JP2014197640A - プラズマ処理装置、およびプラズマ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態に係るプラズマ処理装置は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な処理容器と、前記処理容器の内部を所定の圧力まで減圧する減圧部と、前記処理容器の内部に設けられ、被処理物を載置する位置に開口する凹部を有した載置部と、内部にプラズマを発生させる領域を有し、前記処理容器から離隔された位置に設けられた放電管と、マイクロ波発生部から放射されたマイクロ波を前記プラズマを発生させる領域に向けて伝播する導入導波管と、前記プラズマを発生させる領域に第1のガスを供給する第1のガス供給部と、前記放電管と、前記処理容器と、を連通させる輸送管と、前記凹部の内部に、水素原子を含む第2のガスを供給する第2のガス供給部と、を備えている。
【選択図】図1
Description
この様なプラズマ処理装置において、被処理物と載置部の上面との間にプラズマ生成物が侵入すると、被処理物の載置部側の面が損傷するおそれがある。
ここで、被処理物と載置部の上面との間にヘリウムガスなどのパージガスを供給する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
被処理物と載置部の上面との間にヘリウムガスなどのパージガスを供給すれば、被処理物と載置部の上面との間にプラズマ生成物が侵入するのを抑制することができる。しかしながら、ヘリウムガスなどのパージガスを供給しても、プラズマ生成物が侵入するのを完全に防止することはできない。そのため、被処理物の載置部側の面に損傷が発生するおそれがある。
図1は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置1を例示するための模式図である。
図2は、他の実施形態に係るガス制御板20を例示するための模式図である。
図1に例示をするプラズマ処理装置1は、一般に「CDE(Chemical Dry Etching;ケミカルドライエッチング)装置」と呼ばれるマイクロ波励起型のプラズマ処理装置である。
すなわち、マイクロ波により励起させたプラズマを用いてプロセスガスからプラズマ生成物を生成し、被処理物の処理を行うプラズマ処理装置の一例である。
プラズマ発生部2には、放電管9、遮蔽部18、および導入導波管10が設けられている。
放電管9は、内部にプラズマPを発生させる領域を有し、処理容器13から離隔された位置に設けられている。
放電管9は、管状を呈し、マイクロ波Mに対する透過率が高くエッチングされにくい材料から形成することができる。例えば、放電管9は、アルミナや石英などの誘電体から形成することができる。
減圧部3には、ポンプ3a、および圧力制御部3bが設けられている。
ポンプ3aは、圧力制御部3bを介して、処理容器13の排気口13dに接続されている。
ポンプ3aは、例えば、ターボ分子ポンプ(Turbomolecular Pump:TMP)などとすることができる。
圧力制御部3bは、処理容器13の内圧を検出する図示しない真空計の出力に基づいて、処理容器13の内圧が所定の圧力となるように制御する。
圧力制御部3bは、例えば、圧力制御器(Auto Pressure Controller:APC)などとすることができる。
第1のガス供給部4には、ガス供給源4aおよび流量制御弁4b(Mass Flow Controller:MFC)が設けられている。
ガス供給源4aは、例えば、高圧の第1のガスG1が収納されたボンベなどとすることができる。また、ガス供給源4aには、第1のガスG1の供給と停止を制御する開閉弁が設けられている。
第1のガスG1は、プラズマ処理の種類などに応じて適宜選択することができる。例えば、プラズマエッチング処理の場合には、第1のガスG1は、フッ素原子を含むガス(例えば、CF4、NF3、C2F6、C3F8、SF6など)や、フッ素原子を含むガスと窒素ガスなどとの混合ガスなどとすることができる。
また、プラズマアッシング処理の場合には、第1のガスG1は、酸素原子を含むガス(例えば、酸素ガスなど)や、酸素原子を含むガスと窒素ガスなどとの混合ガスなどとすることができる。
