JP2006070015A - 無塩味噌若しくは減塩味噌又はこれらの抽出物含有機能性組成物 - Google Patents

無塩味噌若しくは減塩味噌又はこれらの抽出物含有機能性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】無塩味噌若しくは減塩味噌又はこれらの抽出物を主成分とする機能性組成物を提供することである。
【解決手段】無塩味噌若しくは減塩味噌又はこれらの抽出物を主成分とするチロシナーゼ活性阻害組成物、リパーゼ活性阻害組成物、女性ホルモン様生理活性作用組成物、抗酸化組成物、抗癌組成物、抗菌性組成物、免疫賦活化組成物、低大豆アレルギー組成物及びフリーラジカルの消去組成物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、無塩味噌若しくは減塩味噌又はこれらの抽出物を主成分とする機能性組成物に関する。
味噌は、基本的に、蒸したり煮たりした大豆に、麹と塩を加えて容器に仕込み、熟成させた調味料である。古くは大宝令(701年)にその原型の記載があり、鎌倉時代には、味噌汁として食されていた。それ以降、米を主食とする日本人にとって米飯の対となる国民食となり、日本全国においては、地域ごと特色ある味噌文化が生まれている。味噌は、麹の種類により、米味噌、麦味噌、豆味噌及び調合味噌に分類される。近年、大豆に含まれる有用な栄養機能について注目され、味噌についても研究されており、味噌には、抗癌性、抗酸化性、コレステロール低下能など様々な効用があることが確認されている。また、大豆には、イソフラボンという物質が含まれており、エストロゲン作用、抗酸化作用、抗癌作用、骨粗しょう症予防作用などの様々の生理作用があることが知られている。このイソフラボンは、発酵過程により人体への吸収に優れるアグリコン型のイソフラボンに変換されることが知られており、味噌の方が大豆よりもその効果が期待されている。
このように味噌には様々な機能があるが、信州味噌や仙台味噌を代表とする辛口の米味噌、西日本に多い麦味噌、愛知・岐阜の豆味噌など、味噌には、塩分が11〜13重量%含まれており、含有量の多い食品である。五訂日本食品標準成分表においては、食塩摂取量を成人の場合10g/日以下にすることを目標にしているが、味噌汁1杯を食することにより2.4g前後の食塩を摂取することになるので、味噌に有用な機能が含まれているにも拘らず、塩分が多いことから多くの味噌を摂取するのが好ましくないとされている。
このように味噌に含まれている塩分が多いため、特に腎臓疾患、高血圧、又は心臓疾患などのナトリウム摂取制限を必要とする病者用に、ナトリウム量として通常の味噌の半分以下の減塩味噌が特別用途食品(病者用食品)として規格されている。また、病者用でない一般食品として、ナトリウム量が通常の味噌より15重量%以上カットされた減塩味噌や低塩味噌(みその表示に関する公正競争規約施行規則第2条(4)に記載されている。)などが市販されている。さらに、特許文献1には、無塩味噌や無塩味噌をカプセルやペーストにしたものも提案されている。
特開平13−346536号公報
しかしながら、無塩味噌や減塩味噌の効能については、ほとんど研究されておらず、無塩味噌や減塩味噌がどのような効用を有するかが解明されていないのが現状である。
そこで、本発明は、無塩味噌若しくは減塩味噌又はこれらの抽出物を主成分とする機能性組成物を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するため本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、無塩味噌若しくは減塩味噌又はこれらの抽出物にチロシナーゼ活性阻害作用、リパーゼ活性阻害作用、女性ホルモン様生理活性作用、抗酸化作用、抗癌作用、抗菌作用、免疫賦活化作用、低大豆アレルギー作用及びフリーラジカルの消去作用などの新しい機能を有することを見出した。
