JP4923994B2 - カラーフィルタ、その製造方法、及び液晶ディスプレイ - Google Patents
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め方向からの視野角拡大に優れた特性を示すカラーフィルタを効率よく、高い精度をもって製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような方法により製造されたカラーフィルタ、及びそのようなカラーフィルタを具備する液晶ディスプレイを提供することを目的とする。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタを示す断面図である。図1において、ガラス基板や石英基板などの透明基板5上の非画素部に相当する位置に、遮光性素材からなるブラックマトリックス4が設けられている。画素部に相当する、ブラックマトリックス4の各々の開口部内に、いずれも光透過性である赤色画素層3(R)、緑色画素層3(G)、および青色画素層3(B)の各色が配列して構成された着色画素層3が積層されている。
nm〜−0.1nmであることが好ましい。
次に、図3を参照して、図1に示す位相差制御層1付きカラーフィルタの製造方法について説明する。
(ブラックマトリックスの形成)
まず、図3(a)に示すように、透明基板5上にコントラスト向上のためのブラックマトリックス4を設ける。透明基板5には、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等、公知の透明基板材料を使用できる。中でもガラス基板は、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れている。
して、イオン性または非イオン性界面活性剤などを用いることができる。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等、その他に、有機顔料誘導体、ポリエステルなどが挙げられる。分散剤は一種類を単独で使用してもよく、また、二種類以上を混合して用いることも可能である。
露光方式としては、例えば、超高圧水銀灯や半導体レーザーを光源とした紫外線により、遮光部を形成したフォトマスクを用いた、プロキシミティ方式、あるいは、凸および凹面鏡を使用した光学系を用いたミラープロジェクション方式、投影レンズを配し、照射面を分割する分割露光方式などが挙げられる。
これらの露光方式により重合性液晶組成物を塗布した基板に所定の照射量の紫外線をパターン照射して、重合性液晶組成物の塗布膜の一部を3次元架橋して硬化させる。重合性液晶組成物中には光重合開始剤を添加しておくことが好ましい。なお、紫外線の照射量は、光重合開始剤の有無や添加量、又は放射線の種類や照度に応じて変わるが、例えば1mJ/cm2〜10000mJ/cm2の範囲程度であることが好ましい。また、紫外線を照射する雰囲気は、窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。これにより、酸素の影響を受けずに硬化させ、位相差制御層1の光学特性を安定させることができる。さらに、紫外線を照射する雰囲気の温度は室温よりも高い温度で均一に制御することが好ましい。これにより、紫外線の照射時の重合性液晶材料の重合を促進させ、位相差制御層1の光学特性をさらに安定化させることができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係るカラーフィルタを示す断面図である。図4において、ガラス基板やプラスチック基板などの透明基板5上の非画素部に相当する位置に、遮光性素材からなるブラックマトリックス4が設けられ、画素部に相当する、ブラックマトリックス4の各々の開口部内に、いずれも光透過性である赤色画素層3(R)、緑色画素層3(G)、および青色画素層3(B)の各色が配列して構成された着色画素層3が積層されていることは、図1に示す実施形態に係るカラーフィルタと同様である。
図9は、本発明の第3の実施形態に係るカラーフィルタを示す断面図である。
図9に示すように、本発明の位相差制御層を有するカラーフィルタは、透明基板5上に、画素部が開孔部であり、非画素部に相当する位置が遮光性素材で構成されたブラックマトリックス4(図中、略称「BM」で示す)が積層されており、ブラックマトリックス4の各々の開孔部の微細領域4a内の透明基板5の上に、いずれも光透過性である赤色画素層3(R)、緑色画素層3(G)、および青色画素層3(B)の各色パターンが配列して構成された着色画素層3が積層されており、さらに着色画素層3上には、配向膜2さらに、重合性液晶からなる位相差制御層1が各微細領域4a毎に位相差制御領域1(R)、1(G)、1(B)として積層された構造を有するものである。
