JP5236694B2 - 非接触情報記録媒体用アンテナ - Google Patents
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上記のようなリーダライタの設置仕様に対する課題を解決する一つの手法として特許文献1には、リーダライタの送受信アンテナに電磁結合させる一次コイルと、ICチップのアンテナに電磁結合させる二次コイルと、直列共振用のコンデンサと、キーを適切に位置決めするガイド用の凹部付きのアダプタとを設けたリーダライタ用のアンテナアダプタ装置について開示されている。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、リーダライタ本体と電磁結合する受電側アンテナを、所定の長さに設定可能な通信ケーブルにより出力側アンテナと接続することにより、リーダライタ本体の形状に左右されることなくICカードとの交信を可能とする非接触情報記録媒体用アンテナを提供することを目的とする。
ループアンテナから放射される電磁波と最も効率よく電磁結合させるためには、ループアンテナの径と略同じ径のコイルを重ねるように結合させるのがよい。また、受電側アンテナのループ径がループアンテナのループ径より小さく構成すれば、最も磁束密度が高いループアンテナのループ周辺に受電側アンテナを配置することができる。しかし、各社で製作されているリーダライタ本体の形状(つまり、ループアンテナの径の大きさ)は様々であり、一義的にループ径のサイズを決定することはできない。そこで一つの目安として、ICカードのループ径が現在の技術では最も小さいと判断した場合、受電側アンテナのループ径をICカードのループ径とすることもできる。これにより、ループアンテナのループ径より受電側アンテナのループ径を小さくすることにより、ループアンテナの磁束密度が最も高い位置に受電側アンテナを配置することができる。
アンテナはコイルで構成されているため、効率よく信号を送受信するためにLC共振回路を構成することが重要である。また、受電側アンテナから得られた磁界電流を効率よく出力側アンテナに伝達するためには、通信ケーブルとのインピーダンスとマッチングさせることが重要である。そこで本発明では、通信ケーブルの両端にインピーダンス整合器を備えて、それぞれを受電側アンテナ及び出力側アンテナに接続する。これにより、各アンテナ間に効率よく信号を伝達することができる。
請求項3は、前記受電側アンテナは、該受電側アンテナにより受電したレベルをモニタする受電レベル検出器を備えていることを特徴とする。
受電側アンテナは、ループアンテナの径より小さく構成されているので、最も磁束密度が高いループアンテナの周辺に配置することができる。しかし、ループアンテナはケース内に収容されている場合が多く、外部から見ることができない。そこで本発明では、受電側アンテナにより受電したレベルをモニタする受電レベル検出器を備え、磁束密度の高低を目視或いは音で検知する。これにより、最も電磁結合が強い位置を容易に確認することができる。
出力側アンテナを配置する場合、周辺の環境は様々である。即ち、周辺の磁気的なノイズを拾うと、それだけS/Nが劣化してしまい信号を誤検知する虞がある。また、周辺に金属部材が存在するとインピーダンス整合が崩れ、信号の伝達効率が低下してしまう。そこで本発明では、出力側アンテナ及び/又は受電側アンテナに磁性部材と金属部材を予め積層配置する。これにより、外部の磁気的ノイズを除去し、且つ周辺の金属部材への耐性も強化することができる。
請求項5は、前記受電側アンテナは、前記受電レベル検出器によりモニタした受電レベルが最も大きくなる場所に配設されることを特徴とする。
最も磁束密度が高いのはループアンテナのループ周辺である。そこで、受電側アンテナのループ径がループアンテナのループ径より小さい場合は、受電レベル検出器によりモニタした受電レベルが最も大きくなる場所がループアンテナのループ周辺と見做すことができる。これにより、容易に受電側アンテナの最適位置を決定することができる。
請求項6は、前記出力側アンテナのループ径が前記ループアンテナのループ径より大きくなるように構成し、且つ前記ループアンテナのループ径が前記受電側アンテナのループ径より大きくなるように構成したことを特徴とする。
また、通信ケーブルの両端にインピーダンス整合器を備えてそれぞれを受電側アンテナ及び出力側アンテナに接続するので、各アンテナ間に効率よく信号を伝送することができる。
また、受電側アンテナにより受電したレベルをモニタする受電レベル検出器を備えるので、最も電磁結合が強い位置を容易に確認することができる。
また、出力側アンテナ及び/又は受電側アンテナに磁性部材と金属部材を積層配置するので、外部の磁気的ノイズを除去し、且つ周辺の金属部材への耐性も強化することができる。
