JP2006058362A - 電気光学装置、その製造方法および電子機器 - Google Patents

電気光学装置、その製造方法および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 良好な素子特性を維持しながら、補助容量線の抵抗に起因した表示品位の低下を抑制する。
【解決手段】 本発明の電気光学装置は、互いに交差する方向に延在する走査線21及びデータ線13と、データ線13に一端が接続された二端子型非線形素子であって、第1導電層141と、絶縁層145と、第1導電層141よりも抵抗率が低い材料からなる第2導電層131,142とを積層してなる二端子型非線形素子14と、二端子型非線形素子14の他端に接続され、走査線21に電気光学物質を挟んで対向する画素電極16と、第2導電層131,142と同一の材料からなり、走査線21と交差する補助容量線17と、補助容量線17に接続された第1電極181と画素電極16に接続された第2電極182とが相互に対向してなる補助容量18とを備えている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電気光学装置、その製造方法および電子機器に関し、より詳しくは、二端子型非線形素子を利用して液晶などの電気光学物質の光学的な特性を制御する技術に関するものである。
電気光学物質の挙動を制御するためにTFD(Thin Film Diode)素子などの二端子型非線形素子を利用したアクティブマトリクス型の電気光学装置が従来から提案されている。この種の電気光学装置においては、電極間に電気光学物質を介挿してなる容量(以下「画素容量」という)と二端子型非線形素子とが走査線とデータ線との間に直列に接続されるのが一般的である。この構成のもと、走査線とデータ線とに印加された電圧に応じて二端子型非線形素子の抵抗値が変化し、この抵抗値に応じた電荷が画素容量に蓄積されることによって電気光学物質の光学的な特性(例えば透過率)が制御される。
この構成においては、走査線とデータ線とに印加された電圧が、二端子型非線形素子に付随する容量と画素容量とによって容量分割される。したがって、二端子型非線形素子の容量が画素容量に比較して充分に小さければ(すなわち画素容量と二端子型非線形素子の容量との比が充分に大きければ)、走査線とデータ線との電圧の大部分が二端子型非線形素子に印加されるから、二端子型非線形素子の抵抗値を迅速かつ確実に低下させて画素容量に充分な電荷を蓄積することができる。しかしながら、二端子型非線形素子の容量の低下または画素容量の増大によって画素容量と二端子型非線形素子の容量との比(以下では単に「容量比」という場合がある)を増加させるには限界がある。すなわち、第1に、二端子型非線形素子の容量を低下させるためには二端子型非線形素子の小型化が必要となるが、このような小型化には製造技術上の制約が伴ない、第2に、画素容量を増大させるためには画素面積の増加が必要となるものの、この面積の増大は表示画像の高精細化の要求に反する結果を招きかねないからである。そして、容量比を充分に確保できない場合には二端子型非線形素子に所期の電圧が印加されないから、二端子型非線形素子を適切に動作させることができず、ひいては表示品位の低下を招くといった問題がある。この問題を解決するために、例えば特許文献1及び特許文献2には、画素容量と並列に補助容量を配置した構成が提案されている。この補助容量は、画素容量を構成する画素電極と補助容量線とを絶縁層を挟んで対向させることによって形成される。また、補助容量線は、金属/絶縁体/金属からなる二端子型非線形素子の下層側の金属電極と同時に形成される。
特開平5−19302号公報 特開平10−307298号公報
しかしながら、このような構成のもとでは、補助容量線の抵抗に起因した表示品位の低下が問題となる。すなわち、補助容量線のうち電圧が印加される部分から各補助容量までの抵抗が相違するため、仮に総ての画素に同じ階調を表示させようとしても、各補助容量に印加される電圧が画素ごとに相違し、ひいては各二端子型非線形素子に印加される電圧がばらつくことになる。この結果、各画素によって実際に表示される階調と本来の階調との誤差が画素ごとに相違することになって表示品位の低下を招くのである。特に、特許文献1に記載されているように、補助容量線を二端子型非線形素子の下層側の金属電極と一括で形成する構成においては、補助容量線が抵抗値が高いタンタル(Ta)などの導電性材料によって形成されるため、各補助容量に印加される電圧のばらつきが顕著になり、表示品位の低下はいっそう深刻となる。これに対して、特許文献2のように補助容量線及び二端子型非線形素子の下層側の金属電極をアルミニウム(Al)等の抵抗率の低い導電性材料によって形成する構造も考えられるが、素子特性としては、前記下層側の金属電極をタンタルで形成した場合に比べて劣ったものになってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な素子特性を維持しながら、補助容量線の抵抗に起因した表示品位の低下を抑制することにある。
この目的を達成するために、本発明の電気光学装置は、互いに交差する方向に延在する走査線及びデータ線と、前記走査線及び前記データ線のうち一方の配線に一端が接続された二端子型非線形素子であって、第1導電層と、絶縁層と、前記第1導電層よりも抵抗率が低い材料からなる第2導電層とを積層してなる二端子型非線形素子と、前記二端子型非線形素子の他端に接続され、前記走査線及び前記データ線のうち他方の配線に電気光学物質を挟んで対向する画素電極と、前記第2導電層と同一の材料からなり、前記一方の配線と交差する補助容量線と、前記補助容量線に接続された第1電極と前記画素電極に接続された第2電極とが相互に対向してなる補助容量とを備え、前記一方の配線は、前記補助容量線との交差部において、前記第1導電層と同一の材料からなる中継層を有することを特徴とする。
