JP2006062537A - サスペンション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】各輪毎にエアばねを備えたサスペンション装置において、1つの圧力センサで各輪毎の流体圧室のエア圧を正確に取得する。
【解決手段】各輪毎にエアばね10〜16が設けられる。また、これらエアばね10〜16に対応する個別制御バルブ130〜136とエア源装置80との間にシステム圧センサ110が1つ設けられる。個別制御バルブ130〜136の開状態において、エアばね10〜16の流体圧室56においてエアが流入・流出させられる状態においては、圧力損失によりシステムセンサ110によって検出された検出システム流体圧とエアばね10〜16の流体圧室の流体圧とは同じにならない。そこで、圧力損失と検出システム流体圧とに基づけば、エアが流れている状態であっても、個別流体圧を正確に取得することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、各輪毎に設けられた流体圧室の流体により車高を調整する車高調整装置を備えたサスペンション装置に関するものである。
特許文献1、特許文献2には、各輪毎に設けられた流体圧室の流体を利用して車高を調整する車高調整装置を備えたサスペンション装置が記載されている。
また、特許文献1には、車輪側部材と車体側部材との間に設けられた流体圧室の圧力に基づいて車輪に加わる荷重を推定することが記載されており、特許文献2には、車輪に加わる荷重に基づいて減衰装置の減衰力を制御することが記載されている。
特開2000−16047号公報 実開平7−27907号公報
本発明の課題は、車両に設けられた複数の車輪にそれぞれ対応して設けられた流体圧室における流体の流入・流出を制御して車高を調整する車高調整装置を備えたサスペンション装置において、1つの流体圧センサで、複数の車輪のそれぞれに対応して設けられた流体圧室の圧力を取得し得るようにすることである。
課題を解決するための手段および効果
請求項1に係るサスペンション装置は、(a)車両の複数の車輪のそれぞれに対応して、車体側部材と車輪側部材との間に設けられた流体圧室と、(b)それら複数の流体圧室に流体を供給可能な1つの流体圧供給装置と、低圧源と前記複数の流体圧室との間に共通に設けられた1つの流出バルブとを備えた1つの流体圧源装置を含み、前記複数の流体圧室に流体を流入・流出させることにより車高を調整する車高調整装置と、(c)前記1つの流体圧源装置と前記複数の流体圧室との間に設けられた1つの流体圧センサを含み、その1つの流体圧センサによる検出値である検出システム流体圧に基づいて前記複数の流体圧室各々の流体圧である個別流体圧を取得する個別流体圧取得装置と、(d)前記車高調整装置によって、前記複数の流体圧室のうちの少なくとも1つにおいて流体の流入と流出との少なくとも一方が行われており、かつ、前記流体圧取得装置によって、前記少なくとも1つの流体圧室の個別流体圧が取得される場合に、前記流体圧源装置と前記少なくとも1つの流体圧室との間の流体の流れに起因する圧力損失の個別流体圧への影響を低減させる圧力損失影響低減装置とを含むものである。
車両の複数の車輪の各々について、車輪側部材と車体側部材との間に流体圧室が設けられ、それら複数の流体圧室に共通に1つの流体圧源装置が設けられる。流体圧源装置は、車両全体において1つ設けられる場合と2つ以上設けられる場合とがあるが、いずれにしても、複数の流体圧室に対して1つ設けられる。
流体圧源装置は、少なくとも流体圧供給装置と流出バルブとを含むものであり、流体が液体である場合には、流体としての作動液を大気圧で収容する低圧源を含む。流体が気体である場合には、低圧源が大気である場合と低圧源としての低圧用タンクが設けられる場合とがある。大気である場合には、流出バルブが複数の流体圧室と大気との間に設けられた排気バルブに対応し、低圧タンクが設けられる場合には低圧タンクとの間に設けられた低圧タンク用バルブが該当する。いずれにしても流出バルブの制御により流体圧室から流体が流出させられる。
車高調整装置は、流体圧供給装置から少なくとも1つの流体圧室へ流体を供給したり、少なくとも1つの流体圧室から流出バルブを経て流体を流出させたりすることにより車高を調整する。複数の流体圧室すべてにおいて流体の流入あるいは流出が同時に行われる場合や、複数の流体圧室のうちの一部において行われる場合がある。流体の流入・流出が行われる対象の流体圧室の数は複数である場合と1つである場合とがあるのであり、個別流体圧が取得される流体圧室が複数の場合と1つの場合とがある。本項に記載のサスペンション装置においては、車高調整装置の制御対象である流体圧室の流体圧が個別流体圧取得装置によって取得される。
流体圧センサは、複数の流体圧室と1つの流体圧源装置との間に1つ設けられる。個別流体圧取得装置は、その流体圧センサによる検出値に基づいて少なくとも1つの流体圧室の流体圧である個別流体圧を取得する。流体圧センサと流体圧室とは隔たって設けられており、流体圧センサによる検出システム流体圧は流体圧室の個別流体圧と同じであるとは限らない。しかし、検出システム流体圧と個別流体圧とには予め知られている関係があり、この関係と、検出システム流体圧とに基づけば個別流体圧を取得することができる。例えば、検出システム流体圧と個別流体圧とは同じであるとしたり、検出システム流体圧に定数(1より大きい場合と、1より小さい場合とがある)を掛けた値あるいは定数(正の値の場合と負の値の場合とがある)を加えた値を個別流体圧としたり、予め決められた関数に検出システム流体圧を代入して演算して求められた値を個別流体圧としたりすることができる。
しかし、厳密には、検出システム流体圧と個別流体圧との関係はこれらの間を流れる流体の状態によって変わる。定常状態においては、圧力損失は非常に小さいか、無視し得る大きさであるが、流れている状態において、その流れの状態によっては圧力損失の個別流体圧への影響を無視することができない。そこで、流体が流れている場合において個別流体圧を取得する場合には、圧力損失影響低減装置によって、圧力損失の影響が低減させられるようにする。流体が流れている場合には、流体圧室から流体が流出させられる場合と、流体圧室に流体が流入させられる場合とがある。これらが同時に生じることはないが、個別流体圧は流体が流出させられている場合に取得しても、流入させられている場合に取得してもよい。以上のように、圧力損失の個別流体圧への影響を低減させれば、車高調整中の流体が流れている状態であっても、個別流体圧取得装置によって個別流体圧を正確に取得することが可能となる。
圧力損失影響低減装置は、圧力損失の個別流体圧への影響の程度、または、圧力損失の大きさ(圧力損失量等で表すことができる)等を取得する圧力損失取得装置を含むものとすることが望ましい。
また、圧力損失影響低減装置は、流れが生じている状態で個別流体圧を取得する場合に、常に、圧力損失の影響を低減するものとしても、圧力損失の影響が大きい場合に低減するものとしてもよい。
さらに、圧力損失影響低減装置は、個別流体圧取得装置に含まれるものであっても、個別流体圧取得装置とは別個に設けられるものであってもよい。
また、流体は、気体であっても液体であってもよい。気体としてのエアが利用されることが多い。
請求項11に係るサスペンション装置は、(a)車両の複数の車輪のそれぞれに対応して、車体側部材と車輪側部材との間に設けられた流体圧室と、(b)それら複数の流体圧室に流体を供給可能な1つの流体圧供給装置と、低圧源と前記複数の流体圧室との間に共通に設けられた1つの流出バルブとを備えた1つの流体圧源装置を含み、前記複数の流体圧室に流体を流入・流出させることにより車高を調整する車高調整装置と、(c)前記1つの流体圧源装置と前記複数の流体圧室との間に設けられた1つの流体圧センサと、(d)その流体圧センサによって検出された検出システム圧と、前記流体圧源装置と前記複数の流体圧室のうちの少なくとも1つとの間の流体の流れに起因する圧力損失とに基づいて、前記少なくとも1つの流体圧室の流体圧である個別流体圧を取得する個別流体圧取得装置とを含むものである。
本項に記載のサスペンション装置において、流体の流れが生じている状態で個別流体圧を取得する場合には、個別流体圧取得装置によって、流体圧センサによって検出された検出システム流体圧と流体の流れに起因する圧力損失とに基づいて個別流体圧が取得される。流体は、流体圧室から流出させられる場合と流入させられる場合とがある。
検出システム流体圧が同じであっても、圧力損失の程度が大きい場合は小さい場合より個別流体圧と検出システム流体圧との差が大きくなる。したがって、検出システム流体圧と圧力損失の程度とに基づいて個別流体圧を取得することは妥当なことである。
特許請求可能な発明
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
以下の各項のうち、(1)項が請求項1に対応し、(2)項、(4)項、(5)項が請求項2〜4に対応し、(7)項、(8)項が請求項5,6に対応し、(10)項〜(12)項が請求項7〜9に対応し、(17)項、(18)項が請求項10,11に対応する。
(1)車両の複数の車輪のそれぞれに対応して、車体側部材と車輪側部材との間に設けられた流体圧室と、
それら複数の流体圧室に流体を供給可能な1つの流体圧供給装置と、低圧源と前記複数の流体圧室との間に共通に設けられた1つの流出バルブとを備えた1つの流体圧源装置を含み、前記複数の流体圧室に流体を流入・流出させることにより車高を調整する車高調整装置と、
前記1つの流体圧源装置と前記複数の流体圧室との間に設けられた1つの流体圧センサを含み、その1つの流体圧センサによる検出値である検出システム流体圧に基づいて前記複数の流体圧室各々の流体圧である個別流体圧を取得する個別流体圧取得装置と、
前記車高調整装置によって、前記複数の流体圧室のうちの少なくとも1つにおいて流体の流入と流出との少なくとも一方が行われており、かつ、前記流体圧取得装置によって、前記少なくとも1つの流体圧室の個別流体圧が取得される場合に、前記流体圧源装置と前記少なくとも1つの流体圧室との間の流体の流れに起因する圧力損失の個別流体圧への影響を低減させる圧力損失影響低減装置と
を含むことを特徴とするサスペンション装置。
(2)前記圧力損失影響低減装置が、前記流体圧源装置と前記少なくとも1つの流体圧室との間を流れる流体の流量に応じて、前記個別流体圧取得装置によって前記検出システム流体圧に基づいて取得された個別流体圧を補正する流量対応補正部を含む(1)項に記載のサスペンション装置。
本サスペンション装置においては、個別流体圧取得装置によって検出システム流体圧に基づいて個別流体圧が取得され、その取得された個別流体圧が圧力損失の程度に応じて補正される。
例えば、流体通路を流れる流体の流量が大きい場合は小さい場合より圧力損失の程度が大きくなるため、補正量を大きくすることができる。
一方、流体通路の形状が決まっている場合には、流速が大きい場合は小さい場合より流量が大きくなり、圧力損失が大きくなる。したがって、流量対応補正部は、流速対応補正部と称することもできる。
(3)前記圧力損失影響低減装置は、前記圧力損失の程度を取得する圧力損失程度取得装置を含む(1)項または(2)項に記載のサスペンション装置。
