェイクラッチ9(アウターレース902)に対して回転方向に位置決めされることになる。すなわち、2枚の支持プレート910および911を互いに係合させることにより、一方の支持プレート911をワンウェイクラッチ9に対して回転方向に位置決めしておけば、他方の支持プレート910も合わせてワンウェイクラッチ9に対して回転方向に位置決めすることができる。これにより、2枚の支持プレート910および911がワンウェイクラッチ9のアウターレース902に対して回転して磨耗することを抑制可能となる。
加えて、トルクコンバータ1では、2枚の支持プレート910および911のうち、タービンランナ4(フロントカバー2)側に配置される支持プレート911のステータ6への取付部として機能する各係合片914aが、図2に示されるように、ポンプインペラ3側にオフセットされている。これにより、トルクコンバータの作動中に、ステータに対して、タービンランナ4側からポンプインペラ3側に向かうスラスト力が作用したとしても、スナップリング905や係合片910aおよび914a周辺に大きなスラスト力が作用することを抑制することが可能となるので、ワンウェイクラッチ9の取付強度を向上させることができる。
以下、図6から図9を参照しながら、本発明によるトルクコンバータの変形例について説明する。なお、図1から図5に関連して説明されたものと同一の要素には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略される。
図6は、上述のトルクコンバータ1に対して適用され得るワンウェイクラッチ9の支持構造の第1の変形例を示す要部拡大部分断面図である。図6の例においては、2枚の支持プレート910および911のうち、ポンプインペラ3側に配置される支持プレート910がワンウェイクラッチ9のエンドベアリングとして機能するように形成されている。すなわち、支持プレート910には、対向する他方の支持プレート911に向けて突出する環状の突部910cが形成されている。そして、この突部910cは、インナーレース901とアウターレース902との間の環状空間に嵌め込まれ、スプラグ903を支持するエンドベアリングとして機能する。
このような構成を採用すれば、ワンウェイクラッチ9からエンドベアリングを1体省略することができることから、トルクコンバータ1の部品点数を削減することが可能となる。また、支持プレート910のポンプインペラ3側には、凹部が形成されることになるので、図6からわかるように、スラスト軸受10aを径方向に位置決めするためにスリーブ30に形成されている軸受位置支持部30aの軸方向の寸法を充分に確保することができる。更に、図6の例では、突部910cにスプラグ903に対して潤滑・冷却用の作動油を導くための開口910bが形成されていることから、ワンウェイクラッチ9を良好に潤滑させることが可能となる。なお、図6に関連して説明された構成が後述されるワンウェイクラッチ9の支持構造に対して適用され得ることはいうまでもない。
図7は、上述のトルクコンバータ1に対して適用され得るワンウェイクラッチ9の支持構造の第2の変形例を示す要部拡大部分断面図である。図7の例は、図1から図5に関連して説明されたワンウェイクラッチ9の支持構造において、支持プレート同士を互い係合させる手段を省略したものに相当する。すなわち、図6において、ポンプインペラ3側の支持プレート910Aは、ほぼ完全な円環状に形成されており、その外周に係合片を有していない。これにより、ワンウェイクラッチ9(その構成部品)を2枚の支持プレート910Aおよび911によって保持した際、支持プレート911の各係合片914aは、支持プレート910Aのタービンランナ4(フロントカバー2)側の面の外周部と当接し、支持プレート910Aと支持プレート911の各係合片914aとは互いに当接し合った状態でスナップリング905とステータ6とにより挟持される。
このようなワンウェイクラッチ9の支持構造を採用すれば、支持プレート910Aを単純化することができるので、その分だけ、製造コストを低下させることができる。また、支持プレート910Aは、比較的薄いことから、図6の構造と比較しても、図7の構造における軸方向の寸法増加をごく僅かである。従って、図7のワンウェイクラッチの支持構造を上述のトルクコンバータ1に適用しても、トルクコンバータ1の軸方向寸法を充分に短縮化することが可能となる。
図8は、上述のトルクコンバータ1に対して適用され得るワンウェイクラッチの支持構造の第3の変形例を示す要部拡大部分断面図である。図8の例は、図7に示されるワンウェイクラッチ9の支持構造において、ステータ6をワンウェイクラッチ9のアウターレース902によって軸方向に位置決めするようにしたものである。すなわち、図8の例においては、ステータ6の内周部には、アウターレース902に設けられているスプライン902aのタービンランナ4(フロントカバー2)側の端面と当接する環状の位置決め部6aが形成されている。このような構造を採用すれば、ステータ6に対してタービンランナ4からポンプインペラ3に向かう方向に作用するスラスト力がワンウェイクラッチ9のアウターレース902によって受けられることになる。これにより、ステータ6がスラスト力を受けた際の挙動を安定化させると共に、ワンウェイクラッチ9の取付強度等を向上させることが可能となる。なお、図8に関連して説明された構成が図2、図6および図9のワンウェイクラッチ9の支持構造に対して適用され得ることはいうまでもない。
