JP2006070215A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Akimitsu Tonegawa
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Abstract

【課題】 頑固な汚れを効果的に除去し、被洗浄体表面のキズ付、素材劣化、表面劣化の問題を解消し、かつ低刺激性で環境影響を十分考慮した洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】 洗浄剤組成物を、炭素数8〜10の飽和アルコールの含有量が80%以上である飽和アルコールから誘導された、下記化学式(1)で表される非イオン界面活性剤を含有してなるものとする。
【化1】
Figure 2006070215

(Rは炭素数8〜10の炭化水素基の含有量が80%以上である炭化水素基を示し、−(AO)−は炭素数が3及び/又は4のオキシアルキレン基を示し、−(EO)−は炭素数が2のオキシエチレン基を示す。また、n,mはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、それぞれnは0〜5、mは1〜20である。)

Description

本発明は、洗浄剤組成物に関する。
固体表面に付着した、重質油汚れ、金属粉汚れ、カーボン汚れ、インキ汚れ、ペイント汚れ、更には接着剤類の皮膜化汚れなどを除去することは容易ではなく、更に、被洗浄体の意匠構造、表面構造、キズの有無、汚染後の経日により、汚れはより頑固となり、その除去は容易なことではない。このような頑固な汚れを除去するために、従来、有機溶剤配合型の洗浄剤やケイ砂や炭酸カルシウムなどの無機鉱物系研磨剤を配合した液体状、ペースト状、研磨剤含有などの形態の洗浄剤が用いられている。
しかし、有機溶剤配合型の洗浄剤は、脱脂力が著しく高く、被洗浄物が樹脂製である場合や塗装仕上げがなされている場合には、溶剤及び/又は界面活性剤成分がそれら樹脂成分に悪影響を及ぼし、洗浄剤を反復使用した場合には素材劣化や表面劣化の問題が発生する。また、作業者の皮膚刺激や手荒れ等の問題も深刻な問題であった。更に作業環境によっては溶剤揮発成分の吸引による人体への悪影響や引火性の問題もあった。
また、ケイ砂や炭酸カルシウムなどの無機鉱物系研磨剤を配合した洗浄剤は、汚れの除去性は良好であるものの、無機鉱物系研磨剤の比重が大きいために流し配管に沈降し、極端な場合には配管つまりの原因となっていた。また、無機鉱物系研磨剤は、通常その硬さから被洗浄物の表面をキズつけたり、塗装剥がれを引き起こしたり、更には使用者の指先の皮膚を傷つけ、反復使用すると界面活性剤の作用と相俟って炎症や手荒れが生じるなどの問題があった。これら諸問題を解決するために、例えば、特開平02−80497号公報では、被洗浄体表面のキズ付、皮膚刺激性、配管閉塞の問題を解消するために天然高分子系又は合成高分子系スクラブ剤を用いた洗浄剤に関する技術が開示されている。また、特開平10−204491号公報では手荒れ防止成分を配合したスクラブ含有洗浄剤に関する技術が開示されている。また、特開平10−25239号公報では環境への配慮から生分解性を有するスクラブを配合した洗浄剤に関する技術が開示されている。更に特開平11−148091号公報では低刺激性で溶剤類や相溶化剤の使用量を抑制した洗浄剤組成物の技術が開示されている。
しかし、いずれの技術も実用上重視されるべき洗浄力において十分満足し得る水準に達していないのが実情であった。また、使用する界面活性剤の皮膚刺激性や環境影響、人体に悪影響を及ぼす可能性のある有機溶剤の削減などの点でも、十分満足し得る技術水準に到達していないのが実情であった。
特開平02−80497号公報 特開平10−204491号公報 特開平10−25239号公報 特開平11−148091号公報
