JP2006063226A - 可視光線硬化型パテ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 人体に安全な可視光線を短時間照射することによって速やかに硬化し、厚膜硬化性に優れ、かつ密着性および研磨性を十分に備えた可視光線硬化型パテ組成物を提供する。
【解決手段】 (A)分子内に少なくとも一つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物33〜63質量部、(B)チタノセン化合物0.05〜5質量部、(C)チオキサント
ン類0.02〜2質量部、(D)アミン類0.02〜2質量部を混合した混合物に対し、(E)充填剤35〜65質量部を混合したパテ組成物からなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、人体に安全な可視光線を短時間照射することによって速やかに硬化し、厚膜硬化性に優れ、密着性および研磨性を備えた可視光線硬化型パテ組成物、特に自動車ボディーやバンパー、プラスチック成形品等の補修塗装に有用な可視光線硬化型パテ組成物に関する。
従来の自動車ボディーやバンパー、プラスチック成形品等の補修塗装は、損傷箇所の旧塗膜を剥離した後、当該箇所にパテを塗布して乾燥させた後、パテの表面を平滑に研磨し、続けてこの上にプライマーサフェーサーを塗装して乾燥させ、研磨した後、上塗り塗料を塗装するというのが一般的である。
この種の補修塗装に使用されるパテとしては、主に不飽和ポリエステル樹脂等を主剤とし、有機化酸化物を硬化剤とする2液型のパテが用いられることが一般的である。こうした2液型パテ用の各種不飽和ポリエステル樹脂パテ組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、これらのパテは、主剤に硬化剤を適正量配合する必要があることから、配合ミスによる硬化不良や、2液型であるために混合作業を伴うことから、空気の巻き込みによる気泡やス穴といった塗膜欠陥等の不具合が生じることがある。
また、これらのパテは一般的に常温硬化型であるため、通常自然乾燥またはヒーターによる強制乾燥が行われており、塗布後の硬化に室温で20分から40分の乾燥時間を要するために、補修工程全体として長時間を要する。
一方、これらの配合ミスや混合作業、硬化に時間を要する点などを改善するものとして、1液型の紫外線硬化型、可視光線硬化型、近赤外線硬化型パテ等が提案されている。つまり、(1)「ポリエステルアクリレート等の紫外線硬化性成分を主成分として、さらにケイ酸マグネシウム等の無機充填剤および光重合開始剤を含有する紫外線硬化型の一液型パテ」が提案されている(例えば、特許文献4参照)。そのほか(2)「(a)ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート100質量部、(b)光重合可能な(メタ)アクリレート1〜100質量部、(c)分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する光重合可能なウレタンオリゴマー35〜100質量部、および(d)該(a)〜(c)成分の合計100質量部に対して、光開始剤としてα−ジケトン0.01〜10質量部、光増感剤として第3級アミン0.01〜10質量部、そして光反応促進剤としてオニウム塩0.01〜5質量部を含有する光硬化型板金補修用パテ」が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
さらに(3)「(a)チタノセン誘導体、(b)プロトン供与性基を有する化合物、および(c)エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1つ有する化合物を含む光重合性組成物であって、前記(b)と(c)との質量比が0.01:99.99〜20:80であり、前記(b)と(c)との合計100質量部に対する前記(a)チタノセン誘導体の量が0.01〜10質量部であることを特徴とする光重合性組成物、ならびにさらに(d)充填剤を含む光重合性パテ組成物」が提案されている(例えば、特許文献6参照)。さらにまた(4)「(a)重合性不飽和基含有樹脂、(b)重合性不飽和化合物、および(c)近赤外光重合開始剤を含有し、該近赤外光重合開始剤(c)が近赤外光吸収性陽イオン染料である近赤外光硬化型パテ組成物」が提案されている(例えば、特許文献7参照)
特開平05−098197号公報 特開平06−025565号公報 特開平11−061036号公報 特開平11−256078号公報 特開平09−241533号公報 特開2001−316416号公報 特開平09−137089号公報
