JP2006069731A - 物品管理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 キャビネットの可動収納部にアンテナを備え、キャビネット本体に備えた別のアンテナと電磁結合することにより、可動部のケーブルを廃止したキャビネットによる物品管理装置を提供する。
【解決手段】 この什器30は、例えば、固定部としての什器本体30aと、この什器本体30aにより引き出し自在に支持された3段の可動収納部31、32、33を備え、それぞれの底部に誘導アンテナ(第1のアンテナ)34を備えている(可動収納部31、32の誘導アンテナは図示を省略している)。また各可動収納部31、32、33の底部近傍の什器本体30aには固定アンテナ(第2のアンテナ)35をそれぞれ備えている(可動収納部31、32の固定アンテナは図示を省略している)。つまり、各可動収納部の収納時には各誘導アンテナ34と固定アンテナ35が対面する位置関係となる。そして固定アンテナ35はケーブル36によりブッシング37を介してリーダライタ100と接続されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、物品管理装置に関し、さらに詳しくは、可動収納部を備えた什器において、可動収納部内の物品の管理を無線により行う物品管理装置に関するものである。
従来から役所、会社等、大量の書類を管理、保管する機関、施設においては、書類を整理して収納するためのファイルを人為的なミスなく正確、効率的且つ自動的に管理、収納するために、各ファイル毎にICタグを付し、そのICタグに当該ファイルの管理情報を記録してファイル管理を自動化する試みがなされている。そして管理するファイルを収納する什器は、スライド式の可動収納部を有するキャビネットが多く使用されている。図9は従来のスライド式の可動収納部を有するキャビネットの内部構成を模式的に示した透視図である。このキャビネット150は、例えば、固定部としての什器本体150と、什器本体に対して出入れ自在に支持された3段の可動収納部151、152、153を備え、それぞれにループアンテナ151a、152a、153aを備えている。また各ループアンテナ151a、152a、153aは少なくとも一部が伸縮自在なケーブル151b、152b、153bによりリーダライタ100と接続されている。そして図9のように例えば可動収納部153を矢印のA方向にスライドさせてそこに収容されたICタグ付きのファイルを取り出す場合、ケーブル153bもそれに伴って伸びて、ファイルに付されたICタグとリーダライタ100とが常に情報の授受を行なえるようにしている。
しかしながら、従来のキャビネットにおいては、可動収納部に備えたアンテナとリーダライタとが常に情報の授受を行なえるようにするために、アンテナとリーダライタとがケーブルにより接続されているため、ケーブルをキャビネット内に収納することが構造的に複雑になるといった問題がある。また、可動収納部を取り外す時、ケーブルも取り外さなければならず、煩わしいばかりでなく、ケーブルの一部に着脱可能なコネクタを設ける必要があり、ケーブルと共にコスト的に高くなるといった問題もある。
本発明は、かかる課題に鑑み、キャビネットの可動収納部にアンテナを備え、キャビネット本体に備えた別のアンテナと電磁結合することにより、可動部のケーブルを廃止したキャビネットによる物品管理装置を提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、什器本体と、該什器本体に対して着脱自在に収納される可動収納部とを有する什器内の物品を管理する物品管理装置であって、前記物品に付されたICタグに対して管理情報を読み書きするための電波を授受するアンテナと、該アンテナを介して前記ICタグに対して前記管理情報の読み書きを行うリーダライタと、を備え、前記アンテナは前記什器の可動収納部に取り付けた第1の結合コイルと接続され、該第1の結合コイルと前記什器の什器本体に取り付けた第2の結合コイルとが電磁結合されるように配置されていることを特徴とする。
可動収納部に備えたアンテナとリーダライタとを接続するケーブルを廃止するためには、可動収納部に備えたアンテナと電磁的に結合する手段が必要である。そこで本発明では、什器本体と可動収納部にそれぞれ結合コイルを備え、第1の結合コイルにアンテナを接続し、それらの結合コイルが電磁結合することによりケーブルを廃止するものである。そして2つの結合コイルが確実に電磁結合するためには、各結合コイルから放射される電磁波の到来方向に対して、結合コイルが直交するように配置されることが必要である。即ち、互いの結合コイルの向きが並行するように配置するのが好ましい。