この構成によれば、補助容量線が二端子型非線形素子の第1導電層と異なる材料(第1導電層よりも抵抗率の低い材料)によって形成されているので、補助容量線が抵抗率の高い二端子型非線形素子の第1導電層と同一の材料からなる特許文献1,2の構成と比較して、補助容量線の抵抗に起因した表示品位の低下(特に表示階調のばらつき)を抑えることができる。また、補助容量線が二端子型非線形素子の第2導電層と同じ材料からなり、更に中継層が二端子型非線形素子の第1導電層と同じ材料からなるため、これらの要素を共通の工程において一括的に形成することが可能になる。したがって、これらの要素が別々の材料及び工程によって形成される構成と比較して、製造工程の簡素化や製造コストの低減を図ることができる。なお、本発明における電気光学物質とは、電気的なエネルギを光学的な作用に変換する物質である。このような物質の典型例は印加電圧に応じて透過率が変化する液晶であるが、本発明が適用される範囲は液晶装置に限定されない。
本発明の電気光学装置においては、前記中継層がコンタクトホールを備え、前記一方の配線が、前記コンタクトホール内において、前記中継層に接続している構成を採用することができる。
この種の電気光学装置では、抵抗率の高い配線を用いることによるクロストークの発生が問題となる。特に、補助容量線を高抵抗の導電性材料によって形成した場合における横クロストークは、前記一方の配線を高抵抗の導電性材料によって形成した場合における縦クロストークよりも顕著に現われることが予想されている。本発明では、補助容量線を抵抗率の低い導電性材料によって形成し、更にこの補助容量線を高抵抗の中継層を経由せずに引き廻しているので、横クロストークの発生が抑制され、表示品質の高い表示が可能となる。
本発明の電気光学装置においては、前記第1電極と前記第1導電層とが同一の材料によって形成されており、前記一方の配線、前記第2電極、前記第2導電層が同一の材料によって形成されている構成を採用することができる。
この構成によれば、一方の配線,補助容量線,補助容量及び二端子型非線形素子を共通の工程において一括して形成することができるので、これらの要素が別々の材料及び工程によって形成される構成と比較して、製造工程の簡素化や製造コストの低減を図ることができる。
本発明の電気光学装置においては、前記第1電極と前記第2電極とが前記絶縁層と同一の材料によって形成された誘電体層を挟んで相互に対向しており、前記誘電体層が前記絶縁層よりも厚く形成されている構成を採用することができる。
この構成によれば、補助容量と二端子型非線形素子とを絶縁層の形成工程を含めて共通の工程において一括的に形成することができるので、これらの要素が別々の材料及び工程によって形成される構成と比較して、製造工程の簡素化や製造コストの低減を図ることができる。また、本発明では、補助容量の容量部絶縁層の厚みを二端子型非線形素子の絶縁層の厚みよりも厚くしているので、容量部絶縁層を介して補助容量の第1電極と第2電極との間に電流リークが生じる事態(即ち、補助容量が二端子型非線形素子として作用する事態)を回避することができる。
本発明の電気光学装置においては、前記二端子型非線形素子が、前記第1導電層と前記絶縁層と前記一方の配線に電気的に導通する前記第2導電層とを積層してなる第1素子、および、前記第1導電層と前記絶縁層と前記画素電極に電気的に導通する前記第2導電層とを積層してなる第2素子を含む構成を採用することができる。
この構成によれば、二端子型非線形素子の電気的な特性を正負双方向にわたって対称化することができる。
本発明の電子機器は、前述した本発明の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、表示品質の高い表示部を備えた電子機器を提供することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、互いに交差する方向に延在する走査線及びデータ線と、前記走査線及びデータ線のうち一方の配線に一端が接続された二端子型非線形素子と、前記二端子型非線形素子の他端に接続された画素電極と、前記一方の配線と交差する補助容量線と、前記補助容量線に接続された第1電極と前記画素電極に接続された第2電極とが相互に対向してなる補助容量と、前記一方の配線の前記補助容量線との交差部に設けられた中継層とを備えた電気光学装置の製造方法であって、前記二端子型非線形素子の第1導電層、前記第1電極、前記中継層を第1の導電性材料によって形成する工程と、前記第1導電層、前記第1電極、前記中継層の表面に絶縁層を形成する工程と、前記一方の配線、前記二端子型非線形素子の第2導電層、前記補助容量線、前記第2電極を、前記第1の導電性材料よりも抵抗率が低い第2の導電性材料によって形成する工程とを備えたことを特徴とする。
この方法によれば、補助容量線を二端子型非線形素子の第1導電層よりも抵抗率の低い材料によって形成しているので、補助容量線が抵抗率の高い二端子型非線形素子の第1導電層と同一の材料によって形成される特許文献1,2の構成と比較して、補助容量線の抵抗に起因した表示品位の低下(特に表示階調のばらつき)を抑制することができる。また本方法によれば、一方の配線,補助容量線,補助容量及び二端子型非線形素子を共通の工程において一括して形成することができるので、これらの要素が別々の材料及び工程によって形成される構成と比較して、製造工程の簡素化や製造コストの低減を図ることができる。
本発明の電気光学装置の製造方法においては、前記第1の導電性材料による形成工程において、相互に連続する前記第1導電層、前記第1電極、前記中継層を一括して形成し、前記絶縁層の形成工程において、前記第1導電層、前記第1電極、前記中継層に陽極酸化処理を施すことにより、それぞれの表面に一括して前記絶縁層を形成するものとすることができる。
