JP4923994B2 - カラーフィルタ、その製造方法、及び液晶ディスプレイ - Google Patents

カラーフィルタ、その製造方法、及び液晶ディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、カラーフィルタ、その製造方法、及び液晶ディスプレイに係り、特に、視野角向上のための位相差制御層を備えるカラーフィルタに関する。
種々のタイプの液晶ディスプレイが実用化されているが、これらの液晶ディスプレイには、位相差制御層が直線偏光板と組み合わせられて用いられていることが多い。例えば、直線偏光板と1/4波長位相差板、または1/2波長位相差板、1/4波長位相差板、および直線偏光板を組み合わせた円偏光板を、液晶ディスプレイの観察側に設けることにより、外光反射を防止して表示のコントラストの向上を可能としている。
また、反射型液晶ディスプレイまたは半透過半反射液晶ディスプレイには、液晶分子の光シャッター効果を利用するために、円偏光板または楕円偏光板が使用されている。
更に、超捻れネマチックモード液晶ディスプレイの色補償や視野角特性を改善するためにも、位相差板が利用されている。特に近年、高コントラストな表示が可能な垂直配向モード液晶ディスプレイでは、光軸が透明基板に垂直で、負の複屈折異方性を有する位相差フィルム(負のCプレート)と、光軸が透明基板に水平で、正の複屈折異方性を有する位相差フィルム(正のAプレート)が併用されている例がある(例えば、特許文献1参照)。
これらにおける位相差制御には、通常、ポリカーボネートフィルム等を延伸した位相差フィルムまたは複屈折異方性を有する重合性液晶材料をトリアセチルセルロースフィルム等に塗布した位相差フィルムが用いられる。
しかしながら、上述した従来の位相差フィルムでは、そのリタデーション(複屈折位相差)は面内で均一であり、実際に表示される画素ごとに最適なリタデーションには設定されておらず、必ずしも最適な位相差補償が行われているわけではない。
その理由の1つは、重合性液晶の位相差・屈折率そのものが透過光の波長依存性を持つため、カラーフィルタを構成する各色のパターン色(実際には透過光の波長)に応じて位相差フィルムに要求されるリタデーションも異なるためである。
これに対して、透過光の波長に応じてリタデーションを制御し、位相差補填をより最適に行う試みがなされている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、実際にはこのような試みにもかかわらず、斜め方向からの視野角補償を施された黒表示を観察すると、赤色と青色の漏れ光により、赤紫色に着色されて見えるという問題があった。
以下に公知文献を記す。
特開平10−153802号公報 特開2005−148118号公報
本発明は、以上のような事情の下になされ、各画素における最適な位相差補償により斜
め方向からの視野角拡大に優れた特性を示すカラーフィルタを効率よく、高い精度をもって製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような方法により製造されたカラーフィルタ、及びそのようなカラーフィルタを具備する液晶ディスプレイを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、赤色、緑色及び青色の各着色画素層のリタデーションがそれぞれ異なり、赤色、青色では、光軸が透明基板に垂直で、負の複屈折異方性を有するために、透明基板の垂直方向に対して正のリタデーションを示し、逆に緑色では、光軸が透明基板に垂直で、正の複屈折異方性を有するために、透明基板の垂直方向に対して負のリタデーションを示すためであることを見出した。通常、光学設計は、緑色を中心として行われるため、赤色及び青色の着色画素層と、緑色の着色画素層のリタデーションが正負に大きく異なると、前述のように赤色と青色の漏れ光が生じてしまう。本発明は、このような知見に基づきなされた。
本発明の第1の態様は、透明基板上にブラックマトリックスを形成する工程、前記ブラックマトリックス間に、所定のリタデーションを有する複数の着色画素層を、フォトリソグラフィー法により形成する工程、前記複数の着色画素層上にそれぞれのリタデーションに対応して、フォトリソグラフィー法により、位相差制御層を形成する工程を具備し、前記位相差制御層は、前記複数の着色画素層に対応する複数の位相差制御領域を含み、それぞれの位相差制御領域は、前記複数の着色画素層ごとに異なるリタデーションを有し、かつ、前記複数の着色画素層のリタデーションと、それに対応する複数の位相差制御領域のリタデーションの合計は、画素ごとに同一であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
このようなカラーフィルタの製造方法において、複数の着色画素層は、赤色画素層、青色画素層、及び緑色画素層を含み、透明基板の垂直方向に対して赤色画素層及び青色画素層が正のリタデーションを有し、緑色画素層が負のリタデーションを有するものとすることができる。
また、位相差制御層は、重合性のネマチック液晶、重合性のコレステリック液晶、及びホメオトロピック配向した重合性の液晶からなる群から選ばれた重合性液晶により構成することができる。
この場合、複数の位相差制御領域のリタデーションは、通過する光の波長域に応じたリタデーションを有することが望ましい。また、複数の位相差制御領域は、複数の着色画素層のリタデーションを補正するリタデーションを有することが望ましい。
以上のカラーフィルタの製造方法において、複数の位相差制御領域のリタデーションは、着色画素層のリタデーションとは符号が逆で、絶対値が略同一とすることができる。この場合、複数の位相差制御領域を、複数の着色画素層ごとに異なる重合性液晶組成物の架橋硬化物により構成することができる。
また、複数の位相差制御領域を、同一の重合性液晶組成物の架橋硬化物により構成し、異なる膜厚を有するものとすることができる。
本発明の第2の態様は、上述の方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明の第3の態様は、上記カラーフィルタを具備することを特徴とする液晶ディスプレイを提供する。
本発明によると、位相差制御層のリタデーションを、各着色画素層のリタデーションに対応させて調整することにより、各画素の表示領域を通過する光の偏光状態にばらつきが生じないため、斜め方向からの視野角拡大に優れた特性を示すカラーフィルタが提供される。特に、位相差制御層を配向させる配向膜の形成を行なわなくとも、位相差制御層のリタデーションを制御でき、構成の簡単なカラーフィルタが提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタを示す断面図である。図1において、ガラス基板や石英基板などの透明基板5上の非画素部に相当する位置に、遮光性素材からなるブラックマトリックス4が設けられている。画素部に相当する、ブラックマトリックス4の各々の開口部内に、いずれも光透過性である赤色画素層3(R)、緑色画素層3(G)、および青色画素層3(B)の各色が配列して構成された着色画素層3が積層されている。
また、開口部内の着色画素層3の上には、各画素ごとに、重合性液晶の硬化物からなる位相差制御領域1(R)、1(G)、1(B)からなる位相差制御層1が積層され、これらによりカラーフィルタが構成されている。
