JP2006064326A - 熱源制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の熱源制御装置は、各期間における消費熱量の基準予測値を期間ごとに記憶する基準値記憶手段12と、各期間における実際の消費熱量を確認する消費熱量確認手段10と、基準値記憶手段12に記憶された基準予測値に基づいて運転計画を作成する運転計画作成手段13を備えている。そして、運転計画作成手段13は熱源を運転する際などに、直前の期間における実際の消費熱量と対応する基準予測値を比較して、一定の条件下において基準予測値を補正した値を用いて運転計画を作成する。
【選択図】 図1
Description
近年、家庭や小規模な事業所に対応した排熱の利用可能な発電機が開発されている。そして、発電の際に発生する排熱を熱源として有効利用することにより、省エネルギーとすることができる。
通常、電力量の変動よりも熱エネルギーの変動が大きい。これは、給湯や暖房など一時的に大きなエネルギーを使用する場合があるからである。
また、発電によって生じる排熱のエネルギーは比較的小さく、一度に大きな熱エネルギーを供給することができない。そして、蓄熱部に貯まっていた熱エネルギー以上の大きな熱エネルギーが必要となる場合には、発電機とは別に設けられた燃焼装置などの熱源により、熱エネルギーを供給しなければならない。かかる場合には、前記熱源の使用により、エネルギー効率が低下してしまう。
例えば、従来技術である特許文献1に記載されている発明では、「エネルギー使用行為毎に、使用開始時刻、使用継続時間および使用量の平均および分散を求めて、エネルギー使用行為の発生の規則性を」予測しているが、一定期間の不在などにより、通常とは異なる状況が発生した場合には、精度の高い予測ができず、省エネルギーとはならないものであった。
すなわち、通常とは異なる状況を含めた状態で平均および分散が求められてしまうので、予測した必要エネルギーと、実際の必要エネルギーとに隔たりがおこってしまう。そして、実際の必要エネルギーと隔たりのある予測を元に運転されてしまう。
ここで、消費熱量と対応する基準予測値の差に基づく場合には、この差をそのまま用いても良く、この差に所定の係数を乗じたり、加えたり、引いたりした値を用いても良い。
例えば、基準周期が1週間であって前記期間が1日の場合、前日の消費熱量と基準予測値に一定の値を超える差があった場合でも、その前日の一週間前(前日と同じ曜日)の消費熱量と基準予測値の差が一定の値を越えない場合には、基準予測値を補正せずに運転計画を作成されて前日の変動分は当日の運転計画に反映されない。
例えば、基準周期が1週間であって前記期間が1日の場合、同じ曜日における消費熱量と対応する基準予測値との間の差が一定の値を超えている状態が、所定の回数継続した場合に、基準予測値が更新される。そのため、消費熱量が基準予測値よりも大きな差があっても更新されず、特定の曜日の使用状態が変化した場合や、気温変化などにより消費熱量と基準予測値との差が継続的に発生するような場合などには、基準予測値が更新される。
そして、請求項6に記載の発明によれば、運転計画作成手段は、基準値記憶手段に記憶された基準予測値に基づいて運転計画を作成するものであって、直前の期間における実際の運転状況と基準予測値を比較し、基準予測値を補正した値を用いて運転計画を作成するものであるので、直前の期間の運転状況の傾向を、当日の予測に反映することができ、長期的な不在や季節変動などにより継続的に運転状況が変動する場合にも予測の精度が高い。
そして、熱源制御装置1は、熱系システム8に設けられる制御装置であり、熱系システム8には、熱源16、貯留部17、熱エネルギー使用装置18が設けられている。
熱源16は熱源制御装置1によって制御しながら運転されるが、これは、基準予測値Wに基づいて作成された運転計画により運転される。
本実施形態では、基準予測値Wは基準周期だけ前の基準予測値Wを繰り返し用いられ、必要に応じて更新される。ここで、基準周期は任意であるが本発明の実施形態では1週間である。
さらに、基準予測値Wは1日で24個のデータを有し、各時間毎にデータが設けられている。そして、消費熱量確認手段10によって確認される消費熱量Qは、基準予測値Wに対応しており、1時間毎に消費される熱量を確認することができる。
基準予測値Wは、後述するように、一定の場合には、曜日及び時間が対応する消費熱量Qの値に基準予測値Wが更新されるので、過去の同じ曜日の同時間の消費熱量Qに近い値である。なお、熱系システム8を使用し始めは、基準周期だけ前の基準予測値Wの代わりに初期値Sが用いられる。
具体的には、運転計画を作成する曜日の、各時間の基準予測値Wを基本として、これを補正手段13aによって補正して各時間の計画熱量値Tyを算出して、運転計画が作成される。なお、計画熱量値Tyの算出方法については、後述する。
