JP2013037336A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
発色層を有するカラーフィルタと、液晶セルと、上記液晶セルの両側に配置された一対の偏光板とを有し、上記カラーフィルタは、上記一対の偏光板のうち、いずれか一方の偏光板の上記液晶セル側とは反対側に配置されていることを特徴とする液晶表示装置を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
また、本発明によれば、液晶表示装置の構成をカラーフィルタと液晶セル中の液晶とが直接接触しない構成とすることができることから、例えばカラーフィルタの材料が液晶中に溶出すること等を考慮する必要がないため、カラーフィルタの発色層を形成する際に不純物除去のための高温焼成処理を必要としない。よって、カラーフィルタの発色層に用いられる着色剤として光透過性の高い染料を用いることが可能となることから、輝度の高い液晶表示装置とすることができる。
また、カラーフィルタと液晶セル中の液晶とが直接接触しないため、カラーフィルタの材料の選択の自由度を高くすることができ、高温焼成処理等の煩雑な工程についても行う必要がないことから液晶表示装置の製造工程を簡便なものとすることが可能となるため、生産性の高い液晶表示装置とすることができる。
まず、本発明の液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、発色層を有するカラーフィルタと、液晶セルと、上記液晶セルの両側に配置された一対の偏光板とを有し、上記カラーフィルタは、上記一対の偏光板のうち、少なくとも一方の偏光板の上記液晶セル側とは反対側に配置されていることを特徴とするものである。
なお、本発明の液晶表示装置の構成は、液晶表示装置の表示方法により、3つの態様に大別される。より具体的には、液晶表示装置が透過型液晶表示装置である態様(第1態様)と、液晶表示装置が反射型液晶表示装置である態様(第2態様)と、液晶表示装置が半透過半反射型液晶表示装置である態様(第3態様)とに大別される。以下、各態様について説明する。
第1態様の液晶表示装置は、透過型液晶表示装置である。本態様の液晶表示装置は、光供給部としてバックライトを有し、これを用いて表示を行うものである。
図1は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。また、図1においては、カラーフィルタ10が発色層として着色層12(図1では赤色着色層12R、緑色着色層12G、および青色着色層12B)を有する例について示している。
図1に示すように、本発明の液晶表示装置100は、カラーフィルタ基材11、カラーフィルタ基材11上に形成された着色層12、および着色層12間に配置された遮光部13を有するカラーフィルタ10と、液晶セル20と、液晶セル20の両側に配置された一対の偏光板30α、30βとを有し、カラーフィルタ10が偏光板30αの液晶セル20側とは反対側に配置されていることを特徴とするものである。また、図1においては、液晶セル20の偏光板30β側の最外層に光供給部40としてバックライトが配置されている。また、カラーフィルタ10がカラーフィルタ基材11を有する場合、通常、カラーフィルタ10と偏光板30αとは粘着層50を介して配置される。
なお、図2において説明していない符号については図1と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、従来の構成を有する液晶表示装置において上記蛍光層を有するカラーフィルタを用いることが困難である理由としては、例えば、蛍光色素の耐熱性が十分ではないことから高温焼成処理を行うことが困難である点や、蛍光色素が光供給部からの光を吸収して所定の色を発光する際には、蛍光層の全方位に光が発光されるため、液晶セル中で光の混色等が生じる可能性がある点、蛍光層が一対の偏光板の間にある場合には偏光板の偏光性が解消されてしまうことからコントラストが低下する可能性がある点が挙げられる。
図3および図4は本態様の液晶表示装置の他の例について示す概略断面図である。また、図3においてはカラーフィルタ10が発色層として蛍光層12’(図3では赤色蛍光層12’R、緑色蛍光層12’G、および青色蛍光層12’B)を有する例について示しており、図4においてはカラーフィルタが発色層として着色層12および蛍光層12’の積層体を有する例について示している。
なお、図3および図4において説明していない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、図5において説明していない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
以下、本態様におけるカラーフィルタの詳細について説明する。
本態様の液晶表示装置におけるカラーフィルタの配置について説明する。
上記カラーフィルタの配置としては、本態様の液晶表示装置に用いられる一対の偏光板のうち、少なくとも一方の偏光板の液晶セル側とは反対側に配置可能であれば特に限定されない。
よって、上記カラーフィルタは、液晶セルの光供給部側に配置された偏光板(以下、光供給部側の偏光板と称して説明する場合がある。)の外側に配置されていてもよく、液晶セルの光供給部側とは反対側に配置された偏光板(以下、観察者側の偏光板と称して説明する場合がある。)の外側に配置されていてもよい。なお、光供給部側の偏光板の外側に上記カラーフィルタが配置される場合は、通常、偏光板と光供給部との間に上記カラーフィルタが配置される。
