JP4188007B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶ディスプレイに好適なカラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
【0003】
このようなカラーフィルタにおいては、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
【0004】
従来より行われているカラーフィルタの製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
【0005】
また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
【0006】
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。しかしながら、いずれの方法も、R、G、およびBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
【0007】
また、光触媒の作用により濡れ性が変化する物質を用いてパターンを形成するパターン形成体の製造方法等が本発明者等において検討されてきた。しかしながら、これまでの光触媒の作用によるパターン形成体の製造方法は、製造されるパターン形成体自体に光触媒が含まれる構成となることから、パターン形成体の種類によっては、この光触媒の影響を受ける可能性があるという問題点を有する場合もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のことから、コストが安く、かつ形成が容易な高精細なパターンが形成可能であるカラーフィルタの製造方法の提供が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1に記載するように、
(1)透明基材上に遮光部を形成する工程と、
(2)上記透明基材上の遮光部が形成された側の面上に、光触媒の作用により濡れ性が変化し、光触媒を含有しない濡れ性変化層を形成する工程と、
(3)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記濡れ性変化層にエネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(4)この画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法(以下、第一実施態様とする。)を提供する。
【0010】
本実施態様においては、予め遮光部が形成された透明基材上に濡れ性変化層を設け、この濡れ性変化層に対向するように光触媒含有層側基板を配置後、エネルギーを照射することにより、容易に画素部が形成される部分のみを親液性とすることができる。したがって、この画素部が形成される画素部形成部にインクジェット方式でインクを付着することにより、均一にインクが付着した画素部を得ることができ、色抜けがなくかつ色むらのないカラーフィルタを形成することができる。
【0011】
また、濡れ性変化層が光触媒を含有する構成でないことから、製造されたカラーフィルタに光触媒が含まれず、カラーフィルタがどのようなパターンにおいても光触媒の影響による問題が生じないという利点を有する。
【0012】
上記請求項1に記載の第一実施態様においては、請求項2に記載するように、上記濡れ性変化層を調整する工程の後に、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記遮光部上の濡れ性変化層に、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる撥液性凸部形成部をパターン状に形成する工程と、上記撥液性凸部形成部に撥液性凸部を形成する工程とを有していてもよい。
【0013】
このように、遮光部上の濡れ性変化層上にもエネルギーを照射して撥液性凸部用の露光部を形成することにより、所定の幅で撥液性凸部用形成部の親液性領域を形成することができる。したがって、この親液性領域に撥液性凸部用塗料を塗布等することにより、所定の幅を有する撥液性凸部を均一な高さで得ることが可能となる。この凸部は撥液性であることから、画素部を形成する際にインクが画素部の境界を越えて移動することは困難であり、インクの混色等を防止することが可能となる。また、画素部を形成する際の光触媒含有層を用いたエネルギー照射の際に、この撥液性凸部と光触媒含有層とを接触させることにより、撥液性凸部を一定の間隙を保つスペーサとして機能させることが可能となる。
【0014】
また、本発明は請求項3に記載するように、
(1)透明基材上に光触媒の作用により濡れ性が変化し、光触媒を含有しない濡れ性変化層を、上記透明基材上の画素部が形成される部位である画素部形成部に形成する工程と、
(2)上記濡れ性変化層が設けられた上記画素部形成部の境界部分に遮光部を形成する工程と、
(3)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記画素部形成部をエネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域とする工程と、
(4)上記親液性領域とされた画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法(以下、第二実施態様とする。)を提供する。
【0015】
この場合には、透明基材上の画素部が形成される画素部形成部にまず濡れ性変化層が形成される。この濡れ性変化層に、例としてエネルギーの照射前の状態で基材表面より液体との接触角が高い材料を用いた場合は、この濡れ性変化層が形成された画素部形成部より、画素部形成部間の遮光部形成部である基材上の方が、液体との接触角の小さい親液性領域となる。この親液性領域に、例えば遮光部用塗料により遮光部を容易に形成することができる。次いで、例えばこの遮光部が形成された面全面にエネルギーを照射することにより、画素部形成部を親液性領域とすることができる。したがって、この領域にインクジェット方式で着色することにより、インクが均一に付着した画素部が得られ、色抜けがなくかつ色むらのないカラーフィルタを形成することができる。
【0016】
また、本発明は請求項4に記載するように、
(1)透明基材上に光触媒の作用により濡れ性が変化し、光触媒を含有しない濡れ性変化層を、上記透明基材上の遮光部が形成される部位である遮光部形成部に形成する工程と、
(2)上記透明基材上の濡れ性変化層が形成されていない部分にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と、
(3)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記遮光部形成部をエネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域とする工程と、
(4)上記親液性領域とされた遮光部形成部に遮光部を形成する工程と
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法(以下、第三実施態様とする。)を提供する。
【0017】
この場合は、濡れ性変化層を、カラーフィルタ用基板上の遮光部が形成される遮光部形成部に形成する。この濡れ性変化層に、例としてエネルギーの照射前の状態で透明基材表面より液体との接触角が高い材料を用いた場合は、この濡れ性変化層が形成された遮光部形成部より、その間の画素部形成部の方が、液体との接触角の小さい親液性領域となり、画素部形成部との境界部分である遮光部形成部は撥液性領域となる。したがって、インクジェット方式でインクを親液性領域である画素部形成部に付着させた場合、付着したインクが撥液性領域である遮光部形成部を越えて移動することは困難である。よって、インクの混色等の問題が生じる可能性が少ない。このようにして画素部を形成した後、画素部間の遮光部形成部の濡れ性変化層にエネルギーを照射することにより、この部分を親液性領域とすることができる。したがって、この部分に例えば遮光部用インクを塗布することにより、容易に遮光部を形成することができる。
【0018】
さらに、本発明は請求項5に記載するように、
(1)光触媒の作用により濡れ性が変化し、光触媒を含有しない濡れ性変化層と、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程と、
(2)上記親液性領域とされた遮光部形成部に遮光部を形成する工程と、
(3)上記遮光部が形成された上記濡れ性変化層と上記光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(4)上記親液性領域とされた画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法(以下、第三実施態様とする。)を提供する。
【0019】
本実施態様においては、濡れ性変化層上に光触媒含有層側基板を用いて、遮光部を形成する領域のみ親液性領域とし、次いでこの部分に遮光部用塗料を塗布する等して遮光部を形成することができる。したがって、従来の遮光部を形成する際に行われていたパターン露光後の現像工程やエッチング工程を行う必要が無いことから効率良く遮光部を形成することができる。また、この後、例えば全面にエネルギーを照射することにより、容易に画素部を形成する領域を親液性領域とすることができる。したがって、この部分にインクジェット方式で着色すれば、均一にインクが付着した画素部とすることができ、色抜けや色むらのないカラーフィルタを形成することができる。
【0020】
さらに、本発明は請求項6に記載するように、
(1)光触媒の作用により濡れ性が変化し、光触媒を含有しない濡れ性変化層と、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(2)上記親液性領域とされた画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と、
(3)上記画素部が形成された上記濡れ性変化層と上記光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程と、
(4)上記親液性領域とされた遮光部形成部に遮光部を形成する工程と
を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法(以下、第五実施態様とする。)を提供する。
【0021】
この場合は、まず、濡れ性変化層の上記画素部形成部に対してエネルギーを照射することにより、画素部形成部を親液性領域とすることができる。したがって、この画素部形成部にインクジェット方式でインクを付着させることにより、インクが均一に広がり色むら等が生じない。また、画素部との境界部分である遮光部形成部は、エネルギーが照射されていないことから撥液性領域のままである。したがって、親液性領域である画素部形成部に付着されたインクがこの撥液性領域である遮光部形成部を越えて移動することは困難であるといえる。よって、インクが混じる等の問題が生じない。このようにして画素部を形成した後、画素部間の遮光部形成部にエネルギーを照射することにより、この部分を親液性領域とすることができる。したがって、この部分に例えば遮光部用インクを塗布することにより、容易に遮光部を形成することができる。
【0022】
上記請求項5または請求項6に記載された発明においては、請求項7に記載するように、前記濡れ性変化層が、透明基材上に形成されたものであることが好ましい。濡れ性が大幅に変化する材料で形成される濡れ性変化層は、通常自己支持性のある材料が少なく、透明基材上に形成することにより、強度等が増し、様々なカラーフィルタに使用することが可能とからである。
【0023】
本発明は請求項8に記載するように、
(1)光触媒の作用により濡れ性が変化し、光触媒を含有しない透明な自己支持性を有する濡れ性変化層上に遮光部を形成する工程と、
(2)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(3)上記親液性領域とされた画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法(以下、第六実施態様とする。)を提供する。
【0024】
本実施態様においては、光触媒の作用により濡れ性が変化する、透明な自己支持性を有する濡れ性変化層上に予め遮光部が形成され、光触媒含有層側基板を配置後、自己支持性を有する濡れ性変化層の画素部形成部に、エネルギーを照射させることにより、上記画素部形成部を親液性領域とすることが可能となる。この親液性領域とされた画素部形成部に、インクジェット方式でインクを付着することにより、均一にインクが付着した画素部を得ることが可能であり、インクが均一に広がり色むら等が生じない。
【0025】
上記請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項9に記載するように、上記親液性領域とされた画素部形成部を形成した後、そこにインクジェット方式で着色して画素部を形成する工程が、
(a)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる第1画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(b)この親液性領域とされた第1画素部形成部にインクジェット方式で着色し、第1画素部を形成する工程と、
(c)上記光触媒含有層と上記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる第2画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(d)この親液性領域とされた第2画素部形成部にインクジェット方式で着色し、第2画素部を形成する工程と
を含むことが好ましい。
【0026】
本発明においては、画素部の形成を、画素部形成部にインクジェット方式で、インクを塗布して着色を行うが、この隣り合う画素部形成部が近接している場合には、インク塗布時に隣り合うインクが混じる可能性がある。そこで、上述したように、まず、第1画素部を形成した後、第2画素部を形成する方法をとれば、例えば、第1画素部を形成する際に、画素部を一つおきに形成するようにパターン露光を行うことが可能であり、一回目の画像部の形成に際して隣り合う画素部同士を離れた状態とすることが可能となる。このように、着色する領域の間に比較的広い撥液性領域を有する状態で第1画素部形成部を形成して、ここにインクジェット方式で着色することにより、隣り合う画素部のインクが混じり合うという不都合が生じる可能性がなくなる。このようにして設けた第1画素部間に再度エネルギーを照射して、第2画素部形成部を形成し、ここにインクジェット方式で着色することにより、インクが混合する等の不具合の無いカラーフィルタを形成することが可能となるのである。
【0027】
また、請求項1または請求項2に記載の第一実施態様においては、請求項10に記載するように、上記画素部の幅が、上記遮光部により形成される開口部の幅より広く形成されることが好ましい。このように画素部の幅を遮光部により形成される開口部より広くとることにより、バックライト光が画素部以外の部分を通過する可能性を少なくすることができ、色抜け等を防止することができるからである。
【0028】
上記請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項11に記載するように、上記光触媒含有層と上記濡れ性変化層とを、0.2μm〜10μmの範囲内となるよう間隙をおいて配置することが好ましい。光触媒含有層と濡れ性変化層との間隙が、上記の範囲内であることから、短時間のエネルギー照射により濡れ性の変化したパターンを有するカラーフィルタを得ることができるからである。
【0029】
