JP2006059921A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クリーニング時間を延長することなく、処理室内の付着物を除去することを可能とする。
【解決手段】 処理炉は、処理容器15の領域A〜Dに対応して分割された複数の分割ヒータ10a〜10dを備える。分割ヒータは、温度制御部16によって独立に制御可能とする。処理工程で堆積した堆積膜を除去するためのクリーニング工程で、クリーニングガスを流す際、クリーニングガス供給側の領域Aの温度を低く設定し、逆に、順次領域B、領域C、領域Dでは、排気側に向かって、相対的に温度を高く設定する。これにより、クリーニングガス供給側の領域Aでのエッチング反応を遅く、排気側の領域B、C、Dでのエッチング反応を順次速くする。
【選択図】 図3
【解決手段】 処理炉は、処理容器15の領域A〜Dに対応して分割された複数の分割ヒータ10a〜10dを備える。分割ヒータは、温度制御部16によって独立に制御可能とする。処理工程で堆積した堆積膜を除去するためのクリーニング工程で、クリーニングガスを流す際、クリーニングガス供給側の領域Aの温度を低く設定し、逆に、順次領域B、領域C、領域Dでは、排気側に向かって、相対的に温度を高く設定する。これにより、クリーニングガス供給側の領域Aでのエッチング反応を遅く、排気側の領域B、C、Dでのエッチング反応を順次速くする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、処理工程とクリーニング工程とを有する半導体装置の製造方法に係り、特にクリーニング工程を改善したものに関する。
一般に、半導体装置の製造方法は、成膜などの処理を行う処理工程と、処理工程時に処理室内に付着した付着物を除去するクリーニング工程とを有する(例えば、特許文献1参照)。図4に、このような処理工程とクリーニング工程とを有する半導体装置の製造方法を実施するための縦型CVD装置を構成する処理炉の概念図を示す。
処理炉は、処理容器20を備え、その一端部にガス供給系21を他端部に排気系22をそれぞれ有し、CVD反応またはエッチング反応を促進させるためのヒータ23を処理容器20の周囲に配置した構造である。ヒータ23は、処理容器20の領域A〜Dに対応した複数の分割ヒータ23a〜23dから構成されて、各々独立して温度制御される。
先ず、ウェハ7上に薄膜を形成する処理工程について簡単に説明する。
真空に保たれた処理容器20において、予めボート6上に複数枚設置されたウェハ7を、処理容器20の周囲に配置された複数の分割ヒータ23a〜23dにより所定の温度まで加熱する。加熱後、ガス供給系21を構成する処理ガス供給口21aよりジクロルシラン(DCS:SiH2Cl2)、アンモニア(NH3)等の薄膜の原料となる処理ガスを導入しつつ排気系22より排気しながら、CVD反応によりウェハ7上に薄膜形成を行う。なお、このとき排気系22に設けられた可変コンダクタンスバルブ24により、処理容器20内の圧力を一定に保つよう圧力調整する。所定の膜厚まで薄膜形成されたら、直ちに処理ガス供給口21aからの処理ガスの供給を止め、ウェハ7の温度を降温し、処理容器20内よりウェハ7を取り出す。
真空に保たれた処理容器20において、予めボート6上に複数枚設置されたウェハ7を、処理容器20の周囲に配置された複数の分割ヒータ23a〜23dにより所定の温度まで加熱する。加熱後、ガス供給系21を構成する処理ガス供給口21aよりジクロルシラン(DCS:SiH2Cl2)、アンモニア(NH3)等の薄膜の原料となる処理ガスを導入しつつ排気系22より排気しながら、CVD反応によりウェハ7上に薄膜形成を行う。なお、このとき排気系22に設けられた可変コンダクタンスバルブ24により、処理容器20内の圧力を一定に保つよう圧力調整する。所定の膜厚まで薄膜形成されたら、直ちに処理ガス供給口21aからの処理ガスの供給を止め、ウェハ7の温度を降温し、処理容器20内よりウェハ7を取り出す。
次に、処理容器20内に付着した堆積膜を除去するクリーニング工程について簡単に説明する。
