JP2007279501A - カラーフィルタ、その製造方法、及び液晶ディスプレイ - Google Patents

カラーフィルタ、その製造方法、及び液晶ディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】各画素における最適な位相差補償により斜め方向からの視野角拡大に優れた特性を示すカラーフィルタを効率よく、高い生産性をもって製造する方法を提供すること。
【解決手段】基板上に隔壁を形成する工程、前記隔壁間に、所定のリタデーションを有する複数の着色画素パターンを、インクジェット法により形成する工程、前記着色画素パターン上に配向処理された配向膜を形成する工程、及び前記複数の着色画素パターンのそれぞれのリタデーションに対応して、前記配向膜上にフォトリソグラフィー法により、液晶位相差層を形成する工程を具備することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カラーフィルタ、その製造方法、及び液晶ディスプレイに係り、特に、視野角向上のための位相差制御層を備えるカラーフィルタに関する。
種々のタイプの液晶ディスプレイが実用化されているが、これらの液晶ディスプレイには、位相差制御層が直線偏光板と組み合わせられて用いられていることが多い。例えば、直線偏光板と1/4波長位相差板、または1/2波長位相差板、1/4波長位相差板、および直線偏光板を組み合わせた円偏光板を、液晶ディスプレイの観察側に設けることにより、外光反射を防止して表示のコントラストの向上を可能としている。
また、反射型液晶ディスプレイまたは半透過半反射液晶ディスプレイには、液晶分子の光シャッター効果を利用するために、円偏光板または楕円偏光板が使用されている。
更に、超捻れネマチックモード液晶ディスプレイの色補償や視野角特性を改善するためにも、位相差板が利用されている。特に近年、高コントラストな表示が可能な垂直配向モード液晶ディスプレイでは、光軸が基板に垂直で、負の複屈折異方性を有する位相差フィルム(負のCプレート)と、光軸が基板に水平で、正の複屈折異方性を有する位相差フィルム(正のAプレート)が併用されている例がある(例えば、特許文献1参照)。
これらにおける位相差制御には、通常、ポリカーボネートフィルム等を延伸した位相差制御フィルムまたは複屈折異方性を有する液晶材料をトリアセチルセルロースフィルム等に塗布した位相差制御フィルムが用いられる。
しかしながら、上述した従来の位相差フィルムでは、そのリタデーションは面内で均一であり、実際に表示される画素ごとに最適なリタデーションには設定されておらず、必ずしも最適な位相差補償が行われているわけではない。
その理由の1つは、液晶の位相差・屈折率そのものが透過光の波長依存性を持つため、カラーフィルタを構成する各色のパターン色(実際には透過光の波長)に応じて位相差フィルムに要求されるリタデーションも異なるためである。
これに対して、透過光の波長に応じてリタデーションを制御し、位相差補填をより最適に行う試みがなされている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、実際にはこのような試みにもかかわらず、斜め方向からの視野角補償を施された黒表示を観察すると、赤色と青色の漏れ光により、赤紫色に着色されて見えるという問題があった。
特開平10−153802号公報 特開2005−148118号公報
本発明は、以上のような事情の下になされ、各画素における最適な位相差補償により斜め方向からの視野角拡大に優れた特性を示すカラーフィルタを効率よく、高い生産性をもって製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような方法により製造されたカラーフィルタ、及びそのようなカラーフィルタを具備する液晶ディスプレイを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、赤色、緑色及び青色の各色画素パターンのカラーフィルタ層のリタデーションがそれぞれ異なり、赤色、青色は正のリタデーションを示し、緑色は負のリタデーションを示すためであることを見出した。通常、光学設計は、緑色を中心として行われるため、赤色及び青色カラーフィルタ層と、緑色カラーフィルタ層のリタデーションが正負に大きく異なると、前述のように赤色と青色の漏れ光が生じてしまう。本発明は、このような知見に基づきなされた。
本発明の第1の態様は、基板上に隔壁を形成する工程、前記隔壁間に、所定のリタデーションを有する複数の着色画素パターンを、インクジェット法により形成する工程、前記着色画素パターン上に、配向処理された配向膜を形成する工程、及び前記複数の着色画素パターンのそれぞれのリタデーションに対応して、前記配向膜上にフォトリソグラフィー法により、液晶位相差層を形成する工程を具備することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
このようなカラーフィルタの製造方法において、複数の着色画素パターンは、赤色画素パターン、青色画素パターン、及び緑色画素パターンを含み、赤色画素パターン及び青色画素パターンが正のリタデーションを有し、緑色画素パターンが負のリタデーションを有するものとすることができる。
また、液晶位相差層は、重合性のネマチック液晶、重合性のコレステリック液晶、及びホメオトロピック配向した重合性の液晶からなる群から選ばれた液晶により構成することができる。
更に、液晶位相差層は、複数の着色画素パターンに対応する複数の液晶位相差領域を含み、それぞれの液晶位相差領域は、複数の着色画素パターンごとに異なるリタデーションを有するものとすることができる。
この場合、複数の液晶位相差領域のリタデーションは、通過する光の波長域に応じたリタデーションを有することが望ましい。また、複数の液晶位相差領域は、複数の着色画素パターンのリタデーションを補正するリタデーションを有することが望ましい。
