JP2007072415A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロセス上において各要素のパターンにバラツキが生じた場合でも表示ムラが生じるのを低減することが可能な電気光学装置等を提供する。
【解決手段】第1乃至第4補助容量18dの各々に対応する大きさ(面積)が、第1素子14a及び第2素子14bの各大きさ(面積)と略同一の大きさ(面積)に設定されている。製造過程において、プロセス上の理由により、第1素子14a及び第2素子14bの各要素のパターンにバラツキが生じた場合には、各要素と同一層に位置する、各補助容量の構成要素のパターンも略同一の割合でバラツキが生じることになる。二端子型非線形素子14の大きさと第1乃至第4補助容量18dの各々に対応する平面的な大きさ(面積)との比を一定にすることができる。その結果、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfdと、補助容量Caddとの容量比を一定にすることができ、表示ムラを低減できる。
【選択図】図11

Description

本発明は、各種情報の表示に用いて好適な電気光学装置等に関する。
従来より、電気光学物質の挙動を制御するためにTFD(Thin Film Diode)素子などの二端子型非線形素子を利用したアクティブマトリクス型の電気光学装置が提案されている。
この種の電気光学装置においては、電極間に電気光学物質を介挿してなる容量(以下、画素容量」と呼ぶ)と二端子型非線形素子とが走査線とデータ線との間に直列に接続されるのが一般的である。この構成の下、走査線とデータ線とに印加された電圧に応じて二端子型非線形素子の抵抗値が変化し、この抵抗値に応じた電荷が画素容量に蓄積されることによって電気光学物質の光学的な特性(例えば透過率)が制御される。
この構成においては、走査線とデータ線とに印加された電圧が、二端子型非線形素子に付随する容量と画素容量とによって容量分割される。したがって、二端子型非線形素子の容量が画素容量に比較して充分に小さければ(すなわち画素容量とニ端子型非線形素子の容量との比が充分に大きければ)、走査線とデータ線との電圧の大部分が二端子型非線形素子に印加されるから、二端子型非線形素子の抵抗値を迅速かつ確実に低下させて画素容量に充分な電荷を蓄積することができる。しかしながら、二端子型非線形素子の容量の低下または画素容量の増大によって画素容量と二端子型非線形素子の容量との比(以下では単に「容量比」という場合がある)を増加させるには限界がある。すなわち、第1に、ニ端子型非線形素了の容量を低下させるためには二端子型非線形素子の小型化が必要となるが、このような小型化には製造技術上の制約が伴い、第2に、画素容量を増大させるためには画素面積の増加が必要となるものの、この面積の増大は表示画像の高精細化の要求に反する結果を招きかねないからである。そして、容量比を充分に確保できない場合には二端子型非線形素子に所期の電圧が印加されないから、二端子型非線形素子を適切に動作させることができず、ひいては表示品位の低下を招くといった問題がある。このような問題を解決するために、例えば特許文献1乃至特許文献4には、画素容量と並列に補助容量を配置した構成が提案されている。この補助容量は、画素容量を構成する画素電極と補助容量線とを絶縁層を挟んで対向させることによって形成される。また、補助容量線は、金属/絶縁体/金属からなるニ端子型非線形素子の下層側の金属電極と同時に形成される。
特開平5−19302号公報 特開平10−3072989号公報 特開2000−310795号公報 特開2004−258366号公報
しかしながら、かかる液晶装置の製造過程において、二端子型非線形素子及び補助容量を構成する各要素のパターン精度にバラツキが生じた場合には、二端子型非線形素子の容量と補助容量との容量比は一定でなくなるため、これに起因して、表示ムラなどが生じてしまうという問題がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、プロセス上において各要素のパターンにバラツキが生じた場合でも表示ムラが生じるのを低減することが可能な電気光学装置及び電子機器を提供することを課題とする。
本発明の1つの観点では、電気光学装置は、互いに交差する方向に延在するデータ線及び走査線と、前記データ線及び前記走査線のうち一方の配線に接続され、第1導電層、絶縁層、第2導電層の順に積層されてなる二端子型非線形素子と、前記第2導電層に接続され、他方の配線との間で電界を発生させる画素電極と、前記第2導電層に電気的に接続されるとともに、前記他方の配線と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する第2電極部と、を備え、前記補助容量部における前記第2電極部の幅と、前記二端子型非線形素子における前記第2導電層の幅と、は略同一に設定されている。
上記の電気光学装置は、互いに交差する方向に延在するデータ線及び走査線と、データ線及び走査線のうち一方の配線に接続され、タンタルなどからなる第1導電層、酸化タンタルなどからなる絶縁層及びクロムなどからなる第2導電層をこの順に積層してなる、TFD素子などの二端子型非線形素子と、二端子型非線形素子の第2導電層に接続され、他方の配線との間で電界(一方の配線の延在方向に生じる横電界)を発生させる画素電極と、二端子型非線形素子の第2導電層に電気的に接続されるとともに、他方の配線と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する、クロムなどからなる第2電極部と、を備えて構成される。これにより、IPS方式の電気光学装置を構成することができる。
特に、この電気光学装置では、補助容量部における第2電極部の幅と、二端子非線形素子における第2導電層の幅とは略同一(「略同一」とは同一を含む概念である。)の大きさ(面積)に設定されている。
よって、この電気光学装置の製造過程において、プロセス上の理由により、二端子型非線形素子の第2導電層のパターンにバラツキが生じた場合には、当該第2導電層と同一層に位置する、補助容量部を構成する第2電極部のパターンも略同一の割合でバラツキが生じることになる。好適な例では、前記補助容量部における前記他の配線の幅と、前記二端子型非線形素子における前記第1導電層の幅と、は略同一に設定されているのが好ましい。よって、上記同様の理由により、プロセス上、二端子型非線形素子の第1導電層のパターンにバラツキが生じた場合には、当該第1導電層と同一層に位置する、補助容量部における他の配線のパターンも略同一の割合でバラツキが生じることになる。これらにより、二端子型非線形素子の大きさ(面積)と、補助容量部の大きさ(面積)との比を一定にすることができる。その結果、二端子型非線形素子の素子容量と、補助容量部との容量比を一定にすることができ、それらの容量比の変動により生じる表示ムラを低減できる。
好適な例では、前記補助容量部は複数設けられてなり、複数の前記補助容量部における複数の前記第2電極部の幅は、それぞれが略同一に設定されているのが好ましい。また、複数の前記補助容量部における前記他の配線の幅は、それぞれが略同一に設定されているのが好ましい。さらに、前記補助容量部における前記第2電極部の各々は、前記他の絶縁層上において一定の間隔をおいて設けられているのが好ましい。これらにより、二端子型非線形素子の大きさ(面積)と、各補助容量部の大きさ(面積)との比を一定にすることができる。その結果、二端子型非線形素子の素子容量と、各補助容量部との容量比を一定にすることができ、それらの容量比の変動により生じる表示ムラを低減できる。
本発明の他の観点では、電気光学装置は、互いに交差する方向に延在するデータ線及び走査線と、前記データ線及び前記走査線のうち一方の配線に接続され、第1導電層、絶縁層、第2導電層の順に積層されてなる二端子型非線形素子と、前記第2導電層に接続された画素電極と、前記一方の配線と交差する方向に延在し、他方の配線に接続された補助容量線と、前記補助容量線に接続された第1電極部と、前記第2導電層に電気的に接続されるとともに、前記第1電極部と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する第2電極部と、を備え、前記補助容量部における前記第2電極部の幅と、前記二端子非線形素子における前記第2導電層の幅とは略同一の大きさに設定されている。
上記の電気光学装置は、互いに交差する方向に延在するデータ線及び走査線と、データ線及び走査線のうち一方の配線に接続され、タンタルなどからなる第1導電層、酸化タンタルなどからなる絶縁層及びクロムなどからなる第2導電層をこの順に積層してなる、TFD素子などの二端子型非線形素子と、二端子型非線形素子の第2導電層に接続された画素電極と、その一方の配線と交差する方向に延在し、他方の配線に接続された補助容量線と、補助容量線に接続された第1電極部と、二端子型非線形素子の第2導電層に電気的に接続されるとともに、第1電極部と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する、クロムなどからなる第2電極部と、を備えて構成される。
特に、この電気光学装置では、補助容量部における第2電極部の幅と、二端子非線形素子における第2導電層の幅とは略同一(「略同一」とは同一を含む概念である。)の大きさ(面積)に設定されている。
よって、この電気光学装置の製造過程において、プロセス上の理由により、二端子型非線形素子の第2導電層のパターンにバラツキが生じた場合には、当該第2導電層と同一層に位置する、補助容量部を構成する第2電極部のパターンも略同一の割合でバラツキが生じることになる。好適な例では、前記補助容量部における前記第1電極部の幅と、前記二端子型非線形素子における前記第1導電層の幅と、は略同一に設定されているのが好ましい。よって、上記同様の理由により、プロセス上、二端子型非線形素子の第1導電層のパターンにバラツキが生じた場合には、当該第1導電層と同一層に位置する、補助容量部における第1電極部のパターンも略同一の割合でバラツキが生じることになる。これらにより、二端子型非線形素子の大きさ(面積)と、補助容量部の大きさ(面積)との比を一定にすることができる。その結果、二端子型非線形素子の素子容量と、補助容量部との容量比を一定にすることができ、それらの容量比の変動により生じる表示ムラを低減できる。