この方法によれば、補助容量の第1電極及び二端子型非線形素子の第1導電層を一括して形成することができ、更に補助容量の絶縁層及び二端子型非線形素子の絶縁層を一括して形成することができるので、これらの要素を別々の工程で形成する場合に比べて、製造工程の簡素化や製造コストの低減を図ることができる。
本発明の電気光学装置の製造方法においては、前記絶縁層の形成工程の後、前記第1導電層及び前記中継層から前記第1電極を切り離す工程と、前記第1電極及び前記中継層に更に陽極酸化処理を施すことにより、前記第1電極及び前記中継層の表面に前記第1導電層の表面に形成された前記絶縁層よりも厚い容量部絶縁層を形成する工程とを含むものとすることができる。
この方法によれば、補助容量の容量部絶縁層と二端子型非線形素子の絶縁層とを同じ層内に形成する場合であっても、これらを別々の厚みに制御することができる。本方法のように容量部絶縁層の厚みを二端子型非線形素子の絶縁層よりも厚く形成した場合には、容量部絶縁層を介して補助容量の第1電極と第2電極との間に電流リークが生じる事態(即ち、補助容量が二端子型非線形素子として作用する事態)を回避することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法においては、前記容量部絶縁層の形成工程の後、前記第1電極と前記中継層とを切り離す工程を備え、当該切り離す工程において、前記第1電極上及び前記中継層上の前記容量部絶縁層にコンタクトホールを形成するものとすることができる。
この方法によれば、コンタクトホールの形成工程を別途設ける必要がないので、より製造工程が簡素化される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
<液晶装置の構成>
図1は、本発明の電気光学装置の一例である液晶装置の電気的な構成を示すブロック図である。この液晶装置Dは、液晶に印加される電圧を制御するための非線形素子として二端子型非線形素子を用いたアクティブマトリクス型の表示装置であり、同図に示されるように、X方向に延在する複数の走査線21と、X方向と直交するY方向に延在してデータ線駆動回路33に接続された複数のデータ線13とを有する。複数の走査線21のうち図1における上方から数えて偶数行目の走査線21は走査線駆動回路31aに接続される一方、図1における上方から数えて奇数行目の走査線21は走査線駆動回路31bに接続されている。さらに、本実施形態に係る液晶装置Dは、各走査線21と対をなす複数(走査線21と同本数)の補助容量線17を有する。これらの補助容量線17の各々は、各走査線21と同様にX方向に延在する配線であり、走査線21に対して電気的に接続されている。したがって、各補助容量線17はこれに対応する走査線21と同電位となる。
走査線21とデータ線13とが交差する各位置には画素Pが配置されている。したがって、これらの画素PはX方向およびY方向にわたって表示領域Ad内にマトリクス状に配列する。各画素Pは、二端子型非線形素子14と画素容量Gと補助容量18とを含む。このうち二端子型非線形素子14は、両端間に印加された電圧に応じて抵抗値が非線形に変化する素子であり、一端がデータ線13に接続されている。画素容量Gは、二端子型非線形素子14に対して直列に接続された容量であり、画素Pごとに形成された画素電極と走査線21との間隙に液晶を介在させた構成となっている。一方、補助容量18は、画素容量Gに対して並列に接続された容量である。すなわち、補助容量18は、二端子型非線形素子14および画素容量Gの接続点Nと補助容量線17との間に介在する。
図2は各画素Pの電気的な等価回路図である。同図に示されるように、各画素Pは、容量Ctfdおよび可変抵抗Rtfdを並列に接続してなる二端子型非線形素子14と、容量Clcdおよび抵抗Rlcdを並列に接続してなる画素容量Gとがデータ線13および走査線21の
間に直列に接続され、さらに補助容量18(容量Cs)が画素容量Gに対して並列に接続された回路として把握される。この構成においては、走査線21とデータ線13との間に印加される電圧が容量Ctfdと容量Clcdおよび容量Csとによって容量分割される。ここで、二端子型非線形素子14に充分な電圧を印加するためには、接続点Nからみて走査線21側の容量Cと二端子型非線形素子14の容量Ctfdとの容量比α(=C/Ctfd)を大きく確保することが必要となる。本実施形態のように画素容量Gと並列に補助容量18を配置した構成によれば、補助容量18を設けない場合の容量比α(=Clcd/Ctfd)と比較して、補助容量18の分だけ容量比α(=(Clcd+Cs)/Ctfd)が大きくなるから、二端子型非線形素子14に充分な電圧が印加されることになる。したがって、二端子型非線形素子14を迅速かつ確実にオン状態に変化させて画素容量Gに所期の電荷を精度よく蓄積することができ、ひいては表示品位(特にコントラスト)を高い水準に維持することができる。
次に、図3は、液晶装置Dの構成を示す平面図であり、図4は、液晶装置Dのうち表示領域Adの構成を示す断面図である。これらの図に示されるように、液晶装置Dは、枠状のシール材35(図3においてハッチングが施された部分)を介して相互に対向するように貼り合わされた第1基板10と第2基板20とを有する。第1基板10および第2基板20は、ガラスやプラスチックなどの光透過性を有する板状部材である。図4に示されるように、両基板とシール材35とによって囲まれた空間には液晶36が封止されている。各走査線21は第2基板20のうち液晶36と対向する表面上に形成されている。これらの走査線21は、ITOなどの光透過性を有する導電性材料からなる帯状の電極である。一方、各データ線13は第1基板10のうち液晶36と対向する表面上に形成されている。なお、実際には、第1基板10または第2基板20の表面に複数色のカラーフィルタや各画素Pの間隙を遮光するブラックマトリクスが形成され、さらに第1基板10および第2基板20の表面には液晶36の配向方向を規定する配向膜が形成されるが、図4や以下に示す各図においてはこれらの要素の図示が省略されている。