しかし、上記特許文献4〜7に記載された発明は全て1液型パテに関するものである
が、特許文献4の発明ではパテに紫外線を照射するために紫外線ランプが必要なうえ、オゾンなどの有害なガスが生じ、また漏れた紫外線で目や皮膚を傷めるおそれがある。
また、特許文献5の発明では可視光線に対する感光性の感度が乏しく、短時間でパテの硬化を行うことは困難であり、特許文献6の発明では厚膜硬化性が乏しく、例えば損傷箇所が3mm以上の深さのへこみであった場合、一度にパテ付けすると深部の硬化不良もしくは深部の硬化に長い時間がかかるため、数回に分けてパテ付けおよび硬化の作業を行う必要がある。
さらに、特許文献7の発明では可視光線よりもエネルギーの低い近赤外線を照射するために、短時間でパテの硬化を行うことは困難である。
この発明は上述の点に鑑みなされたもので、人体に安全な可視光線を照射することによって速やかに硬化すると同時に、優れた厚膜硬化性があり、密着性および研磨性も備えた可視光線硬化型パテ組成物を提供することを目的としている。
上記した課題を解決するために請求項1に記載のパテ組成物は、(A)分子内に少なく
とも一つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物33〜63質量部、(B)チタノセン化合物0.05〜5質量部、(C)チオキサントン類0.02〜2質量部および(D)アミン類0.02〜2質量部を混合した混合物に対して、(E)充填剤35〜65質量部を混合していることを特徴とする。なお、本発明のパテ組成物は(A)〜(E)の成分を合計すると100質量部になるように設定しているので、ここでは質量部=質量%と表すことができる。
パテ組成物のビヒクル(樹脂分)として、上記の(A)分子内に少なくとも一つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物は、光を照射することにより重合反応を起こし硬化するものであればよく、例えば(メタ)アクリルオリゴマー類や(メタ)アクリルモノマー類を用いる。このビヒクルにより、必要とする硬化物の物性が得られる。
光重合開始剤として、上記の(B)チタノセン化合物を用いる。チタノセン化合物は、約550nm付近までの可視光領域に吸収波長を有し、優れた重合開始効率を示すことから、可視光線を照射することによってパテ組成物を速やかに硬化させることができる。また、チタノセン化合物は、適度なモル吸光係数を有し、光吸収後に消色(橙色または黄色が透明になる)することから、優れた厚膜硬化性が得られる。
チタノセン化合物の増感剤として、上記の(C)チオキサントン類と(D)アミン類とを併用する。チオキサントン類は、水素引抜きタイプの紫外線硬化用光重合開始剤であり、通常水素供与性化合物であるアミン類と併用される。本発明者は、チタノセン化合物にチオキサントン類とアミン類を併用して使用することにより、チタノセン化合物を単独で用いたときよりも、可視光線に対する感光性の感度が向上することを見出した。これにより硬化速度が大幅に改善され、短時間の可視光線照射でも優れた厚膜硬化性、硬化物の物性が得られる。
上記の(E)充填剤は、体質顔料として、その粒子がリン片状であり、屈折率がパテ組成物に近くて光透過性を有するものが好ましく、カオリン、クレー、タルク、マイカなどを用いることが望ましい。それらのうちでも特にタルクが好ましく、分子内に少なくとも一つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(樹脂分)に混合して含有させる。この体質顔料により、乾燥性、易研磨性、接着性、低収縮性および平滑性を有する下地として所定の表面を形成する。
パテ組成物として適当な粘度を得るために、分子内に少なくとも一つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物が33〜63質量部、充填剤が35〜65質量部であることが好ましい。この範囲内であれば充填剤が充分に分散され、パテ組成物として良好な粘度が得られる。分子内に少なくとも一つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物が33質量部未満であれば、密着性、柔軟性および吸い込み性が低下する。一方、63質量部を超えると、研磨性、乾燥性および収縮性に劣るものとなる。
上記のチタノセン化合物は、0.05〜5質量部であることが好ましい。0.05質量部未満であれば、パテ組成物の硬化性が低下する一方、5質量部を超えると、硬化物の物性および保存安定性に劣るものとなる。
上記のチオキサントン類は、0.02〜2質量部であることが好ましい。0.02質量部未満であれば、パテ組成物の硬化性が低下する一方、2質量部(部)を超えると、硬化物の物性および保存安定性に劣るものとなる。
