JP5310980B2 - カラーフィルタ及びその製造方法及び液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置及びその他表示装置に使用されるカラーフィルタ基板及びその製造方法に関する。特に平面型画像表示装置等に組み込まれて用いられるマトリクス方式のカラー液晶表示装置に好適に使用できるカラーフィルタ基板に関する。
液晶表示装置は、前面基板と背面基板との間に液晶物質を封入し、この前面基板と背面基板の各々に設けられた透明電極に電圧を印加して上記液晶物質を駆動させ光線の透過・不透過を制御することにより画面表示を行うディスプレイ装置である。そして、この液晶表示装置によってカラー表示を行う場合には、上記透過光をそれぞれの色に着色するカラーフィルタを上記前面基板又は背面基板として適用している。
この種のカラーフィルタは、この透明基板上の画素部位にパターン状に透明着色層が設けられている。この透明着色層は上記画素部位を透過する透過光を各色毎に着色するためのもので、一般に光の三原色である赤色、緑色及び青色(目的によっては赤、緑及び青の補色系でもよい)の三食の透明着色層R、G、Bが各画素毎に設けられている。
また、各画素間の隙間部(画素間部位)からの透過光は外乱光となって画面のコントラストを低下させることから上記画素間部位には外乱光を遮断するブラックマトリクスが設けられている。そして、上記透明着色層R、G、Bとブラックマトリクスとの位置精度を確保するため、上記透明着色層R、G、Bは画素より幅広に形成され、これら透明着色層R、G、Bとブラックマトリクスとの境界部位において両者が互いに重なるように構成されている。
そして、このカラーフィルタを上記液晶表示装置の前面基板又は背面基板に適用する際には、上記前面基板と背面基板との間隙を前面に亘り均一にして液晶物質の駆動を安定化させるため、透明樹脂層13を設けてその表面平滑化を図っている。
ところで、この種のカラーフィルタにおいて上記ブラックマトリクスとしては真空蒸着された金属クロムから成る薄膜、あるいは黒色顔料を分散させた樹脂等が利用されている。これらの内、上記金属クロム薄膜はその遮光性が優れる点で上記ブラックマトリクスとして優れているが、真空蒸着法により形成されるため製造コストが高くなり、また光反射率が50〜60%と高いため表示画面が反射光を生じ反ってコントラストを低下させる等の問題点を有していた。尚、反射率を低下させるため酸化クロム/金属クロムの二層構成として薄膜も開発されているが、製造行程を増加させかつ酸化クロム薄膜を追加してもその反射率を10%また低下させるに過ぎなかった。
これに対し黒色顔料を分散させた樹脂は製造コストが安く、光反射も小さい点で優れているが、その遮光性を向上させるためにはその膜厚を通常1μm以上に設定する必要があった。このため、ブラックマトリクスと上記透明着色層R、G、Bが重なる境界部位においては合計膜厚が大きくなって突起を形成し、この上に設けられる透明樹脂層の表面にも上記突起に基づく突起が形成されることになる。そして、この突起の高さは1μm程度に達する場合があり、これに起因して前面基板と背面基板との間隙が不均一になり安定して液晶物質を駆動できない問題点を有していた。
これに対し、基板上のカラーフィルタの位置に相当する箇所に、染色樹脂層を設けて、突起の問題を解決する方法が知られている(特許文献1)。しかし、係る方法では、黒色染色層を脱色しきれない場合、画素全体の透過率が低下する問題があり、また染色層を設けるために液晶セル内のセルギャップが代わり、リタデーションに影響する問題があった。
特開平7−72321号公報
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、前記突起の問題を解消し、かつリタデーションの問題を解消するためになされたものである。
(請求項1)
少なくとも、
(a)基板上に格子状に区画したブラックマトリクスを形成する工程と、
(b)前記ブラックマトリクスの区画内に、液晶化合物溶液の薄膜を塗布する工程と、
(c)前記液晶化合物溶液を熱又は光により硬化させ位相差層を形成する工程と、
(d)前記位相差層上にフォトリソグラフィ法にて着色画素パターンを形成し、画素とする工程と、
を含むカラーフィルタの製造方法であり、
前記画素の中には、前記着色画素パターンとして赤色画素パターンを備える赤色画素、前記着色画素パターンとして緑色画素パターンを備える緑色画素、前記着色画素パターンとして青色画素パターンを備える青色画素、を含む少なくとも3色の画素があり、
前記赤色画素パターンと前記青色画素パターンとは、0.1〜100nmの厚み方向のリタデーションを有し、前記緑色画素パターンは−100〜−0.1nmの厚み方向のリタデーションを有し、
前記着色画素パターンと前記位相差層の厚み方向のリタデーションの合計は、前記画素全てにおいて、差が5nm以下乃至略同一であり、
前記少なくとも3色の中の、少なくとも1色の前記画素では、前記位相差層の厚みが少なくとも前記ブラックマトリクスの厚みの30%以上であり、前記ブラックマトリクスと前記着色画素パターンの重なり部にツノ段差がない、
ことを特徴とするカラーフィルタの製造方法
(請求項2)
前記(b)前記ブラックマトリクスの区画内に、液晶化合物溶液の薄膜を塗布する工程が、
(b1)基板上に、サーモトロピック液晶を含み、かつ少なくとも光によって重合し得るおよび/または架橋され得る物質を含む溶液を基板全体に膜厚が均一となるように塗布し、前記液晶化合物が所定の方向に配向された状態の薄膜を形成する工程、
であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