すなわち、本発明は、無塩味噌若しくは減塩味噌又はこれらの抽出物を主成分とするチロシナーゼ活性阻害組成物、リパーゼ活性阻害組成物、女性ホルモン様生理活性作用組成物、抗酸化組成物、抗癌組成物、抗菌性組成物、免疫賦活化組成物、低大豆アレルギー組成物及びフリーラジカルの消去組成物など機能性組成物である。また、本発明は、無塩味噌若しくは減塩味噌又はこれらの抽出物を主成分とするチロシナーゼ活性阻害剤、リパーゼ活性阻害剤、女性ホルモン様生理活性剤、抗酸化剤、抗癌剤、抗菌剤、免疫賦活化剤、低大豆アレルギー剤及びフリーラジカル消去剤である。
以上のように、本発明によれば、無塩味噌若しくは減塩味噌又はこれらの抽出物を主成分とする機能性組成物を提供することができる。
本発明に係る機能性組成物の主成分である無塩味噌とは、大豆と麹を原料として作られるものであって、その製造過程において敢えて塩類を加えないものをいう。また、減塩味噌とは、大豆と麹を原料とし、その製造過程において、含塩率が5重量%以下となるように塩類が加えられたものをいう。これら無塩味噌及び減塩味噌には、摂取によって人体に害を及ぼさない範囲内の塩類を含んでも良い。
本発明に係る機能性組成物の主成分である無塩味噌若しくは減塩味噌は、保存性を高めるためにアルコール(酒精)などの保存料を必要により加えることができる。また、水分活性を低くすることにより、例えば、水分活性が0.8以下の固形物又は半固形物にすることにより、日持ちを向上させることができる。水分活性は、乾燥工程によって低くすることができ、乾燥工程としては、特に限定されないが、ドラムドライ、連続真空ベルト、フリーズドライなどがある。このうち、味の変化がより少ない方法として、フリーズドライが好ましい。さらに、水分活性を低下させるため、カルシウム塩、カリウム塩などの塩類や、砂糖、デキストリン、澱粉などの糖類などを加えることができる。
本発明に係る機能性組成物は、チロシナーゼ阻害作用を有するので、美白効果を奏することができ、美容に利用することができる。また、本発明に係る機能性組成物は、リパーゼ阻害作用を有するので、脂肪の吸収阻害や肥満防止機能を奏することができ、ダイエットなどに適している。
またさらに、本発明に係る機能性組成物は、女性ホルモン様生理活性を有するので、骨粗しょう症の予防やエストロゲンの補助作用があり、更年期障害の予防に適している。この女性ホルモン様生理活性は、無塩味噌又は減塩味噌に含まれている大豆イソフラボンに関係していると考えられる。本発明に係る機能性組成物に用いられる無塩味噌又は減塩味噌は、味噌の成熟の過程で配糖体型イソフラボンが分解され、アグリコン型イソフラボンに変換され、腸管からの吸収効率を増加させており、塩を添加した通常の味噌と比較しても、アグリコン型イソフラボンの生成量が多い。通常、大豆イソフラボンは、大豆中で糖を結合した配糖体の形で存在しているが、この配糖体型イソフラボンは分子量が大きく、ヒトの腸管から吸収できないとされている。さらに、ヒト消化酵素では配糖体型イソフラボンを分解できないため、ヒト腸管内における腸内細菌の働きによって分解されたイソフラボンのアグリコン部分が、腸管から吸収されると言われている。
また、本発明に係る機能性組成物は、抗酸化作用を有するので、食品中に含まれる油の酸化による変敗を防止するとともに、生体内の脂質が酸化を受け過酸化脂質となり引き起こす細胞の機能低下や動脈硬化、肝疾患、網膜症の予防に適している。
さらに、本発明に係る機能性組成物は、免疫賦活化作用を有するので、生体内の免疫担当細胞を活性化し、感染に対する防御力を高めることができる。さらに、本発明に係る機能性組成物は、フリーラジカルの消去作用を有するので、食品中に含まれるラジカル物質を不活性にするとともに、生体内で発生する、NO*、H、OH*等のラジカル物質の消去に有用である。
本発明に係る機能性組成物に使用される無塩味噌は、大豆と麹を1:0.1〜10の割合で混合した後、4〜80℃で30分〜120日間発酵又は分解させることにより得ることができる。また、本発明に係る機能性組成物に使用される減塩味噌は、大豆と麹を1:0.1〜10の割合で混合した後、塩分が5重量%以下となるように、4〜80℃で30分〜120日間発酵又は分解させることにより得ることができる。