先に説明した処理工程においては、ウェハ表面に対する薄膜形成が本来意図するものであるが、実際にはウェハ表面以外、例えば処理容器20の内壁等に対しても薄膜が形成されてしまう。これらの堆積膜の付着は、ウェハ7上への薄膜形成工程の度に累積され、堆積膜が一定以上付着すると膜剥離が生じ、ウェハ7上での異物発生要因となってしまう。このため、クリーニングにより処理容器内に付着した堆積膜を除去する工程が必要となる。この工程を、クリーニングガスを用いて堆積膜を除去するドライクリーニング方法を例にとり説明する。
先に説明した処理工程においては、ウェハ表面に対する薄膜形成が本来意図するものであるが、実際にはウェハ表面以外、例えば処理容器20の内壁等に対しても薄膜が形成されてしまう。これらの堆積膜の付着は、ウェハ7上への薄膜形成工程の度に累積され、堆積膜が一定以上付着すると膜剥離が生じ、ウェハ7上での異物発生要因となってしまう。このため、クリーニングにより処理容器内に付着した堆積膜を除去する工程が必要となる。この工程を、クリーニングガスを用いて堆積膜を除去するドライクリーニング方法を例にとり説明する。
堆積膜が付着している処理容器20において、処理容器の周囲に配置された複数の分割ヒータ23a〜23dにより処理容器20を所定の温度まで加熱する。加熱後、ガス供給系21を構成するクリーニング系のガス供給口21bから、クリーニングガスとしてフッ素(F2)、窒素(N2)等のガスを導入しつつ排気系22より排気しながら、エッチング反応により、堆積膜の除去を行う。なお、このとき、排気系22に設けられた可変コンダクタンスバルブ24により、処理容器20内の圧力を一定に保つよう圧力調整する。また、排気系22に設けられた排気ポンプ25の下流側においては、希釈ガスN2導入口26から大量の希釈ガスN2を導入し、F2ガス濃度を1%以下にまで低減させて排気している。処理容器内の堆積膜が除去されたら、ガス供給口21bからのクリーニングガスの供給を止め、処理容器20内のシーズニングを行い、処理容器20を薄膜形成工程に移行できる状態に回復させる。
ところで、堆積膜の除去工程において、過去には、堆積膜が一定厚さ以上付着すると、縦型CVD装置から処理容器20を取り外し、HF水溶液の洗浄槽により堆積膜を除去するウェットクリーニングが主流であったが、近年は、上述したようなF2ガス等を用いたドライクリーニングが主流になりつつある。
ドライクリーニングによる堆積膜の除去は、CVD装置から処理容器を取り外す必要がないことから、メンテナンス性がウェットクリーニングに比べて非常に優れているといえる。しかしながら、処理容器20内におけるクリーニングガスのガス濃度分布の不均一やガス流れの偏り等に伴い、堆積膜に対するエッチング反応の進行状況が各部において異なり、その結果として部分的な堆積膜の膜残り(付着物残り)が発生するおそれがある。
一例として、図5に、分割ヒータ23a〜23dの温度設定を示す。全て350℃に設定されていることからもわかるように、一般には分割ヒータ23a〜23dの温度設定はほぼ同一値に設定される。
図6に、設定温度がほぼ同一値に設定されたときの領域別エッチング反応進行パターンの概念図を示す。一般的な処理容器内におけるエッチングは、クリーニングガスの供給側の領域Aから排気側に向かって、順次領域B、領域C、領域Dへと反応が進行し、排気側の領域Dの付着物が最後まで残りやすい。また、処理容器内のガス流路から外れるガス淀み部や低温部等、部分的にエッチング反応が進行しにくい場合も、その部分で付着物が残りやすい。
特開2002−175986号公報
このような部分的な付着物に対し、オーバーエッチング、すなわちクリーニング時間を延長することにより残存膜を完全に除去することは可能ではある。しかし、オーバーエッチングを実施すると、クリーニングガスの使用量が増大する。また、オーバーエッチングを実施している間、既に堆積膜が除去されている部分においては、処理容器構成部材である石英や金属等が直接クリーニングガスに晒されるため、石英に対するエッチング反応や金属腐食が著しく進行する。したがって、オーバーエッチングによる付着物残りの対処は、単にクリーニングガスの使用量が増大するだけに留まらず、処理容器構成部材の劣化をも招く等、改善すべき問題がある。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、クリーニング時間を延長することなく、処理室内の付着物を除去することが可能な半導体装置の製造方法を提供することにある。