上記請求項1から請求項11までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項12に記載するように、上記光触媒含有層側基板が、基体と、上記基体上にパターン状に形成された光触媒含有層とを有していてもよい。このように、光触媒含有層をパターン状に形成することにより、フォトマスクを用いることなく濡れ性変化層上に濡れ性の異なるパターンを形成することが可能となるからである。また、光触媒含有層のパターンに対向するカラーフィルタ用基板の濡れ性変化層のみ濡れ性が変化するものであるので、照射するエネルギーは特に平行なエネルギーに限られるものではなく、また、エネルギーの照射方向も特に限定されるものではないことから、エネルギー源の種類および配置の自由度が大幅に増加するという利点を有する。
【0030】
また、上記請求項1から請求項11までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項13に記載するように、上記光触媒含有層側基板が、基体と、上記基体上に形成された光触媒含有層と、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部とを有し、上記エネルギー照射が、光触媒含有層側基板から行なわれるものであってもよい。このように、光触媒含有層側基板に、光触媒含有層と、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部とを有し、光触媒含有層側基板側からエネルギーを照射することにより、フォトマスクを使用することなく、濡れ性変化層上に濡れ性の異なるパターンを形成することが可能となるからである。また、フォトマスクを用いないことから、フォトマスクの位置合わせ等の工程が不要となり、工程を簡略化することが可能となるからである。
【0031】
上記請求項13に記載の発明においては、請求項14に記載するように、上記光触媒含有層側基板において、上記基体上に光触媒含有層が形成され、上記光触媒含有層上に上記光触媒含有層側遮光部がパターン状に形成されているものであってもよく、請求項15に記載するように、上記光触媒含有層側基板において、上記光触媒含有層側遮光部が上記基体上にパターン状に形成され、さらにその上に上記光触媒含有層が形成されているものであってもよい。これにより、パターンは上記光触媒含有層側遮光部のみの形成すればよく、上記光触媒含有層は全面に形成可能であることから、光触媒含有層側基板の形成が容易となり、コストや製造効率の面からも好ましいからである。
【0032】
また、上記請求項15に記載の発明においては、請求項16に記載するように、上記光触媒含有層側基板が、透明な基体上にパターン状に形成された光触媒含有層側遮光部上にプライマー層を介して光触媒含有層が形成されたものであってもよい。これにより、光触媒含有層側遮光部のパターニングの際に生じる、光触媒含有層側遮光部もしくは光触媒含有層側遮光部間の開口部に存在する残渣等が、光触媒の作用に影響を与えることを防止することが可能となる。したがって、光触媒の感度を向上させることが可能であり、短時間のエネルギー照射により濡れ性の変化したパターンを得ることができるからである。
【0033】
上記請求項1から請求項16までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項17に記載するように、上記光触媒含有層側基板において、上記光触媒含有層上に厚みが0.2μm〜10μmの範囲内であるスペーサがパターン状に形成されており、上記スペーサと上記濡れ性変化層とを接触させてエネルギー照射させることが好ましい。このスペーサが形成された部分は光触媒含有層がスペーサにより覆われることから、この部分はエネルギー照射されても濡れ性変化層上の濡れ性に変化が生じない。したがって、スペーサが形成されたパターンと同じパターンで濡れ性変化層上に濡れ性の異なるパターンを形成することが可能となる。
【0034】
さらに、上記請求項17に記載の発明においては、請求項18に記載するように、上記スペーサが、遮光性の材料で形成された遮光部であることが好ましい。スペーサが遮光部であることにより、遮光部を濡れ性変化層に密着させた状態でエネルギー照射を行うことにより、より高精細なパターンを形成することが可能となるからである。
【0035】
上記請求項1から請求項18までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項19に記載するように、上記光触媒含有層が、光触媒からなる層であることが好ましい。光触媒含有層が光触媒のみからなる層であれば、濡れ性変化層の濡れ性を変化させる効率を向上させることが可能であり、効率的にカラーフィルタを製造することができるからである。
【0036】
上記請求項19に記載の発明においては、請求項20に記載するように上記光触媒含有層が、光触媒を真空製膜法により基体上に製膜してなる層であることが好ましい。真空製膜法により光触媒含有層を形成することにより、表面の凹凸が少なく均一な膜厚の均質な光触媒含有層とすることが可能であり、濡れ性変化層表面への濡れ性パターンの形成を均一にかつ高効率で行うことができるからである。
【0037】
上記請求項1から請求項18までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項21に記載するように、上記光触媒含有層が、光触媒とバインダとを有する層であってもよい。このようにバインダを用いることにより、比較的容易に光触媒含有層を形成することが可能となり、結果的に低コストでカラーフィルタの製造を行うことができるからである。
【0038】
上記請求項1から請求項21までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項22に記載するように、上記光触媒が、上記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることが好ましい。上記光触媒が、上記の物質であることにより、効率よく触媒反応を進行させることが可能であるからである。また、上記の物質の中でも、請求項23に記載するように、上記光触媒が酸化チタン(TiO)であることが好ましい。これは、二酸化チタンのバンドギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易だからである。
【0039】
上記請求項1から請求項23までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項24に記載するように、上記濡れ性変化層上における表面張力40mN/mの液体との接触角が、エネルギー照射されていない部分において10°以上であり、エネルギー照射された部分において9°以下であることが好ましい。これにより、上記濡れ性変化層がエネルギー照射を受ける前には、撥液性領域として、エネルギー照射後には親液性領域として用いることが可能となるからである。
【0040】
上記請求項1から請求項24までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項25に記載するように、上記濡れ性変化層が、オルガノポリシロキサンを含有する層であることが好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを材料として濡れ性変化層を形成することにより、濡れ性の差の大きな濡れ性パターンが形成された濡れ性変化層とすることができるからである。
【0041】
上記請求項25に記載の発明においては、請求項26に記載するように、上記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンであることが好ましい。フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンを用いることにより、より濡れ性の差が大きな濡れ性変化層とすることができるからである。
【0042】
上記請求項25または請求項26に記載の発明においては、請求項27に記載するように、上記オルガノポリシロキサンが、YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを材料として濡れ性変化層を形成することにより、濡れ性の差の大きな濡れ性パターンが形成されたカラーフィルタとすることができるからである。
【0043】
上記請求項1から請求項27までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項28に記載するように、上記エネルギー照射が、光触媒含有層を加熱しながらなされるものであってもよい。上記エネルギー照射を、光触媒含有層を加熱しながら行うことにより、光触媒の効果を高めることが可能となり、短時間のエネルギー照射により濡れ性の変化したパターンが得られるからである。
【0044】
上記請求項1から請求項28までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項29に記載するように、上記遮光部が、樹脂からなることが好ましい。上記遮光部が樹脂であることにより、湿式法により容易に形成することができるからである。
【0045】
また、本発明は請求項30に記載するように、請求項1から請求項29までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタと、これに対向する基板とを有し、両基板間に液晶化合物を封入してなることを特徴とする液晶表示装置を提供する。上述したカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタは、高精細なパターンを有し、かつ低コストで生産可能であることから、このカラーフィルタを用いることにより、低コストで高精細な液晶表示装置とすることが可能となるからである。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明は、カラーフィルタの製造方法およびカラー液晶表示に関するものである。以下、それぞれについて説明する。
【0047】
A.カラーフィルタの製造方法
本発明のカラーフィルタの製造方法は、6つの実施態様を含むものである。以下、それぞれについて説明する。
【0048】
1.第一実施態様
本発明のカラーフィルタの製造方法の第一実施態様は、
(1)透明基材上に遮光部を形成する工程と、
(2)前記透明基材上の遮光部が形成された側の面上に、光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層を形成する工程と、
(3)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と前記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記濡れ性変化層にエネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(4)この画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
を含むことを特徴とする方法である。
【0049】
本実施態様においては、例として図1に示すように、透明基材1上に遮光部2を形成し(図1(A))、その面に濡れ性変化層3を形成し、カラーフィルタ用基板4を調整する(図1(B))。次に、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23を、上記濡れ性変化層3と一定の間隙をおいて配置する。そして、フォトマスク24を光触媒含有層側基板21の基体22側に配置し、パターン状にエネルギー10を照射する(図1(C))。これにより、上記濡れ性変化層3の表面の画素部形成部5に濡れ性の変化したパターンを形成する(図1(D))。その後光触媒含有層側基板21を取り外し、画素部形成部5にインクジェット装置11により画素部形成用インク12で着色し(図1(D))、画素部6を形成する(図1(E))。
【0050】
以下、これらの工程についてそれぞれわけて説明する。なお、本実施態様におけるカラーフィルタ用基板とは、カラーフィルタが形成される基板を示すものであり、カラーフィルタとして完成する前の中間製品を示すものである。
【0051】
(遮光部の形成工程)
まず、遮光部の形成工程について説明する。本実施態様の遮光部は、例えば図1(A)に示すように、従来の方法により透明基材1上に遮光部2が形成される。上のような本実施態様の遮光部形成工程に用いられる透明基材および遮光部について以下説明する。
【0052】
本実施態様における透明基材は、例として図1に示されるように、透明基材1上に、後述する遮光部2や、濡れ性変化層3が設けられる。この透明基材としては、従来よりカラーフィルタに用いられているものであれば特に限定されるものではないが、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルタに適している。本実施態様において、透明基材は通常透明なものを用いるが、反射性の基材や白色に着色した基材でも用いることは可能である。また、透明基材は、必要に応じてアルカリ溶出防止用やガスバリア性付与その他の目的の表面処理を施したものを用いてもよい。
【0053】
本実施態様において、上記透明基材上に遮光部を製造する方法は、特に限定されるものではなく、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等により、厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成する方法等を挙げることができる。
【0054】
また、上記遮光部としては、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層であってもよく、本実施態様においては、この樹脂性遮光部であることが好ましい。このような樹脂性遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができ、一般的に金属薄膜を用いた場合より、厚さを高くすることが可能である。
【0055】
また、用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂性遮光部のパターニングの方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
【0056】
本実施態様においては、樹脂性遮光部が、湿式法により容易に形成することができることから好ましいといえる。
【0057】
(濡れ性変化層を形成する工程)
次に、濡れ性変化層を形成する工程について説明する。本実施態様の濡れ性変化層を形成する工程においては、例えば図1(B)に示すように、上述した遮光部2の形成工程により形成されたカラーフィルタ用基板2の面上に、濡れ性変化層3が形成される。以下、この濡れ性変化層について説明する。
【0058】
本実施態様における濡れ性変化層とは、光触媒の作用により濡れ性が変化する層であればいかなる層であってもよい。
【0059】
本実施態様においては、このような濡れ性変化層が、乾式法、すなわち真空蒸着法等により形成されたものであってもよく、また湿式法、すなわちスピンコート法やディップコート法等の方法により形成されたものであってもよい。
【0060】
ここで、本実施態様の濡れ性の変化に関しては、エネルギー照射前に液体との接触角が大きく、エネルギー照射後に液体との接触角が小さくなるように変化するような濡れ性変化層であってもよく、また逆にエネルギー照射前に液体との接触角が小さく、エネルギー照射後に液体との接触角が大きく変化するような濡れ性変化層であってもよい。本実施態様においては、中でもエネルギーの照射に伴う光触媒の作用により、その濡れ性変化層表面における液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する層であることが好ましい。容易に液体との接触角の小さい親液性領域のパターンを形成することが可能となるからである。