図9は、上述のトルクコンバータ1に対して適用され得るワンウェイクラッチの支持構造の第4の変形例を示す要部拡大部分断面図である。図9に示されるワンウェイクラッチ9の支持構造では、ポンプインペラ3側の配置される支持プレート910Bのステータ6への取付部がタービンランナ4側にオフセットされている。すなわち、図9に示される支持プレート910Bは、基本的に、タービンランナ4側の支持プレート911に類似した構成を有しており、その外周にタービンランナ4に向けて軸方向に延びる部位と、この部位からタービンハブ5の径方向かつ外方に延びる部位とを含む係合部901xを複数有している。
図9からわかるように、各係合片901xの軸方向に延びる部位は、アウターレース902のスプライン902a同士間の溝内に配置され、各係合片910xの径方向に延びる部位は、タービンランナ4側の支持プレート911の対応する係合片914aと当接する。これにより、図9の例においては、2枚の支持プレート910Bおよび911の双方をワンウェイクラッチ9のアウターレース902に対して容易に係合させることができる。そして、2枚の支持プレート910Bおよび911の双方をアウターレース902に対して係合させることにより、2枚の支持プレート910Bおよび911がアウターレース902に対して回転して磨耗することを抑制可能となる。なお、なお、図9に関連して説明された構成が図2、図6および図8のワンウェイクラッチ9の支持構造に対して適用され得ることはいうまでもない。
1 トルクコンバータ
2 フロントカバー
3 ポンプインペラ
3a ポンプシェル
4 タービンハブ
4a タービンシェル
4 タービンランナ
4b ブレード
5 タービンハブ
6 ステータ
6a 位置決め部
7 ダンパ装置
8 ロックアップクラッチ機構
8 油圧式ロックアップクラッチ機構
9 ワンウェイクラッチ
10a,10b スラスト軸受
71 中間プレート
72 スプリング
73,74 ガイドプレート
80 ロックアップピストン
901 インナーレース
902 アウターレース
902a スプライン
903 スプラグ
904 エンドベアリング
905 スナップリング
910,910A,910B,911 支持プレート
910a,910x 係合片
910c 突部
912 基部
914 延出部
914a 係合片
2 フロントカバー
3 ポンプインペラ
3a ポンプシェル
4 タービンハブ
4a タービンシェル
4 タービンランナ
4b ブレード
5 タービンハブ
6 ステータ
6a 位置決め部
7 ダンパ装置
8 ロックアップクラッチ機構
8 油圧式ロックアップクラッチ機構
9 ワンウェイクラッチ
10a,10b スラスト軸受
71 中間プレート
72 スプリング
73,74 ガイドプレート
80 ロックアップピストン
901 インナーレース
902 アウターレース
902a スプライン
903 スプラグ
904 エンドベアリング
905 スナップリング
910,910A,910B,911 支持プレート
910a,910x 係合片
910c 突部
912 基部
914 延出部
914a 係合片
Claims (6)
- ポンプインペラおよびタービンランナを介して入力部材から出力部材に動力を伝達可能なトルクコンバータにおいて、
前記タービンランナからの流体を前記ポンプインペラへと指向させるステータと、
前記ステータの回転方向を一方向のみに設定するワンウェイクラッチとを備え、
前記ワンウェイクラッチは、2枚の支持プレートによって両側から保持され、これら2枚の支持プレートは、単一の位置決め部材により、前記ステータに対して軸方向に位置決めされることを特徴とするトルクコンバータ。 - 前記2枚の支持プレートのうち、前記タービンランナ側に配置される前記支持プレートの前記ステータへの取付部は、前記ポンプインペラ側にオフセットされていることを特徴とする請求項1に記載のトルクコンバータ。
- 前記2枚の支持プレートはそれぞれ係合部を有しており、一方の支持プレートの係合部と他方の支持プレートの係合部とは、回転方向に互いに重なり合う状態で係合するように形成されていること特徴とする請求項1または2に記載のトルクコンバータ。
- 前記ワンウェイクラッチは、インナーレースとアウターレースとを含み、前記ステータは、前記アウターレースによって軸方向に位置決めされることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のトルクコンバータ。
- 前記2枚の支持プレートのうち、前記ポンプインペラ側に配置される前記支持プレートのステータへの取付部は、前記タービンランナ側にオフセットされていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のトルクコンバータ。
- 前記2枚の支持プレートのうち、少なくとも何れか一方は、前記ワンウェイクラッチのエンドベアリングとして機能するように形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のトルクコンバータ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004364754A JP2006170345A (ja) | 2004-12-16 | 2004-12-16 | トルクコンバータ |
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JP2004364754A JP2006170345A (ja) | 2004-12-16 | 2004-12-16 | トルクコンバータ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-12-16 JP JP2004364754A patent/JP2006170345A/ja active Pending
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