以上のカラーフィルタの製造方法において、複数の液晶位相差領域のリタデーションは、着色画素パターンのリタデーションとは符号が逆で、絶対値が略同一とすることができる。この場合、複数の液晶位相差領域を、複数の着色画素パターンごとに異なる重合性液晶組成物の架橋硬化物により構成することができる。
また、複数の着色画素パターンのリタデーションと、それに対応する複数の液晶位相差領域のリタデーションの合計を、画素ごとに略同一とすることができる。この場合、複数の液晶位相差領域を、同一の重合性液晶組成物の架橋硬化物により構成し、異なる膜厚を有するものとすることができる。
本発明の第2の態様は、上述の方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明の第3の態様は、上記カラーフィルタを具備することを特徴とする液晶ディスプレイを提供する。
本発明によると、複数の着色画素パターンの成膜をインクジェット法により行っているため、環境負荷の低減と大幅なコストダウンを図ることができる。また、液晶位相差層のリタデーションを、各着色画素パターンのリタデーションに対応させて調整することにより、各画素の表示領域を通過する光の偏光状態にばらつきが生じないため、斜め方向からの視野角拡大に優れた特性を示すカラーフィルタが提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタを示す断面図である。図1において、透明基板、例えばガラス基板1上の非画素部に相当する位置に、遮光性素材からなる隔壁ブラックマトリックス2が設けられている。画素部に相当する、隔壁ブラックマトリックス2の各々の開口部内に、いずれも光透過性である赤色画素パターン3(R)、緑色画素パターン3(G)、および青色画素パターン3(B)の各着色画素パターンが配列して構成されたカラーフィルタ層が積層されている。
また、開口部内のカラーフィルタ層上には、配向膜4が積層され、更に、隔壁ブラックマトリックス2の開口部内の配向膜4上には、各画素ごとに、重合性液晶の硬化物からなる位相差制御領域5(R)、5(G)、5(B)からなる位相差制御層が積層され、これらによりカラーフィルタが構成されている。
本明細書において、重合性液晶組成物とは、液晶状態が室温において固定化されたものを指し、例えば、分子構造中に重合性基を有する液晶性モノマーを架橋させて、架橋前の光学的異方性を保持したまま硬化させたもの、またはガラス転移温度を有し、ガラス転移温度以上に加熱すると液晶相を示し、その後、ガラス転移温度以下に冷却することにより、液晶組織を凍結することができる高分子型液晶を指す。
なお、また、R、G、およびBの各文字は、順に、赤色、緑色、および青色を表すものとする。
着色画素パターン3(R)、3(G)、3(B)はそれぞれ、図2に示すように、各パターンを通過する赤色、緑色及び青色の各色の光ごとに異なるリタデーションを有している。このリタデーションは、それを構成する材料や厚み、処理方法により種々の値を示すが、本発明者らは、赤色画素パターン3(R)と青色画素パターン3(B)が正のリタデーションを有し、緑色画素パターン3(G)が負のリタデーションを有することを見出した。
具体的には、青色画素パターン3(B)の厚み方向のリタデーションは0.1nm〜100nmであり、緑色画素パターン3(G)の厚み方向のリタデーションは−100nm〜−0.1nmであり、赤色画素パターン3(R)の厚み方向のリタデーションは0.1nm〜100nmである。
これらの着色画素パターン3(R)、3(G)、3(B)のリタデーションを補償するためには、それぞれの位相差制御領域のリタデーションは、着色画素パターンのリタデーションと符号が逆で絶対値が略同一であることが好ましいので、位相差制御領域5(B)のリタデーションは−100nm〜−0.1nmであり、位相差制御領域1(G)のリタデーションは0.1nm〜100nmであり、位相差制御領域5(R)のリタデーションは−100nm〜−0.1nmであることが好ましい。
液晶位相差領域5(R)、5(G)、5(B)を構成する液晶材料は、各層を通過する光の波長域に応じたリタデーションを持つよう、ネマチック液晶材料、コレステリック液晶材料又はホメオトロピック配向した重合性の液晶材料を適宜選択することが好ましい。
即ち、液晶位相差領域5(R)、5(G)、5(B)を構成する液晶材料は、ある入射角度で入射した光に対して位相差を与える機能を有するものであればよく、上述したネマチック液晶に限らず、カイラルネマチック液晶(ネマチック液晶中にカイラル剤を添加したもの)等の任意の液晶材料を用いることができる。
なお、ネマチック液晶は、重合可能な基を有することが好ましい。また、カイラル剤も重合可能な基を有することが好ましい。カイラルネマチック液晶については、ネマチック液晶を、単独、又は必要に応じて2つ以上混合して用いることが好ましい。
次に、図3を参照して、図1に示す位相差制御層付きカラーフィルタの製造方法について説明する。
まず、図3(a)に示すように、透明基板1上にコントラスト向上のためのブラックマトリックス2を設ける。
透明基板1には、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等、公知の透明基板材料を使用できる。中でもガラス基板は、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れている。
ブラックマトリックス2は、公知の方法を用いて形成することができる。例えば、金属あるいは金属酸化物の薄膜をスパッタ等の方法により基板上に形成し、それをエッチングなどの手法によりパターニングを施し、形成する方法;感光性樹脂組成物中に顔料あるいは染料などの着色剤を混在させ、これを基板上に感光性樹脂組成物層として形成し、フォトリソグラフィー法により形成する方法;黒色顔料、熱硬化性樹脂を溶媒に溶かし、印刷法により形成する方法などが挙げられる。また、ブラックマトリックス2は、混色を防止するため、撥インク剤を含むことが望ましい。混色は、カラーインクが隣接画素のカラーインクに侵入することで発生する。
