JPH08500377A - 流し出し可能な液体水性清浄剤濃厚物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 流し出し可能な液体水性清浄剤濃厚物は、界面活性剤および水溶性の塩を含有する。該水溶性の塩は、平均粒径約２００±１００μｍの炭酸水素ナトリウム少なくとも５０重量％、好ましくは５０ないし６５重量％を含有し、また、前記界面活性剤は、アルキルスルフェートおよび／またはアルキルエーテルスルフェートおよび狭い同族体分布を有するアルキルポリグリオールエーテル並びに石けんからなる低発泡性混合物から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】 流し出し可能な液体水性清浄剤濃厚物 本発明は、研磨清浄剤として、また、多機能清浄剤として希釈形態での両方で 使用してよい流し出し可能な液体水性清浄剤濃厚物に関する。この種の清浄組成 物は、既知のものであり、なかでも濃縮した媒体中で研磨機能を発揮し、かつ希 釈媒体に大部分が溶解するが、適用後、水で簡単に洗い流すことにより、基材か ら容易に除去することができる水溶性研磨剤成分の使用に基づく。 米国特許第４,１７９,４１４号は、濃縮形態では研磨効果を示し、希釈形態で は硬質表面を清浄する（含水量に対して）炭酸水素ナトリウム約５０ないし６５ 重量％、水約５０ないし３５重量％、塩化ナトリウム約５ないし２０重量％およ びＣ_12-16脂肪酸ジエタノールアミド１０ないし３０重量％の安定なペーストを 記載している。炭酸水素ナトリウムの粒径は記載されていない。欧州特許出願公 開第０１９３３７５号は、界面活性剤１．５ないし３０重量％および、とりわけ 平均粒径１０ないし５００μｍの炭酸水素ナトリウム（これより確かな形態は与 えられていない）６ないし４５重量％も含有してよい上記の種類の液体清浄剤を 記載している。残りは水からなる。欧州特許出願公開第０３３４５５６号は、界 面活性剤１.５ないし４０重量％、上記と同様の粒径、好ましくは２０ないし３ ００μｍを有するほとんど溶解していない硫酸カリウム２.０ないし６５重量％ および場合により塩化ナトリウム０.５ないし１０重量％を含有する上記の種類 の水性清浄剤を記載している。国際特許出願公開第９１／０８２８２号は、界面 活性剤１.５ないし３０重量％、特に８０μｍ以下の小さな平均粒径の炭酸水素 ナトリウム約４５ないし約７５重量％および１０重量％以上の水を含有してよい 水性研磨剤を有する液体研磨清浄剤を記載している。 これらの既知の清浄組成物の大部分は、使用時に過度に発泡するおよび／また はそれらの研磨効果について不十分な粒径の故に大理石粉末の市販標準品に及ば ないが、本発明により開発した清浄剤はこれらの不利益を示さない。 分散した粒子の沈降に関するストークス則（式１参照）の下では、沈降速度Ｖ が粒子の半径ｒの二乗および媒体の粘度ｎに依存するため、比較的微細な粒子か らよりも比較的大きな粒子から安定な分散液を形成することの方がより困難であ る。半径を拡大するとＶは増加して不安定となり、粘度が高くなるとＶは減少し て安定となる。 式１： 極微粒子の分散液の粘度は、同量の比較的粗粒の分散液の粘度よりもかなり高 い（実施例１および２参照）。ストークスの式は、本発明の清浄剤組成物のよう な高含量の固体系に上記の形では完全に当て嵌まらないが、さらに濃縮した系統 に対するおよその式もストークスの沈降速度Ｖを含んでいる。したがって、濃縮 した系でさえ、比較的大きな粒子半径は、該半径とより低粘度の両方によって分 散液に対して不安定化効果を有する。 驚くべきことに、安定に分散させるために、要求される清浄効果を発揮するだ けでなく、国際特許出願公開第９１／８２８２号の教示に比べて炭酸水素ナトリ ウムをより粗くすることもできる低発泡性界面活性剤の配合が見い出されている 。エチレンオキサイド付加物の狭い分布を有する濃厚化アルキルポリグリコール エーテル［エー・ベーラー（A.Behler）ら「ザイフェン−エーレ−フェッテ−ヴ ァク ドイツ特許第３８１７４１５号］をアルキルポリグリコールエーテルとして使用 するこの界面活性剤の配合は、本質的にアルキルポリグリコールエーテル、アル キルスルフェート、任意にアルキルエーテルスルフェートおよび石けんからなり 、さらに界面活性剤が容易に生分解することを特徴とする。