【0061】
ここで、親液性領域とは、液体との接触角が小さい領域であり、この親液性領域に、インクジェット方式により、後述する画素部を容易に形成することが可能となることから、効率的にカラーフィルタが製造でき、コスト的に有利となる。また、撥液性領域とは、液体との接触角が大きい領域である。
【0062】
なお、本実施態様においては、その領域の液体との接触角が、隣接する領域の液体との接触角より1度以上小さければ親液性領域ということとし、逆にその領域が隣接する領域の液体との接触角より1度以上大きければ撥液性領域とすることとする。
【0063】
上記濡れ性変化層は、エネルギー照射していない部分、すなわち撥液性領域においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が10°以上、好ましくは表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上の濡れ性を示すことが好ましい。これは、エネルギー照射していない部分が、本態様においては撥液性が要求される部分であることから、液体との接触角が上記範囲より小さい場合は、撥液性が十分でなく、高精細なパターンの形成が困難となり、好ましくないからである。
【0064】
また、上記濡れ性変化層は、エネルギー照射すると液体との接触角が低下して、表面張力40mN/mの液体との接触角が9°以下、好ましくは表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下となるような親液性領域となる層であることが好ましい。エネルギー照射した部分、すなわち親液性領域における液体との接触角が上記範囲より高いと、この部分での画素部着色用のインクの広がりが劣る可能性があり、色抜けや色むら等の問題が生じる可能性があるからである。
【0065】
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた値である。
【0066】
また、本実施態様において上述したような濡れ性変化層を用いた場合、この濡れ性変化層中にフッ素が含有され、さらにこの濡れ性変化層表面のフッ素含有量が、濡れ性変化層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記濡れ性変化層が形成されていてもよい。
【0067】
このような特徴を有する濡れ性変化層であれば、エネルギーを照射することにより、容易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親液性領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形成することは、撥液性領域内に親液性領域のパターンを形成することとなる。
【0068】
したがって、このような濡れ性変化層を用いた場合は、エネルギーを照射することにより、撥液性領域内に親液性領域のパターンを容易に形成することができるので、この親液性領域のみに画素部を形成することが容易に可能となり、低コストで品質の良好なカラーフィルタとすることができる。
【0069】
上述したような、フッ素を含む濡れ性変化層中に含まれるフッ素の含有量としては、エネルギーが照射されて形成されたフッ素含有量が低い親液性領域におけるフッ素含有量が、エネルギー照射されていない部分のフッ素含有量を100とした場合に10以下、好ましくは5以下、特に好ましくは1以下であることが好ましい。
【0070】
このような範囲内とすることにより、エネルギー照射部分と未照射部分との濡れ性に大きな違いを生じさせることができる。したがって、このような濡れ性変化層に画素部もしくは遮光部を形成することにより、フッ素含有量が低下した親液性領域のみに正確に画素部もしくは遮光部を形成することが可能となり、精度良くカラーフィルタを得ることができるからである。なお、この低下率は重量を基準としたものである。
【0071】
このような濡れ性変化層中のフッ素含有量の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いることが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測定できる方法であれば特に限定されるものではない。
【0072】
このような濡れ性変化層に用いられる材料としては、上述した濡れ性変化層の濡れ性、すなわちエネルギー照射により接触する光触媒含有層中の光触媒により濡れ性が変化する材料で、かつ光触媒の作用により劣化、分解しにくい主鎖を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンを挙げることができる。
【0073】
上記の(1)の場合、一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシ基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0074】
また、特にフルオロアルキル基を含有するオルガノポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
【0075】
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
(CFCF(CFCHCHSiCH(OCH
(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH
(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH
CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH;および
CF(CFSON(C)CCHSi(OCH
【0076】
上記のようなフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンをバインダとして用いることにより、濡れ性変化層のエネルギー未照射部の撥液性が大きく向上し、例えば画素部着色用のインクの付着を妨げる機能を発現する。
【0077】
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
【0078】
【化1】
Figure 0004188007
【0079】
ただし、nは2以上の整数であり、R,Rはそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R、Rがメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0080】
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコーン化合物を混合してもよい。
【0081】
本実施態様においては、このようにオルガノポリシロキサン等の種々の材料を濡れ性変化層に用いることができるのであるが、上述したように、濡れ性変化層にフッ素を含有させることが、濡れ性のパターン形成に効果的である。したがって、光触媒の作用により劣化・分解しにくい材料にフッ素を含有させる、具体的にはオルガノポリシロキサン材料にフッ素を含有させて濡れ性変化層とすることが好ましいといえる。
【0082】
このように、オルガノポリシロキサン材料にフッ素を含有させる方法としては、通常高い結合エネルギーを有する主剤に対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法、比較的弱い結合エネルギーで結合されたフッ素化合物を濡れ性変化層に混入させる方法等を挙げることができる。このような方法でフッ素を導入することにより、エネルギーが照射された場合に、まず結合エネルギーが比較的小さいフッ素結合部位が分解され、これによりフッ素を濡れ性変化層中から除去することができるからである。
【0083】
上記第1の方法、すなわち、高い結合エネルギーを有するバインダに対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法としては、上記オルガノポリシロキサンにフルオロアルキル基を置換基として導入する方法等を挙げることができる。
【0084】
例えば、オルガノポリシロキサンを得る方法として、上記(1)として記載したように、ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサンを得ることができる。ここで、この方法においては、上述したように上記一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上を、加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合することによりオルガノポリシロキサンを得るのであるが、この一般式において、置換基Yとしてフルオロアルキル基を有する珪素化合物を用いて合成することにより、フルオロアルキル基を置換基として有するオルガノポリシロキサンを得ることができる。このようなフルオロアルキル基を置換基として有するオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、エネルギーが照射された際、接触する光触媒含有層中の光触媒の作用により、フルオロアルキル基の炭素結合の部分が分解されることから、濡れ性変化層表面にエネルギーを照射した部分のフッ素含有量を低減させることができる。
【0085】
この際用いられるフルオロアルキル基を有する珪素化合物としては、フルオロアルキル基を有するものであれば特に限定されるものではないが、少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、このフルオロアルキル基の炭素数が4から30、好ましくは6から20、特に好ましくは6から16である珪素化合物が好適に用いられる。このような珪素化合物の具体例は上述した通りであるが、中でも炭素数が6から8であるフルオロアルキル基を有する上記珪素化合物、すなわちフルオロアルキルシランが好ましい。
【0086】
本実施態様においては、このようなフルオロアルキル基を有する珪素化合物を上述したフルオロアルキル基を有さない珪素化合物と混合して用い、これらの共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用いてもよいし、このようなフルオロアルキル基を有する珪素化合物を1種または2種以上用い、これらの加水分解縮合物、共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用いてもよい。
【0087】
このようにして得られるフルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサンにおいては、このオルガノポリシロキサンを構成する珪素化合物の内、上記フルオロアルキル基を有する珪素化合物が0.01モル%以上、好ましくは0.1モル%以上含まれていることが好ましい。
【0088】
フルオロアルキル基がこの程度含まれることにより、濡れ性変化層上の撥液性を高くすることができ、エネルギーを照射して親液性領域とした部分との濡れ性の差異を大きくすることができるからである。
【0089】
また、上記(2)に示す方法では、撥液牲に優れた反応性シリコーンを架橋することによりオルガノポリシロキサンを得るのであるが、この場合も同様に、上述した一般式中のR,Rのいずれかもしくは両方をフルオロアルキル基等のフッ素を含有する置換基とすることにより、濡れ性変化層中にフッ素を含ませることが可能であり、またエネルギーが照射された場合に、シロキサン結合より結合エネルギーの小さいフルオロアルキル基の部分が分解されるため、エネルギー照射により濡れ性変化層表面におけるフッ素の含有量を低下させることができる。
【0090】
一方、後者の例、すなわち、バインダの結合エネルギーより弱いエネルギーで結合したフッ素化合物を導入させる方法としては、例えば、低分子量のフッ素化合物を導入させる場合は、例えばフッ素系の界面活性剤を混入する方法等を挙げることができ、また高分子量のフッ素化合物を導入させる方法としては、バインダ樹脂との相溶性の高いフッ素樹脂を混合する等の方法を挙げることができる。
【0091】
本実施態様における濡れ性変化層には、さらに界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0092】
また、濡れ性変化層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
【0093】
このような濡れ性変化層は、上述した成分を必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基板上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。また、紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより濡れ性変化層を形成することかできる。
【0094】
本実施態様において、この濡れ性変化層の厚みは、光触媒による濡れ性の変化速度等の関係より、0.001μmから1μmであることが好ましく、特に好ましくは0.01〜0.1μmの範囲内である。
【0095】
本実施態様において上述した成分の濡れ性変化層を用いることにより、接触する光触媒含有層中の光触媒の作用により、上記成分の一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、エネルギー照射部の濡れ性を変化させて親液性とし、エネルギー未照射部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。よって、画素部着色用のインク等との受容性(親液性)および反撥性(撥液性)を高めることによって、品質の良好でかつコスト的にも有利なカラーフィルタを得ることができる。
【0096】
なお、本実施態様に用いられる濡れ性変化層は、上述したように光触媒の作用により濡れ性の変化する層であれば特に限定されるものではないが、特に、光触媒を含まない層であることが好ましい。このように濡れ性変化層内に光触媒が含まれなければ、その後カラーフィルタとして用いた場合に、経時的な光触媒の影響を心配する必要がなく、長期間に渡り問題なく使用することが可能だからである。
【0097】
(親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程)
次に、本実施態様における親液性領域からなる画素部形成部をパターンを形成する工程について説明する。この工程は、例として図1(C)に示すように、光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23と、濡れ性変化層3とを200μm以下となるように間隙をおいて配置し、画素部形成部のパターンに沿うように、エネルギー10を照射することにより、図1(D)に示すような上記濡れ性変化層3の表面の画素部形成部5を濡れ性の変化した親液性領域からなるパターンとする工程である。上記工程については、まず光触媒含有層基板を調整し、次いでその光触媒含有層基板を上述した濡れ性変化層と間隙をおいて配置し、そしてエネルギー照射を行う。以下、これらの工程について説明する。
【0098】
a.光触媒含有層基板の調整
まず、本実施態様に用いられる、光触媒含有層側基板について説明する。
【0099】
この光触媒含有層側基板は、基体と、この基体上に形成された光触媒を含有する光触媒含有層とを有するものである。このような光触媒含有層側基板は、少なくとも光触媒含有層と基体とを有するものであり、通常は基体上に所定の方法で形成された薄膜状の光触媒含有層が形成されてなるものである。また、この光触媒含有層側基板には、パターン状に形成された遮光部が形成されたものも用いることができる。以下、これらの各構成について説明する。