撥インク剤としては、シリコーン系、フッ素系材料を一例として挙げることができる。具体的には、主鎖または側鎖に有機シリコーンやアルキルフルオロ基を有し、シロキサン成分を含むシリコーン樹脂やシリコーンゴム、この他にはフッ化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化エチレン等や、これらの共重合体等のフッ素樹脂などを用いることができる。また、撥インキ剤は、加熱工程中にブリードアウトし、透明基板上に撥インク剤が付着し、カラーインクの充填時に色抜け等が発生する場合があるが、これを防止するため、撥インキ剤としてはフッ素含有化合物を用いることが好ましい。また、ブリードアウトを防止するため、低分子化合物よりオリゴマー化合物を用いることが好ましい。
次いで、図3(b)に示すように、ブラックマトリックス2の開口部内に、赤(R)、緑(G)、青(B)の着色画素パターン3(R)、3(G)、3(B)を形成する。なお、液晶ディスプレイの場合には、更に透明導電層及び配向膜層を順次積層し、例えば、薄膜トランジスタのような電極を形成した対向基板と対置させ、液晶層を介してLCDを構成する。以下では、透明基板1、ブラックマトリックス2、及び赤、緑、青の着色画素パターン3(R)、3(G)、3(B)を合わせてカラーフィルタ基板とする。
通常、赤色画素パターン3(R)、緑色画素パターン3(G)、および青色画素パターン3(B)の3原色からなる画素パターンが、ブラックマトリックス2の開口部内に所望の形状に配置される。
本実施形態では、インクジェット装置によりカラーインクをパターン状に形成し、その後、後述する加熱工程を経て着色画素パターン3(R)、3(G)、3(B)を形成する。
インクジェットに用いる装置としては、インク吐出方法の相違によりピエゾ変換方式と熱変換方式があるが、ピエゾ変換方式の装置を用いることが望ましい。また、インクジェット装置におけるインクの粒子化周波数は、5〜100KHz程度が望ましい。また、インクジェット装置におけるノズル径は5〜80μm程度が望ましい。また、インクジェット装置はヘッドを複数個配置し、1ヘッドにノズルを60〜500個程度組み込んだものを用いるのが好ましい。
カラーインクの着色剤としては、顔料、染料等を使用することができる。本発明では、耐候性に優れた顔料を用いることが好ましい。着色剤として、具体的には、Pigment Red9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、215、216、208、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254、Pigment Blue 15、15:6、16、22、29、60、64、Pigment Green7、36、Pigment Yellow 20、24、86、81、83、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185、 Pigment Orange36、 Pigment Violet23、等を使用することができる。さらに所望の色相を得るために2種類以上の材料を混合して用いることができる。
カラーインクに用いられる熱硬化性樹脂は、色素との関係で公知のカラーフィルタ基板の製造に用いる材料から適宜選択される。具体的には、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルアセタール、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラニン樹脂などを用いることができる。特に、耐熱性や耐光性を要求されるカラーフィルタを製造する場合には、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
カラーインクに用いられる溶媒は、インクジェット装置の印刷適性により選択され、特に表面張力範囲が35mN/m未満で、且つ、沸点が130℃以上の材料を用いることが好ましい。表面張力が35mN/m以上であると、インクジェット吐出時のドット形状の安定性に悪影響を及ぼす。また、沸点が130℃未満であると、ノズル近傍での乾燥性が高くなる。その結果、ノズル詰まり等の不良発生を招く恐れがあるので好ましくない。
また、溶媒は、カラーインクの熱硬化性樹脂の熱硬化温度により適宜選択される。熱硬化性樹脂の熱硬化温度と比べ、著しく低い沸点を有する溶媒を用いると、前述したように、着色層が凹形状となる懸念が生ずる。これらの条件を満たす溶媒として、具体的には、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル等を挙げることができる。
また、この他にも、溶媒の沸点をより高めるために、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル等を用いることが可能である。また、必要に応じて2種類以上の溶媒を前記条件に合うように混合し、調製したものを用いることができる。
カラーインクの分散剤は、樹脂への色素の分散を向上させるために用いる。分散剤として、イオン性または非イオン性界面活性剤などを用いることができる。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等、その他に、有機顔料誘導体、ポリエステルなどが挙げられる。分散剤は一種類を単独で使用してもよく、また、二種類以上を混合して用いることも可能である。