第1の発明は、処理室を複数の加熱手段により加熱して基板を処理する半導体装置の製造方法において、前記処理室内を前記加熱手段により所望の処理温度とし、前記処理室内に処理ガスを供給しつつ排気して、前記基板に所望の処理をする処理工程と、前記処理工程時に前記処理室内に付着する付着物の付着具合に応じて前記複数の加熱手段の設定温度を少なくとも1つは異なる温度に設定し、前記処理室内にクリーニングガスを供給しつつ排気して、前記付着物を除去するクリーニング工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
処理工程時に処理室内に付着する付着物の付着具合は処理室内で異なる。したがって、付着物の付着具合に応じて、複数の加熱手段の設定温度を少なくとも1つは異なる温度に設定すると、部分的な付着物の残りを生じさせずにクリーニングすることができる。その結果、クリーニング時間を延長することなく、処理室内の付着物を除去することができる。
第2の発明は、基板を処理する処理室と、前記処理室内に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、前記処理室内にクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給手段と、前記処理室内を排気する排気手段と、前記処理室をガス流れに沿って複数の領域に分割して各領域を加熱する複数の加熱手段と、前記複数の加熱手段を独立に制御する温度制御手段とを備え、前記クリーニングガス供給手段から前記クリーニングガスを前記処理室内に流す際、前記温度制御手段は、前記クリーニングガス供給手段側に位置する領域の温度を、前記排気手段側に位置する領域の温度より低くなるように前記複数の加熱手段を制御することを特徴とする基板処理装置である。
クリーニングガス供給手段からクリーニングガスを処理室内に流す際、処理室内のいずれの領域の温度も同じであると、クリーニングガス供給手段側に位置する領域に付着した付着物の除去が速くなり、排気手段側に位置する領域に付着した付着物の除去が遅くなる。したがって、温度制御手段が、クリーニングガス供給手段側に位置する領域の温度を、排気手段側に位置する領域の温度より低くなるように複数の加熱手段を制御すると、クリーニングガス供給手段側に位置する領域に付着した付着物の除去が遅くなり、排気手段側に位置する領域に付着した付着物の除去が速くなる。その結果、処理室内の各領域における付着物除去の進行速度を合せることができ、処理室内を部分的な付着物の残りを生じさせずにクリーニングすることができ、クリーニング時間を延長することなく、処理室内の付着物を除去することができる。
第3の発明は、処理室を複数の領域に分割し、各領域を複数の加熱手段により加熱して基板を処理する半導体装置の製造方法において、前記処理室内を前記複数の加熱手段により所望の処理温度とし、前記処理室内に処理ガスを供給しつつ排気して、前記基板に所望の処理をする処理工程と、前記複数の加熱手段の設定温度を、前記複数の領域の内、クリーニングガス供給側の領域を排気側の領域より温度が低くなるような温度に設定し、前記処理室内にクリーニングガスを供給しつつ排気して、前記処理工程時に前記処理室内に付着した付着物を除去するクリーニング工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
クリーニングガス供給側からクリーニングガスを処理室内に流す際、処理室内の領域のいずれの温度も同じであると、クリーニングガス供給側の領域に付着した付着物の除去速度が、排気側の領域に付着した付着物の除去速度よりも相対的に速くなる。また、領域の温度が高いと付着物の除去速度が速く、領域温度が低いと付着物の除去速度が遅くなる。
したがって、複数の加熱手段の設定温度を、クリーニングガス供給側の領域の温度を、排気手段の領域の温度より低くなるように設定すると、クリーニングガス供給側の領域に付着した付着物の除去速度が遅くなり、排気手段側の領域に付着した付着物の除去速度が速くなる。その結果、処理室内の各領域における付着物除去の進行速度を合せることができ、処理室内を部分的な付着物を生じさせずにクリーニングすることができ、クリーニング時間を延長することなく、処理室内の付着物を除去することができる。
