JP2009244546A - カラーフィルタ基板及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明基板上に着色画素層、該着色画素層の上部に液晶化合物を含む位相差制御層を備えたカラーフィルタ基板において、位相差制御層だけの調整で、着色画素を組成する材料による光学的異方性と液晶材料の屈折率の波長分散性の両方によって引き起こされる着色画素ごとの透過光の位相差変化を補償すること。
【解決手段】位相差制御層が、全遮光領域と全透過領域、および光透過率が波長300〜340nmにおいて0〜40%、340〜370nmにおいて5〜80%、370〜500nmにおいて20〜100%となる半遮光領域とを有するフォトマスクを介して、紫外線を紫外線硬化型液晶化合物に対し照射し、前記着色画素層の色ごとに配向の程度が異なる液晶化合物を含むようにしたことを特徴とするカラーフィルタ基板である。
【選択図】図1
【解決手段】位相差制御層が、全遮光領域と全透過領域、および光透過率が波長300〜340nmにおいて0〜40%、340〜370nmにおいて5〜80%、370〜500nmにおいて20〜100%となる半遮光領域とを有するフォトマスクを介して、紫外線を紫外線硬化型液晶化合物に対し照射し、前記着色画素層の色ごとに配向の程度が異なる液晶化合物を含むようにしたことを特徴とするカラーフィルタ基板である。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶ディスプレイの視野角特性を向上するための液晶位相差制御層を具備するカラーフィルタ基板に関するものである。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどの種々のタイプのディスプレイが実用化されているが、これらのディスプレイには、位相差制御層が直線偏光板と組み合わせられて使用されていることが多い。例えば、直線偏光板と1/4波長位相差板、1/2波長位相差板、1/4波長位相差板と円偏光版、および直線偏光板を組み合わせた円偏光板のいずれかの組み合わせを、ディスプレイの観察側に設けることにより、外光反射を防止して表示のコントラストの向上を達成している。また、反射型液晶ディスプレイ、もしくは半透過半反射液晶ディスプレイには、液晶分子の光遮光効果を高めるために、円偏光板、もしくは楕円偏光板が使用されている。
さらにまた、超捻れネマチックモード(STN)液晶ディスプレイの色補償や視野角特性を改善するためにも、位相差板が利用されている。特に近年、高コントラストな表示が可能な垂直配向モード(MVA)液晶ディスプレイでは、光軸が基板に垂直で、負の複屈折異方性を有する位相差フィルム(負のCプレート)と、光軸が基板に水平で、正の複屈折異方性を有する位相差フィルム(正のAプレート)が併用されている。(例えば、特許文献1参照)。
上記文献1における位相差制御の通常の方法は、通常ポリカーボネートフィルム等の高分子フィルムを延伸したものかもしくは複屈折異方性を有する液晶材料をトリアセチルセルロースフィルム等に全面塗布した上で固化した位相差制御フィルムが用いられている。
しかしながら、上記の方法で製造する位相差制御フィルムでは、その位相差値は面内では均一に保たれているが、実際に必要なのは着色画素ごとの最適な位相差値の設定であって、したがって、必ずしも最適な位相差の補償が行われているわけではない。
一つには、液晶の屈折率そのものが透過光に対して波長依存性を持つため、カラーフィルタを構成する各着色画素に応じて要求される位相差値も異なるということが挙げられる。これに対しては、透過光の波長域に応じて位相差値を制御し位相差補償をより最適に行う試みが、特許文献2に開示されている。
しかしながら、実際には上記の対策を講じただけでは、斜め方向から黒表示を観察すると、赤色あるいは青色の漏れ光が観察され、位相差補償が完全に行われていないという問題がある。
これは、赤色、緑色および青色の各着色画素に用いられる着色顔料が光学的な異方性を有していること、さらにその異方性の程度が顔料の種類によって異なることによるものである。通常、光学設計は緑色を中心として行われるため、赤色・青色と緑色カラーフィルタ層の位相差値が正負に大きく異なると、上記のように赤色と青色の漏れ光が生じてしまうのである。
また、特許文献3には、カラーフィルタを構成する各着色画素の厚みを各色ごとになるように形成し、その上に液晶性高分子からなる位相差制御層を、カラーフィルタ層と位相差制御層の合計の厚みが一定になるよう積層し、3色の表示画素に応じた位相差量をもた
せた位相差制御層を具備するカラーフィルタが開示されている。この方法にあっては、位相差制御層の単位の厚さ当りの位相差は一定であって、位相差の違いは位相差制御層の厚みに比例して発現するため、厚みの制御が非常に重要である。
