JP2006064043A - 溶接保持器および該溶接保持器の製造方法 - Google Patents

溶接保持器および該溶接保持器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接強度を増大しかつ製造時における溶接ずれの防止が可能な溶接保持器とその製造方法を提供すること。
【解決手段】転動体を収納するための複数のポケット孔3を有する帯状鋼板2からなり、帯状鋼板2の両端部が、該ポケット孔3の軸方向両側の耳部5に位置付けられて突合せ溶接された溶接保持器1であって、突合せ溶接前の帯状鋼板2の両端部の鋼板端面が軸方向に凹凸形状とされ、突合せ溶接後に上記帯状鋼板の両端部の端面間に上記凹凸形状に対応した形状の溶接部7が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、針状ころ軸受用保持器など、保持器用の帯状鋼板を突合せ溶接してなる溶接保持器におよび該溶接保持器の製造方法に関する。
従来、削り出し品に対し、低コスト化、高速化、軽量化等を目的にして、帯状鋼板を突合せ溶接等によって溶接一体化した溶接保持器が多く作られている。このような帯状鋼板を突合せ溶接した溶接保持器では、溶接部の溶接品質を確保することが重要である。このような溶接品質に影響する1つに溶接部での溶接ずれがある。
従来の溶接保持器としては、例えば、図16に示されるものがある(特許文献1参照)。
この溶接保持器においては、複数の転動体収納用のポケット孔3を備えた環状の帯状鋼板2からなり、ポケット孔3を円周方向隣り合う柱部4と、ポケット孔3の軸方向両側の耳部5とが囲む空間により構成し、帯状鋼板2の両端部の突合せ溶接部7をポケット孔3の軸方向両側の耳部5の軸方向中央側としたものがある。
このような溶接部7においては、帯状鋼板2の両端部の突合せ端面が軸方向にストレートに延び径方向に平坦な端面であるから、溶接ずれが発生しないよう上記突合わせ端面を正確に合わせる溶接位置合わせを行うことが困難である。さらには、溶接部7の溶接面積が耳部5の断面積となり、溶接強度に不足する可能性がある。
実開昭55−93726号公報
したがって、本発明により解決すべき課題は、ポケット孔の軸方向両側に位置する帯状鋼板の両端部の端面どうしの溶接に際して、その溶接ずれの発生を低減し、かつ、溶接強度を高めることである。本発明により解決すべき他の課題は、溶接部での溶接ずれが無く溶接品質に優れた溶接保持器の製造歩留まりを向上することである。
本発明による溶接保持器は、複数の転動体収納用のポケット孔を備えた帯状鋼板からなり、この帯状鋼板の円周方向両端部の突合わせ溶接部が上記ポケット孔の軸方向両側の耳部に位置付けられている溶接保持器であって、上記突合わせ溶接部が、上記耳部の軸方向両端間の全体または一部において軸方向および径方向のうち少なくとも一方とは異なる方向の溶接箇所を含むことを特徴とするものである。軸方向幅がほぼ一定とは帯状鋼板の軸方向両側に軸方向外側に突出するような箇所が部分的に存在しても環状保持器全体として軸方向幅が一定であるような幅のことである。
上記溶接箇所は、軸方向および径方向のうち少なくとも一方に対して凹凸形状をなしていることが好ましい。また、上記溶接箇所が、軸方向および径方向のうち少なくとも一方に対して斜め形状をなしていることが好ましい。
上記溶接箇所は、上記耳部の軸方向両端間の全体にわたって軸方向および径方向のうち少なくとも一方とは異なる方向の溶接箇所を含むことが好ましいが、上記耳部の軸方向両端間の一部に軸方向および径方向のうち少なくとも一方とは異なる方向の溶接箇所を含む。
本発明の溶接保持器によると、上記突合わせ溶接部が、上記耳部の軸方向両端間の全体または一部において軸方向あるいは径方向とは異なる方向の溶接箇所、例えば、軸方向ないしは径方向に対して凹凸形状をなす溶接箇所、あるいは軸方向に対して斜め形状をなす溶接箇所を含むから、ポケット孔の軸方向両側の耳部の軸方向断面積よりも溶接面積が増大している結果、溶接強度が大きい溶接保持器となる。
なお、上記凹凸形状は耳部の軸方向両端間における軸方向に波形や階段状やその他の凹凸形状であってもよく、側面から見られた断面形状が半径方向に波形や階段状やその他の凹凸形状であってもよい。
軸方向に波形の凹凸形状は、軸方向とは異なる方向の形状が多数存在するから、溶接面積が増大して溶接強度の増強に特に効果がある。軸方向に階段状の凹凸形状は、一部に半径方向を含むので、溶接面積が半径方向の形状分、増大する結果、溶接強度が増強する。また、断面形状が、半径方向に波形や階段状の凹凸形状も、溶接面積が増大して溶接強度の増強に特に効果がある。