請求項2は、前記什器の可動収納部が複数存在する場合、前記第1の結合コイルがそれぞれ前記可動収納部に備えられ、前記第2の結合コイルが前記各第1の結合コイルにそれぞれ個別に配置されていることを特徴とする。
第1の結合コイルと第2の結合コイルの距離は電磁波の強さにより決定される。物品管理装置等に使用される電磁波の強さは、電波法によりかなり厳しく規制されている。即ち、第1の結合コイルと第2の結合コイルの距離は近接する必要があるため、可動収納部が複数存在する場合、第2の結合コイルを一つにして共通に使用することは不可能となる。そこで本発明では、上記理由と共に、どの可動収納部に収納されている物品であるかを判別するために、第1の結合コイルと第2の結合コイルをそれぞれ一対で可動収納部近傍に配置するものである。
請求項3は、前記第2の結合コイルは前記リーダライタと接続され、該第2の結合コイルから放射された電磁波により前記第1の結合コイルを励磁することにより前記アンテナを励磁し、前記可動収納部に収納された物品に付されたICタグと前記リーダライタとの間で情報の授受を行うことを特徴とする。
本発明の最も大きな特徴は、什器本体に設置された第2の結合コイルをリーダライタと接続し、リーダライタから送信される電磁波により第1の結合コイルを電磁誘導して、その電磁誘導によりアンテナから放射された電磁波によりICタグを駆動する点である。即ち、第1の結合コイルと第2の結合コイルは電磁結合され、両者の結合コイルの電磁結合が可能な範囲であれば、可動収納部を移動することが無線により可能となる。
請求項4は、前記第1の結合コイルを前記可動収納部の背面に備え、前記第2の結合コイルを前記可動収納部が什器本体内の所定位置まで収納されたときに前記第1の結合コイルと電磁結合される位置に配置することにより、前記可動収納部に収納された物品に付されたICタグと前記リーダライタとの間で情報の授受を行うことを特徴とする。
什器はその形や構造によりアンテナの配置が制限される場合がある。例えば、可動収納部が箱型の場合、その底部に第1の結合コイルを備え、その近傍に第2の結合コイルを備えるようとすると、可動収納部のスライド部分に第2の結合コイルを設置するスペースが必要となって、什器全体の高さが高くなってしまう。そこで本発明では、第2の結合コイルを什器本体内の背面に備え、第2の結合コイルと電磁結合ができるように第1の結合コイルを可動収納部の背面に備えるものである。
請求項5は、什器本体と、該什器本体に対して着脱自在に収納される可動収納部とを有する什器内の物品を管理する物品管理装置であって、前記物品に付されたICタグに対して管理情報を読み書きするための電波を授受するアンテナと、該アンテナを介して前記ICタグに対して前記管理情報の読み書きを行うリーダライタと、を備え、前記アンテナは前記什器の什器本体に取り付けられ、前記可動収納部が所定の位置まで収納されることにより、該可動収納部に収納された物品に付されたICタグと前記リーダライタとの間で情報の授受を行うことを特徴とする。
請求項1乃至4の発明では結合コイルを2つ必要とした。もし、可動収納部が所定の場所に収納されたときに、収納された物品に付されたICタグとの間で情報の授受が可能であればよいのであれば、什器本体にのみアンテナを備えればよい。そこで本発明では、各可動収納部の近傍の固定部にアンテナを備えるものである。
請求項1の発明によれば、什器本体と可動収納部にそれぞれ結合コイルを備え、夫々の結合コイル間で電磁結合してICタグの情報をリーダライタにより読取るので、可動収納部の結合コイルにケーブルを接続する必要がなくなり、什器の実装が容易となり、ケーブルによる弊害を最小限にすることができる。
また請求項2では、第2の結合コイルを各第1の結合コイルにそれぞれ個別に配置するので、可動収納部内の物品の情報を可動収納部単位で個別に把握することができる。
また請求項3では、第2の結合コイルから放射された電磁波により第1の結合コイルを励磁して可動収納部に収納された物品に付されたICタグとリーダライタとの間で情報の授受を行うので、第1の結合コイルと第2の結合コイルが電磁結合されている間は、可動収納部に収納された物品の情報をリーダライタは読み取ることができる。
また請求項4では、第1の結合コイルと第2の結合コイルとが什器本体の背面部分で電磁結合するので、第2の結合コイルを什器本体の背面に配置することができ、什器の形状を小型にすることができる。