せた位相差制御層を具備するカラーフィルタが開示されている。この方法にあっては、位相差制御層の単位の厚さ当りの位相差は一定であって、位相差の違いは位相差制御層の厚みに比例して発現するため、厚みの制御が非常に重要である。
しかしながら、上記の構成では、膜厚段差のあるカラーフィルタ層上にカラーフィルタ層と位相差制御層の厚みが一定となるように位相差制御層を形成する必要があり、この工法自体が甚だ困難なこと、また、カラーフィルタ層の膜厚も厳密に制御する必要があることから、カラーフィルタの設計の自由度が制限される、あるいはカラーフィルタの製造難度が上昇するといった問題があった。
特開平10-153802号公報(第12-13頁、図54)
特開2005-148118号公報
特開2005-24919号公報
そこで 、本発明の課題は、着色画素を組成する材料の光学的異方性と液晶材料の屈折率の波長分散性の両方によって引き起こされる着色画素ごとの透過光の位相差変化を、液晶材料からの寄与だけを位相差制御層により補償するのではなく、また着色画素層からの寄与を両者の膜厚に着目して精密に制御することで補償するものでもなく、位相差制御層の位相差量を各着色画素に対応する部位ごとに厚みによらずに調整することで位相差補償を十分にかつ容易に実現する手段の提供である。すなわち、位相差制御層の調整だけで、着色画素を組成する材料による光学的異方性と液晶材料の屈折率の波長分散性の両方によって引き起こされる位相差変化を、着色画素ごとに補償したカラーフィルタ基板の提供である。
本発明の請求項1の発明は、透明基板上に着色画素層、該着色画素層の下部または上部に液晶化合物を含む位相差制御層を備えたカラーフィルタ基板において、前記位相差制御層が、全遮光領域と全透過領域、および光透過率が波長300〜340nmにおいて0〜40%、340〜370nmにおいて5〜80%、370〜500nmにおいて20〜100%となる半遮光領域とを有するフォトマスクを介して、紫外線を前記着色画素層の下部または上部に塗布された紫外線硬化型液晶化合物に対し照射し、前記着色画素層の着色色ごとに配向の程度が異なる液晶化合物を含むようにしたことを特徴とするカラーフィルタ基板である。
かかる構成のマスクを使用することにより、位相差制御層を組成する液晶性材料の配向状態を変化させることで単位の厚み当たりの位相差変化を誘起できる。
本発明の請求項2の発明は、 上記紫外線硬化型液晶化合物は、少なくともサーモトロピック性を示し、かつ重合および/または架橋可能な官能基を有した液晶化合物、光および/または熱重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ基板である。
かかる材料組成とすることで単位の厚み当たりで異なる位相差値の場所ごとの固定化が容易に実現できる。
本発明の請求項3の発明は、 請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ基板を用いたことを特徴とする液晶表示装置である。
以上、本発明によれば、駆動用液晶と着色用材料に起因する位相差変化の違いを、着色
層と位相差制御層の双方の厚みを調整することで補償するのではなく、位相差制御層の単位の厚みの当たりの位相差値を着色画素の部位ごとに調整するので、着色画素ごとに最適な位相差量の実現が容易となり、厚みの制御にともなう製造工程の負荷を大きく低減することが可能となる。その結果、カラーフィルタを構成する着色画素の膜厚設定、材料選択の自由度が高くなるので、こうして得られるカラーフィルタを使用することで表示画質の優れた液晶ディスプレイを提供できる。
層と位相差制御層の双方の厚みを調整することで補償するのではなく、位相差制御層の単位の厚みの当たりの位相差値を着色画素の部位ごとに調整するので、着色画素ごとに最適な位相差量の実現が容易となり、厚みの制御にともなう製造工程の負荷を大きく低減することが可能となる。その結果、カラーフィルタを構成する着色画素の膜厚設定、材料選択の自由度が高くなるので、こうして得られるカラーフィルタを使用することで表示画質の優れた液晶ディスプレイを提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例について説明する。
まず、本発明のカラーフィルタ基板について、構成材料の順で説明する。以下では、透明基板上に着色画素層を形成し、さらに上記液晶化合物を積層してなる液晶位相差層を形成したカラーフィルタ基板を例に説明する。