以下、それぞれの場合について説明する。
まず、カラーフィルタが発色層として着色層のみを有する場合について説明する。
カラーフィルタが発色層として着色層のみを有する場合、カラーフィルタの配置としては観察者側の偏光板の外側に配置されていてもよく(図1参照)、光供給部側の偏光板の外側に配置されていてもよい(図2参照)。なかでも本態様においては、観察者側の偏光板の外側に配置されていることがより好ましい。
ここで、本態様に用いられる液晶セルは、通常、TFT素子等の液晶駆動素子を備える対向基板を有するところ、液晶駆動素子は外光が照射されることにより劣化する場合がある。また、対向基板の金属配線に照射された外光が反射して液晶表示装置の視認性が低下するといった問題がある。そこで、上記カラーフィルタを観察者側の偏光板の外側に配置することにより、液晶駆動素子を外光から保護したり、対向基板の金属配線を観察者から観察されないように、隠すことが可能となるからである。なお、この場合、カラーフィルタは遮光部を有するものである必要がある。
次に、本態様におけるカラーフィルタが発色層として蛍光層を有する場合について説明する。なお、「カラーフィルタが発色層として蛍光層を有する」とは、カラーフィルタが少なくとも1色の蛍光層を有することを指す。
カラーフィルタが光供給部側の偏光板の外側に配置されている場合は、蛍光層が光供給部からの光を吸収しやすくなるため、蛍光層の蛍光効率をより高いものとすることが可能となる。
一方、カラーフィルタが観察者側の偏光板の外側に配置されている場合は、液晶表示装置の外部へ出射する光を蛍光層に吸収させることにより、全方位光とすることができるため、後述する視野角拡大層を有さない場合も、液晶表示装置の外部へ出射する光を拡散等することができることから、液晶表示装置の視野角特性を向上させることが可能となる。また、蛍光層と後述する視野角拡大層とを併用した場合は、より良好な視野角特性を有する液晶表示装置とすることが可能となる。
蛍光層を有するカラーフィルタが観察者側の偏光板の外側に配置される場合は、光供給部として平行光を用いたバックライトを用いることが好ましい。
本態様の液晶表示装置100は、図5に示すように、発色層として着色層12のみを有するカラーフィルタ10Aと、発色層として蛍光層12’のみを有するカラーフィルタ10Bとの2枚のカラーフィルタを有することができる。この場合、2枚のカラーフィルタ10A、10Bの位置関係としては、所望のカラー表示を行うことが可能であれば特に限定されないが、発色層として着色層12のみを有するカラーフィルタ10Aを観察者側の偏光板30αに配置し、発色層として蛍光層12’のみを有するカラーフィルタ10Bを光供給部40側の偏光板30βに配置することが好ましい。
次に、本発明におけるカラーフィルタの構成について説明する。
上記発色層は、上記カラーフィルタを本態様の液晶表示装置に用いた場合に所望のカラー表示を行うために用いられるものである。このような発色層としては、具体的には、着色層であってもよく、蛍光層であってもよく、着色層および蛍光層の積層体であってもよい。以下、それぞれについて説明する。
まず、本態様における発色層が着色層である場合について説明する。
上記発色層に用いられる着色層の色数は特に限定されないが、複数色から構成され、一般的には、赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層から構成される。
また、赤色染料としては、ローダミン系染料、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などが挙げられる。
これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
また、緑色染料としては、フタロシアニン系染料、アントラキンノン系染料、トリフェニルメタン系塩基性染料などが挙げられる。
これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
また、青色染料としては、トリアリールメタン系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、シアニン系染料などが挙げられる。
これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
例えば、特開2008−304766号公報に記載のトリアリールメタン系色素や、特開2000−162429号公報に記載のトリフェニルメタン染料、特開平11−223720号公報に記載のトリフェニルメタン系染料を用いることができる。
特に、下記一般式(1)及び(2)で表わされるトリアリールメタン化合物が、透過率、耐熱性、および耐候性の観点から好ましい。
上記透過率とは、着色剤を30質量%濃度で均一に分散させて作製した厚さ2μm〜3μmの塗膜について、顕微分光装置OSP−SP2000(OLYMPUS社製)を用いて測定した値をいう。本態様においては、青色着色層の透過率は、405nm〜480nmにおいて80%以上であることが好ましい。
上記耐熱性とは、例えば、焼成前後の色濃度を合わせた場合に輝度が低下しないことをいう。焼成温度は例えば、150℃〜250℃、焼成時間は例えば、10分〜200分の間で工程条件により任意に設定する。
耐候性とは、例えば、成膜後の着色層にキセノンランプ(照度35mW/cm2)を100時間照射する前後の色差ΔE*ab(JIS Z8729)が小さいことをいう。ΔE*abは5.0以下であることが好ましく、さらに3.0以下であることが好ましい。
