JP2006069491A - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、パンク時の縦撓み量を制限し、継続して一定の距離を走行しうるランフラットタイヤを提供する。
【解決手段】 一対のビード部4、4間を跨ってのびるトロイド状のカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7とを有するランフラットタイヤ1である。トレッド部2は、タイヤ内腔iを向くトレッド内側に、タイヤ半径方向内方へ突出しかつタイヤ周方向にのびている少なくとも一つの支持体9が設けられる。前記支持体9は、タイヤを正規リムJにリム組みしかつ正規内圧を充填して正規荷重を負荷させた正規負荷状態においてリムと接触せず、しかも正規負荷状態から内圧を零としたパンク状態ではリムJと接触して荷重を支持する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パンク時の縦撓み量を制限し、継続して一定の距離を走行しうるいわゆる自己支持型のランフラットタイヤに関する。
従来、図5に示されるように、サイドウォール部cの内側に、断面略三日月状をなす補強ゴム層dが設けられたいわゆる自己支持型のランフラットタイヤbが広く知られている(例えば下記特許文献1参照)。ランフラットタイヤbは、内圧が低下した場合、補強されたサイドウォール部cでタイヤ荷重を支持し、サイドウォール部cの大きな変形が防止される。このため、パンク時においても、比較的高速度で例えば数百kmの距離を走行することができる。近年、パンク状態でのランフラットタイヤbの走行距離を増大させるために、補強ゴム層dの厚さ及び硬さを大きくする傾向がある。
しかしながら、補強ゴム層dの厚さや硬さや大きくすると、内圧が適正に充填された状態において乗り心地が悪化するという問題がある。
特開平8−244422号公報
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、トレッド部のタイヤ内腔を向くトレッド内側に、タイヤ半径方向内方へ突出しかつタイヤ周方向にのびている少なくとも一つの支持体を設け 前記支持体を、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填して正規荷重を負荷させた正規負荷状態ではリムと接触させず、しかも正規負荷状態から内圧を零としたパンク状態ではリムと接触させて荷重を支持させることによって、通常走行時の乗り心地を損ねることなくパンク時の継続走行を可能としうる自己支持型のランフラットタイヤを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、一対のビード部間を跨ってのびるトロイド状のカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層とを有するランフラットタイヤであって、前記トレッド部は、タイヤ内腔を向くトレッド内側に、タイヤ半径方向内方へ突出しかつタイヤ周方向にのびる少なくとも一つの支持体が設けられ、前記支持体は、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填して正規荷重を負荷させた正規負荷状態では前記リムと接触せず、しかも正規負荷状態から内圧を零としたパンク状態では前記リムと接触して荷重を支持することを特徴としている。
ここで、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"とする。
また「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
さらに「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"であるが、タイヤが乗用車用の場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
また請求項2記載の発明は、リムにリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である正規無負荷状態において、ビードベースラインと前記支持体のタイヤ半径方向の内端との間のタイヤ半径方向の距離は、タイヤ断面高さの10〜30%である請求項1記載のランフラットタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記支持体は、トレッド中央部かつカーカスのタイヤ半径方向内側に配されかつタイヤ半径方向内方に向かって突出する補強ゴムを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のランフラットタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記支持体は、前記補強ゴムと、そのタイヤ内腔側を向く内向き面に沿って配された少なくとも1枚の補強プライとを含み、前記補強プライの両端部は、前記カーカスに沿ってビード部までのびていることを特徴とする請求項3記載のランフラットタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記支持体は、前記補強ゴムと、タイヤ子午断面において環状に折り曲げられその内部に前記補強ゴムの少なくとも一部を含む補強プライとを含むことを特徴とする請求項3記載のランフラットタイヤである。
