JP2006064858A - 位相差制御層を有するカラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

位相差制御層を有するカラーフィルタ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程を短縮化し、位相差制御層をカラーフィルタと積層させ、製造が容易で高精細なパターニングが可能であり、さらに位相差制御層の位相をカラーフィルタの各着色層毎に対応させ、分光特性に優れ、反射防止や視野角を向上させた位相差制御層を有する高品質のカラーフィルタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板と、該透明基板上に複数色を所定のパターンで設けた着色層と、該着色層の境界部に位置するブラックマトリックスとを少なくとも有するカラーフィルタであって、前記ブラックマトリックス上に濡れ性変化成分層が前記ブラックマトリックスと略等しい幅で積層されており、前記ブラックマトリックス及び濡れ性変化成分層の間の透明基板上に複数色からなる着色層が形成され、該着色層上に位相差制御層が積層されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、反射防止もしくは視野角向上のための位相差制御層を備えたカラー液晶ディスプレイ(以下LCDとも記す)に好適な、位相差制御層付のカラーフィルタ及びその製造方法に関するものである。
LCDには、カラー表示するためにカラーフィルタが広く用いられている。例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス方式のLCDでは、ブラックマトリックス(BM)と呼ばれる遮光性に優れた膜をパターン化し、その上に色の三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)の着色パターンを備え、R、G、Bの各画素に対応する電極をON又はOFFすることによって液晶がシャッタとして作動し、R、G、Bの各画素を光が通過してカラー表示が行われる。そして、任意の色は、2色以上の画素に対応する液晶シャッタを開いて混色させる加法混色の原理により、網膜上で視覚的に表示される。従来のカラーフィルタは、染色法、顔料分散法、印刷法、電着法等により製造されており、TFT−LCDの場合は、顔料分散法が主流である。
また、カラーフィルタの新しい製造方法として、光触媒の作用により濡れ性が変化する物質を用いてパターンを形成するカラーフィルタの製造方法が本出願人において開発されてきた(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
また、LCDには、位相差を制御するために位相差フィルムも広く用いられている。例えば、反射型LCDでは通常円偏光を得るため、直線偏光板と1/4波長位相差板が併せて用いられており、また、垂直配向モードLCDでは、その視野角度依存性を低減するため、光軸が基板に垂直で、負の複屈折異方性を有する位相差フィルム(負のCプレート)と、光軸が基板に水平で、正の複屈折異方性を有する位相差フィルム(正のAプレート)とが併せて用いられている(例えば、特許文献3参照。)。その他にもディスコティック液晶を用いた視野角度補償フィルム等、多くの位相差フィルムが製造されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開2000−227513号公報 特開2004−20745号公報 特開平10−153802号公報 特開平7−98411号公報
しかしながら、カラーフィルタに関しては、従来の顔料分散法ではブラックマトリックス及び3色の着色パターン形成ごとにスピンコート等による塗布、露光、現像の各工程、洗浄工程が必要であり、少なくとも4回の露光工程が必要とされ、材料使用効率の向上や工程の簡略化が困難であり、製造コスト低減に支障をきたしているという問題がある。
また、これまでの光触媒の作用によるパターン形成体の製造方法は、ブラックマトリックスの形成と着色層の形成とで、少なくとも2回の露光工程が必要であり、コスト低減のためには、なお一層の工程の簡略化が求められている。さらに、着色層の下層に濡れ性変化成分層の濡れ性領域が存在するために、僅かながら着色層の透過率を低下させるという問題がある。
一方、位相差フィルムに関しては、他の位相差板、および偏光板とお互いの光軸をある特定の角度で貼り合わせ、液晶セル外に貼り付けて用いられるため、それぞれの光学層の屈折率が異なる場合は、その界面において外光の反射現象が生じ、表示のコントラストを低下させ、画像品位を著しく劣化させるという問題がある。また、ディスプレイ全体で1枚の位相差フィルムを用いると、通常は視感度の最も高い緑色に合せているが、カラーフィルタのR、G、Bの各画素領域で波長が異なるため、各色で位相がばらつき、表示品質を低下させるという問題がある。さらに、支持フィルムを用いるために、一定の厚さが必要となり、ディスプレイの薄型化にも支障を与えるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、ブラックマトリックス形成工程及び着色層形成工程を短縮化し、位相差制御層をカラーフィルタと積層させ、製造が容易で高精細なパターニングが可能であり、さらに位相差制御層の位相をカラーフィルタのR、G、B各着色層毎に対応させ、分光特性に優れ、反射防止や視野角を向上させた位相差制御層を有する高品質のカラーフィルタ及びその製造方法を提供することである。
請求項1に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、透明基板と、該透明基板上に複数色を所定のパターンで設けた着色層と、該着色層の境界部に位置するブラックマトリックスとを少なくとも有するカラーフィルタであって、前記ブラックマトリックス上に濡れ性変化成分層が前記ブラックマトリックスと略等しい幅で積層されており、前記ブラックマトリックス及び濡れ性変化成分層の間の透明基板上に複数色からなる着色層が形成され、該着色層上に位相差制御層が積層されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、透明基板と、複数色を所定のパターンで設けた着色層と、該着色層の境界部に位置するブラックマトリックスとを少なくとも有するカラーフィルタであって、前記ブラックマトリックス上に濡れ性変化成分層が前記ブラックマトリックスと略等しい幅で積層されており、前記ブラックマトリックス及び濡れ性変化成分層の間の透明基板上に位相差制御層が形成され、該位相差制御層上に複数色からなる着色層が積層されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、前記位相差制御層が液晶性高分子からなり、前記着色層の各色毎に合せた位相差を有することを特徴とするものである。
請求項4に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、前記位相差制御層の厚みが、前記着色層の各色毎に異なることを特徴とするものである。
請求項5に記載の位相差制御層を有する本発明のカラーフィルタは、前記位相差制御層が、2種類以上の複数の位相差制御層で構成されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、前記位相差制御層は、光軸が前記位相差制御層に水平である正の複屈折特性を有する位相差制御層であることを特徴とするものである。
請求項7に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、前記位相差制御層は、光軸が前記位相差制御層に水平である正の複屈折特性を有する位相差制御層上に、さらに光軸が前記位相差制御層に垂直である負の複屈折特性を有する第二の位相差制御層が積層されたものであることを特徴とするものである。
請求項8に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタの製造方法は、前記位相差制御層は、光軸が前記位相差制御層に水平である正の複屈折特性を有する位相差制御層上に、さらに光軸が前記位相差制御層に垂直である正の複屈折特性を有する第二の位相差制御層が積層されたものであることを特徴とするものである。
請求項9に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタの製造方法は、前記ブラックマトリックス上の前記濡れ性変化成分層が撥水性であることを特徴とするものである。
請求項10に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタの製造方法は、前記ブラックマトリックスが、前記透明基板上に形成された金属膜からなる遮光膜を、該遮光膜上に設けられた前記濡れ性変化成分層の特定の親水性領域を介してウエットエッチングして形成されたものであることを特徴とするものである。
請求項11に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、前記濡れ性変化成分層は少なくともバインダーからなる層であることを特徴とするものである。
請求項12に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、前記濡れ性変化成分層は少なくともバインダーと光触媒からなる光触媒含有層であることを特徴とするものである。
請求項13に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、前記バインダーは、オルガノポリシロキサンを含有する層であることを特徴とするものである。