圧力損失程度取得装置は、圧力損失の程度を流体圧源装置と流体圧室との間を流れる流体の状態に基づいて取得する装置である。これらの間を流れる流体の流量あるいは流速を実際に取得する流量検出装置を含むものとしたり、流体圧源装置の状態、車高調整装置による車高の調整状態、流体圧源装置と複数の流体圧室各々とを接続する接続通路の形状(例えば、流体通路の内径、長さ、曲がっているかどうか、曲がっている場合の形状等で表すことができる)等のうちの1つ以上に基づいて推定する圧力損失推定装置を含むものとしたりすることができる。圧力損失程度取得装置は、例えば、圧力損失量(圧力低下量)を取得するものとすることができる。
この場合において、流体圧源装置と複数の流体圧室各々とを接続する接続通路の形状は、同じであるとは限らない。そのため、流体圧源装置の状態が同じであっても、流体圧室各々における圧力損失の影響の程度も同じであるとは限らない。したがって、補正量を、複数の流体圧室の各々に対応して、互いに異なる大きさとすることができる。このようにすれば、個別流体圧をより正確に取得することができるが、同じ値にすることもできる。接続通路の形状の相異より、流体の流れ状態の相異の方が影響が大きい場合が多いからである。
(4)前記圧力損失影響低減装置が、前記圧力損失の個別流体圧への影響が設定程度より小さい場合には前記個別流体圧を補正しないで、前記設定程度以上である場合に補正する限定的補正部を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
圧力損失の影響が設定程度より低い場合は補正をする必要性は低いが、影響が設定程度以上である場合は補正をする必要性が高い。
影響が設定程度以上である場合は、例えば、流量が設定量以上であると取得される場合、圧力低下量が設定量以上であると取得される場合等が該当する。
(5)前記圧力損失影響低減装置が、前記圧力損失の影響が設定程度以上である場合に、前記流体圧取得装置によって前記個別流体圧が取得されないようにする手段を含む(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
圧力損失の影響が大きい場合に個別流体圧が取得されないようにすれば、真の値から大きく隔たった値が取得されることを回避することができる。
それに対して、圧力損失の影響が大きい場合は取得された個別流体圧が利用されないようにすることができる。後述するように、取得された個別流体圧は異常の有無の検出やショックアブソーバの減衰特性の制御に利用されるが、これらに利用されないようにするのである。
なお、個別流体圧が取得されないことには、検出システム流体圧が取得されないこと、検出システム流体圧は取得されるが、検出システム流体圧に基づいて個別流体圧が取得されないこと等が該当する。
(6)前記圧力損失影響低減装置が、前記車高調整装置の作動状態に基づいて前記個別流体圧を補正する車高調整装置対応補正部を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
(7)前記圧力損失影響低減装置が、前記車高調整装置によって制御される対象の流体圧室の数に応じて前記個別流体圧を補正する制御対象輪数対応補正部を含む(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
1つの流体圧源装置に複数の流体圧室が接続される場合において、制御対象の流体圧室の個数が多い場合は小さい場合より流速が大きくなるため、流体通路を流れる流量が大きくなり、圧力損失の個別流体圧への影響が大きくなる。制御対象輪の個数に応じて圧力損失の程度が異なるのであり、制御対象である流体圧室の個数に応じて個別流体圧を補正することは妥当なことである。
(8)前記車高調整装置が、前記流体圧源装置と前記複数の流体圧室の1つ以上との間にそれぞれ設けられた複数の個別制御バルブを含み、前記圧力損失影響低減装置が、前記複数の個別制御バルブの作動状態に基づいて前記個別流体圧を補正する車高調整状態対応補正部を含む(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
個別制御バルブが閉状態にある場合には、その個別制御バルブに対応する流体圧室の圧力は保持される。個別制御バルブの開状態において、個別制御バルブに対応する流体圧室が流体圧源装置と連通させられ、流体圧室に流体が流入させられたり、流出させられたりする。
複数の個別制御バルブの各々は車高調整装置によって制御され、それによって、流体圧室各々における流体の流入・流出が制御されて車高が調整される。個別制御バルブは、複数の流体圧室のうちの1つ以上に対応して設けられる。複数の流体圧室各々に対応して専用に設けられる場合と、2つ以上の流体圧室に共通に設けられる場合とがある。複数の流体圧室各々に対応して専用に設けられる場合には、開状態にある個別制御バルブの数と制御対象輪の数とは対応する。個別制御バルブは、例えば、ソレノイドへの供給電流の制御により開閉させられる電磁制御弁とすることができる。その場合、電磁制御弁は、供給電流のON・OFFにより開閉させられる電磁開閉弁としたり、供給電流の連続的な制御により開度が連続的に変わる電磁リニア弁としたりすることができる。
(9)前記圧力損失影響低減装置が、前記流体圧源装置の作動状態に基づいて前記個別流体圧を補正する流体圧源装置状態対応補正部を含む(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
流体圧源装置において、流体圧供給装置から流体が吐出される場合には、流体圧室に流体が流入させられる。流体圧源装置において、流出バルブが流体の低圧源への流出を許容する状態にある場合には、流体圧室から流体が流出させられる。流体圧源装置の作動状態に基づけば、例えば、流体圧室に流体が流入されられる状態にあるか流体が流出させられる状態にあるかがわかる。
(10)前記圧力損失影響低減装置が、前記車高調整装置によって、前記少なくとも1つの流体圧室に流体が流入させられる場合と流体が流出させられる場合とで、異なる態様で前記個別流体圧を補正する流入・流出対応補正部を含む(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
流体圧室に流体が供給される場合においては、圧力損失の程度が、流体圧供給装置と流体圧室との差圧、流体圧供給装置から供給される流体の流量等で決まる。流体圧室から流量が流出させられる場合には、低圧源の圧力と流体圧室の圧力との差圧で決まる。流体がエアである場合には、低圧源は大気である。
したがって、1つの流体圧室において、流体が流入させられる場合と流体が流出させられる場合とで、流量が異なることになる。通常、流体圧室の流体圧と大気圧との差は、流体圧室の流体圧と流体圧供給装置の圧力との差より大きいため、流体が流出させられる場合の方が流量が大きくなる。
(11)当該サスペンション装置が、前記複数の流体圧室の各々と並列に、前記車輪側部材と車体側部材との間に設けられた複数の減衰装置を含み、前記圧力損失影響低減装置が、前記少なくとも1つの流体圧室に対応して設けられた減衰装置における減衰特性に応じて前記個別流体圧を補正する減衰力対応補正部を含む(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
減衰装置の減衰特性を表す減衰係数が大きい場合は小さい場合より、減衰装置における車輪側部材と車体側部材との間の上下方向の相対移動が抑制される。そのため、流体圧室において流体の流入・流出流量が小さくなり、流体圧源装置と流体圧室との間を流れる流体の流量が小さくなる。
(12)前記圧力損失影響低減装置が、前記流体圧供給装置の流体圧と供給流量との少なくとも一方に基づいて前記個別流体圧を補正する供給装置状態対応補正部を含む(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
流体の供給先の流体圧室の圧力が同じである場合において、流体圧供給装置の流体圧が高い場合は低い場合より流れる流体の流量が大きくなる。
また、流体圧室の流体圧がおよそ決まっている場合には、流体圧室の流体圧の大小に関係なく、流体圧供給装置の流体圧が高い場合は低い場合より流れる流体の流量が大きいと考えることができる。
さらに、流体圧供給装置の供給流量が大きい場合は小さい場合より流量が大きくなる。したがって、流体圧供給装置の流体圧と供給流量との少なくとも一方に基づけば、流体通路を流れる流体の流量を取得することができる。そのため、流体圧供給装置の流体圧と供給流量との少なくとも一方に基づいて個別流体圧を補正することは妥当なことである。
(13)前記流体圧供給装置が、(a)流体を加圧して吐出するポンプと、(b)そのポンプを駆動するポンプモータと、(c)そのポンプモータに電力を供給する電源とを含み、前記圧力損失影響低減装置が、(d)前記電源の電圧を検出する電源電圧検出装置と、(e)その電源電圧が設定電圧より低い場合は高い場合より供給流量が小さいとする電圧対応流量取得部とを含む(12)項に記載のサスペンション装置。
ポンプモータの電源電圧が設定電圧以下に下がると、ポンプからの吐出流量が小さくなる。そのため、設定電圧以下に下がった場合には、そのことを考慮することが望ましい。
(14)前記流体圧供給装置が、流体を加圧された状態で蓄える高圧タンクを含み、前記圧力損失影響低減装置が、(a)前記高圧タンクの圧力を検出するタンク圧検出装置と、(b)そのタンク圧検出装置による検出圧力に基づいて前記流量を推定するタンク圧対応流量推定部とを含む(12)項または(13)項に記載のサスペンション装置。
タンク圧検出装置は、流体圧センサを利用することができる。高圧タンクには、ポンプから吐出された流体が車高調整が行われる以前に予め供給されて加圧された状態で蓄えられることが多い。
(15)前記圧力損失影響低減装置が、前記個別流体圧を補正する際の補正値を決定する補正値決定部を含む(2)ないし(14)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
例えば、補正値は、圧力損失の影響の程度が大きい場合は小さい場合より大きい値とすることができる。
(16)前記個別流体圧取得装置が、前記検出システム流体圧と前記個別流体圧との間の関係と、前記検出システム流体圧とに基づいて前記個別流体圧を取得する関係対応個別流体圧取得部を含み、前記圧力損失影響低減装置が、前記流体圧源装置と前記少なくとも1つの流体圧室との間を流れる流体の流量に応じて、前記関係を補正する流量対応関係補正部を含む(1)項に記載のサスペンション装置。
検出システム流体圧と個別流体圧との間の関係と検出システム流体圧とに基づいて個別流体圧が取得される場合には、圧力損失の程度に応じて関係を補正することによって、個別流体圧への圧力損失の影響を低減することができる。また、圧力損失の影響に基づいて個別流体圧の補正と、上述の関係の補正との両方が行われるようにすることもできる。
本項に記載のサスペンション装置には、(2)項ないし(15)項に記載の技術的特徴を採用することができる。検出システム流体圧と個別流体圧との関係は、例えば、流量に応じて補正したり、車高調整装置の作動状態に基づいて補正したり、車高調整の対象の車輪の数に基づいて補正したりすることができるのである。
(17)前記圧力損失影響低減装置が、前記圧力損失の影響が設定レベル以下になるように、前記流体圧供給装置と前記少なくとも1つの流体圧室との間を流れる流体の流量を低減させる流量低減装置を含む(1)項ないし(16)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
流体圧供給装置が、流体圧や吐出流量を制御可能なものである場合には、流体圧供給装置の流体圧を低くしたり、流量を小さくしたりすることができ、それによって、流体通路を流れる流体の流量を小さくすることができ、圧力損失の影響を小さくすることができる。