したがって、複数の加熱手段の設定温度を、クリーニングガス供給側の領域の温度を、排気手段の領域の温度より低くなるように設定すると、クリーニングガス供給側の領域に付着した付着物の除去速度が遅くなり、排気手段側の領域に付着した付着物の除去速度が速くなる。その結果、処理室内の各領域における付着物除去の進行速度を合せることができ、処理室内を部分的な付着物を生じさせずにクリーニングすることができ、クリーニング時間を延長することなく、処理室内の付着物を除去することができる。
本発明によれば、クリーニング時間を延長することなく、処理室内の付着物を除去することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。図1に半導体装置の製造方法を実施するための縦型CVD装置の処理炉の構成図を示す。なお、実施の形態の処理炉の構成は、基本的には、図4の従来例の構成と同じであり、したがって、図1では2系統のガス供給系を省略して1系統のガス供給ノズル8で示し、また排気系は排気管9だけを示して残りは省略した。また、実施の形態が従来例と異なる点は、クリーニング工程時に分割ヒータを独立して温度制御するようにした点である。
処理炉は、加熱手段としてのヒータ10と処理室としての処理容器15とを有する。
ヒータ10は、ガス流れに沿って複数に分割された分割ヒータ10a〜10dから構成されて、各領域A〜D内のウェハ7を所定の温度に加熱する。分割ヒータ10a〜10dは、例えば、上方から上部領域D、上方下部領域C、中央下部領域B、及び下部領域Aの4つに分割した縦型の処理容器15の各領域に各々配設される。分割ヒータ10a〜10dは、温度制御部16によって、領域毎に各々独立に制御可能になっている。
下部領域Aは、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給手段側に位置する領域、ないしクリーニングガス供給側の領域を構成する。上部領域Dは、処理容器15の上端部から空間14を介して内部の雰囲気が排出される排気手段側に位置する領域、ないし排気側の領域を構成する。
なお、図1に示す処理容器15と図4に示す処理容器20とは、ガス流れの上流側と下流側とが逆転しているので、領域符号A〜Dの付け方も逆転している。
下部領域Aは、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給手段側に位置する領域、ないしクリーニングガス供給側の領域を構成する。上部領域Dは、処理容器15の上端部から空間14を介して内部の雰囲気が排出される排気手段側に位置する領域、ないし排気側の領域を構成する。
なお、図1に示す処理容器15と図4に示す処理容器20とは、ガス流れの上流側と下流側とが逆転しているので、領域符号A〜Dの付け方も逆転している。
処理容器15は、ヒータ10の内側に設けられて、外部反応管1と内部反応管2とから構成される。内部反応管2は、外部反応管1の内部に同心状に配設され、上端部と下端部が開放された処理室を構成する。外部反応管1、内部反応管2は炉口フランジ3上に立設され、外部反応管1と炉口フランジ3の上端との間は図示しないOリングによりシールされている。炉口フランジ3の下端はシールキャップ5により気密に閉塞され、シールキャップ5にボート6が立設されて内部反応管2内に挿入される。ボート6にはウェハ載置領域には処理されるウェハ7が水平姿勢で多段に装填される。また、ボート6の下方の領域には、所要枚数の断熱板4が水平姿勢で多段に装填される。
炉口フランジ3に、処理ガスまたはクリーニングガスを供給するガス供給ノズル8が設けられ、炉口フランジ3上に立設された内部反応管2とその下端部で連通している。このガス供給ノズル8が、処理ガス供給手段またはクリーニングガス供給手段を構成する。また、炉口フランジ3に排気管9が設けられ、外部反応管1と内部反応管2との間に形成される円筒状の空間14と連通している。この排気管9が排気手段の一部を構成する。
炉口フランジ3に、処理ガスまたはクリーニングガスを供給するガス供給ノズル8が設けられ、炉口フランジ3上に立設された内部反応管2とその下端部で連通している。このガス供給ノズル8が、処理ガス供給手段またはクリーニングガス供給手段を構成する。また、炉口フランジ3に排気管9が設けられ、外部反応管1と内部反応管2との間に形成される円筒状の空間14と連通している。この排気管9が排気手段の一部を構成する。
このように処理炉は、炉の下端部から処理ガスまたはクリーニングガスが供給され、炉の上端部から空間14を介して内部の雰囲気が排出されうるような2重構造の処理容器15を用いている。