好適な例では、前記補助容量部は複数設けられてなり、複数の前記補助容量部における複数の前記第2電極部の幅は、それぞれが略同一に設定されているのが好ましい。また、複数の前記補助容量部における複数の前記第1電極部の幅は、それぞれが略同一に設定されているのが好ましい。さらに、前記補助容量部における前記第2電極部の各々は、前記他の絶縁層上において一定の間隔をおいて設けられているのが好ましい。これらにより、二端子型非線形素子の大きさ(面積)と、各補助容量部の大きさ(面積)との比を一定にすることができる。その結果、二端子型非線形素子の素子容量と、各補助容量部との容量比を一定にすることができ、それらの容量比の変動により生じる表示ムラを低減できる。
上記の電気光学装置の一つの態様では、前記二端子型非線形素子は、前記第1導電層と前記絶縁層と一方の配線に電気的に導通する前記第2導電層とを積層してなる第1素子と、前記第1導電層と前記絶縁層と前記画素電極に電気的に導通する前記第2導電層とを積層してなる第2素子とを有し、前記補助容量部の各々は、前記第1素子及び前記第2素子の大きさと略同一に設定されている。
この態様では、第1導電層と、一方の配線に電気的に導通する第2導電層との間に、絶縁層を誘電体とする容量(第1素子の容量)が形成されると共に、第1導電層と、画素電極に電気的に導通する第2導電層との間に、絶縁層を誘電体とする容量(第2素子の容量)が形成される。また、補助容量部の各々は、第1素子及び第2素子と略同一の大きさに設定されている。このため、各補助容量部の容量は、それぞれ第1素子の容量及び第2素子の容量と略同一に設定されている。これにより、上記のようにプロセス上の理由により各要素のパターンにバラツキが生じた場合でも、第1素子の容量及び第2素子の容量を含む二端子型非線形素子の容量(素子容量)と、各補助容量部の容量との容量比を一定にすることができる。
上記の電気光学装置の他の態様では、前記第1導電層は、前記第1電極部又は前記他の配線と同一の層に形成されていると共に、前記第2電極部は、前記第2導電層と同一の層に形成されている。
このため、プロセス上において、第1導電層のパターンにバラツキが生じた場合には、同一層に位置する第1電極部又は他の配線のパターンも略同一の割合でバラツキが生じることになる。また、第2電極部のパターンにバラツキが生じた場合には、同一層に位置する、二端子型非線形素子の第2導電層のパターンも略同一の割合でバラツキが生じることになる。よって、二端子型非線形素子の大きさ(面積)と、補助容量部を構成する第1電極部及び第2電極部の各大きさ(面積)との比を一定にすることができる。
上記の電気光学装置の他の態様では、前記他の絶縁層の厚さは、前記絶縁層の厚さより厚い。これにより、第2電極部と第1電極部との間で他の絶縁層を介して電流リークが生じる(即ち、補助容量部の容量が二端子型非線形素子として作用する)事態を回避することができる。
本発明の他の観点では、電気光学装置は、互いに交差する方向に延在するソース線及びゲート線と、前記ソース線と前記ゲート線の交差位置に対応して設けられ、前記ゲート線から分岐するゲート電極部と、前記ゲート電極部上に積層された絶縁層と、前記絶縁層上に積層されたドレイン電極部と、前記ソース線から分岐し且つ前記絶縁層上に積層されたソース電極部とを有する三端子型素子と、前記ドレイン電極部と接続された画素電極と、前記ゲート線と接続された補助容量線と、前記補助容量線に接続された第1電極部と、前記ドレイン電極部に電気的に接続されるとともに、前記第1電極部と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する第2電極部と、を備え、前記補助容量部における前記第2電極部の幅と、前記三端子型素子における前記ドレイン電極部の幅と、は略同一に設定されている。
上記の電気光学装置は、互いに交差する方向に延在するソース線及びゲート線と、ソース線とゲート線の交差位置に対応して設けられ、ゲート線から分岐するゲート電極部と、そのゲート電極部上に積層された絶縁層と、その絶縁層上に積層されたドレイン電極部と、そのソース線から分岐し且つ絶縁層上に積層されたソース電極部とを有する、TFT素子などの三端子型素子と、ドレイン電極部と接続された画素電極と、ゲート線と接続された補助容量線と、その補助容量線に接続された第1電極部と、ドレイン電極部に電気的に接続されるとともに、第1電極部と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する第2電極部と、を備えて構成される。
このため、この電気光学装置では、三端子型素子において、ゲート電極部と、ソース電極部及びドレイン電極部との間に絶縁層(ゲート絶縁層)を誘電体とする容量(素子容量)が形成される。一方、第1電極部と、第2電極部の重なる補助容量部には、他の絶縁層を誘電体とする容量が形成される。
特に、この電気光学装置では、補助容量部における第2電極部の幅と、三端子型素子におけるドレイン電極部の幅と、は略同一に設定されている。
よって、この電気光学装置の製造過程において、プロセス上の理由により、三端子型素子のドレイン電極部のパターンにバラツキが生じた場合には、当該ドレイン電極部と同一層に位置する、補助容量部を構成する第2電極部のパターンも略同一の割合でバラツキが生じることになる。このため、三端子型素子のゲート電極部の大きさ(面積)と、補助容量部を構成する第1電極部の大きさ(面積)とが略同一の大きさ(面積)に設定されていることを条件として、三端子型非線形素子の大きさ(面積)と、補助容量部の大きさ(面積)との比を一定にすることができる。その結果、三端子型素子の素子容量と、補助容量部の容量との容量比を一定にすることができ、それらの容量比の変動により生じる表示ムラを低減できる。
本発明の他の観点では、電気光学装置は、データ線と、櫛歯状の形状を構成する複数の櫛歯部分を有し、前記データ線の延在方向と交差する方向に延在する走査線と、前記データ線に接続され、第1導電層、絶縁層、第2導電層の順に積層されてなる二端子型非線形素子と、前記第2導電層に接続され、前記走査線の延在方向に延び、相隣接する前記櫛歯部分の間に配置され、前記走査線との間で電界を発生させる複数の画素電極と、前記第2導電層に電気的に接続されるとともに、前記走査線と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する第2電極部と、を備え、前記補助容量部における前記第2電極部の幅と、前記二端子型非線形素子における前記第2導電層の幅と、は略同一に設定されている。
上記の電気光学装置は、データ線と、櫛歯状の形状を構成する複数の櫛歯部分を有し、データ線の延在方向と交差する方向に延在する走査線と、データ線に接続され、タンタルなどからなる第1導電層、酸化タンタルなどからなる絶縁層及びクロムなどからなる第2導電層をこの順に積層してなる、TFD素子などの二端子型非線形素子と、二端子型非線形素子の第2導電層に接続され、走査線の延在方向に延び、相隣接する櫛歯部分との間に配置され、走査線との間で電界(データ線の延在方向に生じる横電界)を発生させる複数の画素電極と、二端子型非線形素子の第2導電層に電気的に接続されるとともに、走査線と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する、クロムなどからなる第2電極部と、を備えて構成される。これにより、IPS方式の電気光学装置を構成することができる。
特に、この電気光学装置では、補助容量部における第2電極部の幅と、二端子非線形素子における第2導電層の幅とは略同一(「略同一」とは同一を含む概念である。)の大きさ(面積)に設定されている。
よって、この電気光学装置の製造過程において、プロセス上の理由により、二端子型非線形素子の第2導電層のパターンにバラツキが生じた場合には、当該第2導電層と同一層に位置する、補助容量部を構成する第2電極部のパターンも略同一の割合でバラツキが生じることになる。好適な例では、前記補助容量部における前記走査線の幅と、前記二端子型非線形素子における前記第1導電層の幅と、は略同一に設定されているのが好ましい。よって、上記同様の理由により、プロセス上、二端子型非線形素子の第1導電層のパターンにバラツキが生じた場合には、当該第1導電層と同一層に位置する、補助容量部における走査線のパターンも略同一の割合でバラツキが生じることになる。これらにより、二端子型非線形素子の大きさ(面積)と、補助容量部の大きさ(面積)との比を一定にすることができる。その結果、二端子型非線形素子の素子容量と、補助容量部との容量比を一定にすることができ、それらの容量比の変動により生じる表示ムラを低減できる。
また、上記の電気光学装置を表示部として備える電子機器を構成することができる。
本発明の他の観点では、互いに交差する方向に延在するデータ線及び走査線と、前記データ線及び前記走査線のうち一方の配線に接続され、第1導電層、絶縁層、第2導電層の順に積層されてなる二端子型非線形素子と、前記第2導電層に接続された画素電極と、前記一方の配線と交差する方向に延在し、前記他方の配線に接続された補助容量線と、前記補助容量線に接続された第1電極部と、前記第2導電層に電気的に接続されるとともに、前記第1電極部と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する第2電極部と、を備える電気光学装置の製造方法は、前記二端子型非線形素子が形成されるべき領域に且つ前記絶縁層上に前記第2導電層を積層すると共に、前記補助容量部が形成されるべき領域に且つ前記他の絶縁層上に前記第2導電層と同一の層となる前記第2電極部の層を積層する工程を備え、前記工程は、前記第2導電層及び前記第2電極部の層を各々パターニングすることにより、前記二端子型非線形素子における前記第2導電層の幅と、前記補助容量部における前記第2電極部の幅とを略同一に形成する。
