JP2006068967A - ガスバリア性積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 印刷性(特に階調印刷性)に優れ、印刷を施してもガスバリア性が優れ、熱水処理を施した際のプラスチック基材と無機薄膜との間の密着性およびガスバリア性に優れたガスバリア性積層体を提供する。
【解決手段】 プラスチック基材(A)、無機薄膜(B)及び塗工層(C)がこの順に積層されて成るガスバリア性積層体であって、塗工層(C)上に厚さ60μmの未延伸PPフィルムを積層して成るガスバリア性積層体に対し、120℃で30分間の熱水処理を行った後の当該積層体の酸素透過率が50fmol/m/s/Pa以下であり、(1)23℃の大気中の塗工層(C)の硬度が0.1〜0.5GPa、(2)23℃の水中の塗工層(C)の硬度が0.03〜0.5GPa、(3)塗工層(C)の表面を構成する炭素の数に対するカルボキシル基に由来する炭素の数の比が0.005〜0.1の何れかを満足する。
【選択図】 なし

Description

本発明はガスバリア性積層体に関し、詳しくは、印刷性(特に階調印刷性)に優れ、印刷を施してもガスバリア性が低下せずに優れており、熱水処理を施した際のプラスチック基材と無機薄膜との間の密着性およびガスバリア性に優れたガスバリア性積層体に関する。
従来より、プラスチックを基材とし、その表面に蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーテング法により、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素などの無機薄膜を形成したガスバリア性積層体は、水蒸気や酸素などの各種ガスの遮断を必要とする物品の包装用途や、食品や工業用品および医薬品などの変質を防止するための包装用途に於て広く使用されている。こららのガスバリア性積層体は、包装用途以外にも、近年、液晶表示素子、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル、EL用基板、カラーフィルター等で使用する透明導電シートの構成部材として使用されている。更に、上記ガスバリア性積層体は、一般に無機薄膜の濡れ性が良好なために印刷性が良好で、印刷包材としても広く使用されている。
上記のガスバリア性積層体は、無機薄膜のバリア性を向上させるため、薄膜面に各種処理を行なう方法が考案されている。例えば、無機薄膜として珪素酸化物蒸着膜を使用し、当該蒸着膜に水分を吸収させ、熱処理を行なうことによりガスバリア性が向上することが知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記の方法で製造されるガスバリア性積層体は、後の貼合せ工程や印刷工程に於て無機薄膜を擦ったり、製袋加工工程に於て積層体を折曲げる際に無機薄膜に欠陥が生じ、ガスバリア性が低下する問題がある。特に、酸化チタンを顔料とする白インキを使用して印刷を行なった場合、無機薄膜に欠陥が生じる可能性が高く、ガスバリア性が大きく低下することがある。特に、印刷により無機薄膜にダメージを受けると、その後の熱水処理によりガスバリア性が大幅に低下するという問題がある。
上記の加工工程による無機薄膜のダメージ防止のため、無機薄膜層の表面に、ガラス転移温度40℃以上の樹脂からなる透明プライマー層を設ける方法(例えば特許文献2参照)、水性アンカー層を設ける方法(例えば特許文献3参照)、酸化珪素を含有する水性樹脂または水性エマルジョンによって形成される層を設ける方法(例えば特許文献4参照)、ガラス転移温度60〜80℃で分子量10000〜20000のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂またはニトロセルロース樹脂から成るプライマー層を設ける方法(例えば特許文献5参照)、有機高分子と無機微粉末から成る塗工層を設ける方法(例えば特許文献6参照)、および、ウレタン及び/又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの樹脂コート層を設ける方法(例えば特許文献7参照)により、無機薄膜へのダメージを防止する方法が採られている。
しかしながら、無機薄膜の表面に透明プライマーを塗布して得られるガスバリア性積層体をレトルト処理した際、レトルト時の応力により無機薄膜にダメージが加わり、ガスバリア性が低下する。また、無機薄膜の表面に、多官能イソシアネート化合物とポリエステルポリオールとから成るコート剤を塗布する方法も検討されているが、レトルト後の酸素バリア性を十分に安定させることは困難であった。
特開平2−299826号公報 特開平5−269914号公報 特開平5−309777号公報 特開平5−9317号公報 特開平7−137192号公報 特開平10−71663号公報 特開2001−270026号公報
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、印刷性(特に階調印刷性)に優れ、印刷を施してもガスバリア性が低下せずに優れており、熱水処理を施した際のプラスチック基材と無機薄膜との間の密着性およびガスバリア性に優れたガスバリア性積層体を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、無機薄膜の表面に特定の硬度を有する塗工層を設ける、及び/又は、塗工層の表面を構成する炭素の数に対するカルボキシル基に由来する炭素の数の比が特定の範囲である塗工層を設けることにより、印刷インキによる無機薄膜へのダメージを防止し、塗工層による応力の緩和と結合性の向上により、熱水処理後も無機薄膜のバリア性が保持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の要旨は、プラスチック基材(A)と、当該プラスチック基材(A)の少なくとも片面に形成された無機薄膜(B)と、当該無機薄膜(B)の表面に形成された塗工層(C)とから成るガスバリア性積層体であって、23℃の大気中においてナノインデント法により測定した塗工層(C)の硬度が0.1〜0.5GPaであり、塗工層(C)上に厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを積層して成るガスバリア性積層体に対し、120℃で30分間の熱水処理を行った後のガスバリア性積層体の酸素透過率が50fmol/m/s/Pa以下であることを特徴とするガスバリア性積層体に存する。
本発明の第2の要旨は、プラスチック基材(A)と、当該プラスチック基材(A)の少なくとも片面に形成された無機薄膜(B)と、当該無機薄膜(B)の表面に形成された塗工層(C)とから成るガスバリア性積層体であって、23℃の水中においてナノインデント法により測定した塗工層(C)の硬度が0.03〜0.5GPaであり、塗工層(C)上に厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを積層して成るガスバリア性積層体に対し、120℃で30分間の熱水処理を行った後のガスバリア性積層体の酸素透過率が50fmol/m/s/Pa以下であることを特徴とするガスバリア性積層体に存する。
本発明の第3の要旨は、プラスチック基材(A)と、当該プラスチック基材(A)の少なくとも片面に形成された無機薄膜(B)と、当該無機薄膜(B)の表面に形成された塗工層(C)とから成るガスバリア性積層体であって、塗工層(C)の表面を構成する炭素の数に対するカルボキシル基に由来する炭素の数の比が0.005〜0.1であり、塗工層(C)上に厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを積層して成るガスバリア性積層体に対し、120℃で30分間の熱水処理を行った後のガスバリア性積層体の酸素透過率が50fmol/m/s/Pa以下であることを特徴とするガスバリア性積層体に存する。