なお、上記凹凸形状は、軸方向とは異なる方向として、一方の端面に円周方向単一のV形状、逆V形状、U形状、逆U形状等に切り欠いた凹凸形状とし、他方の端面に上記V形状、逆V形状、U形状または逆U形状に入り込む円周方向単一のV形状、逆V形状、U形状、逆U形状等の凹凸形状とすることができる。
本発明による溶接保持器の製造方法は、複数の転動体収納用のポケット孔を備えた帯状鋼板からなり、この帯状鋼板の円周方向の両端部の突合わせ溶接部が上記ポケット孔の軸方向両側の耳部に位置付けられている溶接保持器を製造する方法であって、上記ポケット孔を帯状鋼板に形成するポケット孔形成工程と、帯状鋼板の両端部をポケット孔の軸方向両側の耳部に位置付けるよう当該帯状鋼板を切断する切断工程と、この切断後の帯状鋼板の両端部において、上記耳部の軸方向両端間の全体または一部に軸方向および径方向のうち少なくとも一方とは異なる方向の溶接箇所を形成する溶接箇所形成工程と、上記帯状鋼板を環状に成形するとともに、帯状鋼板の両端部それぞれの端面形状を用いて上記溶接箇所の位置合わせをする位置合わせ工程と、上記両端面の位置合わせをした状態で溶接する溶接工程とを含むことを特徴するものである。
上記溶接箇所形成工程は、上記溶接箇所を軸方向および径方向のうちの少なくとも一方に対して凹凸の有る形状、または、軸方向に対して斜めの形状に形成する工程であることが好ましい。
本発明の溶接保持器の製造方法によると、上記溶接箇所を軸方向や径方向に対して凹凸の有る形状、例えば、波形や階段状や単一のV形状、逆V形状、U形状、逆U形状等とした場合、帯状鋼板の両端部の端面どうしの突合せ溶接に際しては両端面を互いの形状により正確に位置合わせすることが可能となり、これによって溶接ずれすることなく帯状鋼板の両端部の端面どうしの突合せ溶接を行うことができ、溶接品質に優れた溶接保持器を効率よく製造することができる結果、溶接品質に優れた溶接保持器の製造歩留まりを向上させることができるようになる。
また、本発明の溶接保持器の製造方法によると、上記溶接箇所を軸方向や径方向に対して凹凸の有る形状や、軸方向に対して斜めの形状に形成することにより、溶接面積が大きくて溶接強度が増強された溶接保持器を効率よく製造することができるようになる。
本発明によれば、溶接強度の大きい溶接保持器を提供することができる。
また、本発明によれば、溶接強度が大きく、かつ、溶接ずれが無いか低減した溶接保持器を製造することができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る溶接保持器およびその製造方法を詳細に説明する。実施の形態の溶接保持器は、針状ころ軸受の保持器として該針状ころ軸受に組み込まれるものである。
図1(a)は、実施の形態の溶接保持器の斜視図、図1(b)は、図1(a)の要部を拡大して示す斜視図、図2は、図1(b)のさらなる要部を拡大して示す平面図、図3は、図2の溶接部を矢印P方向から見た部分側面図である。
これらの図を参照して、実施の形態の溶接保持器1は、一枚の帯状鋼板2の両端部を突合せ溶接して構成されている。帯状鋼板2は、軸方向幅がほぼ一定で鋼板長さ方向に環状に丸めて作られかつ円周方向に複数のころ収納用のポケット孔3を複数備えている。各ポケット孔3それぞれは、各柱部4それぞれで円周方向に仕切られるとともに、円周方向両側の柱部4と軸方向両側の耳部5とで囲まれており、転動体である図示略のころを収納保持可能な平面視矩形形状をなしている。柱部4は円周方向ほぼ一定幅で軸方向に延びる部分であり、耳部5は軸方向ほぼ一定幅で円周方向に延びる部分である。
帯状鋼板2は、一枚の鋼板をその長さ方向に環状に丸めて作られ、その長さ方向の両端部が突合せ溶接されるものであり、その両端部は、ポケット孔3の軸方向両側の耳部3における円周方向任意の位置好ましくは円周方向中央側に位置付けられている。
この実施の形態においては、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2a同士は突合せ溶接されて、両端面2a,2a間に溶接部7が形成されており、この溶接部7の軸方向形状を波形の凹凸形状としたことに特徴を備えている。溶接部7は、溶接箇所として軸方向に対して異なる方向を複数含んだ凹凸形状であるから、耳部5の軸方向断面積よりも大きな溶接面積となり、その溶接強度が向上する。溶接部7の波形形状は、軸方向にジグザグな形状をなしている。溶接部7の波形形状は短い直線をジグザグにした形状であるが、半円弧形状や半楕円形状やその他の短い曲線形状をジグザグにした形状でもよい。