本発明に係る機能性組成物は、錠剤、クッキーなどの菓子類、パン、スープ、飲料、及び高齢者用食品など様々な食品に含ませて利用することができる。
次に、本発明に係る無塩味噌の実施例について説明する。先ず、表1に示す配合で大豆及び麹を混合し、表1に示す発酵分解条件で混合物を発酵分解させることによって、実施例1乃至6に係る無塩味噌を得た。また、比較例1として大豆粉末、比較例2として市販の赤味噌、比較例3として市販の田舎味噌、比較例4として酒粕をそれぞれ用意した。
実験例1
次に、実施例1乃至6に係る無塩味噌、比較例1に係る大豆粉末、並びに比較例2及び3に係る味噌について、チロシナーゼ活性を調べた。各試料5gを67mMのPBS(pH6.8)10g添加することによりpHを6.8に調整した後、蒸留水によって容量を50mlに調整し、10000rpmで10分間遠心分離し、上澄みを濾過したものを試料溶液とした。この試料溶液40μl、15mML−DOPA(0.05M HClに溶解)40μl及び67mMのPBS(pH6.8)80μlを96穴マイクロプレート中で混合して10℃で30分間インキュベートした。次いで、チロシナーゼ水溶液(濃度125U/ml)40μlを加えて、さらに37℃で30分間インキュベートすることにより酵素反応を行なった。酵素活性は、生成したドーパクロムの量を490nmの吸光度で測定することにより求めた。その結果を表2に示す。
表2に示すように実施例1乃至6に係る無塩味噌は、比較例2及び3に係る味噌と同等のチロシナーゼ活性の阻害効果を有することが分かった。
実験例2
次に、実施例1乃至6に係る無塩味噌、比較例1に係る大豆粉末、並びに比較例2及び3に係る味噌について、リパーゼ活性を調べた。各試料5gを0.2MのMcIlvaine buffer(pH7.4)10g添加することによりpHを7.4に調整した後、蒸留水によって容量を50mlに調整し、10000rpmで10分間遠心分離し、上澄みを濾過したものを試料溶液とした。リパーゼ酵素を0.2MのMcIlvaine buffer(pH7.4)に溶解した溶液(濃度250U/ml)0.05mlに試料溶液1mlを加えて37℃で3分間予備インキュベートした後に、発色性基質の1.0mM4−Methylumbelliferyl palmitate 1mlを加え、37℃で20分間インキュベートすることにより酵素反応を行なった。その後に、0.1NHCl1mlを加えて酵素反応を停止させた。ウンベリフェロンを標準物質として、その蛍光吸収(分光蛍光光度計:Ex320nm、Em450nm)から作製した標準曲線を基に酵素反応によって遊離したウンベリフェロン量を求め、数1よりリパーゼ阻害活性を算出した。その結果を表3に示す。
表3に示すように実施例1乃至6に係る無塩味噌は、比較例2及び3に係る味噌と同等のリパーゼ活性の阻害効果を有することが分かった。
実験例3
次に、実施例1乃至6に係る無塩味噌、比較例1に係る大豆粉末、並びに比較例2及び3に係る味噌について、女性ホルモン様生理活性を示す大豆イソフラボンの測定を行った。それぞれの試料を約1gづつ、50ml遠心管中に秤量し、ジエチルエーテル40mlを加え室温で2時間振とう脱脂を行った。遠心分離(3000rpm 10min)により上清のエーテルを捨て、沈殿物に含まれるエーテルを除去後、70重量%メタノール50mlにて40℃2時間及び室温で12時間イソフラボンの抽出を行った。各抽出液は任意に希釈し、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製)で分析を行った。カラムはMCI GEL ODS−1HUG(三菱化学)を使用し、溶離液は0.1重量%酢酸−5重量%アセトニトリルから0.1重量%酢酸−35重量%アセトニトリルで、グラジエント溶出を行った。イソフラボンはアグリコン型イソフラボンとしてダイゼイン、グリシテイン、ゲニステインをグリコシド型イソフラボンとしてダイジン、グリシチン、ゲニスチン、マロニルダイジン、マロニルグリシチン、マロニルゲニスチンをそれぞれ測定した。その結果を表4に示す。