ある。また、R、G、およびBの各文字は、順に、赤色、緑色、および青色を表すものとし、以降においても同様である。
(カラーフィルタ基板5aの構成)
まず、カラーフィルタは、透明基板5上にコントラスト向上のためのブラックマトリックス4を設け(図10(a))、次いで赤(R)、緑(G)、青(B)の着色画素層3(R)、3(G)、3(B)を形成したもの(図10(b))であり、これを液晶ディスプレイ用とする場合は、さらに配向膜2(図10(c))の上に透明導電層を順次積層せしめたものであり、例えば薄膜トランジスタのような電極を形成した対向基板と対置させ液晶層を介してLCDを構成するものである。以下では、透明基板5、このブラックマトリックス4と赤、緑、青の着色画素層3を合わせてカラーフィルタ基板5aとする。
前記着色樹脂組成物の着色剤は、顔料、染料等を使用することができる。本発明では、耐候性に優れる顔料を用いることが好ましい。着色剤として、具体的には、Pigment Red9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、215、216、208、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254、Pigment Blue 15、15:6、16、22、29、60、64、Pigment Green7、36、Pigment Yellow 20、24、86、81、83、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185、 Pigment Orange36、
Pigment Violet23、等を使用することができる。さらに所望の色相を得るために2種類以上の材料を混合して用いることができる。
透明基板5には、硝子基板、石英基板、プラスチック基板等、公知の透明基板材料を使用できる。中でも硝子基板は、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れている。
(ブラックマトリックス4の材料)
ブラックマトリックス4は公知の方法を用いて形成することができる。例えば、金属あ
るいは金属酸化物の薄膜をスパッタ等の方法により基板上に形成し、それをエッチングなどの手法によりパターニングを施し形成する方法、感光性樹脂組成物中に顔料あるいは染料などの着色剤を混在させ、これを基板上に感光性樹脂組成物層として形成しフォトリソグラフィー法により形成する方法、黒色顔料、熱硬化性樹脂を溶媒に溶かし、印刷法により形成する方法などが挙げられる。
また、位相差制御層1の重合性液晶組成物を配向させるための配向膜2を形成する材料としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が通常使用され、本発明においてはスピンコーティングにより塗布し、乾燥・焼成して形成される。このような配向膜2にラビング処理を施すことにより配向能が付与される。なお、ラビング処理としては、レーヨン、綿、ポリアミド等の素材から選ばれるラビング布を金属ロールに捲き付け、これがカラーフィルタ基板5a上に形成された配向膜2に接した状態で回転させるか、ロールを固定したまま配向膜2付きのカラーフィルタ基板5aを搬送することより、配向膜2をラビング布で摩擦する方法が通常採用される。
次に、カラーフィルタ基板5a上に形成された配向膜2上に重合性液晶から成る位相差制御層1を形成した後に所定の照射量の紫外線を照射して当該位相差制御層1(R)、1(G)、1(B)を3次元架橋して硬化させる(図10(d))。なおこのとき、位相差制御層1に照射される紫外線は、位相差制御層1の重合性液晶を硬化させるために、その重合性液晶材料中に光重合開始剤を添加しておくことが好ましい。なお、紫外線の照射量は光重合開始剤の有無や添加量、又は放射線の種類や照度に応じて変わるが、例えば1mJ/cm2〜10000mJ/cm2の範囲程度であることが好ましい。また、紫外線を照射する雰囲気は窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。これにより、酸素の影響を受けずに硬化させ、位相差制御層1の光学特性を安定させることができる。さらに、紫外線を照射する雰囲気の温度は室温よりも高い温度で均一に制御することが好ましい。これにより、紫外線の照射時の重合性液晶材料の重合を促進させ、位相差制御層1の光学特性を安定化させることができる。ここで、「3次元架橋」とは、重合型のモノマー、オリゴマー又はポリマー等を互いに3次元的に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態とすることを意味する。このような状態にすることによって、位相差制御層1の重合性液晶材料の状態を光学的に固定することができ、光学膜としての取り扱いが容易な、常温で安定したフィルム状の膜とすることができる。