また請求項5では、アンテナを可動収納部単位に什器本体に1つずつ備えるので、什器のコストを最小限とすると共に、可動収納部のケーブルを廃止することができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、一般的なICタグ用リーダライタの構成を示すブロック図である。このICタグ用リーダライタ(以下、単にリーダライタと呼ぶ)100は、リーダライタ100との間でデータの授受を行ってシステム全体を制御するPC50によって制御される。リーダライタ100は、外部のPC50とのデータの通信プロトコルを司る送受信装置1と、リーダライタ100全体の動作を制御する制御装置2と、制御装置2を動作させる手順を記録したファームウェアと読み取ったデータを格納するメモリ装置3と、制御装置2からのデータを搬送波に乗せて変調する変調器4と、操作コマンドを入力する入力装置5と、制御装置2により制御された情報を表示する表示装置6と、制御装置2からの交流信号である電力供給用信号と変調器4からの書き込みコマンドを電力増幅する電力増幅器7と、ループアンテナ9から受信した搬送波から2値化データに変換する検波復調器8と、図示しないICタグとの電力用搬送波とデータの授受をするループアンテナ9とを備えて構成されている。
次に、本構成によるリーダライタ100の動作を説明する前に、ICタグの構成を先に説明しておく。図2は、一般的なICタグの構成を示すブロック図である。本実施形態のICタグ200は、リーダライタ100からの電力用搬送波によりデータの授受をするループアンテナ20と、書き込みコマンド読み出しコマンドを生成する送受信回路21と、ループアンテナ20からの電力用搬送波を受け、それを整流して直流電力に変換する電力生成回路22と、制御用ファームウェアとデータの記憶を司るメモリ装置23と、制御回路26からの送信コマンドに搬送波を乗せて変調する変調器24と、送受信回路21からの搬送波データから2値化データに変換する検波器25と、ICタグ200の全体の動作を制御する制御回路26から構成されている。
次に、図1と図2を併せて参照してそれぞれ単独の動作について説明する。リーダライタ100は、図示しない電源が入れられると制御装置2のイニシャル動作後、メモリ装置3に記憶されたプログラムに従い動作を開始する。まず、初期化が行われる。次に、制御装置2は、ICタグ200に供給する電力供給用信号と、ポーリング信号を交互に電力増幅器7から送信する。その信号は、ループアンテナ9から電磁波として外部に放射される。次に、ICタグ200がリーダライタ100に近接すると、ループアンテナ20が電力供給用信号を受信し、電力生成回路22によりその搬送波を整流して直流電力に変換して、ICタグ内の全ての回路に供給する。電力を供給されて制御回路26が駆動すると、メモリ装置23に格納されたプログラムに従って、制御を開始する。
次に、制御回路26は、まず送受信回路21からコマンドを検波器25で復調して2値化信号に変換し、そのコマンドを解析する。その結果自分が呼び出されていることを認識すると、レスポンスを変調器24により変調して送受信回路21を介してループアンテナ20から送信する。このレスポンスをリーダライタ100がループアンテナ9で受信して、検波復調器8で2値化コードに変換し、制御回路2により解析してICタグ200が規格に合致したタグであると認識する。それにより、以後リーダライタ100とICタグ200の間でポーリングが行われる。
図3は本発明の第1の実施形態に係るスライド式の可動収納部を有する什器の内部構成を模式的に示した透視図である。図3(a)は斜視図であり、図3(b)は側断面図である。この什器30は、例えば、固定部としての什器本体30aと、この什器本体30aにより引き出し自在に支持された3段の可動収納部31、32、33を備え、それぞれの底部にアンテナ34と第1の結合コイル38とを備えており、アンテナ34と第1の結合コイル38はケーブル39により接続されている(可動収納部31、32のアンテナと結合コイルは図示を省略している)。また各可動収納部31、32、33の底部近傍の什器本体30aには第2の結合コイル35をそれぞれ備えている(可動収納部31、32の第2の結合コイルは図示を省略している)。つまり、各可動収納部の収納時には各第1の結合コイル38と第2の結合コイル35が対面する位置関係となる。そして第2の結合コイル35はケーブル36によりブッシング37を介してリーダライタ100と接続されている。