【0100】
(i)光触媒含有層
本実施態様に用いられる光触媒含有層は、光触媒含有層中の光触媒が、対象とする濡れ性変化層の濡れ性を変化させるような構成であれば、特に限定されるものではなく、光触媒とバインダとから構成されているものであってもよいし、光触媒単体で製膜されたものであってもよい。また、その表面の濡れ性は特に親液性であっても撥液性であってもよい。
【0101】
本実施態様において用いられる光触媒含有層は、例えば図2(a)に示すように、光触媒含有層側基板21の基体22上に、光触媒含有層23が全面に形成されたものであってもよいが、例えば図3に示すように、光触媒含有層側基板21の基体22上に光触媒含有層23がパターン上に形成されたものであってもよい。
【0102】
このように光触媒含有層をパターン状に形成することにより、後述するエネルギー照射工程において説明するように、光触媒含有層を濡れ性変化層と所定の間隔をおいて配置させてエネルギーを照射する際に、フォトマスク等を用いるパターン照射をする必要がなく、全面に照射することにより、濡れ性変化層上に濡れ性の変化したパターンを形成することができる。
【0103】
この光触媒処理層のパターニング方法は、特に限定されるものではないが、例えばフォトリソ法等により行うことが可能である。
【0104】
また、実際に光触媒含有層に面する濡れ性変化層上の部分のみの濡れ性が変化するものであるので、エネルギーの照射方向は上記光触媒含有層と濡れ性変化層とが面する部分にエネルギーが照射されるものであれば、いかなる方向から照射されてもよく、さらには、照射されるエネルギーも特に平行光等の平行なものに限定されないという利点を有するものとなる。
【0105】
このように光触媒含有層における、後述するような二酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。本実施態様においては、このキャリアが光触媒含有層近傍に配置される濡れ性変化層中の化合物に作用を及ぼすものであると思われる。
【0106】
本実施態様で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0107】
本実施態様においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本実施態様ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
【0108】
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0109】
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径が50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
【0110】
本実施態様における光触媒含有層は、上述したように光触媒単独で形成されたものであってもよく、またバインダと混合して形成されたものであってもよい。
【0111】
光触媒のみからなる光触媒含有層の場合は、濡れ性変化層上の濡れ性の変化に対する効率が向上し、処理時間の短縮化等のコスト面で有利である。一方、光触媒とバインダとからなる光触媒含有層の場合は、光触媒含有層の形成が容易であるという利点を有する。
【0112】
光触媒のみからなる光触媒含有層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法等の真空製膜法を用いる方法を挙げることができる。真空製膜法により光触媒含有層を形成することにより、均一な膜でかつ光触媒のみを含有する光触媒含有層とすることが可能であり、これにより濡れ性変化層上の濡れ性を均一に変化させることが可能であり、かつ光触媒のみからなることから、バインダを用いる場合と比較して効率的に濡れ性変化層上の濡れ性を変化させることが可能となる。
【0113】
また、光触媒のみからなる光触媒含有層の形成方法としては、例えば光触媒が二酸化チタンの場合は、基体上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることができる。次いで、400℃〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性することができる。
【0114】
また、バインダを用いる場合は、バインダの主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えばオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
【0115】
このようにオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、上記光触媒含有層は、光触媒とバインダであるオルガノポリシロキサンとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基体上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することかできる。
【0116】
また、バインダとして無定形シリカ前駆体を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一般式SiXで表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0117】
具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、基体上に空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0118】
バインダを用いた場合の光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0119】
また、光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0120】
さらに、光触媒含有層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
【0121】
(ii)基体
本実施態様においては、図2(a)に示すように、光触媒含有層側基板21は、少なくとも基体22とこの基体22上に形成された光触媒含有層23とを有するものである。この際、用いられる基体を構成する材料は、後述するエネルギー照射工程におけるエネルギーの照射方向や、得られるカラーフィルタが透明性を必要とするか等により適宜選択される。
【0122】
後述するように光触媒含有層側基板に光触媒含有層側遮光部を予め所定のパターンで形成しておき、この光触媒含有層側遮光部を用いてパターンを形成する場合や、パターンの形成を図2(b)に示すように、光触媒含有層側基板側に、フォトマスク24を用いてパターンの形成を行う場合には、フォトマスク24を光触媒含有層側基板23側に配置して、光触媒含有層側基板側からエネルギー照射をする必要がある。このような場合、基体は透明性を有するものであることが必要となる。
【0123】
一方、カラーフィルタ用基板側にフォトマスクを配置してエネルギーを照射することも可能である。また、このカラーフィルタ用基板に、先に遮光部が形成されている場合は、カラーフィルタ用基板側からエネルギーを照射してもよい。このような場合においては、基体の透明性は特に必要とされない。
【0124】
また本実施態様に用いられる基体は、可撓性を有するもの、例えば樹脂性フィルム等であってもよいし、可撓性を有さないもの、例えばガラス基板等であってもよい。これは、後述するエネルギー照射工程におけるエネルギー照射方法により適宜選択されるものである。
【0125】
このように、本実施態様における光触媒含有層側基板に用いられる基体は特にその材料を限定されるものではないが、本実施態様においては、この光触媒含有層側基板は、繰り返し用いられるものであることから、所定の強度を有し、かつその表面が光触媒含有層との密着性が良好である材料が好適に用いられる。
【0126】
具体的には、ガラス、セラミック、金属、プラスチック等を挙げることができる。
【0127】
なお、基体表面と光触媒含有層との密着性を向上させるために、基体上にアンカー層を形成するようにしてもよい。このようなアンカー層としては、例えば、シラン系、チタン系のカップリング剤等を挙げることができる。
【0128】
(iii)光触媒含有層側遮光部
本実施態様に用いられる光触媒含有層側基板には、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部が形成されたものを用いても良い。このように光触媒含有層側遮光部を有する光触媒含有層側基板を用いることにより、エネルギー照射に際して、フォトマスクを用いたり、レーザ光による描画照射を行う必要がない。したがって、光触媒含有層側基板とフォトマスクとの位置合わせが不要であることから、簡便な工程とすることが可能であり、また描画照射に必要な高価な装置も不必要であることから、コスト的に有利となるという利点を有する。
【0129】
このような光触媒含有層側遮光部を有する光触媒含有層側基板は、光触媒含有層側遮光部の形成位置により、下記の二つの実施態様とすることができる。
【0130】
一つが、例えば図4に示すように、光触媒含有層側基板21の基体22上に光触媒含有層側遮光部25を形成し、この光触媒含有層側遮光部25上に光触媒含有層23を形成する実施態様である。もう一つは、例えば図5に示すように、光触媒含有層側基板21の基体22上に光触媒含有層23を形成し、その上に光触媒含有層側遮光部25を形成する実施態様である。
【0131】
いずれの実施態様においても、フォトマスクを用いる場合と比較すると、光触媒含有層側遮光部が、上記光触媒含有層と濡れ性変化層とが間隙をもって位置する部分の近傍に配置されることになるので、基体内等におけるエネルギーの散乱の影響を少なくすることができることから、エネルギーのパターン照射を極めて正確に行うことが可能となる。
【0132】
さらに、上記光触媒含有層上に光触媒含有層側遮光部を形成する実施態様においては、光触媒含有層と濡れ性変化層とを所定の間隙をおいて配置する際に、この光触媒含有層側遮光部の膜厚をこの間隙の幅と一致させておくことにより、上記光触媒含有層側遮光部を上記間隙を一定のものとするためのスペーサとしても用いることができるという利点を有する。
【0133】
すなわち、所定の間隙をおいて上記光触媒含有層と濡れ性変化層とを接触させた状態で配置する際に、上記光触媒含有層側遮光部と濡れ性変化層とを密着させた状態で配置することにより、上記所定の間隙を正確とすることが可能となり、そしてこの状態で光触媒含有層側基板からエネルギーを照射することにより、濡れ性変化層上にパターンを精度良く形成することが可能となるのである。
【0134】
このような光触媒含有層側遮光部の形成方法は、特に限定されるものではなく、光触媒含有層側遮光部の形成面の濡れ性や、必要とするエネルギーに対する遮蔽性等に応じて適宜選択されて用いられる。
【0135】
ここで、本実施態様の光触媒含有層側遮光部の形成方法および材料は、上述した遮光部と同様であるので、ここでの説明は省略する。このような光触媒含有層側遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができる。このよう樹脂性光触媒含有層側遮光部のパターニングの方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
【0136】
なお、上記説明においては、光触媒含有層側遮光部の形成位置として、基体と光触媒含有層との間、および光触媒含有層表面の二つの場合について説明したが、その他、基体の光触媒含有層が形成されていない側の表面に光触媒含有層側遮光部を形成する態様も採ることが可能である。この態様においては、例えばフォトマスクをこの表面に着脱可能な程度に密着させる場合等が考えられ、カラーフィルタを小ロットで変更するような場合に好適に用いることができる。
【0137】
(iv)プライマー層
本実施態様において、上述したように基体上に光触媒含有層側遮光部をパターン状に形成して、その上に光触媒含有層を形成して光触媒含有層側基板とする場合においては、上記光触媒含有層側遮光部と光触媒含有層との間にプライマー層を形成することが好ましい。
【0138】
このプライマー層の作用・機能は必ずしも明確なものではないが、光触媒含有層側遮光部と光触媒含有層との間にプライマー層を形成することにより、プライマー層は光触媒の作用による濡れ性変化層の濡れ性変化を阻害する要因となる光触媒含有層側遮光部および光触媒含有層側遮光部間に存在する開口部からの不純物、特に、光触媒含有層側遮光部をパターニングする際に生じる残渣や、金属、金属イオン等の不純物の拡散を防止する機能を示すものと考えられる。したがって、プライマー層を形成することにより、高感度で濡れ性変化の処理が進行し、その結果、高解像度のパターンを得ることが可能となるのである。
【0139】
なお、本実施態様においてプライマー層は、光触媒含有層側遮光部のみならず光触媒含有層側遮光部間に形成された開口部に存在する不純物が光触媒の作用に影響することを防止するものであるので、プライマー層は開口部を含めた光触媒含有層側遮光部全面にわたって形成されていることが好ましい。
【0140】
図6はこのようなプライマー層を形成した光触媒含有層側基板の一例を示すものである。光触媒含有層側基板21の光触媒含有層側遮光部25が形成された基体22の光触媒含有層側遮光部25が形成されている側の表面にプライマー層26が形成されており、このプライマー層26の表面に光触媒含有層23が形成されている。
【0141】
本実施態様におけるプライマー層は、光触媒含有層側基板の光触媒含有層側遮光部と光触媒含有層とが接触しないようにプライマー層が形成された構造であれば特に限定されるものではない。
【0142】
このプライマー層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、光触媒の作用により分解されにくい無機材料が好ましい。具体的には無定形シリカを挙げることができる。このような無定形シリカを用いる場合には、この無定形シリカの前駆体は、一般式SiXで示され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物であり、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0143】
また、プライマー層の膜厚は、0.001μmから1μmの範囲内であることが好ましく、特に0.001μmから0.1μmの範囲内であることが好ましい。
【0144】
b.エネルギー照射工程
本実施態様においては、次に、光触媒含有層および濡れ性変化層を200μm以下の間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射する工程が行われる。この工程においては、光触媒含有層および濡れ性変化層を密着させてもよい。
【0145】
本実施態様において上記間隙は、パターン精度が極めて良好であり、光触媒の感度も高く、したがって濡れ性変化の効率が良好である点を考慮すると特に0.2μm〜10μmの範囲内、好ましくは1μm〜5μmの範囲内とすることが好ましい。このような間隙の範囲は、特に間隙を高い精度で制御することが可能である小面積のカラーフィルタ用基板に対して特に有効である。
【0146】