本発明において、重合性液晶組成物とは、液晶状態が室温において固定化されたものを指し、例えば、分子構造中に重合性基を有する液晶性モノマーを架橋させて、架橋前の光学的異方性を保持したまま硬化させたもの、またはガラス転移温度を有し、ガラス転移温度以上に加熱すると液晶相を示し、その後、ガラス転移温度以下に冷却することにより、液晶組織を凍結することができる高分子型液晶を指す。なお、また、R、G、およびBの各文字は、順に、赤色、緑色、および青色を表すものとする。
着色画素層3(R)、3(G)、3(B)はそれぞれ、図2に示すように、各パターンを通過する赤色、緑色及び青色の各色の光ごとに異なるリタデーション(表示光の複屈折位相差)を有している。本発明におけるリタデーションとは、特に断りがない限り、着色画素層3あるいは位相差制御層1の厚み方向、即ち、透明基板5の垂直方向に対する位相差の特性値を示す。このリタデーションは、それを構成する材料や厚み、処理方法により種々の値を示すが、本発明者らは、赤色画素層3(R)と青色画素層3(B)が正のリタデーションを有し、緑色画素層3(G)が負のリタデーションを有することを見出した。
具体的には、青色画素層3(B)の厚み方向のリタデーションは0.1nm〜100nmであり、緑色画素層3(G)の厚み方向のリタデーションは−100nm〜−0.1nmであり、赤色画素層3(R)の厚み方向のリタデーションは0.1nm〜100nmである。
これらの着色画素層3(R)、3(G)、3(B)のリタデーションを補償するためには、それぞれの位相差制御層1のリタデーションは、着色画素層3のリタデーションと符号が逆で絶対値が略同一であることが好ましいので、位相差制御領域1(B)のリタデーションは−100nm〜−0.1nmであり、位相差制御領域1(G)のリタデーションは0.1nm〜100nmであり、位相差制御領域1(R)のリタデーションは−100
nm〜−0.1nmであることが好ましい。
位相差制御領域1(R)、1(G)、1(B)を構成する重合性液晶材料は、各層を通過する光の波長域に応じたリタデーションを持つよう、ネマチック液晶材料、コレステリック液晶材料又はホメオトロピック配向した重合性の液晶材料を適宜選択することが好ましい。
即ち、位相差制御領域1(R)、1(G)、1(B)を構成する重合性液晶材料は、ある入射角度で入射した光に対して位相差を与える機能を有するものであればよく、上述したネマチック液晶に限らず、カイラルネマチック液晶(ネマチック液晶中にカイラル剤を添加したもの)等の任意の重合性液晶材料を用いることができる。
なお、ネマチック液晶は、重合可能な基を有することが好ましい。また、カイラル剤も重合可能な基を有することが好ましい。カイラルネマチック液晶については、ネマチック液晶を、単独、又は必要に応じて2つ以上混合して用いることが好ましい。
(製造方法)
次に、図3を参照して、図1に示す位相差制御層1付きカラーフィルタの製造方法について説明する。
(ブラックマトリックスの形成)
まず、図3(a)に示すように、透明基板5上にコントラスト向上のためのブラックマトリックス4を設ける。透明基板5には、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等、公知の透明基板材料を使用できる。中でもガラス基板は、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れている。
ブラックマトリックス4は、公知の方法を用いて形成することができる。例えば、金属あるいは金属酸化物の薄膜をスパッタ等の方法により透明基板5上に形成し、それをエッチングなどの手法によりパターニングを施し、形成する方法;感光性樹脂組成物中に顔料あるいは染料などの着色剤を混在させ、これを透明基板5上に感光性樹脂組成物層として形成し、フォトリソグラフィー法により形成する方法;黒色顔料、熱硬化性樹脂を溶媒に溶かし、印刷法により形成する方法などが挙げられる。また、ブラックマトリックス4は、混色を防止するため、撥インク剤を含むことが望ましい。混色は、カラーインクが隣接画素のカラーインクに侵入することで発生する。
撥インク剤としては、シリコーン系、フッ素系材料を一例として挙げることができる。具体的には、主鎖または側鎖に有機シリコーンやアルキルフルオロ基を有し、シロキサン成分を含むシリコーン樹脂やシリコーンゴム、この他にはフッ化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化エチレン等や、これらの共重合体等のフッ素樹脂などを用いることができる。また、撥インキ剤は、加熱工程中にブリードアウトし、透明基板5上に撥インク剤が付着し、カラーインクの充填時に色抜け等が発生する場合があるが、これを防止するため、撥インキ剤としてはフッ素含有化合物を用いることが好ましい。また、ブリードアウトを防止するため、低分子化合物よりオリゴマー化合物を用いることが好ましい。
次いで、図3(b)に示すように、ブラックマトリックス4の開口部内に、赤(R)、緑(G)、青(B)の着色画素層3(R)、3(G)、3(B)を形成する。なお、液晶ディスプレイの場合には、更に透明導電層を積層し、例えば、薄膜トランジスタのような電極を形成した対向基板と対置させ、液晶層を介してLCDを構成する。以下では、透明基板5、ブラックマトリックス4、及び赤、緑、青の着色画素層3(R)、3(G)、3(B)を合わせてカラーフィルタ基板5aとする。
通常、赤色画素層3(R)、緑色画素層3(G)、および青色画素層3(B)の3原色からなる着色画素層3が、ブラックマトリックス4の開口部内に所望の形状に配置される。本実施形態では、フォトリソグラフィー法により着色画素層3が形成される。フォトリソグラフィー法による着色画素層3形成の工程は、基材上に着色樹脂組成物層を形成する工程、露光工程、不要部となる未露光部分を除去する現像工程からなる。
着色樹脂組成物により着色画素層3を設ける方法としては、バーコーター、アプリケーター、ワイヤーバー、スピンコーター、ロールコーター、スリットコーター、カーテンコーター、ダイコーターやコンマコーターなどの公知の方法が挙げられる。露光方式としては、例えば、超高圧水銀灯や半導体レーザーを光源とした紫外線により、遮光部を形成したフォトマスクを用いた、プロキシミティ方式、あるいは、凸および凹面鏡を使用した光学系を用いたミラープロジェクション方式、投影レンズを配し照射面を分割する分割露光方式などが挙げられる。現像液としては、有機溶剤系またはアルカリ水溶液系が一般的に用いられるが、環境安全性の確保の観点から、無機アルカリ系が好ましい。
着色樹脂組成物の着色剤としては、顔料、染料等を使用することができる。本発明では、耐候性に優れた顔料を用いることが好ましい。着色剤として、具体的には、Pigment Red9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、215、216、208、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254、Pigment Blue 15、15:6、16、22、29、60、64、Pigment Green7、36、Pigment Yellow 20、24、86、81、83、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185、 Pigment Orange36、 Pigment Violet23、等を使用することができる。さらに所望の色相を得るために2種類以上の材料を混合して用いることができる。