溶接部7には耳部5の表裏面に盛り上がるようにして溶接ビード8が形成されている。この溶接ビード8は、図解のため誇張して示されている。溶接ビード8は溶接強度を高める上で必要なものである。耳部5の外側面5aや内側面5b(ポケット孔3の内壁面を構成する側面)に開先9が形成されて、溶接ビード8が耳部5の外側面5aや内側面5bに突き出ないよう開先9内に存在している。
帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aは上記したように軸方向凹凸形状とされており、突合せ溶接に際しては、両端面2a,2aの凹凸形状により両端面2a,2aの位置合わせが行われる。この位置合わせされた状態で、両端面2a,2a間に高電流が流されて溶接が行われる。この溶接により両端面2a,2a間が溶け込み、両端面2a,2aの凹凸形状に倣う凹凸形状の溶接部7が形成される。したがって、突合せ溶接を溶接ずれすることなく行うことができる。溶接方法は上記以外の公知の溶接方法でも実施することができる。
突合せ溶接においては、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aが溶け込むので、帯状鋼板2は、溶接前においては、その両端部に溶接しろを必要とする。そのため、帯状鋼板2は、実際の溶接保持器の円周方向長さよりも溶接しろ分だけ長く切断されている。帯状鋼板2は、その両端部の端面2a,2aがその凹凸形状を用いて突合わされて溶接される結果、溶接後においては、帯状鋼板の円周方向の長さは、その溶接部7を含めて規定の円周方向長さとなる。
実施の形態の溶接保持器1の製造方法を説明する。
この製造方法においては、成形工程により、帯状鋼板2にプレス加工を施し保持器1の基本断面形状を成形する。帯状鋼板2の材料としては、例えば、成形性に優れたSPC帯状鋼材を用いることができる。
次いで、ポケット孔3の形成工程により、帯状鋼板2にプレス加工を施して、転動体である図示略の針状ころを収容するための複数のポケット孔3を打ち抜き形成する。
次いで、切断工程により、帯状鋼板2を該ポケット孔3の軸方向両側において突合せ溶接される当該帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aが露出するように所定長さに切断する。上記所定長さとは、上記説明した溶接しろを含む。
次いで、溶接箇所形成工程により、帯状鋼板2における一方の端部の端面2aを軸方向の凹凸形状に形成する一方、他方の端部の端面2aも上記凹凸形状に対応した凹凸形状に形成する。
次いで、溶接箇所位置合わせ工程により、上記帯状鋼板2を環状に成形するとともに、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aどうしを突合わせることにより突合せ溶接箇所を位置合わせする。
最後に、溶接工程により、上記両端面2a,2aを高電流により溶接する。
図1ないし図3に示す実施の形態の溶接保持器1は、以上の工程を経て製造されたものである。実施の形態の溶接保持器1によれば、突合せ溶接前の帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aが軸方向に波形の凹凸形状とされているから、上記位置合わせ工程においては、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aをその凹凸形状を用いて正確に位置合わせできるので、溶接工程での当該帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aの溶接ずれがなくなる。また、突合せ溶接後は、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2a間の溶接部7は、溶接前の両端部の端面2a,2aの凹凸形状に倣うから、軸方向にストレートな溶接部よりもその溶接面積が増大して溶接強度が大きく向上した溶接保持器を得ることができる。
(他の実施の形態)