上記の電気光学装置の製造方法は、互いに交差する方向に延在するデータ線及び走査線と、前記データ線及び前記走査線のうち一方の配線に接続され、第1導電層、絶縁層、第2導電層の順に積層されてなる二端子型非線形素子と、前記第2導電層に接続された画素電極と、前記一方の配線と交差する方向に延在し、前記他方の配線に接続された補助容量線と、前記補助容量線に接続された第1電極部と、前記第2導電層に電気的に接続されるとともに、前記第1電極部と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する第2電極部と、を備える電気光学装置の製造方法である。
この電気光学装置の製造方法は、二端子型非線形素子が形成されるべき領域に且つ二端子型非線形素子を構成する絶縁層上にクロムなどからなる第2導電層を積層すると共に、補助容量部が形成されるべき領域に且つ補助容量部を構成する他の絶縁層上に第2導電層と同一の層となる第2電極部の層を積層する工程を備える。つまり、この工程により、第2導電層と第2電極部の層とが略同時に積層される。特に、かかる工程は、第2導電層及び第2電極部の層を各々、フォトリソグラフィー技術等によってパターニングすることにより、二端子型非線形素子における第2導電層の幅と、補助容量部における第2電極部の幅とを略同一に形成する。
好適な例では、前記二端子型非線形素子の前記絶縁層及び前記補助容量部における前記他の絶縁層を各々形成する工程の前工程として、前記二端子型非線形素子が形成されるべき領域に前記第1導電層を積層すると共に、前記補助容量部が形成されるべき領域に前記第1導電層と同一の層となる前記第1電極部の層を積層する工程を有し、当該工程は、前記第1導電層及び前記第1電極部の層を各々パターニングすることにより、前記二端子型非線形素子における前記第1導電層の幅と、前記補助容量部における前記第1電極部の幅とを略同一に形成するのが好ましい。
上記の各工程により、二端子型非線形素子の大きさ(面積)と、補助容量部の大きさ(面積)との比を一定にすることができる。その結果、二端子型非線形素子の素子容量と、補助容量部との容量比を一定にすることができ、それらの容量比の変動により生じる表示ムラを低減できる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
(液晶装置の構成)
図1は、本発明の電気光学装置の一例である液晶装置の電気的な構成を示すブロック図である。この液晶装置Dは、液晶に印加される電圧を制御するための非線形素子として二端子型非線形素子を用いたアクティブマトリクス型の表示装置であり、同図に示されるように、X方向に延在する複数の走査線21と、X方向と直交するY方向に延在してデータ線駆動回路33に接続された複数のデータ線13とを有する。複数の走査線21のうち図1における上方から数えて偶数行目の走査線21は走査線駆動回路31aに接続される一方、図1における上方から数えて奇数行目の走査線21は走査線駆動回路31bに接続されている。さらに、本実施形態に係る液晶装置Dは、各走査線21と対をなす複数(走査線21と同本数)の補助容量線17を有する。これらの補助容量線17の各々は、各走査線21と同様にX方向に延在する配線であり、走査線21に対して電気的に接続されている。したがって、各補助容量線17はこれに対応する走査線21と同電位となる。
走査線21とデータ線13とが交差する各位置には画素Pが配置されている。したがって、これらの画素PはX方向およびY方向にわたって表示領域Ad(二点鎖線にて囲まれる領域)内にマトリクス状に配列する。各画素Pは、二端子型非線形素子14と画素容量Gと補助容量18とを含む。このうち二端子型非線形素子14は、両端間に印加された電圧に応じて抵抗値が変化する素子であり、一端がデータ線13に接続されている。画素容量Gは、二端子型非線形素子14に対して直列に接続された容量であり、画素Pごとに形成された画素電極と走査線21との間隙に液晶を介在させた構成となっている。一方、補助容量18は、画素容量Gに対して並列に接続された容量である。すなわち、補助容量18は、二端子型非線形素子14および画素容量Gの接続点Nと補助容量線17との間に介在する。
図2は各画素Pの電気的な等価回路図である。同図に示されるように、各画素Pは、素子容量Ctfdおよび可変抵抗Rtfdを並列に接続してなるニ端子型非線形素子14と、容量Clcdおよび抵抗Rlcdを並列に接続してなる画素容量Gとがデータ線13および走査線21の間に直列に接続され、さらに補助容量18(以下、「補助容量Cadd」とも呼ぶ)、具体的には、第1補助容量18a(容量Cs)、第2補助容量18b(容量Cs)、第3補助容量18c(容量Cs)及び第4補助容量18d(容量Cs)がそれぞれ画素容量Gに対して並列に接続された回路として把握される。また、補助容量Cadd={第1補助容量18a(容量Cs)}+{第2補助容量18b(容量Cs)}+{第3補助容量18c(容量Cs)}+{第4補助容量18d(容量Cs)}で表される。なお、本明細書中では、それらの各補助容量を区別する場合には、例えば「第1補助容量18a」と表記し、また、それらの各補助容量を区別しない場合には、単に補助容量18又は補助容量Caddと表記する。
この構成においては、走査線21とデータ線13との間に印加される電圧が素子容量Ctfdと容量Clcdおよび補助容量Caddとによって容量分割される。ここで、二端子型非線形素子14に充分な電圧を印加するためには、接続点Nからみて走査線21側の容量Cと二端子型非線形素子14の素子容量Ctfdとの容量比α(=C/Ctfd)を大きく確保することが必要となる。本実施形態のように画素容量Gと並列に補助容量18を配置した構成によれば、補助容量18を設けない場合の容量比α(=Clcd/Ctfd)と比較して、補助容量18の分だけ容量比α(=(Clcd+Cadd)/Ctfd)が大きくなるから、ニ端子型非線形素子14に充分な電圧が印加されることになる。したがって、二端子型非線形素子14を迅速かつ確実にオン状態に変化させて画素容量Gに所期の電荷を精度よく蓄積することができ、ひいては表示品位(特にコントラスト)を高い水準に維持することができる。
次に、図3は、液晶装置Dの構成を示す平面図であり、図4は、液晶装置Dのうち表示領域Adの構成を示す断面図である。これらの図に示されるように、液晶装置Dは、枠状のシール材35(図3においてハッチングが施された部分)を介して相互に対向するように貼り合わされた第1基板10と第2基板20とを有する。第1基板10および第2基板20は、ガラスやプラスチックなどの光透過性を有する板状部材である。図4に示されるように、両基板とシール材35とによって囲まれた空間には液晶36が封止されている。
各走査線21は第2基板20のうち液晶36と対向する表面上に形成されている。これらの走査線21は、ITOなどの光透過性を有する導電性材料からなる帯状の電極である。一方、各データ線13は第1基板10のうち液晶36と対向する表面上に形成されている。なお、実際には、第1基板10または第2基板20の表面に複数色のカラーフィルタや各画素Pの間隙を遮光するブラックマトリクスが形成され、さらに第1基板10および第2基板20の表面には液晶36の配向方向を規定する配向膜が形成されるが、図4や以下に示す各図においてはこれらの要素の図示が省略されている。
図3に示されるように、第1基板10は第2基板20よりも外形の寸法が大きい。第1基板10のうち第2基板20の縁辺から張り出した領域10a(以下「張出領域10a」という)には、走査線駆動回路31(31aおよび31b)とデータ線駆動回路33とがCOG(Chip on Glass)技術によって実装されている。各データ線13のうち張出領域10aに引き出された端部はデータ線駆動回路33に接続されている。
図5は、第1基板10のうち液晶36に対向する表面上に形成された要素の構成を示す平面図である。なお、同図においては1つの画素Pに関わる要素のみが図示されているが、その他の画素Pも同様の構成である。図3乃至図5に示されるように、第1基板10の表示領域Adには、X方向およびY方向にわたって複数の画素電極16がマトリクス状に配列されている。各画素電極16は、走査線21と同様にITOなどの導電性材料によって形成された略矩形状の電極である。第2基板20上の各走査線21(図5においては外形が二点鎖線によって示されている)はX方向に並ぶ1行分の画素電極16に液晶36を挟んで対向する。図1に示される画素容量Gは、画素電極16と、これに対向する走査線21と、その両者の間隙に挟まれた液晶36とによって構成される。一方、データ線13は各画素電極16の間隙においてY方向に延在する。図5に示されるように、各画素電極16とこれに隣接するデータ線13との間隙には二端子型非線形素子14が配置されている。
図6は、図5におけるVI−VI線に沿った断面図であり、図7は、図5におけるVII−VII線に沿った断面図である。図5から図7に示されるように、二端子型非線形素子14は、X方向を長手方向としてデータ線13に交差する長尺状の第1導電層141と、この第1導電層141の表面を陽極酸化することによって形成された絶縁層(誘電体層)145と、絶縁層145の表面に相互に離間して形成された第2導電層131および142とを有する。このうち第1導電層141は、例えばタンタル(Ta)などの単体金属やタンタルを主成分としてタングステン(W)などの金属を含む合金といった各種の導電性材料によって形成されている。第1導電層141をタンタルによって形成した場合、これを陽極酸化して得られる絶縁層145は酸化タンタル(TaO)からなる。
第2導電層131はデータ線13から分岐した分岐部分によって構成されている。すなわち、データ線13にはX方向に分岐する分岐部分が形成されており、この分岐部分かデータ線に平行に延在する(即ち、Y方向に延在する)第1導電層141と重なり合うように配置されている。そして、このデータ線13の分岐部分のうち絶縁層145を挟んで第1導電層141と重なり合う部分が第2導電層131となっている。一方、第2導電層142は、絶縁層145を挟んで第1導電層141と重なりあうようにX方向に延在している。この第2導電層142は、当該第2導電層142より大きい平面形状を有する第2電極部182と電気的に接続されている。第2電極部182は、その一端側(その下方の縁辺)からY方向に延在するように形成された複数の矩形状の電極部分、即ち、第1部分182a、第2部分182b、第3部分182c及び第4部分182dを有する。上述した画素電極16は第2電極部182と部分的に重なり合うように形成されて第2導電層142と電気的に接続されている(図8も参照)。第2電極部182の要素である、第1部分182a、第2部分182b、第3部分182c及び第4部分182dの各々は、補助容量18の一方の電極として機能する部分であり、図5に示されるように、Y方向に延在するように形成されている。第2導電層131を含むデータ線13と、第2導電層142及びこれと一体的に形成された第2電極部182とは、第1導電層141よりも抵抗率が低い導電性材料によって形成されている。このような導電性材料としては、クロム(Cr)やアルミニウム(A1)などの単体金属やこれらを主成分とする合金などがある。