着色樹脂組成物に用いられる熱硬化性樹脂は、色素との関係で公知のカラーフィルタ基板5aの製造に用いる材料から適宜選択される。具体的には、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルアセタール、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラニン樹脂などを用いることができる。特に、耐熱性や耐光性を要求されるカラーフィルタを製造する場合には、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
着色樹脂組成物に用いられる溶媒は、具体的には、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル等を挙げることができる。
また、この他にも、溶媒の沸点をより高めるために、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル等を用いることが可能である。また、必要に応じて2種類以上の溶媒を前記条件に合うように混合し、調製したものを用いることができる。
着色樹脂組成物の分散剤は、樹脂への色素の分散を向上させるために用いる。分散剤と
して、イオン性または非イオン性界面活性剤などを用いることができる。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等、その他に、有機顔料誘導体、ポリエステルなどが挙げられる。分散剤は一種類を単独で使用してもよく、また、二種類以上を混合して用いることも可能である。
次に、後述にて説明する方法により、着色画素層3(R)、3(G)、3(B)上に、位相差制御層1を積層することにより、位相差制御層1付きのカラーフィルタと成すことが可能となるが、本発明においては、重合性液晶組成物の配向規制力を付与することを目的として、着色画素層3(R)、3(G)、3(B)上に位相差制御層1を形成し、位相差制御層1付きのカラーフィルタとしてもよい。
位相差制御層1はフォトリソグラフィー法にて、着色画素層3(R)、3(G)、3(B)上に、各画素ごとに異なる重合性液晶組成物を用いて形成する。重合性液晶組成物は、各層を通過する光の波長域に応じたリタデーションを持つよう、ネマチック液晶材料、コレステリック液晶材料又はホメオトロピック配向した重合性の液晶材料を適宜選択する。
フォトリソグラフィー法による重合性液晶組成物の層の形成は、着色画素層3(R)、3(G)、3(B)上に位相差制御層1を塗布する工程、パターン露光を行う工程、及び不要部となる未露光部分を除去する現像工程からなる。
重合性液晶組成物を塗布する方法としては、バーコーター、アプリケーター、ワイヤーバー、スピンコーター、ロールコーター、スリットコーター、カーテンコーター、ダイコーターやコンマコーターなどの公知の方法が挙げられる。
露光方式としては、例えば、超高圧水銀灯や半導体レーザーを光源とした紫外線により、遮光部を形成したフォトマスクを用いた、プロキシミティ方式、あるいは、凸および凹面鏡を使用した光学系を用いたミラープロジェクション方式、投影レンズを配し、照射面を分割する分割露光方式などが挙げられる。
これらの露光方式により重合性液晶組成物を塗布した基板に所定の照射量の紫外線をパターン照射して、重合性液晶組成物の塗布膜の一部を3次元架橋して硬化させる。重合性液晶組成物中には光重合開始剤を添加しておくことが好ましい。なお、紫外線の照射量は、光重合開始剤の有無や添加量、又は放射線の種類や照度に応じて変わるが、例えば1mJ/cm2〜10000mJ/cm2の範囲程度であることが好ましい。また、紫外線を照射する雰囲気は、窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。これにより、酸素の影響を受けずに硬化させ、位相差制御層1の光学特性を安定させることができる。さらに、紫外線を照射する雰囲気の温度は室温よりも高い温度で均一に制御することが好ましい。これにより、紫外線の照射時の重合性液晶材料の重合を促進させ、位相差制御層1の光学特性をさらに安定化させることができる。
ここで、「3次元架橋」とは、重合型のモノマー、オリゴマー又はポリマー等を互いに3次元的に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態とすることを意味する。このような状態にすることによって、重合性液晶塗布膜の一部を光学的に固定するとともに、常温で安定した不溶性の膜とすることができる。
現像工程は、重合性液晶塗布膜の露光工程により不溶化した以外の部分を現像液にて溶解して洗い流す工程である。不溶な部分を現像液で溶解し洗い流すことにより、パターニングされた位相差制御層1を得ることができる。現像液としては、有機溶剤系またはアルカリ水溶液系が一般的に用いられるが、環境安全性の確保の観点から、無機アルカリ系が好ましい。
最後に、位相差制御層1を所定の温度に焼成して再硬化させ、位相差制御層1の光学特性を安定化させる。なおこのとき、当該位相差制御層1を高温で加熱して熱硬化させることも可能であるが、好ましくは100℃〜150℃であることが望ましい。この場合に、位相差制御層1の光学特性をさらに安定化させることが可能である。
これにより、最終的に、図3(d)に示すように、画素の各色の表示領域に対応するリタデーションを有する位相差制御領域1(R)、1(G)、1(B)からなる位相差制御層1が形成され、位相差制御層1付きのカラーフィルタが完成する。
なお、上述したように、画素ごとに異なる重合性液晶組成物としては、位相差制御領域1(R)には、リタデーションが−100nm〜−0.1nmとなるような重合性液晶組成物を、位相差制御領域1(G)にはリタデーションが0.1nm〜100nmとなるような重合性液晶組成物を、位相差制御領域1(B)にはリタデーションが−100nm〜−0.1nmとなるような重合性液晶組成物を選択する。
以上のように、第1の実施形態によれば、位相差制御領域1(R)、1(G)、1(B)が、光の波長域に応じたリタデーションを持つように調整されているので、画素の各色の表示領域を通過する光の偏光状態にばらつきが生じることがない。更に言うと、斜め方向からの視野角補償を施された黒表示となるため、斜め方向から見た場合、カラーシフトを低減し、かつニュートラルな黒色が再現でき、非常に優れた表示特性を呈することができる。
<第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態に係るカラーフィルタを示す断面図である。図4において、ガラス基板やプラスチック基板などの透明基板5上の非画素部に相当する位置に、遮光性素材からなるブラックマトリックス4が設けられ、画素部に相当する、ブラックマトリックス4の各々の開口部内に、いずれも光透過性である赤色画素層3(R)、緑色画素層3(G)、および青色画素層3(B)の各色が配列して構成された着色画素層3が積層されていることは、図1に示す実施形態に係るカラーフィルタと同様である。