一方、例えば300mm×300mmといった大面積のカラーフィルタ用基板に対して処理を行う場合は、接触することなく、かつ上述したような微細な間隙を光触媒含有層側基板とカラーフィルタ用基板との間に形成することは極めて困難である。したがって、カラーフィルタ用基板が比較的大面積である場合は、上記間隙は、10〜100μmの範囲内、特に50〜75μmの範囲内とすることが好ましい。間隙をこのような範囲内とすることにより、パターンがぼやける等のパターン精度の低下の問題や、光触媒の感度が悪化して濡れ性変化の効率が悪化する等の問題が生じることなく、さらに濡れ性変化層上の濡れ性変化のムラが発生しないといった効果を有するからである。
【0147】
このように比較的大面積のカラーフィルタ用基板をエネルギー照射する際には、エネルギー照射装置内の光触媒含有層側基板とカラーフィルタ用基板との位置決め装置における間隙の設定を、10μm〜200μmの範囲内、特に25μm〜75μmの範囲内に設定することが好ましい。設定値をこのような範囲内とすることにより、パターン精度の大幅な低下や光触媒の感度の大幅な悪化を招くことなく、かつ光触媒含有層側基板とカラーフィルタ用基板とが接触することなく配置することが可能となるからである。
【0148】
上述したように、光触媒含有層と濡れ性変化層表面とを所定の間隔で離して配置することにより、酸素と水および光触媒作用により生じた活性酸素種が脱着しやすくなる。すなわち、上記範囲より光触媒含有層と濡れ性変化層との間隔を狭くした場合は、上記活性酸素種の脱着がしにくくなり、結果的に濡れ性の変化速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくない。また、上記範囲より間隔を離して配置した場合は、生じた活性酸素種が濡れ性変化層に届き難くなり、この場合も濡れ性の変化速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくない。
【0149】
本実施態様においては、このような間隙をおいた配置状態は、少なくともエネルギー照射の間だけ維持されればよい。
【0150】
このような極めて狭い間隙を均一に形成して光触媒含有層と濡れ性変化層とを配置する方法としては、例えばスペーサを用いる方法を挙げることができる。そして、このようにスペーサを用いることにより、均一な間隙を形成することができると共に、このスペーサが接触する部分は、光触媒の作用が濡れ性変化層表面に及ばないことから、このスペーサを上述したパターンと同様のパターンを有するものとすることにより、濡れ性変化層上に所定のパターンを形成することが可能となる。
【0151】
本実施態様においては、このようなスペーサを一つの部材として形成してもよいが、工程の簡略化等のため、上記光触媒含有層側基板の欄で説明したように、光触媒含有層側基板の光触媒含有層表面に形成することが好ましい。なお、上記光触媒含有層側基板調製工程における説明においては、光触媒含有層側遮光部として説明したが、本実施態様においては、このようなスペーサは濡れ性変化層表面に光触媒の作用が及ばないように表面を保護する作用を有すればよいものであることから、特に照射されるエネルギーを遮蔽する機能を有さない材料で形成されたものであってもよい。
【0152】
なお、本実施態様でいうエネルギー照射(露光)とは、光触媒含有層による濡れ性変化層表面の濡れ性を変化させることが可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であり、可視光の照射に限定されるものではない。
【0153】
通常このようなエネルギー照射に用いる光の波長は、400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定される。これは、上述したように光触媒含有層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネルギーとして、上述した波長の光が好ましいからである。
【0154】
このようなエネルギー照射に用いることができる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。
【0155】
上述したような光源を用い、フォトマスクを介したパターン照射により行う方法の他、エキシマ、YAG等のレーザを用いてパターン状に描画照射する方法を用いることも可能である。
【0156】
ここで、エネルギー照射に際してのエネルギーの照射量は、濡れ性変化層表面が光触媒含有層中の光触媒の作用により濡れ性変化層表面の濡れ性の変化が行われるのに必要な照射量とする。
【0157】
またこの際、光触媒含有層を加熱しながらエネルギー照射することにより、感度を上昇させることが可能となり、効率的な濡れ性の変化を行うことができる点で好ましい。具体的には30℃〜80℃の範囲内で加熱することが好ましい。
【0158】
本実施態様におけるエネルギー照射方向は、光触媒含有層側基板側からであってもよく、また上述した遮光部をマスクとしてカラーフィルタ用基板側からであってもよい。ここで、光触媒含有層側基板に光触媒含有層側遮光部が形成されている場合は、光触媒含有層側基板側からエネルギー照射が行なわれる必要があり、かつこの場合は光触媒含有層側基板が照射されるエネルギーに対して透明である必要がある。なお、この場合、光触媒含有層上に光触媒含有層側遮光部が形成され、かつこの光触媒含有層側光触媒含有層側遮光部を上述したようなスペーサとしての機能を有するように用いた場合においては、エネルギー照射方向は光触媒含有層側基板側からでもカラーフィルタ用基板側からであってもよい。
【0159】
また、本実施態様においては、カラーフィルタ用基板は、上述したような遮光部が形成されていることから、カラーフィルタ用基板側から全面エネルギー照射してもよい。これにより、遮光部の上面に形成された部分の濡れ性変化層のみエネルギー照射されず、画素部形成部のみをエネルギー照射することができる。したがって、フォトマスク等を用いることなくエネルギーのパターン照射を行うことができるからである。
【0160】
さらに、光触媒含有層がパターン状に形成されている場合におけるエネルギー照射方向は、光触媒含有層と濡れ性変化層とが接触する部分にエネルギーが照射されるのであればいかなる方向から照射されてもよい。同様に、上述したスペーサを用いる場合も、接触する部分にエネルギーが照射されるのであればいかなる方向から照射されてもよい。ここで、フォトマスクを用いる場合は、フォトマスクが配置された側からエネルギーが照射されることが必要である。
【0161】
上述したようなエネルギー照射が終了すると、光触媒含有層側基板が濡れ性変化層との接触位置から離され、これにより図1(D)に示すように濡れ性が変化した画素部形成部5がパターン状に濡れ性変化層3上に形成される。
【0162】
ここで、本実施態様においては、画素部の幅が、遮光部により形成される開口部の幅より広く形成されることが好ましい。これにより、液晶表示装置として完成した後、バックライトが照射された場合に、画素部の形成されていない部分をバックライトが透過する可能性がなくなり、色抜け等の不都合が生じないためである。
【0163】
例として、図1に示すように親液性領域からなる画素部形成部5を形成するための光触媒含有基板21のフォトマスク24の光触媒含有層側遮光部を、カラーフィルタ用基板4の遮光部2より幅を狭くするようにすることにより、上記のような画素部を形成することが可能である。
【0164】
(画素部形成工程)
次に、本実施態様における画素部を形成する工程について説明する。上述した工程により、例えば図1(D)に示すように、濡れ性が変化して親液性領域となった画素部形成部5に、インクジェット装置11を用いてインク12を噴射し、それぞれ赤、緑、および青に着色し画素部6を形成する。
【0165】
この場合、画素部形成部5内は上述したようにエネルギーの照射により液体との接触角の小さい親液性領域となっているため、インクジェット装置11から噴出されたインク12は、画素部形成部5内に均一に広がる。また、エネルギー照射が行われていない光触媒含有層の領域は、撥液性領域となっているため、インクはこの領域でははじかれて除去されることになる。
【0166】
通常画素部は、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色で形成される。この画素部における着色パターン、着色面積は任意に設定することができる。このような画素部を形成するインクジェット方式のインクとしては、大きく水性、油性に分類されるが、本実施態様においてはいずれのインクであっても用いることができるが、表面張力の関係から水をベースとした水性のインクが好ましい。
【0167】
本実施態様で用いられる水性インクには、溶媒として、水単独または水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒を用いることがきる。一方、油性インクにはヘッドのつまり等を防ぐために高沸点の溶媒をベースとしたものが好ましく用いられる。このようなインクジェット方式のインクに用いられる着色剤は、公知の顔料、染料が広く用いられる。また、分散性、定着性向上のために溶媒に可溶・不溶の樹脂類を含有させることもできる。その他、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などの界面活性剤;防腐剤;防黴剤;pH調整剤;消泡剤;紫外線吸収剤;粘度調整剤:表面張力調整剤などを必要に応じて添加しても良い。
【0168】
また、通常のインクジェット方式のインクは適性粘度が低いためバインダ樹脂を多く含有できないが、インク中の着色剤粒子を樹脂で包むかたちで造粒させることで着色剤自身に定着能を持たせることができる。このようなインクも本実施態様においては用いることができる。さらに、所謂ホットメルトインクやUV硬化性インクを用いることもできる。
【0169】
本実施態様においては、中でもUV硬化性インクを用いることが好ましい。UV硬化性インクを用いることにより、インクジェット方式により着色して画素部を形成後、UVを照射することにより、素早くインクを硬化させることができ、すぐに次の工程に送ることができる。したがって、効率よくカラーフィルタを製造することができるからである。また、上述したように、画素部形成部内のインクは均一に広がっているため、このようにインクを固化した場合、色抜けや色むらのない画素部を形成することができる。そして、必要に応じてこの上に保護層を設けてもよい。
【0170】
このようなUV硬化性インクは、プレポリマー、モノマー、光開始剤及び着色剤を主成分とするものである。プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート、シリコンアクリレート等のプレポリマーのいずれかを特に限定することなく用いることができる。
【0171】
モノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル等のビニルモノマー;n−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマー;ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシピペリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート等の多官能アクリルモノマーを用いることができる。上記プレポリマー及びモノマーは単独で用いても良いし、2種以上混含しても良い。
【0172】
光重合開始剤は、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、1−フェニル−l,2−プロパジオン−2−オキシム、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、塩素置換ベンゾフェノン、ハロゲン置換アルキル−アリルケトン等の中から所望の硬化濡れ性、記録濡れ性が得られるものを選択して用いることができる。その他必要に応じて脂肪族アミン、芳香族アミン等の光開始助剤;チオキサンソン等の光鋭感剤等を添加しても良い。
【0173】
また、本実施態様に用いられるインクジェット装置としては、特に限定されるものではないが、帯電したインクを連続的に噴射し磁場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等の各種の方法を用いたインクジェット装置を用いることができる。
【0174】
ここで、本実施態様においては、上述したように、画素部を一回のエネルギーの照射とエネルギー照射部へのインクの付着で形成してもよいが、上述した画素部の形成方法では、インクの付着に際してエネルギーが照射された親液性領域である画素部形成部間の距離が短い。したがって、画素部の形成に際してインクが混じる等の問題が生じる可能性がある。このような問題を回避する方法として、以下に示すようなエネルギー照射および画素部の形成を少なくとも2回に分けて行う方法を挙げることができる。
【0175】
図7は、エネルギー照射および画素部の形成を2回に分けて行った例を示すものである。上述した図1に示す例と同様にして透明基材1上に遮光部2を形成し、この遮光部2を覆うように濡れ性変化層3を透明基材1上に形成したカラーフィルタ形成用基板4を形成する。この濡れ性変化層3と向かい合うように、光触媒含有層21の基体22上に形成された光触媒含有層23を配置し、フォトマスク24を用いて、画素部形成部の一つおきに画素部が形成されるようにエネルギー10を照射する(図7(A))。これにより形成された親液性領域の画素部形成部5にインクジェット装置11を用いて画素部形成用インク12を付着させることにより(図7(B))、画素部形成部の一つおきの部分に画素部6を形成する(図7(C))。なお、ここで形成された画素部は、この画素部上に2回目のインクジェット装置によるインクの着色を防止するため、画素部自体が撥液性であることが好ましく、またその表面をシリコーン化合物や含フッ素化合物等の撥インク処理剤で処理するようにしてもよい。
【0176】
そして、画素部6が一つおきに形成された濡れ性変化層3側から、光触媒含有基板21を用いて再度エネルギー10を照射することにより、画素部6の間の画素部形成部をエネルギー照射して画素部形成部5とし、ここにインクジェット装置11を用いて画素部形成用インク12を付着させることにより、画素部4を形成し、カラーフィルタを得ることができる(図7(D))。
【0177】
この方法によれば、各画素部間の距離を少なくするもしくは無くすことも可能であるので、平滑性に優れた着色層(画素部の集合体)を形成することができる。また、第1回目の画素部の形成に際して、形成される画素部の間が広いため、この部分を超えてインクが混じり合うことはない。したがって、インクの混色等の無い高品質なカラーフィルタを得ることができる。
【0178】
なお、上述した方法では、一回目で形成する画素部6は一つおきとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、最初に形成される画素部が隣接しないようにするのであれば、例えば千鳥状等、カラーフィルタの画素部の形状によって変更してもよい。また、上述した説明では、2回に分けて画素部を形成するようにしたが、必要であれば、3回もしくはそれ以上の回数で画素部を形成するようにしてもよい。
【0179】
(撥液性凸部について)
本実施態様においては、濡れ性変化層を形成する工程の後に、遮光部上の光触媒含有層にエネルギーを照射して撥液性凸部用露光部を形成し、この撥液性凸部用露光部に撥液性凸部を形成する工程を有するようにしてもよい。
【0180】
この撥液性凸部を形成する工程について、例として図8を用いて説明する。上述した図1に示す第一実施態様と同様にして、透明基材1上に遮光部2が形成され、これらを覆うように濡れ性変化層3が形成されたカラーフィルタ形成用基板に、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23を一定の間隙をおいて配置し、フォトマスク24を用いて撥液性凸部のパターン状にエネルギー10を照射する(図8(A))。これにより、遮光部形成部2上の濡れ性変化層3を親液性領域とし、表面の撥液性凸部形成部7に濡れ性の変化したパターンを形成する。
