JP2012218377A - 積層フィルムおよび輸液バック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、基材フィルム1と、ガスバリア層と、接着層5と、ポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルム6を、該順に積層した積層フィルムであって、ガスバリア層は、第一の有機層2、無機層3および第二の有機層4が該順に互いに接して積層した構造を有し、第二の有機層4が接着層5に接しており、第二の有機層の厚さをaとし第一の有機層の厚さをbとしたときにa/b≧2であり、第一の有機層および第二の有機層のガラス転移温度が70℃以上で、かつ、ポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムの融点よりも高い、積層フィルム。
【選択図】図1
Description
(1)少なくとも、基材フィルムと、ガスバリア層と、接着層と、ポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムを、該順に積層した積層フィルムであって、
ガスバリア層は、第一の有機層、無機層および第二の有機層が該順に互いに接して積層した構造を有し、
第二の有機層が接着層に接しており、
第二の有機層の厚さをaとし第一の有機層の厚さをbとしたときにa/b≧2であり、
第一の有機層および第二の有機層のガラス転移温度が70℃以上で、かつ、ポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムの融点よりも低い、積層フィルム。
(2)第一の有機層および第二の有機層が、それぞれ、リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを含む重合性組成物を硬化させることによって得られる(1)に記載の積層フィルム。
(3)接着層と樹脂フィルムが隣接している、(1)または(2)に記載の積層フィルム。
(4)前記ガスバリア層が、さらに、無機層を有する、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の積層フィルム。
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の積層フィルムのポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムを、最外層がポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムからなるバッグとヒートシールにより接合した輸液バック。
(6)前記輸液バックが複式である、(5)に記載の輸液バック。
(7)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の積層フィルムの樹脂フィルムを、最外層がポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムからなるバッグとヒートシールにより接合することを含む、輸液バックの製造方法。
(8)前記接合を、0.01〜5MPaの圧力をかけて行う、(7)に記載の輸液バックの製造方法。
本発明の積層フィルムは、少なくとも、基材フィルムと、ガスバリア層と、接着層と、ポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルム(以下、単に、「樹脂フィルム」ということがある)を、該順に積層した積層フィルムであって、ガスバリア層は、第一の有機層、無機層および第二の有機層が該順に互いに接して積層した構造を有し、第二の有機層が接着層に接しており、第二の有機層の厚さをaとし第一の有機層の厚さをbとしたときにa/b≧2であり、第一の有機層および第二の有機層のガラス転移温度が70℃以上で、かつ、ポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムの融点よりも低いことを特徴とする。好ましくは、融点よりも、3〜50℃低い場合であり、より好ましくは、10〜30℃低い場合である。
本実施形態では、ガスバリア層は、第一の有機層、無機層および第二の有機層の3層から構成されている。しかしながら、ガスバリア層は、さらに、無機層および/または有機層が積層されていてもよい。本発明では、接着層が第二の有機層に、第二の有機層が上記無機層に、上記無機層が第一の有機層に接していることが必要であるため、さらなる有機層および/または無機層が設けられる場合、基材フィルムと第一の有機層の間に設けられる。
ガスバリア層は、該ガスバリア層を構成する有機層および無機層が、いずれも、互いに一層ずつ交互に積層していることが好ましい。ガスバリア層の総数は、3〜20層が好ましい。
以下、基材フィルム、有機層、無機層、接着層および樹脂フィルムについて詳細に説明する。
本発明で用いる基材フィルムは、通常、プラスチックフィルムであり、特開2009−172993号公報の段落番号0009〜0012に記載のものを好ましく採用できる。基材フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムであることが好ましい。
基材フィルムの厚さは、5〜150μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
本発明におけるバリア層は、第一の有機層と第二の有機層を有する。第一の有機層は、例えば、無機層の下地となるアンダーコート層としての役割を果たすもので有り、第二の有機層とはその機能が異なる。本発明では、第一の有機層と第二の有機層を同じ材料から形成することもできるし、異なる材料から形成することもできる。
有機ポリマーとしては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステルおよびアクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂、あるいはポリシロキサン等の有機珪素ポリマーなどが挙げられる。
(重合性化合物)