(位相差制御用重合性液晶組成物の製造)
重合性基を有するネマチック液晶100重量部と、光開始剤5重量部をトルエン420部に溶解させ、重合性液晶組成物(A)を調製した。この重合性液晶組成物(A)にカイラル剤9重量部を混合し、重合性液晶組成物(B)とした。重合性液晶組成物(A)におけるネマチック液晶を、より複屈折率の大きいネマチック液晶に置き換えて、同様の混合比にて重合性液晶組成物(C)を調製した。
(ブラックマトリックスの作製工程)
ガラス基板上にクロムの薄膜からなるブラックマトリックスを形成した。
(着色樹脂組成物の調製工程)
[着色材料の作製]
カラーフィルタ作製に用いる着色材料を着色する着色剤には以下のものを使用した。
緑色用顔料:C.I. Pigment Green 36(東洋インキ製造製「リオノールグリーン 6YK」)、およびC.I. Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y−5688」)
青色用顔料:C.I. Pigment Blue 15(東洋インキ製造製「リオノールブルーES」)C.I. Pigment Violet 23(BASF社製「パリオゲンバイオレット 5890」)
以上のそれぞれの顔料を用いて、赤色、緑色、及び青色の着色樹脂組成物を調製した。(カラーフィルタ基板の作製工程)
透明基板5上のブラックマトリックス4の開口部に、前記R,G,B各色の着色樹脂組成物を使用し、顔料分散法により、赤色(R),緑色(G),青色(B)の各々の画素に着色画素層3を各々形成した。その後、ホットプレートにて200℃で30分加熱し、図3(b)に示すように、着色画素層3(R)、3(G)、3(B)を形成し、カラーフィルタ基板5aを得た。
(位相差制御層の形成工程)
上記において作製したカラーフィルタ基板5aの、ブラックマトリックス4に囲まれた領域内の緑色の着色画素層3(G)上に、スピンコートにより重合性液晶組成物(B)の層を形成した。60℃で1分加熱した後の位相差制御層1の膜厚は0.7μmであった。
リタデーションは、着色画素層3と位相差制御層1のリタデーションの和となり、即ち、赤色の着色画素層(R)部で0nm、緑色の着色画素層(G)部で−5nm、青色の着色画素層(B)部で−1nmと見積もられる。
位相差制御層1を設けないことを除いて、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
(位相差制御されたカラーフィルタの作製)
(重合性液晶組成物の調製・膜厚と位相差の関係の算定)
重合性基を有するネマチック液晶100重量部、カイラル剤9重量部、及び光開始剤5重量部をトルエン420部に溶解し、重合性液晶組成物(D)を調製した。
(位相差制御層1の形成)
実施例1と同様にして作製したカラーフィルタ基板5aの、ブラックマトリックス4に囲まれた各着色画素層3(R)、3(G)、3(B)上に、実施例1と同様にしてスピンコートにより、重合性液晶組成物(D)を塗布した。
(位相差制御層1の材料)
重合性基を有するネマチック液晶100重量部と、光開始剤5重量部をトルエン420部、ジエチレングリコールジエチルエーテル42部に溶解させ重合性液晶組成物(A)を調整した。上記の重合性液晶組成物にカイラル剤9重量部を混合させ重合性液晶組成物(B)とした。
まず、ガラス基板から成る透明基板5上にポリイミドをスピンコートにより成膜し、230℃で1時間の焼成工程を行い、その後、ラビング布により一定方向にラビング処理を施し配向膜2を形成した。
次に、上記配向処理を行った基板上に、前記重合性液晶生成物(B)をスピンコートして位相差制御層1を形成した。60℃で1分加熱した後の膜厚は0.7μmであった。次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて露光を行った。なお、露光工程においては、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。さらに、150℃で30分の加熱工程を経て、安定な位
相差制御層1を形成した。この位相差制御層1の厚み方向のリタデーションを計測したところ40nmであった。
(着色画素層3の形成工程)