図3に示されるように、第1基板10は第2基板20よりも外形の寸法が大きい。第1基板10のうち第2基板20の縁辺から張り出した領域(以下「張出領域」という)10aには、走査線駆動回路31(31aおよび31b)とデータ線駆動回路33とがCOG(Chip On Glass)技術によって実装されている。各データ線13のうち張出領域10aに引き出された端部はデータ線駆動回路33に接続されている。
図5は、第1基板10のうち液晶36に対向する表面上に形成された要素の構成を示す平面図である。なお、同図においてはひとつの画素Pに関わる要素のみが図示されているが、その他の画素Pも同様の構成である。図3ないし図5に示されるように、第1基板10の表示領域Adには、X方向およびY方向にわたって複数の画素電極16がマトリクス状に配列されている。各画素電極16は、走査線21と同様にITOなどの導電性材料によって形成された略矩形状の電極である。第2基板20上の各走査線21(図5においては外形が二点鎖線によって示されている)はX方向に並ぶ1行分の画素電極16に液晶36を挟んで対向する。図1に示される画素容量Gは、画素電極16と、これに対向する走査線21と、両者の間隙に挟まれた液晶36とによって構成される。一方、データ線13は各画素電極16の間隙においてY方向に延在する。図5に示されるように、各画素電極16とこれに隣接するデータ線13との間隙には二端子型非線形素子14が配置されている。
図6は、図5におけるVI−VI線からみた断面図であり、図7は、図5におけるVII−VII線からみた断面図である。図5から図7に示されるように、二端子型非線形素子14は、X方向を長手方向としてデータ線13に交差する長尺状の第1導電層141と、この第1導電層141の表面を陽極酸化することによって形成された絶縁層(誘電体層)145と、絶縁層145の表面に相互に離間して形成された第2導電層131および142とを有する。このうち第1導電層141は、例えばタンタル(Ta)などの単体金属やタンタルを主成分としてタングステン(W)などの金属を含む合金といった各種の導電性材料によって形成されている。第1導電層141をタンタルによって形成した場合、これを陽極酸化して得られる絶縁層145は酸化タンタル(TaOx)からなる。
第2導電層131はデータ線13から分岐した分岐部分によって構成されている。すなわち、データ線13にはX方向に分岐する分岐部分が形成されており、この分岐部分がデータ線に平行に延在する(即ち、Y方向に延在する)第1導電層141と重なり合うように配置されている。そして、このデータ線13の分岐部分のうち絶縁層145を挟んで第1導電層141と重なり合う部分が第2導電層131となっている。一方、第2導電層142は、絶縁層145を挟んで第1導電層141と重なりあうようにX方向に延在している。この第2導電層142の端部には当該第2導電層142よりも幅広に形成された部分(以下「第2電極部」という)182が連結されている。上述した画素電極16は第2電極部182と部分的に重なり合うように形成されて第2導電層142と電気的に接続されている。第2電極部182は、補助容量18の一方の電極として機能する部分であり、図5に示されるように、画素電極16の横幅よりも僅かに小さい幅をもって当該画素電極16の縁辺(図5における下方の縁辺)からY方向に張り出している。第2導電層131を含むデータ線13と、第2導電層142(さらにはこれと一体に形成された部分143および第2電極部182)とは、第1導電層141よりも抵抗率が低い導電性材料によって形成されている。このような導電性材料としては、クロム(Cr)やアルミニウム(Al)などの単体金属やこれらを主成分とする合金などがある。
図1に示した二端子型非線形素子14は、第1素子14aと第2素子14bとから構成されている。すなわち、図6に示されるように、第1素子14aは、第2導電層131(データ線13)と絶縁層145と第1導電層141とがデータ線13側からみてこの順番に積層された構成となっている。このように第1素子14aは金属/絶縁体/金属のサンドイッチ構造となっているため、正負双方向のダイオードスイッチング特性を呈する。一方、第2素子14bは、第1導電層141と絶縁層145と第2導電層142とが第1基板10側からみてこの順番に積層された構成となっている。したがって、第2素子14bは第1素子14aとは反対のダイオードスイッチング特性を呈する。このように、二端子型非線形素子14は、2つのダイオードを互いに逆向きとなるように直列に接続した構成となっているため、ひとつのダイオード(第1素子14aおよび第2素子14bの何れか一方のみ)を用いた場合と比較して、電流−電圧の非線形特性が正負双方向にわたって対称化される。この構成のもと、走査信号の供給によって走査線21が選択されているとき(水平走査期間)に所望の階調に応じたデータ信号をデータ線13に供給することによって二端子型非線形素子14がオン状態になると、このデータ信号に応じた電荷が画素容量Gに蓄積されて液晶36の配向方向が変化する。このように液晶36の挙動を画素Pごとに制御することによって所望の画像が表示される。したがって、画素容量Gは表示画像の最小単位となる要素として把握される。一方、電荷が蓄積された後には二端子型非線形素子14がオフ状態となるから、画素容量Gによる電荷は保持される。