図1に示した二端子型非線形素子14は、第1素子14aと第2素子14bとから構成されている。すなわち、図6に示されるように、第1素子14aは、第2導電層131(デーク線13)と絶縁層145と第1導電層141とがデータ線13側からみてこの順番に積層された構成となっている。このように第1素子14aは金属/絶縁体/金属のサンドイッチ構造となっているため、正負双方向のダイオードスイッチング特性を呈する。一方、第2素子14bは、第1導電層141と絶縁層145と第2導電層142とが第1基板10側からみてこの順番に積層された構成となっている。したがって、第2素子14bは第1素子14aとは反対のダイオードスイッチング特性を呈する。このように、二端子型非線形素了14は、2つのダイオードを互いに逆向きとなるように直列に接続した構成となっているため、ひとつのダイオード(第1素子14aおよび第2素子14bの何れか―方のみ)を用いた場合と比較して、電流一電圧の非線形特性が正負双方向にわたって対称化される。なお、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfdは、図6等に示すように、第1素子14aの素子容量Ctfd1と第2素子14bの素子容量Ctfd2を加算した値になっている。この構成のもと、走査信号の供給によって走査線21が選択されているとき(水平走査期間)に所望の階調に応じたデータ信号をデータ線13に供給することによって二端子型非線形素子14がオン状態になると、このデータ信号に応じた電荷が画素容量Gに蓄積されて液晶36の配向方向が変化する。このように液晶36の挙動を画素Pごとに制御することによって所望の画像が表示される。したがって、画素容量Gは表示画像の最小単位となる要素として把握される。一方、電荷が蓄積された後には二端子型非線形素子14がオフ状態となるから、画素容量Gによる電荷は保持される。
図5に示されるように、第1基板10のうち液晶36に対向する表面上には、各画素電極16の間隙においてX方向に延在する補助容量線17が形成されている。図7に示すように、補助容量線17はデータ線13と共通の工程において同一の材料によって形成されている。このように抵抗率が低い材料が補助容量線17に使用されることにより、補助容量線17がタンタル等の抵抗率が高い材料からなる構成(例えば特許文献1に記載された構成)と比較して、補助容量18に印加される電圧のばらつきが抑制される。
しかし、この構成では、Y方向に延在するデータ線13とX方向に延在する補助容量線17とが画素端部において交差するため、一方の配線であるデータ線13を、データ線13及び補助容量線17とは別の層に形成した中継層を介して引き廻している。すなわち、本実施形態では、補助容量線17の下層側(第1基板側)にデータ線13を中継する中継層151を形成し補助容量線17をこの上を跨ぐように延在させる一方、データ線13を補助容量線17と干渉しないように補助容量線17を挟んで上下に分割して形成し中継層151を介して引き廻すようにしている。中継層151は二端子型非線形素子14の第1導電層141と共通の工程において同一の材料によって形成されており、中継層151と補助容量線17とを絶縁する絶縁層(以下、「層間絶縁層」という)155は中継層151の表面を陽極酸化することによって形成されている。層間絶縁層155には、当該層間絶縁層155及び中継層151を貫通するコンタクトホールC2、C3が形成されており、このコンタクトホールC2、C3の形成によって露出した中継層151のエッジ部分において中継層151とデータ線13とが接続されている。
本実施形態において、層間絶縁層155は二端子型非線形素子14の絶縁層145よりも充分に厚く形成されている。具体的には、層間絶縁層155の膜厚は二端子型非線形素子14の絶縁層の膜厚の5倍程度となっている。図5および図7に示されるように、補助容量線17とデータ線13とが交差する部分(即ち、中継層151の形成領域)には、二端子型非線形素子14と同様に金属/絶縁体/金属という積層構造が形成されることになる。しかしながら、中継層151の層間絶縁層155はニ端子型非線形素子14の絶縁層145よりも充分に厚いため、この部分はダイオードとして機能せず、補助容量線17とデータ線13との電気的な絶縁は維持される。
図5に示されるように、補助容量線17と画素電極16との間には、補助容量18の一方の電極となる導電層(以下、「第1電極部」という)181が形成されている。この第1電極部181は、中継層151及びニ端子型非線形素子14の第1導電層141と共通の工程において同一の材料によって形成されている。この第1電極部181は、画素電極16の縁辺に沿ってX方向に延在する第1の部分181aと、当該部分181aから補助容量線17側に屈曲してY方向に延在する第2の部分181bとからなる。また、第1電極部181上には、図6等に示すように、その表面を陽極酸化することによって形成された絶縁層(以下、「容量部絶縁層」)175が積層されている。第2電極部182の要素である、第1部分182a、第2部分182b、第3部分182c及び第4部分182dと、第1電極部181の第1の部分181aとは、容量部絶縁層175を介して、部分的且つ平面的に重なっている。また、第1部分182a、第2部分182b、第3部分182c及び第4部分182dの各々は、容量部絶縁層175上において、補助容量線17の延在方向に一定の間隔をおいて設けられている。さらに、第1電極部181の第1の部分181aと重なる第2電極部182の第1部分182aとの間には、容量部絶縁層175を誘電体とする第1補助容量18aが形成されている。また、第1電極部181の第1の部分181aと重なる第2電極部182の第2部分182bとの間には、同じく容量部絶縁層175を誘電体とする第2補助容量18bが形成されている。また、第1電極部181の第1の部分181aと重なる第2電極部182の第3部分182cとの間には、同じく容量部絶縁層175を誘電体とする第3補助容量18cが形成されている。また、第1電極部181の第1の部分181aと重なる第2電極部182の第4部分182dとの間には、同じく容量部絶縁層175を誘電体とする第4補助容量18dが形成されている。なお、本実施形態において、第1補助容量18a、第2補助容量18b、第3補助容量18c及び第4補助容量18dの各々に対応する平面的な大きさ(面積)は、二端子型非線形素子14の要素である、第1素子14a及び第2素子14bの各大きさ(面積)と略同一となるように設定されているが、この点については後述する。
また、本実施形態において、容量部絶縁層175は二端子型非線形素子14の絶縁層145よりも十分に厚く形成されている。具体的には、容量部絶縁層175の膜厚D2はニ端子型非線形素子14の絶縁層145の膜厚D1の5倍程度となっている(図6を参照)。この容量部絶縁層175は中継層151の層間絶縁層155と共通の工程において形成されている。図6に示されるように、補助容量18には、二端子型非線形素子14と同様に金属/絶縁体/金属という積層構造が形成されることになる。しかしながら、容量部絶縁層175は二端子型非線形素子14の絶縁層145よりも充分に厚いため、この部分はダイオードとして機能せず、補助容量線17とデータ線13との電気的な絶縁は維持される。
また、図5、及び、図5におけるVIII−VIII線に沿った断面図である図8に示すように、画素電極16の下端部付近は、第2電極部182の一部上に積層されている。第1電極部181上には容量部絶縁層175が積層されている。また、容量部絶縁層175には、当該容量部絶縁層175及び第1電極部181の第2の部分181bを貫通するコンタクトホールC1が形成されており、このコンタクトホールC1の形成によって露出した第2の部分181bのエッジ部分において第1電極部181と補助容量線17とが接続されている。
次に、補助容量線17と走査線21とを電気的に接続するための構成について説明する。図9は走査線21の端部の近傍(図3において破線で囲まれた領域A)を拡大して示す平面図であり、図10は図9におけるX−X線に沿った断面図である。なお、図9および図10においては特に偶数行目の走査線21の近傍のみが図示されているが、奇数行目の走査線21も同様の構成となっている。
図9および図10に示されるように、補助容量線17は、第1基板10のうちシール材35によって覆われた領域(以下「シール被覆領域」という)に至るように引き廻されている。このシール被覆領域に至った端部17bは補助容量線17の他の部分と比較して幅広となっており、この部分において、図3、図9に示される配線(以下「引き廻し配線」という)41に接続されている。この引き廻し配線41は、データ線13や補助容量線17と共通の工程において同一の材料により形成された配線である。引き廻し配線41は、特に図3に示されるように、シール被覆領域内に位置する端部411からシール材35の内側の領域内においてシール材35の一辺に沿うようにY方向に延在し、張出領域10aに到達した端部が走査線駆動回路31の出力端に接続されている。
一方、図3、図9および図10に示されるように、第2基板20のシール被覆領域に至った走査線21の端部は引き廻し配線41の端部411と対向する。図10に示されるように、走査線21の端部と引き廻し配線41の端部(即ち、補助容量線17の端部17b)との間隙には導電性粒子351が介在する。この導電性粒子351はシール材35に分散された導電性の粒子であり、第1基板10と第2基板20との間隙(すなわちセルギヤップ)を一定に維持するスペーサとして機能するほか、走査線21の端部と補助容量線17の端部17bとに接触することによって走査線21と引き廻し配線41とを導通させる役割も担っている。以上の構成により、走査線21および補助容量線17の双方が引き廻し配線41を介して走査線駆動回路31に接続され(図1参照)、この結果として補助容量線17は走査線21と同電位となる。