図4および図5を参照して他の実施の形態に係る溶接保持器を説明すると、図4は、図2に対応する平面図であり、図5は、図4の溶接部を矢印P方向から見た部分側面図である。図4および図5に示す実施の形態の溶接保持器では、その溶接部7は、軸方向とは異なる方向を含んだ階段状の凹凸形状とされており、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aの突合せ溶接に際しての位置合わせが可能であるから、溶接ずれが無い。また、溶接部7は、軸方向に凹凸形状であるから、耳部5の軸方向断面積よりも大きな溶接面積となり、その溶接強度が向上する。図1ないし図3に示す実施の形態の溶接部7は、軸方向に波形の凹凸形状であり、図4および図5に示す実施の形態の溶接部7は、軸方向に階段状の凹凸形状であり、両凹凸形状の相違は、溶接面積の増大ならびにこの溶接面積の増大に伴う溶接強度の増強に関しては、前者の実施の形態の溶接部7の方が効果があり、突合せ溶接に際しての溶接箇所位置合わせに関しては、後者の方が効果がある。
図6および図7を参照してさらに実施の形態に係る溶接保持器を説明すると、図6は、図2に対応する平面図であり、図7は、図6の溶接部を矢印P方向から見た部分側面図である。図6および図7に示す実施の形態の溶接保持器では、その溶接部7が、軸方向並びに径方向とは異なる方向を含んだ階段状の凹凸形状とされており、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aの突合せ溶接に際しての位置合わせが可能であるから、溶接ずれが無く、また、溶接部7の面積が増大して溶接強度が向上する構造を備える。図6および図7に示す実施の形態の溶接部7は、図4および図5に示す実施の形態よりも溶接部7の溶接面積が大きいので、溶接強度は増大する。
図8を参照してさらに他の実施の形態に係る溶接保持器を説明すると、図8に示す実施の形態の溶接保持器においては、ポケット孔3の軸方向一方側(図8で左側)の溶接部7がポケット孔3の円周方向一方(図8で下方)から他方(図8で上方)に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ逆V形状とされており、ポケット孔3の軸方向他方側(図8で右側)の溶接部7もポケット孔3の円周方向一方から他方に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ逆V形状とされており、両形状の溶接部の突合わせにより、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aの突合せ溶接に際しての位置合わせが可能であるから、溶接ずれが無く、また、溶接部7の面積も軸方向平行の溶接部よりも溶接面積が増大して溶接強度が向上する構造を備える。詳しくは、図8に示す実施の形態の溶接部7は、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aの一方(図8で上側)が逆Vの凹形状をなす端面2aと、他方(図8で下方側)が逆Vの凸形状をなす端面2aとの突合せ溶接であるから、溶接の位置合わせを極めて正確に実施することが可能であり、溶接ずれを低減ないし無くすことができる。また、上述した各実施の形態と同様に、溶接部7は、軸方向に凹凸形状をなしているから、耳部5の軸方向断面積よりも大きな溶接面積となり、その溶接強度が向上する。なお、実施の形態8においては、溶接部7の円周方向一方側の先端つまり逆Vの形状の頂点は柱部4の軸方向両側にまで延ばしてもよい。このようにすると、溶接部7の溶接面積がさらに増大し、その溶接強度をさらに増強させることができる。
図9を参照してさらに他の実施の形態に係る溶接保持器を説明すると、図9に示す実施の形態の溶接保持器においては、ポケット孔3の軸方向一方側(図9で左側)の溶接部7がポケット孔3の円周方向一方(図9で下方)から他方(図9で上方)に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ逆Vの形状とされており、ポケット孔3の軸方向他方側(図9で右側)の溶接部7はポケット孔3の円周方向一方から他方に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだVの形状とされており、両スリット形状の溶接部7の突合わせにより、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aの突合せ溶接に際しての位置合わせが可能であるから、溶接ずれが無く、また、溶接部7の面積も軸方向平行の溶接部よりも溶接面積が増大して溶接強度が向上する構造を備える。