上記のガスバリア性積層体に60℃以上の加熱処理を施したガスバリア性積層体に存する。
本発明のガスバリア性積層体は、印刷性(特に階調印刷性)に優れ、印刷を施してもガスバリア性が低下せずに優れており、熱水処理を施した際のプラスチック基材と無機薄膜との間の密着性およびガスバリア性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で使用するプラスチック基材(A)を構成するプラスチックとしては、通常の包装材に使用できるものであれば特に制限はなく、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体または共重合体などのポリオレフィン、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物、EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、フッ素樹脂、アクリレート樹脂、生分解性樹脂などが例示される。
生分解性樹脂としては、澱粉/ポリカプロラクトン(例えば日本合成社販売の「マスタービーZ」、ポリカプロラクトン(例えばダイセル化学社製「セルグルーン」)、ポリエチレンサクシネート(日本触媒製「ルナーレSE」)、ポリブチレンサクシネート(例えば昭和高分子社製「ビオノーレ1001」)、ポリブチレンサクシネート・アジペート(例えば昭和高分子社製「ビオノーレ3001」)、ポリエステルカーボネート(例えば三菱瓦斯化学社製「ユーパック」)、脂肪族ポリエステル(琥珀酸、三菱化学社製「GS−Pla」)、芳香族ポリエステル(アジピン酸)(例えばBASF社「エコフレックス」)等が挙げられる。上記の生分解性樹脂は、「マスタービーZ」を除き、化学合成系の樹脂であるが、上記の他には、ポリ乳酸(三井化学社製「LACEA」、酢酸セルロース、(例えばダイセル化学社製「セルグリーンPCA」)、化工澱粉(日本コーンスターチ社販売の「コーンポール」)等の天然物利用系の生分解性樹脂などが挙げられる。
上記の樹脂の中でも、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコール共重合体および生分解樹脂が好ましい。
本発明に於けるプラスチック基材(A)は、前述の原料を使用して成るものであり、未延伸の基材でも、延伸した基材でもよい。また、他のプラスチック基材と積層されていてもよい。かかるプラスチック基材(A)は、薄膜形成生産性の点でフィルム化した基材が好ましく、従来公知の一般的な方法により製造することが出来る。例えば、原料樹脂を押出機に供給して溶融し、環状ダイやTダイにより押出し、急冷することにより実質的に非晶で未配向である未延伸フィルムを製造することが出来る。この未延伸フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの従来公知の一般的な方法により、フィルムの長手方向および/または横方向に延伸することにより、少なくとも一軸方向に延伸したフィルムを製造することが出来る。
上記プラスチック基材(A)としてのフィルムの厚さは、本発明の積層構造体の基材としての機械強度、可撓性、透明性、用途に応じて決定されるが、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲に選択される。また、フィルムの幅や長さには特に制限はなく、用途に応じて選適宜択することが出来る。
プラスチック基材(A)上には無機薄膜(B)を形成させるが、無機薄膜(B)とプラスチック基材(A)との密着性向上のため、プラスチック基材(A)上にアンカーコート層を設けることが好ましい。アンカーコート層は、通常アンカーコート剤を含有する塗布液をインラインコーティング又はオフラインコーティング法により塗布することにより形成される。アンカーコート剤としては、溶剤性または水溶性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂、これらの共重合体樹脂、アルキルチタネート等が例示され、これらは2種以上併用してもよい。中でも、アンカーコート層が、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、オキサゾリン基含有樹脂およびこれらの共重合樹脂の群から選択される1種以上の樹脂にて形成されることが好ましい。
上記アンカーコート層の厚さは、通常0.005〜5μm、好ましくは0.01〜1μmである。アンカーコート層の厚さが5μmを超える場合、滑り性が悪くなり、アンカーコート層の内部応力により基材フィルム又はシートから剥離し易くなり、0.005μm未満の場合、アンカーコート層の厚さが均一とならない可能性がある。また、フィルムへのアンカーコート剤を含有する塗布液の塗布性、接着性を改良するため、塗布前に基材フィルムの表面に化学処理、放電処理などを施してもよい。
プラスチック基材(A)の上に形成する無機薄膜(B)を構成する無機物質としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン及び炭素、ならびに、これらの酸化物、炭化物、窒化物およびこれらの混合物が例示され、好ましくは酸化珪素、酸化アルミニウム、ダイアモンド状炭素である。特に、酸化珪素は、本発明における熱処理の効果が顕著であること、透明性が良好であること、及び、高いガスバリア性が安定に維持できる点から特に好ましい。
無機薄膜(B)の形成方法としては特に制限はなく、蒸着法、コーテイング法などが採用できるが、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で蒸着法が好ましい。蒸着法としては、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の物理的蒸着法およびCVD等の化学的蒸着法が採用できる。無機薄膜(B)の厚さは、通常0.1〜500nm、好ましくは0.5〜40nmである。無機薄膜(B)の厚さが0.1nm未満では十分なガスバリア性が得られ難く、500nmを超えると無機薄膜(B)に亀裂や剥離が発生したり、透明性が悪くなる。
無機薄膜(B)の表面に設けられる塗工層(C)は、(1)23℃の大気中においてナノインデント法により測定した塗工層(C)の硬度が0.1〜0.5GPa、好ましくは0.2〜0.4GPa、(2)23℃の水中においてナノインデント法により測定した塗工層(C)の硬度が0.03〜0.5GPa、好ましくは0.1〜0.4、又は、(3)塗工層(C)の表面を構成する炭素の数に対するカルボキシル基に由来する炭素の数の比が0.005〜0.1、好ましくは0.008〜0.05の何れか1つ以上の特性を有する。
ナノインデント法(ナノ押し込み硬度測定法)とは、AFM(原子間力顕微鏡)に押し込み硬度測定用モジュール(トランスデューサーと圧子にて構成)を付加することにより、ナノレベルの押し込み硬度測定を行う方法である。測定は、トランスデューサーにてコントロールされた荷重を圧子に加え、その際の試料の押し込み深さを検知する方式にて行う。測定方法の詳細については、実施例に記述する。また、塗工層(C)の表面を構成する炭素の数に対するカルボキシル基に由来する炭素の数の比は、J.Polym.Sci.,Part A,Vol.26,p.559−572(1988)及び特許第3139522号明細書に記載の方法で測定する。測定方法の詳細については、実施例に記述する。