(補助容量と素子容量の容量比の変動低減構造)
次に、図11及び図12を参照して、補助容量18(補助容量Cadd)と二端子型非線形素子14の素子容量Ctfdの容量比の変動低減構造について説明する。
図11(a)は、図5における破線領域E1に対応する部分平面図であり、具体的には、二端子型非線形素子14を拡大して示す部分平面図である。図11(b)は、図5における破線領域E2に対応する部分平面図であり、具体的には、補助容量18が形成された部分を拡大して示す部分平面図である。
二端子型非線形素子14の基本的な構成は上述した通りであり、当該二端子型非線形素子14は、第1素子14a(素子容量Ctfd1)及び第2素子14b(素子容量Ctfd2)を有する。第1素子14a及び第2素子14bは、図11(a)に示すように、各々縦幅(Y方向に対応する長さ)d3と、横幅(X方向に対応する長さ)d4に設定されている。このため、第1素子14a及び第2素子14bの各大きさ(面積)は、(d3×d4)で表される。よって、二端子型非線形素子14の大きさ(面積)Stfdは、第1素子14aの大きさ(面積)Saと、第2素子14bの大きさ(面積)Sbを加算した値、即ち、(d3×d4)を2倍した値で表される。
また、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfdは、一般的な静電容量の式より、
Ctfd=(ε×ε×Stfd)/D1 (式1)
で表される。ここで、上記の式1において、「ε」は絶縁層145の比誘電率であり、「ε」は真空の誘電率であり、「Stfd」は二端子型非線形素子14の大きさ(面積)であり、「D1」は絶縁層145の膜厚である。
一方、第1電極部181は、図11(b)に示すように、X方向に延在する第1の部分181a等を有する。第1の部分181aの縦幅(Y方向における長さ)は、d4に設定されている。そして、第1の部分181a上には、膜厚D2(=D1×約5倍)を有する容量部絶縁層175が積層されている。また、第1部分182a、第2部分182b、第3部分182c及び第4部分182dの各々は、補助容量線17の延在方向であるX方向に一定の間隔をおいて且つY方向に延在するように形成されている。第1部分182a、第2部分182b、第3部分182c及び第4部分182dの各横幅(X方向における長さ)は、d3に設定されている。なお、本発明では、これに代えて、第1の部分181aの縦幅をd3に設定する一方、第1部分182a、第2部分182b、第3部分182c及び第4部分182dの各横幅をd4に設定しても構わない。
そして、第1部分182a、第2部分182b、第3部分182c及び第4部分182dの一部分は、容量部絶縁層175を介して、第1電極部181の第1の部分181aと対向し且つ平面的に重なり合っている。これにより、第1の部分181aと重なる第1部分182aの間には、容量部絶縁層175を誘電体とする第1補助容量18aが、また、第1の部分181aと重なる第2部分182bの間には、同じく容量部絶縁層175を誘電体とする第2補助容量18bが、また、第1の部分181aと重なる第3部分182cの間には、同じく容量部絶縁層175を誘電体とする第3補助容量18cが、また、第1の部分181aと重なる第4部分182dの間には、同じく容量部絶縁層175を誘電体とする第4補助容量18dが夫々形成されている。
第1の部分181aと重なる第1部分182aの大きさ(面積)Sc、第1の部分181aと重なる第2部分182bの大きさ(面積)Sc、第1の部分181aと重なる第3部分182cの大きさ(面積)Sc、及び、第1の部分181aと重なる第4部分182dの大きさ(面積)Sc、換言すれば、補助容量18の要素である、第1補助容量18a、第2補助容量18b、第3補助容量18c及び第4補助容量18dの各々に対応する平面的な大きさ(面積)Scは、二端子型非線形素子14の要素である、第1素子14aの大きさ(面積)Sa及び第2素子14bの大きさ(面積)Sbと同一の大きさ、即ち、(d3×d4)に設定されている。よって、補助容量18に対応する平面的な大きさ(面積)Saddは、(4×d3×d4)となる。
また、補助容量18、即ち補助容量Caddは、一般的な静電容量の式より、
Cadd=(ε×ε×Sadd)/D2 (式2)
で表される。ここで、上記の式2において、「Sadd」は、補助容量18に対応する平面的な大きさ(面積)であり、また、「D2」は容量部絶縁層175の膜厚である。ここで、「D2」は、上記したように「D1×約5倍」となっている。
なお、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfdと、画素電極16の容量Clcdと補助容量18(補助容量Cadd)を加算した値との比は、1:4〜8に設定されるのが好ましい。また、好適な例では、素子容量Ctfdと、補助容量Caddと、画素電極16の容量Clcdの比は、1:2〜4:2〜4に設定されているのが好ましい。
以上の構成を有する液晶装置では、第1補助容量18a、第2補助容量18b、第3補助容量18c及び第4補助容量18dの各々に対応する平面的な大きさ(面積)Scは、二端子型非線形素子14の要素である、第1素子14aの大きさ(面積)Sa及び第2素子14bの大きさ(面積)Sbと略同一の大きさに設定されている。
よって、この液晶装置の製造過程において、プロセス上の理由により、二端子型非線形素子14の各要素のパターンにバラツキが生じた場合には、当該各要素と同一層に位置する、補助容量18の構成要素のパターンも略同一の割合でバラツキが生じることになる。これにより、二端子型非線形素子14の大きさ(面積)と、第1電極部181の第1の部分181aと重なる、第1補助容量18a、第2補助容量18b、第3補助容量18c及び第4補助容量18dの各々に対応する平面的な大きさ(面積)Scとの比を一定にすることができる。その結果、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfdと、補助容量18(補助容量Cadd)との容量比を一定にすることができ、それらの容量比の変動により生じる表示ムラを低減できる。
この点について、図11及び図12等を参照して、比較例と比較してさらに詳述する。図12は、図11(b)に対応する比較例に係る補助容量18x付近を拡大した部分平面図を示す。
まず、比較例の構成について説明する。図11(b)と図12とを比較して理解されるように、比較例は、第2電極部182の構成が本実施形態と若干異なっている。なお、比較例において、その他の要素は本実施形態と同様である。即ち、比較例において、第2電極部182は、第1部分182a、第2部分182b、第3部分182c及び第4部分182dの代わりに幅広部分182xを有する。幅広部分182xの横幅(X方向における長さ)はd5(=d3×4)に設定されている。幅広部分182xは、Y方向に延在しており、幅広部分182xの一部分は、容量部絶縁層175を介して第1電極部181の第1部分181aと対向し且つ平面的に重なり合っている。これにより、第1の部分181aと幅広部分182xの間には、容量部絶縁層175を誘電体とする補助容量18xが形成されている。よって、補助容量18xに対応する平面的な大きさ(面積)Sxは、(d4×d5)、即ち、(4×d3×d4)となる。つまり、補助容量18x(以下、「補助容量Cadd2」とも呼ぶ)は、本実施形態の補助容量Caddと同一の値に設定されている。なお、比較例に係る二端子型非線形素子は、本実施形態の二端子型非線形素子14と同様の構成である。
次に、本実施形態及び比較例の製造過程において、プロセス上の理由により、二端子型非線形素子13等の各要素のパターンにバラツキが生じた場合、当該二端子型非線形素子14の素子容量Ctfd、補助容量Cadd及び補助容量Cadd2に与える影響ついて検討する。
好適な一例として、本実施形態の図11において、d3=d4=3μmとした場合、二端子型非線形素子14の大きさ(面積)Stfdは、Sa=Sb=9μmで、膜厚はD1×2になる。これにより、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfdは、上記の式1より、4.5εε/D1となる。一方、補助容量18の大きさ(面積)Saddは、第1補助容量18aに対応する大きさ(面積)Sc(=9μm)と、第2補助容量18bに対応する大きさ(面積)Sc(=9μm)と、第3補助容量18cに対応する大きさ(面積)Sc(=9μm)と、第4補助容量18dに対応する大きさ(面積)Sc(=9μm)を加算した値、即ち、36μmとなる。これにより、補助容量Caddは、上記の式2より、36εε/D2となる。なお、実際には、上記のように、D2=5×D1であるが、ここでは理解を容易とするためD1=D2とする。このため、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfd:補助容量Cadd=1:8となる。
また、比較例の図12において、d4=3μm、d5=d3×4=12μmとした場合、補助容量18xに対応する大きさ(面積)Sxは、36μmとなる。これにより、補助容量Cadd2は、上記の式2より、補助容量Caddと同一の値、即ち36εε/D2となる。このため、本実施形態と同様に、二端子型非線形素子の素子容量Ctfd:補助容量Cadd2=1:8となる。
以上のように本実施形態及び比較例では、好適な一例として、上記の寸法を有するように各要素が形成されるのが理想である。しかし、実際には、各要素を形成する際にはプロセス上の理由により各要素のパターンにバラツキが生じる。即ち、本実施形態及び比較例の製造過程において、同一層に形成される各要素は、基本的に略同じ精度で形成され、当該各要素のパターンは略同一の割合でバラツキが生じる。このため、例えば、第2導電層142、それと一体的に形成された第2電極部182、及び、第2導電層131を含むデータ線13は同一層に形成されるため、当該各要素のパターンは略同一の割合でバラツキが生じる。ここで、プロセス上の理由により、第2導電層142、それと一体的に形成される第2電極部182、及び、第2導電層131を含むデータ線13が、それらの各外形辺より内側に約0.5μm小さく形成されたと仮定する。