図10を参照してさらに他の実施の形態に係る溶接保持器を説明すると、図10に示す実施の形態の溶接保持器においては、ポケット孔の軸方向一方側(図10で左側)の溶接部7がポケット孔3の円周方向一方(図10で下方)から他方(図10で上方)に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ逆Uの形状とされており、ポケット孔3の軸方向他方側(図10で右側)の溶接部7もポケット孔3の円周方向一方から他方に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ逆Uの形状とされており、両スリット形状の溶接部7の突合わせにより、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aの突合せ溶接に際しての位置合わせが可能であるから、溶接ずれが無く、また、溶接部7の面積も軸方向平行の溶接部よりも溶接面積が増大して溶接強度が向上する構造を備える。
図11を参照してさらに他の実施の形態に係る溶接保持器を説明すると、図11に示す実施の形態の溶接保持器においては、ポケット孔の軸方向一方側(図11で左側)の溶接部7がポケット孔3の円周方向一方(図11で下方)から他方(図11で上方)に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ逆Uの形状とされており、ポケット孔3の軸方向他方側の(図11で右側)溶接部7はポケット孔3の円周方向一方から他方に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだUの形状とされており、両スリット形状の溶接部7の突合わせにより、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aの突合せ溶接に際しての位置合わせが可能であるから、溶接ずれが無く、また、溶接部7の面積も軸方向平行の溶接部よりも溶接面積が増大して溶接強度が向上する構造を備える。
図12を参照してさらに他の実施の形態に係る溶接保持器を説明すると、図12に示す実施の形態の溶接保持器においては、ポケット孔3の軸方向一方側(図12で左側)の溶接部7がポケット孔3の円周方向一方(図12で下方)から他方(図12で上方)に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ台形形状とされており、ポケット孔3の軸方向他方側(図12で右側)の溶接部7もポケット孔3の円周方向一方から他方に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ台形形状とされており、両スリット形状の溶接部7の突合わせにより、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aの突合せ溶接に際しての位置合わせが可能であるから、溶接ずれが無く、また、溶接部7の面積も軸方向平行の溶接部よりも溶接面積が増大して溶接強度が向上する構造を備える。
図13を参照してさらに他の実施の形態に係る溶接保持器を説明すると、図13に示す実施の形態の溶接保持器においては、ポケット孔3の軸方向一方側(図13で左側)の溶接部がポケット孔3の円周方向一方(図13で下方)から他方(図13で上方)に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ台形形状とされており、ポケット孔3の軸方向他方側(図13で右側)の溶接部7はポケット孔3の円周方向一方から他方に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ逆台形形状とされており、両スリット形状の溶接部7の突合わせにより、帯状鋼板2の両端部の端面2a,2aの突合せ溶接に際しての位置合わせが可能であるから、溶接ずれが無く、また、溶接部7の面積も軸方向平行の溶接部よりも溶接面積が増大して溶接強度が向上する構造を備える。
図14を参照してさらに他の実施の形態に係る溶接保持器を説明すると、図14に示す実施の形態の溶接保持器においては、ポケット孔3の軸方向一方側(図14で左側)の溶接部7がポケット孔3の円周方向一方(図14で下方)から他方に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ左上がり斜め形状とされており、ポケット孔3の軸方向他方側(図14で右側)の溶接部7がポケット孔3の円周方向一方から他方に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ右上がり斜め形状とされており、溶接ずれを起こす可能性があるが、溶接部7の面積が軸方向平行の溶接部よりも溶接面積が増大して溶接強度が向上する構造を備える。