R2、R3、R4及びR5は、耐熱性、耐候性の観点から、フェニル基または置換基を有していても良いベンジル基が好ましい。
この理由は定かではないが、このような着色剤は、耐熱性や耐光性に優れ、着色画素形成時の焼成条件やUV照射による基板洗浄の影響等のプロセス条件の影響を受けづらいためと推測される。
その合計含有量は、要求される輝度やコントラスト等に応じて適宜調節すれば良いが、例えば、青色着色層の着色剤全体の合計質量に対して25質量%以上とすることが、輝度を高める観点から好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、75質量%以上であることが特に好ましい。
本発明における青色着色層においては、着色剤全体に対する上記併用される着色剤の含有量は、高い輝度を確保する観点から、25質量%未満であることが好ましい。
また、本態様においては、高温焼成処理を必要としないことから、後述するカラーフィルタ基材として樹脂製フィルムを好適に用いることが可能となる。また、着色層を後述する偏光板に用いられる偏光板保護フィルム上に直接形成することが可能となる。さらに、高温焼成処理による着色層の輝度の低下を抑制することができる。
次に、本態様における発色層が蛍光層である場合について説明する。
本態様における蛍光層は、光供給部であるバックライトからの光を吸収して光を発光するものである。このような蛍光層の色の数については特に限定されず、通常は複数色から構成されるものであり、また、用いられるバックライトに用いられる種類により適宜選択される。このような蛍光層としては、バックライトが白色光を用いたものである場合は、赤色蛍光層、緑色蛍光層、および青色蛍光層から構成される。一方、バックライトが赤色光、緑色光、または青色光のいずれかを用いたものである場合は、上述した3色の蛍光層のうちバックライトに用いられる光の色以外の蛍光層が用いられる。
また、蛍光層のパターニングをフォトリソグラフィー法により行う場合には、マトリクス樹脂として感光性樹脂を用いることができる。この感光性樹脂としては、例えば、アクリル酸系、メタクリル酸系、ポリケイ皮酸ビニル系、環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する光硬化型の感光性樹脂が挙げられる。
さらに、蛍光層の形成方法として印刷法、インクジェット法を用いる場合には、マトリクス樹脂を含有するインキが用いられる。この場合に用いられるマトリクス樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂のモノマー、オリゴマーまたはポリマー、あるいは、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の樹脂を挙げることができる。
次に、本態様における発色層が着色層および蛍光層の積層体である場合について説明する。本態様においては着色層および蛍光層のうち、蛍光層が光供給部に近い位置となるように積層体が形成されてもよく、着色層が光供給部に近い位置となるように積層体が形成されてもよい。なかでも、蛍光層が光供給部に近い位置となるように積層体が形成されることが好ましい。
また、上記着色層および蛍光層の厚みについては、本態様におけるカラーフィルタが用いられる液晶表示装置の用途等に応じて適宜決定することができる。なお、本態様に用いられる着色層および蛍光層について、具体的には、上述した「(a)着色層」、「(b)蛍光層」の各項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様におけるカラーフィルタは、上述の発色層を有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。以下、このような構成について説明する。
本態様に用いられるカラーフィルタ基材は、発色層、および必要に応じて遮光部を形成可能であり、可視光に対して透明な基板であれば特に限定されるものではない。
本態様に用いられる遮光部は、発色層の間に形成され、画素を区画するために用いられる。
上記遮光部の膜厚については、本態様の液晶表示装置の用途や、遮光部の材料等により適宜選択される。
一方、図2に示すように、カラーフィルタ10が光供給部40側の偏光板30βの外側に配置される場合は、遮光部を有さないことが好ましい。遮光部を有さないことにより、カラーフィルタの画素をより小さいものとすることができ、より高精細な画像表示を行うことが可能となるからである。
本態様に用いられるカラーフィルタは、上述したカラーフィルタ基材や遮光部以外にも任意の構成を有することができる。このような構成としては、例えば、着色層または蛍光層を覆うように形成されるオーバーコート層等を挙げることができる。
また、カラーフィルタが着色層のみを有するものである場合は、後述する視野角拡大層を有することができる。
本態様の液晶表示装置は、上述した種々の発色層を有するカラーフィルタを有することが可能である。本態様においては、なかでも、カラーフィルタが発色層として蛍光色素を含む蛍光層を有することが好ましい。この場合、液晶表示装置の光供給部からの光を好適に利用することが可能となり、本発明の液晶表示装置の輝度およびコントラストを好適に向上させることが可能となるからである。
次に、本態様における偏光板について説明する。