上記のアミン類は、0.02〜2質量部であることが好ましい。0.02質量部未満であれば、パテ組成物の硬化性が低下する。一方、2質量部を超えると、硬化物の物性および保存安定性に劣るものとなる。
請求項2に記載のパテ組成物は、上記の(C)チオキサントン類と(D)アミン類の合計:(B)チタノセン化合物の割合が、質量比で(10:90)〜(65:35)であることを特徴としている。つまり、チオキサントン類とアミン類との合計の割合が、質量比で10/100未満であれば、充分な増感作用が得られない。一方、質量比で65/100を超えると、かえって硬化性が低下する。
請求項3に記載のパテ組成物は、上記の(C)チオキサントン類:(D)アミン類の割合が、質量比で(30:70)〜(80:20)であることを特徴としている。アミン類の割合が、質量比で20/100未満であれば、充分な増感作用が得られない。一方、質量比で70/100を超えると、かえって硬化性が低下する。
請求項4に記載のパテ組成物は、上記の(D)アミン類が、脂肪族アミン類であることを特徴としている。通常チオキサントン類に併用されるアミン類としては、硬化性、臭気および保存安定性等の観点から、芳香族アミン類が用いられることが一般的であるが、チタノセン化合物にチオキサントン類と芳香族アミン類を併用した場合、保存安定性が劣る場合がある。そこで本発明においては、配合したパテ組成物の保存安定性の観点から、脂肪族アミン類を使用するのが好ましく、このようにすることで保存安定性を確保できる。
請求項5に記載のパテ組成物は、上記の(A)分子内に少なくとも一つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物33〜63質量部のうちに、(F)リン酸(メタ)アクリレート類を0.05〜5質量部を含有させていることを特徴としている。
本発明のパテ組成物が硬化する際には、分子内に少なくとも一つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である樹脂材が光重合開始剤の作用で重合反応を起こすが、当該重合反応に寄与してリン酸(メタ)アクリレートも重合体中に取り込まれ、当該重合体と一体に結合したリン酸基が形成される。このリン酸基は、素地の金属(補修対象物)に対して強固に結合し、硬化したパテ組成物と素地の金属との間の密着性が大きく向上する。また上記のリン酸(メタ)アクリレート類の含有量を0.05〜5質量部にしているが、これはリン酸(メタ)アクリレート類が0.05質量部未満であれば、金属に対する密着性を向上させる効果が得られない一方、5質量部を超えて多量に使用しても、それ以上の効果の増大は期待できないからである。
なお、本発明のパテ組成物では、必要に応じてさらに、脱泡剤、湿潤分散剤、重合禁止剤、タルク以外の体質顔料、着色顔料およびチクソ性付与剤などを適宜混合して含有させることもできる。
本発明のパテ組成物は上記のような構成からなるので、次のような優れた効果がある。
請求項1〜4に記載のパテ組成物は、光重合開始剤としてチタノセン化合物を用いることにより、人体に安全な可視光線で速やかに硬化させることができる。さらに、増感剤としてチオキサントン類と脂肪族アミン類を併用することにより、保存安定性を確保するこ
とができ、短時間の可視光線照射でも優れた厚膜硬化性、硬化物の物性が得られる。
請求項5に記載のパテ組成物は、リン酸(メタ)アクリレートを含有させたことにより、金属への密着性が向上する。
したがって、本発明のパテ組成物によれば、人体に安全な可視光線を短時間照射することによって速やかに硬化し、厚膜硬化性に優れ、密着性および研磨性も十分に具備する。
以下、本発明に係るパテ組成物について各実施の形態を説明する。
本発明のパテ組成物に用いられる分子内に少なくとも一つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物のうち、(メタ)アクリルオリゴマー類としては、アートレジン(根上工業(株)製)、アロニックス(東亞合成(株)製)、Uvithane((株)野村事務所製)、ウレタンアクリレート(共栄社化学(株)製)、NKオリゴ(新中村化学工業(株)製)、Ebecryl(ダイセルUCB(株)製)、KAYARAD(日本化薬(株)製)、紫光(日本合成化学工業(株)製)、ダイヤビーム(三菱レイヨン(株)製)、DICLITE(大日本インキ化学工業(株)製)、ビームセット(荒川化学工業(株)製)、ヒタロイド(日立化成工業(株)製)、フォトマー(サンノプコ(株)製)、Laromer(BASFジャパン(株)製)、リポキシ(昭和高分子(株)製)等の登録商標を付して市販されている(メタ)アクリルオリゴマー類の各商品が使用される。