熱源16は、外部から制御が可能である発電機であり、発電の際に発生する排熱を冷却水により冷却し、前記冷却水を熱エネルギーとして取り出すことのできる装置である。そして、排熱によって加熱を直接供給し、又は熱交換機などを介して、貯留部17及び熱エネルギー使用装置18の水を加熱する。
熱源(発電機)16によって、発電された電力は、テレビや冷蔵庫等の電力負荷22によって消費される。
熱エネルギー使用装置18は、熱源16の排熱によって加熱された水や、貯留部17から供給される加熱された水を用いて加熱等を行うものであり、具体的には、図1に示すように、給湯装置19、風呂装置20、暖房装置21である。給湯装置19は、湯を供給する装置であり、さらに具体的には、給湯栓やシャワー等である。風呂装置20は、浴槽が設けられ、浴槽内の水を循環して追い焚きすることができ、また、高温の水を浴槽に供給することが可能である。暖房装置21は、室温より高い水を循環路によって循環させ、室内で熱交換を行って暖房を行うものである。
また、図2の矢印で示す方向に水が流れるように配管24が接続されて、熱エネルギーの移動が可能である。なお、この配管24は中途部で熱交換器などを介している構成でもよく、直接つながる流路を持つものでなくても構わない。
図3に示される熱系システム8aでは、貯留部17である貯湯タンク17aと、熱源16である加熱器16aが配管24によって循環路61を形成している。また、貯湯タンク17aには、配管24である給水路62と給湯路63が接続されており、給水路62から供給される水が貯湯タンク17a内で加熱されて給湯路63を通じて湯が排出される。
熱系システム8aの貯湯タンク17aでは、貯湯タンク17a内の高温の湯の部分の容積とその部分の温度や、全体の湯の温度により熱量を確認することができる。また、熱系システム8bの貯湯タンク17bでは、貯湯タンク17b内の湯の温度と、その容積によって熱量を確認することができる。
また、給水サーミスタ10a、出湯サーミスタ10b及び出湯流量センサ10cにより上記した導入される水温T1、熱エネルギー使用装置18で使用される湯水の温度T2及びその量Vを1時間毎に測定していく。
そして、消費熱量確認手段10により、消費熱量Qを算出する。消費熱量Qは所定の物理量から演算された推定される消費熱量であり、具体的には、熱系システム8に導入される水温T1、熱エネルギー使用装置18で使用される湯水の温度T2及びその量Vにより求めることができるものであり、熱系システム8で消費されたと考えられる熱量である。本実施形態では、式1により求められる。
そして、式1により、消費熱量Qの実績値を算出する(STEP2)。さらに、この消費熱量Qと基準予測値Wとの差Kを算出し(STEP3)、この差Kの絶対値が所定の設定値X2より大きいかどうかを判断する(STEP4)。
そして、カウンターの値Cが2となったかどうか判断し(STEP7)、カウンターの値Cが2の場合には、基準予測値Wを消費熱量Qに変更するように更新して、カウンターの値Cを0に戻す(STEP8)。カウンターの値Cが2でない場合には、カウンターの値Cはそのままにし、基準予測値Wは更新せず、基準予測値Wの値はそのままとする。
言い換えると、同じ曜日の過去の消費熱量Qの実績と基準予測値Wとの差が、2回連続して一定以上の差があった場合には、基準予測値Wは更新される。
なお、説明の便宜上、運転を行う日を基準として、当日の基準予測値をW0、n日前の基準予測値をWn、n日前の消費熱量の実績値をQnとして説明する。
具体的には、図6に示されており、予測する曜日の基準予測値W、すなわち、運転を行う日の基準予測値W0に基づいて行われる。
差K1の絶対値が所定の値X1よりも大きい場合には、補正手段13aによる補正が行われて、計画熱量値Tyが算出される。具体的には、以下に示す式2によって算出される(STEP14)。
なお、所定の値X1は、前記した所定値X2と同じ値でも、異なる値でもよい。
そして、各時間の計画熱量値Tyを算出して、運転計画を作成する。運転計画は、各時間の計画熱量値Tyの消費熱量を供給することができるように、計画的に熱源16を作動させ、その熱を貯留部17に蓄えておく。
運転計画は、その曜日の基準予測値Wを基準として、前日の対応する時間の差Kにより補正して、各時間の計画熱量値Tyを算出して作成されるものである。以下の説明では、ある時間の消費熱量Q、基準予測値W、計画熱量値Tyの推移を示して、説明する。
1日目から15日目までは、基準予測値Wと消費熱量Qの実績値がほぼ近く、基準予測値Wと消費熱量Qとの差Kは所定の値X1、X2よりも小さい。
前日の差Kが所定の値X1よりも小さいと、基準予測値Wの補正はされず、計画熱量値Tyは基準予測値Wの値が用いられて、運転計画が作成される。
また、基準予測値Wは、更新されない限り、毎週同じ時間では、同じ値のものが用いられるが、当日の基準予測値Wと消費熱量Qとの差Kが所定値X2より小さいと基準予測値Wは更新されないので、毎週同じ値が用いられる。