図1に、本発明になる液晶位相差層を具備するカラーフィルタ基板の構成を断面図として示した。これは、透明な基板2上の非画素部に相当する位置に遮光性素材からなるブラックマトリックス3が形成されており、ブラックマトリックス3の各々の開口部に相当する位置には、いずれも光透過性である赤色パターン4R、緑色パターン4G、および青色パターン4Bの各色パターンが配列した着色画素層4が形成されており、さらに着色画素層4上には、液晶化合物を含む液晶位相差層が画素ごとに5R、5G、5Bとして積層された構造を有するものである。本カラーフィルタ基板においては、液晶化合物は液晶化合物の配向の程度に差がある状態で固定化されており、配向の程度を異ならせしめることで、当該液晶層の複屈折率に差を生じせしめ、ひいては位相差量もそれぞれ異なる値となっている。例えば、液晶分子がほぼ完全に配向した状態であれば複屈折性が強く、即ち位相差値としては大きくなり、逆に配向の程度が低い状態であれば複屈折性は弱く、即ち位相差値としては小さくなる。また、液晶の配向の程度が低い状態の極限として、液晶化合物を無配向の状態で定着化させてもよく、この場合は光学的に略等方となり、該液晶位相差領域は実質的に位相差が生じなくなるため単なる透明層として作用する。
本発明のカラーフィルタ基板にあっては、液晶位相差層は、液晶化合物に対し、部分部分で異なる透過率を有するフォトマスクを介して紫外線〜可視光線を照射することで、配向の程度の異なる液晶位相差層を複数領域にわたり一括にて形成される。即ち、照射光がほとんど透過する全透過領域に対応した部位の液晶化合物層領域では、配向の程度は高く、逆に照射光が遮断される全遮光領域に対応した部位の液晶化合物層領域では光学的に略等方となる。一方、その中間である半透過領域に対応した部位の液晶化合物層領域においては、短波長側の紫外線が選択的にカットされるため配向の程度は、全透過領域に対応した液晶化合物層領域と全遮光領域に対応した液晶化合物層領域との中間値を得ることが可能となる。配向の程度が異なることで単位の厚み当たりの位相差が異なるものとなる。
本発明の最大の特徴は、光透過率が波長300〜340nmにおいて0〜40%、340〜370nmにおいて5〜80%、370〜500nmにおいて20〜100%となる半遮光領域有するフォトマスクを用いて液晶化合物を照射することにある。一般にフォトマスクの遮光部としてはCr薄膜が用いられ、本発明においても同様であるが、半透過領域にはCr薄膜の代わりにITO(インジウムと錫の複合酸化物)薄膜、あるいはTi、Wを含む化合物薄膜、あるいはTi、Moを含む化合物薄膜等を用いることで、広い波長域にわたり透過率の異なる半透過領域を形成することができる。
また、本発明の液晶位相差層は、少なくともサーモトロピック性を示し、かつ重合および/または架橋可能な官能基を有した液晶化合物、光および/または熱重合開始剤を含む溶液を塗布し、紫外線の照射と加熱を併用して形成することができる。
上記液晶化合物としては、例えば、アルキルシアノビフェニル、アルコキシビフェニル、アルキルターフェニル、フェニルシクロヘキサン、ビフェニルシクロヘキサン、フェニルビシクロヘキサン、ピリミジン、シクロヘキサンカルボン酸エステル、ハロゲン化シアノフェノールエステル、アルキル安息香酸エステル、アルキルシアノトラン、ジアルコキシトラン、アルキルアルコキシトラン、アルキルシクロヘキシルトラン、アルキルビシクロヘキサン、シクロヘキシルフェニルエチレン、アルキルシクロヘキシルシクロヘキセン、アルキルベンズアルデヒドアジン、アルケニルベンズアルデヒドアジン、フェニルナフタレン、フェニルテトラヒドロナフタレン、フェニルデカヒドロナフタレンおよびこれらの誘導体、ならびに前記化合物のアクリレートおよびエポキシ変性体などを挙げることができる。
光重合開始剤は、紫外線などの照射によりラジカル種のような活性種を発生できる化合物であり、具体的には、トリアジン系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。熱重合開始剤は熱によって活性種を発生することができる化合物であり、常温、常圧の通常条件で活性を示さず、外部刺激である熱により活性種を発生するいわゆる潜在性熱重合開始剤であり、ジアルキルアリールスルホニウム類、シクロアルキルアリルスルホニウム類、アルキルジアリールスルフォニウム塩、ジアルキルアリールスルホニウム類、トリアリールスルホニウム類、ベンジルピリジニウム類、ベンジルアンモニウム類、ベンジルトリアリールホスホニウム類のテトラフルオロボレート塩、ヘキサフルオロフォスフェート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩、テトラフルオロアンチモネート塩などが挙げられる。
発現できる正負の位相差値は液晶の配向状態で決まるが、これは特に限定されるものではなく、例えば、棒状液晶が面内で面に平行になるように揃うホモジニアス配向で得られる正のAプレート、同じく面内に対して垂直となるように揃うホメオトロピック配向で得られる正のCプレート、面内で面に平行にとなりかつ螺旋を巻いたコレステリック配向で得られる負のCプレート、円盤状液晶にあっては面に対して垂直となるように揃うホメオトロピック配向で得られる負のAプレート、面内で面に平行にとなるように揃うホモジニアス配向で得られる正のCプレートなどが挙げられるが、これらに限らず、棒状分子が面内で面に平行にとなりかつ螺旋を巻いていて方位角が偏向した2軸性(正のAプレート/負のCプレートの複合)のものなどにも本発明は適用可能である。