上記(メタ)アクリルオリゴマー類は、単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
また、分子内に少なくとも一つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物のうち、(メタ)アクリルモノマー類としては、Actilane(AKCROS・CHEMICALS製)、アクリルエステル、ダイヤビーム(以上、三菱レイヨン(株)製)、アロニックス(東亞合成(株)製)、NKエステル(新中村化学工業(株)製)、Ebecryl(ダイセルUCB(株)製)、エポキシエステル、ライトアクリレート、ライトエステル(以上、共栄社化学(株)製)、KAYARAD(日本化薬(株)製)、機能性モノマー((株)日本触媒製)、CN、KS、SRシリーズ(以上、化薬サートマー(株)製)、単官能性モノマー((株)興人製)、デナコールアクリレート(ナガセ化成工業(株)製)、特殊アクリルモノマー、ビスコート(以上、大阪有機化学工業(株)製)、ニューフロンティア、ニューフロンティアNFバイソマー(以上、第一工業製薬(株)製)、ノプコマー、フォトマー(以上、サンノプコ(株)製)、ビームセット(荒川化学工業(株)製)、FANCRYL(日立化成工業(株)製)、PLACCEL(ダイセル化学工業(株)製)、ブレンマー(日本油脂(株)製)、メタクリル酸エステルモノマー(三菱ガス化学(株)製)、Laromer(BASFジャパン(株)製)、リポキシ(昭和高分子(株)製)LUMICURE(大日本インキ化学工業(株)製)等の登録商標を付して市販されている(メタ)アクリルモノマー類の各商品が使用される。
上記(メタ)アクリルモノマー類は、単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
さらに、(メタ)アクリルオリゴマー類と(メタ)アクリルモノマー類を混合して使用しても良い。
チタノセン化合物としては、IRGACURE(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)の登録商標を付して市販されているチタノセン化合物の商品が使用される。
チオキサントン類としては、KAYACURE(日本化薬(株)製)、Quantacure(シェル・ジャパン(株)製)SPEEDCURE(日本シイベルヘグナー(株)製)等の登録商標を付して市販されているチオキサントン類の商品が使用される。
上記チオキサントン類は、単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
アミン類のうち脂肪族アミン類としては、アミノアルコール(日本乳化剤(株)製)、アーミン、デュオミン、アーマイド、アーモスリップ、アーモワックス(以上、ライオン・
アクゾ(株)製)、ライトエステル(共栄社化学(株)製)等の登録商標を付して市販されている脂肪族アミン類の各商品の他、関東電化工業(株)、広栄化学工業(株)、昭和化学(株)、住友精化(株)、ダイセル化学工業(株)、東京化成工業(株)、東ソー(株)、日東化学工業(株)、日本触媒(株)、BASFジャパン(株)、三井化学(株)、三菱ガス化学(株)、三菱レイヨン(株)等で製造され市販されている脂肪族アミン類の商品が使用される。
上記の脂肪族アミン類は、単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
充填剤としてのタルクは、浅田製粉(株)、カミタルク(株)、関東タルク工業(株)、(株)勝光山鉱業所、山陽クレー鉱業(株)、ソブエクレー(株)、竹原化学工業(株)、太平タルク(株)、中央カオリン(株)、日本タルク(株)、林化成(株)、備北粉化工業(株)、富士タルク工業(株)、(株)福岡タルク工業所、松村産業(株)等で製造され市販されているタルクが使用される。
上記のタルクは、単独で使用しても良く、2種以上併用しても良い。
リン酸(メタ)アクリレート類としては、KAYAMER(日本化薬(株)製)、JPA(城北化学工業(株)製)、ニューフロンティア(第一工業製薬(株)製)、ビスコート(大阪有機化学工業(株)製)、ホスマー(ユニケミカル(株)製)、ライトアクリレート、ライトエステル(以上、共栄社化学(株)製)等の登録商標を付して市販されているリン酸(メタ)アクリレート類の各商品が使用される。
上記のリン酸(メタ)アクリレート類は、単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明のパテ組成物は1液型に調整している。調整した本パテ組成物は、通常、遮光性のプラスチック製や金属製のチューブなどの容器に充填して使用される。そして、チューブなどの容器から押し出した本パテ組成物を基材面や損傷部などに直接塗り付け、主としてヘラ付けなどの従来公知の方法で塗布するが、一度のヘラ付けでもタレを生じることなく、数mm以上塗布することができる。