また、流体圧供給装置が、ポンプと高圧タンクとの両方を含む場合には、車高調整が行われる場合には、流体圧室にポンプと高圧タンクとの両方を連通させて、個別流体圧を取得する場合には、ポンプと高圧タンクとのいずれか一方が連通させられるようにすることができる。このようにすれば、コンプレッサと高圧タンクとの両方が連通させられる場合に比較して、流量を小さくすることができ、圧力損失の程度を小さくすることができる。
(18)車両の複数の車輪のそれぞれに対応して、車体側部材と車輪側部材との間に設けられた流体圧室と、
それら複数の流体圧室に流体を供給可能な1つの流体圧供給装置と、低圧源と前記複数の流体圧室との間に共通に設けられた1つの流出バルブとを備えた1つの流体圧源装置を含み、前記複数の流体圧室に流体を流入・流出させることにより車高を調整する車高調整装置と、
前記1つの流体圧源装置と前記複数の流体圧室との間に設けられた1つの流体圧センサと、
その流体圧センサによって検出された検出システム圧と、前記流体圧源装置と前記複数の流体圧室のうちの少なくとも1つとの間の流体の流れに起因する圧力損失とに基づいて、前記少なくとも1つの流体圧室の流体圧である個別流体圧を取得する個別流体圧取得装置と
を含むことを特徴とするサスペンション装置。
本項に記載のサスペンション装置には、(1)項ないし(17)項のいずれかに記載の技術的特徴とを採用することができる。
例えば、本項に記載のサスペンション装置において、個別流体圧は、検出システム流体圧と圧力損失とに基づいて取得されるのであり、検出システム流体圧と、流体通路を流れる流体の流量とに基づいて取得したり、流体圧源装置の作動状態とに基づいて取得したり、車高調整装置による車高調整状態とに基づいて取得したりすることができる。また、検出システム流体圧と、(流量、流体圧源装置の作動状態、車高調整状態のうちの2つ以上と)に基づいて取得することもできる。
(19)車両の複数の車輪のそれぞれに対応して、車体側部材と車輪側部材との間に設けられた流体圧室と、
それら複数の流体圧室に流体を供給可能な1つの流体圧供給装置と、低圧源と前記複数の流体圧室との間に共通に設けられた1つの流出バルブとを備えた1つの流体圧源装置を含み、前記複数の流体圧室に流体を流入・流出させることにより車高を調整する車高調整装置と、
前記1つの流体圧源装置と前記複数の流体圧室との間に設けられた1つの流体圧センサを含み、その1つの流体圧センサによる検出値である検出システム流体圧に基づいて前記複数の流体圧室各々の流体圧である個別流体圧を取得する個別流体圧取得装置と
を含むことを特徴とするサスペンション装置。
1つの流体圧センサによる検出システム流体圧に基づいて個別流体圧各々が取得されれば、圧力センサを流体圧室毎に設ける必要がなくなり、その分、コストダウンを図ることができる。
本項に記載のサスペンション装置には、(1)項ないし(18)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(20)当該サスペンション装置が、前記複数の流体圧室の各々と並列に、前記車輪側部材と車体側部材との間に設けられた複数の減衰装置と、それら複数の減衰装置の減衰特性を、それぞれ、その減衰装置に対応する流体圧室の流体圧に基づいて個別に制御可能な減衰特性制御装置とを含む(1)項ないし(19)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
減衰特性制御装置は、流体圧に基づいてその車輪に加わる荷重(車両のばね上質量に対応)を取得する荷重取得装置を含み、荷重に基づいて減衰特性を制御するものとすることができる。荷重は、流体圧に受圧面積を掛けた値とすることができる。
(21)当該サスペンション装置が、前記複数の流体圧室の流体圧に基づいて異常を検出する異常検出装置を含む(1)項ないし(20)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
流体圧室の流体圧に基づけば、例えば、流体漏れの有無を検出することができる。
流体漏れは、車高の変化によっても検出することは可能であるが、その場合には、路面入力によるか否かを区別することが困難である。それに対して、個別流体圧に基づけば、流体漏れが生じたことを正確に取得することができる。
以下、本発明の一実施例であるサスペンション装置について図面に基づいて詳細に説明する。
図1において、符号10〜16は、車両に設けられた左右前後の車輪の各々に対応して、車輪側部材20と車体側部材22との間に設けられたエアばねを示す。本実施例においては、流体としてエアが利用される。
各車輪に対応して、エアばね10〜16と並列に減衰装置としてのショックアブソーバ30〜36が設けられる。ショックアブソーバ30〜36は、シリンダ本体38が車輪側部材20に連結され、ピストンロッド40が車体側部材22に連結される。本実施例においては、エアばね10〜16とショックアブソーバ30〜36とが同軸状に設けられる。
エアばね10〜16は、それぞれ、車体側部材22に固定されたチャンバ50と、チャンバ50に固定されたダイヤフラム52と、ショックアブソーバ30〜36のシリンダ本体と上下方向に相対移動不能に設けられたエアピストン54とを含み、これらによって流体圧室56が形成される。
車輪側部材20と車体側部材22との間の上下方向の相対移動に伴ってエアピストン54がチャンバ50に対して相対移動させられる。上下ストロークが変化しても受圧面積が一定である場合には、加えられる荷重が大きくなる(エアばね10〜16によって支持される荷重が大きくなる)と、流体圧が高くなる。
また、流体圧室56に存在する流体の量が多い場合は少ない場合により、流体圧、温度等が同じ場合に、流体圧室56の容積が大きくなり、その車輪について、車体側部材20と車輪側部材22との間の距離が大きくなり、車高が高くなる。エアばね10〜16においては、流体圧室56の容積が横方向に増加することが抑制されているため(ローリングガイドに沿って変形させられるため)、エアを供給することにより、ショックアブソーバ30〜36が伸長させられ、車輪側部材20と車体側部材22との間の距離が大きくなるのである。
ショックアブソーバ30〜36の各々は、減衰特性が調整可能なものであり、減衰特性の制御により車輪側部材20と車体側部材22との相対移動速度が同じである場合の減衰力を制御することができる。減衰力の制御についてはよく知られているため説明を省略するが、減衰特性制御用モータ60の制御により、ショックアブソーバのピストンに設けられた連通路の流路面積を制御し、減衰特性を制御する。流路面積が大きい場合は小さい場合より減衰特性がソフトとなり、移動速度が同じである場合の減衰力が小さくなる。減衰特性がソフトの場合はハードの場合より、減衰係数が小さくなる。
エアばね10〜16の流体圧室56は、それぞれ、個別流路70〜76および共通通路78を介してエア源装置80に接続される。
エア源装置80は、エア供給装置82と流出バルブとしての排気バルブ84とを含む。
エア供給装置82は、コンプレッサ90,高圧タンク92等を含む。コンプレッサ90は、ポンプ100,ポンプモータ102,吐出弁104および吸入弁106等を含み、ポンプモータ102の作動によりフィルタ108,吸入弁106を経て大気からエアを吸入し、加圧して、吐出弁104を介して吐出する。本実施例においては、高圧タンク92にコンプレッサ90から吐出されたエアが蓄えられる。高圧タンク92に蓄えられたエアの圧力が設定範囲内にあるようにポンプモータ102が制御される。高圧タンク92のエア圧は、流体圧センサとしてのシステム圧センサ110によって検出される。
高圧タンク92と共通通路78との間には、高圧タンクバルブ112が設けられる。高圧タンクバルブ112はソレノイドへの供給電流の制御により開閉可能な常閉弁である。
共通通路78には、ドライヤ120および流通制限装置122等が設けられる。流通制限装置122は、互いに並列に設けられた絞り126とリリーフ弁128とを含む。リリーフ弁128は、エアばね側からコンプレッサ側へのエアの流れを阻止するが、コンプレッサ側の圧力がエアばね側より設定圧以上高くなるとコンプレッサ側からエアばね側へのエアの流れを許容する。また、絞り126により、共通通路78におけるエアの流れが抑制される。
排気バルブ84は、共通通路78のドライヤ120とコンプレッサ90との間に設けられる。エアばね10〜16の流体圧室56から流出させられたエアは、排気バルブ84を経て大気に放出される。流体圧室56から流出させられたエアは絞り126,排気バルブ84を経て大気に放出されるようにされており、流体圧室56の圧力の急激な低下が抑制される。排気バルブ84は、ソレノイドへの供給電流の制御により開閉させられる常閉弁である。なお、流体圧室56から流出させられたエアは、ドライヤ120を経て大気へ排出されるため、その場合に、ドライヤ内の水分を放出することができる。
個別通路70〜76には、それぞれ、個別制御バルブ130〜136が設けられる。個別制御バルブ130〜136はソレノイドへの供給電流の制御により開閉させられる常閉弁であり、個別制御バルブ130〜136の開閉制御により、エアばね10〜16の各流体圧室56におけるエアの流入・流出が個別に制御可能とされる。
本実施例においては、左右後輪に対応して設けられた個別制御バルブ134,136は共通に開閉制御されるのであり、左右後輪の車高は共通に制御される。図1に示すように、左右前輪に対応する個別制御バルブ130,132をフロント制御バルブと称し、左右後輪に対応する個別制御バルブ134,136をリヤ制御バルブと称する。
以上のように、共通通路78には、コンプレッサ90,排気バルブ84,ドライヤ120,流通制限装置122,高圧タンク92が直列に設けられ、エア源装置80の高圧タンク側に流体圧室10〜16が接続される。そして、エア源装置80の高圧タンク側とエアばね10〜16(個別制御バルブ130〜136)との間にシステム圧センサ110が設けられるが、システム圧センサ110は高圧タンク92の近傍に位置することになり、高圧タンクに蓄えられたエアの圧力(以下、タンク圧と称する)を検出するのに適している。また、個別制御バルブ130〜136のいずれかが開状態にある場合には、その開状態にある流体圧室56の流体圧を検出することができるため、個別流体圧センサとして利用することも可能である。
本サスペンション装置には、サスペンションECU200が設けられる。サスペンションECU200は、実行部202,記憶部204,入出力部206等を含むコンピュータを主体とするものである。入出力部206には、システム圧センサ110,車高センサ210〜216、電源電圧検出装置222、イグニッションスイッチ224、車高調整モード選択スイッチ226、車両の走行速度を検出する車速センサ228等が接続されるとともに、高圧タンクバルブ112,排気バルブ84,個別制御バルブ130〜136の各ソレノイド、ポンプモータ102,減衰特性制御モータ60等が図示しない駆動回路を介して接続される。車高センサ210〜216は、各車輪毎に設けられ、その車輪に対応する位置の車輪側部材22と車体側部材20との間の上下方向の距離の変化量(上下ストロークと称することができる)を検出するものである。標準車高と変化量とに基づき、車高、すなわち、車体側部材20の車輪側部材22に対する上下方向の相対高さが検出される。電源電圧検出装置222は、ポンプモータ102に接続された図示しない電源の電圧を検出するものである。車高調整モード選択スイッチ226は、運転者によって操作されるスイッチで、車高調整のパターンを選択する場合に操作される。また、記憶部204には、図2のフローチャートで表される減衰特性制御プログラム、図3のフローチャートで表される異常検出プログラム、図4のフローチャートで表される車高調整プログラム、図5のフローチャートで表される個別流体圧取得プログラム等が格納される。