そうすると、本実施形態の図11では、d3=d4=2μmとなる。このため、二端子型非線形素子14の大きさ(面積)Stfdは、Sa=Sb=4μmで、膜厚はD1×2になる。これにより、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfdは、上記の式1より、2εε/D1となる。一方、補助容量18の大きさ(面積)Saddは、第1補助容量18aに対応する大きさ(面積)Sc(4μm)と、第2補助容量18bに対応する大きさ(面積)Sc(4μm)と、第3補助容量18cに対応する大きさ(面積)Sc(4μm)と、第4補助容量18dに対応する大きさ(面積)Sc(4μm)を加算した値、即ち、16μmとなる。これにより、補助容量Caddは、上記の式2より、16εε/D2となる。このため、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfd:補助容量Cadd=1:8となる。
一方、比較例の図12では、d4=2μm、d5=11μm(幅広部分182xのX方向における長さが1μm小さくなるため)となる。このため、補助容量18xに対応する大きさ(面積)Sxは、22μmとなる。これにより、補助容量Cadd2は、上記の式2より、22εε/D2となる。このため、二端子型非線形素子の素子容量Ctfd:補助容量Cadd2=2:22=1:11となる。
なお、上記では、プロセス上の理由により、第2導電層142、それと一体的に形成される第2電極部182、及び、第2導電層131を含むデータ線13が、それらの各外形辺より内側に小さく形成された場合を仮定して説明したが、その逆に、それらの各要素の外形辺より大きく形成された場合においても上記と略同様の結果が生じる。
以上の条件設定において、プロセス上の理由により上記の各要素のパターンにバラツキが生じた場合、本実施形態では、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfd:補助容量Cadd=1:8の関係となる一方、比較例では、二端子型非線形素子の素子容量Ctfd:補助容量Cadd2=2:22=1:11の関係となる。よって、この結果より、本実施形態では、同一層の各要素を作製する際に当該各要素のパターンにバラツキが生じた場合でも、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfdと補助容量Caddの容量比を一定にすることができる一方、比較例では、同一層の各要素を作製する際に当該各要素のパターンにバラツキが生じた場合、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfdと補助容量Caddの容量比を一定にすることができない、ということが理解される。
この理由は、本実施形態では、第1補助容量18a、第2補助容量18b、第3補助容量18c及び第4補助容量18dの各々に対応する平面的な大きさ(面積)Scを、二端子型非線形素子14の要素である、第1素子14aの大きさ(面積)Sa及び第2素子14bの大きさ(面積)Sbと略同一に設定しているので、第1補助容量18a、第2補助容量18b、第3補助容量18c及び第4補助容量18dの各々に対応する平面的な大きさ(面積)Scと、第1素子14aの大きさ(面積)Sa及び当該第2素子14bの大きさ(面積)Sbとが略同一の割合でバラツキが生じるからである。一方、比較例では、第1電極部181と平面的に重なる幅広部分182xの大きさSx、換言すれば、補助容量18xに対応する大きさ(面積)Sxを、二端子型非線形素子14の要素である、第1素子14aの大きさ(面積)Sa及び第2素子14bの大きさ(面積)Sbと非同一に設定しているので、容量18xに対応する大きさ(面積)Sxと、第1素子14aの大きさ(面積)Sa及び第2素子14bの大きさ(面積)Sbとが同一の割合でバラツキが生じないからである。
よって、上記したように、本発明の実施形態では、プロセス上の理由により、二端子型非線形素子14及び補助容量18を構成する各要素のパターンにバラツキが生じた場合であっても、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfdと補助容量Caddの容量比を一定にすることができ、これにより表示ムラのない均一な表示を得ることができる。
[変形例]
上記の実施形態では、容量部絶縁層175の膜厚D2を、ニ端子型非線形素子14の絶縁層145の膜厚D1の5倍程度とした。このため、上記の構成において、かかる条件を下に上記の式1及び式2に基づき二端子型非線形素子14の素子容量Ctfd及び補助容量Caddを算出した場合、それらの容量比は、好適な例としての、1:2〜4の関係を充たさない。そこで、かかる場合、本発明では、上記の容量比の関係を充たすように、補助容量18の要素を増加するのが望ましい。即ち、本発明では、補助容量18の要素の設定数は、上記のように第1補助容量18a、第2補助容量18b、第3補助容量18c及び第4補助容量18dの4つだけに限定されず、必要に応じて、その増減が可能である。
また、上記の実施形態では、二端子型非線形素子14を有する液晶装置に本発明を適用することとしたが、これに代えて、TFT(薄膜トランジスタ)素子などの三端子型素子を有する液晶装置に本発明を適用するようにしても構わない。
ここで、かかる液晶装置の構成について簡単に説明する。一般的に、かかる液晶装置は、一対の基板間に液晶を封入して構成される。一対の基板のうち、一方の基板には、相互に交差するソース線及びゲート線、ソース線とゲート線の交差位置に対応して設けられるTFT素子などの三端子型素子、及び、三端子型素子と接続された画素電極等が形成される一方、他方の基板には、共通電極等が形成される。また、三端子型素子の一例としてのTFT素子450の構成について簡単に説明すると、図13に示すように、TFT素子450では、図示しないゲート線から分岐したゲート電極401の上に、それを覆うようにゲート絶縁膜403が設けられている。ゲート絶縁膜403の上には、ゲート電極402に重なるようにa−Si層405が設けられている。a−Si層405の上には、2つに分断されたn−a−Si層406a、406bが設けられている。さらに、n−a−Si層406aの上には、図示しないソース線から分岐したソース電極408が設けられ、n−a−Si層406bの上にはドレイン電極409が設けられている。ドレイン電極409は、画素電極16と部分的に重なるように設けられている。なお、補助容量線17は、ゲート線と兼用されるか、或いはゲート線と電気的に接続される。また、第1電極部181は、補助容量線17に接続されると共に、第2電極部182は、ドレイン電極409に電気的に接続される(図示略)。また、第2電極部182は、第1電極部181と容量部絶縁層175を介して部分的に重なって補助容量18を構成する(図示略)。さらに、補助容量18における第2電極部182の幅と、TFT素子450におけるドレイン電極部409の幅と、は略同一に設定される(図示略)。
以上の構成を有する液晶装置に本発明を適用すれば、プロセス上の理由により、TFT素子450及び補助容量を構成する各要素のパターンにバラツキが生じた場合でも、TFT素子450の素子容量と補助容量の容量比を一定にすることができるという効果が得られる。
また、本発明は、いわゆる横電界方式或いはIPS(In Plane Switching)方式を有する液晶装置に適用することも可能である。特に、このような構造を有する液晶装置では、画素電極が櫛歯状に形成されており、その画素電極の面積が極めて小さくなっている。したがって、かかる液晶装置に補助容量を設けることは表示品質を向上する上で有効である。かかる場合に本発明を適用すれば、上記した本発明の作用効果が得られ、より一層、表示品質の向上を図ることができる。以下、具体的に、このようなIPS方式の液晶装置に本発明を適用した各種の例について説明する。なお、本発明では、以下に説明する適用例1及び2に係るIPS方式の液晶装置に対して、上記した三端子型素子の一例としてのTFT素子450を適用しても構わない。
(適用例1)
まず、図14を参照して、本発明の適用例1に係るIPS方式の液晶装置Dxにおける1画素分の構成について説明する。なお、以下では、上記の実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。図14(a)は、適用例1に係るIPS方式の液晶装置Dxの1画素P付近の平面的なレイアウトを示す部分平面図である。図14(b)は、図14(a)の切断線X1−X2に沿った部分断面図である。
上記の実施形態では、データ線13が第1基板10側に形成される一方、走査線21が第2基板20側に形成されていた。これに対して、適用例1は、IPS方式の液晶装置Dxであるため、データ線13及び走査線22は第1基板10側に形成される。
具体的には、データ線13は、Y方向に適宜の間隔をおいて、X方向に延在するように形成されている。任意の一対のデータ線13の間には、1つのX方向に列をなす画素P群が設けられる。
走査線22は、クロム等の導電材料にて形成されている。走査線22は、第1基板10において、Y方向に延在するように形成され、画素Pの領域毎に、櫛歯状の形状を有する第1電極22aと、Y方向に相隣接する第1電極22a同士を繋ぐ第2電極22bとを有する。走査線22上には、容量部絶縁膜175が形成されている。第1電極22a上に位置する容量部絶縁膜175の厚さはD2に設定されている。
第1電極22aは、複数の櫛歯部分、即ち、Y方向に延在する第1部分22ab、第2部分22ac、第3部分22ad及び第4部分22aeと、X方向に延在する第5部分22afとを含んで構成される。第1部分22ab、第2部分22ac、第3部分22ad及び第4部分22aeは、各々X方向に適宜の間隔をおいて形成され、また、それらの各X方向の長さはd4に設定されている。第1部分22ab、第2部分22ac、第3部分22ad及び第4部分22aeの各一端側は、第5部分22afに繋がっている。