本発明のランフラットタイヤは、トレッド部のタイヤ内腔を向くトレッド内側に、タイヤ半径方向内方へ突出しかつタイヤ周方向にのびる少なくとも一つの支持体が設けられる。該支持体は、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填して正規荷重を負荷させた正規負荷状態ではリムと接触しない。従って、支持体は正規負荷状態での乗り心地を悪化させることがない。また支持体は、正規負荷状態から内圧を零としたパンク状態ではリムと接触して荷重を支持できる。従って、パンク状態において、継続した走行を可能とする。またトレッド部の支持体である程度の荷重が支持される結果、サイドウォール部に設けられていた補強ゴム層を完全に無くすことや、或いは乗り心地を悪化させない程度に非常に薄く構成することで、乗り心地の悪化を招くことなくパンク状態での走行距離を増大させ得る。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には本実施形態のランフラットタイヤ1が正規リムJにリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である正規無負荷状態が示されている。
ランフラットタイヤ1は、適正な内圧が充填されているときに路面と接地するトレッド部2と、リムに着座する一対のビード部4、4と、前記トレッド部2と前記ビード部4との間をのびる一対のサイドウォール部3とを有するトロイド状をなす。またランフラットタイヤ1は、前記各々のビード部4、4に埋設されたビードコア5、5間をのびるトロイド状のカーカス6と、このカーカス6の外側かつトレッド部2の内部に配置されたベルト層7とを含んで補強される。この実施形態では、カーカス6の内側かつサイドウォール領域には、断面略三日月状をなす補強ゴム層(図5で符号dで表されている)は設けられていない。
前記カーカス6は、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。カーカスプライ6Aは、カーカスコードをトッピングゴムにて被覆して形成される。カーカスコードにはナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミドなどの有機繊維が好適に用いられる。またカーカスコードは、例えばタイヤ赤道Cに対して75〜90度、より好ましくは90度の角度で傾けて配列される。
またカーカスプライ6Aは、本例では一対のビードコア5、5間をトロイド状に跨る本体部6aと、この本体部6aの両端に連なりかつビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを含む。本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびるビードエーペックス8が配される。ビードエーペックス8は、ビードコア5の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびており、例えばJISA硬さで65〜95度、より好ましくは70〜95度程度の硬質ゴムにより形成されるのが望ましい。このようなビードエーペックス8は、ビード部4の曲げ剛性を高め、操縦安定性の向上及びタイヤ1の縦撓みの抑制に役立つ。
また、この例では、カーカスプライ6Aの折返し部6bの外端6beが、ベルト層7のタイヤ軸方向の外端7eをタイヤ軸方向内側に超えた位置で終端するものが示されている。このような折返し部6bは、少ない枚数でサイドウォール部3を効果的に補強しうる。また、ゴムとの接着性が低い折返し部6bの外端6beは、パンク走行中に比較的大きく撓むサイドウォール部3ではなく歪の小さいベルト層7とカーカスプライ6Aの本体部6aとの間に位置するため、前記外端6beを起点としたセパレーション等の損傷を効果的に防止しうる。
前記ベルト層7は、本例ではスチールからなるベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば10〜35゜程度で傾けて配列された2枚のベルトプライ7A、7Bから構成される。ベルトプライ7A、7Bは、前記ベルトコードが互いに交差するように重ね合わされ、カーカス6を強くタガ締めしトレッド部2の剛性を高める。ベルトコードとしては、スチール材料以外にも、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維材料を必要に応じて用い得る。