次に、着色画素パターン3(R)、3(G)、3(B)上に、配向膜4を積層する。配向膜4を構成する材料としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が通常使用され、本発明においてはスピンコーティングにより塗布し、乾燥・焼成して形成される。このような配向膜4にラビング処理を施すことにより液晶に対する配向能が付与される。なお、ラビング処理としては、レーヨン、綿、ポリアミド等の素材から選ばれるラビング布を金属ロールに捲き付け、これがカラーフィルタ基板上に形成された配向膜4に接した状態で回転させるか、ロールを固定したまま配向膜4付きのカラーフィルタ基板1を搬送することより、配向膜4をラビング布で摩擦する方法が通常採用される。
次いで、配向膜4上にフォトリソグラフィー法にて、各画素ごとに異なる重合性液晶組成物を成膜する。異なる重合性液晶組成物の成膜には、複数回のフォトリソグラフィーを繰り返すことが必要である。液晶組成物は、各層を通過する光の波長域に応じたリタデーションを持つよう、ネマチック液晶材料、コレステリック液晶材料又はホメオトロピック配向した重合性の液晶材料を適宜選択する。
フォトリソグラフィー法によるパターニングの工程は、基材上に液晶組成物層を形成する工程、露光工程、不要部となる未露光部分を除去する現像工程からなる。
液晶組成物層を設ける方法としては、バーコーター、アプリケーター、ワイヤーバー、スピンコーター、ロールコーター、スリットコーター、カーテンコーター、ダイコーターやコンマコーターなどの公知の方法が挙げられる。露光方式としては、例えば、超高圧水銀灯や半導体レーザーを光源とした紫外線により、遮光部を形成したフォトマスクを用いた、プロキシミティ方式。あるいは、凸および凹面鏡を使用した光学系を用いたミラープロジェクション方式、投影レンズを配し、照射面を分割する分割露光方式などが挙げられる。現像液としては、有機溶剤系またはアルカリ水溶液系が一般的に用いられるが、環境安全性の確保の観点から、無機アルカリ系が好ましい。
次に、配向膜4上に印刷法にて塗布された液晶層に、所定の照射量の紫外線を照射して、液晶組成物を3次元架橋させ、硬化させる。なお、液晶層に照射される紫外線が液晶を硬化させる場合、液晶材料中に光重合開始剤を添加しておくことが好ましい。紫外線の照射量は、光重合開始剤の有無や添加量、又は放射線の種類や照度に応じて変わるが、例えば1mJ/cm〜10000mJ/cmの範囲程度であることが好ましい。また、紫外線を照射する雰囲気は、窒素等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。このような雰囲気で紫外線を照射することにより、酸素の影響を受けずに液晶組成物を硬化させることができ、液晶層の光学特性を安定させることができる。さらに、紫外線を照射する雰囲気の温度は、室温よりも高い温度で均一に制御することが好ましい。これにより、紫外線の照射時の液晶材料の重合を促進させ、液晶層の光学特性を安定化させることがきる。
ここで、「3次元架橋」とは、重合型のモノマー、オリゴマー又はポリマー等を互いに3次元的に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態とすることを意味する。このような状態にすることによって、液晶層の液晶材料の状態を光学的に固定することができ、光学膜としての取り扱いが容易な、常温で安定したフィルム状の膜とすることができる。
最後に、液晶層を所定の温度に焼成して再硬化させ、液晶層の光学特性を安定化させる。なおこのとき、当該液晶層を高温で加熱して熱硬化させることも可能であるが、好ましくは100℃〜150℃であることが望ましい。この場合に、液晶層の光学特性をさらに安定化させることが可能である。
これにより、最終的に、図3(d)に示すように、画素の各色の表示領域に対応するリタデーションを有する液晶位相差領域5(R)、5(G)、5(B)からなる液晶位相差層が形成され、液晶位相差層付きのカラーフィルタが完成する。
なお、上述したように、画素ごとに異なる液晶組成物としては、位相差制御領域5(R)には、リタデーションが−100nm〜−0.1nmとなるような液晶組成物を、位相差制御領域5(G)にはリタデーションが0.1nm〜100nmとなるような液晶組成物を、位相差制御領域5(B)にはリタデーションが−100nm〜−0.1nmとなるような液晶組成物を選択する。
以上のように、第1の実施形態によれば、液晶位相差領域5(R)、5(G)、5(B)が、光の波長域に応じたリタデーションを持つように調整されているので、画素の各色の表示領域を通過する光の偏光状態にばらつきが生じることがない。更に言うと、斜め方向からの視野角補償を施された黒表示となるため、斜め方向から見た場合、カラーシフトを低減し、かつニュートラルな黒色が再現でき、非常に優れた表示特性を呈することができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係るカラーフィルタを示す断面図である。図4において、透明基板1上の非画素部に相当する位置に、遮光性素材からなるブラックマトリックス2が設けられ、画素部に相当する、ブラックマトリックス2の各々の開口部内に、いずれも光透過性である赤色画素パターン3(R)、緑色画素パターン3(G)、および青色画素パターン3(B)の各着色画素パターンが配列して構成されたカラーフィルタ層が積層され、開口部内のカラーフィルタ層上には、配向膜4が積層されていることは、図1に示す実施形態に係るカラーフィルタと同様である。
本実施形態に係るカラーフィルタが図1に示す実施形態に係るカラーフィルタと異なる点は、図1に示す実施形態に係るカラーフィルタにおいては、配向膜4上に、各画素ごとに異なる重合性液晶組成物を積層し、各層を通過する光の波長域に応じたリタデーションを有する液晶位相差領域5(R)、5(G)、5(B)を形成しているのに対し、本実施形態に係るカラーフィルタでは、配向膜4上に、いずれの画素についても同一の重合性液晶組成物を積層し、各層を通過する光の波長域に応じたリタデーションを有するように膜厚の異なる液晶位相差領域15(R)、15(G)、15(B)を形成していることである。