本実施例においては、各輪毎のショックアブソーバ30〜36の減衰特性が、その車輪に加わる荷重に基づいて制御される。
図2のフローチャートで表される減衰特性制御プログラムは、予め定められた設定時間毎に、各輪毎に実行される。ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、制御対象輪のエアばねの流体圧室56の圧力が取得され、S2において、流体圧室56の圧力に基づいて荷重が取得される。そして、S3において、荷重に基づいて減衰特性が制御される。本実施例においては、荷重に基づいて段数(減衰特性の程度)が決定され、それに応じて減衰特性制御用モータ60が制御される。荷重は、流体圧室56の圧力に受圧面積を掛けた大きさとして求められる。
また、イグニッションスイッチ224がOFF状態からON状態に切り換わって最初に車高調整が行われた場合等に異常検出プログラムが実行される。S11において、各輪のエアばね10〜16の流体圧室56の圧力が取得され、S12において、圧力が設定圧以下であるか否かが判定される。設定圧以下である場合には、S13においてエア漏れ等の異常があるとされ、設定圧より大きい場合にはS14においてエア漏れ等の異常がないとされる。本実施例においては、4つのエアばね10〜16の流体圧室56のうちの少なくとも1つの圧力が設定圧以下である場合には、エア漏れ異常であるとされる。
なお、異常検出プログラムは車高調整が開始される毎に実行されるようにしたり、個別流体圧が取得される毎に、あるいは、各輪毎に実行されるようにしたりすることができる。
車高調整は、図4のフローチャートで表される車高調整プログラムの実行に従って行われる。車高調整プログラムは予め定められた設定時間毎に、各輪毎に、予め決められた順番で実行される。
S21において、制御対象車輪の実際の車高が読み込まれるとともに、選択された車高調整モード、車速等が読み込まれる。S22、23において、車高調整モード、車速等に基づいて目標車高が取得され、目標車高と実際の車高との偏差に基づき、流入要求があるか否か、流出要求があるか否かが判定される。
実際の車高が目標車高に対して不足しており、エアを供給する必要がある場合には、エア供給装置82から制御対象輪に対応する流体圧室56へエアが供給される。S22における判定がYESとなり、S24において、コンプレッサ90が作動させられ、高圧タンクバルブ112が開状態とされ、排気バルブ84が閉状態とされる。また、S25において、制御対象車輪に対応する個別制御バルブが、設定時間の間開状態とされた後、閉状態とされる。高圧タンク92に蓄えられたエアが利用されるため、速やかに実際の車高を目標車高に近づけることができる。
実際の車高が目標車高に対して高すぎる場合は、エアを流出させる要求があるのであり、S23の判定がYESとなり、制御対象車輪の流体圧室56からエアが流出させられる。S26において、コンプレッサ90の作動が停止させられ、高圧タンクバルブ112が閉状態に切り換えられる一方、排気バルブ84が開状態とされる。制御対象輪に対応する個別制御バルブは、S27において、設定時間の間開状態に保たれた後閉状態とされる。それによって、流体圧室56からエアが大気に排気されて、車体側部材20と車輪側部材22との間の上下方向の距離が小さくなり、車高が低くなる。
流入要求も流出要求もない場合には、S28において、個別制御バルブが閉状態とされる。それによって流体圧室56のエア圧が保持される。なお、全ての車輪について、流入要求も流出要求もなくなった場合には、コンプレッサ90が停止させられ、排気バルブ84,高圧タンクバルブ112が閉状態とされる。
本実施例においては、前述のように、車高調整プログラムが、各輪毎に順番に実行されるのであり、個別制御バルブ130〜136が順番に開閉させられる。また、車輪毎に、1回の車高調整プログラムの実行において、実際の車高が目標車高に達するまで制御対象輪の個別制御バルブが開状態に保たれるのではなく、設定時間ずつ開状態に保たれる。車輪毎に目標車高に達するまでエアが供給されるようにすると、連れ上がりが生じることがある。すなわち、左右輪のうちの一方の車高が高くなると、他方の車輪の車高がエアを供給しなくても高くなる。それに対して、各輪の車高を順番に徐々に高くすれば、連れ上がりが生じることを回避することができる。
設定時間は、個別制御バルブの1回の制御における車高調整量が同じになる時間とされる。そのため、後輪の個別制御バルブ134.136の開時間は、個別制御バルブ130,132の開時間より長くされる。また、車高調整量は、目標車高と実車高との差に基づいて決まる値としたり、予め定められた設定量としたりすることができる。また、設定時間は、個別制御バルブ130〜136について同じ長さとすることもできる。いずれにしても、個別制御バルブの複数回ずつの開閉制御によって目標車高に達するように決められる。なお、制御対象輪の順番は、上述のように、予め定められた順番とすることができるが、目標車高からの差の絶対値が大きい車輪から順番とすることもできる。
図20〜22には、4輪すべてについて車高を高くする要求がある場合について、個別制御バルブ130〜136が開閉制御される状態を示す。本実施例においては、制御対象輪が、左右後輪、右前輪、左前輪の順に決定され、これに応じて個別制御バルブ134,136の開閉制御、個別制御バルブ132の開閉制御、個別制御バルブ130の開閉制御の順で行われる。左右後輪については、車高が同時に調整されるため、個別制御バルブ134,136が開状態に保たれる時間TDOが個別制御バルブ130,132が開状態に保たれる時間TDO′より長くなる(TDO>TDO′)。
エアばね10〜16の各流体圧室56の流体圧である個別流体圧の取得について説明する。
図5のフローチャートで表される個別流体圧取得プログラムは、予め定められた設定時間毎に実行されるが、個別流体圧取得プログラムの実行に従って取得された個別流体圧は、減衰特性制御プログラムのS1,異常検出プログラムのS11において読み込まれる。
S41において、個別流体圧を取得する際の補正値X,Yが決定され、S42において、車高調整中であるか否かが判定される。本実施例においては、個別流体圧が車高調整中に取得される。
S43において、開状態にある個別制御バルブ130〜136があるか否かが判定される。すべての個別制御バルブ130〜136が閉状態にある場合には、個別流体圧が取得されることはない。
個別制御バルブ130〜136のうち少なくとも1つが開状態である場合には、S44、45において、流出中であるか流入中であるかが判定される。排気バルブ84が開状態にあるか否か、コンプレッサ90が作動中であるか停止中であるかが判定されるのである。
コンプレッサ90が作動状態にあり、流体圧室56にエアが流入させられる場合には、S46において、システム圧センサ110による検出値(検出システム流体圧と称する)Psが読み込まれ、S47において、開状態にある個別制御バルブ130〜136に対応する流体圧室56の流体圧である個別流体圧が取得される。
本実施例においては、検出システム流体圧と補正値とに基づいて個別流体圧が取得されるのであるが、補正値(流入時補正値)XはS41において決定された値が利用される。また、エアがエア供給装置82から流体圧室56に供給される場合には、圧力損失により、個別流体圧は検出システム流体圧より低くなる。そこで、本実施例においては、検出システム流体圧Psから流入時補正値Xを引く(Ps−X)ことによって個別流体圧P*が取得される。開状態にある個別制御バルブ130〜136は1つの場合と2つの場合とがあるが、開状態にある個別制御バルブが1つの場合には、その1つの個別制御バルブに対応する流体圧室56の個別流体圧が取得され、2つの場合には、2つの開状態にある個別制御バルブに対応する2つの流体圧室56の個別流体圧がそれぞれ取得される。
また、本実施例においては、流入時補正値Xが各輪毎に決定され(XFR、XFL、XRR、XRL)、個別流体圧P*も各輪毎に決定される(P*FR、P*FL、P*RR、P*RL)。
このように、システム圧センサ110による検出値である検出システム流体圧に基づいて個別流体圧を取得する場合、システム圧センサ110と流体圧室56との間のエアの流れに起因する圧力損失の影響が個別流体圧に及ぶ。それに対して、本実施例においては、検出システム流体圧と補正値とに基づいて個別流体圧が取得されるため、個別流体圧から圧力損失の影響を低減することができ、実際の個別流体圧に近い値を取得することができる。また、個別流体圧P*が検出システム流体圧Psから流入時補正値Xを引くことによって取得されるのであるが、このことは、検出システム流体圧Psが個別流体圧P*と同じであると考えた場合(P*=Ps:検出システム流体圧に基づいて個別流体圧を取得する態様の1つである。この場合には、検出システム流体圧と個別流体圧とが同じであるという関係がある)に個別流体圧を補正したことに等しい。
なお、個別流体圧が、検出システム流体圧と、検出システム流体圧と個別流体圧との関係とに基づいて取得される場合において、検出システム流体圧が補正されると考えることもできる。検出システム流体圧を補正し、補正した検出システム流体圧と関係とに基づけば、正確な個別流体圧を取得することができる。
それに対して、排気バルブ84が開状態にあり、流体圧室56からエアが流出させられている場合には、S48において検出システム流体圧Psが取得され、S49において、検出システム流体圧Psに流出時補正値Yを加える(Ps+Y)ことによって個別流体圧P*が取得される。流体圧室56から大気にエアが排出される場合には、検出システム流体圧Psより個別流体圧P*の方が高くなる。そのため、個別流体圧P*を取得する場合に、検出システム流体圧Psに流出時補正値Yを加えるのである。流出時補正値Yについても流入時補正値Xと同様に、各輪毎に決定され(YFR、YFL、YRR、YRL)、個別流体圧P*も各輪毎に決定される(P*FR、P*FL、P*RR、P*RL)。
エアが流入する場合と流出する場合とでは、流出する場合の方が個別流体圧に対する圧力損失の影響が大きくなる。エアが流出する場合においては、流速が流体圧室56の圧力と大気圧との差に応じて決まるのに対して、流入する場合においては、流体圧室56の圧力と高圧タンク92の圧力との差に応じて決まることになるが、通常は、流体圧室56の圧力と大気圧との差の方が大きい。流出する場合の方が、流速が大きくなるため、流量が大きくなり、圧力損失が大きくなるのである。そのため、流入時補正値Xより流出時補正値Yの方が大きい値となる。
補正値X、YはS41において決定されるが、その時点のエアの流れの状態と、各エアばね10〜16の流体圧室56とエア源装置80とを接続する流体通路78,70〜76の形状(例えば、長さ、直径、湾曲の状態等で表すことができる)とに基づいて、各輪毎に決定される(XFR、XFL、XRR、XRL)(YFR、YFL、YRR、YRL)。流体通路の長さが長い場合は短い場合より圧力損失の影響は大きくなるため、補正値X、Yは大きくなる。補正値X、Yは、これらを代表する値とする。
