JP2021057725A - 非接触式情報処理装置 - Google Patents

Abstract

【課題】非接触式ＩＣカードなどの媒体と非接触で通信を行う非接触式情報処理装置において、媒体との通信に影響を及ぼすことなく、また電源などを用意することなく、非接触情報処理装置の通信状態を発光素子により示すことができるようにする。【解決手段】媒体と非接触で通信を行う非接触式情報処理装置に、第１アンテナを備えて電磁誘導により第１共振周波数で媒体と通信する第１回路部と、第１共振周波数から離れた第２共振周波数を有する第２回路部とを設ける。第２回路部には、第２アンテナと、第２アンテナが受信した誘導電流により得られた電力により動作する発光素子と、を設ける。【選択図】図２

Description

本発明は、近距離無線通信（ＮＦＣ；Near Field Communication）機能を有するスマートフォンや非接触式ＩＣ（集積回路）カードなどの媒体に対して電磁誘導によって通信を行う非接触式情報処理装置に関する。

ＮＦＣ機能を有するスマートフォンや非接触式ＩＣカードなどの媒体に対して通信を行って媒体に対するデータの読み出しや書き込みを行う、非接触式ＩＣカードリーダなどの非接触式情報処理装置が知られている。媒体はＩＣやメモリを内蔵しているが電源を持たないので、非接触式情報処理装置は、非接触式情報処理装置側と媒体側との間の共振周波数特性に基づく電磁誘導を利用して媒体に電力を供給し、この電力によって媒体内のＩＣを動作させ、動作状態の媒体に対して電磁誘導によって通信してデータの送受信を行う。このとき、非接触式情報処理装置が媒体と通信できる状態か否かを利用者が判断できるようにするために、非接触式情報処理装置にＬＥＤ（発光ダイオード）やブザーを設け、ＬＥＤの発光による目視確認や、ブザーの鳴動を用いた音認識を用いることが多い。しかしながらＬＥＤやブザーを用いて非接触式情報処理装置の動作状況を確認できるようにするためには、ＬＥＤやブザーを駆動するための電源を用意しなければならない、という問題点がある。電源を必要としないものとして特許文献１は、非接触式情報処理装置に備えるアンテナの動作の可否を検知するために、非接触式情報処理装置のアンテナから発生する電磁波を検知する検知用アンテナと、検知用アンテナで得られた電流を整流する整流回路と、整流回路で得られた直流電流で駆動されるＬＥＤとを備える検知手段を用いることを開示している。この検知手段は、非接触式情報処理装置において、カード状の媒体が搬送される搬送路に設置される。

特開２０１０−２５６９５０号公報

特許文献１に開示された非接触式情報処理装置には、検知手段を設けた場合に非接触式情報処理装置と媒体との間の通信に影響が及ぶことがある、という課題がある。

本発明の目的は、媒体との通信に影響を及ぼすことなく、また電源を用意することなく、発光素子により動作状態を示すことができる非接触式情報処理装置を提供することにある。

本発明の非接触式情報処理装置は、
媒体と非接触で通信を行う非接触式情報処理装置であって、
第１のアンテナを備えて電磁誘導により第１共振周波数で媒体と通信する第１回路部と、
第１共振周波数から離れた第２共振周波数を有する第２回路部と、
を備え、
第２回路部は、第２アンテナと、第２アンテナが受信した誘導電流により得られた電力により動作する発光素子と、を備える。

本発明によれば、第２アンテナが受信した誘導電流により得られた電力により発光素子を動作させるので、電源を設けることなく、発光素子により非接触式情報処理装置の通信状態を示すことが可能になる。また第２共振周波数は第１共振周波数から離れているので、媒体との通信に影響を及ぼすことなく、発光素子により非接触式情報処理装置の通信状態を示すことが可能になる。

本発明の非接触式情報処理装置において、第１アンテナと第２アンテナとを同一の配線基板上に形成してもよい。第１アンテナと第２アンテナとを同一の配線基板上に形成することによって、第１アンテナと第２アンテナとを例えば印刷回路基板製造技術を用いて同時に形成することができるようになる。

本発明の非接触式情報処理装置は、磁気カード及び接触式ＩＣカードの少なくとも一方が挿入される挿入口と、挿入口の周りに形成されたベゼルと、をさらに備え、第１アンテナ及び第２アンテナがベゼルの内部に設けられていてもよい。このような非接触式情報処理装置は、例えば磁気カードからのデータの読み出しあるいは接触式ＩＣカードに対するデータの読み書きを行う場合には当該カートが挿入口から挿入されるとともに、非接触式ＩＣカードやＮＦＣ機能を有するスマートフォンなどの媒体に対してデータの読み書きを行うときは、挿入口から挿入されることなくそれらの媒体がベゼル部分にかざされるものである。ベゼル内部に第１アンテナ及び第２アンテナを配置することにより、非接触式ＩＣカードなどの媒体と第１アンテナとの距離を十分に小さくすることができる。