次に、図2に従い、カラーフィルタ基板上に液晶位相差層を形成する具体的な方法について説明する。
まず、カラーフィルタ基板は、透明基板2上にコントラスト向上のためのブラックマトリックス3を設け(図2(a))、次いで赤(R)、緑(G)、青(B)の着色画素層4R、4G、4Bを形成したもの(図2(b))であり、これを液晶ディスプレイ用のセルとする場合は、さらに透明平坦層、透明導電層、配向膜層を順次積層し、その後薄膜トランジスタを形成した対向基板と対置させ液晶を封入して構成するものである。
着色画素層4は前記ブラックマトリックス3の開口部に設けられ、通常赤色画素パターン4R、緑色画素パターン4G、および青色画素パターン4Bの3原色からなる画素パターンが所望の位置に配置されたものである。その一般的な製造方法としては、顔料分散法、染料法、電着法、印刷法、転写法やインクジェット方式などが挙げられ、本発明では、それらのいずれの方式により着色樹脂組成物をパターニングしてもよい。
前記着色樹脂組成物の着色剤は、顔料、染料等を使用することができる。本発明では、耐候性に優れる顔料を用いることが好ましい。具体的には、Pigment Red9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、215、216、208、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254、Pigment Blue 15、15:6、16、22、29、60、64、Pigment Green7、36、Pigment Yellow 20、24、86、81、83、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185、 Pigment Orange36、 Pigment Violet23、等を使用することができる。より望ましい色相を得るために2種類以上の材料を混合して用いることができる。
前記着色樹脂組成物の熱硬化性樹脂は、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルアセタール、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂などから適宜選択して用いることができる。特に耐熱性や耐光性を要求されるカラーフィルタを製造する際には、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
前記着色樹脂組成物の溶媒として、具体的には、ジエチレングリコール-n-ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコール-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコール-n-ブチルエーテル、トリプロピレングリコール-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル等を挙げることができる。また、この他にも、溶媒の沸点をより高めるために、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-エトキシエチルアセテート、2-ブトキシエチルアセテート、2-メトキシエチルアセテート、2-エトキシエチルエーテル、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセテート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセテート、2-フェノキシエタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル等を用いることが可能である。また、必要に応じて2種類以上の溶媒を混合し、調整したものを用いることができる。
前記着色樹脂組成物の分散剤は、色素の樹脂への分散を向上させるために用いる。分散剤として、イオン性、非イオン性界面活性剤などを用いることができる。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等、その他に、有機顔料誘導体、ポリエステルなどが挙げられる。分散剤は一種類を単独で使用してもよく、また、二種類以上を混合して用いることも可能である。
透明基板2には、硝子基板、石英基板、プラスチック基板等の透明基板材料を使用できる。中でも硝子基板は、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れている。