つぎに図3のように、例えば可動収納部33を矢印のA方向にスライドさせて図示しないファイルを取り出す場合について説明する。以下、第1の結合コイル38が電磁誘導された場合は、アンテナ34には電磁波が発生するものとする。図3(a)では可動収納部31、32は什器本体30aに完全に収納された状態である。この状態では可動収納部31、32に関しては、図3(b)のように第1の結合コイル38と第2の結合コイル35は完全に重なった状態となり、第2の結合コイル35からの電磁波は電磁結合により第1の結合コイル38に電磁波を誘導して、可動収納部31、32に収納された図示しない物品に付されたICタグを駆動して、リーダライタ100との交信を可能とすることができる。また可動収納部33を矢印A方向にスライドさせ、第1の結合コイル38と第2の結合コイル35が図3(b)のA部に示すように、電磁結合が一部分で可能な範囲までスライドさせた場合、電磁結合は可動収納部31、32の場合より弱まるもののA部により電磁結合されるので、第2の結合コイル35からの電磁波は電磁結合により第1の結合コイル38に電磁波を誘起して、可動収納部33に収納された図示しない物品に付されたICタグを駆動して、リーダライタ100との交信を可能とすることができる。
図4は本発明の第1の実施形態による第2の結合コイルと第1の結合コイルとの位置関係により誘導されるアンテナの電磁波の様子を表す図である。同じ構成要素には同じ参照番号を付して説明する。図4(a)は第1の結合コイル38と第2の結合コイル35が完全に重なった場合であり、電磁波A、Bにより第1の結合コイル38と電磁結合され、アンテナ34には電磁波Cが誘起される。図4(b)は第1の結合コイル38と第2の結合コイル35が半分重なった場合であり、電磁波Bにより第1の結合コイル38と電磁結合され、アンテナ34には電磁波Cが誘起される。図4(c)は第1の結合コイル38と第2の結合コイル35が一部分重なった場合であり、電磁波Bにより第1の結合コイル38と電磁結合され、アンテナ34には電磁波Cが誘起される。
このように可動収納部に備えた誘導アンテナとリーダライタとを接続するケーブルを廃止するためには、可動収納部に備えた誘導アンテナと電磁的に結合する手段が必要である。そこで本実施形態では、什器本体30aと可動収納部にそれぞれ結合コイルを備え、それらの結合コイルにより電磁結合することによりケーブルを廃止するものである。そして2つの結合コイルが確実に電磁結合するためには、各結合コイルから放射される電磁波の到来方向に対して、結合コイルが直交するように配置されることが必要である。即ち、互いのアンテナの向きが並行するように配置するのが好ましい。これにより、可動収納部の誘導アンテナにケーブルを接続する必要がなくなり、什器30の実装が容易となり、ケーブルによる弊害を最小限にすることができる。
また第1の結合コイル38と第2の結合コイル35の距離は電磁波の強さにより決定される。物品管理装置等に使用される電磁波の強さは、電波法によりかなり厳しく規制されている。即ち、第1の結合コイル38と第2の結合コイル35の距離は近接する必要があるため、可動収納部が複数存在する場合、第2の結合コイル35を一つにして共通に使用することは不可能となる。そこで本実施形態では、上記理由による必要性と共に、どの可動収納部に収納されている物品であるかを判別する必要から、第1の結合コイル38と第2の結合コイル35をそれぞれ一対で可動収納部近傍に配置するものである。これにより、可動収納部内の物品の情報を可動収納部単位で個別に把握することができる。
また本発明の最も大きな特徴は、什器本体30aに設置された第2の結合コイル35をリーダライタ100と接続し、リーダライタ100から送信される電磁波によりアンテナ34を電磁誘導して、その電磁誘導によりアンテナ34から放射された電磁波によりICタグを駆動する点である。即ち、第1の結合コイル38と第2の結合コイル35は電磁結合され、両者の結合コイルの電磁結合が可能な範囲であれば、可動収納部を移動することが無線により可能となる。これにより、第1の結合コイル38と第2の結合コイル35が電磁結合されている間は、可動収納部に収納された物品の情報をリーダライタ100が読み取ることができる。
図5は本発明の第2の実施形態に係るスライド式の可動収納部を有する什器の内部構成を模式的に示した透視図である。図5(a)は斜視図であり、図5(b)は側断面図である。この什器40は、例えば、固定部としての什器本体40aと、この什器本体40aにより引き出し自在に支持された3段の可動収納部41、42、43を備え、それぞれにアンテナ44と第1の結合コイル46を備え、ケーブル47により接続されている(可動収納部41、42のアンテナと第1の結合コイルは図示を省略している)。また各可動収納部41、42、43の背面近傍のキャビネット40の固定部には第2の結合コイル45をそれぞれ備えている(可動収納部41、42の第2の結合コイルは図示を省略している)。そして第2の結合コイル45はケーブル48によりリーダライタ100と接続されている。