上述した処理炉を構成する部材の内、反応管1、2、ボート6は石英製部材で構成され、炉口フランジ3などの炉口部材は金属製部材で構成される。ここで炉口部材とは、内部反応管2内にボート6を挿入したとき、炉口部を構成することとなる反応管側の部材とボート側部材の双方をいう。
図1の処理炉下部構造を説明すると、外部反応管1、内部反応管2、ボート6の柱6a等は石英製部材で構成される。また、炉口部であってクリーニングガスに晒される炉口フランジ3はSUS304などの金属製部材で、そして炉口をシールするシールキャップ5、及びボート6を保持するキャップ受け11等は、ハステロイC22などの金属製部材でそれぞれ構成されている。
次に上記のような構成の縦型CVD装置において、シリコンウェハ上にSi3N4膜を形成する半導体装置の製造方法について説明する。
処理工程では、予めボート6上に複数枚設置されたウェハ7を、複数の分割ヒータ10a〜10dにより、領域毎に別々に設定した成膜温度まで加熱する。その後、ガス供給系を構成するガス供給ノズル8から、DCS、NH3の処理ガスを供給しつつ排気し、内部反応管2内を所定の成膜温度に加熱維持して、ウェハ7表面にCVD反応によりSi3N4膜を形成する。このとき、処理容器15内の圧力を一定に保つよう圧力調整する。所定の膜厚まで薄膜形成されたら、直ちにガス供給ノズル8からの処理ガスの供給を止め、代りに不活性ガスを処理容器15内に供給し、反応管1、2内を不活性ガスに置換して常圧に復帰させ、ウェハ7の温度を降温し、ボート6を下降させ、ボート6から成膜完了後のウェハ7を払い出す。
上述したSi3N4膜の成膜条件を例示すれば次の通りである。
成膜温度:A領域〜D領域 650℃〜780℃
成膜圧力:25Pa〜50Pa
成膜用ガス:DCS(50sccm〜300sccm)
NH3(150sccm〜1200sccm)
成膜温度:A領域〜D領域 650℃〜780℃
成膜圧力:25Pa〜50Pa
成膜用ガス:DCS(50sccm〜300sccm)
NH3(150sccm〜1200sccm)
上記成膜工程を1回または複数回繰り返すと処理容器15にSi3N4膜からなる堆積膜が付着する。クリーニング工程でこの堆積膜を除去する。
クリーニング工程では、複数の分割ヒータ10a〜10dにより堆積膜が付着している処理容器15内を、領域A〜D毎に別々に設定した温度まで加熱する。加熱後、ガス供給系を構成するクリーニング系のガス供給ノズル8から、クリーニングガスとしてF2、N2を混合したクリーニングガスを導入しつつ排気管9より排気しながら、エッチング反応により、反応管1、2内の石英製部材または金属製部材に付着したSi3N4膜を除去する。
この際、排気系に設けられた可変コンダクタンスバルブにより、処理容器15内の圧力を一定に保つよう圧力調整する。また、排気系に設けられた排気ポンプの下流側においては、希釈ガスN2導入口から大量の希釈ガスN2を導入し、F2ガス濃度を1%以下にまで低減させて排出している。処理容器内の堆積膜が除去されたら、ガス供給ノズル8からのクリーニングガスの供給を止め、処理容器15内のシーズニングを行い、処理容器15を薄膜形成工程に移行できる状態に回復させる。
ここで行うシーズニングについて説明する。例えば、処理容器15内をクリーニング時での設定温度のままとし、クリーニングガスであるF2の供給を止めた後、ガス供給ノズル8からN2を供給する。N2によるパージをした後、可変コンダクタンスバルブを閉め、N2の供給により処理容器15内の圧力を上昇させる。所定の時間経過後、N2を供給し続けている最中に、可変コンダクタンスバルブを全開にして処理容器15内が真空になるまで減圧する。真空に到達したら、再び、可変コンダクタンスバルブを閉め、N2の供給により処理容器15内の圧力を上昇させる。この処理容器15内の昇圧と減圧を何回か繰り返すサイクルパージを実行することにより、処理容器15内及び排気管、ガス供給管、ガス供給ノズルに残留したF2ガスを排気除去する。処理容器15内の昇圧と減圧を何回か繰り返した後、処理容器15内が真空状態の時にN2の供給を止める。可変コンダクタンスバルブにて処理容器15内の圧力を調整しつつ、ガス供給ノズル8からNH3(アンモニア)を所定時間供給し続ける。このNH3によるパージにより、残留したF2をNH3と反応させてNH4F(フッ化アンモニウム)とする。このNH4Fを排気除去することにより、残留したF2を有効に排気除去する。NH3を所定の時間供給している最中に、ヒータの温度を次回の成膜を行う温度に上昇させ、次回の成膜に備える。これにより、次回の成膜温度に上昇させる時間をNH3によるパージ時間と兼ねることができ、スループットが向上する。