本実施形態に係るカラーフィルタが図1に示す実施形態に係るカラーフィルタと異なる点は、図1に示す実施形態に係るカラーフィルタにおいては、着色画素層3(R)、3(G)、3(B)上に、各画素ごとに異なる重合性液晶組成物を積層し、各層を通過する光の波長域に応じたリタデーションを有する位相差制御領域1(R)、1(G)、1(B)を形成しているのに対し、本実施形態に係るカラーフィルタでは、着色画素層3(R)、3(G)、3(B)上に、いずれの画素についても同一の重合性液晶組成物を積層し、各層を通過する光の波長域に応じたリタデーションを有するように膜厚の異なる位相差制御領域15(R)、15(G)、15(B)を形成していることである。
この場合、位相差制御領域15(R)、15(G)、15(B)の厚み方向のリタデーションと、各着色画素層3(R)、3(G)、3(B)の厚み方向のリタデーションとの合計が、各画素ごとに互いに等しくなるような値であることが好ましい。その具体的な値は、各着色画素層3(R)、3(G)、3(B)の厚み方向のリタデーションの値に応じて異なる。
例えば、青色画素層3(B)の厚み方向のリタデーションが5nm、緑色画素層3(G)の厚み方向のリタデーションが−40nm、赤色画素層3(R)の厚み方向のリタデーションが10nmであった場合は、例えば、位相差制御領域15(B)のリタデーションを15nm、位相差制御領域15(G)のリタデーションを60nm、位相差制御領域15(R)のリタデーションを10nmとすれば、各着色画素層3(R)、3(G)、3(B)の厚み方向のリタデーションと各位相差制御領域15(R)、15(G)、15(B)の厚み方向のリタデーションとの合計は20nmとなり互いに等しくなる。
各位相差制御領域15(R)、15(G)、15(B)のリタデーションは、厚み方向の屈折率異方性Δnと膜厚dとの積で表される。同一の重合性液晶組成物であればΔnは一定であるため、位相差制御領域15(R)、15(G)、15(B)のリタデーションは、その膜厚によって制御できる。
位相差制御領域15(R)、15(G)、15(B)の厚み方向のリタデーションと、各着色画素層3(R)、3(G)、3(B)の厚み方向のリタデーションとの合計値は、各画素ごとに互いに等しければ特に制限はないが、最終的な液晶ディスプレイの特性を著しく損なわないためには、絶対値が0に近いほど好ましい。したがって、前述の例についても、例えば、位相差制御領域15(B)のリタデーションを5nm、位相差制御領域15(G)のリタデーションを50nm、位相差制御領域15(R)のリタデーションを0nmとすれば、それぞれの位相差制御領域15(R)、15(G)、15(B)の厚み方向のリタデーションと各着色画素層3の厚み方向のリタデーションとの合計は10nmで互いに等しくなるため、より好ましい。この際、位相差制御領域15(R)のリタデーションは0nmであるため、位相差制御領域15(R)の膜厚は0、すなわち位相差制御領域15(R)を設けないことを意味することとなる。
このように、各着色画素層3の厚み方向のリタデーションの値に応じて、各位相差制御領域の厚み方向のリタデーションとの合計が、各画素ごとに互いに等しくなるように各位相差制御領域の膜厚を制御することで、最適なリタデーションの補正を行うことが可能となる。
以上説明した図4に示す第2の実施形態に係るカラーフィルタは、上述した図3に示す製造工程と同様にして製造することができる。ただし、着色画素層3(R)、3(G)、3(B)上への各位相差制御層1のフォトリソグラフィー法による形成は、各画素ごとに厚さの異なる同一の重合性液晶組成物の成膜、露光、現像を繰り返し、必要なリタデーションに応じた膜厚の位相差制御層1が形成されるように行う必要がある。当然、位相差制御層1を必要としない画素の部分には、重合性液晶組成物の成膜を行わないこととなる。
<第3の実施形態>
図9は、本発明の第3の実施形態に係るカラーフィルタを示す断面図である。
図9に示すように、本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、透明基板5上に、画素部が開孔部であり、非画素部に相当する位置が遮光性素材で構成されたブラックマトリックス4(図中、略称「BM」で示す)が積層されており、ブラックマトリックス4の各々の開孔部の微細領域4a内の透明基板5の上に、いずれも光透過性である赤色画素層3(R)、緑色画素層3(G)、および青色画素層3(B)の各色パターンが配列して構成された着色画素層3が積層されており、さらに着色画素層3上には、配向膜2さらに、重合性液晶からなる位相差制御層1が各微細領域4a毎に位相差制御領域1(R)、1(G)、1(B)として積層された構造を有するものである。
本発明において、重合性液晶組成物とは、液晶状態が室温において固定化されたものを指し、例えば、分子構造中に重合性基を有する液晶性モノマーを架橋させて、架橋前の光学的異方性を保持したまま硬化させたもの、もしくはガラス転移温度を有し、該ガラス転移温度以上に加熱すると液晶相を示し、その後、該ガラス転移温度以下に冷却することにより、液晶組織を凍結することができる高分子型液晶を指す。なお、以降において、着色画素層3を構成する各色パターンについては、「光透過性である」旨の記述を省くことが
ある。また、R、G、およびBの各文字は、順に、赤色、緑色、および青色を表すものとし、以降においても同様である。
前記の微細領域4a内の赤色画素層3(R)、緑色画素層3(G)、青色画素層3(B)はそれぞれ、図2に示すように、当該各微細領域4aを通過する赤色、緑色及び青色の各色の光ごとに異なるリタデーション量を持っている。このリタデーション量は、それを構成する材料や厚み、処理方法などにより種々の値を有するが、発明者らはRとBが正のリタデーションを、Gが負のリタデーションであることを見出した。
具体的には、青色画素層3(B)の微細領域4aの画素では、その画素の厚み方向のリタデーション量として0.1nm〜100nmとなっている為、その微細領域4aの位相差制御層1の位相差制御領域1(B)では、位相差値として−100nm〜−0.1nmをとることが好ましい。
緑色画素層3(G)の微細領域4aでは、リタデーション量として−100nm〜−0.1nmとなっている為、その微細領域4aの位相差制御領域1(G)の位相差値としては0.1nm〜100nmをとることが好ましい。
赤色画素層3(R)の微細領域4aでは、リタデーション量として0.1nm〜100nmとなっている為、その微細領域4aの位相差制御領域1(R)の位相差値としては−100nm〜−0.1nmをとることが好ましい。
各微細領域4aの位相差制御層1の位相差制御領域1(R)、1(G)、1(B)は、当該各微細領域4aを通過する光の波長域に応じたリタデーション量を持つよう、少なくともネマチック液晶材料、コレステリック液晶材料又はホメオトロピック配向した重合性の液晶などの異なる重合性液晶材料を単独で、あるいは2種以上混合したものを適宜選択しても良いし、同一の重合性液晶材料を用い異なる膜厚の位相差制御層を形成し、各微細画素に応じた位相差値を有することが好ましい。
なお、位相差制御層1を構成する重合性液晶材料は、ある入射角度で入射した光に対して位相差を与える機能を有するものであればよく、上述したネマチック液晶に限らず、カイラルネマチック液晶(ネマチック液晶中にカイラル剤を添加したもの)等の任意の重合性液晶材料を用いることができる。なお、ネマチック液晶は、重合可能な基を有することが好ましい。また、カイラル剤も重合可能な基を有することが好ましい。カイラルネマチック液晶については、ネマチック液晶を、単独、又は必要に応じて2つ以上混合して用いることが好ましい。