処理容器13は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持する。
処理容器13は、有底の略円筒形状を呈し、その上端が天板13aで塞がれている。また、処理容器13の側壁には、被処理物W(例えば、半導体ウェーハやガラス基板など)を搬入搬出するための開口部13bが設けられている。開口部13bは、扉13cにより閉鎖できるようになっている。
また、載置部15には、一端が載置部15の底面に開口し、他端が凹部15aの底面に開口する孔部15c(第2の孔部の一例に相当する)が設けられている。
保持部16には、押さえ爪16a、軸部16b、接続部16c、および駆動部16dが設けられている。
押さえ爪16aは、載置部15の上方に設けられている。押さえ爪16aの先端は、被処理物Wの周縁近傍に接触できる位置に設けられている。
接続部16cは、板状を呈し、一方の面には複数の軸部16bが接続され、他方の面には駆動部16dが接続されている。
駆動部16dは、接続部16cおよび軸部16bを介して、押さえ爪16aを昇降させる。
駆動部16dは、例えば、エアシリンダなどを備えたものとすることができる。
ガス分散板17は、処理容器13の内部に設けられている。ガス分散板17は、輸送管14との接続部分よりは下方に位置し、載置部15の上面を覆うように設けられている。
また、処理容器13の内壁面、ガス分散板17の表面、および、後述するガス制御板20の表面は、中性活性種と反応しにくい材料(例えば、四弗化樹脂(PTFE)またはアルミナ等のセラミック材料など)で覆われている。
受け渡し部19には、リフトピン19a、接続部19b、および駆動部19cが設けられている。
リフトピン19aは、載置部15を厚み方向に貫通する孔に挿通されている。リフトピン19aは、複数設けられている。複数のリフトピン19aの一端は、被処理物Wの周縁近傍にそれぞれ接触できる位置に設けられている。複数のリフトピン19aの他端は接続部19bにそれぞれ接続されている。
駆動部19cは、接続部19bを介して、リフトピン19aを昇降させる。
駆動部19cは、例えば、エアシリンダなどを備えたものとすることができる。
ガス制御板20は、板状を呈し、載置部15の上面の周囲に設けられている。
ガス制御板20は、孔部15bが載置部15の側壁に開口する位置よりも上方に設けられ、プラズマ処理が行われる処理空間100を画する。
ガス制御板20には、厚み方向を貫通する流路20aが設けられている。流路20aは、例えば、孔とすることもできるし、ガス制御板20と、処理容器13の側壁との間に設けられた隙間などとすることもできる。
例えば、流路20aの流路抵抗を大きくする場合には、流路20aの流路断面積を小さくすればよい。
また、第2のガスG2の流れを排気口13d側に向ける場合には、図2に示すように、排気口13d側に向けて屈曲する屈曲部20bを有したガス制御板20とすればよい。
例えば、流路20aの流路断面積を大きくすることで、流路20aの流路抵抗を小さくすることができる。
第2のガス供給部7には、ガス供給源7aおよび流量制御弁(Mass Flow Controller:MFC)7bが設けられている。
ガス供給源7aは、例えば、高圧の第2のガスG2が収納されたボンベなどとすることができる。また、ガス供給源7aには、第2のガスG2の供給と停止を制御する開閉弁が設けられている。
水素原子を含むガスは、例えば、アンモニアガス(NH3)や、水(H2O)を含むガスなどとすることができる。
また、水素原子を含むガスは、水素を含む混合ガス(例えば、水素ガスとアルゴンガスとの混合ガス、水素ガスと窒素ガスとの混合ガスなど)とすることもできる。
そのため、凹部15aには、新しい第2のガスG2が逐次供給されることになる。
また、流量制御弁7bにより、凹部15aの内部に供給する第2のガスG2の供給量を制御することで、第2のガスG2の一部を処理空間100に供給したり、処理空間100に供給される第2のガスG2の量を変化させたりすることもできる。
なお、第2のガスG2の作用および効果に関する詳細は後述する。
制御部8は、例えば、ポンプ3a、圧力制御部3b、ガス供給源4a、流量制御弁4b、マイクロ波発生部5、駆動部16d、駆動部19c、ガス供給源7a、および流量制御弁7bなどの制御を行う。
例えば、制御部8は、第2のガス供給部7(ガス供給源7a)を制御して、第2のガスG2を凹部15aの内部に供給する。