また、受電レベル検出器によりモニタした受電レベルが最も大きくなる場所がループアンテナのループ周辺と見做すことができるので、容易に受電側アンテナの最適位置を決定することができる。
即ち、リーダライタ本体4から放射された電磁波2は、矢印のようにループを描いて放射されている。その電磁波2を横切るように受電側アンテナ1を配置することにより、受電側アンテナ1に起電力が発生する。その電流はインピーダンス整合器5を介して通信ケーブル6を伝達してインピーダンス整合器7を介して出力側アンテナ10に電磁波9を生成する。電磁波9は矢印のようにループを描いて放射されているので、その電磁波9を横切るように非接触ICカード(以下、単にICカードと呼ぶ)8のループアンテナを配置することにより、ICカード8とリーダライタ4との交信が成立する。
また、アンテナはコイルで構成されているため、信号を効率よく伝達させるためにはLC共振回路を構成することが重要である。また、受電側アンテナ1から得られた磁界電流を効率よく出力側アンテナ10に伝達するためには、通信ケーブル6とのインピーダンスがマッチングすることが重要である。そこで本実施形態では、通信ケーブル6の両端にインピーダンス整合器5、7を備えて、それぞれを受電側アンテナ1及び出力側アンテナ10に接続する。これにより、各アンテナ間を効率よく信号を伝送することができる。
即ち、ループアンテナ3から放射される電磁波2と最も効率よく電磁結合させるためには、ループアンテナ3の径と略同じ径のコイルを重ねるように結合させるのがよい。また、受電側アンテナ1のループ径がループアンテナ3のループ径より小さい場合は、最も磁束密度が高いループアンテナ3のループ周辺Aに受電側アンテナ1を配置することができる。しかし、各社で製作されているリーダライタ本体の形状(つまり、ループアンテナの径の大きさ)は様々であり、一義的にループ径のサイズを決定することはできない。そこで一つの目安として、ICカード8のループ径が現在の技術では最も小さいと判断して、受電側アンテナ1のループ径とすることもできる。これにより、ループアンテナ3のループ径より受電側アンテナ1のループ径を小さくすることにより、ループアンテナ3の磁束密度が最も高い位置に受電側アンテナ1を配置することができる。
図4と図5を併用して説明する。アンテナ部15から発生する入力信号は、図5に示すように、受電側アンテナ1の位置によりレベルが変化する。その信号はコンデンサC16を介してダイオード17、18で構成される整流回路により直流に整流される。そして、コンデンサC19で脈流成分が取り除かれて、図5のダイオード出力として回路に供給される。このダイオード出力は、ツェナーダイオードZD20に供給されると共に、抵抗R26、R27、R28を介してトランジスタTr29のベースに供給される。ダイオード出力がツェナーダイオードZD20の閾値レベルVtより低い場合は、Tr29がONしてLED31(Lレベル)を点灯する。
即ち、受電側アンテナ1は、ループアンテナ3の径より小さく構成されているので、最も磁束密度が高いループアンテナ3の周辺に配置することができる。しかし、ループアンテナ3はケース内に収容されている場合が多く、外部から見ることができない。そこで本実施形態では、受電側アンテナ1により受電したレベルをモニタする受電レベル検出器51を備え、磁束密度の高低を目視或いは音で検知する。これにより、最も電磁結合が強い位置を容易に確認することができる。
即ち、最も磁束密度が高いのはループアンテナ3のループ周辺Aである。そこで、受電側アンテナ1のループ径がループアンテナ3のループ径より小さい場合は、受電レベル検出器51によりモニタした受電レベルが最も大きくなる場所がループアンテナ3のループ周辺と見做すことができる。これにより、容易に受電側アンテナ1の最適位置を決定することができる。
出力側アンテナ10を配置する場合、周辺の環境は様々である。即ち、周辺の磁気的なノイズを拾うと、それだけS/Nが劣化してしまい信号を誤検知する虞がある。そこで本実施形態では、ループコイル35に磁性部材36と金属部材37を積層配置する。これにより、外部の磁気的ノイズ39を除去し、且つ出力側アンテナ10から効率よく磁界38を放射させることができる。
具体的には、汎用のリーダライタは、周囲に金属物体が存在すると、磁路が形成できなくなり、ICカードやRFタグと正しく交信ができなくなる場合がある。その場合、金属から離れた位置にリーダライタを設置するか、金属面への設置が可能なリーダライタへの変更が必要である。本発明の電磁結合型送受信アンテナ51を使用した場合、汎用のリーダライタをあらかじめ金属の影響を受けない位置に設置し、本発明の出力側アンテナ10を図7の構成にして金属物体の近傍に設置する。
このように、本発明は、金属環境に設置できない汎用リーダライタに手を加えることなく、金属物体の近傍にカードタッチ部を設けることを実現できる。