流体通路の形状等については予め決まっているため、以下、補正値が、その時点のエアの流れの状態に基づいて決定される場合について説明する。
補正値X、Yが、車高調整の対象となる車輪の個数(流体圧室56の個数)に基づいて決定される場合について説明する。
制御対象輪の数が多い場合は少ない場合より、共通通路78を流れるエアの流速が大きくなり、流量が大きくなるため、圧力損失の影響が大きくなる。前述のように、後輪の車高を調整する場合には、左右後輪の個別制御バルブ134,136を同時に開閉し、左右前輪の車高を調整する場合には、左前輪の個別制御バルブ130、右前輪の個別制御バルブ132が別個に、1つずつ開閉される。したがって、前輪の車高が調整される場合には、制御対象輪は1つであることが多く、後輪の車高が調整される場合には、制御対象輪は2つであることが多い。
本実施例においては、制御対象輪の数は開状態にある個別制御バルブ130〜136の個数に対応する。
図6のフローチャートで表されるように、S61において、開状態にある個別制御バルブ130〜136があるか否かが判定され、S62において、開状態にある個別制御バルブ130〜136の個数が1つであるか2つであるかが判定される。1つである場合には、S63において補正値(α1、α1′)が決定され、2つである場合にはS64において補正値(β1、β1′)が決定される。
ここで、補正値α1、β1は流体圧室56にエアが流入する場合の流入時補正値Xであり、補正値α1′β1′は流体圧室56からエアが流出する場合の流出時補正値Yである。
図7に示すように、制御対象輪が1つの場合は2つの場合より圧力損失の影響は小さく、流入する場合は流出する場合より圧力損失の影響は小さくなる。そのため、補正値α1は補正値α′1、β1より小さくなり、補正値β 1は補正値β1′より小さくなる。
これら補正値α1、α1′、β1、β1′は、前述のように、それぞれ、車輪毎に決定される。
この補正値X(α1、β1)、Y(α1′、β1′)が利用されて、S47,49において開状態にある個別制御バルブ130〜136に対応する流体圧室56の個別流体圧が取得される。
また、取得された個別流体圧に基づき、減衰特性が制御されたり、異常の有無が検出されたりする。
さらに、補正値は、制御対象輪の数に基づいてその都度、予め定められた関係式に従う演算により取得されるようにしても、これらの関係をテーブル化して記憶しておいて、その記憶された情報に基づいて取得されるようにしてもよい。
このように、本実施例においては、圧力損失の個別流体圧への影響が低減されるため、圧力損失の影響が低減されない場合より、個別流体圧を正確に取得することができる。そのため、車輪に加わる荷重を正確に取得し得、減衰特性の制御を正確に行い得、異常の有無を正確に検出することができる。
本実施例においては、エアばね10〜16,エア源装置80,個別制御バルブ130〜136,サスペンションECU200等により車高調整装置が構成される。システム圧センサ110およびサスペンションECU200の個別流体圧取得プログラムを記憶する部分、実行する部分等により個別流体圧取得装置が構成され、そのうちの、S41,47,49を記憶する部分、実行する部分等により圧力損失影響低減装置が構成される。本実施例においては、圧力損失影響低減装置が個別流体圧取得装置に含まれる。
また、圧力損失影響低減装置は、流量対応補正部、流入・流出対応補正部でもある。さらに、圧力損失影響低減装置は、制御対象輪数対応補正部、個別制御バルブ作動状態対応補正部でもある。また、S63,64を記憶する部分、実行する部分等により補正値決定部が構成される。
なお、上記実施例においては、4輪について同時に車高調整が行われることが予定されていなかったが、4輪同時に車高調整が行われるようにすることができる。4輪同時に車高調整が行われる場合の補正値γ1、γ1′は、補正値β1、β1′より大きい値として決定される。
また、各輪毎に補正値を決定することは不可欠ではない。流体通路の形状の影響よりエアの流量の影響の方が大きい場合が多いからである。
さらに、開状態にある個別制御バルブの個数が1つの場合、すなわち、制御対象輪の個数が1つである場合には、補正値α1、α1′を0とすることができる。流れる流量が小さく、圧力損失の影響が小さい場合には、検出システム流体圧Psと個別流体圧P*とが同じであるとみなすことができる。以下の各実施例についても同様である。
次に、補正値X、Yがショックアブソーバ30〜36の減衰特性に基づいて決定される場合について説明する。
減衰特性がハードに設定される場合はソフトに設定される場合に比較して、減衰係数が大きくなり、上下方向の移動速度が同じ場合における減衰力が大きくなる。そのため、車輪側部材20と車体側部材22とが上下方向に相対移動し難くなり、流体圧室56において流入・流出させられる流体の流量が小さくなり、圧力損失の影響が小さくなる。
図8のフローチャートにおいて、S71において、補正値決定対象輪のショックアブソーバの減衰特性が取得され、S72において、各々について、設定段数よりソフト側であるか否かが判定される。ハード側である場合には、S73において、補正値がα2、α2′とされ、ソフト側にある場合には、S74において、補正値がβ2、β2′とされる。
上記実施例における場合と同様に、補正値α2、β2は流体圧室56にエアが流入する場合の流入時補正値Xであり、補正値α2′β2′は流体圧室56からエアが流出する場合の流出時補正値Yである。そのため、補正値は、図9に示すように、減衰特性がハード側にある場合はソフト側にある場合より小さくなる。補正値α2は補正値α2′、β2より小さくなり、補正値β 2は補正値β2′より小さくなる。減衰特性は各輪毎で同じ場合と異なる場合とがあるが、いずれにしても、補正値は各輪毎に決定された減衰特性に基づいて決定される。
このように、開状態にある個別制御バルブに対応する車輪のショックアブソーバについて設定された減衰特性に基づいて、その個別制御バルブに対応する流体圧室56の個別流体圧が取得されることになる。
本実施例においては、サスペンションECU200のS71〜74,47,49を記憶する部分、実行する部分等により減衰特性対応補正部、流入・流出対応補正部が構成される。
次に、流体圧室56にエアが流入する場合の補正について説明する。補正値が、エア供給装置82の状態に基づいて決定される。
本実施例においては、高圧タンク92に蓄えられたエア圧に基づいて補正値が決定される。個別制御バルブ130〜136がすべて閉状態にある場合において、高圧タンクバルブ112を開状態とした場合のシステム圧センサ110による検出値を高圧タンク92のタンク圧として検出する。そして、高圧タンク92のタンク圧が高い場合は低い場合より流体圧室56との差圧が大きくなるため、圧力損失の影響が大きくなると考える。厳密には、圧力損失の程度は、タンク圧と流体圧室56のエア圧との差圧が問題となるが、制御される流体圧室56のエア圧の制御範囲が予め決まっている場合には、高圧タンク92のタンク圧が高い場合は低い場合より相対的に差圧が大きくなり、流量が大きくなると考えることできる。また、タンク圧は、車高調整において高圧タンク92に蓄えられたエアが使用されるのに伴って低くなるため、タンク圧の変化に伴って圧力損失の程度も変わる。そのため、タンク圧に基づいて圧力損失の程度を取得することは妥当なことである。
なお、流体圧室56の個別流体圧の前回値を利用すれば、タンク圧と個別流体圧との差圧を取得することもでき、差圧に基づけば、圧力損失の程度を取得することができる。
図10のフローチャートにおいて、S81において、個別制御バルブ130〜136のすべてが閉状態にあるか否かが判定され、すべてが閉状態にある場合には、S82において、高圧タンクバルブ112を開状態とし、システム圧センサ110による検出値を高圧タンク92のタンク圧として検出する。S83において、タンク圧が設定圧より高いか否かが判定される。設定圧以下である場合は、S84において、補正値がα3とされ、設定圧より高い場合は、S85において、補正値がβ3とされる。高圧タンクバルブ112はタンク圧の取得後に閉状態とされる。
図11に示すように、タンク圧が高い場合は低い場合よりエアの流量が多くなるため、個別流体圧への圧力損失の影響が大きくなる。補正値β3は補正値α3より大きくなる。本実施例においては、タンク圧が高い場合と低い場合とで、補正値が異なる値とされ、個別流体圧取得プログラムのS47において、それぞれの補正値に応じて個別流体圧が取得される。
本実施例においては、S81〜85,47,49を記憶する部分、実行する部分等により流体圧供給装置対応補正部が構成される。
また、コンプレッサ90の作動状態に基づいて補正値を決定することもできる。コンプレッサ90のポンプモータ102に接続される電源の電圧が高い場合は低い場合より、コンプレッサ90から吐出されるエアの流量が大きくなる。したがって、電源電圧が高い場合は低い場合より圧力損失の影響が大きくなる。
図12のフローチャートにおいて、S91において、電源電圧が検出され、S92において、電源電圧が設定電圧以下であるか否かが判定される。電源電圧が設定電圧以下である場合にはS93において補正値がα4とされ、電源電圧が設定圧より高い場合にはS94において補正値がβ4とされる。
図13に示すように、電源電圧が低く、流量が小さい場合は大きい場合より補正値が小さくされるのであり、補正値α4は補正値β4より小さい。
本実施例においては、S91〜94,47,49を記憶する部分、実行する部分等により流体圧供給装置対応補正部が構成される。
なお、上記各実施例においては、その時点のエアの流れの状態に基づいて補正値が段階的(2段階)で決定される場合について説明したが、補正値が3段階以上あるいは連続的に決定されるようにしてもよい。
例えば、減衰特性に基づいて補正値を決定する場合に、減衰特性の制御段数を3つ以上に区切り、ハード側の段数から順番に補正値を大きくすることができる。また、高圧タンク92のタンク圧、あるいは、電源電圧に基づく場合には、タンク圧あるいは電源電圧の大きさに応じて連続的に補正値が変化するようにすることもできる。
また、上記各実施例においては、補正値が1つの因子に基づいて決定される場合について説明したが、複数の因子に基づいて複合的に決定することもできる。
さらに、エアが流体圧室56に流入する場合と流出する場合との両方において補正する必要はなく、流入する場合と流出する場合とのいずれか一方において補正し、他方において補正しないようにすることもできる。
また、上記各実施例においては、その時点のエアの流れの状態に基づいて、その都度、補正値が決定され、その決定された補正値に基づいて個別流体圧が取得される場合について説明したが、補正値を流体の流れの状態に基づいて決定することは不可欠ではない。流体通路の形状に基づいて決定された補正値を使用して個別流体圧が取得されるようにすることもできる。この場合には、補正値の大きさは一定である。
図14のフローチャートにおいて、車高調整中であって、少なくとも1つの個別制御バルブ130〜136が開状態にある場合には、S101,102の判定がYESとなって、S103において、システム圧センサ110による検出値が読み込まれる。そして、S104,105において、排気バルブ84が開状態にあるか否か、コンプレッサ90が作動状態にあるか否かが判定される。コンプレッサ90が作動状態にある場合にはS106において、個別流体圧が検出システム流体圧から流入時補正値Xを引くことにより取得され、排気バルブ84が開状態にある場合には、S107において、検出システム流体圧Psに流出時補正値Yを加えることにより取得される。