上記の23℃の大気中においてナノインデント法により測定した塗工層(C)の硬度が大き過ぎると、熱水処理の際、積層体全体の寸法変化に塗工層(C)が追従できず、熱水処理後のバリア性が悪くなる傾向があり、硬度が小さ過ぎると、印刷階調性が低下する傾向がある。
上記の23℃の水中においてナノインデント法により測定した塗工層(C)の硬度が大き過ぎると、熱水処理の際、積層体全体の寸法変化に塗工層(C)が追従できず、熱水処理後のバリア性が悪くなる傾向があり、硬度が小さ過ぎると、熱水処理時の密着性が低下する傾向がある。
なお、上記の23℃の大気中においてナノインデント法により測定した塗工層(C)の硬度が上記範囲外の塗工層(C)であっても、上記の23℃の水中においてナノインデント法により測定した塗工層(C)の硬度が上記範囲内であれば、レトルト時の吸湿により本発明の効果を達成することが出来る。
上記の塗工層(C)の表面を構成する炭素の数に対するカルボキシル基に由来する炭素の数の比が小さ過ぎる場合、水中における各層の密着強度が低下する傾向があり、上記の比が大き過ぎる場合、塗工層(C)を形成するのに調製する塗工剤液中において加水分解が起り易く、形成された塗工層(C)の諸物性が不安定になる傾向がある。
塗工層(C)を形成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、オキサゾリン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂などが例示され、架橋剤成分を含有していてもよい。中でも、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、オキサゾリン基含有樹脂およびこれらの共重合体樹脂の群から選択される1種以上の樹脂から形成されることが好ましい。塗工層(C)の大気中または水中の硬度を上記範囲内に調節するために、ブロック及び/又はグラフト共重合体を使用したり、2種以上の異なる種類の樹脂や、同一樹脂でも2種以上の異なる分子量または分子量分布を有する樹脂を混合して使用することが好ましい。
上記ポリエステル系樹脂を構成する多価カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オルトフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジメチルフタル酸などが、多価アルコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチエレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA等が例示される。
ポリエステル系樹脂の分子量は、通常3000〜15000、好ましくは4000〜13000である。ポリエステル系樹脂の分子量が3000未満の場合、塗膜が脆くなるために保護層としての性能が得られないことがある。また、分子量が15000を超える場合、ポリイソシアネート等を使用して架橋を行なっても架橋点が少なく架橋密度が高くならないため、印刷インキに溶解または膨潤し、印刷外観が悪化することがある。
ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、通常55〜100℃、好ましくは60〜95℃である。ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が55℃未満の場合、熱安定性が劣るために塗工層(C)が収縮し、ガスバリア性が低下したり、保管時にブロッキングを起し、ガスバリア性の低下や塗工面の荒れが生じることがある。一方、ガラス転移温度(Tg)が100℃を超える場合は、塗工層(C)と無機薄膜(B)との密着性が低下することがある。
ポリエステル系樹脂の酸価は、通常1〜100mgKOH/g、好ましくは3〜80mgKOH/gである。酸価が3mgKOH/g未満の場合、架橋点が少なく架橋密度が高くならないため、印刷インキに溶解または膨潤し、且つガスバリア性が低下することがある。一方、酸価が80mgKOH/gを超える場合、架橋点が多く架橋密度が高くなり過ぎ、塗工層(C)が硬く伸びの無い被膜となり、塗工層(C)の硬化応力が大きくなる。そのため、ガスバリア性が低下し、塗工層(C)と無機薄膜(B)との密着性が低下することがある。
ポリエステル樹脂を製造する際、OH基量に対しCOOH基量が過剰な状態で上記の多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを反応させることにより、上記の分子量、ガラス転移温度および酸価を有するポリエステルを得ることが出来る。例えば、フタル酸、テレフタル酸、エチレングリコール及びネオペンチルグリコールを混合し、反応させることにより、重量平均分子量8000、酸価16mgKOH/g、ガラス転移温度62℃のポリエステルが得られる。
カルボキシル基を分子の末端および/または側鎖に多く有するポリエステル系樹脂を塗工剤として使用することにより、上記の塗工層(C)の表面を構成する炭素の数に対するカルボキシル基に由来する炭素の数の比を0.005以上に調節することが出来る。カルボン酸を末端および/または側鎖に多く有する樹脂は、例えばポリエステル系樹脂においては、特開昭54−46294号、特開昭60−209073号、特開昭62−240318号、特開昭53−26828号、特開昭53−26829号、特開昭53−98336号、特開昭56−116718号、特開昭61−124684号などの各公報に記載された3価以上の多価カルボン酸を共重合することにより製造することが出来る。
上記の多価カルボン酸としては、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸などが例示され、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸が好ましい。
上記ポリウレタン系樹脂としては、イソシアネート化合物とポリマーポリオール化合物との反応によって得られるウレタンポリマー、又はウレタンプレポリマーに鎖伸長剤および反応停止剤を反応させて得られるウレタンポリマーであり、末端にイソシアネート基を有していてもよい。イソシアネート化合物としては、公知の芳香族イソシアネート、脂環族イソシアネートが使用できるが、食品衛生上の観点から、イソフォロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート化合物、およびそれらの混合物が好ましい。
上記イソシアネート化合物と反応させるポリマーポリオール化合物としては、公知のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどのポリマーポリオール及びそれらの混合物が例示される。ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸とジオールとの脱水または縮合反応で得られる。ジエステルとしては、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アゼライン酸、およびこれらのジメチルエステルであるジエステル等が例示され、ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が例示される。ジカルボン酸およびジオールは、単独でも2種以上組合せて使用してもよい。