(請求項3)
前記(c)前記液晶化合物溶液を熱又は光により硬化させ位相差層を形成する工程が、
(c1)前記基板を、前記液晶化合物の配向を維持したままパターン露光する工程、
(c2)当該液晶化合物の等方相転移温度以上の温度に加熱する工程、
(c3)前記基板を、ほぼ全面露光する工程、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
(請求項4)
前記(b)工程を、インクジェット方式で行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
(請求項5)
前記(b)工程を、凸版印刷方式で行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
(請求項6)
前記(b)工程を、フォトリソグラフィ方式で行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
(請求項7)
形成される前記位相差層の厚みは、画素の色毎に異なるが、いずれの色の画素においても前記位相差層は同一の材料からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
(請求項8)
形成される前記位相差層の厚みは、いずれの色の画素においても同じであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
本発明によると、カラーフィルタ層と前記基板の間に位相差層が設けられていているため、基板上に直接カラーフィルタを設ける場合に比べて、カラーフィルタの突起が生じにくいという効果を奏した。特に位相差層の厚みがブラックマトリクスの厚みの70〜130%であることにより、突起の発生を効率的に防ぎつつ、カラーフィルタの画素形状をほぼ平坦にすることができた。さらに前記位相差層により、カラーフィルタセル内に位相差膜機能を持たせることにより、別途位相差板を設ける工程、コストを省くことができた。
また、位相差層の厚みは前記ブラックマトリクスの厚みの80〜100%であることにより、さらにカラーフィルタの画素形状を好ましいものにすることができる。
また、位相差層は、その位相差が色毎に所定の値を有していることにより、例えばRGBの各色画素に対して位相差値を最適化した位相差層を含むカラーフィルタを得ることができた。
また、さらに位相差層が、サーモトロピック液晶を含む化合物が重合して形成されていることにより、位相差層の材質及び膜厚を全画素において均一にしたまま、各色画素に対して最適化した位相差層を含むカラーフィルタを得ることができる。このため、突起の問題や画素形状の平坦化を図ることができた。
位相差層の成膜をインキジェット法により行っているため、環境負荷の低減と大幅なコストダウンを図ることができる。また、位相差層のリタデーションを、各着色画素パターンのリタデーションに対応させて調整することにより、各画素の表示領域を通過する光の偏光状態にばらつきが生じないため、斜め方向からの視野角拡大に優れた特性が得られた。
また、ブラックマトリクスを隔壁として形成し、さらに液晶化合物層をフォトリソグラフィ法、インキジェット法、凸版印刷法にて形成し、形成された液晶化合物層上に特にフォトリソグラフィ法にて各色画素パターンを形成することによって、ブラックマトリクスへの色画素パターンの重なりによって発生する突起(ツノともいう)段差を解消もしくは小さくすることができた。
更に、液晶化合物層のインキジェット法での形成を着色画素パターンより先に基板上で実施することで、平坦性を有する液晶化合物層を得ることができ、偏光状態にばらつきが生じにくく、より斜め方向からの視野角拡大に優れた特性が得られたカラーフィルタを提供できた。
加えて、インキジェット法によって液晶化合物層形成した後に、紫外線露光により硬化する工程を設けることにより、均一かつ平坦性の高い液晶化合物層が形成でき、よりばらつきの少ない偏向状態の高品質なカラーフィルタとすることができた。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタを示す断面図であり、透明基板として、例えばガラス基板を用いる。ガラス基板1上の非画素部に相当する位置には、隔壁となる遮光性を有するブラックマトリクス2が設けられている。なお、使用する透明基板としては、ガラス基板上に配向膜材料を塗布し、乾燥・焼成して配向膜を形成し、さらにラビング処理を施すことにより液晶材料の配向能を向上させる手段を講じた基板を用いても良い。
画素部に相当するブラックマトリクス2の各々の開口部内に、画素ごとに、重合性の液晶性化合物の硬化物からなる位相差層3(R)、3(G)、3(B)からなる位相差層が形成されている。また、開口部内の位相差層上には、いずれも光透過性である赤色画素パターン4(R)、緑色画素パターン4(G)、青色画素パターン4(B)の各着色画素パターンが配列して構成されたカラーフィルタ層が構成されている。
本明細書において、重合性液晶化合物とは、液晶状態が室温において固定化されたものを指し、例えば、分子構造中に重合性基を有する液晶性モノマーを架橋させて、架橋前の光学異方性を保持したまま硬化させたもの。またはガラス転移温度以下に冷却することにより、液晶化合を凍結することができる高分子液晶を指す。
なお、R、G及びBの各文字は、順に赤色、緑色及び青色を表すものとする。また、着色画素パターンは、RGB以外の着色画素パターンを有していても良い。