図5に示されるように、第1基板10のうち液晶36に対向する表面上には、各画素電極16の間隙においてX方向に延在する補助容量線17が形成されている。図7に示すように、補助容量線17はデータ線13と共通の工程において同一の材料によって形成されている。このように抵抗率が低い材料が補助容量線17に使用されることにより、補助容量線17がタンタル等の抵抗率が高い材料からなる構成(例えば特許文献1に記載された構成)と比較して、補助容量18に印加される電圧のばらつきが抑制される。しかし、この構成では、Y方向に延在するデータ線13とX方向に延在する補助容量線17とが画素端部において交差するため、一方の配線であるデータ線13を、データ線13及び補助容量線17とは別の層に形成した中継層を介して引き廻している。すなわち、本実施形態では、補助容量線17の下層側(第1基板側)にデータ線13を中継する中継層151を形成し補助容量線17をこの上を跨ぐように延在させる一方、データ線13を補助容量線17と干渉しないように補助容量線17を挟んで上下に分割して形成し中継層151を介して引き廻すようにしている。中継層151は二端子型非線形素子14の第1導電層141と共通の工程において同一の材料によって形成されており、中継層151と補助容量線17とを絶縁する絶縁層(以下、「層間絶縁層」という)155は中継層151の表面を陽極酸化することによって形成されている。層間絶縁層155には、当該層間絶縁層155及び中継層151を貫通するコンタクトホールC2,C3が形成されており、このコンタクトホールC2,C3の形成によって露出した中継層151のエッジ部分において中継層151とデータ線13とが接続されている。
本実施形態において、層間絶縁層155は二端子型非線形素子14の絶縁層145よりも充分に厚く形成されている。具体的には、層間絶縁層155の膜厚は二端子型非線形素子14の絶縁層の膜厚の5倍程度となっている。図5および図7に示されるように、補助容量線17とデータ線13とが交差する部分(即ち、中継層151のい形成領域)には、二端子型非線形素子14と同様に金属/絶縁体/金属という積層構造が形成されることになる。しかしながら、中継層151の層間絶縁層155は二端子型非線形素子14の絶縁層145よりも充分に厚いため、この部分はダイオードとして機能せず、補助容量線17とデータ線13との電気的な絶縁は維持される。
図5に示されるように、補助容量線17と画素電極16との間には、補助容量18の一方の電極となる導電層(以下、「第1電極部」という)181が形成されている。この第1電極部181は、画素電極16の縁辺に沿ってX方向に延在する第1の部分181aと、当該部分181aから補助容量線17側に屈曲してY方向に延在する第2の部分181bとからなる。前述の第2電極182は、その下端側の縁辺部が第1電極部181の第1の部分181aと平面的に重なるように配置されており、この対向する第1電極部181の第1の部分181aと第2電極182の縁辺部によって補助容量18が形成されている。この第1電極部181は、中継層151及び二端子型非線形素子14の第1導電層141と共通の工程において同一の材料によって形成されている。この第1電極部181には、この第1電極部181の表面を陽極酸化することによって形成した絶縁層(以下、「容量部絶縁層」という)175が積層されており、補助容量18は、図5におけるVIII−VIII線からみた断面図である図8に示されるように、第1電極181の第1の部分181aとその表面に形成された容量部絶縁層175と第2電極182とが第1基板10側からみてこの順に積層された構成となっている。容量部絶縁層175には、当該容量部絶縁層175及び第1電極181の第2の部分181bを貫通するコンタクトホールC1が形成されており、このコンタクトホールC1の形成によって露出した第2の部分181bのエッジ部分において第1電極181と補助容量線17とが接続されている。
本実施形態において、容量部絶縁層175は二端子型非線形素子14の絶縁層145よりも十分に厚く形成されている。具体的には、容量部絶縁層175の膜厚D2は二端子型非線形素子14の絶縁層145の膜厚D1の5倍程度となっている(図6参照)。この容量部絶縁層175は中継層151の層間絶縁層155と共通の工程において形成されている。図6に示されるように、補助容量18には、二端子型非線形素子14と同様に金属/絶縁体/金属という積層構造が形成されることになる。しかしながら、容量部絶縁層175は二端子型非線形素子14の絶縁層145よりも充分に厚いため、この部分はダイオードとして機能せず、補助容量線17とデータ線13との電気的な絶縁は維持される。
次に、補助容量線17と走査線21とを電気的に接続するための構成について説明する。図9は走査線21の端部の近傍(図3において破線で囲まれた領域A)を拡大して示す平面図であり、図10は図9におけるX−X線からみた断面図である。なお、図9および図10においては特に偶数行目の走査線21の近傍のみが図示されているが、奇数行目の走査線21も同様の構成となっている。
図9および図10に示されるように、補助容量線17は、第1基板10のうちシール材35によって覆われた領域(以下「シール被覆領域」という)に至るように引き廻されている。このシール被覆領域に至った端部17bは補助容量線17の他の部分と比較して幅広となっており、この部分において、図3、図9に示される配線(以下「引き廻し配線」という)41に接続されている。この引き廻し配線41は、データ線13や補助容量線17と共通の工程において同一の材料により形成された配線である。引き廻し配線41は、特に図3に示されるように、シール被覆領域内に位置する端部411からシール材35の内側の領域内においてシール材35の一辺に沿うようにY方向に延在し、張出領域10aに到達した端部が走査線駆動回路31の出力端に接続されている。
一方、図9および図10に示されるように、第2基板20のシール被覆領域に至った走査線21の端部は引き廻し配線41の端部411と対向する。図10に示されるように、走査線21の端部と引き廻し配線41の端部(即ち、補助容量線17の端部17b)との間隙には導電性粒子351が介在する。この導電性粒子351はシール材35に分散された導電性の粒子であり、第1基板10と第2基板20との間隙(すなわちセルギャップ)を一定に維持するスペーサとして機能するほか、走査線21の端部と導電層43とに接触することによって走査線21と引き廻し配線41とを導通させる役割も担っている。以上の構成により、走査線21および補助容量線17の双方が引き廻し配線41を介して走査線駆動回路31に接続され(図1参照)、この結果として補助容量線17は走査線21と同電位となる。