次に、図10により、このような構成からなる位相差制御層1付きカラーフィルタの製造方法について説明する。
(カラーフィルタ基板5aの構成)
まず、カラーフィルタは、透明基板5上にコントラスト向上のためのブラックマトリックス4を設け(図10(a))、次いで赤(R)、緑(G)、青(B)の着色画素層3(R)、3(G)、3(B)を形成したもの(図10(b))であり、これを液晶ディスプレイ用とする場合は、さらに配向膜2(図10(c))の上に透明導電層を順次積層せしめたものであり、例えば薄膜トランジスタのような電極を形成した対向基板と対置させ液晶層を介してLCDを構成するものである。以下では、透明基板5、このブラックマトリックス4と赤、緑、青の着色画素層3を合わせてカラーフィルタ基板5aとする。
着色画素層3は前記ブラックマトリックス4の開口部に設けられ、通常赤色画素層3(R)、緑色画素層3(G)、および青色画素層3(B)の3原色からなる画素パターンが所望の形状に配置されたものである。その一般的な形成方法としては、顔料分散法、染料法、電着法、印刷法、転写法やインクジェット方式などが挙げられ、本発明では、それらのいずれかの方式により着色樹脂組成物をパターニングしてもよい。その後後述する加熱工程を経て着色画素層3を形成する。
(着色画素層3の材料)
前記着色樹脂組成物の着色剤は、顔料、染料等を使用することができる。本発明では、耐候性に優れる顔料を用いることが好ましい。着色剤として、具体的には、Pigment Red9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、215、216、208、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254、Pigment Blue 15、15:6、16、22、29、60、64、Pigment Green7、36、Pigment Yellow 20、24、86、81、83、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185、 Pigment Orange36、
Pigment Violet23、等を使用することができる。さらに所望の色相を得るために2種類以上の材料を混合して用いることができる。
前記着色樹脂組成物の熱硬化性樹脂は、色素との関係にて公知のカラーフィルタ基板材料から適宜選択される。具体的には、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルアセタール、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラニン樹脂などを用いることができる。特に耐熱性や耐光性を要求されるカラーフィルタを製造する際には、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
前記着色樹脂組成物の溶媒として、具体的には、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル等を挙げることができる。また、この他にも、溶媒の沸点をより高めるために、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル等を用いることが可能である。また、必要に応じて2種類以上の溶媒を前記条件に合うように混合し、調整したものを用いることができる。
前記着色樹脂組成物の分散剤は、樹脂への色素の分散を向上させるために用いる。分散剤として、イオン性、非イオン性界面活性剤などを用いることができる。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等、その他に、有機顔料誘導体、ポリエステルなどが挙げられる。分散剤は一種類を単独で使用してもよく、また、二種類以上を混合して用いることも可能である。
(透明基板5の材料)
透明基板5には、硝子基板、石英基板、プラスチック基板等、公知の透明基板材料を使用できる。中でも硝子基板は、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れている。
(ブラックマトリックス4の材料)
ブラックマトリックス4は公知の方法を用いて形成することができる。例えば、金属あ
るいは金属酸化物の薄膜をスパッタ等の方法により基板上に形成し、それをエッチングなどの手法によりパターニングを施し形成する方法、感光性樹脂組成物中に顔料あるいは染料などの着色剤を混在させ、これを基板上に感光性樹脂組成物層として形成しフォトリソグラフィー法により形成する方法、黒色顔料、熱硬化性樹脂を溶媒に溶かし、印刷法により形成する方法などが挙げられる。
(配向膜2の材料)
また、位相差制御層1の重合性液晶組成物を配向させるための配向膜2を形成する材料としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が通常使用され、本発明においてはスピンコーティングにより塗布し、乾燥・焼成して形成される。このような配向膜2にラビング処理を施すことにより配向能が付与される。なお、ラビング処理としては、レーヨン、綿、ポリアミド等の素材から選ばれるラビング布を金属ロールに捲き付け、これがカラーフィルタ基板5a上に形成された配向膜2に接した状態で回転させるか、ロールを固定したまま配向膜2付きのカラーフィルタ基板5aを搬送することより、配向膜2をラビング布で摩擦する方法が通常採用される。
(位相差制御層1の形成)
次に、カラーフィルタ基板5a上に形成された配向膜2上に重合性液晶から成る位相差制御層1を形成した後に所定の照射量の紫外線を照射して当該位相差制御層1(R)、1(G)、1(B)を3次元架橋して硬化させる(図10(d))。なおこのとき、位相差制御層1に照射される紫外線は、位相差制御層1の重合性液晶を硬化させるために、その重合性液晶材料中に光重合開始剤を添加しておくことが好ましい。なお、紫外線の照射量は光重合開始剤の有無や添加量、又は放射線の種類や照度に応じて変わるが、例えば1mJ/cm2〜10000mJ/cm2の範囲程度であることが好ましい。また、紫外線を照射する雰囲気は窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。これにより、酸素の影響を受けずに硬化させ、位相差制御層1の光学特性を安定させることができる。さらに、紫外線を照射する雰囲気の温度は室温よりも高い温度で均一に制御することが好ましい。これにより、紫外線の照射時の重合性液晶材料の重合を促進させ、位相差制御層1の光学特性を安定化させることができる。ここで、「3次元架橋」とは、重合型のモノマー、オリゴマー又はポリマー等を互いに3次元的に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態とすることを意味する。このような状態にすることによって、位相差制御層1の重合性液晶材料の状態を光学的に固定することができ、光学膜としての取り扱いが容易な、常温で安定したフィルム状の膜とすることができる。
最後に、位相差制御層1を所定の温度に焼成して再硬化させ、位相差制御層1の光学特性を安定化させる。なおこのとき、当該位相差制御層1を高温で加熱して熱硬化させることも可能であるが、好ましくは100℃〜150℃であることが望ましい。この場合に、位相差制御層1の光学特性をさらに安定化させることが可能である。