ブラックマトリックス3は、例えば、金属あるいは金属酸化物の薄膜をスパッタ等の方法により基板上に形成し、それをエッチングなどの手法によりパターニングを施し形成する方法、または感光性樹脂組成物中に顔料あるいは染料などの着色剤を混在させ、これを基板上に感光性樹脂組成物層として形成しフォトリソグラフィー法により形成する方法、さらには黒色顔料、熱硬化性樹脂を溶媒に溶かし、印刷法により形成する方法などで製造できる。
次に、本発明になる液晶位相差層を液晶化合物から製造する方法を説明する。
カラーフィルタ基板上に形成された着色画素4上に前述した液晶化合物を含む溶液を塗布する。この際、着色画素4上に液晶配向規制力を発現する層を形成しておく必要がある。例えば、ポリイミド層をラビング処理することで液晶配向規制力を得ることができる。液晶化合物溶液の塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、凸版、スクリーン、平版などの印刷法、インクジェット法など既知の方法が挙げられる。
続いて、溶媒を乾燥した後、全透過領域6a、半遮光領域6bおよび全遮光領域6cを有するフォトマスク6を介し(図2(c))、紫外線を照射してパターン露光を行うことで、当該液晶位相差層の配向の程度を制御するものである(図2(d))。なお、このとき照射される紫外線は、全透過領域に対応した液晶層領域の液晶化合物をほぼ完全に配向させるのに十分な照射量とする。これによって、着色画素層4R上の全透過領域に対応した液晶位相差層5Rにおいては、液晶化合物は配向状態をほぼ保ったまま硬化し、着色画素4G上の半透過領域に対応した液晶位相差層5Gでは未硬化成分を残して一部硬化され、着色画素4Bおよびブラックマトリックス3上の全遮光領域に対応した液晶位相差層5Bでは全てが未硬化の液晶状態のままとなる。なお、紫外線の照射量は光重合開始剤の添加量、又は放射線の種類や照度に応じて変わるが、例えば1mJ/cm2〜10000mJ/cm2の範囲であることが好ましい。また、紫外線を照射する雰囲気は窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。これにより、酸素の影響を受けずに硬化させ、液晶位相差層5の光学特性を安定させることができる。また、液晶化合物中の光重合開始剤の種類および添加量を適切に設定することで、半透過領域に対応した液晶位相差層5Gの硬化度を調整することが可能である。
このように透過率の異なるマスクを介して露光することで、領域ごとに異なる硬化状態を呈する液晶化合物が載置されたカラーフィルタ基板を、次に当該液晶化合物の等方相相転移温度以上に加熱する。すると、全透過領域に対応した液晶位相差層5Rでは、液晶化合物がすでに硬化しているので液晶成分が固定化された高配向状態を保ち、半遮光領域に対応した液晶位相差層5Gでは、未硬化部分に応じた液晶成分の配向が乱れて低配向状態となる。一方、全遮光領域に対応した液晶位相差層5Bでは、液晶成分が等方相に転移して実質的に無配向状態となる。
最後に、当該液晶化合物が等方相以上に保たれる以上の温度に維持したまま、基板の全面露光を行うと高配向状態、中〜低配向状態および無配向状態の領域がそのまま重合および/または架橋し固定化される。これによって領域ごとに配向の程度が異なった液晶位相差層を形成することができる。なお、この全面露光を行う場合には、当該液晶化合物が十分に重合および/または架橋されうる十分な照射量を必要とする。
最後に、このカラーフィルタ基板をより高温に保持して再硬化させ、液晶位相差層5の光学特性を安定化させ、さらに強固な膜とすることも可能である。なおこのときの温度としては100℃〜250℃、高温時の不必要な反応などが懸念される場合にはさらに低い温度であることが望ましい。
これにより、最終的に、各着色画素領域に対応する液晶位相差層領域5R、5G、5Bを有する液晶位相差層が形成されたカラーフィルタが製造される(図3(d))。
このように本実施の形態によれば、複数の着色画素の表示領域に対応し、複数の位相差値を相当の範囲で制御することが可能となり、カラーフィルタ基板の容易かつ安定した製造ができる。また、当該着色画素領域を通過する光の波長域に応じた位相差値を持つように調整されているので、各着色画素領域を通過する光の偏光度にばらつきが生じることがない。さらにいうと斜め方向からの視野角補償が可能なため、斜め方向から見た場合の、カラーシフトを低減し、かつニュートラルな黒色が再現でき、非常に優れた表示特性を得
ることができる。
ることができる。
以下、実施例を記載するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。また、本実施例で用いる材料は光および熱に対して極めて敏感であるため、自然光などの不要な光による感光を防ぐ必要があり、全ての作業を黄色、または赤色灯下で行うことは言うまでもない。
<液晶組成物の調整>
下記組成物からなる混合物を均一になるように攪拌し、液晶組成物(A)を調整した。
重合性液晶
Paliocolor LC 242(BASFジャパン社製) 100重量部
カイラル剤