また、例えば、制御部8は、第2のガス供給部7(流量制御弁7b)を制御して、凹部15aの内部に供給される第2のガスG2の供給量を変化させる。
また、例えば、制御部8は、凹部15aの内部に供給される第2のガスG2の供給量を制御することで、ガス制御板20に設けられた流路20aを介して処理空間100に供給される第2のガスG2の供給量を制御する。
また、例えば、制御部8は、保持部16(駆動部16d)を制御して、被処理物Wの保持と、保持の解除を行う。
この場合、被処理物Wと載置部15の上面との間にヘリウムガスなどのパージガスを供給しても、プラズマ生成物が侵入するのを完全に防止することはできない。そのため、被処理物Wの載置部15側の面Wbに損傷が発生するおそれがある。
そのため、本実施の形態においては、被処理物Wの載置部15側に水素原子を含む第2のガスG2を供給するようにしている。
この様にすれば、被処理物Wと載置部15の上面との間にフッ素ラジカルや酸素ラジカルが侵入したとしても、これらを失活させることができるので、被処理物Wの載置部15側の面Wbに損傷が発生するのを抑制することができる。
そのため、凹部15aには、フッ素ラジカルや酸素ラジカルと反応していない新しい第2のガスG2が逐次供給されることになる。
その結果、第2のガスG2によるフッ素ラジカルや酸素ラジカルの失活効果が、経時的に低減することがない。
この場合、本発明者の得た他の知見によれば、プラズマ処理の対象部分の材料によって、処理レートが高くなったり、処理レートが低くなったり、処理レートに変化が無かったりすることが判明した。
この場合、第2のガスG2の処理空間100への供給量は、輸送管14から供給される中性活性種を含んだガスに対して、数wt%程度とすることができる。
また、孔部15bは、第2のガスG2が処理空間100へ回りこみやすいような構成を有したものとすることができる。例えば、孔部15bは、処理空間100に向かって傾斜した軸線を有したものとすることができる。
図3(a)〜図5(b)は、プラズマ処理装置1の作用および本実施の形態に係るプラズマ処理方法について例示をするための模式図である。
なお、図3(a)〜図5(b)においては、図を見やすくするために、一部の要素を省略して描いている。
この際、扉13cを開き、開口部13bを予め開放状態としておく。また、軸部16bを介して、押さえ爪16aを予め上昇させておく。また、リフトピン19aを予め上昇させておく。
この際、扉13cを閉じ、開口部13bを予め閉鎖状態としておく。そして、リフトピン19aを下降させて、被処理物Wを載置部15の上面に載置する。また、前述したポンプ3aと圧力制御部3bにより、処理容器13の内部を所定の圧力まで減圧する。
軸部16bを介して、押さえ爪16aを下降させ、押さえ爪16aにより、被処理物Wの周縁近傍を押さえつける。
第1のガスG1は、前述したガス供給源4aから流量制御弁4bを介して、放電管9の内部に供給される。放電管9の内部に供給された第1のガスG1は、輸送管14を介して、処理容器13の内部に供給される。処理容器13の内部に供給された第1のガスG1は、ガス分散板17を介して、処理空間100に供給される。処理空間100に供給された第1のガスG1は、排気口13dを介して、処理容器13の外部に排出される。
なお、処理容器13の内部への第2のガスG2の供給は、必ずしも第1のガスGの供給とともに行う必要はない。すなわち、第2のガスG2の供給は、被処理物Wのプラズマ処理が行われている際であればよい。
例えば、前述した流量制御弁7bにより、凹部15aの内部に供給する第2のガスG2の供給量を制御することで、第2のガスG2の一部を処理空間100に供給したり、処理空間100に供給される第2のガスG2の量を変化させたりすることができる。
まず、前述したマイクロ波発生部5から所定のパワーのマイクロ波Mを導入導波管10内に放射する。放射されたマイクロ波Mは導入導波管10内を伝播し、スロット12を介して放電管9に向けて放射される。
処理容器13の内部に供給された中性活性種を含むガスは、ガス分散板17を介して、処理空間100に供給される。この際、中性活性種を含むガスは、ガス分散板17により分散される。
例えば、プラズマ処理の対象部分の材料が窒化シリコンである場合には、第2のガスG2の一部を処理空間100に供給することで、エッチングレートを高くすることができる。