本発明は、前述のような当該技術の問題点に鑑みてなされたものであり、特に使用する界面活性剤の洗浄力、皮膚刺激性や環境への影響、人体に悪影響を及ぼす可能性のある有機溶剤の削減等に着目し、頑固な汚れを効果的に除去し、被洗浄体表面のキズ付、素材劣化、表面劣化の問題を解消し、かつ低刺激性で環境影響を十分考慮した洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、洗浄剤組成物及びスクラブ含有洗浄剤組成物に使用する界面活性剤として、実用上満足し得る水準の洗浄力を有し、皮膚刺激性及び対素材影響性が低く、また、生分解性や水生生物への影響といった環境影響を考慮した非イオン界面活性剤を使用することで、上記従来技術の種々の問題を解決しようとするものである。
すなわち、本発明の洗浄剤組成物は、炭素数8〜10の飽和アルコールの含有量が80%(重量%、以下同様)以上である飽和アルコールから誘導された、下記化学式(1)で表される非イオン界面活性剤を含有してなるものとする。
Figure 2006070215
化学式(1)において、Rは炭素数8〜10の炭化水素基の含有量が80%以上である炭化水素基を示し、−(AO)−は炭素数が3及び/又は4のオキシアルキレン基を示し、−(EO)−は炭素数が2のオキシエチレン基を示す。また、n,mはそれぞれアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、nは0〜5、mは1〜20であることが好ましい。
上記洗浄剤組成物において、非イオン界面活性剤は、炭素数8〜10の飽和アルコールの含有量が90%以上であり、かつ分岐型アルコールの含有量が50%以上である飽和1級アルコールから誘導されたものであることが好ましく(請求項2)、さらには、2−アルキル−1−アルカノール型の分岐型飽和1級アルコールから誘導された、下記化学式(2)で表されるものであることがより好ましい(請求項3)。
Figure 2006070215
式(2)において、R、Rは炭化水素基を示し、Rを構成する炭化水素基の炭素数が4〜6、Rを構成する炭化水素基の炭素数が2〜4であり、RとRの炭化水素基の炭素数の合計が6〜10である。
また、非イオン界面活性剤の臨界ミセル濃度(cmc)は0.01重量%以上1.0重量%未満の範囲にあることが好ましい(請求項4)。
本発明の洗浄剤組成物は、平均粒子径が30〜500μmの範囲にある研磨剤或いはスクラブをさらに含有し、25℃における粘度が100〜10,000mPa・sであるものとすることができる(請求項5)。
本発明の洗浄剤組成物は、実用上満足し得る水準の洗浄力を発現し、かつ皮膚刺激性の大幅低下、対素材影響性の低減、被洗浄体表面のキズ付防止、易生分解性、低水生生物毒性、有機溶剤類の削減等の効果を奏する。研磨剤やスクラブをさらに含有させた洗浄剤組成物では、それら研磨剤やスクラブの長期分散安定性にも優れたものとなる。
本発明で使用する非イオン界面活性剤は、上記の通り、炭素数8〜10の飽和アルコールの含有量が80%以上である飽和アルコールから誘導される、上記化学式(1)で表される化合物の1種又は2種以上の混合物である。
炭素数8〜10の飽和アルコールの含有量が80%未満の場合、表面張力低下性能の悪化、臨界ミセル濃度(cmc)の増大、湿潤・浸透力の低下など、界面活性能において著しい低下が見られる。
非イオン界面活性剤は、本発明の効果をさらに向上させるため、炭素数8〜10の飽和アルコールの含有量が90%以上であり、且つ分岐型アルコールの含有量が50%以上である飽和1級アルコールから誘導されるものであることが好ましく、さらには、2−アルキル−1−アルカノール型の分岐型飽和1級アルコールから誘導され、下記化学式(2)で表されるものであることがより好ましい。
Figure 2006070215
式(2)において、R、Rは炭化水素基を示し、Rを構成する炭化水素基の炭素数が4〜6、Rを構成する炭化水素基の炭素数が2〜4であり、RとRの炭化水素基の炭素数の合計は6〜10であることが好ましく、6〜8であることがより好ましい。