石けんの添加により 発泡を調節する。ヤシ油脂肪酸、イソステアリン酸およびそれらの混合物を用い ると、特に良好な結果が得られる。現今では、最小の発泡は、近代的な家庭用清 浄剤が受け入れられるためには必須である。 したがって、本発明は、濃縮形態では研磨清浄剤としておよび希釈形態では多 機能清浄剤として使用されてよい界面活性剤および水溶性の塩を含有する流し出 し可能な液体水性清浄剤濃厚物であって、 ａ）水溶性の塩として、平均粒径約２００±１００μｍの炭酸水素ナトリウム少 なくとも５０重量％、好ましくは５０ないし６５重量％および ｂ）アルキルスルフェートおよび／またはアルキルエーテルスルフェートおよび 狭い範囲のアルキルポリグリコールエーテル並びに石けんの低発泡性界面活性剤 混合物約２ないし３０重量％、好ましくは約３ないし１５重量％ を含有する清浄剤濃厚物に関する。 ｂ）に記載した界面活性剤に加えて、通常の分布のエチレンオキサイド単位を有 する典型的なアルキルポリグリコールエーテルも存在してよい。 低発泡性界面活性剤混合物は、本質的に、アルキル基中に約８ないし２２個、 好ましくは約９ないし１６個の炭素原子を有するアルキルスルフェート約０ない し１３重量％、好ましくは約４ないし１０重量％、アルキル基中に約８ないし１ ８個、好ましくは約９ないし１６個の炭素原子および分子中に約１ないし５モル 、好ましくは約２ないし４モルのエチレンオキサイド単位（ＥＯ）を有するアル キルエーテルスルフェート約０ないし１３重量％、好ましくは約４ないし１０重 量％、アルキル基中に約８ないし１８個、好ましくは約９ないし１６個の炭素原 子および分子中に約２なしい８ＥＯ、好ましくは約２なしい５ＥＯを有するアル キルポリグリコールエーテル約１.５ないし８重量％、好ましくは約２ないし６ 重量％並びにアルキル基中に約７ないし２２個、好ましくは約１０ないし２２個 の炭素原子を有する直鎖または分枝した、飽和または不飽和カルボン酸および／ またはそれらのアルカリ金属、アンモニウムおよび／またはアルキルアンモニウ ム塩約０.０５ないし５重量％、好ましくは０.５ないし３重量％から構成される 。界面活性剤の個々の種類は、一種またはそれ以上のそれらの化合物によって表 されてよい。油脂化学における通例として、アルキル（エーテル）スルフェート およびアルキルポリグリコールエーテルを、例えば植物性または動物性原料のメ チルエステルの高圧水素添加またはレーレン(Roelen's)オキソ合成によるアルデ ヒドの水素添加において得られる工業用アルコール混合物から誘導してよい。ア ルキル（エーテル）スルフェートとアルキルポリグリコールエーテルの重量比は 約１０：１ないし１：１０、好ましくは５：１ないし１：５、特に３：１ないし １ ：４が最もよい。 Ｒが約２ないし６個、好ましくは２ないし４個の炭素原子を有する任意に水酸 基置換したアルキル基である式ＨＯ−Ｒ−ＯＨで表されるポリオール約０ないし ５重量％、好ましくは約０.３ないし３重量％の添加は、請求の範囲に示す清浄 組成物の流動特性に好ましい影響を与える。この場合、清浄組成物の分配が特に 便利で容易になる。該ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ｎ-お よびイソプロピレングリコール並びにグリセリンが挙げられる。 他の可能な添加物は、例えばキサンタンガム、他の多糖および／またはゼラチ ンのような天然ポリマー約０ないし２重量％、好ましくは約０.５ないし１.８重 量％の量からなる。該組成物の清浄性能は、この場合著しく向上する。 さらに、本発明の清浄組成物は、例えば低分子量のジカルボン酸の形態または 塩化ナトリウムである無機または有機ビルダー、ヒドロトロープ剤および溶媒の ような既知の可溶化剤、防腐剤、他の抗菌剤、染料並びに香料のような典型的な 成分を含有してよい。 炭酸水素ナトリウムはｐＨ８.７でバッファーを形成する。