流入時補正値X、流出時補正値Yは、エアが流入する場合と流出する場合との、標準的なエアの流れ状態を想定した場合に流体通路の形状等で決まる圧力損失に基づいて決まる値である。流入時補正値Xは、図15に示すように、流出時補正値Yより小さい。
本実施例においては、S106,107を記憶する部分、実行する部分等により流入・流出対応補正部が構成される。流入・流出対応補正部は、流体通路の形状に基づいて補正する補正部でもある。
さらに、個別流体圧は、圧力損失の程度が大きい場合に、エアの流れの状態等に基づいて決まる補正値(可変補正値と称することができる)に基づいて取得し、圧力損失の程度が小さい場合には、流体通路の形状等に基づいて決まる補正値(固定補正値と称することができる)に基づいて取得されるようにすることができる。
図16のフローチャートで表される個別流体圧取得プログラムにおいて、S151において、圧力損失の程度が取得され、S152において、圧力損失の影響が大きいか否かが判定される。圧力損失が大きいことを表すフラグがセット状態にある場合には、S41以降が実行され、フラグがセット状態にない場合には、S101以降が実行される。S101以降の実行においては、補正値X、Yをともに0として、個別流体圧は検出システム流体圧と同じであるとすることもできる。
圧力損失の程度が大きいか否かは、図17のフローチャートで表される圧力損失程度取得プログラムの実行に従って取得される。圧力損失の程度が大きい場合はフラグがセットされる。
本実施例においては、電源電圧が設定電圧以上である場合、少なくとも1輪のショックアブソーバの減衰特性が設定段数よりソフト側にある場合、開状態にある個別制御バルブ130〜136が2つ以上である場合、タンク圧が設定圧以上である場合にフラグがセットされる。
S201において電源電圧を検出し、S202において、電源電圧が設定電圧以上であるか否かが判定される、設定電圧以上である場合には、S203においてフラグがセットされる。
電源電圧が設定電圧より低い場合には、S204、205において、各ショックアブソーバ30〜36の減衰特性が読み込まれ、それぞれ、設定段数よりソフト側にあるか否かが判定される。ショックアブソーバ30〜36のうちの少なくとも1つの減衰特性が設定段数よりソフト側にある場合には、S206においてフラグがセットされる。
設定段数よりソフト側に制御されたショックアブソーバがない場合には、S207において、開状態にある個別制御バルブ130〜136が1つであるか2つ以上であるかが判定される。2つ以上である場合には、S208においてフラグがセットされる。
それに対して個別制御バルブ130〜136がすべて閉状態にある場合には、S210,211において、高圧タンクバルブ112が開状態とされて、システム圧センサ110による検出値が読み込まれ、設定圧以上であるか否かが判定される。設定圧以上である場合には、S212においてフラグがセットされ、そうでない場合にはS213においてリセットされる。
このように、本実施例においては、フラグがセット状態にある場合には、可変補正値が利用され、圧力損失の程度に応じて個別流体圧が取得されるが、フラグがリセット状態にある場合には、固定補正値が利用されて個別流体圧が取得される。
本実施例において、サスペンションECU200の図16のフローチャートの個別流体圧取得プログラムを記憶する部分、実行する部分(特に、S152の判定がYESの場合に図5のフローチャートのS41以降を実行する部分)等により限定的補正部が構成される。また、S151を記憶する部分、実行する部分等により圧力損失程度取得部が構成される。
なお、上記実施例においては、電源電圧の大きさ、各輪毎のショックアブソーバの減衰特性、開状態にある個別制御バルブの個数、タンク圧等の少なくとも1つに基づいて圧力損失の影響が大きいとされた場合にフラグがセットされるようにされていたが、これらのうちの2つ以上の因子に基づいて圧力損失の影響が大きいとされた場合に、フラグがセットされるようにすることもできる。
また、電源電圧、減衰特性、制御対象輪の個数、タンク圧の4つの因子に基づいて圧力損失の影響の程度が大きいか否かを判定することは不可欠ではない。これらのうちで、圧力損失の影響が大きい因子、例えば、タンク圧、制御対象輪の個数等に基づいて判定することもできる。
さらに、圧力損失の程度が小さい場合は、検出システム流体圧Psを個別流体圧P*とすることもできる。圧力損失の程度が小さい場合には、圧力損失の影響を低減させる必要性が低いのであり、補正が行われる必要性が低いのである。
また、例えば、1つの因子に基づいて圧力損失の程度が大きいと判定された場合に、その因子に応じて決定された補正値で個別流体圧を補正し、圧力損失の程度が小さいと判定された場合には補正が行われないようにすることもできる。例えば、電源電圧に基づいて圧力損失の程度が大きいと判定された場合には、電源電圧に基づいて決定された可変補正値で個別個別流体圧が補正され、電源電圧に基づいて圧力損失の程度が小さいと判定された場合には補正されないようにするのである。この場合には、上記各実施例において、圧力損失が小さい方の補正値αi(i=1,2,3,4),αi′(i=1,2)を固定補正値0とすることと実質的に同じであると考えることができる。
さらに、圧力損失の程度が大きい場合には個別流体圧の取得が行われないようにすることもできる。この場合には、前回取得された個別流体圧の値が今回値として採用することができる。
図18のフローチャートにおいて、S151において圧力損失の程度が取得され、S152においてフラグがセット状態にあるか否かが判定される。圧力損失の程度が小さく、フラグがセット状態にない場合には、上記実施例のS101以降が実行されて固定補正値に基づいて個別流体圧が取得され、取得された個別流体圧はS230において記憶部204に記憶される。記憶部204には、常に各輪毎の最新の個別流体圧が記憶される。
それに対して、圧力損失の程度が大きく、フラグがセット状態にある場合には、S152の判定がYESとなって、S231において、個別流体圧が前回値とされる。圧力損失が大きい場合は個別流体圧が取得されないのであり、圧力損失の程度が大きいことに起因して誤って個別流体圧を取得することを回避することができる。
本実施例においては、図18のフローチャートで表される個別流体圧取得プログラムを記憶する部分、実行する部分等により圧力損失の程度が大きい場合に個別流体圧を取得しない手段が構成される。
なお、上記実施例においては、圧力損失の程度が大きい場合には、システム圧センサ110による検出値の読込みも、個別流体圧の取得も行われないようにされているが、個別流体圧は取得されるが、異常の有無の検出、減衰特性の制御等に利用されないようにすることができる。
また、個別流体圧は、前回値ではなく、標準値とすることもできる。
また、圧力損失の程度が設定範囲内にある場合には、システム圧センサ110によって検出された検出システム流体圧と、予め決められた標準補正値とに基づいて個別流体圧が決定され、圧力損失の程度が設定範囲の上限値を越えた場合に、補正値が標準補正値より大きくされ、設定範囲の下限値より小さい場合には標準補正値より小さくされるようにすることもできる。標準補正値は、圧力損失が設定範囲内にあることを想定して決められた補正値とすることができ、上述の固定補正値とすることができる。
例えば、電源電圧が設定範囲内にある場合には、補正値は標準補正値とされるが、設定範囲の上限値を越えると補正値が大きい値とされ、下限値より小さくなると補正値が小さい値とされる。タンク圧、減衰特性についても同様にして補正値を決定することができる。上述の標準補正値は0とすることもできる。
さらに、上記各実施例において、高圧タンク92を設けることは不可欠ではない。コンプレッサ90の作動によりエアが流入されるようにすることもできる。
また、左右後輪の流体圧室56に対応してそれぞれ個別制御バルブ134,136を設けることは不可欠ではなく、2つの流体圧室56に共通に1つの個別制御バルブを設けることもできる。この場合には、制御対象輪の数と開状態にある個別制御バルブの数とは対応しない。
さらに、上記各実施例においては、左右後輪に対応する個別制御バルブ134,136が同時に開閉制御されるようにされていたが、左右前輪に対応する個別制御バルブ130,132が同時に開閉制御されるようにすることができる。また、左右前輪のエアばね10,12の流体圧室56に対して個別制御バルブが1つに共通に設けられるようにすることもできる。
さらに、取得された個別流体圧に基づいて減衰特性制御を行うこと、異常検出を行うことは不可欠ではない。
また、上記各実施例においては、検出システム流体圧Psに補正値を加えたり、引いたりすることによって個別流体圧P*が取得されるようにされていたが、補正値を掛けることによって取得されるようにすることもできる。補正値を1より大きい値とすれば、個別流体圧P*を検出システム流体圧Psより大きい値とすることができ、補正値を1より小さい値とすれば検出システム流体圧Psより小さい値とすることができる。また、検出システム流体圧Psの予め決められた関数の値を個別流体圧P*とすることができるが、圧力損失の程度が大きい場合と小さい場合とで関数を変えることができる。関数に含まれる係数の値を変更したり、演算式自体を変更したりすることができるのである。この場合においても、個別流体圧の補正の一態様であると考えることができる。
さらに、個別流体圧P*を補正することは不可欠ではない。圧力損失が小さくなる状態を実現し、その状態において個別流体圧P*が取得されるようにすれば、圧力損失に基づいて補正する必要性は低い。この場合には、圧力損失を小さくする装置が圧力損失影響低減装置に対応する。
例えば、車高調整中の車高を高くする場合において、個別流体圧P*を取得する場合には、高圧タンクバルブ112を閉状態とする。高圧タンクバルブ112を閉状態とすれば、エア供給装置82から供給されるエアの流量を小さくすることができ、圧力損失の影響を小さくすることができる。本実施例においては、高圧タンクバルブ112およびサスペンションECU200のバルブ112を閉状態にする部分等により圧力損失影響低減装置が構成される。
車高調整中のエアを流入する場合に、原則として、高圧タンクバルブ112を開状態として、コンプレッサ90と高圧タンク92との両方から流体圧室56へエアが供給されるようにすれば、エアの流量を大きくすることができ、車高を目標車高まで速やかに高くすることができる。
それに対して、高圧タンクバルブ112を開状態とすると、圧力損失の程度が大きくなり、個別流体圧P*を正確に取得することができない。そこで、個別流体圧P*を取得する必要がある場合に限って、高圧タンクバルブ112が閉状態とされるようにする。
このようにすれば、車高調整をできる限り早急に行いつつ、個別流体圧を正確に取得することができる。
本実施例においては、高圧タンクバルブ112が予め定められた設定タイミングに達すると閉状態とされ、検出システム流体圧Psと個別流体圧P*とが同じであるとみなし得る状態に達するまで閉状態が保たれる。閉状態にある間、検出システム流体圧Psが取得されるのであるが、最後に取得された検出システム流体圧Psが個別流体圧P*とされる。
図19のフローチャートのS301,302,303において、車高調整中であるか否か、流入要求があるか否か、高圧タンクバルブ112の閉タイミングであるか否かが判定される。閉タイミングである場合には、S303における判定がYESとなり、S304において、高圧タンクバルブ112が閉状態とされる。そして、S305において、設定時間が経過したか否かが判定される。設定時間が経過するまでの間は、S306において、検出システム流体圧Psが繰り返し取得され、最新の検出システム流体圧Psが記憶される。