ガラス基板から成る透明基板5上にクロムの薄膜からなるブラックマトリックス4を形成した。次に、フォトリソ法によって、上記ブラックマトリックス4の間隙に赤、緑および青色の着色組成物を形成し、赤色画素層3(R)、緑色画素層3(G)および青色画素層3(B)の着色画素層3をそれぞれ形成した。これらの着色画素層3の厚み方向のリタデーションを測定したところ、赤色画素層3(R)、緑色画素層3(G)および青色画素層3(B)において、それぞれ22nm、−40nm、3nmであった。
上記において作製したカラーフィルタ基板5a上に、エポキシ化合物を主としてなる熱硬化型樹脂組成物を塗布し、乾燥後、230℃1時間の熱工程を経て、膜厚1.2μmの平坦膜層を形成した。次に、ポリイミドをスピンコートにより成膜し、230℃で1時間の焼成工程を行い、その後、ラビング布により一定方向にラビング処理を施し配向膜2を平坦膜層上に形成した。
上記配向処理を行った後、スピンコートにより前記重合性液晶生成物(B)を形成した。60℃で1分加熱した後の膜厚は0.7μmであった。次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて露光を行った。なお、このとき、緑色画素層3(G)上のみに露光が施せるよう、マスクを用いたパターン露光を行った。
1(R)、1(G)、1(B)、15(R)、15(G)、15(B)・・・位相差制御領域
2・・・配向膜
3・・・着色画素層
3(R)・・・赤色画素層
3(G)・・・緑色画素層
3(B)・・・青色画素層
4・・・ブラックマトリックス
5・・・透明基板
5a・・・カラーフィルタ基板
Claims (10)
- 透明基板上にブラックマトリックスを形成する工程、前記ブラックマトリックス間に、所定のリタデーションを有する複数の着色画素層を、フォトリソグラフィー法により形成する工程、前記複数の着色画素層上にそれぞれのリタデーションに対応して、フォトリソグラフィー法により、位相差制御層を形成する工程を具備し、
前記位相差制御層は、前記複数の着色画素層に対応する複数の位相差制御領域を含み、
それぞれの位相差制御領域は、前記複数の着色画素層ごとに異なるリタデーションを有し、
かつ、前記複数の着色画素層のリタデーションと、それに対応する複数の位相差制御領域のリタデーションの合計は、画素ごとに同一であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記位相差制御層は、重合性のネマチック液晶、重合性のコレステリック液晶、及びホメオトロピック配向した重合性の液晶からなる群から選ばれた液晶からなることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記位相差制御層に関わる前記複数の位相差制御領域のリタデーションが、それぞれ着色画素層の対応する光の波長域に応じたリタデーションを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記位相差制御層に関わる前記複数の位相差制御領域のリタデーションが、前記複数の着色画素層のリタデーションを補正するリタデーションを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記位相差制御層に関わる前記複数の位相差制御領域のリタデーションが、着色画素層のリタデーションとは符号が逆で、絶対値が同一であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記位相差制御層に関わる前記複数の位相差制御領域のリタデーションが、前記複数の着色画素層ごとに異なる重合性液晶組成物の架橋硬化物からなることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記複数の位相差制御領域は、同一の重合性液晶組成物の架橋硬化物からなり、異なる
膜厚を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載のカラーフィルタの製造方法。 - 前記複数の着色画素層は、赤色画素層、青色画素層、及び緑色画素層を含み、前記赤色画素層及び青色画素層が正のリタデーションを有し、緑色画素層が負のリタデーションを有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項1乃至8のいずれか一項記載の方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項9に記載のカラーフィルタを具備することを特徴とする液晶ディスプレイ。
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