着色画素パターン4(R)、4(G)、4(B)はそれぞれ、図2に示すように、各パターンを通過する赤色、緑色、及び青色の各色の光ごとに異なるリタデーションを有している。このリタデーションは、それを構成する材料や厚み、処理方法により種々の値を示すが、これまでの研究から、赤色画素パターン4(R)と青色画素パターン4(B)が正のリタデーションを有し、緑色画素パターン4(G)が負のリタデーションを有することを見出していた。
具体的には、青色画素パターン4(B)の厚み方向のリタデーションは0.1nm〜100nmであり、緑色画素パターン4(G)の厚み方向のリタデーションは−100nm〜−0.1nmであり、赤色画素パターン4(R)の厚み方向のリタデーションは0.1nm〜100nmである。
これらの着色画素パターン4(R)、4(G)、4(B)のリタデーションを補償するためには、それぞれの液晶化合物層のリタデーションは、着色画素パターンのリタデーションと符号が逆で絶対値が略同一であることが好ましいので、液晶化合物層3(B)のリタデーションは−100nm〜−0.1nmであり、液晶化合物層3(G)のリタデーションは0.1nm〜100nmであり、液晶化合物層3(R)のリタデーションは−100nm〜−0.1nmであることが好ましい。
液晶化合物層3(R)、3(G)、3(B)を構成する液晶材料は、各層を通過する光の波長域に応じたリタデーションを持つよう、ネマチック液晶材料、コレステリック液晶材料またはホメオトロピック配向した重合性の液晶材料を適宜選択することが好ましい。
即ち、液晶化合物層3(R)、3(G)、3(B)を構成する液晶材料は、ある入射角度で入射した光に対して位相差を与える機能を有するものであればよく、上述したネマチック液晶に限らず、カイラルネマチック液晶(ネマチック液晶中にカイラル剤を添加したもの)等の任意の液晶材料を用いることができる。
なお、ネマチック液晶は、重合可能な基を有することが好ましい。また、カイラル剤も重合可能な基を有することが好ましい。カイラルネマチック液晶については、ネマチック液晶を、単独、または必要に応じて2つ以上混合して用いることが好ましい。
次に、図3を参照して、図1に示す位相差制御層付きカラーフィルタの製造方法について説明する。
まず、図3(a)に示すように、透明基板1上にコントラスト向上のためのブラックマトリクス2を設ける。
透明基板1には、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等、公知の透明基板材料を使用できる。中でもガラス基板は、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れている。
ブラックマトリクス2は、公知の方法を用いて形成することができる。例えば、金属あるいは金属酸化物の薄膜をスパッタ等の方法により基板上に形成し、それをエッチングなどの手法によりパターニングを施し、形成する方法;感光性樹脂組成物中に顔料あるいは染料などの着色剤を混在させ、これを基板上に感光性樹脂組成物として形成し、フォトリソグラフィ法により形成する方法;黒色顔料、熱硬化性樹脂を溶媒に溶かし、印刷法により形成する方法などが挙げられる。また、ブラックマトリクス2は、液晶化合物の混色を防止するための、撥インキ剤を含むことが望ましい。混色は、液晶化合物が隣接画素の液晶化合物に浸入することで発生する。
撥インキ剤としては、シリコーン系、フッ素系材料を一例として挙げることができる。具体的には、主鎖または側鎖に有機シリコーンやアルキルフルオロ基を有し、シロキサン成分を含むシリコーン樹脂やシリコーンゴム、この他にはフッ化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化エチレン等や、これらの共重合体等のフッ素樹脂などを用いることができる。また、撥インキ剤は、加熱工程中にブリードアウトし、透明基板上に撥インキ剤が付着し、カラーインキの充填時に色抜け等が発生する場合があるが、これを防止するため、撥インキ剤としてはフッ素含有化合物を用いることが好ましい。また、ブリードアウトを防止するため、低分子化合物よりオリゴマー化合物を用いることが好ましい。
次いで、図3(b)に示すように、ブラックマトリクス2の開口部内に、インキジェット法にて、画素ごとに異なる重合性液晶化合物を印刷することにより液晶化合物層3(R)、3(G)、3(B)を形成する。液晶化合物は、各層を通過する光の波長域に応じたリタデーションを持つよう、ネマチック液晶材料、コレステリック液晶材料またはホメオトロピック配向した重合性の液晶材料を適宜選択する。
次に、図3(c)に示すように、ブラックマトリクス2の開口部内にインキジェット法にて形成された液晶化合物層3(R)、3(G)、3(B)に、所定の照射量の紫外線を照射して、液晶化合物を架橋させ、硬化させる。なお、本明細書中では、硬化後の液晶化合物層を位相差層という。なお、液晶化合物層3(R)、3(G)、3(B)に照射される紫外線が液晶化合物を硬化させる場合、液晶化合物中に光重合開始剤を添加しておくことが好ましい。紫外線の照射量は、光重合開始剤の有無や添加量、または放射線の種類や照度に応じて変わるが、例えば1mJ/cm2〜10000mJ/cm2の範囲程度であることが好ましい。また、紫外線を照射する雰囲気は、窒素等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。このような雰囲気で紫外線を照射することにより、酸素の影響を受けずに液晶化合物を硬化させることができ、液晶層の光学特性を安定させることができる。さらに、紫外線を照射する雰囲気の温度は、室温よりも高い温度で均一に制御することが好ましい。これにより、紫外線の照射時の液晶化合物の重合を促進させ、液晶層の光学特性を安定化させることができる。