すなわち、バッフ ァーが枯渇した場合、ｐＨ値を下げ得る；ｐＨの増加は、粘度に悪影響を与える 。 自体既知の可溶化剤も、個々にまたは互いに混合して配合してよく、さらに、 １ないし４個の炭素原子を有する特に低分子量の脂肪族アルコールのような水溶 性有機溶媒に加えて、いわゆる低級アルキルアリールスルホネート系ヒドロトロ ープ剤、例えばトルエン、キシレンまたはクメンスルホネート、またはオクチル スルフェートのような短鎖アルキルスルフェートも挙げられる。可溶化剤はそれ らのナトリウムおよび／またはカリウムおよび／またはアルキルアミノ塩の形態 で存在してもよい。他の適する可溶化剤は、水溶性有機溶媒、特に、例えば同種 もしくは異種の多価アルコールのエーテルまたは多価アルコールの部分エーテル のような沸点が７５℃以上の水溶性有機溶媒である。これらとしては、例えばジ -またはトリエチレングリコールポリグリセリンおよびエチレングリコール、プ ロピレングリコール、ブチレングリコールまたはグリセリンと分子中に１ないし ６個の炭素原子を有する脂肪族１価アルコールとの部分エーテルが挙げられる。 他の適する水溶性または水に乳化する有機溶媒としては、アセトンまたはメチ ルエチルケトンのようなケトン、脂肪族、環状脂肪族および芳香族炭化水素およ びテルペンアルコールが挙げられる。 本発明の清浄組成物は、以下の手順で市販のパドル攪拌器を用いて撹拌しなが ら成分を混合することにより製造される：炭酸水素塩の全量の約６％を４０℃で 水に溶解した後、脂肪酸を溶融形態で添加する。均一になったら、該混合物を２ ５℃まで冷却し、残りの成分を加える。 実 施 例 本発明の清浄剤の利点を実証するため、以下の方法で評価を行った： 研磨性を測定するため、希釈していない清浄剤６ｇを小さなスポンジに適用し 、２００℃で焼いたコンデンスミルク、粉末白砂糖およびカッテージチーズ粉末 からなる組成物（５０：８：１０）によって汚した面上で前記スポンジを２.５ ｋｇの規定荷重下、円を描くように２０回前後に動かした。汚れた板を洗い流し て乾燥した後、除去した汚れの量を計算し、大理石粉末系の市販の液体研磨清浄 剤を用いて得られた結果と関連づけた。 粘度（ｍ・Ｐａ・ｓ）は、ブルックフィールドＲＶＴ粘度計（スピンドル４、２ ０r.p.m.）を使用して測定した。測定は２０℃で行った。 再現性の良い結果を与える下記の方法で清浄力を評価した。前記「ザイフェン −エーレ−フェッテ−ヴァクセ」 （１１２、３７１、１９８６年）に記載され た清浄力試験により、硬質表面からの汚れの除去を評価した。 評価すべき清浄剤を人為的に汚したプラスチック表面に適用した。カーボンブ ラック、機械油、飽和脂肪酸のトリグリセリドおよび低沸点脂肪族炭化水素の混 合物を、該清浄剤の希釈利用についての人為的な汚れとして使用した。２６× 汚れにより均一に被覆した。 プラスチックスポンジを評価すべき清浄液１０ｍｌに浸し、予め清浄液１０ｍ Ｌで覆った評価表面上で、スポンジを機械的に動かした。スポンジを１０回動か して拭いた後、清浄した評価表面を流水下に置いて、浮いた汚れを取り除いた。 清浄効果、すなわち、清浄したプラスチック表面の白さを、ドクター・ランジ(D r.Lange) 「マイクロカラー(Microcolor)」色差測定装置を用いて測定した。き れいな白いプラスチック表面を白さの基準として用いた。装置は、きれいな表面 を測定した場合を１００％に調整し、また、汚れた表面の読みを０％としたため 、清浄したプラスチック表面に関して読み取られる値は洗浄力率（％ＣＰ）と等 しくなる。以下の評価において示すＣＰrel.(％)値は、基準として用いる清浄剤 の清浄力（ＣＰ＝１００％）に対する評価した清浄剤の清浄力をこの方法により 決定した値とする。この値は、３回の測定の平均を示す。 本発明の清浄剤の発泡特性は以下のように評価した： 評価すべき製品を広口ガラスビーカーに入れた。水道水を、始めに入れた製品 量と合わせて、規定された製品の使用溶液状態を形成する量でビーカーの上３０ ｃｍの高さから流し入れた。 ガラスビーカー中の泡高を、水を入れた直後と、３分後に読み取った。