図15を参照してさらに他の実施の形態に係る溶接保持器を説明すると、図15に示す実施の形態の溶接保持器においては、ポケット孔3の軸方向一方側(図15で左側)の溶接部7がポケット孔3の円周方向一方(図15で下方)から他方(図15で上方)に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ左上がり斜め形状とされており、ポケット孔3の軸方向他方側(図15で右側)の溶接部7がポケット孔3の円周方向一方から他方に向けて図面上、軸方向とは異なる方向を含んだ右下がり斜め形状とされており、溶接ずれを起こす可能性があるが、溶接部7の面積が軸方向平行の溶接部よりも溶接面積が増大して溶接強度が向上する構造を備える。
その他、本発明は、特許請求の範囲に記載した溶接保持器の範囲で種々に変更して実施することができる。
本発明の実施形態の溶接保持器に係り、図1(a)は、溶接保持器の斜視図、図1(b)は図1(a)の要部を拡大して示す斜視図である。 図1(b)のさらなる要部を拡大して示す平面図である。 図2の溶接部を矢印P方向から見た部分側面図である。 本発明の他の実施形態の溶接保持器に係り、図2に対応する平面図である。 図4の溶接部を矢印P方向から見た部分側面図である。 本発明のさらに他の実施形態の溶接保持器に係り、図2に対応する平面図である。 図6の溶接部を矢印P方向から見た部分側面図である。 本発明のさらに他の実施形態の溶接保持器の要部を展開して示す平面図である。 本発明のさらに他の実施形態の溶接保持器の要部を展開して示す平面図である。 本発明のさらに他の実施形態の溶接保持器の要部を展開して示す平面図である。 本発明のさらに他の実施形態の溶接保持器の要部を展開して示す平面図である。 本発明のさらに他の実施形態の溶接保持器の要部を展開して示す平面図である。 本発明のさらに他の実施形態の溶接保持器の要部を展開して示す平面図である。 本発明のさらに他の実施形態の溶接保持器の要部を展開して示す平面図である。 本発明のさらに他の実施形態の溶接保持器の要部を展開して示す平面図である。 従来の溶接保持器の要部を展開して示す平面図である。
符号の説明
1 溶接保持器
2 帯状鋼板
3 ポケット孔
4 柱部
5 耳部
7 溶接部

Claims (5)

  1. 複数の転動体収納用のポケット孔を備えた帯状鋼板からなり、この帯状鋼板の円周方向両端部の突合わせ溶接部が上記ポケット孔の軸方向両側の耳部に位置付けられている溶接保持器であって、上記突合わせ溶接部が、上記耳部の軸方向両端間の全体または一部において軸方向および径方向のうち少なくとも一方とは異なる方向の溶接箇所を含む、ことを特徴とする溶接保持器。
  2. 上記溶接箇所が、軸方向および径方向のうち少なくとも一方に対して凹凸形状をなしている、ことを特徴とする請求項1に記載の溶接保持器。
  3. 上記溶接箇所が、軸方向および径方向のうち少なくとも一方に対して斜め形状をなしている、ことを特徴とする請求項1に記載の溶接保持器。
  4. 複数の転動体収納用のポケット孔を備えた帯状鋼板からなり、この帯状鋼板の円周方向両端部の突合わせ溶接部が上記ポケット孔の軸方向両側の耳部に位置付けられている溶接保持器を製造する方法であって、
    上記ポケット孔を帯状鋼板に形成するポケット孔形成工程と、
    帯状鋼板の両端部をポケット孔の軸方向両側の耳部に位置付けるよう当該帯状鋼板を切断する切断工程と、
    この切断後の帯状鋼板の両端部において、上記耳部の軸方向両端間の全体または一部に軸方向および径方向のうち少なくとも一方とは異なる方向の溶接箇所を形成する溶接箇所形成工程と、
    上記帯状鋼板を環状に成形するとともに、帯状鋼板の両端部それぞれの端面形状を用いて上記溶接箇所の位置合わせをする位置合わせ工程と、
    上記両端面の位置合わせをした状態で溶接する溶接工程と、
    を含むことを特徴する溶接保持器の製造方法。
  5. 上記溶接箇所形成工程が、上記溶接箇所を軸方向および径方向のうちの少なくとも一方に対して凹凸の有る形状、または、軸方向に対して斜めの形状に形成する工程である、ことを特徴とする請求項4に記載の溶接保持器の製造方法。
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