さらに、液晶化合物層を所定の温度で焼成して追加硬化させ、液晶層の光学特性を安定させる。なお、このとき、当該液晶化合物層を高温で加熱して熱硬化させることも可能であるが、液晶化合物の光学特性の安定化と、ブラックマトリクスからの撥インキ剤のブリードアウトの恐れから、100℃〜200℃であることが望ましい。
液晶化合領域を形成するためのインキジェット法に用いる装置としては、吐出方法の相違によりピエゾ変換方式と熱変換方式があるが、ピエゾ変換方式の装置を用いることが望ましい。また、インキジェット装置における液晶化合物の粒子化周波数は、5〜100KHz程度が望ましい。また、インキジェット装置におけるノズル径は5〜80μm程度が望ましい。また、インキジェット装置はヘッドを複数個配置し、1ヘッドにノズルを60〜500個程度組み込んだものを用いるのが好ましい。
次いで、図3(d)に示すように、位相差層3(R)、3(G)、3(B)上に赤(R)、緑(G)、青(B)の着色画素パターン4(R)、4(G)、4(B)を形成する。本実施形態では、フォトリソグラフィ法によりカラーレジストの画素パターンが形成される。フォトリソグラフィ法による画素パターン形成の工程は、ブラックマトリクス及び位相差層が形成された基板上に着色樹脂組成物層を形成する工程、露光工程、不要部となる未露光部分を除去する現像工程からなる。その後、後述する加熱工程を経て着色画素パターン4(R)、4(G)、4(B)を形成する。
着色樹脂組成物層を設ける方法としては、バーコータ、アプリケータ、ワイヤーバー、スピンコータ、ロールコータ、スリットコータ、カーテンコータ、ダイコータ、キャピラリーコータやコンマコータなどの公知の方法が挙げられる。露光方式としては、例えば、超高圧水銀灯や半導体レーザを光源とした紫外線により、遮光部を形成したフォトマスクを用いた、プロキシミティ方式、あるいは、凸及び凹面鏡を使用した光学系を用いたミラープロジェクション露光方式、投影レンズを配し照射面を分割するレンズ投影露光方式などが挙げられる。現像液としては、有機溶剤系またはアルカリ水溶液系が一般的に用いられるが、環境安全性の確保から、無機アルカリ系が好ましい。
着色樹脂組成物の着色剤としては、顔料、染料等を使用することができる。本発明では、耐候性に優れた顔料を用いることが好ましい。着色剤として、具体的には、Pigment Red9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、215、216、208、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254、Pigment Blue15、15:6、16、22、29、60、64、Pigment Green7、36、Pigment Yellow20、24、86、81、83、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185、Pigment Orange36、Pigment Violet23、等を使用することができる。さらに所望の色相を得るために2種類以上の材料を混合して用いることができる。
着色樹脂組成物に用いられる熱硬化性樹脂は、色素との関係で公知のカラーフィルタ基板の製造に用いる材料から適宜選択される。具体的には、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルアセタール、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂などを用いることができる。特に、耐熱性や耐光性を要求されるカラーフィルタを製造する場合には、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
着色樹脂組成物に用いられる溶媒は、具体的には、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル等を挙げることができる。
また、この他にも、溶媒の沸点をより高めるために、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル等を用いることが可能である。また、必要に応じて2種類以上の溶媒を前記条件に合うように混合し、調合したものを用いる。
着色樹脂組成物の分散剤は、樹脂への色素の分散を向上させるために用いる。分散剤として、イオン性または非イオン性界面活性剤などを用いることができる。具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等、その他に、有機顔料誘導体、ポリエステルなどが挙げられる。分散剤は1種類を単独で使用してもよく、また、2種類以上を混合して用いることも可能である。
最後に、位相差層上に着色画素パターンが形成された基板を、所定の温度で焼成して硬化させる。なお、このときの焼成温度は150℃〜250℃であることが望ましい。
これにより、最終的に、図3(d)に示すように、画素の各色の表示領域に対応するリタデーションを有する位相差層3(R)、3(G)、3(B)からなる位相差制御層が形成され、位相差層付きのカラーフィルタが完成する。
なお、上述したように、画素ごとに異なる液晶化合物としては、位相差層3(R)には、リタデーションが−100〜−0.1nmとなるような液晶化合物を、位相差層3(G)にはリタデーションが0.1nm〜100nmとなるような液晶化合物を、位相差層3(B)にはリタデーションが−100〜−0.1nmとなるような液晶化合物を選択する。
以上のように、第1の実施形態によれば、位相差層3(R)、3(G)、3(B)が、光の波長域に応じたリタデーションを持つように調整されているので、画素の各色の表示領域を通過する光の偏光状態にばらつきが生じることがない。更に言うと、斜め方向からの視野角補償を施された黒表示となるため、斜め方向から見た場合、カラーシフトを低減し、かつニュートラルな黒色が再現でき、非常に優れた表示特性を呈することができる。