この場合、液晶位相差領域15(R)、15(G)、15(B)の厚み方向のリタデーションと、各着色画素パターン3(R)、3(G)、3(B)の厚み方向のリタデーションとの合計が、各画素ごとに互いに等しくなるような値であることが好ましい。その具体的な値は、各着色画素パターン3(R)、3(G)、3(B)の厚み方向のリタデーションの値に応じて異なる。
例えば、青色画素パターン3(B)の厚み方向のリタデーションが5nm、緑色画素パターン3(G)の厚み方向のリタデーションが−40nm、赤色画素パターン3(R)の厚み方向のリタデーションが10nmであった場合は、例えば、液晶位相差層15(B)のリタデーションを15nm、液晶位相差層15(G)のリタデーションを60nm、液晶位相差層15(R)のリタデーションを10nmとすれば、各着色画素パターン5(R)、1(G)、5(B)の厚み方向のリタデーションと各液晶位相差層15(R)、15(G)、15(B)の厚み方向のリタデーションとの合計は20nmとなり互いに等しくなる。
各液晶位相差層15(R)、15(G)、15(B)のリタデーションは、厚み方向の屈折率異方性Δnと膜厚dとの積で表される。同一の重合性液晶組成物であればΔnは一定であるため、液晶位相差領域15(R)、15(G)、15(B)のリタデーションは、その膜厚によって制御できる。
液晶位相差領域15(R)、15(G)、15(B)の厚み方向のリタデーションと、各着色画素パターン3(R)、3(G)、3(B)の厚み方向のリタデーションとの合計値は、各画素ごとに互いに等しければ特に制限はないが、最終的な液晶ディスプレイの特性を著しく損なわないためには、絶対値が0に近いほど好ましい。したがって、前述の例についても、例えば、液晶位相差領域15(B)のリタデーションを5nm、液晶位相差領域15(G)のリタデーションを50nm、液晶位相差領域15(R)のリタデーションを0nmとすれば、それぞれの液晶位相差領域15(R)、15(G)、15(B)の厚み方向のリタデーションと各着色画素パターンの厚み方向のリタデーションとの合計は10nmで互いに等しくなるため、より好ましい。この際、液晶位相差領域15(R)のリタデーションは0nmであるため、液晶位相差領域15(R)の膜厚は0、すなわち液晶位相差領域15(R)を設けないことを意味することとなる。
このように、各着色画素パターンの厚み方向のリタデーションの値に応じて、各液晶位相差領域の厚み方向のリタデーションとの合計が、各画素ごとに互いに等しくなるように各液晶位相差領域の膜厚を制御することで、最適なリタデーションの補正を行うことが可能となる。
以上説明した図4に示す第2の実施形態に係るカラーフィルタは、上述した図3に示す製造工程と同様にして製造することができる。ただし、配向膜4上への液晶組成物のフォトリソグラフィーによる成膜を複数回繰り返すことにより、膜厚を各画素ごとに変えて、必要なリタデーションに応じた膜厚の液晶層が形成されるように行う必要がある。当然、液晶位相差領域を必要としない画素の部分には、液晶組成物の成膜を行わないこととなる。
実施例
以下、以上説明した実施形態についての、より具体的な実施例を示すが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。また、本発明で用いる材料は光に対して極めて敏感であるため、自然光などの不要な光による感光を防ぐ必要があり、全ての作業を黄色、または赤色灯下で行った。
実施例1
<液晶位相差層の形成>
重合性基を有するネマチック液晶100重量部と、光開始剤5重量部をトルエン420部に溶解させ、液晶組成物(A)を調製した。この液晶組成物(A)にカイラル剤9重量部を混合し、液晶組成物(B)とした。液晶組成物(A)におけるネマチック液晶を、より複屈折率の大きいネマチック液晶に置き換えて、同様の混合比にて液晶組成物(C)を調製した。
まず、ガラス基板上にポリイミドをスピンコートにより成膜し、230℃で1時間の焼成工程を行い、その後、ラビング布により一定方向にラビング処理を施し、配向膜を形成した。
次に、上記配向処理を行った基板上に、液晶組成物(B)をスピン法により塗布し、液晶層を形成した。60℃で1分加熱した後の液晶層の膜厚は0.7μmであった。次いで、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cmの照射量にて、液層層に露光を行った。なお、露光工程は、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。
更に、液晶層の安定化のため、150℃で30分の加熱工程により、位相差層を形成した。この位相差層の厚み方向のリタデーションを計測したところ、40nmであった。
また、上で用いたポリイミドを垂直配向用に変更して、同様にしてガラス基板上に垂直配向膜を形成した。なお、このときはラビング処理は行っていない。
次に、上記垂直配向膜を形成した2つのガラス基板上に、液晶組成物(A)及び液晶組成物(C)をそれぞれ印刷法により塗布して、液晶層を形成した。60℃で1分加熱した後の膜厚は、それぞれ0.7μmであった。次いで、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、それぞれ、1000mJ/cmの照射量にて液晶層に露光を行った。なお、この露光工程においては、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。
更に、液晶層の安定化のため、150℃で30分の加熱工程により、位相差層を形成した。