本態様における偏光板は、液晶セルの両側に配置されるものである。また、上記偏光板は、通常、偏光子と、偏光子の両側に配置された偏光板保護フィルムとからなるものである。
次に、本態様に用いられる液晶セルについて説明する。本態様に用いられる液晶セルとしては、通常、TFT素子等の液晶駆動素子を有する液晶駆動素子側基板と、対向基板と、液晶駆動素子側基板および対向基板の間に配置された液晶層とを有するものである。
本態様の液晶表示装置は、上述した構成を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じてその他の構成を追加することができる。このような構成について以下説明する
本態様の液晶表示装置は、通常、光供給部としてバックライトを有するものである。また、光供給部は、液晶セルの一方の側に配置され、より具体的には液晶セルの一方の偏光板の外側に配置される。
また、上記バックライトに用いられる光源についても、一般的な液晶表示装置に用いられるものと同様とすることができ、例えば線状の冷陰極管等の蛍光灯、LED(発光ダイオード)、白熱電球等を用いることができる。中でも、色再現性、小型化、低消費電力化に優れる点から、LEDが好ましい。
なお、平行光とは、液晶セルの平面と光の進行方向とのなす角が、90°±45°の範囲内である光を指す。なお、液晶セルの平面と光の進行方向とのなす角は、具体的には図1中のθで示される角を指す。
また、上記本態様におけるバックライトとしては、アクリル樹脂を積層したPETフィルム、コレステリックLCPフィルムの多層フィルムなど輝度向上フィルムを設置することが好ましい。
視野角拡大層は、液晶表示装置の観察者側の最外層に配置されるものであり、液晶表示装置から外部へ出射する光を拡散等させることにより、液晶表示装置の視認角を広げて、視認性を向上させる機能を有するものである。このような視野角拡大層は、上述した平行光を用いたバックライトと併用することにより、視野角特性に優れた液晶表示装置とすることが可能となる。
本態様の液晶表示装置においては、カラーフィルタ基材を有するカラーフィルタ、偏光板、および液晶セルの間に粘着層を介して、各層が配置される。上記粘着層に用いられる粘着剤については、一般的な液晶表示装置に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
第2態様の液晶表示装置は、反射型液晶表示装置である。本態様の液晶表示装置は、光供給部として反射板を有し、反射板を用いて外光を利用することにより表示を行うものである。
本態様におけるカラーフィルタは、着色層を有するものである。また、本態様においては、上記カラーフィルタは一対の偏光板のうち、いずれか一方の偏光板の外側に配置されるものである。
本態様の液晶表示装置は、カラーフィルタ、液晶セル、および偏光板以外にも必要な構成を適宜選択して追加することができる。以下、このような構成について説明する。
第3態様の液晶表示装置は、半透過半反射型液晶表示装置である。本態様の液晶表示装置は、光供給部としてバックライトと反射板との両方を有し、それぞれを用いて表示を行うものである。
なお、図6において、説明していない符号については図1等と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられるカラーフィルタは、反射表示用発色層と透過表示用発色層とを有するものである。上記反射表示用発色層としては着色層が用いられる。一方、上記透過表示用発色層としては着色層、蛍光層、または着色層および蛍光層の積層体のいずれかが用いられる。
上記透過表示用発色層が蛍光層を有する場合、カラーフィルタとしては、透過表示領域に蛍光層のみが形成されているカラーフィルタや、透過表示領域に蛍光層のみが形成され、かつ、反射表示領域に着色層のみが形成されているカラーフィルタや、反射表示用着色層と透過表示用着色層とを有し、さらに透過表示用着色層の上層または下層に蛍光層が形成されているカラーフィルタを挙げることができる。なお、透過表示領域に蛍光層のみが形成されているカラーフィルタは、通常、少なくとも反射表示領域に着色層が形成されているカラーフィルタと併用される。
本態様の液晶表示装置においては、光供給部として、バックライトと反射板との両方が用いられる。なお、バックライトについては上述した「I.第1態様」の項で説明したものと同様とすることができ、反射板については上述した「II.第2態様」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明の液晶表示装置の用途としては、例えば、テレビ、パソコン、モニター、デジタルサイネージ等を挙げることができる。
本発明の液晶表示装置の製造方法については、一般的な方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
次に本発明の液晶表示装置用カラーフィルタについて説明する。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルタは、2つの態様に大別することができる。以下、各態様について説明する。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルタの第1態様は、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材上に配置され、蛍光色素を含む蛍光層とを有することを特徴とするものである。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルタの第2態様は、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材上に形成された発色層とを有し、液晶表示装置の液晶セルの両側に配置された一対の偏光板のうち、いずれか一方の偏光板の液晶セル側とは反対側に配置されて用いられることを特徴とするものである。