重合性化合物は、好ましくは、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物であり、より好ましくは、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物、および/または、エポキシまたはオキセタンを末端または側鎖に有する化合物である。これらのうち、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物が好ましい。エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の例としては、(メタ)アクリレート系化合物、アクリルアミド系化合物、スチレン系化合物、無水マレイン酸等が挙げられ、(メタ)アクリレート系化合物および/またはスチレン系化合物が好ましく、(メタ)アクリレート系化合物がさらに好ましく、多官能(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、4−ヒドロキシスチレン、4−カルボキシスチレン等が好ましい。
本発明で用いる有機層を形成するための重合性組成物には、リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを含んでいることが好ましい。リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートモノマーは、以下の一般式(1)で表される重合性化合物がより好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜9がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。
アルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。アルキル基は、直鎖状であっても分枝状であっても環状であっても構わないが、好ましいのは直鎖アルキル基である。アルキル基は、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基などで置換されていてもよい。
アリール基の炭素数は、6〜14が好ましく、6〜10がより好ましい。アリール基の具体例として、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が挙げられる。アリール基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基などで置換されていてもよい。
アルコキシ基のアルキル部分、アリールオキシ基のアリール部分については、上記アルキル基とアリール基の説明をそれぞれ参照することができる。
以下において、リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの具体例を示すが、本発明で用いることができる重合性化合物はこれらに限定されない。
本発明における有機層を、重合性化合物を含む重合性組成物を塗布硬化させて作成する場合、該重合性組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。光重合開始剤を用いる場合、その含量は、重合性化合物の合計量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜2モル%であることがより好ましい。重合開始剤の好ましい例としては、特開2010−089502号公報の段落番号0057に記載のものが好ましい。
有機層の形成方法としては、特に定めるものではないが、特開2010−089502号公報の段落番号0058および0059に記載の方法が好ましい。
第二の有機層が上記鉛筆硬度の条件を満たすことが好ましく、第一の有機層および第二の有機層の両方が上記鉛筆硬度の条件を満たすことがより好ましい。
第二の有機層の厚さは、該有機層がクッション層としての役割を果たすことから0.1μm以上であることが好ましく、0.3〜10μmがより好ましく、0.5〜5μmがさらに好ましく、1〜5μmがよりさらに好ましく、1.8〜3μmが特に好ましい。
特に、第二の有機層の厚さを0.3μm以上とすることにより、有機層のクッション性が優れ、結果として総合的により優れた積層フィルムを得ることが可能になる。
第一の有機層の厚さは、150nm以上が好ましく、0.3〜10μmがより好ましく、0.5〜5μmがさらに好ましく、0.8〜2μmが特に好ましい。
無機層は、通常、金属化合物からなる薄膜の層である。無機層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)、種々の化学的気相成長法(CVD)、めっきやゾルゲル法等の液相成長法がある。無機層に含まれる成分は、上記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化窒化物または金属酸化炭化物であり、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、またはTaから選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物などを好ましく用いることができる。これらの中でも、Si、Al、In、Sn、Zn、Tiから選ばれる金属の酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましく、特にSiまたはAlの金属酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましい。これらは、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。
本発明により形成される無機層の平滑性は、1μm角の平均粗さ(Ra値)として1nm未満であることが好ましく、0.5nm以下がより好ましい。無機層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
有機層と無機層の積層は、所望の層構成に応じて有機層と無機層を順次繰り返し製膜することにより行うことができる。
本発明では、樹脂フィルムとガスバリア層を貼り合わせるために接着層を設ける。さらに、他の機能性フィルムを有する場合には、該フィルムを貼り合わせるためにも接着層を用いてもよい。
接着層に含まれる接着剤としては、エポキシ樹脂系接着剤およびポリウレタン系接着剤、エチレン酢酸ビニル系接着剤、アクリル樹脂系接着剤などが例示され、ポリウレタン系接着剤が好ましい。また、接着層には、接着剤以外の成分を含んでいても良いが、これらの成分は全体の1重量%以下であることが好ましい。