<液晶装置の製造方法>
次に、各画素Pの製造工程に注目して液晶装置Dの製造方法を説明する。図11(a)から図11(d)は、各工程にて製造される要素をひとつの画素Pに着目して示す図である。
まず、図11(a)に示されるように、第1基板10の表面上に導電膜61が形成される(第1工程)。より具体的には、スパッタリングなどの成膜技術によって第1基板10の表面に形成されたタンタルの薄膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることによって導電膜61が形成される。この導電膜61は、X方向に延在する直線部61aに対して、二端子型非線形素子14の第1導電層141になる導電部と中継層151になる導電部とが連接された外形を有する。直線部61aは補助容量18の第1電極部181になる部分を含んでおり、この段階において、X方向に並ぶ1行分の画素Pにおける各第1電極部181,第1導電層141,中継層151は連結部611,612(図11(b)、図11(c)参照)を介して互いに連結された(電気的に接続された)状態となっている。さらに、図12(a)に示されるように、この工程において形成される導電膜61は、Y方向に延在して総ての直線部61aの端部が連結された連結部62を含んでいる。なお、導電膜61の形成前に、第1基板10の表面に酸化タンタル(Ta2O5)などからなる絶縁膜を形成してもよい。この絶縁膜を下地として導電膜61を形成すれば、この導電膜61と第1基板10との密着性を向上させるとともに第1基板10から導電膜61への不純物の拡散を抑制することができる。
次に、導電膜61の表面に絶縁層が形成される(第2工程)。ここではまず、導電膜61の表面に第1回目の陽極酸化が施される。より具体的には、第1基板10を電解液中に浸漬したうえで、この電解液と連結部62との間に所定の電圧を印加することによって導電膜61全体の表面を酸化させる(即ち、第1導電層,第1電極部181,中継層151になる部分の表面に一括して絶縁層を形成する)。この工程において第1導電層141の表面に形成された酸化膜は二端子型非線形素子14の絶縁層145となる。この後、図11(b)に示されるように、第1導電層141と直線部61aとを連結する部分611がフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によって除去される。これにより、二端子型非線形素子14を構成する第1導電層141とその表面に形成された絶縁層145とが補助容量18の第1電極181及び中継層151となる部分から切り離されることになる。図12(b)に示されるように、この段階では総ての直線部61a(即ち、第1電極部181や中継層151になる部分)は連結部62に連なったままである。
次に、第1回目の陽極酸化と同様の手順により、導電膜61の表面に第2回目の陽極酸化が施される。この陽極酸化により、補助容量線17および第1電極部181の表面の酸化がさらに進行して酸化膜の膜厚が増加する。これに対し、導電膜61から切り離された第1導電層141の酸化は進行しない。この工程によって、第1電極部181及び中継層151の表面に、第1導電層141の表面の絶縁層145よりも膜厚の大きい絶縁層(容量部絶縁層175、層間絶縁層155)が形成される。
この後、図11(c)に示されるように、第1電極部181と中継層151とを連結する部分612と、各直線部61aを連結していた連結部62がフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によって除去される。また、この工程においては、データ線13と中継層151とを接続するためのコンタクトホールC2,C3、及び補助容量線17と補助容量18の第1電極181とを接続するためのコンタクトホールC1が同時に形成される(第3工程)。
次いで、図11(d)に示されるように、データ線13,第2導電層142,第2電極部182,補助容量線17が形成される(第4工程)。より具体的には、スパッタリングなどの成膜技術によって第1基板10の表面に形成されたクロムの薄膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることによってこれらの要素が一括的に形成される。この工程においてデータ線13と第2導電層142とが第1導電層141および絶縁層145を覆うように形成されることにより、第1素子14aと第2素子14bとが直列に接続された二端子型非線形素子14が得られる。また、データ線13は、コンタクトホールC2,C3の内部を覆って形成されることにより中継層151と電気的に接続される。同様に、補助容量線17は、コンタクトホールC1の内部を覆って形成されることにより補助容量18の第1電極部181と電気的に接続される。なお、図3に示した引き廻し配線41も図11(d)の工程において一括的に形成される。この後、スパッタリングなどの成膜技術によって形成されたITOの薄膜がパターニングされることによって、図5に示した画素電極16が形成される。
以上に説明したように、本実施形態においては、補助容量18の各層と二端子型非線形素子14の各層とが共通の工程において同一の材料によって形成されるから、補助容量18と二端子型非線形素子14とを別個の工程において形成する方法と比較して製造工程の簡素化や製造コストの低減が図られる。さらに、第1回目の陽極酸化によって導電膜61の表面全体が酸化され、その後に実施される第2回目の陽極酸化によって補助容量線17および第1電極部181の酸化を進行させることによって補助容量線17および第1電極部181の容量部絶縁層175が形成されるから、絶縁層145と容量部絶縁層175とを別個に形成する方法と比較して、絶縁層145および容量部絶縁層175の作成に要する時間が短縮される。また、本実施形態では、補助容量線17を二端子型非線形素子14の第1導電層141よりも抵抗率の低い材料(具体的には、第2導電層141と同一の材料)によって形成しているので、補助容量線17が抵抗率の高い二端子型非線形素子14の第1導電層141と同一の材料によって形成される特許文献1,2の構成と比較して補助容量線の抵抗が低減される。したがって、補助容量線17の抵抗に起因した表示品位の低下(特に表示階調のばらつき)が抑制される。