請求項14に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、前記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンであることを特徴とするものである。
請求項15に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、前記オルガノポリシロキサンが、YnSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることを特徴とするものである。
請求項16に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、前記光触媒が、酸化チタン(TiO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、酸化タングステン(WO3 )、酸化ビスマス(Bi2 3 )、および酸化鉄(Fe2 3 )から選択される1種または2種以上の物質であることを特徴とするものである。
請求項17に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、前記光触媒が酸化チタン(TiO2 )であることを特徴とするものである。
請求項18に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、前記濡れ性変化成分層の厚みが0.001μm〜1μmの範囲であり、より好ましくは0.01〜0.2μmの範囲内であることを特徴とするものである。
請求項19に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタの製造方法は、(1)透明基板上に金属膜からなる遮光膜を形成する工程と、(2)前記遮光膜上に光触媒の作用により濡れ性が変化する少なくともバインダーを含む濡れ性変化成分層を形成する工程と、(3)光触媒を含有する光触媒層を基体上に形成した光触媒層基体の前記光触媒層側と前記濡れ性変化成分層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、前記光触媒層基体側から紫外線露光し、前記濡れ性変化成分層の露光部に紫外線露光前と比較して液体との接触角が低下した親水性領域をパターン状に形成する工程と、(4)前記濡れ性変化成分層の親水性領域を介して前記遮光膜をウエットエッチングしてブラックマトリックスを形成するとともに、前記ウエットエッチングされた遮光膜上の濡れ性変化成分層をリフトオフして透明基板を露出させ、パターン状の開口部を形成する工程と、(5)前記開口部にインクジェット方式で着色し、着色層を形成する工程と、(6)前記着色層上に、インクジェット方式で液晶高分子からなる位相差制御層を積層させ、位相差制御層を形成する工程と、を有することを特徴とするものである。
請求項20に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタの製造方法は、請求項19において、着色層を形成する工程(5)と、位相差制御層を形成する工程(6)を入れ替え、位相差制御層上に着色層を積層形成することを特徴とするものである。
請求項21に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタの製造方法は、(1)透明基板上に金属膜からなる遮光膜を形成する工程と、(2)前記遮光膜上に光触媒の作用により濡れ性が変化する少なくともバインダーと光触媒からなる濡れ性変化成分層を形成する工程と、(3)遮光層パターンを有するフォトマスクにより、前記濡れ性変化成分層をパターン露光し、前記濡れ性変化成分層の露光部に紫外線露光前と比較して液体との接触角が低下した親水性領域を形成する工程と、(4)前記濡れ性変化成分層の親水性領域を介して前記遮光膜をウエットエッチングしてブラックマトリックスを形成するとともに、前記ウエットエッチングされた遮光膜上の濡れ性変化成分層をリフトオフして透明基板を露出させ、パターン状の開口部を形成する工程と、(5)前記開口部にインクジェット方式で着色し、着色層を形成する工程と、(6)前記着色層上に、インクジェット方式で液晶高分子からなる位相差制御層を積層させ、位相差制御層を形成する工程と、を有することを特徴とするものである。
請求項22に記載の本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタの製造方法は、 請求項21において、着色層を形成する工程(5)と、位相差制御層を形成する工程(6)を入れ替え、位相差制御層上に着色層を積層形成することを特徴とするものである。
本発明においては、カラーフィルタのブラックマトリックス形成時に必要な感光性レジストを用いることなく、濡れ性変化成分層を感光性レジストの代わりに用いることにより、レジストの塗布、現像、剥離工程を無くし、更に、着色工程の露光、現像、洗浄工程を無くすことで、カラーフィルタ製造工程が大幅に短縮される。
また、通常はフィルム状態として液晶セル外に貼り付けられて用いられる位相差制御層を、カラーフィルタと直接パターン状に積層することにより、カラーフィルタと位相差制御層との連続した製造が可能となり、製造コストが安く、かつ製造が容易な位相差制御層を有するカラーフィルタ及びその製造方法が可能となる。
さらに、本発明によれば、カラーフィルタによって外光反射が低く抑えられた高コントラストな表示が可能になり、R、G、Bの各色ごとに位相差制御層と積層させることにより、各色ごとに位相差量を変えて適正化しているので、波長分散のない位相差制御が可能となり、本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタをディスプレイに用いることにより、反射防止や広い視野角を有する高品質のディスプレイが得られる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照にして詳細に説明する。図1は本発明のカラーフィルタの第1の実施形態の一例を示す断面模式図であり、図3、図4はその製造工程を示す断面模式図である。図2は本発明のカラーフィルタの第2の実施形態の一例を示す断面模式図であり、図5、図6はその製造工程を示す断面模式図である。
〈カラーフィルタ〉
図1は、本発明のカラーフィルタの第1の実施形態の一例を示す断面模式図であり、透明基板11と、透明基板11上にインクジェット方式により複数色を所定のパターンで設けた着色層23と、着色層23の境界部に位置するブラックマトリックス20とを少なくとも有し、ブラックマトリックス20上に濡れ性変化成分層13がブラックマトリックス20と略等しい幅で積層されており、着色層23上に位相差制御層24が積層されているカラーフィルタ10である。濡れ性変化成分層13は少なくともバインダーからなる層である。
図2は、本発明のカラーフィルタの第2の実施形態の一例を示す断面模式図であり、透明基板31と、透明基板31上に設けられたブラックマトリックス40と、ブラックマトリックス40上に濡れ性変化成分層33がブラックマトリックス40と略等しい幅で積層されており、ブラックマトリックス40の間の透明基板31上に位相差制御層44が形成され、位相差制御層44上に着色層43が積層されているカラーフィルタ30である。濡れ性変化成分層33は少なくともバインダーと光触媒からなる層である。
上記の実施形態においては、光触媒を含む層がカラーフイルタ基板側にない場合(第1の実施形態)と、光触媒を含む層がカラーフイルタ基板側にある場合(第2の実施形態)とに分けられるが、先ず、第1の実施形態と第2の実施形態に共通する項目について説明する。
(透明基板)
透明基板11、31としては、従来カラーフィルタに用いられているものであれば特に限定されるものではない。例えば、石英ガラス、パイレックスガラス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルタに適している。本発明において、透明基板は通常透明なものを用いるが、反射性の基板や白色に着色した基板でも用いることは可能である。また、透明基板は、必要に応じてアルカリ溶出防止用やガスバリア性付与その他の目的の表面処理を施したものを用いてもよい。
(ブラックマトリックス)
本発明のカラーフィルタは、ブラックマトリックス20、40が透明基板11、31上に形成されたものである。ブラックマトリックス20、40としては、従来カラーフィルタに用いられている金属薄膜であれば特に限定されるものではない。例えば、クロム、クロム/酸化クロム(透明基板側)の2層膜、酸化クロム/クロム/酸化クロムの3層膜等の金属薄膜を用いることができる。これらの金属薄膜は、通常スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み100〜200nm程度に成膜される。
本発明では、ブラックマトリックス20、40は、透明基板11、31上に形成された金属膜からなる遮光膜を、遮光膜上に設けられた濡れ性変化成分層の特定の親水性領域を介してエッチングして形成されたものである。
(濡れ性変化成分層)
本発明において、ブラックマトリックス20、40上に設けられた濡れ性変化成分層13、33は、光触媒の作用により濡れ性が変化する層であり、紫外線露光前に液体との接触角が大きく、紫外線露光後に液体との接触角が小さく変化するような濡れ性変化層である。
本発明のカラーフィルタの製造方法において後述するように、濡れ性変化成分層13、33は、紫外線露光に伴う光触媒の作用により、その濡れ性変化成分層表面における水等の液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する層であり、紫外線露光されたこの親水性領域を利用して、本発明では、遮光膜をパターン状にエッチングすることが可能となるからである。ここで、親水性領域とは、水を含む液体との接触角が小さい領域であり、また、撥水性領域とは、水を含む液体との接触角が大きい領域である。