上記非イオン性界面活性剤を誘導するために使用する飽和アルコールは、炭素数8〜10の飽和アルコールの含有量が80%以上であれば、炭素数が単一であっても、異なる炭素数の高級アルコールの混合物であってもよく、また、高級アルコールの化学構造は単一組成であっても、複数の異性体からなる混合物であってもよい。好適な例としては、合成或いは天然由来のn−オクタノール(n−オクチルアルコール)、n−ノナノール(n−ノニルアルコール)、n−デカノール(n−デシルアルコール)の他、プロピレン或いはブテン、又はその混合物から誘導される高級オレフィンを経て、オキソ法によって製造される分岐型の飽和1級アルコールが挙げられ、この製法にて製造されるイソノナノール、イソデカノールなどが市販されている。また、この製法にて製造される分岐型飽和1級アルコールの混合物、例えばEXXAL9、EXXAL10(エクソン・ケミカル社製)なども好適に使用できる分岐型高級アルコールの一例である。また、n−パラフィンやエチレンオリゴマーから誘導されるオレフィンを経て、オキソ法によって製造される直鎖型と分岐型の混合アルコールなども好適に使用できる。また、2−プロピル−1−ヘキサノール、2−ブチル−1−ヘキサノール、2−エチル−1−ヘプタノール、2−プロピル−1−ヘプタノール、2−エチル−1−オクタノール等の2−アルキル−1−アルカノール型の化学構造をもつゲルベアルコール(Guerbet Alchol)類の単一組成、或いはその混合物なども好適に使用できる分岐型高級アルコールの一例である。また、上記各種アルコールを2種以上配合して使用することも可能である。
本発明で使用する非イオン界面活性剤は、上記飽和アルコールにエチレンオキサイドと炭素数3及び/又は4のアルキレンオキシドをブロック付加して得られ、この付加重合の際に特定のモル比等の条件を選択したものである。炭素数3または4のアルキレンオキシドにおいて、炭素数3のものは、いうまでもなくプロピレンオキシドである。炭素数4のアルキレンオキシドは、テトラヒドフランも含むが、好ましくは、1,2−ブチレンオキサイドまたは2,3−ブチレンオキサイドである。
一般式(1)及び(2)で示される化合物中のn、即ち、炭素数3及び/又は炭素数4のアルキレンオキサイドの平均付加モル数は好ましくは0〜10、より好ましくは0〜5である。この平均付加モル数(n)が10を超える場合、表面張力低下能、湿潤・浸透力などの実用上の性能が低下したり、性状が悪化したりする可能性がある。
一般式(1)及び(2)で示される化合物中のm、即ち、エチレンオキサイド平均付加モル数は1〜100であり、表面張力低下能、湿潤・浸透力、また、物性のバランスに優れているという点で、1〜50が好ましく、1〜20がさらに好ましい。
本発明で使用する非イオン界面活性剤は、アルカリ触媒、酸触媒の他、金属酸化物、金属塩類、金属錯体類などの種々公知の触媒を用いて上記飽和アルコールから誘導することが可能である。中でも、アルカリ触媒は、副生物の生成量が相対的に低く、また反応速度、製造コスト等の点から商業生産上有利である。使用できるアルカリ触媒の一例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物及びトリエチルアミンをはじめとする各種アミン化合物などが挙げられる。好適な触媒量は反応粗製物(全仕込量)当たり0.005〜1.0%(固形分換算)、より好ましくは0.03〜0.4%(固形分換算)の範囲である。
本発明の洗浄剤組成物に使用する非イオン界面活性剤の臨界ミセル濃度(cmc)は、0.01重量%以上1.0重量%未満の範囲にあることが望ましく、0.01重量%以上0.5重量%未満の範囲にあることがより望ましい。臨界ミセル濃度(cmc)が0.01重量%未満の場合は環境影響(水生生物毒性)や皮膚刺激性、対素材影響性が悪化する。また、1.0重量%を超えると実用上所望される洗浄力を発揮しなくなる。
界面活性剤の臨界ミセル濃度(cmc)は、界面活性剤の性能と実使用濃度を決定する重要な特性値である。本発明において、臨界ミセル濃度(cmc)は、25℃における任意の濃度の界面活性剤水溶液に対するウィルヘルミー法による表面張力データ(表面張力−濃度曲線の屈曲点)から求めた特性値であり、単位は重量%である。