【0181】
この撥液性凸部形成部7に、インクジェット装置11によりUV硬化性樹脂モノマー等の撥液性凸部用インク8を付着させる(図8(B))。なお、この撥液性凸部用インクの塗布方法は、インクジェット装置による方法に限られるものでなく、例えばディップコート等他の方法を用いることもできる。
【0182】
そして、UV照射等により撥液性凸部用インク8を硬化させることにより、遮光部2上の濡れ性変化層3表面に撥液性凸部9が形成される(図8(C))。この撥液性凸部9の幅は、図面に示すように遮光部2の幅より狭くなるように形成されることが好ましい。このように形成することにより、上述したように色抜け等の問題が生じないからである。
【0183】
このようにして濡れ性変化層3上に撥液性凸部9が形成された部材に、光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23と、濡れ性変化層3とを一定の間隙をおいて配置し、光触媒含有基板21側からエネルギー10を全面に照射、もしくは照射することにより、撥液性凸部9が形成された部位以外がエネルギー照射されて、画素部形成部となり、その後は上述した方法と同様に光触媒含有層側基板21を用いてエネルギー照射を行い、濡れ性変化層が親液性領域とされた画素部形成部5にインクジェット装置11を用いて画素部形成用インク12を付着させ、硬化させることにより画素部6が形成され、撥液性凸部9が設けられたカラーフィルタを製造することができる(図8(C)、(D)、および(E))。
【0184】
この方法では、遮光部2上の光触媒含有層3にエネルギー10を照射して撥液性凸部形成部7を形成するので、任意の幅で撥液性凸部形成部7を形成することができる。したがって、ここに撥液性凸部用インク8を塗布することにより、任意の幅の撥液性凸部9を形成することができる。よって、撥液性凸部用マスクの幅を調整することにより、上述した遮光部2より幅の狭い撥液性凸部9を形成することができる。このような遮光部2より幅の狭い撥液性凸部9を形成することにより、この撥液性凸部9間に形成される画素部6の幅を遮光部2の開口部の幅より広くすることができるので、色抜け等の不具合の無いカラーフィルタが得られることは、上述した通りである。
【0185】
なお、本実施態様では、撥液性凸部を光触媒含有層の濡れ性の変化により形成しているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えばフォトリソ法等により撥液性凸部を設けたものであってもよい。
【0186】
2.第二実施態様
本発明の第二実施態様は、
(1)透明基材上に光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層を、上記透明基材上の画素部が形成される部位である画素部形成部に形成する工程と、
(2)上記濡れ性変化層が設けられた上記画素部形成部の境界部分に遮光部を形成する工程と、
(3)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記画素部形成部をエネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域とする工程と
(4)上記親液性領域とされた画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0187】
本実施態様においては、例えば図9に示すように、透明基材1上の画素部の形成される画素部形成部に濡れ性変化層3を形成する(図9(A))。上記濡れ性変化層3が形成された画素部形成部の境界部分である遮光部形成部に、遮光部2を形成する(図9(B))。次に、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23を、上記濡れ性変化層3と一定の間隙をおいて配置し、エネルギー10を照射し(図9(C))、上記濡れ性変化層3の表面の画素部形成部5に濡れ性の変化したパターンを形成する(図9(D))。その後光触媒含有層側基板21を取り外し、濡れ性の変化した画素部形成部5にインクジェット装置11により画素部形成用インク12で着色し(図9(D))、画素部6を形成する(図1(E))。以下、これらについてそれぞれ説明する。
【0188】
(濡れ性変化層形成工程)
まず、透明基材1上の画素部が形成される部位に濡れ性変化層3を形成する(図9(A))。すなわち、この方法ではまず濡れ性変化層3を透明基材上にパターン状に形成する。このように濡れ性変化層をパターン状に形成する方法としては、例えば感光性のゾルゲル溶液を用いて、フォトリソ法により形成する方法や、印刷による方法等を挙げることができる。
【0189】
ここで用いられる透明基材および濡れ性変化層は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0190】
ここで、透明基材については、後述するように、透明基材上に遮光部を形成することから、上述した第一実施態様の透明基材の中でも、本実施態様では透明基材上の濡れ性が親液性であることが好ましく、具体的には、表面張力40mN/mの液体との接触角として10度未満であることが好ましく、さらに好ましくは、表面張力40mN/mの液体との接触角として5度以下、特に好ましくは1度以下であることである。また、透明基材は表面を親液性となるように、表面処理したものであってもよい。材料の表面を親液性となるように表面処理した例としては、アルゴンや水などを利用したプラズマ処理による親液性表面処理が挙げられ、透明基材上に形成する親液性の層としては、例えばテトラエトキシシランのゾルゲル法によるシリカ膜等を挙げることができる。
【0191】
(遮光部形成工程)
上述した濡れ性変化層形成工程で形成された濡れ性変化層3が形成されていない部分(遮光部形成部)に、例えばインクジェット装置等を用いて、遮光部用塗料等を塗布することにより遮光部2を形成する(図9(B))。上述したように、濡れ性変化層3表面の濡れ性は、透明基材1の表面と比較して、撥液性とされている。これにより、インクジェット方式等で遮光部2を形成する際、撥液性を示す濡れ性変化層上に遮光部用塗料は付着せずに、透明基材1上の遮光部形成部にのみ付着して遮光部が形成される。
【0192】
ここで、本実施態様の遮光部の形成方法は、上述したインクジェット法に限定されるものではなく、フォトリソ法等であってもよい。
【0193】
また、本実施態様で用いられる遮光部は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0194】
(親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程)
次に、上述した工程により遮光部2が形成された後、第一実施態様と同様に、光触媒含有層側基板21を調整し、その光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23を上述した濡れ性変化層3と間隙をおいて配置し、エネルギー10の照射を行う(図9(C))。本実施態様で用いられる光触媒含有層側基板およびエネルギー照射工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0195】
ここで、本実施態様においては、上記エネルギー照射により、画素部形成部を親液性にするだけでなく、上述した遮光部形成工程で発生したカラーフィルタ上の不純物を同時に除去することが可能である。上記遮光部を例としてフォトリソ法等で形成した場合には、通常遮光部形成後に洗浄工程が必要であり、低圧水銀ランプやエキシマランプ等のUVを全面に照射する等の方法により行われている。しかしながら、本実施態様においては、上記光触媒含有層側基板を用いて、エネルギーを照射することにより、カラーフィルタ用基板上の有機物を分解することも可能であることから、洗浄工程が不必要となり、製造効率やコストの面からも好ましい。
【0196】
(画素部形成工程)
次に、上述した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程により、親液性領域とされた画素部形成工程に、インクジェット方式により画素部6が形成される(図9(D)(E))。本実施態様における画素部形成工程は、インクジェット装置、各種インク等、第一実施態様と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0197】
3.第三実施態様
本発明の第三実施態様は、
(1)透明基材上に光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層を、上記透明基材上の遮光部が形成される部位である遮光部形成部に形成する工程と、
(2)上記透明基材上の濡れ性変化層が形成されていない部分にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と、
(3)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記遮光部形成部をエネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域とする工程と、
(4)上記親液性領域とされた遮光部形成部に遮光部を形成する工程と
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法を含むものである。
【0198】
本実施態様においては、例えば図10に示すように、透明基材1上に遮光部の形成される遮光部形成部に濡れ性変化層3を形成する(図10(A))。上記濡れ性変化層3が形成された遮光部形成部の境界部分である画素部形成部に、インクジェット装置11により画素部形成用インク12で着色し、画素部6を形成する(図10(B))。次に、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23を、上記濡れ性変化層3と一定の間隙をおいて配置し、エネルギー10を照射し、上記濡れ性変化層3の表面の遮光部形成部13に濡れ性の変化したパターンを形成する(図10(C))。その後光触媒含有層側基板21を取り外し、濡れ性の変化した遮光部形成部13に遮光部2を形成する(図10(D))。以下、これらについてそれぞれ説明する。
【0199】
(濡れ性変化層形成工程)
本実施態様においては、まず透明基材1上に濡れ性変化層3を、遮光部が形成される遮光部形成部にパターン状に形成する(図10(A))。この濡れ性変化層3をパターン状に形成する方法は、上記第二実施態様で用いた方法と同様であり、また透明基材および濡れ性変化層については、第一実施態様および第二実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0200】
(画素部形成工程)
次に、画素部形成工程について説明する。上述した濡れ性変化層形成工程によって濡れ性変化層3が形成されていない部分、すなわち画素部が形成される画素部形成部にインクジェット装置等を用いてインクを付着させ画素部6を形成する(図10(B))。この画素部6の形成に際しては、上記第一実施態様で説明した、エネルギーの照射および画素部の形成を2回以上に分けて形成する方法を用いてもよい。画素部6を形成する際に、画素部6間の撥液性領域が狭いため、インクが混じり合う可能性があるからである。
【0201】
ここで、インクジェット装置や画素部形成インク等は第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0202】
(親液性領域からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程)
上述した工程により画素部6が形成された後、第一実施態様と同様に、光触媒含有層側基板21を調整し、その光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23を上述した濡れ性変化層3と、所定の間隙をおいて配置し、エネルギー10の照射を行い、遮光部形成部を親液性領域とする(図10(C))。ここで、本実施態様で用いられる光触媒含有層側基板およびエネルギー照射工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0203】
(遮光部形成工程)
次に、上述した工程により親液性領域とされた遮光部形成部に、インクジェット法等により、遮光部を形成する。本実施態様の遮光部形成工程は、第二実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0204】
4.第四実施態様
本発明の第四実施態様は、
(1)光触媒の作用により濡れ性が変化する透明な濡れ性変化層と、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程と
(2)上記親液性領域とされた遮光部形成部に遮光部を形成する工程と、
(3)上記遮光部が形成された上記濡れ性変化層と上記光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(4)上記親液性領域とされた画素部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0205】
本実施態様においては、例として図11に示すように、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23を、濡れ性変化層3と一定の間隙をおいて配置し、フォトマスク24を用いてエネルギー10をパターン状に照射し(図11(A))、濡れ性の変化した遮光部形成部13を形成する。次に上記濡れ性の変化した遮光部形成部13に、遮光部2を形成する(図11(B))。
【0206】
次に、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23を、濡れ性変化層3と一定の間隙をおいて配置し、エネルギー10を照射し(図11(C))、親液性領域とした画素部形成部5を形成する。この濡れ性の変化した画素部形成部5にインクジェット装置11により画素部形成用インク12で着色し(図11(D))、画素部6を形成する(図11(E))。以下、これらについてそれぞれ説明する。
【0207】
(親液性領域からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程)
まず、本実施態様においても、第一実施態様と同様に、光触媒含有層側基板21を調整し、その光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23を濡れ性変化層3と間隙をおいて配置し、遮光部形成部のみにエネルギー10の照射を行う(図11(A))。このエネルギー照射により、遮光部形成部をパターン状に親液性領域として形成する。画素部形成部は、エネルギー未照射のままであり、撥液性領域である。本実施態様においては、この照射パターンと未照射パターンの撥液性の差を利用して、パターンの形成を行う。本実施態様に用いられる光触媒含有層側基板は、第一実施態様で述べたように、遮光部のみをパターン状にエネルギー照射できるものであれば、特に限定されるものではなく、フォトマスクを用いてもよく、また光触媒含有層がパターン状に形成されたもの、光触媒含有層および遮光部を有するものであってもよい。
【0208】
本実施態様で用いられる光触媒含有層側基板およびエネルギー照射工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0209】
ここで、本実施態様の濡れ性変化層は、自己支持性のあるものであってもよく、また自己支持性のないものであってもよい。なお、本発明でいう自己支持性を有するとは、他の支持材無しで有形な状態で存在し得ることをいうこととする。
【0210】