本発明において、ブラックマトリックス20、40上の濡れ性変化成分層13、33は未露光部として残り、撥水性を示すものである。
上記濡れ性変化成分層13、33は、紫外線露光していない部分、すなわち撥水性領域においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が10°以上、好ましくは表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上の濡れ性を示すことが好ましい。これは、紫外線露光していない部分が、本発明においては撥水性が要求される部分であることから、液体との接触角が上記範囲より小さい場合は、撥水性が十分でなく、高精細なパターンの形成が困難となり、好ましくないからである。
また、上記濡れ性変化成分層13、33は、紫外線露光すると光触媒の作用により、液体との接触角が低下して、表面張力40mN/mの液体との接触角が9°以下、好ましくは表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下となるような親水性領域となる層であることが好ましい。紫外線露光した部分、すなわち親水性領域における液体との接触角が上記範囲より高いと、遮光膜上に設けられた濡れ性変化成分層の特定の親水性領域を介して、エッチング液が浸透し、下層の遮光膜をエッチングするのに時間を要したり、エッチングむらを生じたりし、均一エッチングが困難となるからである。
なお、ここでいう水を含む液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学(株)の濡れ指数標準液を用いた値である。
また、本発明において上述したような濡れ性変化成分層13、33を用いた場合、この濡れ性変化成分層中にフッ素が含有され、さらにこの濡れ性変化成分層表面のフッ素含有量が、濡れ性変化成分層に対し紫外線露光した際に、上記光触媒の作用により紫外線露光前に比較して低下するように上記濡れ性変化成分層が形成されていてもよい。
このような特徴を有する濡れ性変化成分層であれば、紫外線露光することにより、容易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親水性領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形成することは、撥水性領域内に親水性領域のパターンを形成することとなる。
したがって、このような濡れ性変化成分層を用いた場合は、紫外線露光することにより、撥水性領域内に親水性領域のパターンを容易に形成することができるので、この親水性領域を介して、エッチング液を濡れ性変化成分層の内部に浸透させ、下層の遮光膜をパターン状にエッチングしてブラックマトリックスを形成する。遮光膜がエッチングされるに伴い、エッチングされた遮光膜上の親水性化した濡れ性変化成分層は、その下層の遮光膜がエッチング液により腐食溶解されていくので、リフトオフされて除去され、遮光膜はパターン状にエッチングされて透明基板の表面を露出させる。露出した透明基板の表面が着色層形成部となる。
上述したような、フッ素を含む濡れ性変化成分層中に含まれるフッ素の含有量としては、紫外線露光されて形成されたフッ素含有量が低い親水性領域におけるフッ素含有量が、紫外線露光されていない部分のフッ素含有量を100とした場合に10以下、好ましくは5以下、特に好ましくは1以下であることが好ましい。なお、この低下率は重量を基準としたものである。
このような範囲内とすることにより、紫外線露光部と未露光部との濡れ性に大きな違いを生じさせることができる。
このような濡れ性変化成分層中のフッ素含有量の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いることが可能であり、例えばX線光電子分光法(X−ray Photoelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測定できる方法であれば特に限定されるものではない。
このような濡れ性変化成分層13、33に用いられる材料としては、上述した濡れ性変化成分層の濡れ性、すなわち紫外線露光により光触媒の作用で濡れ性が変化する材料で、かつ光触媒の作用により劣化、分解しにくい主鎖を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンを挙げることができる。
上記の(1)の場合、一般式:
YnSiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシ基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
また、特にフルオロアルキル基を含有するオルガノポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
CF3 (CF2 3 CH2 CH2 Si(OCH3 3
CF3 (CF2 5 CH2 CH2 Si(OCH3 3
CF3 (CF2 7 CH2 CH2 Si(OCH3 3
CF3 (CF2 9 CH2 CH2 Si(OCH3 3
(CF3 2 CF(CF2 4 CH2 CH2 Si(OCH3 3
(CF3 2 CF(CF2 6 CH2 CH2 Si(OCH3 3
(CF3 2 CF(CF2 8 CH2 CH2 Si(OCH3 3
CF3 (C6 4 )C2 4 Si(OCH3 3
CF3 (CF2 3 (C6 4 )C2 4 Si(OCH3 3
CF3 (CF2 5 (C6 4 )C2 4 Si(OCH3 3
CF3 (CF2 7 (C6 4 )C2 4 Si(OCH3 3
CF3 (CF2 3 CH2 CH2 SiCH3(OCH3 2
CF3 (CF2 5 CH2 CH2 SiCH3(OCH3 2
CF3 (CF2 7 CH2 CH2 SiCH3(OCH3 2
CF3 (CF2 9 CH2 CH2 SiCH3(OCH3 2
(CF3 2 CF(CF2 4 CH2 CH2 SiCH3(OCH3 2
(CF3 2 CF(CF2 6 CH2 CH2 SiCH3(OCH3 2
(CF3 2 CF(CF2 8 CH2 CH2 SiCH3(OCH3 2
CF3 (C6 4 )C2 4 SiCH3 (OCH3 2
CF3 (CF2 3 (C6 4 )C2 4 SiCH3 (OCH3 2
CF3 (CF2 5 (C6 4 )C2 4 SiCH3 (OCH3 2
CF3 (CF2 7 (C6 4 )C2 4 SiCH3 (OCH3 2
CF3 (CF2 3 CH2 CH2 Si(OCH2 CH3 3
CF3 (CF2 5 CH2 CH2 Si(OCH2 CH3 3
CF3 (CF2 7 CH2 CH2 Si(OCH2 CH3 3
CF3 (CF2 9 CH2 CH2 Si(OCH2 CH3 3
CF3 (CF2 7 SO2 N(C2 5 )C2 4 CH2 Si(OCH3 3
上記のようなフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンをバインダとして用いることにより、濡れ性変化成分層の紫外線未露光部の撥水性が大きく向上し、例えば着色層用のインクの付着を妨げる機能を発現する。
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
Figure 2006064858
ただし、nは2以上の整数であり、R1、R2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコーン化合物を混合してもよい。
本発明においては、このようにオルガノポリシロキサン等の種々の材料を濡れ性変化成分層に用いることができるのであるが、上述したように、濡れ性変化成分層にフッ素を含有させることが、濡れ性のパターン形成に効果的である。したがって、光触媒の作用により劣化・分解しにくい材料にフッ素を含有させる、具体的にはオルガノポリシロキサン材料にフッ素を含有させて濡れ性変化成分層とすることが好ましいといえる。
このように、オルガノポリシロキサン材料にフッ素を含有させる方法としては、通常高い結合エネルギーを有する主剤に対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法、比較的弱い結合エネルギーで結合されたフッ素化合物を濡れ性変化成分層に混入させる方法等を挙げることができる。このような方法でフッ素を導入することにより、紫外線露光された場合に、まず結合エネルギーが比較的小さいフッ素結合部位が分解され、これによりフッ素を濡れ性変化成分層中から除去することができるからである。
上記第1の方法、すなわち、高い結合エネルギーを有するバインダーに対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法としては、上記オルガノポリシロキサンにフルオロアルキル基を置換基として導入する方法等を挙げることができる。
例えば、オルガノポリシロキサンを得る方法として、上記(1)として記載したように、ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサンを得ることができる。ここで、この方法においては、上述したように上記一般式:
YnSiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上を、加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合することによりオルガノポリシロキサンを得るのであるが、この一般式において、置換基Yとしてフルオロアルキル基を有する珪素化合物を用いて合成することにより、フルオロアルキル基を置換基として有するオルガノポリシロキサンを得ることができる。このようなフルオロアルキル基を置換基として有するオルガノポリシロキサンをバインダーとして用いた場合は、紫外線露光された際、接触する光触媒含有層中の光触媒の作用により、フルオロアルキル基の炭素結合の部分が分解されることから、濡れ性変化成分層表面にエネルギーを照射した部分のフッ素含有量を低減させることができる。
この際用いられるフルオロアルキル基を有する珪素化合物としては、フルオロアルキル基を有するものであれば特に限定されるものではないが、少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、このフルオロアルキル基の炭素数が4から30、好ましくは6から20、特に好ましくは6から16である珪素化合物が好適に用いられる。このような珪素化合物の具体例は上述した通りであるが、中でも炭素数が6から8であるフルオロアルキル基を有する上記珪素化合物、すなわちフルオロアルキルシランが好ましい。
本発明においては、このようなフルオロアルキル基を有する珪素化合物を上述したフルオロアルキル基を有さない珪素化合物と混合して用い、これらの共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用いてもよいし、このようなフルオロアルキル基を有する珪素化合物を1種または2種以上用い、これらの加水分解縮合物、共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用いてもよい。
このようにして得られるフルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサンにおいては、このオルガノポリシロキサンを構成する珪素化合物の内、上記フルオロアルキル基を有する珪素化合物が0.01モル%以上、好ましくは0.1モル%以上含まれていることが好ましい。
フルオロアルキル基がこの程度含まれることにより、濡れ性変化成分層上の撥水性を高くすることができ、紫外線露光して親水性領域とした部分との濡れ性の差異を大きくすることができるからである。
また、上記(2)に示す方法では、撥水牲に優れた反応性シリコーンを架橋することによりオルガノポリシロキサンを得るのであるが、この場合も同様に、上述した一般式中のR1,R2のいずれかもしくは両方をフルオロアルキル基等のフッ素を含有する置換基とすることにより、濡れ性変化成分層中にフッ素を含ませることが可能であり、またエネルギーが照射された場合に、シロキサン結合より結合エネルギーの小さいフルオロアルキル基の部分が分解されるため、紫外線露光により濡れ性変化成分層表面におけるフッ素の含有量を低下させることができる。
一方、後者の例、すなわち、バインダの結合エネルギーより弱いエネルギーで結合したフッ素化合物を導入させる方法としては、例えば、低分子量のフッ素化合物を導入させる場合は、例えばフッ素系の界面活性剤を混入する方法等を挙げることができ、また高分子量のフッ素化合物を導入させる方法としては、バインダ樹脂との相溶性の高いフッ素樹脂を混合する等の方法を挙げることができる。
本発明における濡れ性変化成分層には、さらに界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
また、濡れ性変化成分層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
このような濡れ性変化成分層は、上述した成分を必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基板上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。また、紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより濡れ性変化成分層を形成することかできる。
本発明において、この濡れ性変化成分層13、33の厚みは、光触媒による濡れ性の変化速度等の関係より、0.001μm〜1μmの範囲であることが好ましい。さらに、遮光膜やエッチング液の特性等によりエッチング条件は若干異なるが、紫外線露光された親水性領域の下層の遮光膜にエッチング液を浸透し易くするためには、濡れ性変化成分層の厚みは0.2μm以下の厚みがより好ましく、一方、未露光部の撥水性の濡れ性変化成分層においてエッチング液の浸透を防ぎ易くするには0.01μm以上の厚みがより好ましく、厚み0.01〜0.2μmの範囲がより好ましい。
本発明において上述した成分の濡れ性変化成分層を用いることにより、光触媒の作用により、上記成分の一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、紫外線露光部の濡れ性を変化させて親水性とし、紫外線未露光部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。よって、親水性領域を介して、エッチング液を遮光膜まで浸透させ、ブラックマトリックスの形成が可能となる。
なお、本発明に用いられる濡れ性変化成分層は、上述したように光触媒の作用により濡れ性の変化する層であれば特に限定されるものではないが、光触媒を含まない層であることがより好ましい。このように濡れ性変化成分層内に光触媒が含まれなければ、その後カラーフィルタとして用いた場合に、経時的な光触媒の影響を心配する必要がなく、長期間に渡り問題なく使用することが可能だからである。
(着色層)
次に、本発明における着色層23、43について説明する。図1においては、遮光膜をエッチングして露出した透明基板上の開口部にインクジェット装置を用いて着色層用のインクを噴射し、それぞれ赤、緑、および青に着色し着色層23を形成したものである。図2においては、遮光膜をエッチングして露出した透明基板上の開口部にインクジェット装置を用いて位相差制御層用のインクを噴射し、位相差制御層44を形成し、その上にインクジェット装置を用いて着色層用のインクを噴射し、それぞれ赤、緑、および青の着色層43を形成したものである。
この場合、遮光膜をエッチングした露出した透明基板上の開口部は親水性領域となっており、一方、ブラックマトリックス20、40に略等しい幅で積層された濡れ性変化成分層13、33は撥水性のため、インクジェット装置から噴出されたインクは、透明基板上の開口部内に均一に広がる。紫外線露光されていない濡れ性変化成分層は、撥水性となっているため、インクはこの領域でははじかれて除去されることになる。
通常着色層は、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色で形成される。この画素部における着色パターン、着色面積は任意に設定することができる。このような着色層を形成するインクジェット方式のインクとしては、大きく水性、油性に分類されるが、本発明においてはいずれのインクであっても用いることができるが、表面張力の関係から水をベースとした水性のインクが好ましい。
本発明で用いられる水性インクには、溶媒として、水単独または水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒を用いることがきる。一方、油性インクにはヘッドのつまり等を防ぐために高沸点の溶媒をベースとしたものが好ましく用いられる。このようなインクジェット方式のインクに用いられる着色剤は、公知の顔料、染料が広く用いられる。また、分散性、定着性向上のために溶媒に可溶・不溶の樹脂類を含有させることもできる。その他、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などの界面活性剤;防腐剤;防黴剤;pH調整剤;消泡剤;紫外線吸収剤;粘度調整剤:表面張力調整剤などを必要に応じて添加しても良い。
また、通常のインクジェット方式のインクは適性粘度が低いためバインダー樹脂を多く含有できないが、インク中の着色剤粒子を樹脂で包むかたちで造粒させることで着色剤自身に定着能を持たせることができる。このようなインクも本実施態様においては用いることができる。さらに、いわゆるホットメルトインクやUV硬化性インクを用いることもできる。
本発明においては、中でもUV硬化性インクを用いることが好ましい。UV硬化性インクを用いることにより、インクジェット方式により着色して着色層を形成後、UVを照射することにより、素早くインクを硬化させることができ、すぐに次の工程に送ることができる。したがって、効率よくカラーフィルタを製造することができるからである。また、上述したように、着色層形成部内のインクは均一に広がっているため、このようにインクを固化した場合、色抜けや色むらのない着色層を形成することができる。
このようなUV硬化性インクは、プレポリマー、モノマー、光開始剤及び着色剤を主成分とするものである。プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート、シリコンアクリレート等のプレポリマーのいずれかを特に限定することなく用いることができる。
モノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル等のビニルモノマー;n−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマー;ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシピペリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート等の多官能アクリルモノマーを用いることができる。上記プレポリマー及びモノマーは単独で用いても良いし、2種以上混含しても良い。