(硬化性樹脂組成物の調整)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63質量部、アクリル酸(AA)を12質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88質量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2’ −アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7質量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7質量部、トリエチルアミンを0.4質量部、及びハイドロキノンを0.2質量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
<硬化性樹脂組成物の組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%) 16質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)
24質量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) 4質量部
・2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン
4質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 52質量部
まず、下記分量の成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調製した。
<黒色顔料分散液の組成>
・黒色顔料 23質量部
・高分子分散材(ビックケミー・ジャパン(株) Disperbyk111) 2質量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) 75質量部
<遮光部用組成物の組成>
・上記黒色顔料分散液 61質量部
・上記硬化性樹脂組成物 20質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 30質量部
上記のようにして遮光部を形成した基板上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布(塗布厚み2.0μm)し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を150℃の雰囲気下に15分間放置することにより、加熱処理を施して赤色画素を形成すべき領域に赤色のレリーフパターンを形成した。
次に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、緑色画素を形成すべき領域に緑色のレリーフパターンを形成した。
さらに、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、青色画素を形成すべき領域に青色のレリーフパターンを形成し、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなる着色層を形成した。
・C.I.ピグメントレッド254 7質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 23質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 67質量部
・C.I.ピグメントグリーン58 7質量部
・C.I.ピグメントイエロー138 1質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 22質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 67質量部
・C.I.ピグメントブルー1 5質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・硬化性樹脂組成物 25質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 67質量部
上記のようにして着色層を形成した基板上に、硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し、乾燥塗膜2μmの塗布膜を形成した。
硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて保護層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後基板を150℃の雰囲気中に15分間放置することにより加熱処理を施して保護膜を形成した。