表4に示すように、実施例1乃至6に係る無塩味噌は、比較例1に係る大豆粉末、並びに比較例2及び3に係る味噌に比べてアグリコン型イソフラボンの割合が増加していた。
実験例4
次に、実施例1乃至6に係る無塩味噌、比較例1に係る大豆粉末、並びに比較例2及び3に係る味噌について、抗酸化活性を調べるためにリノール酸自動酸化法にて脂質の過酸化試験を行った。試料を各1.0gずつ正確に秤量し、メタノール10mlを加え、室温で2時間振とう抽出を行った。各抽出液は遠心分離(12000rpm 5min.TOMY MC−150)を行い、上清を試験サンプルとして用いた。試験サンプル0.1mlを蓋付試験管に取り、蒸留水2.2ml、NaOH−0.5Mリン酸緩衝液(pH7.0)5.0ml、1.4重量%(v/v)リノール酸液(エタノール溶媒)5.0ml、1.87mM FeCl液0.1ml、12.5mMアスコルビン酸溶液0.1mlを添加し攪拌後、40℃のインキュベーターで反応させ反応液とした。ここから二日間毎サンプリングを行ないロダン鉄法で脂質過酸化率を測定した。ブランク(BL)としてメタノールを、ポジティブコントロールとして、10mMα-トコフェロール(VE)と10mMジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を使用した。ロダン鉄法は、反応液0.2ml、75重量%エタノール9.4ml、30重量%チオシアン酸アンモニウム0.2mlを試験管に入れ攪拌し、0.02M FeCl/3.5重量%HCl溶液0.2mlを添加しvortexで攪拌後、正確に三分後の吸光度500nmを吸光光度計(UVmini1240 SHIMADZU)で測定した。その結果を図1に示す。
図1に示すように、実施例1乃至6に係る無塩味噌は、比較例1に係る大豆粉末と比べ、抗酸化活性が高く、比較例2及び3に係る味噌と同程度の抗酸化活性を示した。
実験例5
次に、実施例1乃至6に係る無塩味噌、比較例1に係る大豆粉末、並びに比較例2及び3に係る味噌について、抗酸化活性を調べるためにβ-カロチン退色法にて脂質の過酸化試験を行った。検体1.00gを正確に秤量し、80重量%(v/v)メタノール10mlを加え、室温で2時間振とう抽出を行った。各抽出液は遠心分離(12000rpm 5min. TOMY MC−150)を行い、上清を試験サンプルとして用いた。ブランク(BL)としては80重量%メタノールを使用し、ポジティブコントロールとして30ppmBHA(ブチルヒドロキシアニソール)溶液を使用した。リノール酸−β-カロチンエマルジョンの作成は次の方法にて行った。まず、三角フラスコに1.0重量%(w/v)リノール酸溶液(クロロホルム溶媒)0.1ml、0.1重量%(w/v)β-カロチン溶液(クロロホルム溶媒)0.25ml、20重量%(w/v)Tween40溶液(クロロホルム溶媒)0.5mlを入れ、窒素ガスを噴き付けクロロホルムを飛ばした後、蒸留水45mlと0.2Mリン酸緩衝液(pH6.8)5mlを入れ溶解した。その後、リノール酸の酸化に伴うβ-カロチンの退色を調べた。試験管にブランク、BHA溶液、試験サンプルをそれぞれ100μlづつ加え、各試験管にリノール酸-β-カロチン溶液を4.9ml入れ攪拌後、470nmの吸光度を測定した。50℃のウォーターバスに試験管を入れた時を0分として、10分おきに60分まで470nmの吸光度を測定した。その結果を図2に示す。
図2に示されるように、実施例1乃至6に係る無塩味噌は、比較例1に係る大豆粉末と比べ、抗酸化活性が高く、比較例2及び3に係る味噌と同程度の抗酸化活性を示した。
実験例6