本発明の洗浄剤組成物においては、上記非イオン界面活性剤の他に、構成成分として以下のものが使用可能である。
まず、公知の研磨剤又はスクラブが必要に応じて使用可能であり、天然高分子系スクラブの例としては、クルミ殻、モモ種等の核種粉砕物、落花生、ゴマ等の外皮粉末、カゼイン等のタンパク質粉末、きな粉、小麦粉、キチン、キトサン等の多糖類粉末等が挙げられ、合成高分子系スクラブの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスチレン、ABS樹脂、尿素樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂の粒子や粉砕物が挙げられる。中でも、比重が軽く、生分解性に優れた天然高分子系スクラブ又は合成高分子系スクラブが好ましい。なお、使用する研磨剤又はスクラブの平均粒子径は洗浄効果、被洗浄体からの脱離、被洗浄体のキズ付防止、使用感等の点から30〜500μmであることが好ましい。
研磨剤又はスクラブを使用した場合の、25℃における洗浄剤組成物の粘度は、汚れに対するブラッシング効果の最適化とハンドポンプ付容器或いはチューブ型容器への適用の観点から、100〜10,000mPa・sの範囲にあることが好適である。
本発明の洗浄剤組成物では、洗浄力の向上や皮膚刺激性の緩和、対素材性改良、スクラブの分散安定化、汚れ成分の乳化、分散性向上の観点から、上記非イオン界面活性剤以外の界面活性剤、すなわち他種の非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤の1種又は2種以上を併用することも可能である。他の界面活性剤を併用する場合、本発明の必須成分である非イオン界面活性剤と併用条件下で測定した臨界ミセル濃度が0.01重量%以上1.0重量%未満の範囲にあることが望ましい。
その他、本発明の効果を阻害しない範囲内で、当該技術で使用し得る公知のキレート剤、有機溶剤類、増粘剤、抗炎症剤、保湿剤、殺菌剤、防腐剤、香料、色素などを配合することもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
1.非イオン界面活性剤の合成
8Lのオートクレーブに表1に示した出発物質としての所定量のアルコールと水酸化カリウム(対粗製物あたり0.10%)を仕込み、オートクレーブ内をチッ素置換した後、攪拌しながら70℃で減圧して、反応器内の内圧が2.7KPaに到達後、引き続き30分間減圧脱水を継続した。ついで、120℃まで昇温した後、125±5℃、反応圧0.20MPaで、同表に示した付加モル数に応じた量のアルキレンオキサイドオキサイドを導入した。導入後、反応温度を維持して、内圧が低下して一定になるまで熟成させた。次に、135±5℃、反応圧0.25MPaで同表に示した付加モル数に応じた量のエチレンオキサイドを導入した後、反応温度を維持しつつ、内圧が低下して一定になるまで熟成させた。反応液を70℃まで冷却した後、乳酸で中和し、非イオン性界面活性剤を得た。
上記により得られた非イオン界面活性剤の組成、曇点、臨界ミセル濃度(cmc)、環境特性値を表1に示した。
なお、曇点は、非イオン界面活性剤の1%水溶液による値を示した。
臨界ミセル濃度(cmc)は、25℃にて任意の濃度の非イオン界面活性剤水溶液の表面張力をウィルヘルミー法にて測定し、得られた[表面張力(mN/m)−水溶液濃度(重量%)]曲線から求めた値(単位:重量%)を示した(表面張力法)。
また、環境特性値としての魚毒性は、ヒメダカ(Oryzias Latipes)について、JIS K 0102:1998 「工場排水試験方法」の魚類に対する急性毒性試験の項を参考に、水温24±1℃、止水式、10尾供試にて96時間LC50値(半数致死濃度)で評価した結果を示した。
○ … LC50値 ≧ 10mg/L
× … LC50値 < 10mg/L