これにより、最終的に、画素の各色の表示領域に対応する微細領域1(R)、1(G)、1(B)を有する位相差制御層1が形成されたカラーフィルタが製造される(図10(d))。
このように本実施の形態によれば、位相差を制御する位相差制御層1が、画素の各色の表示領域に対応してパターニングされた微細領域1(R),1(G),1(B)を有し、これらの微細領域が、当該各微細画素を通過する光の波長域に応じたリタデーション量を持つように調整されているので、画素の各色の表示領域を通過する光の偏光状態にばらつきが生じることがない。さらにいうと斜め方向からの視野角補償を施された黒表示となるため、斜め方向から見た場合、カラーシフトを低減し、かつニュートラルな黒色が再現でき、非常に優れた表示特性を呈することができる。
以下、以上説明した実施形態についての、より具体的な実施例を示すが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。また、本発明で用いる材料は光に対して極めて敏感であるため、自然光などの不要な光による感光を防ぐ必要があり、全ての作業を黄色、または赤色灯下で行った。
<実施例1>
(位相差制御用重合性液晶組成物の製造)
重合性基を有するネマチック液晶100重量部と、光開始剤5重量部をトルエン420部に溶解させ、重合性液晶組成物(A)を調製した。この重合性液晶組成物(A)にカイラル剤9重量部を混合し、重合性液晶組成物(B)とした。重合性液晶組成物(A)におけるネマチック液晶を、より複屈折率の大きいネマチック液晶に置き換えて、同様の混合比にて重合性液晶組成物(C)を調製した。
まず、1つのガラスの透明基板5上に、重合性液晶組成物(B)、重合性液晶組成物(A)及び重合性液晶組成物(C)をそれぞれスピンコートして、位相差制御層1を形成した。60℃で1分加熱した後の膜厚は、それぞれ0.7μmであった。次いで、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、それぞれ、1000mJ/cm2の照射量にて位相差制御層1に露光を行った。なお、この露光工程においては、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。更に、位相差制御層1の安定化のため、150℃で30分の加熱工程により、位相差制御層1を形成した。
次に、3枚のガラスの透明基板5上に、重合性液晶組成物(B)、重合性液晶組成物(A)及び重合性液晶組成物(C)をそれぞれスピンコートして、位相差制御層1を形成した。60℃で1分加熱した後の膜厚は、それぞれ0.7μmであった。次いで、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、それぞれ、1000mJ/cm2の照射量にて位相差制御層1に露光を行った。なお、この露光工程においては、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。更に、位相差制御層1の安定化のため、150℃で30分の加熱工程により、位相差制御層1を形成した。
上記位相差制御層1の厚み方向のリタデーションを計測したところ、重合性液晶組成物(B)により位相差制御層1を形成した透明基板5においては40nm、重合性液晶組成物(A)により位相差制御層1を形成した透明基板5においては−5nm、重合性液晶組成物(C)により位相差制御層1を形成した透明基板5においては−20nmであった。
以下に、本実施形態によるカラーフィルタの製造方法を説明する。
(ブラックマトリックスの作製工程)
ガラス基板上にクロムの薄膜からなるブラックマトリックスを形成した。
(着色樹脂組成物の調製工程)
[着色材料の作製]
カラーフィルタ作製に用いる着色材料を着色する着色剤には以下のものを使用した。
赤色用顔料:C.I. Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)およびC.I. Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)
緑色用顔料:C.I. Pigment Green 36(東洋インキ製造製「リオノールグリーン 6YK」)、およびC.I. Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y−5688」)
青色用顔料:C.I. Pigment Blue 15(東洋インキ製造製「リオノールブルーES」)C.I. Pigment Violet 23(BASF社製「パリオゲンバイオレット 5890」)
以上のそれぞれの顔料を用いて、赤色、緑色、及び青色の着色樹脂組成物を調製した。(カラーフィルタ基板の作製工程)
透明基板5上のブラックマトリックス4の開口部に、前記R,G,B各色の着色樹脂組成物を使用し、顔料分散法により、赤色(R),緑色(G),青色(B)の各々の画素に着色画素層3を各々形成した。その後、ホットプレートにて200℃で30分加熱し、図3(b)に示すように、着色画素層3(R)、3(G)、3(B)を形成し、カラーフィルタ基板5aを得た。
これら着色画素層3(R)、3(G)、3(B)の厚み方向のリタデーションを測定したところ、それぞれ20nm、−45nm、4nmであった。
(位相差制御層の形成工程)
上記において作製したカラーフィルタ基板5aの、ブラックマトリックス4に囲まれた領域内の緑色の着色画素層3(G)上に、スピンコートにより重合性液晶組成物(B)の層を形成した。60℃で1分加熱した後の位相差制御層1の膜厚は0.7μmであった。
次に、先の工程で充填された位相差制御層1に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて塗布された位相差制御層1に露光を行った。なお、このとき、着色画素パターン3(G)上のみに露光が施せるよう、マスクを用いたプロキシミティ露光を行った。次に、基板をアセトン中に浸漬して未露光部の除去を行い、着色画素パターン3(G)上のみに位相差領域1(G)を形成した。さらに、その位相差制御層1の安定化のため、150℃で30分の加熱工程を施し、位相差制御領域1(G)を形成した。
次に、スピンコートにより、重合性液晶組成物(A)を、青色画素層3(B)の上面に形成した。60℃で1分加熱した後の位相差制御層1の膜厚は0.7μmであった。
次いで、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて、塗布された位相差制御層1に露光を行った。なお、このとき、青色画素層3(B)上のみに露光が施せるよう、マスクを用いたプロキシミティ露光を行った。
更に、基板をアセトン中に浸漬して未露光部の除去を行い、着色画素パターン3(B)上のみに位相差制御領域1(B)を形成した。また、位相差制御層1の安定化のため、150℃で30分の加熱工程を施した。
同様にして、赤色画素層3(R)上に、スピンコートにより、前記重合性液晶組成物(C)の層を形成した。60℃で1分加熱した後の重合性液晶組成物(C)の位相差制御層1の膜厚は0.7μmであった。
次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて、塗布された位相差制御層1に露光を行った。なお、このとき、赤色画素層3(R)上のみに露光が施せるよう、マスクを用いたプロキシミティ露光を行った。