次に、実施例1乃至6に係る無塩味噌、比較例1に係る大豆粉末、並びに比較例2及び3に係る味噌について、抗菌性を調べた。標準寒天培地(日水製薬(株))粉末23.5gと各試料を20g、それぞれイオン交換水1000mlに懸濁し121℃、15分オートクレーブにかけ、平板寒天培地を作製した。B. subtilisはL培地(ポリペプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl 5g/L pH7.2)に、S. epidermidisはブレインハートインヒュージョン培地(日水製薬(株))5mlにそれぞれ植菌し、37℃で一晩培養を行った。培養液を0.05Mリン酸緩衝液(pH7.0)で希釈し、希釈溶液を平板寒天培地に撒き、37℃で一晩培養した。ブランクとして、試料を含まない標準寒天培地に同様に培養希釈液を撒いたものを使用した。その結果を表5に示す。
表5に示すように実施例1乃至6に係る無塩味噌は比較例2及び3に係る味噌と同等の抗菌性を有することが分かった。
実験例7
次に、実施例1乃至6に係る無塩味噌、比較例1に係る大豆粉末、比較例2及び3に係る味噌、並びに比較例4に係る酒粕についてのフリーラジカルの消去作用を比較的安定なラジカル物質であるDPPH(1,1−diphenyl−2−picrylhydrazyl)を用いたラジカル捕捉能の測定によって調べた。先ず、各検体500mgを正確に秤量し、蒸留水10ml(水抽出)又はエタノール10ml(エタノール抽出)を加えて、室温で2時間振とう抽出を行なった。各抽出液は、抽出溶媒によって任意に希釈後、遠心分離器(12000rpm 5min、TOMY MC‐150)によって遠心分離を行ない、上澄みを試験サンプルとして得た。次に、試験サンプル200μlを蓋付試験管に取り、0.1MTris‐HCl(pH7.4)を800μl、500μMDPPH溶液(エタノール溶媒)1mlを添加し攪拌後、暗所で室温20分間反応させた。反応液を0.45μmのフィルターで濾過し、20μlをHPLC(カラム:TSKgel Octyl−80Ts(4.6×250mm)、移動相:80重量%メタノール、流速:1.0ml/min、温度:室温、検出:Vis517nm)に注入した。標準品にはα−トコフェロールを200μM、100μM、50μM、25μMに調整し、試験サンプルと同様に分析を行ない、検量線を作成した。検体のラジカル捕捉能を表6に示す。ラジカル補足能は、α−トコフェロール(VE)のモル等量として示す。
表6に示すように実施例1乃至6に係る無塩味噌は、比較例2及び3に係る味噌と同等のフリーラジカルの消去作用を有することが分かった。
実験例8
次に、実施例6に係る無塩味噌、比較例1に係る大豆粉末、比較例2に係る味噌についてリンパ細胞のB細胞を用いて増殖活性を調べた。B細胞の増殖は、MTT(3-(4,5-dimethyl-thiazol-2-yl)-2,5-diphenyl tetrazolium bromide)法により測定した。すなわち、培養終了後のマイクロプレートに0.15M NaClを含む0.01M リン酸緩衝液(pH7.4, PBS)に溶解した0.5重量%のMTT溶液(Shima、ST Louis、USA)を10μLずつ加え、37℃、5重量%CO2存在下で4時間培養した。その後、0.04M HClを含むイソプロパノール(HCl : イソプロパノール1:289)100μLを添加し、形成された赤紫色のホルマザンを溶解するために、マイクロピペットでよく攪拌後、モデル550マイクロプレートリーダー(Bio−Rad、California USA)を用いて、570nmにおける吸光度を測定した。得られた5つのMTT値の平均値及び標準偏差を求め、t検定に供した。結果を表7に示す。
表7に示すように、比較例1に係る大豆粉末及び、比較例2に係る味噌にはB細胞の増殖活性が得られないのに対し、実施例6に係る無塩味噌にはB細胞の増殖活性が認められた。
実験例9