TFTを形成したガラス基板上に上記硬化性樹脂組成物をスピンコートし、所定の位置にフォトスペーサを形成した。さらに、上記TFT基板および対向ガラス基板上にポリイミドよりなる配向膜(日産化学社製、SE−6210)を形成し、IPS液晶を必要量滴下し、UV硬化性樹脂(スリーボンド社製、ThreeBond3025)をシール材として用い、常温で0.3kgf/cm2の圧力をかけながら400mJ/cm2の照射量で露光することにより接合して、セル組みし、液晶セルを得た。液晶セルに両面に偏光板(日東電工社製、SEG1425DU)を貼り、カラーフィルタ上にUV硬化性樹脂を塗布し、液晶セルの一方の偏光板とカラーフィルタを貼り合わせた。光源として白色LED素子、導光板、プリズムシート、輝度向上シートを用いたバックライトユニットをカラーフィルタと反対側に設置した。さらにカラーフィルタ上に位相差板を設置して液晶表示装置を作製した。
バックライトユニットをカラーフィルタ側に設置した以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作成した。
カラーフィルタを、偏光板の液晶セル側とは反対側の偏光板保護フィルム上に形成した以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作成した。
カラーフィルタの遮光部をRGB着色層を積層して形成した以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作成した。
カラーフィルタの着色層を形成後、以下の手順で、RGB着色層上にそれぞれRGB蛍光層を5μmの膜厚で形成した以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作成した。
下記組成の赤色蛍光剤含有樹脂組成物、緑色蛍光剤含有樹脂組成物および青色蛍光剤含有樹脂組成物を着色層の形成と同様にして、着色層上に形成した。
・クマリン6 1質量部
・ローダミン6G 1質量部
・上記硬化性樹脂組成物 31質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 67質量部
・クマリン6 1質量部
・上記硬化性樹脂組成物 32質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 67質量部
・1,4-ビス(2−メチルスリチル)ベンゼン 1質量部
・硬化性樹脂組成物 32質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 67質量部
蛍光層をカラーフィルタと反対側の偏光板上に形成した以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作成した。
(着色層の形成)
実施例1と同様にしてブラックマトリクスを形成した基板上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布(塗布厚み2.0μm)し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して赤色画素を形成すべき領域に赤色のレリーフパターンを形成した。
次に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、緑色画素を形成すべき領域に緑色のレリーフパターンを形成した。
さらに、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、青色画素を形成すべき領域に青色のレリーフパターンを形成し、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなる着色層を形成した。
・C.I.ピグメントレッド254 7質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 23質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 67質量部
・C.I.ピグメントグリーン58 7質量部
・C.I.ピグメントイエロー138 1質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 22質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 67質量部
・C.I.ピグメントブルー15:6 4質量部
・C.I.ピグメントバイオレット23 1質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・硬化性樹脂組成物 25質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 67質量部
上記のようにして着色層を形成した基板上に、硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し、乾燥塗膜2μmの塗布膜を形成した。
硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて保護層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後基板を230℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して保護膜を形成した。