また、図3(d)に示す位相差層上に着色画素パターン4(R)、4(G)、4(B)が形成されたカラーフィルタは、図4に示す位相差層を備えないカラーフィルタを比べ、ブラックマトリクスと色画素パターンの重なり部の盛り上がりであるツノ段差が発生しにくく、ツノ段差が解消もしくは低減された位相差層付きのカラーフィルタが得られる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るカラーフィルタを示す断面図である。図5において、ガラス基板1上の非画素部に相当する位置に、遮光性素材からなるブラックマトリクス2が設けられ、画素部に相当する、ブラックマトリクス2の各々の開口部内に、位相差層といずれも光透過性である赤色画素パターン4(R)、緑色画素パターン4(G)、青色画素パターン4(B)の各色画素パターンが配列して構成されたカラーフィルタ層が積層されていることは、図1に示す実施形態に係るカラーフィルタと同様である。
本実施形態に係るカラーフィルタが図1に示す実施形態に係るカラーフィルタと異なる点は、図1に示す実施形態に係るカラーフィルタにおいては、画素ごとに異なる重合性液晶化合物を積層し、各層を通過する光の波長域に応じたリタデーションを有する位相差層3(R)、3(G)、3(B)を形成しているのに対し、本実施形態に係るカラーフィルタでは、いずれの画素においても同一の重合性液晶化合物を積層し、各層を通過する光の波長域に応じたリタデーションを有するように膜厚の異なる位相差層13(R)、13(G)、13(B)を形成していることである。
この場合、位相差層13(R)、13(G)、13(B)の厚み方向のリタデーションと、各着色画素パターン4(R)、4(G)、4(B)の厚み方向のリタデーションとの合計が、各画素ごとに互いに等しくなるような値であることが好ましい。その具体的な値は、各着色画素パターン4(R)、4(G)、4(B)の厚み方向のリタデーションの値に応じて異なる。
例えば、青色画素パターン4(B)の厚み方向のリタデーションが5nm、緑色画素パターン4(G)の厚み方向のリタデーションが−40nm、赤色画素パターン4(R)の厚み方向のリタデーションが10nmであった場合は、例えば、位相差層13(B)のリタデーションを15nm、位相差層13(G)のリタデーションを60nm、位相差層13(R)のリタデーションを10nmとすれば、各着色画素パターン4(R)、4(G)、4(B)の厚み方向のリタデーションと各位相差層13(R)、13(G)、13(B)の厚み方向のリタデーションとの合計は20nmとなり互いに等しくなる。
各位相差層13(R)、13(G)、13(B)のリタデーションは、厚み方向の屈折率異方性Δnと膜厚dとの積で表される。同一の重合性液晶化合物であればΔnは一定であるため、位相差層13(R)、13(G)、13(B)のリタデーションは、その膜厚によって制御できる。
位相差層13(R)、13(G)、13(B)の厚み方向のリタデーションと、各着色画素パターン4(R)、4(G)、4(B)の厚み方向のリタデーションとの合計値は、画素ごとに互いに等しければ特に制限はないが、最終的な液晶ディスプレイの特性を著しく損なわないためには、絶対値が0に近いほど好ましい。したがって、前述の例についても、例えば、位相差層13(B)のリタデーションを5nm、位相差層13(G)のリタデーションを50nm、位相差層13(R)のリタデーションを0nmとすれば、それぞれの位相差層13(R)、13(G)、13(B)の厚み方向のリタデーションと各着色画素パターンの厚み方向のリタデーションとの合計は10nmで互いに等しくなるため、より好ましい。この際、位相差層13(R)のリタデーションは0nmであるため、位相差層13(R)の膜厚は0、すなわち位相差層13(R)を設けないことを意味することとなる。
このように、各着色画素パターンの厚み方向のリタデーションの値に応じて、各着色画素パターンに対応する位相差層領域の厚み方向のリタデーションとの合計が、画素ごとに互いに等しくなるように各液晶位相差領域の膜厚を制御することで、斜方から眺めた際でも各着色画素パターンのリタデーションの度合いが等しくなるために、各着色画素パターンの色合いがばらつくことがなく、最適なリタデーションの補正を行うことができる。
以上説明した図5に示す第2の実施携帯に係るカラーフィルタは、上述した図3に示す製造工程と同様にして製造することができる。ただし、液晶化合物の吐出量を、画素ごとに適宜制御し、必要なリタデーションに応じた膜厚の位相差層が形成されるように行う必要がある。当然、位相差層を必要としない画素の部分には、液晶化合物の吐出を行わないこととなる。
また、上述のようにカラーフィルタの複屈折率の絶対値は、0.01以下であること、すなわち各着色画素パターンの厚み方向位相差値Rthが、限りなくRRth=GRth=BRth=0に近いことが望まれているが、カラーフィルタ以外の構成部材、例えば液晶、偏光板、配向膜などの位相差の波長分散性と組み合わせる場合、RRth=GRth=BRth=0である場合以外にも、最適なカラーフィルタの厚み方向位相差値が存在する。
従って、カラーフィルタにおいて各色表示画素の位相差値Rthがどの値をとるのが最も望ましいかは、他の部材との組み合わせにより変わるが、重要なことは、GRthがRRth以上であるにもかかわらず、BRthがGRth以下である状態や、GRthがRRth以下であるにもかかわらず、BRthがGRth以上である状態は、良好な斜め視認性を得ることができないという点である。これは、液晶表示装置で用いられる他の部材では、複屈折性の波長分散性は透過光の波長に対して連続的に変化することによるものである。