接着層の厚さは、0.1〜50μmが好ましく、1〜30μmが好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
本発明におけるポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムとは、ポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂フィルムである。他の樹脂を含んでいても良いが、通常は、樹脂成分の99重量%以上がポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂である。樹脂フィルムには、各種添加剤が添加されていてもよいが、樹脂フィルムは透明であることが好ましい。ここで、透明とは、光透過率で50%以上であることを示し、好ましくは70%以上あることをいう。
樹脂フィルムの融点は、90〜165℃であることが好ましい。
樹脂フィルムの厚みは、1〜100μmが好ましく、2〜70μmがより好ましい。
本発明では、樹脂フィルムからなるバックを構成する樹脂フィルムと、樹脂フィルムからなるバックに接合する樹脂フィルムが異なっていても良いし、同じであってもよい。本発明では、ヒートシールで融着することから、樹脂フィルムからなるバックを構成する樹脂フィルムと、樹脂フィルムからなるバックに接合する樹脂フィルムの両方の組成の95質量%以上が共通することが好ましい。
本発明の輸液バックは、本発明の積層フィルムの樹脂フィルムを、最外層がバッグとヒートシールにより接合したものである。ヒートシール温度は、通常、本発明の積層フィルムが有する樹脂フィルムの融点から定めることができる。通常、ヒートシール温度は、本発明の積層フィルムが有する樹脂フィルムの融点である。樹脂フィルムがポリプロピレンの場合、ヒートシールの温度は、好ましくは、160〜220℃である。
また、ヒートシールする時間は、通常、0.2〜0.5秒である。ヒートシールする圧力は、好ましくは、0.01〜5MPaである。従前の積層フィルムでは、このような圧力でヒートシールすると有機層がダメージを受けていたが本発明の積層フィルムではこのような問題が無い点で有意である。本発明では、ヒートシールを、積層フィルムの全体に行っても、バリア性が維持されるため、強固に、樹脂フィルムからなるバックと接合することが可能になる。
本発明で用いる樹脂フィルムからなるバックは、最外層がポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムからなるものである。他の樹脂を含んでいても良いが、通常は、樹脂成分の99重量%以上がポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂である。樹脂フィルムには、各種添加剤が添加されていてもよいが、樹脂フィルムは透明であることが好ましい。ここで、透明とは、光透過率で50%以上であることを示し、好ましくは70%以上あることをいう。
樹脂フィルムからなるバックは、輸液を保存できる限り、その他の詳細な要件は適宜定めることができる。樹脂フィルムからなるバックの一例として、2枚の樹脂フィルムを接合してなるバックおよび1枚の樹脂フィルムを2つ折りにして接合してなるバックが挙げられる。
通常は、液体排出口を除いて、樹脂フィルムの端部が完全に接合されている。
樹脂フィルムからなるバックの樹脂フィルムの厚さは、20〜200μmが好ましい。
2枚の樹脂フィルムを接合してなるバックの場合、2枚の樹脂フィルムは、それぞれ異なるフィルムであってもよいが、同じフィルムであることが好ましい。同じフィルムの場合、ヒートシール法で貼り付ける場合に、容易に貼り付けることが可能になる。
本発明で用いる輸液バックは、バックが1つである単式であっても、バックが2つ以上ある複式であってもよい。複式の場合、例えば、粉体収容室と、該粉体収容室と容易に剥離可能な隔壁で区切られた液体収容室からなる複式バックが例示される。この場合、使用直前に、隔壁を剥離し、粉体と液体を混合して、液体排出口から輸液を行う。この場合、粉体収容室に本発明の輸液バックを用いることが好ましい。
また、本発明の輸液バックおよび積層フィルムは、温度4℃、1気圧、相対湿度90%下で、水蒸気透過率0.01g/m2/日以下とすることができ、さらには、0.001g/m2/日以下とすることができる。
本発明の輸液バックおよび積層フィルムは、上記酸素透過率および水蒸気透過率の両方を満たすものとすることができる。
(ガスバリアフィルムの作成)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東レ社製、商品名:ルミラー、厚さ100μm、ガラス転移温度:78℃)の片面側に以下の手順でバリア性積層体を形成して評価した。
下記表1に示す重合性化合物14.1g、リン酸エステル基を有するアクリレート(日本化薬(株)製、KAYAMERシリーズ、PM−21)を1.0g、シランカップリング剤としてKBM−5103(信越化学工業(株)製)を3.5gおよび光重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)を1.4gを用意し、これらをメチルエチルケトン180gに溶解させて塗布液とした。この塗布液を、ワイヤーバーを用いて上記PETフィルムの平滑面上にワイヤーバーにて塗布した。室温にて2時間乾燥した後、窒素置換法により酸素濃度が0.1%となったチャンバー内にて高圧水銀ランプの紫外線を照射(積算照射量約2J/cm2)して有機層を硬化させた。有機層の厚さは、表2に示す厚さとなるようにした。尚、表における厚さの単位は、μmである。
次に、CVD装置を用いて、前記有機層の表面に無機層(窒化ケイ素層)を形成した。原料ガスとして、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)、および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源として、周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。製膜圧力は40Pa、到達膜厚は50nmであった。このようにして有機層の表面に無機層を積層した。