３分後 の泡高を直後の泡と関連づけて、泡の崩壊率を以下のように算出した： ５０％以上の泡の崩壊率を有する清浄剤は低発泡性清浄剤とする。 以下の実施例において、量は重量％である。 実施例１および２ 実施例１および２は粒径と研磨性の関係を示すものである。 研磨性を１００％とみなす大理石粉末５０重量％を含有する市販の液体清浄剤 を比較例に使用した。 上記実施例は、本発明の粒径を有する炭酸水素ナトリウムは大理石粉末の研磨 性にほぼ達し得るが、実施例２より国際特許出願公開第９１／８２８２号の粒径 の炭酸水素塩は確かに効果がより小さいことを示している。 実施例３ １５．５％という比較的高い界面活性剤総含量にもかかわらず、この実施例は 低発泡性性清浄剤を与える。希釈適用（３ｍＬ／Ｌ）における泡の崩壊率は７３ ％であった。界面活性剤総含量１２％における５０％炭酸水素ナトリウムを含有 する市販の製品を比較として使用すると、その３ｍＬ／Ｌの使用時の濃 度において、泡の崩壊率４３％以下を示した。 実施例４ この実施例は、希釈しない形態で使用する場合は高い研磨性を、また希釈形態 で使用する場合は９３％の泡の崩壊率を示す有効な清浄剤を与える。 実施例５および６ 実施例６はゼラチンを添加することにより得られた清浄力の向上を表している 。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ Ｃ１１Ｄ 17/00 9546−4Ｈ (72)発明者 ディッシュ、カール‐ハインツ ドイツ連邦共和国デー‐42781ハーン、ホ ルバインシュトラアセ 10番 (72)発明者 ボカラック、カティカ ドイツ連邦共和国デー‐40589デュッセル ドルフ、アム・ツンダー 57番

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．界面活性剤および水溶性塩を含有する流し出し可能な液体水性清浄剤濃厚 物であって、 ａ）水溶性塩として、平均粒径約２００±１００μｍを有する炭酸水素ナトリウ ム少なくとも５０重量％、好ましくは５０ないし６５重量％および ｂ）アルキルスルフェートおよび／またはアルキルエーテルスルフェートおよび 狭い範囲のアルキルポリグリコールエーテル並びに石けんからなる低発泡性界面 活性剤混合物約２ないし３０重量％、好ましくは約３ないし１５重量％を含有す る清浄剤濃厚物。 ２．アルキルスルフェートとして、Ｃ₈₋₂₂、好ましくはＣ₁₀₋₁₆アルキルス ルフェート約０ないし１３重量％、好ましくは約４ないし１０重量％を含有する 請求項１に記載の清浄剤濃厚物。 ３．アルキルエーテルスルフェートとして、Ｃ₈₋₁₈、好ましくはＣ₁₀₋₁₆ア ルキル基および分子中に１ないし５モル、好ましくは２ないし４モルのエチレン オキサイドを含有するアルキルエーテルスルフェート約０ないし１３重量％、好 ましくは約４ないし１０重量％を含有する請求項１および２のいずれかに記載の 清浄剤混合物。 ４．Ｃ₈₋₁₈アルキル基および分子中に約２ないし８モルのエチレンオキサイ ドを有する１種またはそれ以上の狭い範囲のアルキルポリグリコールエーテル約 １.５ないし８重量％、好ましくは約２ないし６重量％を含有する請求項１ない し３のいずれかに記載の清浄剤混合物。 ５．石けんとして、場合によりカルボン酸が塩の形態、好ましくはアルカリ金 属、アンモニウムまたはアルキルアンモニウム塩で完全にまたは部分的に存在す る、直鎖または分枝した、飽和または不飽和のＣ₇₋₂₂、好ましくはＣ_16-2２ア ルキル基を有する１種またはそれ以上のカルボン酸約０.０５ないし５重量％、 好ましくは０.５ないし３重量％を含有する請求項１なしい４のいずれかに記載 の清浄剤混合物。 ６．さらに約５重量％までのポリオールを含有する請求項１ないし５のいずれ かに記載の清浄剤混合物。 ７．さらに約０ないし２重量％、好ましくは約０.１ないし１.８重量％のポリ マーを含有する請求項１ないし６のいずれかに記載の清浄剤混合物。 ８．さらに香油、有機又は無機ビルダー、可溶化剤、防腐剤および／または他 の抗菌活性化合物および染料のような清浄剤組成物の典型的な成分を含有する請 求項１ないし７のいずれかに記載の清浄剤混合物。