Paliocolor LC 756(BASFジャパン社製) 9重量部
光重合開始剤
イルガキュア 907(チバスペシャリティケミカルズ社製) 4.5重量部
イルガキュア OXE01(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.5重量部
溶媒
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 420重量部
下記組成物からなる混合物を均一になるように攪拌し、液晶組成物(B)を調整した。
下記組成物からなる混合物を均一になるように攪拌し、液晶組成物(A)を調整した。
重合性液晶
Paliocolor LC 242(BASFジャパン社製) 100重量部
カイラル剤
Paliocolor LC 756(BASFジャパン社製) 9重量部
光重合開始剤
イルガキュア 907(チバスペシャリティケミカルズ社製) 4.5重量部
イルガキュア OXE01(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.5重量部
溶媒
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 420重量部
下記組成物からなる混合物を均一になるように攪拌し、液晶組成物(B)を調整した。
重合性液晶 UCL 018(大日本インキ化学工業社製) 100重量部
光重合開始剤
イルガキュア 907(チバスペシャリティケミカルズ社製) 4.3重量部
イルガキュア OXE01(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.2重量部
溶媒 1−メトキシ−2−プロピルアセテート 420重量部
光重合開始剤
イルガキュア 907(チバスペシャリティケミカルズ社製) 4.3重量部
イルガキュア OXE01(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.2重量部
溶媒 1−メトキシ−2−プロピルアセテート 420重量部
<液晶位相差層の作製>
上記液晶組成物(A)および(B)をスピンコートによりガラス基板上に塗布した。90℃で3分加熱し、次いで、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、全遮光領域と、全透過領域と、波長300〜500nmにおける光透過率が図3〜図6で示される半遮光領域とを有するフォトマスクA〜Dを介して200mJ/cm2の照射量にて露光を行った。なお、露光工程においては、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。
上記液晶組成物(A)および(B)をスピンコートによりガラス基板上に塗布した。90℃で3分加熱し、次いで、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、全遮光領域と、全透過領域と、波長300〜500nmにおける光透過率が図3〜図6で示される半遮光領域とを有するフォトマスクA〜Dを介して200mJ/cm2の照射量にて露光を行った。なお、露光工程においては、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。
さらに、液晶位相差層の安定化のため、200℃で30分の加熱工程を経て、液晶位相差層(A)および(B)を形成した。膜厚はそれぞれ1.0μmおよび0.5μmであった。
上記に示した作製例に従い形成した液晶組成物(A)および(B)からなる位相差層の膜厚と厚み方向の位相差値の測定結果を表1に示す。なお、位相差の測定においては、位相差測定装置(王子計測機器社製、KOBRA−WR)を用いた。
<カラーフィルタの作製>
ガラス基板上にブラックマトリックスを形成し、次いで、フォトリソ法によって、上記ブラックマトリックスの間隙に赤、緑および青色着色組成物を形成し、着色画素(R)、着色画素(G)および着色画素(B)をそれぞれ形成した。
ガラス基板上にブラックマトリックスを形成し、次いで、フォトリソ法によって、上記ブラックマトリックスの間隙に赤、緑および青色着色組成物を形成し、着色画素(R)、着色画素(G)および着色画素(B)をそれぞれ形成した。
上記カラーフィルタの着色画素層の厚み方向の位相差値の測定結果を表2に示す。
<位相差制御されたカラーフィルタの作製>
上記において作製したカラーフィルタ上に、エポキシ化合物を主としてなる熱硬化型樹脂組成物を塗布し、乾燥後、230℃1時間の熱工程を経て、膜厚1.2μmの透明平坦層を形成した。
上記において作製したカラーフィルタ上に、エポキシ化合物を主としてなる熱硬化型樹脂組成物を塗布し、乾燥後、230℃1時間の熱工程を経て、膜厚1.2μmの透明平坦層を形成した。