設定時間が経過すると、S307において、高圧タンクバルブ112が開状態とされ、記憶された最新の検出システム流体圧Psが開状態にある個別制御バルブ130〜136に対応する流体圧室56の個別流体圧P*であるとされる。
高圧タンクバルブ112を閉状態とするタイミングは、個別制御バルブ130〜136を開状態とするタイミングとしたり、開状態にされてから設定時間が経過したタイミングとしたりすること等ができる。
図20には、高圧タンクバルブ112が個別制御バルブを開状態にするタイミングで閉状態とされる場合について示す。図に示すように、高圧タンクバルブ112は、個別制御バルブ134,136が開状態にされるタイミングで閉状態とされて、閉状態が設定時間の間に保たれる。そして、設定時間が終了する時点の検出システム流体圧Psが左右後輪のエアばね14,16の流体圧室56の個別流体圧P*であるとされる。次に、個別制御バルブ132が開状態にされるが、この場合にも、個別制御バルブ132が開状態にされるタイミングで高圧タンクバルブ112が閉状態にされる。そして、設定時間の間閉状態に保たれるが、この設定時間が終了する時点の検出システム流体圧に基づいて右前輪のエアばね12の流体圧室56の個別流体圧が取得される。同様に、個別制御バルブ130を開状態にするタイミングで高圧タンクバルブ112が閉状態とされ、左前輪のエアばね10の流体圧室56の個別流体圧が取得される。
本実施例においては、コンプレッサ90からエアが供給されて、高圧タンク92から供給されない状態が圧力損失が標準的な状態であると考えられる。したがって、コンプレッサ90からエアが供給される状態において検出システム流体圧Psが個別流体圧P*であるとみなされるのであるが、高圧タンク92からもエアが供給される場合には、圧力損失が標準状態における場合より大きくなって望ましくない。そのため、高圧タンクバルブ112を閉状態として、圧力損失の状態を標準状態とし、すなわち、エアの流量を設定流量範囲内とするのである。この状態において、個別流体圧が取得されることは妥当なことであり、個別流体圧における圧力損失の影響を小さくすることができる。それに対して、本実施例においては、コンプレッサ90とエアばね10〜16との間にドライヤ120が設けられ、高圧タンクバルブ112の開状態においては、ドライヤ120にはエアが圧縮された状態で蓄えられているのが普通である。そのため、高圧タンクバルブ112が閉状態にされてもドライヤ120内に蓄えられたエアが流出する。そのため、システム内のエアの流量が圧力損失が標準的な状態となるまでには、ドライヤ120内に蓄えられていたエアの大部分が流出することが望ましい。以上のことから、設定時間はドライヤ120の容量、システム圧センサ110と流体圧室56とを接続する配管の長さ等に基づいて決めることができるのであり、高圧タンクバルブ112を閉じてから、エアの流れの状態が標準状態となり、かつ、開状態にある個別制御バルブに対応する流体圧室56の圧力がシステム圧センサ110による検出圧とほぼ同じになるのに要する時間等とすることができる。
本実施例において、高圧タンクバルブ112およびサスペンションECU200の図19のフローチャートで表される個別流体圧取得プログラムを記憶する部分、実行する部分等により流量低減装置が構成される。流量低減装置は、流れ状態制御装置でもある。流れ状態制御装置は、流量範囲維持装置、高圧タンクバルブ制御部、設定タイミング閉制御部、閉状態維持部でもある。
また、図21に示すように、個別制御バルブ130〜136を閉状態にすると同時に高圧タンクバルブ112が開状態とされるタイミングで高圧タンクバルブ112を閉状態とすることができる。
個別制御バルブ130〜136が設定時間の間開状態にされる場合には、設定時間(個別制御バルブ開時間TDO、TDO′)から高圧タンクバルブ112を閉状態に保つ設定時間(高圧タンクバルブ112の閉時間TAS)を引いた時間(TDO−TAS、TDO′−TAS)だけ、個別制御バルブ130〜136が開状態に切り換えられてから経過した場合に高圧タンクバルブ112を閉状態とするタイミングに達したとすることができる。
図20に示すように、個別制御バルブ130〜136を開状態とするタイミングに高圧タンクバルブ112を閉状態とする場合には、車高が低く、流体圧室56において、ショックアブソーバ30〜36のシリンダ本体38(ピストン54と上下方向に相対移動不能)の上端部240(ピストン54と一体的に上下方向に相対移動する部材の上端部)がストッパ242に当接した状態にある可能性がある。その場合には、個別流体圧P*に基づいて荷重を推定することができないが、個別制御バルブ130〜136を閉状態にするタイミングで高圧タンクバルブ112が開状態とされて個別流体圧P*が取得されれば、すなわち、流体圧室56にエアがある程度供給された後に個別流体圧P*が取得されれば、ストッパ242に当接した状態で個別流体圧P*が取得されることを回避することができる。
また、図示は省略するが、個別制御バルブ130〜136が開状態にある場合の中間点において高圧タンクバルブ112が閉状態とされるようにすることもできる。
さらに、図22に示すように、個別制御バルブ130〜136が開状態に切り換えられる場合と、開状態に切り換えられてから上述の設定時間(TDO−TAS、TDO′−TAS)が経過した場合との両方において、高圧タンクバルブ112を閉状態とすることもできる。この場合には、個別制御バルブ130〜136の1つが開状態にある場合において、2回個別流体圧が取得されることになる。また、高圧タンクバルブ112の閉時間は、TASの2倍の時間より短い時間でよい。時間TASの間閉状態に保てば、ドライヤ120に蓄えられたエアが放出され得るからである。
また、個別制御バルブ130〜136の開閉制御の最初の1循目においてのみ、個別制御バルブ130〜136の開状態において2回個別流体圧が取得され、2循目以降においては、1回とすることができる。このようにすれば、特に、エア漏れ等の異常の有無を早期に、かつ、正確に取得することができる。
さらに、イグニッションスイッチ224がOFF状態からON状態に切りかわった後の最初に車高調整が行われた場合に、個別制御バルブ130〜136が閉状態から開状態にされるタイミングで高圧タンクバルブ112が閉状態とされ、次回以降の車高調整中には、個別制御バルブ130〜136が閉状態にされるタイミングで高圧タンクバルブ112が開状態とされるようにすることもできる。本実施例においても、流体漏れの有無をできる限り速やかに検出することができる。
さらに、いずれの場合においても、個別流体圧を取得する際には、高圧タンクバルブ112を連続して閉状態とすることもできる。例えば、個別制御バルブ130〜136の開閉制御の第N循目に個別流体圧が取得されることが決められている場合において、第N循目においては、高圧タンクバルブ112が閉状態に保たれるようにするのである。このようにすれば、高圧タンクバルブ112の開閉回数を少なくすることができる。Nは1以上の整数とすることができる。
また、高圧タンクバルブ112を閉状態とするのではなく、コンプレッサ90への供給電流を制御して、吐出流量を小さくすることができる。
コンプレッサ90の吐出流量を小さくすれば、共通通路を流れる流量を小さくすることができ、圧力損失を小さくすることができる。また、コンプレッサ90の吐出流量と高圧タンク92からの供給流量との和が設定範囲内にあるようにポンプモータ102を制御することもできる。高圧タンク92にはエアがプリチャージされるのであるが、エアの流出に伴ってタンク圧が低下し、供給流量が低下する。それに対して、高圧タンク92からの供給流量とコンプレッサ90からの供給流量との和が設定範囲内にあるように制御することは妥当なことである。
さらに、高圧タンクバルブ112を開閉制御(例えば、デューティ制御)することにより流量を設定範囲内とすることもできる。
なお、車高調整において、車高を高くする場合に、高圧タンクバルブ112を開状態に保つことは不可欠ではない。目標車高から実車高を引いた値である偏差が設定値以上である場合に高圧タンクバルブ112を開状態に保ち、設定値より小さい場合には閉状態とすることができる。高圧タンク92に蓄えられるエアは、偏差が大きく、車高を早急に上げる必要性が高い場合に限って利用されるようにするのである。偏差が小さくなって、車高が目標車高に近づいた場合には、コンプレッサ90の作動により車高調整が行われるようにする。それによって、実際の車高を目標車高に徐々に近づけることができる。
そして、車高調整中であって、高圧タンクバルブ112が閉状態にある場合に個別流体圧が取得されるようにする。高圧タンクバルブ112が閉状態にある場合には、圧力損失の程度はそれほど大きくないため、システム圧センサ110による検出値を個別流体圧としても差し支えない。システム圧センサ110による検出値は検出タイミングに達した場合に読み込まれるが、検出タイミングが個別制御バルブ130〜136が閉状態から開状態に切り換えられる時としても、開状態から閉状態に切り換えられる直前としても、開状態に保たれる中間点に達した時であってもよい。
図23のフローチャートで表される車高調整プログラムは予め定められた設定時間毎に実行される。本車高調整プログラムも制御対象車輪毎に、予め定められた順番で実行される。
S401において、制御対象輪の車高が読みとられるとともに、走行速度、選択された車高調整モードが読みとられる。S402において、これらに基づき、目標車高が決定され、目標車高から実車高を引いた値である偏差が取得される。
S403において、偏差が第1設定値e1より大きいか否かが判定される。制御対象輪について偏差が第1設定値e1より大きい場合には判定がYESとなる。、第1設定値e1より大きい場合には、S404において、コンプレッサ90が作動させられ、高圧タンクバルブ112が開状態とされる。排気バルブ84は閉状態のままである。そして、S405において、制御対象輪に対応する個別制御バルブが、予め定められた設定時間の間開状態とされた後閉状態に切り換えられる。
偏差が第2設定値e0より大きく第1設定値e1以下である場合には、S407,408において、コンプレッサ90が作動状態に保たれ、排気バルブ84が閉状態に保たれる一方、高圧タンクバルブ112が閉状態とされる。そして、個別制御バルブが開閉される。
偏差の絶対値が第2設定値e0以下の場合には、車高を高くする要求がないため、S410において、個別制御バルブが閉状態に保たれる。
個別流体圧は、図24のフローチャートで表される個別流体圧取得プログラムの実行に従って取得される。
S451、452において、コンプレッサ90が作動状態にあり、かつ、高圧タンクバルブ112が閉状態にあるか否か判定される。偏差が第1設定値e1以下になって、高圧タンク92のエアが利用されない状態にあるか否かが判定されるのである。
そして、S453において、検出タイミングになったか否かが判定される。検出タイミングになった場合には、システム圧センサ110による検出値が読み込まれ、S455において、個別流体圧が取得される。
図25には、個別制御バルブ130〜136の第1循目においては、偏差が第1設定値e1より大きかったため高圧タンクバルブ112が開状態とされる。この間は、個別流体圧が取得されることはない。第2循目においては、第1設定値e1以下になったため高圧タンクバルブ112が閉状態とされる。そして、検出タイミングに達すると検出システム流体圧が取得されて、個別流体圧が取得されることになる。