また、環境特性値としての生分解性は、OECDテストガイドライン(易生分解性試験)301Bに則り、水温22±2℃で28日間供試し、理論二酸化炭素量に対する発生二酸化炭素量から、生分解率(%)を求めて生分解性を評価した結果を示した。
○ … 分解率(28日) ≧ 60%
× … 分解率(28日) < 60%
Figure 2006070215
2.洗浄剤組成物の調製及び評価
上記により得られた非イオン界面活性剤を用い、表2に示した配合(組成は重量部、組成物全体で100重量部)に従って洗浄剤組成物を調製し(実施例1,2および比較例1,2)、以下の要領で洗浄試験を行った。
あらかじめ溶剤洗浄を実施し、表面が清浄でキズの認められないステンレス製平板(10cm×10cm)に、まず、市販の油性黒色マーカーでローマ字Aを5cm四方に収まる大きさで描き、マーカーインキが乾燥したのち、カーボンブラック5gとグリース10gを100gのマシン油に分散させたモデル汚垢を全量ステンレス板上にそそぎ、できるだけ均一に汚垢を展開させた後、120℃オーブンで1時間処理して試験片を得た。
洗浄剤組成物5gを工業用ウエスにとり、マーカーとモデル汚垢が付着した試験片に対して、試験片全体に円を描くように15秒間本発明の洗浄剤をすり込み、汚れを浮かしたのち、水道水の流水で十分すすぎを行い、80℃で1時間乾燥した後、試験片表面の状態から洗浄力を評価した。洗浄力の評価は、洗浄後の油性マーカーの筆跡残存度合とイオン交換水に対する試験片中心付近の接触角(5点の平均値)から行った。また、洗浄剤組成物使用時の皮膚刺激性を調べた。結果を表2に示す。
[洗浄力(筆跡残存度合)]
洗浄後の油性マーカーの筆跡残存度合から、次の判定基準に則って評価した。
◎ … 極めて良好(ローマ字Aの筆跡が全く確認できない)。
○ … 良好(ローマ字Aの薄い筆跡が所々残る)。
△ … やや不良(ローマ字Aの筆跡が所々残る)。
× … 不良(ローマ字Aの筆跡が洗浄前とほとんど変わらず残る)。
[接触角]
協和界面科学社製接触角計(Drop Master 500)を用いて、洗浄後の試験片、中心付近の任意5点の接触角(25℃、イオン交換水の着水1秒後)を測定後、その平均値を求めた。
[皮膚刺激性]
パネラーの男性5人が上記洗浄試験を1日2回(試験片2枚を処理)、5日間繰り返し、皮膚刺激性を評価した。被験者の右手にかさつき、赤斑などがみられた場合、皮膚刺激有りと判断し、その人数から皮膚刺激性を評価した。
Figure 2006070215
[対素材影響試験]
実施例1,2および比較例1,2の洗浄剤組成物につき、以下の要領で対素材影響試験を実施した。
市販塩化ビニル製テーブルクロス裁断品(寸法70mm×10mm)および市販の汎用高衝撃性グレード(日本A&L社製)ABS樹脂から調製した4mm厚のダンベル型射出成型品を、対素材影響性試験に供試した。実施例1,2および比較例1,2の洗浄剤の50倍希釈液に、供試試験片を40℃で1日間浸漬したのち取り出し、25℃の流水で十分水洗後、40℃熱風乾燥機内で24時間放置、乾燥させて試験片を得た。
得られた試験片につき、万能型力学試験機(オートグラフ、島津製作所製)を用いて、測定温度25℃、引張り速度50mm/min.、チャック間距離50mmの条件下で引張り試験(n=5)を実施し、供試試験片に対する最大引張り応力と破断伸びを求め、各試験片に対する測定結果を得た。同様の条件下、水道水に浸漬した試験片(ブランク)に対する百分率から対素材影響性を評価した。結果を表3に示す。
◎ … ±2%以内 対ブランク値
○ … ±5%以内 対ブランク値
△ … ±20%未満 対ブランク値
× … ±20%以上 対ブランク値
Figure 2006070215
3.スクラブ含有洗浄剤組成物の調製及び評価
上記により得られた非イオン界面活性剤を用い、表4に示した配合(組成は重量部、組成物全体で100重量部)に従ってスクラブ含有洗浄剤組成物を調製し(実施例3〜5、比較例3,4)、以下の要領で粘度、スクラブ分散安定性を調べ、また、第一工業製薬株式会社、研究所(京都市)、社員食堂内に設置の厨房用業務用換気扇の樹脂製ファン(6枚羽根、1ヶ月間メンテナンスなし)を被洗浄体として洗浄試験を実施した。