上記位相差層の厚み方向のリタデーションを計測したところ、液晶組成物(A)により位相差層を形成した基板においては−5nm、液晶組成物(C)により位相差層を形成した基板においては−20nmであった。
<カラーフィルタの作製>
(ブラックマトリックスの作製)
ポリイミド前駆体(セミコファインSP−510:東レ(株)製)10重量部、カーボンブラック7.5重量部、NMP130重量部、分散剤(銅フタロシアニン誘導体)5重量部、開始剤A5重量部、及びパーフルオロアルキル基含有オリゴマー(FTX−720C:(株)ネオス製)0.1重量部をビーズミル分散機で冷却しながら3時間分散させ、ブラックマトリックス組成物を調製した。
このブラックマトリックス組成物をスピンコータによって無アルカリガラス基板(品番1737:コーニング社製)上に塗布し、約2.0μmの膜厚の塗膜を形成した。その後、100℃で20分間のプリベークを行った後、露光・現像工程を経て、230℃で60分のポストベークを行い、図3(a)に示すように、ガラス基板1の非画素領域にブラックマトリックス2を形成した。
このようにして形成されたブラックマトリクス2の上頂部の着色インキ(表面張力30mN/m)に対する接触角を測定したところ、30°であり、ブラックマトリクス上頂部が着色インクに対して、撥インキ性があることを確認した。
(カラーインクの調製)
[着色材料の作製]
カラーフィルタ作製に用いる着色材料を着色する着色剤には以下のものを使用した。
赤色用顔料:C.I. Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)およびC.I. Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)
緑色用顔料:C.I. Pigment Green 36(東洋インキ製造製「リオノールグリーン 6YK」)、およびC.I. Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y−5688」)
青色用顔料:C.I. Pigment Blue 15(東洋インキ製造製「リオノールブルーES」)C.I. Pigment Violet 23(BASF社製「パリオゲンバイオレット 5890」)
また、メタクリル酸20部、メチルメタクリレート10部、ブチルメタクリレート55部、ヒドロキシエチルメタクリレート15部を乳酸ブチル300gに溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75部を加え、70℃にて5時間の反応によりアクリル共重合樹脂を作製した。得られたアクリル共重合樹脂を樹脂濃度が20%になるようにジエチレングリコールモノメチルエーテルで希釈し、アクリルワニスとした。
以上のそれぞれの顔料及びアクリルワニスを用いて、以下のようにして赤色、緑色、及び青色の着色材料を作製した。
・赤色着色材料
下記に示す組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して、赤色顔料の分散体を作製した。
赤色顔料:C.I.Pigment Red 254 18重量部
赤色顔料:C.I.Pigment Red 177 2重量部
アクリルワニス:(固形分20%) 108重量部
その後、下記に示す組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して、赤色着色材料を得た。
上記分散体 128重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 50重量部
テトラエチレングリコールジメチルエーテル 30重量部
・緑色着色材料
それぞれ下記に示す組成となるように,赤色着色材料と同様の方法で作製した。
緑色顔料:C.I.Pigment Green 36 16重量部
黄色顔料:C.I.Pigment Yellow 150 8重量部
アクリルワニス:(固形分20%) 102重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテ 50重量部
テトラエチレングリコールジメチルエーテル 30重量部
・青色着色材料
それぞれ下記に示す組成となるように,赤色着色材料と同様の方法で作製した。
青色顔料:C.I.Pigment Blue 15 50重量部
紫色顔料:C.I.Pigment Violet 23 2重量部
分散剤:ゼネカ社製「ソルスバーズ20000」 6重量部
アクリルワニス(固形分20%) 200重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 100重量部
テトラエチレングリコールジメチルエーテル 60重量部
<カラーフィルタ基板の作製>
前記ガラス基板1上のブラックマトリックス2の開口部に、前記R,G,B各色のカラーインクを使用し、108pl,150dpiヘッド(セイコーインスツルメンツ社製)を搭載したインクジェット印刷装置により、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)各々の隔壁に囲まれた領域内に充填した。その後、ホットプレートにて200℃で30分加熱し、図3(b)に示すように、着色画素パターン3(R)、3(G)、3(B)を形成し、カラーフィルタ基板を得た。
これら着色画素パターン3(R)、3(G)、3(B)の厚み方向のリタデーションを測定したところ、それぞれ20nm、−45nm、4nmであった。
<位相差制御されたカラーフィルタの作製>
上記において作製したカラーフィルタ基板の着色画素パターン3(R)、3(G)、3(B)上に、ポリイミドをスピンコートにより成膜し、230℃で1時間の焼成を行い、その後、ラビング布により一定方向にラビング処理を施し、図3(c)に示すように、配向膜4を着色画素パターン上に形成した。
上記配向処理を行った後、スピンコートにより前記液晶組成物(B)の層を形成した。60℃で1分加熱した後の液晶層の膜厚は0.7μmであった。