次に、実施例6に係る無塩味噌、比較例1に係る大豆粉末、比較例2に係る味噌についてリンパ細胞のキラーT細胞を用いて増殖活性を調べた。キラーT細胞の増殖は、MTT(3-(4,5-dimethyl-thiazol-2-yl)-2,5-diphenyl tetrazolium bromide)法により測定した。すなわち、培養終了後のマイクロプレートに0.15M NaClを含む0.01Mリン酸緩衝液(pH7.4, PBS)に溶解した0.5重量%のMTT溶液(Shima、ST Louis、USA)を10μLずつ加え、37℃、5重量%CO存在下で4時間培養した。その後、0.04M HClを含むイソプロパノール(HCl : イソプロパノール1:289)100μLを添加し、形成された赤紫色のホルマザンを溶解するために、マイクロピペットでよく攪拌後、モデル550マイクロプレートリーダー(Bio−Rad、California USA)を用いて、570nmにおける吸光度を測定した。得られた5つのMTT値の平均値及び標準偏差を求め、t検定に供した。結果を表8に示す。
表8に示すように、実施例6に係る無塩味噌は、比較例2に係る味噌と同様のキラーT細胞の増殖活性が認められた。
実験例10
次に、実施例6に係る無塩味噌、比較例1に係る大豆粉末、比較例2に係る味噌についてリンパ細胞のヘルパーT細胞を用いて増殖活性を調べた。ヘルパーT細胞の増殖は、MTT(3-(4,5-dimethyl-thiazol-2-yl)-2,5-diphenyl tetrazolium bromide)法により測定した。すなわち、培養終了後のマイクロプレートに0.15M NaClを含む0.01Mリン酸緩衝液(pH7.4, PBS)に溶解した0.5重量%のMTT溶液(Shima、ST Louis、USA)を10μLずつ加え、37℃、5重量%CO存在下で4時間培養した。その後、0.04M HClを含むイソプロパノール(HCl : イソ
プロパノール1:289)100μLを添加し、形成された赤紫色のホルマザンを溶解するために、マイクロピペットでよく攪拌後、モデル550マイクロプレートリーダー(Bio−Rad、California USA)を用いて、570nmにおける吸光度を測定した。得られた5つのMTT値の平均値及び標準偏差を求め、t検定に供した。結果を表9に示す。
表9に示すように、実施例6に係る無塩味噌は、比較例2に係る味噌と同様のヘルパーT細胞の増殖活性が認められた。
実験例11
次に、実施例1乃至6に係る無塩味噌、比較例1に係る大豆粉末、並びに比較例2及び3に係る味噌について、大豆タンパクのアレルゲン性を調べた。試料各10.0gに0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH8.6)40gを加え、ホモジナイザーで5分間ホモジナイズした。その2.5gをフラスコに測り取り、尿素−DTT溶液7.5mlを加え100℃、1時間振とう抽出後、50℃まで冷却し20mlの復元溶液を加え、振とうした。抽出液を100mlメスフラスコに移し、室温まで冷却して復元溶液で定容した。その後、ろ紙でろ過したろ液を試料溶液とした。
ELISA法による大豆タンパクの定量は、SOYA PROTEIN ASSAY KIT(TEPNEL社)の説明書に従って行った。すなわち、試料溶液100μLをWorking Assay Diluent Solution 900μLで希釈し、混合後、その希釈溶液、及び大豆タンパク標準品を50μLづつ、マイクロプレートのウェルに分注し、ウサギ由来抗大豆タンパク抗体を50μLづつ各ウェルに分注後静かに混合し、20分間室温に静置し、10分間マイクロプレートミキサーで攪拌した。その後、各ウェルの上清を捨て、Working Wash Solution500μLで3回洗浄後、洗浄液を捨て、PEROXIDASE CONJUGATEを100μL各ウェルに分注し混合後、室温で20分間静置し、10分間マイクロプレートミキサーで攪拌した。再びWorking Wash Solution500μLで3回洗浄後、洗浄液を捨て、各ウェルにSTOP SOLUTION 50μLとTMB SUBSTRATE 50μLをそれぞれ添加し、10秒間ゆっくりと攪拌し、発色反応を停止させる。30分以内にモデル550マイクロプレートリーダー(Bio−Rad、California USA)で450nmの吸光度を測定し、各試料ごとの平均値を求め、大豆タンパク標準品より求めた検量線から大豆タンパク量を定量した。結果を表10に示す。