その後、スピンコートによりガラス基板上に塗布した。90℃で3分加熱し、次いで、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、全透過領域、全遮光領域および半遮光領域を有するフォトマスクA〜Dのいずれかを介し、カラーフィルタ基板の各着色画素領域と、フォトマスクの各領域とがそれぞれが対応するよう位置合わせを行い、200mJ/cm2の照射量にて露光を行った。なお、露光工程においては、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。
さらに、液晶位相差層の安定化のため、200℃で30分の加熱工程を経て、液晶位相差層(A)および(B)を形成した。膜厚はそれぞれ1.0μmおよび0.5μmであった。
上記に示した作製例に従い形成したカラーフィルタの着色画素部分における厚み方向の位相差値の測定結果を表3、4に示す。
<比較例>
上記実施例における着色剤を用い、液晶位相差層を具備しないカラーフィルタを作製した。結果を表5及び表6に示す。
上記実施例における着色剤を用い、液晶位相差層を具備しないカラーフィルタを作製した。結果を表5及び表6に示す。
上記のようにして得られた実施例および比較例のカラーフィルタについて、偏向軸が並行および直交するように偏向膜により狭示させ、背面に3波長管バックライト(Tc=6,000K)を設置して、輝度計(トプコン社製、BM−5A)を用いて、正面方向および斜め45°方向から色度測定を行った。結果を図7及び図8に示した。
上記の結果から、正面方向からの外観、色度については大きな変化は見られなかったが、斜め45°方向については、比較例において赤紫ないし赤黒色を呈していたものが、実施例に基づいた位相差制御効果により無彩色なグレーとなることが確認された。
1・・・カラーフィルタ基板
2・・・透明基板
3・・・ブラックマトリックス
4・・・着色画素層
5・・・液晶位相差層
6・・・フォトマスク
2・・・透明基板
3・・・ブラックマトリックス
4・・・着色画素層
5・・・液晶位相差層
6・・・フォトマスク
Claims (3)
- 透明基板上に着色画素層、該着色画素層の下部または上部に液晶化合物を含む位相差制御層を備えたカラーフィルタ基板において、前記位相差制御層が、全遮光領域と全透過領域、および光透過率が波長300〜340nmにおいて0〜40%、340〜370nmにおいて5〜80%、370〜500nmにおいて20〜100%となる半遮光領域とを有するフォトマスクを介して、紫外線を前記着色画素の下部または上部に塗布された紫外線硬化型液晶化合物に対し照射し、前記着色画素層の着色色ごとに配向の程度が異なる液晶化合物を含むようにしたことを特徴とするカラーフィルタ基板。
- 上記紫外線硬化型液晶化合物は、少なくともサーモトロピック性を示し、かつ重合および/または架橋可能な官能基を有した液晶化合物、光および/または熱重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ基板。
- 請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ基板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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---|---|---|---|
JP2008090230A JP2009244546A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | カラーフィルタ基板及びそれを用いた液晶表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010044283A (ja) * | 2008-08-15 | 2010-02-25 | Toppan Printing Co Ltd | リターデイション基板、その製造方法及び液晶表示装置 |
CN107367784A (zh) * | 2016-05-12 | 2017-11-21 | Jxtg能源株式会社 | 光学相位差构件及投影机 |
WO2018021078A1 (ja) * | 2016-07-25 | 2018-02-01 | シャープ株式会社 | 位相差フィルムの製造方法及び位相差フィルム |
-
2008
- 2008-03-31 JP JP2008090230A patent/JP2009244546A/ja active Pending
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CN107367784B (zh) * | 2016-05-12 | 2020-11-24 | Jxtg能源株式会社 | 光学相位差构件及投影机 |
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