本パテ組成物を塗布する基材面には、鉄、亜鉛、アルミ、ステンレス、マグネシウム合金などの金属面やその化学処理面、プラスチック、コンクリート、木、陶器、人工大理石などのほか、さらにこれらに塗装された旧塗膜面などが挙げられる。また、基材面が損傷部である場合には、その周囲までサンディングを行っておくことが望ましい。
続いて、ヘラ付けしたパテに対して光を照射することにより硬化させる。作業の安全のため、可視光線を用いることが好ましい。使用する光源としては、可視光領域の波長の光線を出す光源であれば良く、例えばキセノンランプ、クリプトンランプ、蛍光灯、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、発光ダイオード、メタルハライドランプ、レーザーなどが挙げられる。また、太陽光も光源として利用できる。照射条件は、ランプの種類や出力、パテ組成物の塗布厚に基づいて適宜選択し決定することができる。
本発明のパテ組成物を硬化させた後は、従来公知の方法で表面を平滑に研磨することにより、塗装下地が形成される。
次に、この塗装下地表面に必要に応じてプライマーサフェーサーを塗装しても良い。プライマーサフェーサーには、アルキド系、エポキシ系、ウレタン系、ラッカー系などの一般的に使用されているプライマーサフェーサーが特に制限なく使用できる。
上記の塗装下地表面、もしくはプライマーサフェーサー表面を必要に応じて研磨した面に仕上げ塗料(上塗り塗料)を塗装する。仕上げ塗料には、アクリルラッカー系、ウレタン系、フッ素系などの有機溶剤系、水系などの一般的に使用されている上塗り塗料が特に制限なく使用できる。
本発明のパテ組成物は、自動車ボディーやバンパー、プラスチック成形品、木工品、家庭用品、建築物などの補修塗装に有用である。
以下、本発明の可視光線硬化型パテ組成物の実施例について説明する。
本実施例のパテ組成物は、下記の原材料を攪拌混合することによって製造する(原材料
詳細は前述済み)。
Figure 2006063226
(実施例1) 下記の表2に示す配合により攪拌混合して、パテ組成物を調整した。
Figure 2006063226
上記パテ組成物を、試験板上に厚さ3mmになるようにヘラで塗布し、150Wのハロゲンランプを用いて、照射距離10cmにて1分間光照射して硬化させた。硬化したパテの表面をペーパーの番手を変えながら研磨したのち、車両補修用塗料を塗装することで、光沢に優れた仕上がりを得た。
なお、Ebecryl3700は、ダイセルUCB(株)の登録商標であり、ビスフェノールAタイプのエポキシアクリレートである。ニューフロンティアPHEは、第一工業製薬(株)の登録商標であり、フェノキシエチルアクリレートである。KAYAMER PM−21は、日本化薬(株)の登録商標であり、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレートである。IRGACURE784は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)の登録商標であり、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2
,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムである。QuantacureITXは、シェル・ジャパン(株)の登録商標であり、イソプロピルチオキサントンである。トリエタノールアミンは、(株)日本触媒製の脂肪族アミンである。NK−64は、富士タルク工業(株)製のタルクである。
(実施例2)
下記の表3に示す配合により攪拌混合して、パテ組成物を調整した。
Figure 2006063226
上記パテ組成物を、試験板上に厚さ3mmになるようにヘラで塗布し、150Wのキセノンランプを用いて、照射距離10cmにて1分間光照射して硬化させた。このパテの表面をペーパーの番手を変えながら研磨したのち、車両補修用塗料を塗装することで、光沢に優れた仕上がりを得た。
なお、Laromer LR8986は、BASFジャパン(株)の登録商標であり、芳香族エポキシアクリレートである。SPEEDCURE CTXは、日本シイベルヘグナー(株)の登録商標であり、2−クロロチオキサントンである。GE−710は、三菱ガス化学(株)の登録商標であり、メタクリル酸ジエチルアミノエチルである。Pタルクは、竹原化学工業(株)製のタルクである。
(実施例3)
実施例1のパテ組成物を遮光条件下において40℃で1週間保存後、実施例1と同様にして硬化させた。このパテの表面をペーパーの番手を変えながら研磨したのち、車両補修用塗料を塗装することで、光沢に優れた仕上がりを得た。