<変形例>
上記実施形態は種々の態様に変形され得る。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下に示す各態様を適宜に組み合わせてもよい。
(1)上記実施形態においては、二端子型非線形素子14がデータ線13に接続されるとともに画素容量Gが走査線21に接続された構成を例示したが、図15に示されるように、画素容量Gがデータ線13に接続されるとともに二端子型非線形素子14が走査線21に接続された構成も採用され得る。この場合には、相互に導通する第1層171と第2層172とからなる補助容量線17がデータ線13に接続されることによって補助容量18が画素容量Gと並列に接続されることになる。また、上記実施形態においては、第1素子14aと第2素子14bとを直列に接続してなる二端子型非線形素子14を例示したが、ひとつの素子のみからなる二端子型非線形素子14も採用され得る。
(2)上記実施形態においては、補助容量線17の各層と二端子型非線形素子14の各層とが共通の工程にて形成された構成を例示したが、これらの各要素は別個の工程において互いに相違する材料によって形成されてもよい。また、補助容量18の具体的な形態は不問である。例えば、上記実施形態においては二端子型非線形素子14の第2導電層142に連続する部分が補助容量18の第2電極部182とされた構成を例示したが、補助容量18の第2電極部182と二端子型非線形素子14の第2導電層142とが別個の部材とされた構成も採用され得る。
(3)二端子型非線形素子14の絶縁層145の膜厚と補助容量線17の容量部絶縁層175の膜厚とを相違させるための方法は任意である。例えば、図11(a)の工程において第1導電層141と直線部61aとを互いに切り離した状態で形成し、第1導電層141と直線部62aを異なる条件のもとで別個に陽極酸化することによって、絶縁層145と容量部絶縁層175若しくは層間絶縁層155の膜厚を相違させる方法も採用され得る。同様に、第1導電層141,第1電極部181,中継層151を互いに切り離した状態で形成し、これらを異なる条件のもとで別個に陽極酸化することによって、絶縁層145,容量部絶縁層175,層間絶縁層155の膜厚を互いに相違させる方法を採用しても良い。また、上記実施形態における第1回目の陽極酸化の後に、第1導電層141をレジストによって被覆したうえで第2回目の陽極酸化を実施し、その後に第1導電層141を補助容量線17から切り離す工程としてもよい。この場合には、レジストによって覆われた第1導電層141の酸化が第2回目の陽極酸化に際して進行しないから、上記第1実施形態と同様に絶縁層145および容量部絶縁層175の膜厚を相違させることができる。
(4)データ線13と補助容量線17との干渉を回避する構造は任意である。例えば、図5において、補助容量線17を中継層151を介して引き廻す構造を採用することもできる。しかし、この種の液晶装置では、抵抗率の高い配線を用いることによるクロストークの発生が問題となっており、特に、走査線や補助容量線を抵抗率の高い導電性材料によって形成した場合における横クロストークは、データ線を高抵抗の導電性材料によって形成した場合における縦クロストークよりも顕著に現われることが知られている。このため、上記実施形態に示したように、補助容量線17を抵抗率が高い中継層151を介さずに引き廻すことで、表示品位の高い表示を実現することができる。
(5)上記実施形態においては液晶装置Dを例示したが、液晶以外の電気光学物質を用いた装置にも本発明は適用される。電気光学物質とは、電気信号(電流信号または電圧信号)の供給によって透過率や輝度といった光学的特性が変化する物質である。例えば、有機EL(Electro Luminescence)や発光ポリマーなどのOLED(Organic Light Emitting Diode)素子を電気光学物質として用いた表示装置や、着色された液体と当該液体に分散された白色の粒子とを含むマイクロカプセルを電気光学物質として用いた電気泳動表示装置、極性が相違する領域ごとに異なる色に塗り分けられたツイストボールを電気光学物質として用いたツイストボールディスプレイ、黒色トナーを電気光学物質として用いたトナーディスプレイ、あるいはヘリウムやネオンなどの高圧ガスを電気光学物質として用いたプラズマディスプレイパネルなど各種の電気光学装置に対しても上記実施形態と同様に本発明が適用され得る。
<C:電子機器>
次に、本発明に係る電気光学装置を表示装置として備える電子機器について説明する。図14は、上記実施形態に係る液晶装置Dを有する携帯電話機の構成を示す斜視図である。この図に示されるように、携帯電話機1200は、利用者により操作される複数の操作ボタン1202、他の端末装置から受信した音声を出力する受話口1204、および他の端末装置に送信される音声を入力する送話口1206のほかに、各種の画像を表示する液晶装置Dを有する。
なお、本発明に係る液晶装置が利用され得る電子機器としては、図14に示される携帯電話機のほかにも、ノート型のパーソナルコンピュータや、液晶テレビ、ビューファインダ型(またはモニタ直視型)のビデオレコーダ、デジタルカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