またランフラットタイヤ1のトレッド部2には、タイヤ内腔を向くトレッド内側に、タイヤ半径方向内方へ突出しかつタイヤ周方向にのびている少なくとも一つの支持体9が設けられる。本実施形態の支持体9は、トレッド中央部に一つ設けられており、タイヤ周方向に環状で連続している。また支持体9は、タイヤ子午線断面において、タイヤ赤道Cに関して実質的に線対称形状で形成されている。
図1の状態に正規荷重を負荷しタイヤ1を平面に接地させた正規負荷状態では、支持体9はリムと接触しない。言い換えれば、ランフラットタイヤ1が車両に適切なリムと内圧の下で装着されて平坦路を走行する通常走行状態においても、支持体9とリムとは接触しない。このため、支持体9は、通常走行状態での乗り心地を損ねることがない。また本実施形態のランフラットタイヤ1は、サイドウォール部3に、従来のような厚さの大きい断面略三日月状の補強ゴム層が設けられていないため、サイドウォール部3の曲げ剛性を柔軟に維持できる。従って、サイドウォール部3により路面からの衝撃を吸収し、乗り心地を向上できる。
他方、正規負荷状態から内圧を零(大気圧)としたパンク状態では、図2に示されるように、支持体9はリムJと接触して荷重を支持する。このような支持体9の作用は、パンク状態において、タイヤの縦撓み、とりわけサイドウォール部3の大きな屈曲変形を抑制し、過度の発熱を抑え耐久性を向上させる。これにより、ランフラットタイヤ1は、パンク状態での継続した走行距離が増やすことができる。
支持体9のリムJとの接触の有無は、タイヤの側壁部(サイドウォール部3及びビード部4)の剛性や、正規無負荷状態におけるビードベースラインBLと前記支持体9のタイヤ半径方向の内端9iとの間のタイヤ半径方向の距離h等を適切に規制することによってコントロールできる。一例として、前記距離hは、タイヤ断面高さHの10〜30%、より好ましくは10〜15%が特に好ましい。前記距離hがタイヤ断面高さHの10%未満の場合、路面の僅かな段差などによって支持体9がリムJと接触しやすくなる傾向があり、逆に30%を超えると、パンク状態において支持体9とリムJとが接触してもサイドウォール部3の撓み量が大きくなる傾向がある。
特に好ましくは、パンク状態におけるタイヤ断面高さ(ビードベースラインBLから接地する平面までのタイヤ半径方向の高さ)HPが、正規無負荷状態でのタイヤ断面高さHの60〜95%、より好ましくは80〜95%になるように、支持体9の前記距離h及び圧縮剛性等を定めるのが望ましい。
図1及び図2に示される支持体9は、補強ゴム10と、そのタイヤ内腔i側を向く内向き面10aに沿って配された少なくとも1枚(この例では1枚)の補強プライ11とを含んで構成されている。補強プライ11のさらに内側には、この例では空気非透過性に優れたゴムからなるインナーライナー12が配されている。なおインナーライナー12は、支持体9を含むトレッド部2のみならず、サイドウォール部3及びビード部4に亘って連続して配されている。
前記補強ゴム10は、トレッド中央部でかつカーカス6の内面からタイヤ半径方向内方に向かってのびている。また補強ゴム10は、図1の断面形状でタイヤ周方向に連続した環状をなし、実質的に支持体9の主要部分を構成する。さらに補強ゴム10は、基部10Aと、突出部10Bとを含む。
前記基部10Aは、タイヤ断面において、両側面がタイヤ軸方向外側に中心を有しかつタイヤ赤道C側に向かって凸となる円弧Caで形成された部分である。基部10Aのタイヤ軸方向の最大幅CWは、好ましくはトレッド接地幅TWの20〜80%、より好ましくは30〜50%であるのが望ましい。なおトレッド接地幅TWは、正規負荷状態でトレッド面2aが路面と接地するタイヤ軸方向の最大幅とする。
パンク状態では、支持体9に大きな荷重が負荷されるため、補強ゴム10の基部10Aとカーカスプライ6Aとの接着界面には大きな応力が作用する。このため、この基部10Aの幅を大きく確保して応力ないし歪の緩和を図り、前記界面における剥離等の損傷を防止することが望ましい。また前記基部10Aの円弧Caの曲率半径Raは、特に限定されるものではないが、好ましくは80〜400mm、より好ましくは100〜300mmとし、基部10Aの両側縁においても応力の分散を図ることが望ましい。
また突出部10Bは、基部10Aのタイヤ半径方向内側に連設された部分であり、ており、両側面が実質的な直線か又はタイヤ軸方向外側に凸となる円弧で形成される。本実施形態の突出部10Bは、先細状で補強ゴム10のタイヤ半径方向の内端までのびている。突出部10Bのタイヤ半径方向の内端部分10Biは、タイヤ半径方向内方に凸となる滑らかな円弧面Cbで形成される。この円弧面Cbの曲率半径Rbは、リムJとの接触時の衝撃を和らげるため、例えば10〜30mm程度が望ましい。