また、特開昭61−228030号公報などに記載されたポリエステルウレタン等も使用でき、そのカルボン酸成分としては2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸などのペンダントカルボキシル基などが例示され、その導入方法としては特公昭52−3438号公報などに記載されている。
ポリウレタン系樹脂の分子量は、通常8000〜30000、好ましくは10000〜28000である。ポリウレタン系樹脂の分子量が8000未満の場合は塗膜が脆くなるために保護層としての性能が得られないことがある。また、分子量が30000を超える場合、ポリイソシアネート等を使用して架橋を行なっても架橋点が少なく架橋密度が高くならないため、印刷インキに溶解または膨潤し、印刷外観が悪化することがある。
ポリウレタン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、通常55℃以上、好ましくは55〜100℃である。ポリウレタン系樹脂のガラス転移温度(Tg)が55℃未満の場合、熱安定性が劣るために塗工層(C)が収縮し、ガスバリア性が低下したり、保管時にブロッキングを起し、ガスバリア性の低下や塗工面の荒れが生じることがる。一方、ガラス転移温度(Tg)が100℃を超える場合は、塗工層(C)と無機薄膜(B)との密着性が低下することがある。
ポリウレタン系樹脂の酸価は、通常1〜100mgKOH/g、好ましくは3〜80mgKOH/gである。酸価が1mgKOH/g未満の場合、架橋点が少なく架橋密度が高くならないため、印刷インキに溶解または膨潤し、且つガスバリア性が低下することがある。一方、酸価が100mgKOH/gを超える場合、架橋点が多く架橋密度が高くなり過ぎ、塗工層(C)が硬く伸びの無い被膜となり、塗工層(C)の硬化応力が大きくなることがある。そのため、ガスバリア性が低下し、塗工層(C)と無機薄膜(B)との密着性が低下することがある。
上記アクリル系樹脂としては、「水系塗料とコーティング技術」((株)技術情報協会編)に記載されている様な、親水基としてアニオン型のカルボキシル基を有するモノマーを使用することにより得られる。具体的には、アクリル酸とメタクリル酸メチルとの共重合などにより得られる。
上記アルコキシシリル基含有樹脂としては、特開2000−63661号、特開2000−160067号などの各公報に記載されている様な、アルコキシシランの加水分解により得られる。具体的には、ポリウレタンを予めアルコキシシランで修飾したり、更にこれを加水分解性アルコキシシランとのゾル−ゲル法により硬化させることにより得られる。
上記オキサゾリン系樹脂としては、日本触媒社製「エポクロス」K−1000、K−2000、WS−500、WS−700等が例示される。
上記エポキシ系樹脂としては、エポキシポリアミド樹脂、シリコン変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂エステル、エポキシフェノール樹脂、エポキシアルキッド樹脂などが例示される。
上記メラミン系樹脂としては、エーテル化メラミン樹脂、アルキル化メラミン樹脂などが例示される。
架橋剤成分(硬化剤)としては、従来公知の架橋剤が使用でき、特にポリイソシアネートを使用することが好ましい。ポリイソシアネートとしては、1分子中に活性イソシアネート基が3個以上存在し、イソシアネート基の量が12重量%以上(固形分換算)であるポリイソシアネートが好適に使用される。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートが例示され、市販品としては、日本ポリウレタン製「コロネートL」が例示される。ポリエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂を使用する場合、ポリイソシアネートの使用量は、通常、ポリエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂の水酸基価当量の合計の0.8〜1.5倍が好ましい。ポリイソシアネートの使用量がポリエステル系樹脂およびポリウレタン系樹脂の水酸基価当量の合計の0.8倍未満の場合イソシアネート基が不足し、充分な架橋密度を有する塗工層(C)が得られないことがあり、印刷インキの溶剤に対する耐溶剤性が不十分となり、1.5倍を超えた場合、イソシアネート基が過剰となり、形成される塗工層(C)が硬くなり、柔軟性が損われることがある。
塗工層(C)には、無機薄膜(B)との密着性を向上させるために、シランカップリング剤を添加することが好ましく、その使用量は、塗工層(C)の重量に対し、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。シランカップリング剤としてはエポキシ基含有シランカップリング剤およびアミノ基含有シランカップリング剤が好ましい。エポキシ基含有シランカップリング剤としては、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤が例示される。アミノ基含有シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジェトキシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシランが例示される。これらのシランカップリング剤は単独でも2種以上組合せて使用してもよい。特に好ましいシランカップリング剤は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシシランである。
塗工層(C)を形成するための塗工剤には、印刷インキの塗布性およびガスバリア性の向上の目的で、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、天然パラフィン、合成パラフィン、ポリエチレン等の脂肪族炭化水素系化合物;ステアリン酸、ラウリン酸、ヒドロキシステアリン酸、硬化ひまし油などの脂肪酸系化合物;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ベヘニン酸アミド、リシノール酸アミド、オキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスベヘニン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド系化合物;ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の炭素数12〜30の脂肪酸金属塩;グリセリン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコールの脂肪酸(部分)エステル系化合物、ステアリン酸ブチルエステル、モンタンワックス等の長鎖エステルワックス等の脂肪酸エステル系化合物;および、これらを複合した複合化合物の群から選択される1種以上を添加することが好ましい。
上記塗工剤に添加する化合物の中でも、脂肪酸系化合物、脂肪酸アミド系化合物および脂肪酸エステル系化合物が好ましく、より好ましくは脂肪酸アミド系化合物である。塗工剤に添加する化合物の配合量は、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、オキサゾリン系樹脂、架橋剤成分などの合計100重量部に対し、通常0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。添加量が0.05重量部未満の場合、ガスバリア性の向上効果が少なく、印刷外観は低下することがあり、20重量部を超える場合、塗工層(C)と無機薄膜(B)との密着性が低下することがある。