光重合開始剤は、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、1−フェニル−l,2−プロパジオン−2−オキシム、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、塩素置換ベンゾフェノン、ハロゲン置換アルキル−アリルケトン等の中から所望の硬化濡れ性、記録濡れ性が得られるものを選択して用いることができる。その他必要に応じて脂肪族アミン、芳香族アミン等の光開始助剤;チオキサンソン等の光鋭感剤等を添加しても良い。
(位相差制御層)
次に、着色層23、43と積層する位相差制御層24、44について説明する。本発明において、位相差制御層24、44は液晶性高分子が用いられ、配向膜を介して形成するのが好ましい。配向膜(図示せず)は位相差制御層24、44を構成する液晶性高分子を所定の方向に配列させるためのもので、ポリイミド樹脂等の配向膜材料を溶剤に溶解した溶液を調製し、インクジェット方式によって、図1においては各着色層上、図2においては透明基板31上に塗布し、次に、ラビング処理等の配向処理をすることにより配向膜として形成される。
配向膜上に形成する位相差制御層24、44としては、液晶材料が好適に使用できる。液晶材料は配向処理後にその配列を保持したまま、固定化する必要がある。
上記の観点から、液晶材料としては、ガラス転移温度を有し、該ガラス転移温度以下ではその液晶組織を固定化できる高分子液晶材料や、紫外線照射により3次元架橋して硬化可能な光重合型の液晶材料を用いることが好ましく、本明細書では、上記の液晶材料を液晶性高分子と称する。
紫外線照射により3次元架橋が可能な光重合型の液晶材料としては、例えば特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報で開示されているような、液晶性モノマーおよびキラル化合物がある。このような光重合性液晶材料の一例としては、(化2)〜(化12)に包含されるような化合物や、下記の化合物の2種類以上を混合して使用することができる。なお、一般化学式(化12)で示される液晶性モノマーの場合、Xは2〜5(整数)であることが好ましい。
Figure 2006064858
Figure 2006064858
Figure 2006064858
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Figure 2006064858
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また、カイラル剤としては、(化13)〜(化15)に示されるようなカイラル剤を用いることができる。なお、一般化学式(13)、(14)で示されるカイラル剤の場合、Xは2〜12(整数)であることが望ましく、また一般に化学式(15)で示されるカイラル剤の場合、Xが2〜5(整数)であることが望ましい。
Figure 2006064858
Figure 2006064858
Figure 2006064858
位相差制御層24、44を形成するには、上記のような光重合性液晶材料または高分子液晶材料を用い、必要に応じて溶剤で溶解もしくは希釈し、スピンコーティング法、ダイコーティング法、スリットコーティング法、もしくはその他の適宜な方法により基材上に塗布を行なうのであるが、本発明においてはインクジェット方式で塗布形成するのが好ましい。各着色層の各色に合わせた位相差を持つ位相差制御層を形成し、加熱乾燥等の方法で残存溶剤を除去し、光重合性液晶材料を用いた場合には、紫外線を照射して光重合性液晶材料を重合させることにより、位相差制御層24、44が得られる。
本発明において、位相差制御層24、44は、正の複屈折特性を有し、かつ光軸が位相差制御層の平面に平行であるようにするのが好ましい形態である。例えば、反射型液晶ディスプレイにおいて、直線偏光板と組合せて、本発明の1/4波長位相差制御層を有するカラーフィルタを用いることができる。
本発明において、位相差制御層24、44は、正の複屈折特性を有し、かつ光軸が位相差制御層の平面に平行である位相差制御層(正のAプレート)上に、さらに負の複屈折特性を有し、かつ光学軸が前記位相差制御層の平面に垂直である第二の位相差制御層(負のCプレート)を積層させた2層構成とすることも好ましい形態である。図8は、位相差制御層を2層構成とした本発明のカラーフィルタを用いた液晶ディスプレイの一例である。垂直配向モード液晶の視野角改善に関しては、図8に示すように、正のAプレートと負のCプレートを併せて用いると効果的である。位相差制御層を2層構成とする場合には、必要に応じて、位相差制御層84aと位相差制御層84bの間に、配向膜が形成されていてもよい。
また、本発明において、位相差制御層24、44は、正の複屈折特性を有し、かつ光軸が位相差制御部材の平面に平行である位相差制御層上に、さらに正の複屈折特性を有し、かつ光学軸が前記位相差制御部材の平面に垂直である第二の位相差制御層を積層させた2層構成とすることも可能である。
本発明においては、位相差制御層24、44は、インクジェット方式で形成するので、カラーフィルタの各色に対応した所望の膜厚とすることが容易である。すなわち、R、G、Bの各色に対応して、インクジェットのインク吐出量を制御し、各色毎に所望の厚さとすることができる。例えば、1/4波長位相差版に要求される位相差は、赤色光(中心波長650nmとする。)では、650nm/4=163nm、同様に、緑色(中心波長550nm)では138nm、青色光(450nm)では113nmであり、位相差制御層の厚みを変えることにより、着色層の各色毎に合せた位相差を形成することができる。
(光触媒を含む層)
次に、光触媒を含む層がカラーフィルタ基板側にない場合(第1の実施形態)と、光触媒を含む層がカラーフィルタ基板側にある場合(第2の実施形態)について説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態においては、光触媒をカラーフイルタ基板側に設けない場合であり、光触媒層基体として別個に使用するものである。
この光触媒層基体は、透明なガラス基板等の基体と、この基体上に形成された光触媒を含有する光触媒層とを有するものである。このような光触媒層基体は、少なくとも光触媒層と基体とを有するものであり、通常は基体上に所定の方法で形成された薄膜状の光触媒層が形成されてなるものである。また、この光触媒層基体には、フォトマスクのようにパターン状に遮光部が形成されたものも用いることができる。
本実施態様に用いられる光触媒層は、光触媒層中の光触媒が、対象とする濡れ性変化層の濡れ性を変化させるような構成であれば、特に限定されるものではなく、光触媒とバインダとから構成されているものであってもよいし、光触媒単体で製膜されたものであってもよい。また、その表面の濡れ性は特に親水性であっても撥水性であってもよい。
本実施態様において用いられる光触媒層は、例えば図3(c)に示すように、フォトマスク14上に、光触媒層15が全面に形成されたものであってもよく、この場合には、光触媒層をパターニング形成する工程が不要となる。
また、例えば透明なガラス基板等の上に光触媒含有層によりパターン状に形成されたものであってもよい。光触媒層をパターン状に形成する場合には、後述する紫外線露光工程において説明するように、光触媒層を濡れ性変化層と所定の間隔をおいて配置させて紫外線露光する際に、フォトマスク等を用いる必要がなく、全面に照射することにより、濡れ性変化層上に濡れ性の変化したパターンを形成することができる。この光触媒層のパターニング方法は、特に限定されるものではないが、例えばフォトリソグラフィ法等により行うことが可能である。
このように光触媒層における、後述するような二酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。本実施態様においては、このキャリアが光触媒層近傍に配置される濡れ性変化層中の化合物に作用を及ぼすものであると思われる。
本実施態様で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、酸化タングステン(WO3 )、酸化ビスマス(Bi2 3 )、および酸化鉄(Fe2 3 )を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
本実施態様においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本実施態様ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径が50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
本実施態様における光触媒層は、上述したように光触媒単独で形成されたものであってもよく、またバインダーと混合して形成されたものであってもよい。
光触媒のみからなる光触媒層の場合は、濡れ性変化層上の濡れ性の変化に対する効率が向上し、処理時間の短縮化等のコスト面で有利である。一方、光触媒とバインダーとからなる光触媒層の場合は、光触媒層の形成が容易であるという利点を有する。
光触媒のみからなる光触媒層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法等の真空成膜法を用いる方法を挙げることができる。真空成膜法により光触媒層を形成することにより、均一な膜でかつ光触媒のみを含有する光触媒層とすることが可能であり、これにより濡れ性変化層上の濡れ性を均一に変化させることが可能であり、かつ光触媒のみからなることから、バインダーを用いる場合と比較して効率的に濡れ性変化層上の濡れ性を変化させることが可能となる。