挿入口を囲むようにベゼルを設ける場合、第１アンテナと第２アンテナの各々を、挿入口を囲むように形成されたループアンテナとしてもよい。この構成では、第１アンテナも第２アンテナも挿入口の周りを巻回することとなるので、第２アンテナにおいて十分な誘導電流が得られるようになる。ベゼルを設ける場合には、ベゼル自体が発光しているような外観を与えるように、発光素子をベゼルに設けることができる。ベゼル自体が発光しているかのような外観を与えるようにすることにより、非接触式情報処理装置の通信状態についての表示を視認しやすくなる。

本発明の非接触式情報処理装置においては、発光素子の発光を制御する制御部を第２回路部に設けてもよい。このような制御部を設けることにより、多彩な発光を実現することができる。

本発明によれば、媒体との通信に影響を及ぼすことなく、また電源を用意することなく、発光素子によって非接触式情報処理装置の通信状態を示すことができるようになる。

本発明の実施の一形態の非接触式情報処理装置を示す概略斜視図である。 ベゼル内に組み込まれる回路を示す回路図である。 ベゼルに設けられる配線基板の平面図である。

次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。図１は本発明の非接触式情報処理装置の外観を示している。以下の説明において、ＮＦＣ機能を有するスマートフォンや非接触式ＩＣカードなど、電磁誘導を用いて非接触でデータの読み書きを行うことができるもののことを媒体と呼ぶ。この非接触式情報処理装置１は、媒体に対して非接触でデータの読み書きを行うものであるが、付随して磁気カードからのデータの読み出しと接触式ＩＣカードへのデータの読み書きとを行うことができるようにしたものである。非接触式情報処理装置１の筐体１０の１つの側面に、磁気カードや接触式ＩＣカードが挿入されるスリット状の挿入口１１が設けられ、挿入口１１の周囲にベゼル１２が形成されている。以下に説明するように、非接触式ＩＣカードなどの媒体との通信に用いられるループアンテナ２３はベゼル１２内に設けられており、媒体に対するデータの読み書きは、ベゼル１２に媒体を軽くタッチさせるか接近させることで行われる。これに対し、磁気カードからのデータの読み出しや接触式ＩＣカードに対するデータの読み書きを行うときは、それらのカードを挿入口１１から筐体１０の内部に挿入する。筐体１０の内部には、図示破線で示すように、データの読み書きなどの処理を行う回路が搭載された回路基板１５が設けられている。

図２は、本実施形態の非接触式情報処理装置１の要部の回路構成を示している。図２ではベゼル１２内に組み込まれる部分が示されている。図示される回路は、大別すると、端子２１，２２及びループアンテナ２３からなる第１回路部と、ループアンテナ３１、整流回路３２及びＬＥＤ（発光ダイオード）３３からなる第２回路部とから構成されている。第１回路部は、電磁誘導により第１共振周波数で媒体と通信するためのものであり、筐体１０内の配線基板１５に設けられた不図示の送受信回路に対して端子２１，２２を介して接続している。端子２１，２２は、ループアンテナ２３の両端に接続している。

一方、第２回路部は、第１回路部によるこの非接触式情報処理装置１の通信状態を表示するために設けられるものであり、第１共振周波数から離れた第２共振周波数を有する。第２アンテナであるループアンテナ３１は、第１回路部のループアンテナ２３からの誘導電流を受信できるように配置されている。ループアンテナ３１の両端は整流回路３２の入力に接続しており、整流回路３２は、ループアンテナ３１が受信した誘導電流を直流電力に変換して出力する。ＬＥＤ３３が整流回路３４の出力に接続している。図２ではＬＥＤ３３が１個描かれているが、整流回路３４の出力に対し、複数のＬＥＤ３３を並列に設けてよい。

非接触式情報処理装置１では、媒体に対して電磁誘導によってデータの読み書きを行うときに、第１回路部のループアンテナ２３が使用される。このとき、ループアンテナ２３からの誘導電流が第２回路部のループアンテナ３１によって受信され、ループアンテナ３１で受信された誘導電流は整流回路３２によって直流電力に変換され、ＬＥＤ３３に供給される。その結果、発光素子であるＬＥＤ３３は、第１回路部のループアンテナ２３が通信を行える状態にあるとき、すなわち非接触式情報処理装置１が通信状態にあるときには常に発光することとなる。

第１共振周波数と第２共振周波数との関係について説明する。本実施形態では、第１回路部のループアンテナ２３からの誘導電流を第２回路部のループアンテナ２１が受信することによりＬＥＤ３３が発光するが、ＬＥＤ３３を発光させることが第１回路部と非接触式ＩＣカードなど媒体との通信に影響を与えないようにすることが必要である。そこで、媒体との通信に影響を与えないように、第１共振周波数から十分に離れた周波数に第２共振周波数を設定する。適切な周波数差とすることにより、媒体との通信特性に影響を与えることなく、ＬＥＤ３３を発光させることが可能になる。