塗工層(C)には、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、フィラー、着色剤、安定剤、消泡剤、架橋剤、耐ブロッキング剤、酸化防止剤などの公知の添加剤を添加することが出来る。
塗工層(C)の厚さは、通常0.05〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。塗工層(C)の厚さが0.05μm未満の場合、印刷による無機薄膜(B)のダメージを防ぐことが出来ない場合があり、5μmを超えた場合、印刷インキの転写性が悪化することがある。
本発明のガスバリア性積層体は、塗工層(C)上に印刷層を形成し、更に、他のプラスチック基材や紙基材を積層することが可能である。印刷層を形成する印刷インクとしては、水性および溶媒系の樹脂含有印刷インクが使用できる。ここで、印刷インクに使用される樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル共重合樹脂およびこれらの混合物が例示される。更に、印刷インクに、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、消泡剤、架橋剤、耐ブロッキング剤、酸化防止剤などの公知の添加剤を添加してもよい。
印刷層を設けるための印刷方法としては、特に限定されず、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの公知の印刷方法が使用できる。印刷後の溶媒の乾燥には、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線乾燥など公知の乾燥方法が使用できる。
印刷層の上に積層する他のプラスチック基材に、ヒートシールが可能な樹脂を使用することにより、ヒートシールが可能となり、種々の容器、特にレトルト用容器として使用できる。すなわち、プラスチック基材(A)/無機薄膜(B)/塗工層(C)/印刷層/ヒートシールが可能な他のプラスチック基材(ヒートシール層)の構成を有する積層体(以降、ガスバリア性フィルムと称す)において、ヒートシールが可能な他のプラスチック基材を(レトルト用)容器の内側層として使用することにより、優れたガスバリア性を有する(レトルト用)容器を得ることが出来る。
また、印刷層とヒートシール層との間に紙またはプラスチックフィルムを少なくとも1層以上積層してもよい。プラスチックフィルムとしては、プラスチック基材(A)を構成するプラスチックから成るフィルムが使用できる。中でも、充分な積層体の剛性および強度を得る観点から、紙、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂および生分解性樹脂が好ましい。中でも、印刷層とヒートシール層との間に延伸ポリアミド樹脂層を積層することにより、熱水処理後のガスバリア性が良好となる。そのため、延伸ポリアミド樹脂層の127℃熱水収縮率が15%以下であることが好ましい。熱水収縮率が15%を超えると、熱水処理における寸法変化の応力により、バリア性や密着性が低下する場合がある。
上記ヒートシールが可能な樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂、EAA樹脂、EMAA樹脂、EMA樹脂、EMMA樹脂、EEA樹脂、生分解樹脂などの公知の樹脂が例示される。印刷層へのヒートシール層の積層方法としては、接着剤を使用するドライラミネート法や接着性樹脂を使用する押出ラミネート法が採用できる。
本発明のガスバリア性積層体に印刷層およびヒートシール層を積層したガスバリアフィルムの酸素透過率は、通常25fmol/m/s/Pa以下、好ましくは10fmol/m/s/Pa以下であり、下限は通常0.025fmol/m/s/Pa以上である。なお、本発明のガスバリア性積層体(プラスチック基材(A)/無機薄膜(B)/塗布層(C)の構成)の酸素透過率は、上述の様に25fmol/m/s/Pa以下であり、これらのガスバリア性積層体およびガスバリア性フィルムは、高ガスバリア性フィルムの範疇のものである。本発明のガスバリア性積層体およびガスバリア性フィルムは、所謂レトルト処理と呼ばれる条件下で加圧熱水処理を行っても、ガスバリア性の低下が少ないという特徴を有する。特に、本発明のガスバリア性積層体に加熱処理を施すことにより、上記特性を効果的に付与することが出来る。
具体的には、プラスチック基材(A)に無機薄膜(B)を積層後に加熱処理を行ったり、塗工層(C)を積層して本発明のガスバリア性積層体を得た後に加熱処理を行ったり、あるいは、他のプラスチックフィルム及び/又は紙を積層し、加熱処理を行なうことにより、ガスバリア性フィルムとすることが出来る。得られたガスバリア性フィルムに対して120℃、30分の熱水処理を行った後のガスバリア性積層体の酸素透過率が、50fmol/m/s/Pa以下、好ましくは25fmol/m/s/Pa以下、より好ましくは10fmol/m/s/Pa以下、特に好ましくは5fmol/m/s/Pa以下である。
上記加熱処理は、通常ガスバリア性フィルムの状態またはガスバリア性積層体の状態で行う。ガスバリア性フィルムとしてから加熱処理する方法の場合、ガスバリア性フィルムを袋、容器などへ二次加工してから加熱処理する方法、当該二次加工品に内容物を入れてから加熱処理する方法の何れも採用できる。加熱処理は、ガスガリア性フィルムやガスバリア性積層体を構成する要素の種類や厚さ等により条件が異なるが、必要な時間、必要な温度に保てる方法であれば特に限定されない。例えば、必要な温度に設定したオーブンや恒温室で保管する方法、熱風を吹きつける方法、赤外線ヒーターで加熱する方法、ランプで光を照射する方法、熱ロールや熱板と接触させて直接的に熱を付与する方法、マイクロ波を照射する方法などが例示される。また、取り扱いが容易な大きさにフィルムを切断してから加熱処理しても、フィルムロールのままで加熱処理してもよい。更に、必要な時間と温度が得られるのであれば、コーター、スリッター等のフィルム製造装置の一部分に加熱装置を組込み、製造過程で加熱処理を行なってもよい。
上記加熱処理の処理温度は、通常60℃以上で、且つ使用するプラスチック基材(A)及びプラスチックフィルムの融点以下の温度であれば特に限定されず、下限は好ましくは70℃、上限は通常200℃、好ましくは160℃である。処理温度が60℃未満の場合、熱処理の効果が発現するのに必要な処理時間が極端に長くなり現実的でない。加熱処理の時間は、処理温度が高くなるほど短くなる傾向にある。処理温度が高い場合、ガスガリア性フィルム又はガスバリア性積層体の構成要素が熱分解してガスバリア性が低下する恐れがあるので、処理時間を短くすることが好ましい。加熱処理条件としては、例えば、処理温度が60℃の場合、処理時間は3日から6月程度、処理温度が80℃の場合、処理時間3時間から10日程度、処理温度が120℃の場合、処理時間1時間から1日程度、処理温度が150℃の場合、処理時間3〜60分程度であるが、これらは単なる目安であって、ガスガリア性フィルムやガスバリア性積層体を構成する要素の種類や厚さ等により異なる。
本発明のガスバリア性積層体およびガスバリア性フィルムにおいて、120℃、30分の加圧熱水処理後におけるプラスチック基材(A)と無機薄膜(B)との密着強度は、上記熱処理の有無に拘わらず、通常100g/15mm以上、好ましくは200g/15mm以上である。なお、上記熱処理を行なわない場合は、アンカーコート層を設けることにより上記と同様の密着強度が達成される。また、本発明のガスバリア性積層体に印刷層およびヒートシール層を設けた積層体およびフィルムにおいて、120℃、30分の加圧熱水処理後における印刷層とポリエステル樹脂層との密着強度は、通常100g/15mm以上、好ましくは200g/15mm以上である。更に、本発明のガスバリア性積層体およびガスバリア性フィルムの加圧熱水処理前後の収縮率は、通常3%以下、好ましくは2%以下である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例に於て使用した測定方法を以下に記す。