また、光触媒のみからなる光触媒層の形成方法としては、例えば光触媒が二酸化チタンの場合は、基体上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることができる。次いで、400℃〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性することができる。
また、バインダーを用いる場合は、バインダーの主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えばオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
このようにオルガノポリシロキサンをバインダーとして用いた場合は、上記光触媒層は、光触媒とバインダであるオルガノポリシロキサンとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基体上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダーとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒層を形成することかできる。
また、バインダーとして無定形シリカ前駆体を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一般式SiX4 で表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、基体上に空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触媒層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
バインダーを用いた場合の光触媒層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
また、光触媒層には上記の光触媒、バインダーの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
さらに、光触媒層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態においては、光触媒はバインダーとともにカラーフイルタ基板側の濡れ性変化成分層33に含まれるものであり、バインダーは前記の濡れ性変化成分層に例示した材料、すなわち、紫外線露光により光触媒の作用で濡れ性が変化する材料で、かつ光触媒の作用により劣化、分解しにくい主鎖を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンを挙げることができる。以下、具体例も、濡れ性変化成分層と同じである。
本実施態様で使用する光触媒としては、第1の実施形態と同じ材料が適用できるものである。すなわち、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、酸化タングステン(WO3 )、酸化ビスマス(Bi2 3 )、および酸化鉄(Fe2 3 )を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができ、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本実施態様ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。
また、光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径は50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
〈カラーフィルタの製造方法〉
本発明のカラーフィルタの製造方法は、光触媒を有する層をどこに設けるかで2方法に分けられる。すなわち、光触媒をブラックマトリックス用原版を形成したフォトマスク等の基体側に設ける方法と、あるいは光触媒をカラーフィルタ形成用基板側に設ける方法との2方法に分けられる。
第1の実施形態は、図3およびそれに続く図4に示すように、光触媒層を有するフォトマスク等の光触媒層基体で、濡れ性変化成分層を近接露光することにより、露光された部分のみを親水化して親水性領域を形成する方法である。
第2の実施形態は、図5およびそれに続く図6に示すように、光触媒を含有する濡れ性変化成分層をカラーフィルタ形成用基板側に設け、フォトマスクで露光することにより、露光された部分のみを親水化する方法である。
以下、それぞれの方法について説明する。
(第1の実施形態)
図3(a)に示すように、透明基板11の一主面上にスパッタリング法や真空蒸着法等の方法により遮光膜12を形成する。本発明においては、遮光膜12は金属膜であるが、その金属の金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物等の遮光性のある薄膜も含めるものである。
次に、遮光膜12が成膜されている透明基板の成膜面側に濡れ性変化成分層13を塗布する(図3(b))。
次に、透明なガラス基板等の基体と、この基体上に形成された光触媒を含有する光触媒層を形成した光触媒層基体を用意する。このような光触媒層基体は、少なくとも光触媒層と基体とを有するものであり、通常は基体上に所定の方法で形成された薄膜状の光触媒層が形成されてなるものである。図3(c)では、ブラックマトリックス用原版(ポジ版)を形成したフォトマスク14上に光触媒層15を設けた光触媒層基体16を例示している。
続いて、図3(c)に示すように、上記の光触媒層基体16の光触媒層15側と前記の濡れ性変化成分層13とを、光触媒反応により生じた活性酸素種等をその隙間に容易に発生させ作用させるために、200μm以下となるように間隙をおき、より好ましくは5〜20μmの間隔となるように配置した後、光触媒層基体16側から紫外線17で近接露光する。
紫外線露光により、濡れ性変化成分層13の露光された領域は、紫外線露光前と比較して液体との接触角が低下した特定の親水性領域18を形成する(図3(d))。
次に、濡れ性変化成分層13の特定の親水性領域18を介して、遮光膜のウエットエッチング液19により遮光膜12をウエットエッチングする(図3(e))。親水性領域18を形成した濡れ性変化成分層にエッチング液19をスプレーエッチング、ディップエッチング等の方法によってエッチングすることによって紫外線露光部である親水性領域18にのみエッチング液19が浸透し、その下層の遮光膜12をエッチングするとともに、ウエットエッチングされた遮光膜上の濡れ性変化成分層はリフトオフされて剥離し、ブラックマトリックス20が形成されるとともに透明基板11が露出し、透明基板11上に開口部21をパターン状に形成する(図4(f))。
次に、開口部21にインクジェット22方式で着色し(図4(g))、着色層23を形成する(図4(h))。
次に、着色層23上にインクジェット方式で配向膜を形成し、ラビング等の方法で配向させ、続いてインクジェット方式で位相差制御層24を塗布形成し、位相差制御層を有するカラーフィルタ10を形成する(図4(i))。
(第2の実施形態)
図5(a)に示すように、透明基板31の一主面上にスパッタリング法や真空蒸着法等の方法により遮光膜32を形成する。本発明においては、遮光膜32は金属膜であるが、その金属の金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物等の遮光性のある薄膜も含めるものである。
次に、遮光膜32上に光触媒の作用により濡れ性が変化する少なくともバインダーと光触媒からなる濡れ性変化成分層33を塗布形成する(図5(b))。
次に、ブラックマトリックス用原版(ポジ版)を形成したフォトマスク34により、濡れ性変化成分層33を紫外線37でパターン露光し(図5(c))、濡れ性変化成分層33の露光部に紫外線露光前と比較して液体との接触角が低下した特定の親水性領域38を形成する(図5(d))。
次に、濡れ性変化成分層の特定の親水性領域38を介して、遮光膜のウエットエッチング液39により遮光膜32をウエットエッチングする(図5(e))。濡れ性変化成分層の特定の親水性領域38は薄層で親水性なので、エッチング液が徐々に下層に浸透し、下層の遮光膜をエッチングするとともに、ウエットエッチングされた遮光膜上の濡れ性変化成分層はリフトオフされて剥離し、ブラックマトリックス40が形成されるとともに透明基板31が露出し、透明基板31上に開口部41をパターン状に形成する(図6(f))。
次に、開口部41に、インクジェット42方式で配向膜を形成し、ラビング等の方法で配向させ、続いてインクジェット方式で位相差制御層用のインキを塗布し、位相差制御層44を形成する(図6(g))。ブラックマトリックス40上の濡れ性変化成分層33は高い撥水性を示すため、位相差制御層用のインキは拡散することなく、ブラックマトリックスの開口部41にのみ塗布され、位相差制御層44を形成する(図6(h))。
次に、位相差制御層44上に、赤色、緑色、青色パターン用の着色層用インクをインクジェット方式で塗布することによって、着色層43を形成する(図6(i))。ブラックマトリックス40上の濡れ性変化成分層33は高い撥水性を示すため、着色層用インクは拡散することなく、位相差制御層44の上に着色層43が形成され、カラーフィルタ30が得られる。
本発明において、第1の実施形態及び第2の実施形態において、着色層を形成する工程と、位相差制御層を形成する工程を入れ替えることにより、カラーフィルタの位相差制御層と着色層の位置が入れ替えられたカラーフィルタが得られる。