表10に示されるように、実施例1乃至6に係る無塩味噌は比較例2及び3に係る味噌と同様に大豆アレルゲンが低下していることが分かった。
次に、本発明に係る無塩味噌を応用した食品について説明する。先ず、本発明に係る無塩味噌60重量%、乳糖38重量%、二酸化ケイ素1重量%、乳化剤1重量%を混合し、混合物を0.6gずつ計りとり、打圧2tで打錠成型することによって機能性を有する錠剤を得た。この錠剤は、臼、杵への付着に問題はなく良好な打錠性を示した。
次に、本発明に係る無塩味噌を含有するクッキーを作製した。無塩バター200gとグラニュー糖60gを混合し、続いて卵2個を加えてよくすり混ぜる。この混合液に薄力粉200gと本発明に係る無塩味噌100gを混合し、これに塩0.2gを振るいながら混合し、練った後に冷蔵庫で冷却し生地を作製した。生地を成型、170℃で15分焼成したところ、ソフトな食感のクッキーを得た。
次に、本発明に係る無塩味噌を含有するロールパンを作製した。強力粉300g、本発明に係る無塩味噌100g、ドライイースト8g、グラニュー糖40g、塩6g、スキムミルク20gを混合した後、水260g、有塩バター40gの順で添加し、15分間混練後、30℃で30分間一次醗酵させる。ガス抜き後、15分間寝かせた生地を成型し35℃で25分間、仕上げ醗酵を行なった。これを180℃で10分間焼成することによって、無添加のものと同等のロールパンを得た。
次に、本発明に係る無塩味噌を含有するヨーグルトを作製した。本発明に係る無塩味噌30gとグラニュー糖30gを混合したものをヨーグルト200gに混合することによって、ざらつきがなく滑らかな食感のヨーグルトを得た。
次に、本発明に係る無塩味噌を含有するポタージュを作製した。本発明に係る無塩味噌100g、ブイヨン400g及び水300gを混合後、加熱し煮熟した後にバター10g、牛乳300gを添加し、沸騰直前まで加熱することにより、大豆の風味を持ち、粘稠なテクスチャーを有するポタージュを得た。
次に、本発明に係る無塩味噌を含有する無塩味噌牛乳を作製した。無塩味噌10g及び砂糖20gを牛乳200gに混合して分散することによって無塩味噌牛乳を得た。この無塩味噌牛乳を飲用したところ、粉末のまま摂取するのに比べ、喉にざらつきがなく大豆の風味を活かした牛乳であった。
次に、本発明に係る無塩味噌を含有する嚥下困難者用のマッシュポテトを作製した。皮をむいたじゃがいも200gを茹でて、マッシャーでつぶした後に、マーガリン小さじ一杯と本発明に係る無塩味噌大さじ2杯を混合したものを加え、最後に牛乳50gを加えて混合することにより、ペースト状食品を得た。この食品は、嚥下に良好な物性を示すとともに、栄養価の高く、また塩分もとりすぎることのないものであり、高齢者用食品に適するものである。
リノール酸法による抗酸化活性を示すグラフである。 β‐カロチン退色法による抗酸化活性を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 無塩味噌若しくは減塩味噌又はこれらの抽出物を主成分とする機能性組成物。
  2. 前記機能性組成物が、チロシナーゼ活性阻害組成物、リパーゼ活性阻害組成物、女性ホルモン様生理活性作用組成物、抗酸化組成物、抗癌組成物、抗菌性組成物、免疫賦活化組成物、低大豆アレルギー組成物及びフリーラジカルの消去組成物のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の機能性組成物。
  3. 水分活性が0.8以下の固形物又は半固形物であることを特徴とする請求項1又は2記載の機能性組成物。


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