なお、このクリーニング工程において、炉口部を金属製のシャッタで塞いだり、ウェハを払い出した空のボート6を反応管2内に挿入したりして、ボート6を構成している石英製部材または金属製部材を一緒にクリーニングしてもよい。
上述したSi3N4膜の成膜後のクリーニング条件を例示すれば次の通りである。
クリーニング温度:300℃〜400℃(詳細は後述)
クリーニング圧力:13330Pa〜53320Pa
クリーニングガス:F2(1SLM〜5SLM)
N2(1SLM〜10SLM)
クリーニング温度:300℃〜400℃(詳細は後述)
クリーニング圧力:13330Pa〜53320Pa
クリーニングガス:F2(1SLM〜5SLM)
N2(1SLM〜10SLM)
実施の形態では、上述したクリーニング工程において、複数に分割された分割ヒータ10a〜10dの温度設定を一定にするのではなく、処理容器内の部分的な堆積膜の膜残りの発生をなくすために、互いに異なる温度に設定している。
ここでの設定方法は、ガス供給ノズル8側に位置するA領域の温度を、排気管9側に位置するD領域の温度より低くなるようにしている。
図2に、そのような温度設定の一例を示す。本例では、温度制御部16により、ガス供給側のA領域から排気側のD領域に向けて段階的に温度が高くなるように、分割ヒータ10a〜10dの温度を設定してある。すなわち、B領域の温度設定を従来例(図5参照)と同じ350℃とし、この温度設定を基準にして、A領域の温度を25℃低い325℃に設定し、C領域の温度を逆に25℃高い375℃に設定し、そしてD領域の温度を50℃高い400℃に設定してある。
図2に、そのような温度設定の一例を示す。本例では、温度制御部16により、ガス供給側のA領域から排気側のD領域に向けて段階的に温度が高くなるように、分割ヒータ10a〜10dの温度を設定してある。すなわち、B領域の温度設定を従来例(図5参照)と同じ350℃とし、この温度設定を基準にして、A領域の温度を25℃低い325℃に設定し、C領域の温度を逆に25℃高い375℃に設定し、そしてD領域の温度を50℃高い400℃に設定してある。
図3に、本例による領域別のエッチング反応の進行パターンの理想的な概念図を示す。クリーニング開始初期よりエッチング反応が進行しやすく、早い段階で堆積膜が除去されるクリーニングガスの供給側の領域Aにおいて、本例では、相対的に温度を低く設定することにより、エッチング反応を遅くさせる。逆に、順次領域B、領域C、領域Dでは、排気側に向かって相対的に温度を高く設定していくことにより、エッチング反応を速くさせる。結果として処理容器内全域における堆積膜が除去される終点(クリーニング終点)が同時期となり、部分的な膜残りがなく、クリーニングが終了される。
なお、図3における領域Bの反応の進行パターンと図6における領域Bの進行パターンとは、温度設定が同じであることから、本来、同一パターンで描かれるべきであるが、同じになってはいない。これは、図3に示す反応の進行パターンに理想的なパターンを想定しているからである。
なお、図3における領域Bの反応の進行パターンと図6における領域Bの進行パターンとは、温度設定が同じであることから、本来、同一パターンで描かれるべきであるが、同じになってはいない。これは、図3に示す反応の進行パターンに理想的なパターンを想定しているからである。
上述したように実施の形態によれば、薄膜を形成する処理工程の後に、F2等を用いて行うクリーニング工程において、クリーニングガスの供給側の領域Aにおいて相対的に温度を低く設定してエッチング反応を遅くさせ、逆に、順次領域B、領域C、領域Dでは、排気側に向かって相対的に温度を高く設定していくことにより、エッチング反応を速くさせている。これにより、処理容器内全域における堆積膜が除去される終点を同時期にそろえ、部分的な膜残りが生じないようにして、クリーニングを終了させるようにしている。