急な変化の最初の日(16日目)は、計画熱量値Tyと消費熱量Qとに差Kが大きくなる。しかし、次の日(17日目)以降については、補正手段13aによる補正によって、計画熱量値Tyの補正が行われるので、計画熱量値Tyと消費熱量Qとの差を小さくすることができる。
図7には図示していないが、消費熱量Qの傾向が継続して基準予測値Wよりも小さい状態が継続すると、急な変化の最初の日(16日目)から基準周期の後の日(23日目)の後に行われる、基準値更新手段11による更新の判断の際にカウンターの値Cが2となる。そして、次の基準周期の後の日(30日目)に用いられる基準予測値Wは更新され、この値は23日目の消費熱量Qの実績値である。
そこで、計画熱量値Tyの算出を、図10に示されるような方法により行い、予測の精度を向上させることができる。
そして、この図10に示される内容で補正を行った場合について、図8、図9に示す例を用いて説明する。
そして、12日目の消費熱量Qは、計画熱量値Tyの値より大きく、基準予測値Wに近い実績値となっており、基準予測値Wと消費熱量Qとの差Kは所定の値X1、X2よりも小さくなっている。したがって、13日目の計画熱量値Tyは、補正手段13aにより補正されない。
例えば、使用者の休みの曜日が変わるなどにより、特定の曜日の消費熱量Qの傾向が変化する場合がある。この場合には、一時的に消費熱量Qが変化した場合とは異なり、その特定の曜日については、基準予測値Wを合わせる必要がある。
2日目の基準予測値Wと消費熱量Qとの差Kが、所定の値X1、X2よりも大きい。そして、3日目の計画熱量値Tyは、当日の基準予測値Wを前日(2日目)の差Kによって補正されて算出される。
また、9日目の基準予測値Wと消費熱量Qとの差Kは所定の値X2よりも大きく、2週間連続して所定値X2よりも大きいので、16日目に用いられる基準予測値Wは更新され、9日目の消費熱量Qに変更される。
8、8a、8b 熱系システム
10 消費熱量確認手段
11 基準値更新手段
12 基準値記憶手段
13 運転計画作成手段
13a 補正手段
16 熱源
17 貯留部
Ty 計画熱量値
Q 消費熱量
W 基準予測値
Claims (7)
- 予め設定された運転計画により熱源を運転する熱源制御装置において、複数の期間を構成要素とする一定の基準周期について、当該各期間における消費熱量の基準予測値を期間ごとに記憶する基準値記憶手段と、各期間における実際の消費熱量を確認する消費熱量確認手段と、基準値記憶手段に記憶された基準予測値に基づいて運転計画を作成する運転計画作成手段を備え、
前記運転計画作成手段は、熱源を運転する際に、または熱源を運転する前に、熱源を運転する直前の期間における実際の消費熱量と対応する基準予測値を比較し、その比較結果によって基準予測値を補正して運転計画を作成することを特徴とする熱源制御装置。 - 基準予測値の補正は、直前の期間における実際の消費熱量と対応する基準予測値の差に基づくものであることを特徴とする請求項1に記載の熱源制御装置。
- 運転計画の作成の際、直前の期間における実際の消費熱量と対応する基準予測値を比較したとき、両者の差が一定以下である場合には基準予測値を補正せずに運転計画を作成することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱源制御装置。
- 運転計画の作成の際、直前の期間における実際の消費熱量と対応する基準予測値を比較したとき、両者の差が一定の値を超えるものであっても、当該直前の期間の基準周期前の期間の実際の消費熱量と基準予測値を比較したとき、両者の差が一定の値を超えない場合には、基準予測値を補正せずに運転計画を作成することを特徴とする請求項3に記載の熱源制御装置。
- 基準周期毎の期間における実際の消費熱量と対応する基準予測値との間の差が一定の値を超えている状態が、所定の回数だけ続いた場合に、その時の実際の消費熱量の値となるように基準予測値を更新することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱源制御装置。
- 予め設定された運転計画により熱源を運転する熱源制御装置において、複数の期間を構成要素とする一定の基準周期について、当該各期間における運転状況の基準予測値を期間ごとに記憶する基準値記憶手段と、各期間における実際の運転状況を確認する運転状況確認手段と、基準値記憶手段に記憶された基準予測値に基づいて運転計画を作成する運転計画作成手段を備え、
前記運転計画作成手段は、熱源を運転する際に、または熱源を運転する前に、熱源を運転する直前の期間における実際の運転状況と対応する基準予測値を比較し、その比較結果によって基準予測値を補正して運転計画を作成することを特徴とする熱源制御装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の熱源制御装置と、前記熱源制御装置によって作成された運転計画によって運転される熱源を有することを特徴とする熱系システム。
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