本発明の実施形態に係る液晶装置の電気的な構成を示すブロック図である。 同液晶装置のうちひとつの画素に注目した等価回路図である。 同液晶装置の全体の構成を示す平面図である。 同液晶装置のうち表示領域の構成を示す断面図である。 ひとつの画素の構成を示す平面図である。 図5におけるVI−VI線からみた断面図である。 図5におけるVII−VII線からみた断面図である。 図5におけるVIII−VIII線からみた断面図である。 図3における部分Aを拡大して示す平面図である。 図9におけるX−X線からみた断面図である。 液晶装置の製造方法を説明するための工程図である。 液晶装置の製造方法を説明するための工程図である。 変形例に係る液晶装置の電気的な構成を示すブロック図である。 本発明の電子機器の一例である携帯電話機の構成を示す斜視図である。
符号の説明
10…第1基板、13…データ線、131…第2導電層、14…二端子型非線形素子、14a…第1素子、14b…第2素子、141…第1導電層、142…第2導電層、145…絶縁層、151…中継層、155…層間絶縁層、16…画素電極、17…補助容量線、175…容量部絶縁層、18…補助容量、181…第1電極部、182…第2電極部、20…第2基板、21…走査線、31(31a,31b)…走査線駆動回路、33…データ線駆動回路、35…シール材、351…導電性粒子、36…液晶、41…引き廻し配線、1200…電子機器、G…画素容量、D…液晶装置(電気光学装置)、P…画素

Claims (10)

  1. 互いに交差する方向に延在する走査線及びデータ線と、
    前記走査線及び前記データ線のうち一方の配線に一端が接続された二端子型非線形素子であって、第1導電層と、絶縁層と、前記第1導電層よりも抵抗率が低い材料からなる第2導電層とを積層してなる二端子型非線形素子と、
    前記二端子型非線形素子の他端に接続され、前記走査線及び前記データ線のうち他方の配線に電気光学物質を挟んで対向する画素電極と、
    前記第2導電層と同一の材料からなり、前記一方の配線と交差する補助容量線と、
    前記補助容量線に接続された第1電極と前記画素電極に接続された第2電極とが相互に対向してなる補助容量とを備え、
    前記一方の配線は、前記補助容量線との交差部において、前記第1導電層と同一の材料からなる中継層を有することを特徴とする、電気光学装置。
  2. 前記中継層はコンタクトホールを備え、
    前記一方の配線は、前記コンタクトホール内において、前記中継層に接続していることを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
  3. 前記第1電極と前記第1導電層とが同一の材料によって形成されており、
    前記一方の配線、前記第2電極、前記第2導電層が同一の材料によって形成されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の電気光学装置。
  4. 前記第1電極と前記第2電極とが前記絶縁層と同一の材料によって形成された誘電体層を挟んで相互に対向しており、
    前記誘電体層が前記絶縁層よりも厚く形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載の電気光学装置。
  5. 前記二端子型非線形素子は、前記第1導電層と前記絶縁層と前記一方の配線に電気的に導通する前記第2導電層とを積層してなる第1素子、および、前記第1導電層と前記絶縁層と前記画素電極に電気的に導通する前記第2導電層とを積層してなる第2素子を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの項に記載の電気光学装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかの項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする、電子機器。
  7. 互いに交差する方向に延在する走査線及びデータ線と、前記走査線及びデータ線のうち一方の配線に一端が接続された二端子型非線形素子と、前記二端子型非線形素子の他端に接続された画素電極と、前記一方の配線と交差する補助容量線と、前記補助容量線に接続された第1電極と前記画素電極に接続された第2電極とが相互に対向してなる補助容量と、前記一方の配線の前記補助容量線との交差部に設けられた中継層とを備えた電気光学装置の製造方法であって、
    前記二端子型非線形素子の第1導電層、前記第1電極、前記中継層を第1の導電性材料によって形成する工程と、
    前記第1導電層、前記第1電極、前記中継層の表面に絶縁層を形成する工程と、
    前記一方の配線、前記二端子型非線形素子の第2導電層、前記補助容量線、前記第2電極を、前記第1の導電性材料よりも抵抗率が低い第2の導電性材料によって形成する工程とを備えたことを特徴とする、電気光学装置の製造方法。
  8. 前記第1の導電性材料による形成工程では、相互に連続する前記第1導電層、前記第1電極、前記中継層を一括して形成し、
    前記絶縁層の形成工程では、前記第1導電層、前記第1電極、前記中継層に陽極酸化処理を施すことにより、それぞれの表面に一括して前記絶縁層を形成することを特徴とする、請求項7記載の電気光学装置の製造方法。
  9. 前記絶縁層の形成工程の後、前記第1導電層及び前記中継層から前記第1電極を切り離す工程と、
    前記第1電極及び前記中継層に更に陽極酸化処理を施すことにより、前記第1電極及び前記中継層の表面に前記第1導電層の表面に形成された前記絶縁層よりも厚い容量部絶縁層を形成する工程とを含むことを特徴とする、請求項8記載の電気光学装置の製造方法。
  10. 前記容量部絶縁層の形成工程の後、前記第1電極と前記中継層とを切り離す工程を備え、当該切り離す工程において、前記第1電極上及び前記中継層上の前記容量部絶縁層にコンタクトホールを形成することを特徴とする、請求項9記載の電気光学装置の製造方法。

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