補強ゴム10は、通常走行時に路面の段差等を乗り越える場合、リムJと瞬間的に接触することがある。しかし、先細状かつ内端部分10Biの剛性を低下させた突出部10Bは、瞬間的な応力に対して、その内端部分10Biを柔軟に変形させて衝撃を緩和する。これにより、乗り心地の悪化をより一層確実に防止しうる。他方、パンク状態のように補強ゴム10に大きな荷重が連続して負荷される場合、幅の広い基部10Aで荷重を確実に支持し高い圧縮剛性を発揮してタイヤの縦撓み量を一定範囲に規制できる。
前記補強プライ11は、前記カーカスプライ6Aの本体部6aの内側に配されており、本実施形態では本体部6aに沿って該本体部6aに添着されてのびる両側部11b、11bと、この両側部11b、11bの間に設けられカーカスプライの本体部6aとの間で前記補強ゴム10を挟む中央部11aとを含む。前記両側部11bは、ビード部4のビードコア5の近傍に設けられた内端11beからタイヤ半径方向外側にのび、サイドウォール部3を経てベルト層7の外端7eをタイヤ軸方向内側に超えたトレッドショルダ部に至る。また中央部11aは、カーカスプライ6Aの本体部6aから徐々に離間し、タイヤ赤道Cの位置でカーカスプライ6Aから最も離間している。なおカーカスプライの本体部6aは、トレッド部2においてトレッド溝を埋めた仮想トレッド面に沿って滑らかにのびている。また、サイドウォール部3の剛性を低下させるために、両側部11bの内端11beは、さらにタイヤ半径方向外側に位置させても良い。
補強プライ11に用いられるコードとしては、特に限定はされないが、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミドなどの有機繊維が好適に用いられる。また補強プライ11のコードは、例えばタイヤ赤道Cに対して5〜30度、より好ましくは10〜15度の角度で傾けて配列される。また、補強プライ11の枚数は、2枚以上とすることもできる。
以上のような支持体9は、補強ゴム10がカーカスプライ6Aと補強プライ11とで挟まれている結果、耐圧縮剛性を大きくできる。従って、パンク状態時においてもタイヤ軸方向外側への変形や傾動が抑制され、タイヤの縦撓み量を確実に制限できる。また、補強プライ11を複合させたことにより、補強ゴム10の体積を小さくしつつも大きな荷重を支持することができる。また本実施形態の支持体9は、タイヤ内腔iの空気の流れに変化をもたらし、走行時に発生しがちな空洞共鳴を低減する。これは、ロードノイズの低減に役立つ。
補強ゴム10の物性値については特に限定されないが、好ましくはJISデュロメータA硬さで65〜90゜、より好ましくは70〜85゜、さらに好ましくは74〜80゜が望ましい。補強ゴム10のゴム硬さが65゜未満の場合、パンク状態での圧縮剛性が低下し、十分な継続走行距離が得られない傾向がある。逆に補強ゴム10のJISデュロメータA硬さが90゜を超えると、カーカスプライ6Aとの接着界面において、剛性段差が生じやすく、この部分に歪が集中して耐久性を損ねる傾向がある。また発熱を抑えるために、補強ゴム10は、損失正接tan δの小さいゴム配合が望ましい。具体的にはtan δが70℃、周波数10Hz、動歪±2%においてtan δが0.20〜0.30、より好ましくは0.20〜0.25が望ましい。
また補強ゴム10に用いるゴムポリマーは特に限定はされないが、好ましくはジエン系ゴム、より具体的には天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムが望ましい。これらは1種又は2種以上をブレンドして用いることができるのは言うまでもない。またゴム硬さの調節は、ゴムポリマーの配合の変更や、フィラーの充填量などを違えることにより適宜行うことができる。
図3には、本発明のランフラットタイヤ1の他の実施形態が示される。
この実施形態のランフラットタイヤ1は、図1に比べて支持体9が小型化されており、またサイドウォール部3の内側には厚さが小さい補強ゴム層20、20が設けられている。この実施形態のランフラットタイヤ1は、パンク状態において、支持体9と補強ゴム層20とで荷重を支持することができる。従って、図1の態様に比して、支持体9を小型化でき、タイヤ重量を軽量にするのに役立つ。なお補強ゴム層20の最大厚さtが大きすぎると、乗り心地が悪化するため、例えば10mm以下、より好ましくは8mm以下とするのが望ましい。
図4は、さらに本発明のランフラットタイヤ1の他の実施形態が示される。
この実施形態のランフラットタイヤ1は、補強プライ11の構成が図1及び図2の態様とは異なっている。本実施形態の補強プライ11は、支持体9のほぼ中心部に設けられており、タイヤ子午断面において一部が途切れる環状に折り曲げられその内部に補強ゴム10の少なくとも一部を含んでいる。このような支持体9は、補強プライ11によって包まれたより圧縮剛性の高い部分21が形成されるため、小さい体積で大きな荷重を支持させるのに役立つ。なお図示していないが、支持体の補強ゴム10を配合が異なる2種以上で構成しても良い。