次いで、基板をアセトン中に浸漬して未露光部の除去を行い、赤色画素層3(R)上のみに位相差制御領域5(R)を形成した。また、位相差制御層1の安定化のため、150℃で30分の加熱工程を施した。
以上の工程を経て得られた位相差制御層1を形成したカラーフィルタの各画素における
リタデーションは、着色画素層3と位相差制御層1のリタデーションの和となり、即ち、赤色の着色画素層(R)部で0nm、緑色の着色画素層(G)部で−5nm、青色の着色画素層(B)部で−1nmと見積もられる。
<比較例1>
位相差制御層1を設けないことを除いて、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
以上のようにして得られた実施例1、2および比較例のカラーフィルタについて、偏向軸が並行および直交するように配置された2枚の偏向膜により挟持し、背面に3波長管バックライト(Tc=6000K)を設置して、輝度計(品番BM−5A:トプコン(株)製)を用いて、正面方向および斜め45°方向から色度測定を行った。その結果を下記表1及び2に示す。表1は正面方向から色度測定を行った結果、表2は、斜め45°方向から色度測定を行った結果をそれぞれ示す。図5及び6は、表1及び2をxy座標にプロットした特性図である。
上記表1及び2の結果に示すように、正面方向からの外観、色度については大きな変化は見られなかったが、斜め45°方向については、比較例にて赤紫色を呈していたものが、実施例1において位相差制御層1を設けて位相差制御を行うことにより、無彩色なグレーとなることが確認された。
<実施例2>
(位相差制御されたカラーフィルタの作製)
(重合性液晶組成物の調製・膜厚と位相差の関係の算定)
重合性基を有するネマチック液晶100重量部、カイラル剤9重量部、及び光開始剤5重量部をトルエン420部に溶解し、重合性液晶組成物(D)を調製した。
ガラスの透明基板5上に、スピンコートにより重合性液晶組成物(D)を塗布した。60℃で1分加熱、次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて露光を行った。なお、露光工程においては、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。さらに、位相差制御層1の安定化のため、150℃で30分の加熱工程を経て、位相差制御層1を形成した。形成した位相差制御層の膜厚は0.7μmであった。
上記位相差制御層1の厚み方向のリタデーションを計測したところ、35nmであった。したがって、位相差制御層1μmあたりの位相差は50nmであることがわかった。
(位相差制御層1の形成)
実施例1と同様にして作製したカラーフィルタ基板5aの、ブラックマトリックス4に囲まれた各着色画素層3(R)、3(G)、3(B)上に、実施例1と同様にしてスピンコートにより、重合性液晶組成物(D)を塗布した。
次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて露光を行った。更に、安定化のため150℃で30分の加熱工程を施し、図4に示すように、位相差制御領域15(R)を形成した。この場合、位相差制御領域15(R)の膜厚が0.2μmとなるように、重合性液晶組成物(D)の塗布条件を制御した。
次いで、同様にして、塗布、露光、及び現像を繰り返して、着色画素層3(G)及び3(R)上のブラックマトリックス4に囲まれた領域内にも、位相差制御領域15(G)及び15(R)を形成した。この場合、位相差制御領域15(G)については膜厚が1.5μm、位相差制御領域15(B)については膜厚が0.5μmとなるように、適宜重合性液晶組成物(D)の塗布条件を調整した。
重合性液晶組成物(D)による位相差制御層15の位相差は、位相差制御領域15(R)が10nm、位相差制御領域15(G)が75nm、位相差制御領域15(B)が25nmとなり、各画素において各着色画素層3との位相差の合計が、着色画素層(R)部で30nm、着色画素層(G)部で30nm、着色画素層(B)部で29nmとなり、略同一となる。
以上のようにして得られた実施例2のカラーフィルタについて、偏向軸が並行および直交するように配置された2枚の偏向膜により挟持し、背面に3波長管バックライト(Tc=6000K)を設置して、輝度計(品番BM−5A:トプコン(株)製)を用いて、正面方向および斜め45°方向から色度測定を行った。その結果を比較例による結果とともに、下記表3及び表4に示す。表3は正面方向から色度測定を行った結果、表4は、斜め45°方向から色度測定を行った結果をそれぞれ示す。図7及び図8は、表3及び表4をxy座標にプロットした特性図である。
上記表3及び表4の結果に示すように、正面方向からの外観、色度については大きな変化は見られなかったが、斜め45°方向については、比較例にて赤紫色を呈していたものが、実施例2において位相差制御層15を設けて位相差制御を行うことにより、無彩色なグレーとなることが確認された。
<実施例3>
(位相差制御層1の材料)
重合性基を有するネマチック液晶100重量部と、光開始剤5重量部をトルエン420部、ジエチレングリコールジエチルエーテル42部に溶解させ重合性液晶組成物(A)を調整した。上記の重合性液晶組成物にカイラル剤9重量部を混合させ重合性液晶組成物(B)とした。
(配向膜2の形成工程)
まず、ガラス基板から成る透明基板5上にポリイミドをスピンコートにより成膜し、230℃で1時間の焼成工程を行い、その後、ラビング布により一定方向にラビング処理を施し配向膜2を形成した。
(位相差制御層1の特性測定)
次に、上記配向処理を行った基板上に、前記重合性液晶生成物(B)をスピンコートして位相差制御層1を形成した。60℃で1分加熱した後の膜厚は0.7μmであった。次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて露光を行った。なお、露光工程においては、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。さらに、150℃で30分の加熱工程を経て、安定な位
相差制御層1を形成した。この位相差制御層1の厚み方向のリタデーションを計測したところ40nmであった。
また、上記にて用いたポリイミドを垂直配向用に変更して、同様にして配向膜2を形成した。なお、このときはラビング処理は行っていない。
次に、上記配向膜2を形成した基板上に、スピンコートにより前記重合性液晶生成物(A)を形成した。60℃で1分加熱した後の膜厚は0.2および1.0μmであった。次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、それぞれ、000mJ/cm2の照射量にて露光を行った。なお、この露光工程においては、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。さらに、150℃で30分の加熱工程を経て、安定化させた位相差制御層1を形成した。上記位相差制御層1の厚み方向のリタデーションを計測したところ、膜厚0.3μm、1.0μmにおいて、それぞれ−6nmおよび−20nmであった。
以下に、本実施例によるカラーフィルタの製造工程を説明する。
(着色画素層3の形成工程)