汎用のリーダライタは、入退室向けや物品管理向けなど、様々な用途に合わせて販売が行なわれているが、必ずしもそのデザインや形状が目的の用途に合致するとは限らず、それらを用途に合わせてリーダライタメーカに変更してもらうことは、費用や変更期間などの関係から困難である。例えば、アパレル業界などで使用される服を陳列するガラス棚54に、服53の管理用としてリーダライタを取り付ける場合、ガラス棚54上に設置できるデザインの汎用リーダライタは少ない。
そこで、本発明の電磁結合型送受信アンテナ51を使用することにより、出力側アンテナ10の基材を透明に構成して、ガラス板55の上面又は下面に貼付することで、リーダライタ4のデザインや形状によらない対応が可能である。また、受電側アンテナを取り付けるリーダライタは、既存品を使用することもできる。このように、本発明は、汎用のリーダライタに手を加えることなく、ICカードやRFタグと交信するアンテナ面のデザインを変換するアダプタの役割を果たすことができる。また、同様に、下記のようなケースにも容易に対処できる。
1)様々なメーカが参入するビルの入退室リーダのカードタッチ部のデザインを共通化できる。
2)スーパーやコンビニエンスストアのレジに設置済みのリーダライタのデザイン性を向上させることができる。
そこで本発明の電磁結合型送受信アンテナ51を使用することにより、従来より使用しているリーダライタをレジの下など隠れた場所に設置し、本発明の出力側アンテナ10をレジ上に設置することで、露出する部分をアンテナだけの安価な構成に変換することができる。
図10は、本発明の電磁結合型送受信アンテナをタクシーに使用した実施例について説明する図である。タクシー56は、運転席59にリーダライタ4を設置し、リーダライタ4のループアンテナと電磁結合する受電側アンテナ1から、通信ケーブル6を介して運転席59と客席57を隔てる隔壁58に、出力側アンテナ10を設置する。この構成により、ICカードでタクシー料金を精算する乗客は、出力側アンテナ10にICカードをタッチすることで精算を済ますことができるため、運転手の安全を守りつつ、高価なリーダライタを手元に配置することができる。
このように、本発明は汎用のリーダライタに手を加えることなく、リーダライタ本体を人目から隠れた位置に配置したり、手元に配置したりすることができるため、盗難やいたずらから高価なリーダライタを保護することができる。
同様に、下記のようなケースも容易に対応できる。
1)リーダライタによる施錠の自宅ドアの場合、リーダライタを宅内へ設置し、本発明の出力側アンテナを外へ設置する。
2)自動販売機においては、精算用リーダライタを販売機の内部に配置し、本発明の出力側アンテナを外へ設置する。
Claims (6)
- 非接触情報記録媒体の記録情報を読み書きするための電磁波を放射するループアンテナを備えたリーダライタ本体と、
前記ループアンテナのループ周辺に配置され、前記ループアンテナと電磁結合する受電側アンテナと、
該受電側アンテナにより受電した電磁波により起電した電流を伝達する通信ケーブルと、
該通信ケーブルにより伝達された電流により電磁波を発生する出力側アンテナと、を備え、
前記受電側アンテナのループ径が前記ループアンテナのループ径よりも小さくなるように構成し、且つ前記受電側アンテナを前記ループアンテナのループ内に配設したことを特徴とする非接触情報記録媒体用アンテナ。 - 前記受電側アンテナ及び前記出力側アンテナは、インピーダンス整合器を介して前記通信ケーブルによりそれぞれ接続されることを特徴とする請求項1に記載の非接触情報記録媒体用アンテナ。
- 前記受電側アンテナは、該受電側アンテナにより受電したレベルをモニタする受電レベル検出器を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触情報記録媒体用アンテナ。
- 前記出力側アンテナ及び/又は受電側アンテナは、導線を巻き回して構成したループコイルと、該ループコイルに密着して配設し、該ループコイルから発生する電磁波の磁路を形成する磁性部材と、該磁性部材に密着して配設した金属部材と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の非接触情報記録媒体用アンテナ。
- 前記受電側アンテナは、前記受電レベル検出器によりモニタした受電レベルが最も大きくなる場所に配設されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の非接触情報記録媒体用アンテナ。
- 前記出力側アンテナのループ径が前記ループアンテナのループ径より大きくなるように構成し、且つ前記ループアンテナのループ径が前記受電側アンテナのループ径より大きくなるように構成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の非接触情報記録媒体用アンテナ。
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