このように、本実施例においては、高圧タンクバルブ112が閉状態にある場合に個別流体圧を取得することができる。圧力損失がほぼ一定の状態、すなわち、エアの流量が設定流量範囲内にある状態で取得することができるのである。そのため、圧力損失の変化に起因する個別流体圧の変化の影響を受けることなく、個別流体圧を取得することができる。また、車高を目標車高に早急に近づけることが可能となる。さらに、高圧タンクバルブ112の開閉頻度を低減させることができる。
また、本実施例においては、高圧タンクバルブ112が開状態にあり、圧力損失の程度が大きい場合には、個別流体圧が取得されないようにされていると考えることもできる。
さらに、車高調整において、個別制御バルブ130〜136の開閉制御の回数が設定回数より少ない場合は高圧タンクバルブ112を開状態に保ち、設定回数以上になった場合に閉状態とすることもできる。
本実施例においては、図24のフローチャートで表される個別流体圧取得プログラムを記憶する部分、実行する部分等によりタンク流体流出阻止時取得部が構成される。
また、上記実施例においては、偏差が小さくなると、高圧タンクバルブ112が閉状態となるようにされていたが、ポンプモータ102の制御によりポンプ100から吐出されるエアの流量が低減させられるようにすることもできる。
本実施例においては、図26のフローチャートで表される車高調整プログラムのS406において、偏差が第1設定値e1以下で第2設定値e0より大きい場合には、S481において、高圧タンクバルブ112は開状態のままで、ポンプモータ102の制御によりポンプ100から吐出されるエアの流量が低減される。それによって、エアの流量を低減することができ、流量を設定流量範囲内に維持することができる。
また、個別流体圧は、図27のフローチャートで表される個別流体圧取得プログラムの実行に従って取得される。本実施例においては、S491において、ポンプモータ102が制御中であるか否かが判定される。制御中である場合において、検出タイミングに達した場合に、検出システム流体圧が取得され、個別流体圧が取得される。
本実施例においては、サスペンションECU200のS481を記憶する部分、実行する部分等によりポンプモータ制御部が構成される。
なお、高圧タンクバルブ112の開閉と、エアの流れ状態に基づいて決定される補正値による補正との両方を組み合わせた態様で個別流体圧が取得されるようにすることができる。高圧タンクバルブ112を閉状態とするとともに、エアの流れ状態に基づいて補正されるようにすれば、より正確に個別流体圧を取得することができる。
また、車高調整の態様は、上記実施例におけるそれに限らない。車高調整が開始されてから設定回数だけ周期的に個別制御バルブ130〜136が開閉制御され、その後は、車輪毎に、個別に制御されるようにすることもできる。
さらに、エアばね10〜16はダイヤフラム式のものに限らず、ベローズ式のものとすることができる。
以上のように、複数の実施例を記載したが、これら複数の実施例は互いに組み合わせることができる。例えば、図5,14,16,18のフローチャートで表す個別流体圧取得プログラムのS46,49.103において検出システム流体圧が、個別制御バルブが設定時間以上開状態に保たれた後に検出されるようにすることができる。
本発明は、前記記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
本発明の一実施例であるサスペンション装置全体を示す図である。 上記サスペンション装置のサスペンションECUの記憶部に記憶される減衰特性制御プログラムを表すフローチャートである。 上記記憶部に記憶される異常有無検出プログラムを表すフローチャートである。 上記記憶部に記憶される車高調整プログラムを表すフローチャートである。 上記記憶部に記憶される個別流体圧取得プログラムを表すフローチャートである。 上記個別流体圧取得プログラムの一部を表すフローチャートである。 上記プログラムの実行に従って決定された補正値の大きさを示す図である。 上記個別流体圧取得プログラムの別の一部を表すフローチャートである。 上記プログラムの実行に従って決定された補正値の大きさを示す図である。 上記個別流体圧取得プログラムのさらに別の一部を表すフローチャートである。 上記プログラムの実行に従って決定された補正値の大きさを示す図である。 上記個別流体圧取得プログラムの別の一部を表すフローチャートである。 上記プログラムの実行に従って決定された補正値の大きさを示す図である。 別の個別流体圧取得プログラムを表すフローチャートである。 上記プログラムの実行において使用された補正値の大きさを示す図である。 さらに別の個別流体圧取得プログラムを表すフローチャートである。 上記プログラムの一部を表すフローチャートである。 別の個別流体圧取得プログラムを表すフローチャートである。 さらに別の個別流体圧取得プログラムを表すフローチャートである。 個別流体圧の取得と個別制御バルブ、高圧タンクバルブの作動状態とを示す図である。 別の個別流体圧の取得と個別制御バルブ、高圧タンクバルブの作動状態とを示す図である。 さらに別の個別流体圧の取得と個別制御バルブ、高圧タンクバルブの作動状態とを示す図である。 別の車高調整プログラムを表すフローチャートである。 別の個別流体圧取得プログラムを表すフローチャートである。 バルブの作動状態と個別流体圧の取得時期との関係を示す図である。 さらに別の車高調整プログラムを表すフローチャートである。 さらに別の個別流体圧取得プログラムを表すフローチャートである。
符号の説明
10〜16:エアばね 30〜36:ショックアブソーバ 56:流体圧室 80:エア源装置 82:エア供給装置 84:排気バルブ 90:コンプレッサ 92:高圧タンク 110:システム圧センサ 112:高圧タンクバルブ 130〜136:個別制御バルブ 200:サスペンションECU 210〜216:車高センサ

Claims (11)

  1. 車両の複数の車輪のそれぞれに対応して、車体側部材と車輪側部材との間に設けられた流体圧室と、
    それら複数の流体圧室に流体を供給可能な1つの流体圧供給装置と、低圧源と前記複数の流体圧室との間に共通に設けられた1つの流出バルブとを備えた1つの流体圧源装置を含み、前記複数の流体圧室に流体を流入・流出させることにより車高を調整する車高調整装置と、
    前記1つの流体圧源装置と前記複数の流体圧室との間に設けられた1つの流体圧センサを含み、その1つの流体圧センサによる検出値である検出システム流体圧に基づいて前記複数の流体圧室各々の流体圧である個別流体圧を取得する個別流体圧取得装置と、
    前記車高調整装置によって、前記複数の流体圧室のうちの少なくとも1つにおいて流体の流入と流出との少なくとも一方が行われており、かつ、前記流体圧取得装置によって、前記少なくとも1つの流体圧室の個別流体圧が取得される場合に、前記流体圧源装置と前記少なくとも1つの流体圧室との間の流体の流れに起因する圧力損失の個別流体圧への影響を低減させる圧力損失影響低減装置と
    を含むことを特徴とするサスペンション装置。
  2. 前記圧力損失影響低減装置が、前記流体圧源装置と前記少なくとも1つの流体圧室との間を流れる流体の流量に応じて、前記個別流体圧取得装置によって前記検出システム流体圧に基づいて取得された個別流体圧を補正する流量対応補正部を含む請求項1に記載のサスペンション装置。
  3. 前記圧力損失影響低減装置が、前記圧力損失の個別流体圧への影響が設定程度より小さい場合には前記個別流体圧を補正しないで、前記設定程度以上である場合に補正する限定的補正部を含む請求項1または2に記載のサスペンション装置。
  4. 前記圧力損失影響低減装置が、前記圧力損失の影響が設定程度以上である場合に、前記流体圧取得装置によって前記個別流体圧が取得されないようにする手段を含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
  5. 前記圧力損失影響低減装置が、前記車高調整装置によって制御される対象の流体圧室の数に応じて前記個別流体圧を補正する制御対象輪数対応補正部を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
  6. 前記車高調整装置が、前記流体圧源装置と前記複数の流体圧室のうちの1つ以上との間にそれぞれ設けられた複数の個別制御バルブを含み、前記圧力損失影響低減装置が、前記複数の個別制御バルブの作動状態に基づいて前記個別流体圧を補正する車高調整状態対応補正部を含む請求項1ないし5のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
  7. 前記圧力損失影響低減装置が、前記車高調整装置によって、前記少なくとも1つの流体圧室に流体が流入させられる場合と流体が流出させられる場合とで、異なる態様で前記個別流体圧を補正する流入・流出対応補正部を含む請求項1ないし6のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
  8. 当該サスペンション装置が、前記複数の流体圧室各々と並列に、前記車輪側部材と車体側部材との間に設けられた複数の減衰装置を含み、前記圧力損失影響低減装置が、前記少なくとも1つの流体圧室に対応して設けられた減衰装置における減衰特性に応じて前記個別流体圧を補正する減衰力対応補正部を含む請求項1ないし7のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
  9. 前記圧力損失影響低減装置が、前記流体圧供給装置の流体圧と供給流量との少なくとも一方に基づいて前記個別流体圧を補正する流体圧供給装置状態対応補正部を含む請求項1ないし8のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
  10. 前記圧力損失影響低減装置が、前記圧力損失の影響が設定レベル以下になるように、前記流体圧供給装置と前記少なくとも1つの流体圧室との間を流れる流体の流量を低減させる流量低減装置を含む請求項1ないし9のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
  11. 車両の複数の車輪のそれぞれに対応して、車体側部材と車輪側部材との間に設けられた流体圧室と、
    それら複数の流体圧室に流体を供給可能な1つの流体圧供給装置と、低圧源と前記複数の流体圧室との間に共通に設けられた1つの流出バルブとを備えた1つの流体圧源装置を含み、前記複数の流体圧室に流体を流入・流出させることにより車高を調整する車高調整装置と、
    前記1つの流体圧源装置と前記複数の流体圧室との間に設けられた1つの流体圧センサと、
    その流体圧センサによって検出された検出システム圧と、前記流体圧源装置と前記複数の流体圧室のうちの少なくとも1つとの間の流体の流れに起因する圧力損失とに基づいて、前記少なくとも1つの流体圧室の流体圧である個別流体圧を取得する個別流体圧取得装置と
    を含むことを特徴とするサスペンション装置。
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JP2017095027A (ja) * 2015-11-27 2017-06-01 トヨタ自動車株式会社 サスペンションシステム

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