ガラス基板から成る透明基板5上にクロムの薄膜からなるブラックマトリックス4を形成した。次に、フォトリソ法によって、上記ブラックマトリックス4の間隙に赤、緑および青色の着色組成物を形成し、赤色画素層3(R)、緑色画素層3(G)および青色画素層3(B)の着色画素層3をそれぞれ形成した。これらの着色画素層3の厚み方向のリタデーションを測定したところ、赤色画素層3(R)、緑色画素層3(G)および青色画素層3(B)において、それぞれ22nm、−40nm、3nmであった。
(配向膜2の形成工程)
上記において作製したカラーフィルタ基板5a上に、エポキシ化合物を主としてなる熱硬化型樹脂組成物を塗布し、乾燥後、230℃1時間の熱工程を経て、膜厚1.2μmの平坦膜層を形成した。次に、ポリイミドをスピンコートにより成膜し、230℃で1時間の焼成工程を行い、その後、ラビング布により一定方向にラビング処理を施し配向膜2を平坦膜層上に形成した。
(位相差制御層1の形成工程)
上記配向処理を行った後、スピンコートにより前記重合性液晶生成物(B)を形成した。60℃で1分加熱した後の膜厚は0.7μmであった。次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて露光を行った。なお、このとき、緑色画素層3(G)上のみに露光が施せるよう、マスクを用いたパターン露光を行った。
次に、基板をアセトン中に浸漬して未露光部の除去を行い、緑色画素層3(G)上のみに位相差制御層1を形成した。さらに、位相差制御層1の安定化のため、150℃で30分の加熱工程を施した。
次に、ポリイミドを垂直配向用に変更してスピンコートにより成膜し、230℃で1時間の焼成工程を行い配向膜2を平坦膜層上に形成した。
次に、スピンコートにより前記重合性液晶生成物(A)を形成した。60℃で1分加熱した後の膜厚は0.3μmであった。次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて露光を行った。なお、このとき、着色画素層3(B)上のみに露光が施せるよう、マスクを用いたパターン露光を行った。
次に、基板をアセトン中に浸漬して未露光部の除去を行い、着色画素層3(B)上のみに位相差制御層1を形成した。さらに、位相差制御層1の安定化のため、150℃で30分の加熱工程を施した。
同様にして、ポリイミド配向膜を平坦膜上に形成した後、重合性液晶生成物(A)を1.0μmの膜厚で形成し、着色画素層3(R)上のみに位相差制御層1を形成した。
以上の工程によって得られたカラーフィルタを、偏向軸が並行するように偏向膜により挟持させ、背面にバックライトを設置して観察したところ、角度をあおってみても、正面から観察したときと同等程度の黒表示が確認された。
なお、本発明による技術は、垂直配向の液晶ディスプレイに限らず、TN、OCB、IPSなど、他の液晶表示装置に適用できる。
本発明の第1の実施形態に係る位相差制御層を備えたカラーフィルタを示す概略断面図である。 カラーフィルタの各色の着色画素層のリタデーションを示す図である。 図1に示す位相差制御層を備えたカラーフィルタの製造工程を説明するための断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る位相差制御層を備えたカラーフィルタを示す概略断面図である。 実施例1及び比較例1に係るカラーフィルタの正面方向から色度測定を行った結果を示す特性図である。 実施例1及び比較例1に係るカラーフィルタの斜め45°方向から色度測定を行った結果を示す特性図である。 実施例2及び比較例1に係るカラーフィルタの正面方向から色度測定を行った結果を示す特性図である。 実施例2及び比較例1に係るカラーフィルタの斜め45°方向から色度測定を行った結果を示す特性図である。 本発明の実施例3に係る位相差制御層を備えたカラーフィルタを示す概略断面図である。 図9に示す位相差制御層を備えたカラーフィルタの製造工程を説明する為の工程図である。
符号の説明
1、15・・・位相差制御層
1(R)、1(G)、1(B)、15(R)、15(G)、15(B)・・・位相差制御領域
2・・・配向膜
3・・・着色画素層
3(R)・・・赤色画素層
3(G)・・・緑色画素層
3(B)・・・青色画素層
4・・・ブラックマトリックス
5・・・透明基板
5a・・・カラーフィルタ基板

Claims (10)

  1. 透明基板上にブラックマトリックスを形成する工程、前記ブラックマトリックス間に、所定のリタデーションを有する複数の着色画素層を、フォトリソグラフィー法により形成する工程、前記複数の着色画素層上にそれぞれのリタデーションに対応して、フォトリソグラフィー法により、位相差制御層を形成する工程を具備し、
    前記位相差制御層は、前記複数の着色画素層に対応する複数の位相差制御領域を含み、
    それぞれの位相差制御領域は、前記複数の着色画素層ごとに異なるリタデーションを有し、
    かつ、前記複数の着色画素層のリタデーションと、それに対応する複数の位相差制御領域のリタデーションの合計は、画素ごとに同一であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記位相差制御層は、重合性のネマチック液晶、重合性のコレステリック液晶、及びホメオトロピック配向した重合性の液晶からなる群から選ばれた液晶からなることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記位相差制御層に関わる前記複数の位相差制御領域のリタデーションが、それぞれ着色画素層の対応する光の波長域に応じたリタデーションを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記位相差制御層に関わる前記複数の位相差制御領域のリタデーションが、前記複数の着色画素層のリタデーションを補正するリタデーションを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記位相差制御層に関わる前記複数の位相差制御領域のリタデーションが、着色画素層のリタデーションとは符号が逆で、絶対値が同一であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記位相差制御層に関わる前記複数の位相差制御領域のリタデーションが、前記複数の着色画素層ごとに異なる重合性液晶組成物の架橋硬化物からなることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 前記複数の位相差制御領域は、同一の重合性液晶組成物の架橋硬化物からなり、異なる
    膜厚を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. 前記複数の着色画素層は、赤色画素層、青色画素層、及び緑色画素層を含み、前記赤色画素層及び青色画素層が正のリタデーションを有し、緑色画素層が負のリタデーションを有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項記載の方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
  10. 請求項9に記載のカラーフィルタを具備することを特徴とする液晶ディスプレイ。
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