そこで、各着色表示画素の厚み方向位相差値Rth、即ち、赤色表示画素3Rの厚み方向位相差値RRth、緑色表示画素3Gの厚み方向位相差値GRth、および青色表示画素3Bの厚み方向位相差値BRthは、下記の式(1)及び式(2)を満たしていることが望ましい。
|(RRth−BRth)|−|(GRth−BRth)|≧0 (1)
|(RRth−BRth)|−|(RRth−GRth)|≧0 (2)
上記式(1)及び(2)は、符号の正負を問わず、GRthがRRth以上である場合には、BRthはGRth以上であり、GRthがRRth以下である場合には、BRthはGRth以下であることを意味する。即ち、RRthとBRthの間にGRthがあることを意味する。
このように、各着色表示画素の厚み方向位相差値Rthが上記のような条件を満たしたカラーフィルタを使用することにより、良好な斜め視認性を有する液晶表示装置が得られる。
以下、以上説明した実施形態についての、より具体的な実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いる材料は光に対して極めて敏感であるため、自然光などの不要な光による感光を防ぐ必要があり、全ての作業を黄色、または赤色灯下で行った。
(実施例1)
<位相差層の効果確認>
重合性液晶を有するネマチック液晶100重量部と、光開始剤5重量部をトルエン420部に溶解させ、液晶化合物(i)を調整した。この液晶化合物(i)にカイラル剤9重量部を混合し、液晶化合物(ii)とした。液晶化合物(i)におけるネマチック液晶を、より複屈折率の大きいネマチック液晶に置き換えて、同様の混合比にて液晶化合物(iii)を調整した。
まず、ガラス基板上に液晶化合物(ii)をスピンコートして位相差層を形成した。60℃で1分間加熱した後の位相差層の膜厚は0.7μmであった。次いで、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて、位相差層に露光を行った。なお、露光工程は、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。
更に、位相差層の安定化のため、150℃で30分の加熱工程により位相差層を形成した。この位相差層の厚み方向のリタデーションを計測したところ、40nmであった。
また、同様にしてガラス基板上に液晶化合物(i)及び液晶化合物(iii)をそれぞれスピンコートして、位相差層を形成した。60℃で1分間加熱した後の位相差層の膜厚は0.7μmであった。次いで、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて、位相差層に露光を行った。なお、露光工程は、大気中の酸素による重合阻害が生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。
更に、位相差層の安定化のため、150℃で30分の加熱工程により位相差層を形成した。
上記位相差層の厚み方向のリタデーションを計測したところ、液晶化合物(i)により位相差層を形成した基板においては−5nm、液晶化合物(iii)により位相差層を形成した基板においては−20nmであった。
<カラーフィルタの作製>
(ブラックマトリクスの形成)
ポリイミド前駆体(セミコファインSP−510:東レ(株)製)10重量部、カーボンブラック7.5重量部、NMP130重量部、分散剤(銅フタロシアニン誘導体)5重量部、開始剤A5重量部、及びパーフルオロアルキル基含有オリゴマー(FTX−720C:(株)ネオス製)0.1重量部をビーズミル分散機で冷却しながら3時間分散させ、ブラックマトリクス組成物を調整した。
このブラックマトリクス組成物をスピンコータによって無アルカリガラス基板(品番1737:コーニング社製)上に塗布し、約2.0μmの膜厚の塗膜を形成した。その後、100℃で20分間のプリバークを行った後、露光・現像工程を経て、230℃で60分のポストベークを行い、図3(a)に示すように、ガラス基板1の非画素領域にブラックマトリクス2を形成した。
このようにして形成されたブラックマトリクス2の上頂部の着色インキ(表面張力30mN/m)に対する接触角を測定したところ、30°であり、ブラックマトリクス上頂部が着色インキに対して、撥インキ性があることを確認した。
(位相差層の形成)
前記ガラス基板1上のブラックマトリクス2の開口部に、108pl、150dpiヘッド(セイコーインスメルツ社製)を搭載したインキジェット装置により、前記液晶化合物(ii)を着色画素パターン4(G)が形成されるべき、隔壁で囲まれた領域内に充填した。60℃で1分加熱した後の位相差層の膜厚は0.7μmであった。
次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて、充填された位相差層に露光を行った。さらに、位相差層の安定化のため、150℃で30分の加熱工程を施し、位相差層3(G)を形成した。
更に、前記液晶化合物(i)及び(iii)を使用し、液晶化合物(ii)を形成した際と同様の装置により、着色画素パターン4(B)及び4(R)が形成されるべき、隔壁で囲まれた領域内にそれぞれ充填した。60℃で1分加熱した後の膜厚は、いずれも0.7μmであった。
次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて、充填された位相差層に露光を行った。さらに、位相差層の安定化のため、150℃で30分の加熱工程を施し、位相差層3(B)、3(R)を形成した。