(比較例1)
下記の表4に示す配合により攪拌混合して、パテ組成物を調整した。
Figure 2006063226
上記パテ組成物を、試験板上に厚さ2mmになるようにヘラで塗布し、150Wのハロゲンランプを用いて、照射距離10cmにて3分間光照射して硬化させた。このパテの表面をペーパーの番手を変えながら研磨したが、ペーパーに目詰まりが生じ、スムーズな下地表面が得られなかった。また、車両補修用塗料を塗装すると、艶引けが生じ、良好な仕上がりが得られなかった。
(比較例2)
下記の表5に示す配合により攪拌混合して、パテ組成物を調整した。
Figure 2006063226
上記パテ組成物を、試験板上に厚さ1mmになるようにヘラで塗布し、150Wのハロゲンランプを用いて、照射距離10cmにて10分間光照射して硬化させた。このパテの表面をペーパーの番手を変えながら研磨したが、ペーパーに目詰まりが生じ、スムーズな下地表面が得られなかった。また、車両補修用塗料を塗装すると、艶引けが生じ、良好な仕上がりが得られなかった。
なお、IRGACURE819は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)の登録商標であり、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドである。
これらの実施例、比較例での各試験結果を表6に示す。
Figure 2006063226
(注)
硬化時間=指触により判定、光照射開始からパテ組成物の表面が硬くなるまでの時間である。
厚膜硬化性=各パテ組成物を試験板上に厚さ5mm以上になるようにヘラで塗布し、150Wのハロゲンランプを用いて、照射距離10cmにて1〜10分間光照射して得られた硬化物の未硬化部をアセトン溶剤で洗い流し、硬化部の膜厚を測定したときの膜厚である。
バーコル硬度=BARBER COLMAN社製No.935を使用し、パテ組成物の硬度を測定した。(一般に硬度50以上が必要である。)
研磨性=硬化したパテ組成物の表面をP240ペーパーで研磨し、ペーパーの目詰まりを観察した。
密着性=硬化したパテ組成物を試験板ごと中央位置で90度に折り曲げて、パテの密着度に基づき判定した。なお、◎=優、○=良、△=可、×=不可を示す。
塗装後仕上がり=上塗り塗料を塗装し、仕上がり状態を観察した。
上記のように、実施例1・2・3と比較例1・2とを対比すると、硬化時間については、比較例1では3分であり、比較例2では10分であるが、実施例1・2・3では1分と極めて短時間である。厚膜硬化性については、比較例1では2mm以下、比較例2では1mm以下であるが、実施例1・2・3では3mmと非常に優れている。密着性については、比較例1では可、比較例2では不可であったが、実施例2では良であり、実施例1・3では優である。研磨性については、比較例1・2ではペーパーのカラミが生じるが、実施例1・2・3では良好である。とくに実施例3では優れた保存安定性を示している。

Claims (5)

  1. (A)分子内に少なくとも一つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物33〜63
    質量部、(B)チタノセン化合物0.05〜5質量部、(C)チオキサントン類0.02
    〜2質量部および(D)アミン類0.02〜2質量部を混合した混合物に対して、(E)充填剤35〜65質量部を混合していることを特徴とする可視光線硬化型パテ組成物。
  2. 上記の(C)チオキサントン類と(D)アミン類の合計:(B)チタノセン化合物の割合が、質量比で(10:90)〜(65:35)であることを特徴とする請求項1に記載の可視光線硬化型パテ組成物。
  3. 上記の(C)チオキサントン類:(D)アミン類の割合が、質量比で
    (30:70)〜(80:20)であることを特徴とする請求項1または2に記載の可視光線硬化型パテ組成物。
  4. 上記の(D)アミン類が、脂肪族アミン類であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可視光線硬化型パテ組成物。
  5. 上記の(A)分子内に少なくとも一つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物33〜63質量部のうちに、(F)リン酸(メタ)アクリレート類を0.05〜5質量部を含有させていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可視光線硬化型パテ組成物。
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