このような本実施態様に用いられる濡れ性変化層の材料として、具体的には、第一実施態様と同様に光触媒含有層をその表面に接触させてエネルギーを照射させることにより、その後塗布する画素部もしくは遮光部用インク等が有する表面張力と同等の表面張力の液体に対する接触角が、少なくとも1°以上、好ましくは5°特に10°以上変化する材料を挙げることができる。
【0211】
また、この濡れ性変化層は、照射されるエネルギーを透過することができる材料で形成されていることが必要である。
【0212】
このような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルフロライド、アセタール樹脂、ナイロン、ABS、PTFE、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリ弗化ビニリデン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン等を挙げることができる。
【0213】
上記の自己支持性のない濡れ性変化層である場合には、第一実施態様で述べた透明基材上に濡れ性変化層形成する工程を有することが好ましく、本実施態様においては、この自己支持性のない濡れ性変化層であることが好ましい。上述した濡れ性が大幅に変化する材料で形成される濡れ性変化層は、通常自己支持性のある材料が少なく、透明基材上に形成することにより、強度等が増し、様々なカラーフィルタに使用することが可能とからである。
【0214】
(遮光部形成工程)
次に、上述した工程で、親液性領域とされた遮光部形成部にインクジェット法等により、遮光部を形成する。この場合、上述したように、親液性とされていない画素部形成部は、撥液性であることから、遮光部を容易にインクジェット法等により、形成することができる。本実施態様の遮光部形成工程は、第二実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0215】
(親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程)
次に、上述した工程で遮光部が形成されたカラーフィルタ用基板の濡れ性変化層3を、遮光部形成部をパターン状に形成する工程と同様に、光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23と間隙をおいて配置し、画素部形成部にエネルギー10の照射を行う(図11(C))。このエネルギー照射により、画素部形成部をパターン状に親液性領域として形成する。この場合のエネルギー照射は、パターン状に行ってもよく、また全面に行ってもよい。さらに、本実施態様においては、このエネルギー照射で、第二実施態様と同様に上述した遮光部形成工程による不純物の除去も行うことが可能である。本実施態様における画素部形成部をパターン状に形成する工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0216】
(画素部形成工程)
さらに、上述した画素部形成部をパターン状に形成する工程により形成された親液性領域である画素部形成部に、インクジェット方式により、画素部を形成する。本実施態様の画素部形成工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0217】
5.第五実施態様
(1)光触媒の作用により濡れ性が変化する透明な濡れ性変化層と、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と
(2)上記親液性領域とされた画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と、
(3)上記画素部が形成された上記濡れ性変化層と上記光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程と
(4)上記親液性領域とされた遮光部形成部に遮光部を形成する工程と
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0218】
本実施態様においては、例として図12に示すように、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23を、濡れ性変化層3と一定の間隙をおいて配置し、フォトマスク24を用いてエネルギー10をパターン状に照射し(図12(A))、親液性領域からなる画素部形成部5を形成する。次に、この親液性領域からなる画素部形成部5にインクジェット装置11により画素部形成用インク12で着色し(図12(B))、画素部6を形成する。次に、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23を、濡れ性変化層3と一定の間隙をおいて配置し、エネルギー10を照射し(図12(C))、親液性領域からなる遮光部形成部13を形成する。この親液性領域からなる遮光部形成部13に遮光部2を形成する(図12(D))。以下、これらについてそれぞれ説明する。
【0219】
(親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程)
まず、本実施態様においても、第四実施態様と同様に、光触媒含有層側基板21を調整し、その光触媒含有層側基板21を光触媒含有層23と濡れ性変化層3と間隙をおいて配置し、画素部形成部のみにエネルギー照射10を行う(図12(A))。このエネルギー照射により、画素部形成部をパターン状に親液性領域として形成する。遮光部形成部は、エネルギー未照射のままであり、撥液性である。本実施態様においても、第四実施態様と同様にこの照射パターンと未照射パターンの撥液性の差を利用して、パターンの形成を行う。
【0220】
また、本実施態様に用いられる透明な濡れ性変化層は、第四実施態様と同様に自己支持性のあるものであってもよく、また自己支持性のないものであってもよい。自己支持性のない濡れ性変化層である場合には、第一実施態様で述べた透明基材上に濡れ性変化層形成する工程を有することが好ましい。
【0221】
本実施態様で用いられる光触媒含有層側基板およびエネルギー照射工程は、第一実施態様および第四実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0222】
(画素部形成工程)
次に上述した画素部形成部をパターン状に形成する工程により形成された親液性領域である画素部形成部に、インクジェット方式により、画素部を形成する(図12(B))。本実施態様の画素部形成工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0223】
また、本実施態様においては、上記第一実施態様で説明した、エネルギーの照射および画素部の形成を2回以上に分けて形成する方法を用いてもよい。画素部6を形成する際に、画素部6間の撥液性領域が狭いため、インクが混じり合う可能性があるからである。
【0224】
(親液性領域からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程)
次に、上述した工程で画素部が形成されたカラーフィルタ用基板の濡れ性変化層3を、画素部形成部をパターン状に形成する工程と同様に、光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23と間隙をおいて配置し、遮光部形成部にエネルギー照射10を行う(図12(C))。このエネルギー照射により、遮光部形成部をパターン状に親液性領域として形成する。この場合のエネルギー照射は、パターン状に行ってもよく、また全面に行ってもよい。このパターンを形成するエネルギー照射工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0225】
(遮光部形成工程)
次に、上述した工程により親液性領域とされた遮光部形成部に、インクジェット法等により、遮光部を形成する。本実施態様の遮光部形成工程は、第二実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0226】
6.第六実施態様
本発明の第六実施態様は、
(1)光触媒の作用により濡れ性が変化する透明な自己支持性を有する濡れ性変化層上に遮光部を形成する工程と、
(2)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
(3)上記親液性領域とされた画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と、
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0227】
本実施態様においては、例として図13に示すように、濡れ性変化層3上に遮光部2を形成する(図13(A))。次に、光触媒含有層側基板21の基体22上に形成された光触媒含有層23を、上記濡れ性変化層3と一定の間隙をおいて配置し、パターン状にエネルギー10を照射する(図13(B))。これにより、上記濡れ性変化層3の表面の画素部形成部5に濡れ性の変化したパターンを形成する。その後光触媒含有層側基板21を取り外し、画素部形成部5にインクジェット装置11により画素部形成用インク12で着色し(図13(C))、画素部6を形成する(図13(D))。以下、これらについてそれぞれ説明する。
【0228】
(遮光部形成工程)
本実施態様では、まず自己支持性のある透明な濡れ性変化層上に遮光部を形成する(図13(A))。この遮光部については、第一実施態様で述べた遮光部のうち、フォトリソ法で形成されることが好ましく、ここでの説明は省略する。
【0229】
また、本実施態様に用いられる濡れ性変化層は、第四実施態様で述べた濡れ性変化層のうち、自己支持性を有するものと同様のものを用いることができるので、ここでの説明は省略する。
【0230】
(親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程)
次に親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程について説明する。
【0231】
上述した工程により遮光部2が形成された後、第一実施態様と同様に、光触媒含有層側基板21を調整し、その光触媒含有層側基板21の光触媒含有層23を上述した濡れ性変化層3と間隙をおいて配置し、エネルギー10の照射を行う(図13(B))。ここで、本実施態様で用いられる光触媒含有層側基板およびエネルギー照射工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。さらに、本実施態様においては、このエネルギー照射で、第二実施態様と同様に上述した遮光部形成工程による不純物の除去も行うことが可能である。
【0232】
また、本実施態様においては、第一実施態様と同様にカラーフィルタ基板側からエネルギーを照射してもよい。
【0233】
(画素部形成工程)
上述した画素部形成部をパターン状に形成する工程により形成された親液性領域からなる画素部形成部に、インクジェット方式により、画素部を形成する(図13(C)(D))。本実施態様の画素部形成工程は、第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0234】
7.その他
上述した各実施態様のカラーフィルタの製造方法においては、さらに保護層形成工程や必要な他の機能層の形成工程が行われてもよい。
【0235】
B.カラー液晶表示装置について
本発明は、上述した第一実施態様から第五実施態様までのいずれかの態様のカラーフィルタの製造方法で製造されたカラーフィルタと、このカラーフィルタに対向する対向基板とを組み合わせ、この間に液晶化合物を封入することによりカラー液晶表示装置が形成される。上述した第一実施態様から第五実施態様までのいずれかの態様のカラーフィルタの製造方法で製造されたカラーフィルタは、製造効率がよく、コスト的に有利であり、このようにして得られるカラー液晶表示装置は、色抜けや色落ちが無いこと等から好ましい。
【0236】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0237】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
【0238】
[実施例]
1.光触媒含有層側基板の形成
トリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)5gと0.5規定塩酸を2.5gを混合し、8時間攪拌した。これをイソプロピルアルコールにより10倍に希釈しプライマー層用組成物とした。
【0239】
上記プライマー層用組成物をフォトマスク基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明なプライマー層(厚み0.2μm)を形成した。
【0240】
次に、イソプロピルアルコール30gとトリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)3gと光触媒無機コーティング剤であるST−K03(石原産業(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間撹拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し光触媒含有層用組成物とした。
【0241】
上記光触媒含有層用組成物をプライマー層が形成されたフォトマスク基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な光触媒含有層(厚み0.15μm)を形成した。
【0242】
2.濡れ性変化層の形成
イソプロピルアルコール30gとフルオロアルキルシラン(GE東芝シリコーン(株)製)0.4gとトリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)3gと0.5規定塩酸を2.5gを混合し8時間攪拌した。これをイソプロピルアルコールにより100倍に希釈し濡れ性変化層用組成物とした。
【0243】
上記濡れ性変化層用組成物を遮光層が形成された透明基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な濡れ性変化層(厚み0.1μm)を形成した。
【0244】
3.露光による親液性領域の形成の確認
光触媒含有層側基板と濡れ性変化層とをアライメントをとり100μmのギャップを設けて対向させて、フォトマスク側から超高圧水銀灯(波長365nm)により40mW/cmの照度で60秒間露光し、濡れ性変化層上に親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成した。
【0245】
このとき、未露光部及び画素部形成部と表面張力40mN/mの濡れ指数標準液(純正化学株式会社製)との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)した結果、それぞれ、70°と7°であった。
【0246】
4.画素部の形成
次に、インクジェット装置を用いて、顔料5重量部、溶剤20重量部、重合開始剤5重量部、UV硬化樹脂70重量部を含むRGB各色のUV硬化型多官能アクリレートモノマーインクを、透明基板上の親液性とした画素部用露光部に付着させ着色し、これにUV処理を行い硬化させた。ここで、赤色、緑色、および青色の各インクについて、溶剤としてはポリエチレングリコールモノメチルエチルアセテート、重合開始剤としてはイルガキュア369(商品名、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、UV硬化樹脂としてはDPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)を用いた。また、顔料としては、赤色インクについてはC. I. Pigment Red 177、緑色インクについてはC. I. Pigment Green 36、青色インクについてはC. I. Pigment Blue 15+ C. I. Pigment Violet 23をそれぞれ用いた。