二端子型非線形素子14の構成は上記した本実施形態の構成と略同様である。二端子型非線形素子14の要素である、第1導電層141は、X方向に延在するように形成され、そのY方向の長さ(幅)はd4に設定されている。第1導電層141上には、厚さD1(=D2/5)を有する絶縁層145が形成されている。データ線13の一部は、画素P毎に、Y方向に分岐する第2導電層131を有する。第2導電層131は、絶縁層145上に形成されている。第2導電層131のX方向の長さ(幅)はd3に設定されている。第2導電層131の一部は、絶縁層145を介して第1導電層141に平面的に重なっている。そして、この平面的に重なる部分には、面積Sa及び素子容量Ctfd1を有する第1素子14aが形成されている。二端子型非線形素子14の要素である、第2導電層142は、鉤状又はL字状の平面形状をなし、その幅はd3に設定されている。第2導電層142の一部分は、絶縁層145を介して第1導電層141と平面的に重なっている。この平面的に重なる部分には、面積Sb及び素子容量Ctfd2を有する第2素子14bが形成されている。こうして、第1素子14a及び第2素子14bを含み、それらの素子容量を加算してなる素子容量Ctfdを有する二端子型非線形素子14が設けられている。
また、第2導電層142は、X方向に延在する直線状の形状を有する第2電極部182を有し、当該第2電極部182は、容量部絶縁層175を介して、走査線22の要素である、第1部分22ab、第2部分22ac、第3部分22ad及び第4部分22aeの各々と平面的に重なっている。第2電極部182と第1部分22abの平面的に重なる部分の面積はScに設定されている。また、第2電極部182と第1部分22abとの間には容量部絶縁層175を誘電体とする第1補助容量18aが形成され、その第1補助容量18aの大きさはCsに設定されている。また、第2電極部182と、第2部分22ac、第3部分22ad又は第4部分22aeとの平面的に重なる部分の面積もScに設定されている。また、第2電極部182と第2部分22acとの間には容量部絶縁層175を誘電体とする第2補助容量18bが、また、第2電極部182と第3部分22adとの間には容量部絶縁層175を誘電体とする第3補助容量18cが、また、第2電極部182と第4部分22aeとの間には容量部絶縁層175を誘電体とする第4補助容量18dが夫々形成されている。そして、補助容量18の面積Saddは、上記の4つ分の面積Scを加算した値に設定されていると共に、補助容量18(Cadd)は、第1補助容量18a(Cs)と第2補助容量18b(Cs)と第3補助容量18c(Cs)と第4補助容量18d(Cs)を加算した値に設定されている。
また、第1部分22abと第2部分22acの間にはY方向に延在する第1画素電極16aが設けられている。第1画素電極16aの一端側は第2電極部182上に積層され、第1画素電極16aは第2電極部182と電気的に接続されている。また、第2部分22acと第3部分22adの間にはY方向に延在する第2画素電極16bが設けられている。第2画素電極16bの一端側は第2電極部182上に積層され、第2画素電極16bは第2電極部182と電気的に接続されている。また、第3部分22adと第4部分22aeの間にはY方向に延在する第3画素電極16cが設けられている。第3画素電極16cの一端側は第2電極部182上に積層され、第3画素電極16cは第2電極部182と電気的に接続されている。これらの構成により、第1画素電極16a、第2画素電極16b及び第3画素電極16cは、各々二端子型非線形素子14を介してデータ線13に電気的に接続されている。そして、以上の構成を有する適用例1に係る液晶装置Dxでは、その駆動時、X方向に電界Eが生じて液晶分子の配向が制御される。
特に、この適用例1に係る液晶装置Dxでは、第1補助容量18a、第2補助容量18b、第3補助容量18c及び第4補助容量18dの各々に対応する平面的な大きさ(面積)Scは、二端子型非線形素子14の要素である、第1素子14aの大きさ(面積)Sa及び第2素子14bの大きさ(面積)Sbと略同一の大きさに設定されている。よって、上記した実施形態等と同様の作用効果を奏する。
(適用例2)
次に、図15を参照して、本発明の適用例2に係るIPS方式の液晶装置Dyにおける1画素分の構成について説明する。なお、以下では、上記の実施形態及び適用例1と同一の要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。図15(a)は、適用例2に係るIPS方式の液晶装置Dyの1画素P付近の平面的なレイアウトを示す部分平面図である。図15(b)は、図15(a)の切断線X3−X4に沿った部分断面図である。
本発明の適用例2は上記の適用例1と略同様の構成を有するが、二端子型非線形素子14及び補助容量18付近の構成が適用例1と若干異なっている。
具体的には、適用例2に係るデータ線13は、適用例1に係るデータ線13と略同様の構成を有するが、適用例1のように画素P毎に分岐部分を有しない。また、データ線13のY方向の長さ(幅)はd3に設定されている。適用例2に係る走査線22は、適用例1に係る走査線22の構成と同様である。走査線22上には、容量部絶縁膜175が形成されている。第1電極22a上に位置する容量部絶縁膜175の厚さはD2に設定されている。
二端子型非線形素子14の構成は上記した適用例1の構成と略同様である。二端子型非線形素子14の要素である、第1導電層141は、Y方向に延在するように形成され、そのX方向の長さ(幅)はd4に設定されている。第1導電層141上には、厚さD1(=D2/5)を有する絶縁層145が形成されている。データ線13の一部は、第1導電層141と平面的に重なっている。その平面的に重なった部分には、面積Sa及び素子容量Ctfd1を有する第1素子14aが形成されている。二端子型非線形素子14の要素である、第2導電層142は、適用例1とは異なる鉤状の形状を有する第2電極部182を備えている。第2導電層142は、第1導電層141と平面的に重なっており、その平面的に重なった部分には、面積Sb及び素子容量Ctfd2を有する第2素子14bが形成されている。こうして、第1素子14a及び第2素子14bを含み、それらの素子容量を加算してなる素子容量Ctfdを有する二端子型非線形素子14が設けられている。
また、第2電極部182は、Y方向に延在する第1部分182a、第2部分182b及び第3部分182cを有する。第1部分182a、第2部分182b及び第3部分182cは、各々X方向に適宜の間隔をおいて形成されている。第1部分182aは、容量部絶縁層175上に形成されており、当該第1部分182aは、容量部絶縁層175を介して走査線22の第5部分22afの一部と平面的に重なっている。そして、第1部分182aと第5部分22afとの間には、容量部絶縁層175を誘電体とする第1補助容量18a(Cs)が形成されている。また、第2部分182b及び第3部分182cも、容量部絶縁層175上に形成されており、第2部分182b及び第3部分182cは、各々容量部絶縁層175を介して走査線22の第5部分22afの一部と平面的に重なっている。そして、第2部分182b又は第3部分182cと、第5部分22afとの間には、それぞれ、容量部絶縁層175を誘電体とする第2補助容量18b(Cs)及び第3補助容量18c(Cs)が形成されている。そして、適用例2では、補助容量18の面積Saddは、上記の3つ分の面積Scを加算した値に設定されていると共に、補助容量18(Cadd)は、第1補助容量18a(Cs)と第2補助容量18b(Cs)と第3補助容量18c(Cs)を加算した値に設定されている。
また、適用例2に係る画素電極16の構成は、適用例1に係る画素電極16の構成と略同様であるが、第1画素電極16a、第2画素電極16b及び第3画素電極16cの各一端側は、それぞれ、第1部分182a、第2部分182b及び第3部分182c上に形成されている。このため、第1画素電極16a、第2画素電極16b及び第3画素電極16cは、各々二端子型非線形素子14を介して、データ線13に電気的に接続されている。そして、以上の構成を有する適用例2に係る液晶装置Dyでは、その駆動時、X方向に電界Eが生じて液晶分子の配向が制御される。
特に、この適用例2に係る液晶装置Dxでは、上記の適用例1と同様に、第1補助容量18a、第2補助容量18b及び第3補助容量18cの各々に対応する平面的な大きさ(面積)Scは、二端子型非線形素子14の要素である、第1素子14aの大きさ(面積)Sa及び第2素子14bの大きさ(面積)Sbと略同一の大きさに設定されている。よって、上記した実施形態等と同様の作用効果を奏する。
[液晶装置の製造方法]
次に、図5、図6及び図11等を参照して、上記の液晶装置Dの製造方法についての特徴的な部分について簡単に述べる。なお、以下では、液晶装置Dにおける各種の要素、例えばデータ線13、補助容量線17、画素電極16等の要素は一般的に周知な方法によって製造可能であり、その説明は省略する。
この液晶装置Dの製造方法は、特に、ガラス等からなる第1基板10上の二端子型非線形素子14が形成されるべき領域に且つ二端子型非線形素子14の絶縁層145上に、クロム等からなる第2導電層131及び142の層を積層すると共に、補助容量18が形成されるべき領域に且つ容量部絶縁層175上に、クロム等からなる第2電極部182の層を積層する工程を備えている。そして、その工程は、更に、第2導電層131及び142並びに第2電極部182の層を、各々フォトリソグラフィー技術等によってパターニングすることにより、二端子型非線形素子14における第2導電層131及び142の各幅と、補助容量18における第2電極部182の幅とを略同一に形成する。