(1)酸素透過率(fmol/m/s/Pa):
ASTM−D3985に準処して、酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製「OX−TRAN100」)を使用し、温度25℃、相対湿度80%の条件下で測定した。評価基準を以下に示す。
Figure 2006068967
(2)密着強度:
プラスチック基材/表面改質層/無機薄膜/塗工層/印刷層/接着剤層/他のプラスチックフィルムの積層体から成り、幅15mm、長さ100mmの短冊状フィルムであって、積層体の調製時(ラミネート時)に、長さ方向の1/2の部分(すなわち、幅15mm、長さ50mmの部分)に離型紙から成るスペーサーを介在させて接着剤層の不存在領域を形成して成る短冊状フィルムを試料フィルムとして使用した。そして、接着剤層の不存在領域側から、プラスチック基材/表面改質層/無機薄膜/塗工層/印刷層側(A側)と他のプラスチックフィルム側(B側)とから剥離するT型剥離試験を行った。すなわち、23℃50%RHの環境下、オートグラフ(JIS K 7127に準じる試験装置、島津製作所社製「DSS−100」)の固定掴み具と可動掴み具とに上記のA側とB側の夫々の端部を掴み、掴み具間距離60mmで取り付け、引っ張り速度300mm/minで可動掴み具を30mm移動させ、この間に歪み計に記録させた引張荷重の波状曲線から中心線の値を求め、試験片3本における平均値を求めた。評価基準を以下に示す。
Figure 2006068967
(3)階調印刷性:
印刷インキとしてグラビアインキを使用し、印刷機として富士機械工業社製「FE−185」を使用し、印刷速度100m/分で、黒、藍、赤、黄色、白の5色から成る印刷模様(網点)を塗工層に形成し、印刷模様の網点の濃度再現性を見て階調印刷性を評価した。なお、評価基準としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムへの印刷模様を使用した。評価基準を以下に示す。
Figure 2006068967
(4)ナノインデント法による塗工層(C)の硬度測定:
走査型プローブ顕微鏡(Digital Instruments社製「NanoscopeIIIa」)と、当該顕微鏡に接続した超軽荷重薄膜硬度テスタ(Hysitron Inc.社製、「Triboscope system」)とを使用し、以下の条件で測定した。
Figure 2006068967
(5)塗工層(C)の表面を構成する炭素の数に対するカルボキシル基に由来する炭素の数の比:
X線光電子分光分析装置(VG社製、「220iKL」)を使用し、以下の条件で分析した。
Figure 2006068967
なお、カルボキシル基気相化学修飾は、デシケータ中、空気雰囲気下、ピリジンとジシクロヘキシルカルボジイミドを触媒とし、トリフルオロエタノールにより表面カルボキシル基のエステル化を行いラベル化した。標準試料としてポリアクリル酸フィルムを使用し、ガスバリア性積層体と同時に気相化学修飾処理した。標準試料からトリフルオロエタノールとの反応率と、反応触媒のジシクロヘキシルカルボジイミドの残留率とを求め、J.Polym.Sci.,Part A,Vol.26,p.559−572(1988)及び特許第3139522号明細書に記載の算出方法により、塗工層表面を構成する炭素の数に対するカルボキシル基に由来する炭素の数の比(COOH/C)を算出した。
アンカーコート層用樹脂A(水性アクリル樹脂)の製造:
アクリル酸エチル40重量部、メタクリル酸メチル30重量部、メタクリル酸20重量部およびグリシジルメタクリレート10重量部から成る混合モノマーをエタノール中で溶液重合した。重合後水を添加しつつ加熱し、エタノールを除去した。アンモニア水でpH7.5に調節し、水性アクリル系樹脂塗料を得た。
アンカーコート層用樹脂B(水性ポリウレタン樹脂)の製造:
テレフタル酸664重量部、イソフタル酸631重量部、1,4−ブタンジオール472重量部およびネオペンチルグリコール447重量部を原料とし、ポリエステルポリオールを得た。得られたポリエステルポリオールに、アジピン酸321重量部、ジメチロールプロピオン酸268重量部を添加し、ペンダントカルボキシル基含有ポリエステルポリオールAを得た。得られたポリエステルポリオールA1880重量部にヘキサメチレンジイソシアネート160重量部を添加し、水性ポリウレタン系樹脂水性塗料を得た。
塗工樹脂C(アルコキシシリル基含有樹脂)の製造:
ポリエステルポリオール(クラレ社製、「クラポールP2010」)148重量部およびポリエステルポリオール(ダイセル化学工業社製、「プラクセル220」)222重量部に、イソホロジンジイソシアネート102.7重量部および3−アミノプロリルトリエトキシシラン27.2重量部を添加し、アルコキシシリル基含有ポリウレタン塗料を得た。
蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの製造:
ポリエチレンテレフタレート(PET、溶融粘度=0.65)を290℃の温度でTダイより押出し、冷却ドラムで急冷し、厚さ150μmの未延伸PETシートを得た。得られたPETシートを95℃で3.5倍縦方向に延伸した後、オキサゾリン基含有ポリマー(日本触媒社製「エポクロスWS−500」)60重量%、アンカーコート層用樹脂A(水性アクリル樹脂)20重量%、アンカーコート層用樹脂B(水性ポリウレタン樹脂)20重量%から成る混合樹脂の水溶液をインラインコーティング法により塗布し、110℃で3.5倍横方向に延伸し、230℃で熱処理し、上記混合樹脂から成る厚さ0.1μmのアンカーコート層を有する厚さ12.1μmの二軸延伸PETフィルムを得た。
次いで、アンカーコート層上に、真空蒸着装置を使用し、高周波加熱方式により酸化珪素蒸着させ、厚み約10nmの酸化珪素から成る無機薄膜層を形成し、酸化珪素蒸着PETフィルムを得た。同様に、蒸着材料をアルミニウムに変更し、酸素導入して厚み約10nmの酸化アルミニウムから成る無機薄膜層を形成し、酸化アルミニウム蒸着PETフィルムを得た。得られた酸化珪素蒸着PETフィルムの酸素透過率は11fmol/m/s/Paであり、酸化アルミニウム蒸着PETフィルムの酸素透過率は9fmol/m/s/Paであった。
蒸着ナイロンフィルムの製造:
再生ナイロン6を50重量%含有するナイロン6(三菱化学社製「ノバミッド 1020」、相対粘度=3.5)を230℃の温度でTダイより押出し、冷却ドラムで急冷し、厚さ144μmの未延伸ナイロンシートを得た。得られたナイロンシートを60℃で3倍縦方向に延伸した後、オキサゾリン基含有ポリマー(日本触媒社製「エポクロスWS−500」)60重量%、アンカーコート層用樹脂A(水性アクリル樹脂)20重量%、アンカーコート層用樹脂B(水性ポリウレタン樹脂)20重量%から成る混合樹脂の水溶液をインラインコーティング法により塗布し、90℃で3倍横方向に延伸し、205℃で熱処理し、フイルム厚16μmの2軸延伸ナイロンフイルムを得た。
次いで、アンカーコート層上に、真空蒸着装置を使用し、高周波加熱方式により酸化珪素を蒸着させ、厚み約10nmの酸化珪素から成る無機薄膜層を形成し、蒸着ナイロンフィルムを得た。この蒸着ナイロンフィルムの酸素透過率は25fmol/m/s/Paであった。