(カラーレジストの調整)
[着色材料の作製]
カラーフィルタ作製に用いる着色材料を着色する着色剤には以下のものを使用した。
赤色用顔料:C.I.Pigment Red 254(チバ・スペシャル・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)、及びC.I.Pigment Red 177(チバ・スペシャル・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)
緑色用顔料:C.I.Pigment Green 36(東洋インキ製造製「リオノールグリーン 6YK」)、及びC.I.Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y−5688」)
青色用顔料:C.I.Pigment Blue 15(東洋インキ製造製「リオノールブルー ES」)C.I.Pigment Violet 23(BASF社製「パリオゲンバイオレット 5890」)
以上のそれぞれの顔料を用いて、以下のようにして赤色、緑色、及び青色の着色材料を作製した。
(カラーフィルタ基板の作製)
前記ガラス基板1上のブラックマトリクス2の開口部に形成された位相差層上に、R、G、B各色の着色樹脂組成物を使用し、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の各々の隔壁に囲まれた領域内に形成された位相差層3(R)、3(G)及び3(B)上に着色画素パターンを各々形成した。その後、ホットプレートにて200℃で30分加熱し、図3(d)に示すように、着色画素パターン4(R)、4(G)、4(B)を形成し、カラーフィルタ基板を得た。
これらの着色画素パターン4(R)、4(G)、4(B)単層での膜厚はいずれも2.0μmで、厚み方向のリタデーションは、それぞれ20nm、−45nm、4nmであり、以上の工程を経て得られたカラーフィルタの各画素におけるリタデーションは、着色画素パターンと位相差層のリタデーションの和となり、即ち、着色画素(R)部で0nm、着色画素(G)部で−5nm、着色画素(B)部で−1nmと見積もられる。なお、このときのツノ段差は0μm、つまり発生していない。
[比較例1]
位相差層を設けないことを除いて、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
以上のようにして得られた実施例1及び比較例1のカラーフィルタについて、偏向軸が並行及び直交するように配置された2枚の偏向膜により挟持し、背面に3波長管バックライト(Tc=6000K)を設置して、輝度計(品番BM−5A:トプコン(株)製)を用いて、正面方向及び斜め45°方向から色度測定を行った。その結果を下記表1及び2に示す。表1は正面方向から色度測定を行った結果、表2は、斜め45°方向から色度測定を行った結果をそれぞれ示す。図5及び5は、表1及び2をxy座標にプロットした特性図である。
上記表1及び2の結果に示すように、正面方向からの外観、色度については大きな変化は見られなかったが、斜め45°方向については、比較例にて赤紫色を呈していたものが、実施例1において位相差層を設けて位相差制御を行うことにより、無彩色なグレーとなることが確認された。なお、このときのツノ段差は0.5μmとなっており、配向不良や輝点不良等の不具合の原因となることが大いに予想される結果となった。
(実施例2)
<位相差制御されたカラーフィルタの作製>
(液晶化合物の調整・膜厚と位相差の関係の算定)
重合性基を有するネマチック液晶100重量部、カイラル剤9重量部、及び光開始剤5重量部をトルエン420部に溶解し、液晶化合物(i)を調整した。
まず、ガラス基板1上に、スピンコートにより液晶化合物(i)を塗布した。60℃で1分加熱、次に、超高圧水銀灯を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて露光を行った。なお、露光工程においては、大気中の酸素による重合阻害を生じないよう、窒素雰囲気下にて実施した。さらに、位相差層の安定のため、150℃で30分の加熱工程を経て、位相差層を形成した。形成した位相差層の膜厚は0.7μmであった。
上記位相差層の厚み方向のリタデーションを計測したところ、35nmであった。したがって、位相差層1μmあたりの位相差は50nmであることがわかった。
<位相差層の形成>
実施例1と同様にして、作製したガラス基板1上のブラックマトリクスの開口部に、インキジェット印刷装置により液晶化合物(i)を充填した。
次に、超高圧水銀等を光源とした紫外線照射装置により、1000mJ/cm2の照射量にて露光を行った。更に、安定化のため150℃で30分の加熱工程を施し、図5に示すように、位相差層13(R)、13(G)、13(B)からなる位相差制御領域を形成した。
液晶化合物(i)の充填量は、位相差層13(R)については膜厚が0.2μm、位相差層13(G)については膜厚が1.5μm、位相差層13(B)については膜厚が0.5μmとなるように、インキジェット印刷装置での吐出量を制御することで調整した。
前記ガラス基板1上のブラックマトリクス2の開口部に形成された位相差層上に、前記R、G、B各色のカラーレジストを使用し、フォトリソグラフィ法により、位相差層3(R)、3(G)及び3(B)上に各々に対応したカラーレジストをパターン形成した。その後、ホットプレートにて200℃で30分加熱し、着色画素パターン4(R)、4(G)、4(B)を形成したカラーフィルタ基板を得た。