つぎに図5のように、例えば可動収納部43を矢印のA方向にスライドさせて図示しないファイルを取り出す場合について説明する。以下、第1の結合コイル46が電磁誘導された場合は、アンテナ44には電磁波が発生するものとする。図5(a)では可動収納部41、42はキャビネット40に完全に収納された状態である。この状態では図5(b)のようにアンテナ44の第1の結合コイル46と第2の結合コイル45は完全に重なった状態となり、第2の結合コイル45からの電磁波は電磁結合により第1の結合コイル46に電磁波を誘起して、可動収納部41、42に収納された図示しない物品に付されたICタグを駆動して、リーダライタ100との交信を可能とすることができる。また可動収納部43を矢印A方向にスライドさせ、アンテナ44の第1の結合コイル46の部分と第2の結合コイル45が図5(b)に示すように、電磁結合が不可能な範囲までスライドさせた場合、第2の結合コイル45からの電磁波は第1の結合コイル46と電磁結合しないため、アンテナ44には電磁波が誘起せず、可動収納部33に収納された図示しない物品に付されたICタグを駆動することができず、リーダライタ100との交信は不可能となる。
図6は本発明の第2の実施形態による第2の結合コイルと第1の結合コイルとの位置関係により誘導される電磁波の様子を表す図である。同じ構成要素には同じ参照番号を付して説明する。図6(a)はアンテナ44の第1の結合コイル46と第2の結合コイル45が完全に重なった場合であり、電磁波A、Bにより第1の結合コイル46と第2の結合コイルが電磁結合され、アンテナ44には電磁波Cが誘起される。図6(b)はアンテナ44の第1の結合コイル46と第2の結合コイル45が所定の距離はなれて電磁結合した場合であり、電磁波A、Bにより第1の結合コイル46と第2の結合コイルとが電磁結合され、アンテナ44には電磁波Cが誘起される。図6(c)はアンテナ44の第1の結合コイル46と第2の結合コイル45とが電磁結合が不可能な距離はなれた場合であり、電磁波A、Bとアンテナ44の第1の結合コイル46と電磁結合されず、アンテナ44には電磁波は誘起されない。
このように什器40はその形や構造によりアンテナの配置が制限される場合がある。例えば、可動収納部が箱型の場合、その底部にアンテナを備え、その近傍に第2の結合コイルを備えるようとすると、可動収納部のスライド部分に第2の結合コイルを設置するスペースが必要となって、什器全体の高さが高くなってしまう。そこで本実施形態では、第2の結合コイル45を什器本体の背面に備え、誘導アンテナ44と電磁結合ができるように第1の結合コイル46を可動収納部の背面に備えたものである。これにより第2の結合コイル45を什器本体の背面に配置することができ、什器40の形状を小型にすることができる。
図7は本発明の第3の実施形態に係るスライド式の可動収納部を有するキャビネットの内部構成を模式的に示した透視図である。図7(a)は斜視図であり、図7(b)は側断面図である。この什器60は、例えば、固定部としての什器本体60aと、この什器本体60aにより引き出し自在に支持された3段の可動収納部61、62、63を備え、各可動収納部61、62、63の底部近傍のキャビネット60の固定部には固定アンテナ(アンテナ)64をそれぞれ備えている(可動収納部61、62の固定アンテナは図示を省略している)。そして固定アンテナ64はケーブル65によりブッシング66を介してリーダライタ100と接続されている。
つぎに図7のように、例えば可動収納部63を矢印のA方向にスライドさせて図示しないファイルを取り出す場合について説明する。図7(a)では可動収納部61、62はキャビネット60に完全に収納された状態である。この状態では図7(b)のように可動収納部61、62と固定アンテナ64は完全に重なった状態となり、各固定アンテナ35からの電磁波により可動収納部61、62に収納された図示しない物品に付されたICタグを駆動して、リーダライタ100との交信を可能とすることができる。また可動収納部63を矢印A方向にスライドさせ、可動収納部63と固定アンテナ64が図7(b)に示すようにスライドさせた場合、可動収納部63と固定アンテナ64が重なっている領域A部にある物品に付されたICタグは駆動するが、それ以外の領域にあるICタグは駆動することができない。
図8は本発明の第3の実施形態による固定アンテナと誘導アンテナとの位置関係により誘導される電磁波の様子を表す図である。同じ構成要素には同じ参照番号を付して説明する。図8(a)は可動収納部63と固定アンテナ65が完全に重なった場合であり、電磁波A、B、Cにより可動収納部63に収納された図示しない物品に付されたICタグを駆動して、リーダライタ100との交信を可能とすることができる。図8(b)は可動収納部63と固定アンテナ64が半分重なった場合であり、電磁波B、Cにより可動収納部63と固定アンテナ64が重なっている領域にある物品に付されたICタグは駆動するが、それ以外の領域にあるICタグは駆動することができない。図8(c)は可動収納部63と固定アンテナ64が殆ど重ならない場合であり、電磁波Cにより一部の物品に付されたICタグは駆動するが、それ以外の領域にあるICタグは駆動することができない。