したがって、オーバーエッチングすることなく、短時間で効率良く処理容器内に付着した堆積膜を除去することができる。また、クリーニング時間が短時間で済むので、クリーニングガスの使用量を削減できる。また、オーバーエッチングすることがないので、処理容器構成部材である石英や金属等が直接クリーニングガスに晒されることを抑制できる。その結果、石英やSUS、あるいはハステロイからなる反応室構成部材の劣化を低減でき、装置部品の寿命を著しく向上させることができる。また、SUSあるいはハステロイからなるボート側の金属部材側の温度を反応管側の部材より比較的低温とすることができるので、金属部材の腐食を抑制することができる。
したがって、オーバーエッチングすることなく、短時間で効率良く処理容器内に付着した堆積膜を除去することができる。また、クリーニング時間が短時間で済むので、クリーニングガスの使用量を削減できる。また、オーバーエッチングすることがないので、処理容器構成部材である石英や金属等が直接クリーニングガスに晒されることを抑制できる。その結果、石英やSUS、あるいはハステロイからなる反応室構成部材の劣化を低減でき、装置部品の寿命を著しく向上させることができる。また、SUSあるいはハステロイからなるボート側の金属部材側の温度を反応管側の部材より比較的低温とすることができるので、金属部材の腐食を抑制することができる。
なお、実施の形態では、分割ヒータの温度設定を各々異ならせることによって、堆積膜が除去される処理容器内全域のクリーニング終点を同時期に合せるという、理想的な場合について説明したが、さらに現実的な例として、例えば実際のクリーニングプロセスにおいて、ガス濃度分布の不均一やガス流れの偏り、あるいはガス流路から外れるガス淀み部や低温部等に伴い、最後まで堆積膜の膜残りがある部分に対して、当該部分のみの分割ヒータの温度を他の部分よりも高く設定し、当該部分のエッチング反応の進行を促進させることもできる。これにより、部分的にエッチング反応が進行しにくい場合でも、付着物を部分的に残すことなく有効に除去できる。
また、実施の形態では、処理工程でDCS、NH3を用いてSi3N4膜を成膜し、クリーニング工程でこれをF2ガスで除去する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、SiH4を用いてポリシリコン膜を成膜し、これをClF3で除去する場合等、他のプロセスの場合についても適用可能である。また、成膜方法として、複数の原料ガスを同時に供給し、気相反応と表面反応を利用して成膜を行うCVD法を用いた場合について説明したが、複数の原料ガスを1種類ずつ交互に供給し、1原子層単位で吸着させ、表面反応のみを利用して成膜を行うALD法を用いて成膜した後のクリーニング工程にも適用可能である。
7 ウェハ(基板)
8 ガス供給ノズル
9 排気管
10 ヒータ(加熱手段)
10a〜10d 分割ヒータ(複数の加熱手段)
15 処理容器(処理室)
16 温度制御部
A〜D 領域
8 ガス供給ノズル
9 排気管
10 ヒータ(加熱手段)
10a〜10d 分割ヒータ(複数の加熱手段)
15 処理容器(処理室)
16 温度制御部
A〜D 領域
Claims (1)
- 処理室を複数の加熱手段により加熱して基板を処理する半導体装置の製造方法において、
前記処理室内を前記加熱手段により所望の処理温度とし、前記処理室内に処理ガスを供給しつつ排気して、前記基板に所望の処理をする処理工程と、
前記処理工程時に前記処理室内に付着する付着物の付着具合に応じて前記複数の加熱手段の設定温度を少なくとも1つは異なる温度に設定し、前記処理室内にクリーニングガスを供給しつつ排気して、前記付着物を除去するクリーニング工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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JP2004238623A JP2006059921A (ja) | 2004-08-18 | 2004-08-18 | 半導体装置の製造方法 |
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2004
- 2004-08-18 JP JP2004238623A patent/JP2006059921A/ja active Pending
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