この際、マイクロ波Mの放射や、第1のガスG1および第2のガスG2の供給を予め停止する。また、処理容器13の内部を予め大気圧に戻す。
そして、扉13cを開き、開口部13bを開放状態とする。
続いて、軸部16bを介して、押さえ爪16aを上昇させる。
続いて、リフトピン19aを上昇させて、載置部15の上面から被処理物Wを持ち上げる。
続いて、図示しない搬送装置により、開口部13bを介して被処理物Wを搬出する。
この後、必要に応じて、前述した工程が繰り返される。
処理容器13から離隔された位置に設けられた放電管9の内部にマイクロ波Mを導入してプラズマPを発生させ、プラズマPにより第1のガスG1を励起させてプラズマ生成物を生成する工程。
プラズマ生成物を用いて、載置部15の上面に載置された被処理物Wに対するプラズマ処理を行う工程。
載置部15の被処理物Wを載置する位置に開口する凹部15aに水素原子を含む第2のガスG2を供給する工程。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、プラズマ処理装置1が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (6)
- 大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な処理容器と、
前記処理容器の内部を所定の圧力まで減圧する減圧部と、
前記処理容器の内部に設けられ、被処理物を載置する位置に開口する凹部を有した載置部と、
内部にプラズマを発生させる領域を有し、前記処理容器から離隔された位置に設けられた放電管と、
マイクロ波発生部から放射されたマイクロ波を前記プラズマを発生させる領域に向けて伝播する導入導波管と、
前記プラズマを発生させる領域に第1のガスを供給する第1のガス供給部と、
前記放電管と、前記処理容器と、を連通させる輸送管と、
前記凹部の内部に、水素原子を含む第2のガスを供給する第2のガス供給部と、
を備えたプラズマ処理装置。 - 一端が前記載置部の側壁に開口し、他端が前記凹部の側壁に開口する第1の孔部と、
一端が前記凹部の底面に開口する第2の孔部と、
をさらに有し、
前記水素原子を含む第2のガスは、前記第2の孔部を介して前記凹部の内部に供給され、前記第1の孔部を介して前記凹部の内部から排出される請求項1記載のプラズマ処理装置。 - 前記第1の孔部が前記載置部の側壁に開口する位置よりも上方に設けられ、プラズマ処理が行われる処理空間を画するガス制御板と、
前記第2のガス供給部を制御して、前記凹部の内部に供給される前記第2のガスの供給量を変化させる制御部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記凹部の内部に供給される前記第2のガスの供給量を制御することで、前記ガス制御板に設けられた流路を介して前記処理空間に供給される前記第2のガスの供給量を制御する請求項2記載のプラズマ処理装置。 - 処理容器から離隔された位置に設けられた放電管の内部にマイクロ波を導入してプラズマを発生させ、前記プラズマにより第1のガスを励起させてプラズマ生成物を生成する工程と、
前記プラズマ生成物を用いて、前記処理容器の内部に設けられた載置部の上面に載置された被処理物に対するプラズマ処理を行う工程と、
前記プラズマ処理を行う際に、前記載置部の前記被処理物を載置する位置に開口する凹部の内部に水素原子を含む第2のガスを供給する工程と、
を備えたプラズマ処理方法。 - 前記凹部の内部に水素原子を含む第2のガスを供給する工程において、
前記水素原子を含む第2のガスは、
一端が前記凹部の底面に開口する第2の孔部を介して前記凹部の内部に供給され、
一端が前記載置部の側壁に開口し、他端が前記凹部の側壁に開口する第1の孔部を介して前記凹部の内部から排出される請求項4記載のプラズマ処理方法。 - 前記凹部の内部に水素原子を含む第2のガスを供給する工程において、
前記第1の孔部が前記載置部の側壁に開口する位置よりも上方に設けられ、プラズマ処理が行われる処理空間を画するガス制御板に設けられた流路を介して、前記処理空間に供給される前記第2のガスの供給量を制御する請求項5記載のプラズマ処理方法。
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