図7は、濡れ性変化成分層の一部が親水性領域に変化する表面反応の一例を示す説明図である。図7(a)は、濡れ性変化成分層表面の側鎖に紫外線露光により生じた活性酸素種等がアタックし、その側鎖の結合を切断する様子を示しており、図7(b)は、切断された部位に水酸基が結合して親水性に変化する様子を示している。図7の表面反応を生じさせる親水化処理に際しては、例えば、第1の実施形態を例にとると、濡れ性変化成分層と光触媒層を有するマスクとを、所定の間隔(例えば5〜20μm)で配置することが好ましい。濡れ性変化成分層と光触媒層を有するマスクとを所定の間隔に配置することにより、光触媒反応により生じた活性酸素種等をその隙間に容易に発生させることができる。活性酸素種等としては、光触媒粒子内での光電気化学反応に基づいて生じる活性酸素または活性水酸基が挙げられ、それらの活性酸素種等が図7(a)に示す側鎖(例えばアルキル側鎖)にアタックし、その側鎖の結合が切断される。側鎖が切断された部分には、その活性酸素種等が入れ替わって結合し、図7(b)に示す親水基に変化する。
以下本発明の実施例について詳細に説明する。
(実施例1)
位相差機能付MVA(Multi−domain Vertical Alignment)用カラーフィルタを用い、MVAモードの液晶ディスプレイを製作した。
洗浄処理した基材としてのガラス基板(1737材、コーニング社製)上に、酸化クロムと金属クロムの2層膜を酸化クロム、金属クロムの順にスパッタ成膜し遮光膜を形成した。次いで、この遮光膜上に撥水性のフッ素系シリコーン樹脂(東芝シリコーン製、TSL8233およびTSL8114)を1000rpmで5秒間スピンコートし、150℃で10分間乾燥させ濡れ性変化成分層(厚み0.1μm)を形成した。
次に、この濡れ性変化成分層上に、光触媒層を有するフォトマスクを5μmの間隔に近接させ、フォトマスク側から波長200〜370nmを有する紫外線で近接露光した。濡れ性変化成分層の露光された部分は、疎水性から親水性に変化した。なお、フォトスクはクロム製の遮光パターン(ブラックマトリックス用原版、ポジ版)が形成された石英ガラス基板上に、シラン系化合物(東芝シリコーン製、TSL8114)を750rpmで5秒間スピンコーティングし、150℃で10分間乾燥させ、その上にアナタ−ゼ型酸化チタン粒子を光触媒として含有する光触媒層を350rpmで5秒間スピンコーティングし、150℃で10分間乾燥させて光触媒含有層付フォトマスク(パターン付与基板)を作成した。この光触媒層は、バインダー樹脂(シリコーン樹脂)中に酸化チタン粒子が50重量%含有させた。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウム系のクロムのエッチング液を用い、スプレーエッチングすることによってエッチング液が親水性領域にのみ浸透し、遮光膜がエッチングされてブラックマトリックスが形成されるとともに、エッチングされた遮光膜上の濡れ性変化成分層はリフトオフされて剥離除去され、着色層形成部となる透明基板が露出した。
次に、インクジェットを用いて、ノズルを露出した着色層形成部に合わせ、赤色、緑色、青色の顔料分散液を塗布し、赤色、緑色、青色の着色層と、着色層の境界部にブラックマトリックスとを有するカラーフィルタを得た。
次に、配向膜材料としてAL1254(JSR社製)を用い、インクジェット方式により配向膜を、上記のカラーフィルタの各着色上に形成した。そして、この配向膜を、ラビング処理した。
次に、Aプレート位相差制御層用インキとして、両端に重合可能なアクリレート基を有するとともに中央部のメソゲンと上記アクリレートの間にスペーサを有する液晶材料を75重量部、光重合開始材としてイルガキュアIrg184(Chiba Speciality Chemicals製)を1重量部、溶剤としてのトルエン25重量部を混合して、重合性液晶インキを製作した。Cプレート位相差制御層用インキとしては重合性液晶材料を用い、上記Aプレート用インキに、カイラル材として両末端に重合可能なアクリレート基を有するカイラル剤を5重量部加えて製作した。
調整したAプレート位相差用インキを、インクジェットを用いて配向膜上に塗布した。この時、各着色層で位相が一定になるように塗布量を変化させた。続いて、減圧乾燥した後、当該基板をホットプレート上で100℃、5分間加熱し、残存溶剤を除去し液晶構造を発現させた。続いて、紫外線照射(500mJ/cm2、365nm)を行って、架橋させ、照射後、クリーンオーブン中で温度:220℃、加熱時間:60分の条件で焼成を行ない、Aプレートの位相差層を1.0μm厚で得た。
次にCプレート位相差用インキを、インクジェットを用いてAプレートと同様な手法によりAプレート上にCプレートを積層構成した。この時、各着色層で位相が一定になるように塗布量を変化させた。
上述Aプレート、Cプレートの各位相差層が積層された基板上に、表面保護層としての無色透明層を既存の手法を用いて構成した。次に電極としてITO膜をスパッタリングの手法により、200nm厚に形成した。
次にフォトリソグラフィ法により、リブ、柱をこの順で形成した。
位相差機能付MVA用カラーフィルタを用い、配向膜を製膜後、対向基板と間隙を設けて張り合わせ、負の誘電異方性をもつ液晶を注入してMVAモード液晶ディスプレイを得た。
(実施例2)
イソプロピルアルコール30gと、バインダーとしてフルオロアルキルシランが主成分であるMF−160E(トーケムプロダクツ(株)製)0.4gとトリメトキシメチルシラン(東芝シリコーン(株)製、TSL8113)3gと、光触媒である酸化チタン水分散体であるST−K01(石原産業(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間撹拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し光触媒含有層用組成物とした。
次に、洗浄処理した基材としてのガラス基板(1737材、コーニング社製)上に、酸化クロムと金属クロムの2層膜を酸化クロム、金属クロムの順にスパッタ成膜し遮光膜を形成した。次いで、この遮光膜上に上記組成物をスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、バインダーと光触媒からなる透明な濡れ性変化成分層(厚み0.1μm)を形成した。
この透明な濡れ性変化成分層にフォトマスクを介して波長254nmの紫外線により70mW/cm2 の照度でブラックマトリックス・パターンの露光を行い、露光部に親水性領域を形成した。露光部と非露光部との液体との接触角を測定した。非露光部においては、表面張力30mN/mの液体(純正化学株式会社製、エチレングリコールモノエチルエーテル)との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)した結果、30度であった。また露光部では、表面張力50mN/mの液体(純正化学株式会社製、ぬれ指数標準液No.50)との接触角を同様にして測定した結果、7度であった。このように、露光部が親水性領域となっていることが確認された。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウム系のクロムのエッチング液を用い、スプレーエッチングすることによってエッチング液が親水性領域にのみ浸透し、遮光膜がエッチングされてブラックマトリックスが形成されるとともに、エッチングされた遮光膜上の濡れ性変化成分層はリフトオフされて剥離除去され、着色層形成部となる透明基板が露出した。
次に、インクジェットを用いて、ノズルを露出した着色層形成部に合わせ、赤色、緑色、青色の顔料分散液を塗布し、透明基板上に赤色、緑色、青色の着色層と、着色層の境界部にブラックマトリックスとを有するカラーフィルタを得た。
次に、実施例1と同様に、配向膜材料としてAL1254(JSR社製)を用い、インクジェット方式により配向膜を、上記のカラーフィルタの各着色上に形成した。そして、この配向膜を、ラビング処理した。
次に、位相差制御層用インキとして、両端に重合可能なアクリレート基を有するとともに中央部のメソゲンと上記アクリレートの間にスペーサを有する液晶材料を75重量部、光重合開始材としてイルガキュアIrg184(Chiba Speciality Chemicals製)を1重量部、溶剤としてのトルエン25重量部を混合して、重合性液晶インキを製作した。
次に、調整した位相差制御用インキを、インクジェットを用いて配向膜上に塗布した。この時、各着色層で位相が一定になるように塗布量を変化させた。続いて、減圧乾燥した後、当該基板をホットプレート上で100℃、5分間加熱し、残存溶剤を除去し液晶構造を発現させた。続いて、紫外線照射(500mJ/cm2、365nm)を行って、架橋させ、照射後、クリーンオーブン中で温度:220℃、加熱時間:60分の条件で焼成を行ない、位相差制御層を得た。
上記の位相差制御層を有するカラーフィルタを、円偏光機能付き液晶ディスプレイとして用いたところ、高品位な円偏光が得られた。
本発明のカラーフィルタの第1の実施形態の一例を示す断面模式図である。 本発明のカラーフィルタの第2の実施形態の一例を示す断面模式図である。 本発明の第1の実施形態のカラーフィルタの製造工程を示す断面模式図である。 図3に続く本発明の第1の実施形態のカラーフィルタの製造工程を示す断面模式図である。 本発明の第2の実施形態のカラーフィルタの製造工程を示す断面模式図である。 図3に続く本発明の第2の実施形態のカラーフィルタの製造工程を示す断面模式図である。 濡れ性変化成分層の一部が親水性領域に変化する表面反応の一例を示す説明図である。 本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタを組み込んだ液晶ディスプレイの一例を示す断面模式図である。