すなわち、スクラブ含有洗浄剤組成物3gを工業用ウエスにとり、供試各洗浄剤に対して換気扇樹脂製ファンの羽根1枚に対して、洗浄剤を円を描くように15秒間すり込み、汚れを浮かしたのち、水道水の流水で十分すすぎを行い、洗浄後の羽根表面の状態から洗浄力を評価した。
[粘度]
スクラブ含有洗浄剤組成物の粘度をB形粘度計にて20℃で測定した。
[スクラブ分散安定性]
スクラブ分散安定性は、洗浄剤組成物の90mlを容量100mlの透明ガラス製サンプル瓶に移し、40℃恒温庫にて3ヵ月間放置し、3か月後の製品外観から、次の判定基準に則って評価を実施した。
◎ … 分離が認められない。
○ … サンプル瓶の底に極微量のスクラブの沈降が認められる。
△ … サンプル瓶の底にスクラブの沈降が認められる、及び/又は液面上部に透明層がわずかに認められる。
× … 分離が認められる。またはスクラブの不均一が明らかに認められる。
[洗浄力]
洗浄力は、洗浄後の羽根表面の残油度合により、次の判定基準に則って評価した。
◎ … 極めて良好(べたつき、残油感なし、固体汚れ除去され表面は清浄)。
○ … 良好(べたつきは無いが、残油感がわずかに残る、固体汚れ除去され表面は清浄)。
△ … やや不良(べたつき、残油感が残るが固形汚れ除去され表面は清浄)。
× … 不良(べたつき、残油感、固体汚れともに残る)。
Figure 2006070215
本発明の洗浄剤組成物は、頑固な汚れの除去を日常的に要求される種々の生産現場、例えば、金属加工、機械産業、塗料、インキ製造、食品製造、化粧品製造などの種々生産現場で洗浄剤として好適に使用できる。更には厨房用などの業務用、家庭用の多目的洗浄剤として好適に使用できる。更には頑固な汚れを効率的に除去可能なスクラブ含有クリーナーとして好適に使用できる。

Claims (5)

  1. 炭素数8〜10の飽和アルコールの含有量が80%以上である飽和アルコールから誘導された、下記化学式(1)で表される非イオン界面活性剤を含有してなる洗浄剤組成物。
    Figure 2006070215
    (Rは炭素数8〜10の炭化水素基の含有量が80%以上である炭化水素基を示し、−(AO)−は炭素数が3及び/又は4のオキシアルキレン基を示し、−(EO)−は炭素数が2のオキシエチレン基を示す。また、n,mはそれぞれアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、nは0〜5、mは1〜20である。)
  2. 前記非イオン界面活性剤が、炭素数8〜10の飽和アルコールの含有量が90%以上であり、かつ分岐型アルコールの含有量が50%以上である飽和1級アルコールから誘導されたものであることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. 前記非イオン界面活性剤が、2−アルキル−1−アルカノール型の分岐型飽和1級アルコールから誘導された、下記化学式(2)で表されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
    Figure 2006070215
    (R、Rは炭化水素基を示し、Rを構成する炭化水素基の炭素数が4〜6、Rを構成する炭化水素基の炭素数が2〜4であり、RとRの炭化水素基の炭素数の合計が6〜10である。)
  4. 前記非イオン界面活性剤の臨界ミセル濃度(cmc)が0.01重量%以上1.0重量%未満の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
  5. 平均粒子径が30〜500μmの範囲にある研磨剤或いはスクラブをさらに含有し、25℃における粘度が100〜10,000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
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