本発明の効果を確認するために、表1の仕様に基づいて215/60R16のランフラットタイヤを複数種類試作し、タイヤ重量、ランフラット耐久性能及び乗り心地を評価した。なお比較のために、従来例1、2として図5に示したランフラットタイヤについても併せてテストを行った。なお従来例1の補強ゴム層は、その最大厚さtを10mm、JISA硬さを75度とし、従来例2の補強ゴム層は、最大厚さを8mm、JISA硬さを75度とした。テスト方法は、次の通りである。
<タイヤ重量>
タイヤ1本当たりの重量を測定し、従来例1を100とする指数で表示した。数値が小さいほど軽量であることを示す。
<ランフラット耐久性能>
各供試タイヤをバルブコアを取り去った正規リム(16×7JJ)にリム組し内圧を零としたパンク状態でドラム試験機上を以下の条件で走行させ、タイヤが破壊するまでの走行時間を測定した。結果は従来例1を100とする指数により表示した。数値が大きいほど良好である。
走行速度:90km/h
縦荷重:5.74kN
キャンバー角:0゜
<乗り心地>
各供試タイヤを16×7JJのリムに組み付け内圧200kPaを満たして排気量2500cm3 の国産FR車の4輪に装着するとともに、ドライバー1名乗車の下、ドライアスファルト路面の段差路、ベルジャン路(石畳の路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)等において、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングに関して官能評価を行い、従来例1を6とする10点法で評価した。数値が大きいほど良好である。
テストの結果等を表1に示す。
Figure 2006069491
テストの結果、実施例のタイヤは、従来例1に比べて大きな重量増加を伴うことなくランフラット耐久性能と乗り心地とを高い次元で向上していることが確認できる。
本発明の実施形態を示すランフラットタイヤの断面図である。 そのパンク状態の断面図である。 本発明の他の実施形態を示すランフラットタイヤの断面図である。 本発明の他の実施形態を示すランフラットタイヤの断面図である。 従来のランフラットタイヤの断面図である。
符号の説明
1 ランフラットタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
9 支持体
10 補強ゴム
10a 内向き面
10A 基部
10B 突出部
11 補強プライ

Claims (5)

  1. 一対のビード部間を跨ってのびるトロイド状のカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層とを有するランフラットタイヤであって、
    前記トレッド部は、タイヤ内腔を向くトレッド内側に、タイヤ半径方向内方へ突出しかつタイヤ周方向にのびる少なくとも一つの支持体が設けられ、
    前記支持体は、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填して正規荷重を負荷させた正規負荷状態では前記リムと接触せず、しかも正規負荷状態から内圧を零としたパンク状態では前記リムと接触して荷重を支持することを特徴とするランフラットタイヤ。
  2. 正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である正規無負荷状態において、ビードベースラインと前記支持体のタイヤ半径方向の内端との間のタイヤ半径方向の距離は、タイヤ断面高さの10〜30%である請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記支持体は、トレッド中央部かつカーカスのタイヤ半径方向内側に配されかつタイヤ半径方向内方に向かって突出する補強ゴムを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記支持体は、前記補強ゴムと、そのタイヤ内腔側を向く内向き面に沿って配された少なくとも1枚の補強プライとを含み、
    前記補強プライの両端部は、前記カーカスに沿ってビード部までのびていることを特徴とする請求項3記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記支持体は、前記補強ゴムと、タイヤ子午断面において環状に折り曲げられその内部に前記補強ゴムの少なくとも一部を含む補強プライとを含むことを特徴とする請求項3記載のランフラットタイヤ。
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