符号の説明
11、31 透明基板
12、32 遮光膜
13、33 濡れ性変化成分層
14、34 フォトマスク
15 光触媒層
16 光触媒層基体
17、37 紫外線
18、38 親水性領域
19、39 エッチング液
20、40 ブラックマトリックス
21、41 開口部
22、42 インクジェット
23、43 着色層
24、44 位相差制御層
71 透明基板
73 濡れ性変化成分層
78 親水性領域
80 位相差制御層を有するカラーフィルタ
81a、81b 基板
84a、84b 位相差制御層
85a、85b 偏光板
86 液晶層
87 液晶ディスプレイ








































Claims (22)

  1. 透明基板と、該透明基板上に複数色を所定のパターンで設けた着色層と、該着色層の境界部に位置するブラックマトリックスとを少なくとも有するカラーフィルタであって、前記ブラックマトリックス上に濡れ性変化成分層が前記ブラックマトリックスと略等しい幅で積層されており、前記ブラックマトリックス及び濡れ性変化成分層の間の透明基板上に複数色からなる着色層が形成され、該着色層上に位相差制御層が積層されていることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  2. 透明基板と、複数色を所定のパターンで設けた着色層と、該着色層の境界部に位置するブラックマトリックスとを少なくとも有するカラーフィルタであって、前記ブラックマトリックス上に濡れ性変化成分層が前記ブラックマトリックスと略等しい幅で積層されており、前記ブラックマトリックス及び濡れ性変化成分層の間の透明基板上に位相差制御層が形成され、該位相差制御層上に複数色からなる着色層が積層されていることを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  3. 前記位相差制御層が液晶性高分子からなり、前記着色層の各色毎に合せた位相差を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  4. 前記位相差制御層の厚みが、前記着色層の各色毎に異なることを特徴とする請求項3に記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  5. 前記位相差制御層が、2種類以上の複数の位相差制御層で構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  6. 前記位相差制御層は、光軸が前記位相差制御層に水平である正の複屈折特性を有する位相差制御層であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  7. 前記位相差制御層は、光軸が前記位相差制御層に水平である正の複屈折特性を有する位相差制御層上に、さらに光軸が前記位相差制御層に垂直である負の複屈折特性を有する第二の位相差制御層が積層されたものであることを特徴とする請求項5に記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  8. 前記位相差制御層は、光軸が前記位相差制御層に水平である正の複屈折特性を有する位相差制御層上に、さらに光軸が前記位相差制御層に垂直である正の複屈折特性を有する第二の位相差制御層が積層されたものであることを特徴とする請求項5に記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  9. 前記ブラックマトリックス上の前記濡れ性変化成分層が撥水性であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  10. 前記ブラックマトリックスが、前記透明基板上に形成された金属膜からなる遮光膜を、該遮光膜上に設けられた前記濡れ性変化成分層の特定の親水性領域を介してウエットエッチングして形成されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項9に記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  11. 前記濡れ性変化成分層は少なくともバインダーからなる層であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  12. 前記濡れ性変化成分層は少なくともバインダーと光触媒からなる光触媒含有層であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  13. 前記バインダーは、オルガノポリシロキサンを含有する層であることを特徴とする請求項11または12に記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  14. 前記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンであることを特徴とする請求項13に記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  15. 前記オルガノポリシロキサンが、YnSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  16. 前記光触媒が、酸化チタン(TiO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2 )、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、酸化タングステン(WO3 )、酸化ビスマス(Bi2 3 )、および酸化鉄(Fe2 3 )から選択される1種または2種以上の物質であることを特徴とする請求項12に記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  17. 前記光触媒が酸化チタン(TiO2 )であることを特徴とする請求項16記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  18. 前記濡れ性変化成分層の厚みが0.001μm〜1μmの範囲であり、より好ましくは0.01〜0.2μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項17のいずれかに記載の位相差制御層を有するカラーフィルタ。
  19. (1)透明基板上に金属膜からなる遮光膜を形成する工程と、
    (2)前記遮光膜上に光触媒の作用により濡れ性が変化する少なくともバインダーを含む濡れ性変化成分層を形成する工程と、
    (3)光触媒を含有する光触媒層を基体上に形成した光触媒層基体の前記光触媒層側と前記濡れ性変化成分層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、前記光触媒層基体側から紫外線露光し、前記濡れ性変化成分層の露光部に紫外線露光前と比較して液体との接触角が低下した親水性領域をパターン状に形成する工程と、
    (4)前記濡れ性変化成分層の親水性領域を介して前記遮光膜をウエットエッチングしてブラックマトリックスを形成するとともに、前記ウエットエッチングされた遮光膜上の濡れ性変化成分層をリフトオフして透明基板を露出させ、パターン状の開口部を形成する工程と、
    (5)前記開口部にインクジェット方式で着色し、着色層を形成する工程と、
    (6)前記着色層上に、インクジェット方式で液晶高分子からなる位相差制御層を積層させ、位相差制御層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタの製造方法。
  20. 請求項19において、着色層を形成する工程(5)と、位相差制御層を形成する工程(6)を入れ替え、位相差制御層上に着色層を積層形成することを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタの製造方法。
  21. (1)透明基板上に金属膜からなる遮光膜を形成する工程と、
    (2)前記遮光膜上に光触媒の作用により濡れ性が変化する少なくともバインダーと光触媒からなる濡れ性変化成分層を形成する工程と、
    (3)遮光層パターンを有するフォトマスクにより、前記濡れ性変化成分層をパターン露光し、前記濡れ性変化成分層の露光部に紫外線露光前と比較して液体との接触角が低下した親水性領域を形成する工程と、
    (4)前記濡れ性変化成分層の親水性領域を介して前記遮光膜をウエットエッチングしてブラックマトリックスを形成するとともに、前記ウエットエッチングされた遮光膜上の濡れ性変化成分層をリフトオフして透明基板を露出させ、パターン状の開口部を形成する工程と、
    (5)前記開口部にインクジェット方式で着色し、着色層を形成する工程と、
    (6)前記着色層上に、インクジェット方式で液晶高分子からなる位相差制御層を積層させ、位相差制御層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタの製造方法。
  22. 請求項21において、着色層を形成する工程(5)と、位相差制御層を形成する工程(6)を入れ替え、位相差制御層上に着色層を積層形成することを特徴とする位相差制御層を有するカラーフィルタの製造方法。
































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