次に、ベゼル１２内での回路配置について説明する。ループアンテナ２３，３１は、一般に、印刷回路形成技術を用いて配線基板上に形成される。図３は、ベゼル１２内に配置される配線基板４０の平面図であって、配線基板４０上での各種の部品の配置を示すとともに、ループアンテナ２３，３１を含む配線パターンの配置及び形状も示している。非接触式情報処理装置１の筐体１０に設けられた挿入口１１を取り囲むようにベゼル１２が設けられているので、配線基板４０は、挿入口１１に対応する細長い開口４１を有する細長い長方形に形成されている。配線基板４０には、開口４１の周りを周回するように、ループアンテナ２３，３１の各々が設けられている。同一の配線基板４０の上において同一の開口４１を周回するように設けられているので、第２回路部のループアンテナ３１は第１回路部のループアンテナ２３からの誘導電流を強く受信できるようになる。ループアンテナ２３，３１の相互間をできるだけ離して媒体への通信特性に影響を与えないように、第１回路部のループアンテナ２３は配線基板４０の外周の各辺に近接するように形成され、第２回路部のループアンテナ３１は開口４１の縁になるべく沿うように形成されている。配線基板４０には、端子２１，２２、整流回路３２及びＬＥＤ３３も設けられている。特に図３に示す例では、複数個のＬＥＤ３３が整流回路３２の出力に対して並列に接続している。

ベゼル１２は、例えば乳白色の透光性の合成樹脂によって構成されており、ＬＥＤ３３からの光は、ベゼル１２を介して拡散光として外部に放出される。その結果、ＬＥＤ３３が発光したときにはベゼル１２全体が光っているかのような外観となる。さらに本実施形態では、ＬＥＤ３３の発光形態を変化させる制御部を第２回路部に設けてもよい。制御部を設ける場合には、制御部に対する電力供給は整流回路３４から行われる。制御部によって変化可能な発光形態としては、点滅発光とするかどうか、複数のＬＥＤ３３を設けているのであれば同時発光させるＬＥＤの数、異なる発光色のＬＥＤ３３が設けられているのであれば実際の発光色などが挙げられる。

以上説明した本実施形態の非接触式情報処理装置１によれば、電源を用意することなく利用者は、ＬＥＤ３３の発光を目視で確認することにより、媒体との通信に用いるループアンテナ２３が正常に動作しているか否を判断することができるようになる。挿入口１１を囲むように設けられたベゼル１２内にループアンテナ２３を設けているので、非接触でデータの読み書きを行う媒体としては、カード状のものに限定されず、任意の形状のものを使用することができる。また、ＬＥＤ３３が発光したときにベゼル１２の全体が発光しているかのような外観を与えるので、利用者に対する視認性が高まっている。ループアンテナ２３に入力するエネルギーの大小によってＬＥＤ３３の発光強度が変化するようにすることも容易であるので、ループアンテナ２３の電力状況も容易に判断することができる。また、ループアンテナ２３が動作しているときにＬＥＤ３３が発光するので、利用者は、その所持する媒体をデータ通信のためにベゼル１２に近接させるタイミングを容易に知ることができるようになる。本実施形態で利用可能な媒体としては、非接触式ＩＣカードだけでなく、ＮＦＣ機能を有するスマートフォンや、ＮＦＣ機能を有する腕時計型端末、さらにはＮＦＣ機能を有する携帯型ゲーム機などが挙げられる。

本発明に基づく非接触式情報処理装置は、非接触式ＩＣカードやＮＦＣ機能を有するスマートフォンなどの媒体との非接触でのデータ送受信が必要となる各種の分野において使用できる。特に、ＬＥＤ３３の発光形態を変化させる制御部を設けることによって、特にアミューズメント用途やゲーミング用途で非接触式情報処理装置を用いたときに、演出効果を高めることができる。

１…非接触式情報処理装置；１０…筐体；１１…挿入口；１２…ベゼル；１５，４０…配線基板；２１，２２…端子；２３，３１…ループアンテナ；；３２…整流回路；３３…ＬＥＤ；４１…開口。

Claims (6)

1. 媒体と非接触で通信を行う非接触式情報処理装置であって、
   第１のアンテナを備えて電磁誘導により第１共振周波数で前記媒体と通信する第１回路部と、
   前記第１共振周波数から離れた第２共振周波数を有する第２回路部と、
   を備え、
   前記第２回路部は、第２アンテナと、前記第２アンテナが受信した誘導電流により得られた電力により動作する発光素子と、を備える、非接触式情報処理装置。
2. 前記第１アンテナと前記第２アンテナとが同一の配線基板上に形成されている、請求項１に記載の非接触式情報処理装置。
3. 磁気カード及び接触式ＩＣカードの少なくとも一方が挿入される挿入口と、
   前記挿入口の周りに形成されたベゼルと、
   をさらに備え、前記第１アンテナ及び前記第２アンテナは前記ベゼルの内部に設けられている、請求項１または２に記載の非接触式情報処理装置。
4. 前記第１アンテナと前記第２アンテナは、いずれも、前記挿入口を囲むように形成されたループアンテナである、請求項３に記載の非接触式情報処理装置。
5. 前記発光素子は、前記ベゼルが発光しているかのような外観を与えるように前記ベゼルに設けられている、請求項３または４に記載の非接触式情報処理装置。
6. 第２回路部は、前記発光素子の発光を制御する制御部をさらに備える、請求項１乃至５のいずれか１項に記載の非接触式情報処理装置。
   

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