実施例1:
酸化珪素蒸着PETフィルムの酸化珪素薄膜上に、塗工剤を塗工した後、100℃で60秒乾燥し、0.5μmの塗工層を形成した。塗工剤は、ガラス転移温度60℃、分子量8000、酸価23mgKOH/gのポリエステル樹脂10重量部、ガラス転移温度75℃、分子量8000、酸価20mgKOH/gのポリウレタン樹脂10重量部、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1重量部、脂肪酸アミド系化合物としてステアリン酸アミド1重量部およびトルエン部39重量部、メチルエチルケトン(MEK)39重量部から成り、ポリイソシアネートとして日本ポリウレタン社製「コロネートL」を水酸基価当量の合計に対して1.2倍添加した。得られた蒸着PETフィルムの酸素透過率は6fmol/m/s/Paであった。
上記の蒸着PETフィルムの塗工層上に、印刷インキとしてグラビア印刷用インキを使用し、黒、藍、赤、黄色、白の5色からなる印刷模様を形成し印刷模様の転写性を評価した。
さらに、上記の蒸着PETフィルムの印刷層上に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製「AD−900」と「CAT−RT85」とを10:1.5の割合で混合)を塗布して乾燥させ、厚さ4μmの接着樹脂層を形成した。この接着樹脂層上に、厚さ50μmの未延伸ポリプロピレン(PP)フィルム(東レ合成フィルム社製「トレファンNO ZK−93K」)を積層し、PETフィルム/無機薄膜層/塗工層/印刷層/接着樹脂層/PPフィルムの層構成を有する透明積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを40℃で3日間エージングを行って評価用フィルムとし、酸素透過率および密着強度の評価を行った。さらに、評価用フィルムに対し、オートクレーブ中、120℃、30分の熱水処理を行い、熱水処理後の酸素透過率および密着強度を測定した。評価結果を表6に示す。
実施例2:
実施例1において、塗工剤で使用するポリエステル樹脂として、ガラス転移温度65℃、分子量15000、酸価10mgKOH/gのポリエステル樹脂に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した。評価結果を表6に示す。
実施例3:
実施例1において、塗工剤で使用するポリエステル樹脂として、ガラス転移温度85℃、分子量30000、酸価15mgKOH/gのポリエステル樹脂に変更し、塗工剤に使用するポリウレタン樹脂として、ガラス転移温度57℃、分子量3000、酸価42mgKOH/gのポリウレタン樹脂に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表6に示す。
実施例4:
実施例1において、塗工剤で使用するポリエステル樹脂として、ガラス転移温度85℃、分子量30000、酸価15mgKOH/gのポリエステル樹脂に変更し、塗工剤に使用するポリウレタン樹脂として、ガラス転移温度65℃、分子量15000、酸価10mgKOH/gのウレタン樹脂に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表6に示す。
実施例5:
実施例1において、塗工層の厚みを0.1μmに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表7に示す。
実施例6:
実施例1において、塗工層の厚みを3μmに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表7に示す。
実施例7
実施例1において得られたPETフィルム/無機薄膜層/塗工層/印刷層から成るフィルムの印刷層上に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製「AD−900」と「CAT−RT85」とを10:1.5の割合で混合)を塗布して乾燥させ、厚さ4μmの接着樹脂層を形成した。この接着樹脂層上に、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(三菱樹脂社製「サントニールSNR」)を積層した。さらに、二軸延伸ナイロンフィルム上に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製「AD−900」と「CAT−RT85」とを10:1.5の割合で混合)を塗布して乾燥させ、厚さ4μmの接着樹脂層を形成した。この接着樹脂層上に、厚さ50μmの未延伸ポリプロピレン(PP)フィルム(東レ合成フィルム社製「トレファンNO ZK−93K」)を積層し、PETフィルム/無機薄膜層/塗工層/印刷層/接着樹脂層/ナイロンフィルム/接着樹脂層/PPフィルムの層構成を有する透明積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを40℃で3日間エージングを行って評価用フィルムとし、酸素透過率および密着強度の評価を行った。さらに、評価用フィルムに対し、オートクレーブ中、120℃、30分の熱水処理を行い、熱水処理後の酸素透過率および密着強度を測定した。評価結果を表7に示す。
実施例8:
実施例1において、酸化珪素蒸着PETフィルムを150℃のオーブン中で30分間熱処理行った以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表7に示す。
実施例9:
実施例1において、酸化珪素蒸着PETフィルムの代りに酸化アルミニウム蒸着PETフィルムを使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表8に示す。
実施例10:
実施例1において、プラスチック基材を厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(三菱樹脂社製「サントニールSNR」、(ONY))に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表8に示す。
実施例11:
酸化珪素蒸着PETフィルムのアンカーコート層を形成する混合樹脂組成について塗工樹脂A(アクリル樹脂)40重量%、塗工樹脂B(ポリウレタン樹脂)40重量%、オキサゾリン基含有ポリマー(日本触媒社製「エポクロスWS−500」)20重量%に変更し、酸化珪素蒸着PETフィルムを作成した。この酸化珪素蒸着PETフィルムを使用して実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表8に示す。
実施例12:
実施例11で使用した酸化珪素蒸着PETフィルムを使用して実施例1と同様の操作を行い、PETフィルム/無機薄膜層/塗工層/印刷層から成るフィルムを作成した。得られたフィルムの印刷層上に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製「AD−900」と「CAT−RT85」とを10:1.5の割合で混合)を塗布して乾燥させ、厚さ4μmの接着樹脂層を形成した。この接着樹脂層上に、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(三菱樹脂社製「サントニールSNR」)を積層した。さらに、二軸延伸ナイロンフィルム上に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製「AD−900」と「CAT−RT85」とを10:1.5の割合で混合)を塗布して乾燥させ、厚さ4μmの接着樹脂層を形成した。この接着樹脂層上に、厚さ50μmの未延伸ポリプロピレン(PP)フィルム(東レ合成フィルム社製「トレファンNO ZK−93K」)を積層し、PETフィルム/無機薄膜層/塗工層/印刷層/接着樹脂層/ナイロンフィルム/接着樹脂層/PPフィルムの層構成を有する透明積層フィルムを得た。得られた積層フィルムに対し、150℃のオーブン中で、30分間熱処理行って評価用フィルムとし、酸素透過率および密着強度の評価を行った。さらに、評価用フィルムに対し、オートクレーブ中、120℃、30分の熱水処理を行い、熱水処理後の酸素透過率および密着強度を測定した。評価結果を表8に示す。