次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cmの照射量にて、塗布された液晶層に露光を行った。なお、このとき、着色画素パターン3(G)上のみに露光が施せるよう、マスクを用いたプロキシミティ露光を行った。
次いで、基板をアセトン中に浸漬して未露光部の除去を行い、着色画素パターン3(G)上のみに液晶位相差領域5(G)を形成した。また、液晶層の安定化のため、150℃で30分の加熱工程を施した。
その後、ポリイミドを垂直配向用に変更してスピンコートにより成膜し、230℃で1時間の焼成工程を行い、垂直配向膜を形成した。
次に、スピンコートにより、前記液晶組成物(A)の層を形成した。60℃で1分加熱した後の液晶層の膜厚は0.7μmであった。
次いで、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cmの照射量にて、塗布された液晶層に露光を行った。なお、このとき、着色画素パターン3(B)上のみに露光が施せるよう、マスクを用いたプロキシミティ露光を行った。
更に、基板をアセトン中に浸漬して未露光部の除去を行い、着色画素パターン3(B)上のみに液晶位相差領域5(B)を形成した。また、液晶層の安定化のため、150℃で30分の加熱工程を施した。
同様にして、ポリイミドを着色画素パターン上に形成した後、スピンコートにより、前記液晶組成物(C)の層を形成した。60℃で1分加熱した後の液晶層の膜厚は0.7μmであった。
次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cmの照射量にて、塗布された液晶層に露光を行った。なお、このとき、着色画素パターン3(R)上のみに露光が施せるよう、マスクを用いたプロキシミティ露光を行った。
次いで、基板をアセトン中に浸漬して未露光部の除去を行い、着色画素パターン3(R)上のみに液晶位相差領域5(R)を形成した。また、液晶層の安定化のため、150℃で30分の加熱工程を施した。
以上の工程を経て得られたカラーフィルタの各画素におけるリタデーションは、着色画素パターンと液晶位相差層のリタデーションの和となり、即ち、着色画素(R)部で0nm、着色画素(G)部で−5nm、着色画素(B)部で−1nmと見積もられる。
比較例1
位相差層及び液晶位相差層を設けないことを除いて、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
以上のようにして得られた実施例および比較例のカラーフィルタについて、偏向軸が並行および直交するように配置された2枚の偏向膜により挟持し、背面に3波長管バックライト(Tc=6000K)を設置して、輝度計(品番BM−5A:トプコン(株)製)を用いて、正面方向および斜め45°方向から色度測定を行った。その結果を下記表1及び2に示す。表1は正面方向から色度測定を行った結果、表2は、斜め45°方向から色度測定を行った結果をそれぞれ示す。図4及び5は、表1及び2をxy座標にプロットした特性図である。
Figure 2007279501
Figure 2007279501
上記表1及び2の結果に示すように、正面方向からの外観、色度については大きな変化は見られなかったが、斜め45°方向については、比較例にて赤紫色を呈していたものが、実施例1において位相差層を設けて位相差制御を行うことにより、無彩色なグレーとなることが確認された。
実施例2
<位相差制御されたカラーフィルタの作製>
(液晶組成物の調整・膜厚と位相差の関係の算定)
重合性基を有するネマチック液晶100重量部、カイラル剤9重量部、及び光開始剤5重量部をトルエン420部に溶解し、液晶組成物(A)を調製した。
ガラス基板1上にポリイミドをスピンコートにより成膜し、230℃で1時間の焼成工程を行い、その後、ラビング布により一定方向にラビング処理を施し、配向膜を形成した。
次に、上記配向処理を行った基板上に、スピンコート法により液晶組成物(A)を塗布し、60℃で1分加熱し、次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cmの照射量にて露光を行った。なお、露光工程においては、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。さらに、液晶層の安定化のため、150℃で30分の加熱工程を経て、液晶位相差層を形成した。形成した液晶位相差層の膜厚は0.7μmであった。
上記液晶位相差層の厚み方向のリタデーションを計測したところ、35nmであった。したがって、液晶位相差層1μmあたりの位相差は50nmであることがわかった。
<液晶層の形成>
実施例1と同様にして作製したカラーフィルタ基板上に、ポリイミドをスピンコートにより成膜し、230℃で1時間の焼成工程を行い、その後、ラビング布により一定方向にラビング処理を施し、図4に示すように、配向膜4を各着色画素パターン3(R)、3(G)、3(B)上に形成した。
上記配向処理を行った後、実施例1と同様にしてスピンコートにより、液晶組成物(A)を塗布した。
次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cmの照射量にて露光を行った。更に、安定化のため150℃で30分の加熱工程を施し、図4に示すように、液晶位相差領域15(R)を形成した。この場合、液晶位相差領域15(R)の膜厚が0.2μmとなるように、液晶組成物(A)の塗布条件を制御した。
次いで、同様にして、塗布、露光、及び現像を繰り返して、着色画素パターン3(G)及び3(R)上の配向膜上の隔壁に囲まれた領域内にも、液晶位相差領域15(G)及び15(R)を形成した。この場合、液晶位相差領域15(G)については膜厚が1.5μm、液晶位相差領域15(B)については膜厚が0.5μmとなるように、適宜液晶組成物(A)の塗布条件を調整した。