このように第1と第2の実施形態では誘導アンテナと固定アンテナを必要とした。もし、可動収納部が所定の場所に収納されたときに、収納された物品に付されたICタグとの間で情報の授受が可能であればよいのであれば、キャビネット60の固定部にのみアンテナを備えればよい。そこで本実施形態では、各可動収納部の近傍の固定部にアンテナ64を備えるものである。これにより、什器のコストを最小限とすると共に、可動収納部のケーブルを廃止することができる。
一般的なICタグ用リーダライタの構成を示すブロック図である。 一般的なICタグの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るスライド式の可動収納部を有するキャビネットの内部構成を模式的に示した透視図である。 第1の実施形態による第2の結合コイルと第1の結合コイルとの位置関係により誘導されるアンテナの電磁波の様子を表す図である。 本発明の第2の実施形態に係るスライド式の可動収納部を有するキャビネットの内部構成を模式的に示した透視図である。 第2の実施形態による第2の結合コイルと第1の結合コイルとの位置関係により誘導される電磁波の様子を表す図である。 本発明の第3の実施形態に係るスライド式の可動収納部を有するキャビネットの内部構成を模式的に示した透視図である。 本発明の第3の実施形態による固定アンテナと誘導アンテナとの位置関係により誘導される電磁波の様子を表す図である。 従来のスライド式の可動収納部を有するキャビネットの内部構成を模式的に示した透視図である。
符号の説明
30 キャビネット(什器)、31、32、33 可動収納部、34 誘導アンテナ(第1のアンテナ)、35 固定アンテナ(第2のアンテナ)、36 ケーブル、37 ブッシング37、50 PC、100 リーダライタ

Claims (5)

  1. 什器本体と、該什器本体に対して着脱自在に収納される可動収納部とを有する什器内の物品を管理する物品管理装置であって、
    前記物品に付されたICタグに対して管理情報を読み書きするための電波を授受するアンテナと、該アンテナを介して前記ICタグに対して前記管理情報の読み書きを行うリーダライタと、を備え、
    前記アンテナは前記什器の可動収納部に取り付けた第1の結合コイルと接続され、該第1の結合コイルと前記什器の什器本体に取り付けた第2の結合コイルとが電磁結合されるように配置されていることを特徴とする物品管理装置。
  2. 前記什器の可動収納部が複数存在する場合、前記第1の結合コイルがそれぞれ前記可動収納部に備えられ、前記第2の結合コイルが前記各第1の結合コイルにそれぞれ個別に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の物品管理装置。
  3. 前記第2の結合コイルは前記リーダライタと接続され、該第2の結合コイルから放射された電磁波により前記第1の結合コイルを励磁することにより前記アンテナを励磁し、前記可動収納部に収納された物品に付されたICタグと前記リーダライタとの間で情報の授受を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の物品管理装置。
  4. 前記第1の結合コイルを前記可動収納部の背面に備え、前記第2の結合コイルを前記可動収納部が什器本体内の所定位置まで収納されたときに前記第1の結合コイルと電磁結合される位置に配置することにより、前記可動収納部に収納された物品に付されたICタグと前記リーダライタとの間で情報の授受を行うことを特徴とする請求項1、2または3に記載の物品管理装置。
  5. 什器本体と、該什器本体に対して着脱自在に収納される可動収納部とを有する什器内の物品を管理する物品管理装置であって、
    前記物品に付されたICタグに対して管理情報を読み書きするための電波を授受するアンテナと、該アンテナを介して前記ICタグに対して前記管理情報の読み書きを行うリーダライタと、を備え、
    前記アンテナは前記什器の什器本体に取り付けられ、前記可動収納部が所定の位置まで収納されることにより、該可動収納部に収納された物品に付されたICタグと前記リーダライタとの間で情報の授受を行うことを特徴とする物品管理装置。
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