上記のようにして着色層及び保護層を形成した基板上に、硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し塗布膜を形成した。硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置して、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いてスペーサの形成領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後基板を230℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して所定の個数密度となるように形成した。
上記のようにして得られたカラーフィルタの膜形成表面に、配向膜を形成した。次いでTFTを形成したガラス基板上にIPS液晶を必要量滴下し、上記カラーフィルタを重ね合わせ、UV硬化性樹脂をシール材として用い、常温で0.3kgf/cm2の圧力をかけながら400mJ/cm2の照射量で露光することにより接合して、セル組みし、バックライトユニットを設置し、液晶表示装置を得た。
(カラーフィルタの位相差測定)
実施例1〜4のカラーフィルタ、実施例5〜6のカラーフィルタ、および比較例のカラーフィルタについて、位相差測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用いて着色層が有する位相差(Rth)を測定した。位相差測定においては、赤色着色層には620nmの波長を、緑色着色層には550nmの波長を、青色着色層には450nmの波長をそれぞれ測定波長とした。ここで、「着色層が有する位相差(Rth)」とは、着色層の面内における進相軸方向(屈折率が最も小さい方向)の屈折率Nx、遅相軸方向(屈折率が最も大きい方向)の屈折率Ny、厚み方向の屈折率Nz、及び、着色層の厚みd(nm)により、Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×dの式から求められる値である。
結果を表1に示す。なお、実施例1〜6においては、カラーフィルタが偏光板の外側に配置されるため、カラーフィルタの位相差が液晶表示装置の位相差に影響しないことから、表1においては、−を用いて示している。
実施例1〜4のカラーフィルタ、実施例5〜6のカラーフィルタ、および比較例のカラーフィルタについての色度を、顕微分光装置OSP−SP2000(OLYMPUS社製)を用いて測定した。また、光源としてはC光源を用いた。結果を表1に示す。
また、液晶表示装置に配置されたカラーフィルタの色度についても測定した。結果を表2に示す。なお、表1および表2においては、カラーフィルタの色度をJIS Z8701のXYZ表色系における色度座標を用いて表している。
実施例1〜6および比較例の液晶表示装置の輝度を輝度計(TOPCON社製 SR-UL1)を用いて測定した。結果を表2および表3に示す。なお、表3では、輝度が275cd/m2未満を×、275cd/m2以上を○、290cd/m2以上を◎とした。
実施例1〜6および比較例の液晶表示装置のコントラストについて、以下の方法により測定した。作製した液晶表示装置を輝度計(コニカミノルタセンシング社製 LS−100)を用いて、輝度を測定した。測定した輝度値を用いて、コントラストを、下記式(1)により算出した。
コントラスト=平行輝度(cd/m2)/直交輝度(cd/m2) 式(1)
結果を表2および表3に示す。なお、表3では、コントラストが10000未満を×、10000以上を○とした。
作製した液晶表示装置を輝度計(TOPCON社製 SR-UL1)を用いて、Blackの状態で色度を測定した。測定角は鉛直方向を0°として左右80°、回転角360°で測定した。0°の位置に対し色度x±0.1、y±0.1以内であれば○とし、上述の範囲を超える場合は×とした。結果を表3に示す。
室温で500hr通電後の輝度変化が3%以内を○、5%以内を△とした。結果を表3に示す。
11 … カラーフィルタ基材
12 … 着色層
12’ … 蛍光層
13 … 遮光部
20 … 液晶セル
30α、30β … 偏光板
40 … 光供給部
Claims (5)
- 発色層を有するカラーフィルタと、
液晶セルと、
前記液晶セルの両側に配置された一対の偏光板とを有し、
前記カラーフィルタは、前記一対の偏光板のうち、少なくとも一方の偏光板の前記液晶セル側とは反対側に配置されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記カラーフィルタが前記発色層として蛍光色素を含む蛍光層を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記液晶表示装置が、前記液晶セルのいずれか一方の側に配置された光供給部を有し、前記光供給部が平行光を用いたバックライトであり、かつ、
前記液晶セルの前記光供給部側とは反対側に配置された視野角拡大層を有する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。 - カラーフィルタ基材と、前記カラーフィルタ基材上に配置され、蛍光色素を含む蛍光層とを有することを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタ。
- カラーフィルタ基材と、前記カラーフィルタ基材上に形成された発色層とを有し、液晶表示装置の液晶セルの両側に配置された一対の偏光板のうち、いずれか一方の偏光板の液晶セル側とは反対側に配置されて用いられることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタ。
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