液晶組成物(A)による液晶位相差層の位相差は、液晶位相差領域15(R)が10nm、液晶位相差領域15(G)が75nm、液晶位相差領域15(B)が25nmとなり、各画素において各着色画素パターンとの位相差の合計が、着色画素(R)部で30nm、着色画素(G)部で30nm、着色画素(B)部で29nmとなり、略同一となる。
以上のようにして得られた実施例2のカラーフィルタについて、偏向軸が並行および直交するように配置された2枚の偏向膜により挟持し、背面に3波長管バックライト(Tc=6000K)を設置して、輝度計(品番BM−5A:トプコン(株)製)を用いて、正面方向および斜め45°方向から色度測定を行った。その結果を上述した比較例による結果とともに、下記表3及び表4に示す。表3は正面方向から色度測定を行った結果、表4は、斜め45°方向から色度測定を行った結果をそれぞれ示す。図7及び図8は、表4及び表52をxy座標にプロットした特性図である。
Figure 2007279501
Figure 2007279501
上記表3及び表4の結果に示すように、正面方向からの外観、色度については大きな変化は見られなかったが、斜め45°方向については、比較例にて赤紫色を呈していたものが、実施例2において位相差層を設けて位相差制御を行うことにより、無彩色なグレーとなることが確認された。
本発明の第1の実施形態に係る位相差制御層を備えたカラーフィルタを示す概略断面図。 カラーフィルタの着色微細パターンのリタデーションを示す図 図1に示す位相差制御層を備えたカラーフィルタの製造工程を説明するための断面図。 本発明の第1の実施形態に係る位相差制御層を備えたカラーフィルタを示す概略断面図。 実施例1及び比較例に係るカラーフィルタの正面方向から色度測定を行った結果を示す特性図。 実施例1及び比較例に係るカラーフィルタの斜め45°方向から色度測定を行った結果を示す特性図。 実施例2及び比較例に係るカラーフィルタの正面方向から色度測定を行った結果を示す特性図。 実施例2及び比較例に係るカラーフィルタの斜め45°方向から色度測定を行った結果を示す特性図。
符号の説明
1…透明基板、2…隔壁ブラックマトリックス、3(R)…赤色画素パターン、3(G)…緑色画素パターン、3(B)…青色画素パターン、4…配向膜、5(R),5(G),5(B),15(R),15(G),15(B)…位相差制御領域。

Claims (12)

  1. 基板上に隔壁を形成する工程、
    前記隔壁間に、所定のリタデーションを有する複数の着色画素パターンを、インクジェット法により形成する工程、
    前記着色画素パターン上に、配向処理された配向膜を形成する工程、及び
    前記複数の着色画素パターンのそれぞれのリタデーションに対応して、前記配向膜上にフォトリソグラフィー法により、液晶位相差層を形成する工程
    を具備することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記複数の着色画素パターンは、赤色画素パターン、青色画素パターン、及び緑色画素パターンを含み、前記赤色画素パターン及び青色画素パターンが正のリタデーションを有し、緑色画素パターンが負のリタデーションを有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記液晶位相差層は、重合性のネマチック液晶、重合性のコレステリック液晶、及びホメオトロピック配向した重合性の液晶からなる群から選ばれた液晶からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記液晶位相差層は、前記複数の着色画素パターンに対応する複数の液晶位相差領域を含み、それぞれの液晶位相差領域は、前記複数の着色画素パターンごとに異なるリタデーションを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記複数の液晶位相差領域のリタデーションは、通過する光の波長域に応じたリタデーションを有することを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記複数の液晶位相差領域は、前記複数の着色画素パターンのリタデーションを補正するリタデーションを有することを特徴とする請求項4または5に記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 前記複数の液晶位相差領域のリタデーションは、着色画素パターンのリタデーションとは符号が逆で、絶対値が略同一であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. 前記複数の液晶位相差領域は、前記複数の着色画素パターンごとに異なる重合性液晶組成物の架橋硬化物からなることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 前記複数の着色画素パターンのリタデーションと、それに対応する複数の液晶位相差領域のリタデーションの合計は、画素ごとに略同一であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 前記複数の液晶位相差領域は、同一の重合性液晶組成物の架橋硬化物からなり、異なる膜厚を有することを特徴とする請求項4〜6及び9のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかの方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
  12. 請求項11に記載のカラーフィルタを具備することを特徴とする液晶ディスプレイ。
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