【0247】
5.保護層の形成
保護層として、2液混合型熱硬化剤(日本合成ゴム(株)製SS7265)をスピンコーターにより塗布し、200℃、30分間の硬化処理を施し保護層を形成し、カラーフィルタを得た。得られたカラーフィルタは、画素部の色ぬけや色むらのない高品質のものであった。
【0248】
【発明の効果】
本発明は、予め遮光部が形成された透明基材上に濡れ性変化層を設け、この濡れ性変化層に対向するように光触媒含有層側基板を配置後、エネルギーをパターン照射することにより、容易に画素部が形成される部分のみを親液性とすることができる。したがって、この画素部が形成される画素部形成部にインクジェット方式でインクを付着することにより、均一にインクが付着した画素部を得ることができ、色抜けがなくかつ色むらのないカラーフィルタを形成することができる。
【0249】
また、濡れ性変化層が光触媒を含有する構成でないことから、製造されたカラーフィルタに光触媒が含まれず、どのようなパターンにおいても光触媒の影響による問題が生じないという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法の第一実施態様を説明するための工程図である。
【図2】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図5】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図7】図1に示すカラーフィルタの製造方法において、画素部のエネルギー照射方法の他の例を説明するための概略図である。
【図8】図1に示すカラーフィルタの製造方法において、撥液性凸部の製造方法を説明するための工程図である。
【図9】本発明のカラーフィルタの製造方法の第二実施態様を説明するための工程図である。
【図10】本発明のカラーフィルタの製造方法の第三実施態様を説明するための工程図である。
【図11】本発明のカラーフィルタの製造方法の第四実施態様を説明するための工程図である。
【図12】本発明のカラーフィルタの製造方法の第五実施態様を説明するための工程図である。
【図13】本発明のカラーフィルタの製造方法の第六実施態様を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1…透明基材
2…遮光部
3…濡れ性変化層
4…カラーフィルタ用基板
5…画素部形成部
6…画素部
7…撥液性凸部形成部
8…撥液性凸部用インク
9…撥液性凸部
10…エネルギー
11…インクジェット装置
12…画素部形成用インク
13…遮光部形成部
21…光触媒含有層側基板
22…基体
23…光触媒含有層
24…フォトマスク
25…光触媒含有層側遮光部
26…プライマー層

Claims (30)

  1. (1)透明基材上に遮光部を形成する工程と、
    (2)前記透明基材上の遮光部が形成された側の面上に、光触媒の作用により濡れ性が変化し、光触媒を含有しない濡れ性変化層を形成する工程と、
    (3)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と前記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記濡れ性変化層にエネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (4)前記画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
    を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記濡れ性変化層を調整する工程の後に、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と前記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記遮光部上の濡れ性変化層に、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる撥液性凸部形成部をパターン状に形成する工程と、前記撥液性凸部形成部に撥液性凸部を形成する工程とを有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. (1)透明基材上に光触媒の作用により濡れ性が変化し、光触媒を含有しない濡れ性変化層を、前記透明基材上の画素部が形成される部位である画素部形成部に形成する工程と、
    (2)前記濡れ性変化層が設けられた前記画素部形成部の境界部分に遮光部を形成する工程と、
    (3)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と前記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記画素部形成部をエネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域とする工程と、
    (4)前記親液性領域とされた画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
    を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  4. (1)透明基材上に光触媒の作用により濡れ性が変化し、光触媒を含有しない濡れ性変化層を、前記透明基材上の遮光部が形成される部位である遮光部形成部に形成する工程と、
    (2)前記透明基材上の濡れ性変化層が形成されていない部分にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と、
    (3)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と前記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、前記遮光部形成部をエネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域とする工程と、
    (4)前記親液性領域とされた遮光部形成部に遮光部を形成する工程と
    を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  5. (1)光触媒の作用により濡れ性が変化し、光触媒を含有しない濡れ性変化層と、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (2)前記親液性領域とされた遮光部形成部に遮光部を形成する工程と、
    (3)前記遮光部が形成された前記濡れ性変化層と前記光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (4)前記親液性領域とされた画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と
    を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  6. (1)光触媒の作用により濡れ性が変化し、光触媒を含有しない濡れ性変化層と、光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (2)前記親液性領域とされた画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と、
    (3)前記画素部が形成された前記濡れ性変化層と前記光触媒含有層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる遮光部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (4)前記親液性領域とされた遮光部形成部に遮光部を形成する工程と
    を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  7. 前記濡れ性変化層が、透明基材上に形成されたものであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. (1)光触媒の作用により濡れ性が変化し、光触媒を含有しない透明な自己支持性を有する濡れ性変化層上に遮光部を形成する工程と、
    (2)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と前記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (3)前記親液性領域とされた画素部形成部にインクジェット方式で着色し、画素部を形成する工程と、
    を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  9. 前記親液性領域とされた画素部形成部を形成した後、そこにインクジェット方式で着色して画素部を形成する工程が、
    (a)光触媒を含有する光触媒含有層が基体上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と前記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる第1画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (b)この親液性領域とされた第1画素部形成部にインクジェット方式で着色し、第1画素部を形成する工程と、
    (c)前記光触媒含有層と前記濡れ性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、エネルギー照射前と比較して液体との接触角が低下した親液性領域からなる第2画素部形成部をパターン状に形成する工程と、
    (d)この親液性領域とされた第2画素部形成部にインクジェット方式で着色し、第2画素部を形成する工程と
    を含むことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 前記画素部の幅が、前記遮光部により形成される開口部の幅より広く形成されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 前記光触媒含有層と前記濡れ性変化層とを、0.2μm〜10μmの範囲内となるよう間隙をおいて配置したことを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  12. 前記光触媒含有層側基板が、基体と、前記基体上にパターン状に形成された光触媒含有層とを有することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  13. 前記光触媒含有層側基板が、基体と、前記基体上に形成された光触媒含有層と、パターン状に形成された光触媒含有層側遮光部とを有し、
    前記エネルギー照射が、光触媒含有層側基板から行なわれることを特徴とする請求項1または請求項11までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルルタの製造方法。
  14. 前記光触媒含有層側基板において、前記基体上に光触媒含有層が形成され、前記光触媒含有層上に前記光触媒含有層側遮光部がパターン状に形成されていることを特徴とする請求項13に記載のカラーフィルタの製造方法。
  15. 前記光触媒含有層側基板において、前記光触媒含有層側遮光部が前記基体上にパターン状に形成され、さらにその上に前記光触媒含有層が形成されていることを特徴とする請求項13に記載のカラーフィルタの製造方法。
  16. 前記光触媒含有層側基板が、透明な基体上にパターン状に形成された光触媒含有層側遮光部上にプライマー層を介して光触媒含有層が形成されたものであることを特徴とする請求項15に記載のカラーフィルタの製造方法。
  17. 前記光触媒含有層側基板において、前記光触媒含有層上に厚みが0.2μm〜10μmの範囲内であるスペーサがパターン状に形成されており、前記スペーサと前記濡れ性変化層とを接触させてエネルギー照射させることを特徴とする請求項1から請求項16までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  18. 前記スペーサが、遮光性の材料で形成された光触媒含有層側遮光部であることを特徴とする請求項17記載のカラーフィルタの製造方法。
  19. 前記光触媒含有層が、光触媒からなる層であることを特徴とする請求項1から請求項18までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  20. 前記光触媒含有層が、光触媒を真空製膜法により基体上に製膜してなる層であることを特徴とする請求項19に記載のカラーフィルタの製造方法。
  21. 前記光触媒含有層が、光触媒とバインダとを有する層であることを特徴とする請求項1から請求項18までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  22. 前記光触媒が、前記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることを特徴とする請求項1から請求項21までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  23. 前記光触媒が酸化チタン(TiO)であることを特徴とする請求項22記載のカラーフィルタの製造方法。
  24. 前記濡れ性変化層上における表面張力40mN/mの液体との接触角が、エネルギー照射されていない部分において10°以上であり、エネルギー照射された部分において9°以下であることを特徴とする請求項1から請求項23までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  25. 前記濡れ性変化層が、オルガノポリシロキサンを含有する層であることを特徴とする請求項1から請求項24までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  26. 前記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンであることを特徴とする請求項25に記載のカラーフィルタの製造方法。
  27. 前記オルガノポリシロキサンが、YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項25または請求項26記載のカラーフィルタの製造方法。
  28. 前記エネルギー照射が、光触媒含有層を加熱しながらなされることを特徴とする請求項1から請求項27までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  29. 前記遮光部が、樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項28までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  30. 請求項1から請求項29までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタと、これに対向する基板とを有し、両基板間に液晶化合物を封入してなることを特徴とする液晶表示装置。
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