液晶化合物(i)による位相差層のみの位相差は、位相差層13(R)が10nm、位相差層13(G)が75nm、位相差層13(B)が25nmとなり、各画素において各着色画素パターンとの位相差の合計が、着色画素(R)部で30nm、着色画素(G)部で30nm、着色画素(B)部で29nmとなり、略同一となる。
以上のようにして得られた実施例2のカラーフィルタについて、偏向軸が並行及び直交するように配置された2枚の偏向膜により挟持し、背面に3波長管バックライト(Tc=6000K)を設置して、輝度計(品番BM−5A:トプコン(株)製)を用いて、正面方向及び斜め45°方向から色度測定を行った。その結果を比較例1による結果とともに、下記表3及び表4に示す。表3は正面方向から色度測定を行った結果、表4は、斜め45°方向から色度測定を行った結果をそれぞれ示す。図8及び図9は、表3及び表4をxy座標にプロットした特性図である。
上記表3及び表4の結果に示すように、正面方向からの外観、色度については大きな変化は見られなかったが、斜め45°方向については、比較例にて赤紫色を呈していたものが、実施例2において位相差層を設けて位相差制御を行うことにより、無彩色なグレーをなることが確認された。
本発明の第1の実施形態に係る位相差層を備えたカラーフィルタを示す概略断面図。 カラーフィルタの着色微細パターンのリタデーションを示す図。 図1に示す位相差層を備えたカラーフィルタの製造工程を説明するための断面図。 位相差層を備えないカラーフィルタの断面図。 本発明の第2の実施形態に係る位相差層を備えたカラーフィルタを示す概略断面図。 実施例1及び比較例1に係るカラーフィルタの正面方向から色度測定を行った結果を示す特性図。 実施例1及び比較例1に係るカラーフィルタの斜め45°方向から色度測定を行った結果を示す特性図。 実施例2及び比較例1に係るカラーフィルタの正面方向から色度測定を行った結果を示す特性図。 実施例2及び比較例1に係るカラーフィルタの斜め45°方向から色度測定を行った結果を示す特性図。
符号の説明
1・・・ガラス基板、2・・・隔壁ブラックマトリクス、3(R)、3(G)、3(B)、13(R)、13(G)、13(B)・・・位相差層、4(R)・・・赤色画素パターン、4(G)・・・緑色画素パターン、4(B)・・・青色画素パターン

Claims (8)

  1. 少なくとも、
    (a)基板上に格子状に区画したブラックマトリクスを形成する工程と、
    (b)前記ブラックマトリクスの区画内に、液晶化合物溶液の薄膜を塗布する工程と、
    (c)前記液晶化合物溶液を熱又は光により硬化させ位相差層を形成する工程と、
    (d)前記位相差層上にフォトリソグラフィ法にて着色画素パターンを形成し、画素とする工程と、
    を含むカラーフィルタの製造方法であり、
    前記画素の中には、前記着色画素パターンとして赤色画素パターンを備える赤色画素、前記着色画素パターンとして緑色画素パターンを備える緑色画素、前記着色画素パターンとして青色画素パターンを備える青色画素、を含む少なくとも3色の画素があり、
    前記赤色画素パターンと前記青色画素パターンとは、0.1〜100nmの厚み方向のリタデーションを有し、前記緑色画素パターンは−100〜−0.1nmの厚み方向のリタデーションを有し、
    前記着色画素パターンと前記位相差層の厚み方向のリタデーションの合計は、前記画素全てにおいて、差が5nm以下乃至略同一であり、
    前記少なくとも3色の中の、少なくとも1色の前記画素では、前記位相差層の厚みが少なくとも前記ブラックマトリクスの厚みの30%以上であり、前記ブラックマトリクスと前記着色画素パターンの重なり部にツノ段差がない、
    ことを特徴とするカラーフィルタの製造方法
  2. 前記(b)前記ブラックマトリクスの区画内に、液晶化合物溶液の薄膜を塗布する工程が、
    (b1)基板上に、サーモトロピック液晶を含み、かつ少なくとも光によって重合し得るおよび/または架橋され得る物質を含む溶液を基板全体に膜厚が均一となるように塗布し、前記液晶化合物が所定の方向に配向された状態の薄膜を形成する工程、
    であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記(c)前記液晶化合物溶液を熱又は光により硬化させ位相差層を形成する工程が、
    (c1)前記基板を、前記液晶化合物の配向を維持したままパターン露光する工程、
    (c2)当該液晶化合物の等方相転移温度以上の温度に加熱する工程、
    (c3)前記基板を、ほぼ全面露光する工程、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記(b)工程を、インクジェット方式で行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記(b)工程を、凸版印刷方式で行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記(b)工程を、フォトリソグラフィ方式で行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 形成される前記位相差層の厚みは、画素の色毎に異なるが、いずれの色の画素においても前記位相差層は同一の材料からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. 形成される前記位相差層の厚みは、いずれの色の画素においても同じであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
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