実施例13:
実施例1において、塗工剤として塗工樹脂C(アロコキシシリル基含有ポリウレタン樹脂)100重量部とメトキシシラン部分縮合体(三菱化学社製、「MS51」)2重量部から成る加水分解した混合塗工剤を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表9に示す。
比較例1:
実施例1において、塗工剤100重量部に、平均粒径0.5μmの鱗片状シリカを20重量部添加した以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表9に示す。
比較例2:
実施例11において、塗工剤100重量部に、平均粒径10nmのシリカゾルを50重量部添加した以外は実施例11と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表9に示す。
比較例3:
実施例1の塗工剤で使用するポリエステル樹脂として、ガラス転移温度57℃、分子量3000、酸価42mgKOH/gのポリエステル樹脂に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表9に示す。
比較例4:
実施例1の塗工剤で使用するポリエステル樹脂として、塗工剤中のポリエステル樹脂をガラス転移温度82℃、分子量15000、酸価18mgKOH/gのポリエステル樹脂に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表10に示す。
比較例5:
実施例11において、塗工剤としてウレタン樹脂85重量部、オキサゾリン樹脂15重量部から成る塗工剤を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表10に示す。
比較例6:
実施例1において、塗工層を設けなかった以外は実施例1と同様の操作を行い、評価用フィルムを作成した。得られた評価用フィルムに対し、実施例1と同様の熱水処理後を施し、熱水処理前後の酸素透過率および密着強度を測定した、評価結果を表10に示す。
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Claims (14)

  1. プラスチック基材(A)と、当該プラスチック基材(A)の少なくとも片面に形成された無機薄膜(B)と、当該無機薄膜(B)の表面に形成された塗工層(C)とから成るガスバリア性積層体であって、23℃の大気中においてナノインデント法により測定した塗工層(C)の硬度が0.1〜0.5GPaであり、塗工層(C)上に厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを積層して成るガスバリア性積層体に対し、120℃で30分間の熱水処理を行った後のガスバリア性積層体の酸素透過率が50fmol/m/s/Pa以下であることを特徴とするガスバリア性積層体。
  2. プラスチック基材(A)と、当該プラスチック基材(A)の少なくとも片面に形成された無機薄膜(B)と、当該無機薄膜(B)の表面に形成された塗工層(C)とから成るガスバリア性積層体であって、23℃の水中においてナノインデント法により測定した塗工層(C)の硬度が0.03〜0.5GPaであり、塗工層(C)上に厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを積層して成るガスバリア性積層体に対し、120℃で30分間の熱水処理を行った後のガスバリア性積層体の酸素透過率が50fmol/m/s/Pa以下であることを特徴とするガスバリア性積層体。
  3. プラスチック基材(A)と、当該プラスチック基材(A)の少なくとも片面に形成された無機薄膜(B)と、当該無機薄膜(B)の表面に形成された塗工層(C)とから成るガスバリア性積層体であって、塗工層(C)の表面を構成する炭素の数に対するカルボキシル基に由来する炭素の数の比が0.005〜0.1であり、塗工層(C)上に厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを積層して成るガスバリア性積層体に対し、120℃で30分間の熱水処理を行った後のガスバリア性積層体の酸素透過率が50fmol/m/s/Pa以下であることを特徴とするガスバリア性積層体。
  4. 塗工層(C)の表面を構成する炭素の数に対するカルボキシル基に由来する炭素の数の比が0.005〜0.1である請求項1又は2に記載のガスバリア性積層体。
  5. 塗工層(C)が、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、オキサゾリン基含有樹脂およびこれらの共重合体樹脂の群から選択される1種以上の樹脂から形成される請求項1〜4の何れかに記載のガスバリア性積層体。
  6. 塗工層(C)の表面に印刷を施し、更に厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを積層したガスバリア性積層体に対し、120℃で30分間の熱水処理を行った後のガスバリア性積層体の酸素透過率が50fmol/m/s/Pa以下である請求項1〜5の何れかに記載のガスバリア性積層体。
  7. 塗工層(C)が、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、オキサゾリン基含有樹脂およびこれらの共重合樹脂の群から選択される1種以上の樹脂にて形成される請求項1〜6の何れかに記載のガスバリア性積層体。
  8. 無機薄膜(B)が、酸化珪素、酸化アルミニウム、ダイアモンド状炭素またはこれらの混合物から成る物理蒸着膜または化学蒸着膜である請求項1〜8の何れかに記載のガスバリア性積層体。
  9. プラスチック基材(A)と無機薄膜(B)との間にアンカーコート層を有する請求項1〜7の何れかに記載のガスバリア性積層体。
  10. アンカーコート層が、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、オキサゾリン基含有樹脂およびこれらの共重合樹脂の群から選択される1種以上の樹脂にて形成される請求項9に記載のガスバリア性積層体。
  11. 塗工層(C)表面に印刷層を形成し、当該印刷層の表面にヒートシール層を積層した請求項1〜10の何れかに記載のガスバリア性積層体。
  12. 印刷層とヒートシール層との間に紙またはプラスチック基材を少なくとも1層以上積層した請求項11に記載のガスバリア性積層体。
  13. プラスチック基材がポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂またはこれらの混合物から成る請求項12記載のガスバリア性積層体。
  14. 請求項1〜13に記載のガスバリア性積層体に60℃以上の加熱処理を施した請求項1〜13の何れかに記載のガスバリア性積層体。
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