さらに、無機層の表面に、上記有機層の形成方法と同様に行って、さらに1層の有機層を積層した。有機層の厚さは、表2に示す厚さとなるようにした。
実施例13については、有機層は、重合性化合物EPICLON EXA−4816(DIC株式会社製)10g、硬化剤として酸無水物(MTHPA;無水メチルテトラヒドロフタル酸)8.5g、促進剤としてベンジルジメチルアミン(BDMA)0.1gを用意し、これらをメチルエチルケトン181.4gに溶解させて塗布液とした。この塗布液を、ワイヤーバーを用いて上記PETフィルムの平滑面上にワイヤーバーにて塗布し、100℃3時間加熱して有機層を硬化させた。
ガスバリアフィルムと樹脂フィルム(ポリプロピレンフィルム、東レフィルム加工製、厚み:30μm、融点:約161℃)を下記に示す層構成となるように、ポリウレタン系接着剤を用いて貼り合せて、積層フィルムを得た。接着層の厚みは、3μmとした。
PET/有機層/無機層/有機層/接着層/樹脂フィルム
得られた積層フィルムの樹脂フィルム側と、樹脂フィルムからなるバック(ポリエチレン製のバッグ)をヒートシール法によって融着し、輸液バックを作成した。ヒートシールは、180℃、0.1MPaで、1秒間、全面を加熱して行った。
サンプルを短冊状に切り出し動的粘弾性装置(EXSTAR DMS6100、セイコーインスツル製)で昇温速度3℃/分、周波数1Hzで測定し、tanδがピークになったときの温度をTgとした。
得られた輸液バックのうち、積層フィルムを設けた側について、カルシウム法によって、水蒸気透過率を測定した。すなわち、G.NISATO、P.C.P.BOUTEN、P.J.SLIKKERVEERらSID Conference Record of the International Display Research Conference 1435-1438頁に記載の方法を用いて水蒸気透過率(g/m2/day)を測定した。このときの温度は40℃、相対湿度は90%とした。結果を下記表に示した。
0.0005g/m2/day以下が検出限界である。実用レベルとしては、0.001g/m2/day以下である。
ガスバリアフィルムの硬さを評価する目的で、JIS K5600−5−4に準拠した鉛筆硬度試験を行なった。
鉛筆硬度がF以上の場合が実用レベルである。
ガスバリアフィルムの密着性を評価する目的で、JIS K5400に準拠した碁盤目試験を行なった。上記層構成を有するガスバリアフィルムの表面にそれぞれカッターナイフで膜面に対して90°の切込みを1mm間隔で入れ、1mm間隔の碁盤目を100個作製した。この上に2cm幅のマイラーテープ[日東電工製、ポリエステルテープ(No.31B)]を貼り付け、テープ剥離試験機を使用して貼り付けたテープをはがした。積層フィルム上の100個の碁盤目のうち剥離せずに残存したマスの数(n)をカウントした。
○:70マス以上。
△:50マス以上、70マス未満。
×:50マス未満。
得られた輸液バックに、薬剤として、セファゾリンナトリウム(大塚製薬工場製)を封入し、40℃相対湿度75%の条件で6ヶ月保存して色調の変化を評価した。
下記に従って評価した。
◎:色調に変化無し
○:部分的に僅かに色調が変化
△:全体に微黄色に変化
×:全体に黄色に変化
特定室が積層された複室容器の製造容器の隔壁機構がイージーピールオープン性を有するシールで構成される2室からなるポリエチレン製バッグの上室の片面を完全に覆うようにして、上記実施例1のそれぞれの積層フィルムを、樹脂フィルムを内側にして容器本体と密着するように重ね合わせ、積層フィルムの周縁部を容器本体とヒートシール法により融着させた。ヒートシールは、160℃、0.1MPaで、1秒間加熱して行った。
得られた輸液バックの上室に、薬剤として、セファゾリンナトリウム(大塚製薬工場製)を封入し、40℃相対湿度75%の条件で6ヶ月保存して色調の変化を評価した。
下記に従って評価した。
◎:色調に変化無し
○:部分的に僅かに色調が変化
△:全体に微黄色に変化
×:全体に黄色に変化
2 第一の有機層
3 無機層
4 第二の有機層
5 接着層
6 樹脂フィルム
Claims (8)
- 少なくとも、基材フィルムと、ガスバリア層と、接着層と、ポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムを、該順に積層した積層フィルムであって、
ガスバリア層は、第一の有機層、無機層および第二の有機層が該順に互いに接して積層した構造を有し、
第二の有機層が接着層に接しており、
第二の有機層の厚さをaとし第一の有機層の厚さをbとしたときにa/b≧2であり、
第一の有機層および第二の有機層のガラス転移温度が70℃以上で、かつ、ポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムの融点よりも低い、積層フィルム。 - 第一の有機層および第二の有機層が、それぞれ、リン酸エステル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを含む重合性組成物を硬化させることによって得られる請求項1に記載の積層フィルム。
- 接着層と樹脂フィルムが隣接している、請求項1または2に記載の積層フィルム。
- 前記ガスバリア層が、さらに、無機層を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層フィルムのポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムを、最外層がポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムからなるバッグとヒートシールにより接合した輸液バック。
- 前記輸液バックが複式である、請求項5に記載の輸液バック。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層フィルムの樹脂フィルムを、最外層がポリエチレン樹脂および/またはポリプロピレン樹脂を含む樹脂フィルムからなるバッグとヒートシールにより接合することを含む、輸液バックの製造方法。
- 前記接合を、0.01〜5MPaの圧力をかけて行う、請求項7に記載の輸液バックの製造方法。
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