また、二端子型非線形素子14の絶縁層145及び補助容量18における容量部絶縁層175を各々形成する工程の前工程として、二端子型非線形素子14が形成されるべき領域に第1導電層141を積層すると共に、補助容量18が形成されるべき領域に第1電極部181の層を積層する工程を有し、当該工程は、第1導電層141及び第1電極部181の層を各々フォトリソグラフィー技術等によってパターニングすることにより、二端子型非線形素子14における第1導電層141の幅と、補助容量18における第1電極部181の幅とを略同一に形成するのが好ましい。これらにより、二端子型非線形素子14の大きさ(面積)と、補助容量18の大きさ(面積)との比を一定にすることができる。その結果、二端子型非線形素子14の素子容量Ctfdと、補助容量Ctfdとの容量比を一定にすることができ、それらの容量比の変動により生じる表示ムラを低減できる。
[電子機器]
次に、本発明による液晶装置D、Dx又はDyを電子機器の表示装置として用いる場合の実施形態について説明する。
図16は、本実施形態の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、上記の液晶装置D、Dx又はDyと、これを制御する制御手段410とを有する。ここでは、液晶装置D、Dx又はDyを、パネル構造体403と、半導体ICなどで構成される駆動回路402とに概念的に分けて描いてある。また、制御手段410は、表示情報出力源411と、表示情報処理回路412と、電源回路413と、タイミングジェネレータ414と、を有する。
表示情報出力源411は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などからなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスクなどからなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ414によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの形で表示情報を表示情報処理回路412に供給するように構成されている。
表示情報処理回路412は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路などの周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKとともに駆動回路402へ供給する。駆動回路402は、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路413は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
次に、本発明に係る液晶装置D、Dx又はDyを適用可能な電子機器の具体例について図17を参照して説明する。
まず、本発明に係る液晶装置D、Dx又はDyを、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)の表示部に適用した例について説明する。図17(a)は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ710は、キーボード711を備えた本体部712と、本発明に係る液晶表示パネルを適用した表示部713とを備えている。
続いて、本発明に係る液晶装置D、Dx又はDyを、携帯電話機の表示部に適用した例について説明する。図17(b)は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機720は、複数の操作ボタン721のほか、受話口722、送話口723とともに、本発明に係る液晶装置D、Dx又はDyを適用した表示部724を備える。
なお、本発明に係る液晶装置D、Dx又はDyを適用可能な電子機器としては、図17(a)に示したパーソナルコンピュータや図17(b)に示した携帯電話機の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
また、本発明は、液晶装置のみでなく、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出素子を用いた装置(Field Emission Display及びSurface-Conduction Electron-Emitter Display等)などの各種の電気光学装置においても本発明を同様に適用することが可能である。
本発明の実施形態に係る液晶装置の電気的な構成を示すブロック図である。 同液晶装置の1つの画素に対応する等価回路図である。 同液晶装置の全体の構成を示す平面図である。 同液晶装置の表示領域の構成を示す断面図である。 1つの画素の構成を示す平面図である。 図5におけるVI−VI線に沿った断面図である。 図5におけるVII−VII線に沿った断面図である。 図5におけるVIII−VIII線に沿った断面図である。 図3における領域Aを拡大して示す平面図である。 図9におけるX−X線に沿った断面図である。 図5における破線領域E1及びE2に対応する部分平面図である。 図5の破線領域E2に対応する比較例に係る部分平面図である。 TFT素子の構成を模式的に示す断面図。 適用例1のIPS方式の液晶装置の1つの画素の構成を示す平面図である。 適用例2のIPS方式の液晶装置の1つの画素の構成を示す平面図である。 本発明の液晶表示装置を適用した電子機器の回路ブロック図を示す。 本発明の液晶表示装置を適用した電子機器の例を示す。
符号の説明
10 第1基板、 13 データ線、 14 二端子型非線形素子、 14a 第1素子、 14b 第2素子、16 画素電極、 17 補助容量線、 18 補助容量、 20 第2基板、 21、22 走査線、 175 容量部絶縁層、 181 第1電極部、 182 第2電極部、 450 TFT素子、 P 画素、 D、Dx、Dy 液晶装置

Claims (15)

  1. 互いに交差する方向に延在するデータ線及び走査線と、
    前記データ線及び前記走査線のうち一方の配線に接続され、第1導電層、絶縁層、第2導電層の順に積層されてなる二端子型非線形素子と、
    前記第2導電層に接続され、他方の配線との間で電界を発生させる画素電極と、
    前記第2導電層に電気的に接続されるとともに、前記他方の配線と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する第2電極部と、を備え、
    前記補助容量部における前記第2電極部の幅と、前記二端子型非線形素子における前記第2導電層の幅と、は略同一に設定されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 互いに交差する方向に延在するデータ線及び走査線と、
    前記データ線及び前記走査線のうち一方の配線に接続され、第1導電層、絶縁層、第2導電層の順に積層されてなる二端子型非線形素子と、
    前記第2導電層に接続された画素電極と、
    前記一方の配線と交差する方向に延在し、他方の配線に接続された補助容量線と、
    前記補助容量線に接続された第1電極部と、
    前記第2導電層に電気的に接続されるとともに、前記第1電極部と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する第2電極部と、を備え、
    前記補助容量部における前記第2電極部の幅と、前記二端子型非線形素子における前記第2導電層の幅と、は略同一に設定されていることを特徴とする電気光学装置。
  3. 前記補助容量部における前記第1電極部の幅又は前記他の配線の幅と、前記二端子型非線形素子における前記第1導電層の幅と、は略同一に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記補助容量部は複数設けられてなり、
    複数の前記補助容量部における複数の前記第2電極部の幅は、それぞれが略同一に設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 複数の前記補助容量部における複数の前記第1電極部の幅又は前記他の配線の幅は、それぞれが略同一に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
  6. 前記二端子型非線形素子は、前記第1導電層と前記絶縁層と前記一方の配線に電気的に導通する前記第2導電層とを積層してなる第1素子と、前記第1導電層と前記絶縁層と前記画素電極に電気的に導通する前記第2導電層とを積層してなる第2素子とを有し、
    前記補助容量部の各々は、前記第1素子及び前記第2素子と略同一の大きさに設定されていることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
  7. 前記補助容量部における前記第2電極部の各々は、前記他の絶縁層上において一定の間隔をおいて設けられていることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
  8. 前記第1導電層は、前記第1電極部又は前記他の配線と同一の層に形成されていると共に、
    前記第2電極部は、前記第2導電層と同一の層に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  9. 前記他の絶縁層の厚さは、前記絶縁層の厚さより厚いことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  10. 互いに交差する方向に延在するソース線及びゲート線と、
    前記ソース線と前記ゲート線の交差位置に対応して設けられ、前記ゲート線から分岐するゲート電極部と、前記ゲート電極部上に積層された絶縁層と、前記絶縁層上に積層されたドレイン電極部と、前記ソース線から分岐し且つ前記絶縁層上に積層されたソース電極部とを有する三端子型素子と、
    前記ドレイン電極部と接続された画素電極と、
    前記ゲート線と接続された補助容量線と、
    前記補助容量線に接続された第1電極部と、
    前記ドレイン電極部に電気的に接続されるとともに、前記第1電極部と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する第2電極部と、を備え、
    前記補助容量部における前記第2電極部の幅と、前記三端子型素子における前記ドレイン電極部の幅と、は略同一に設定されていることを特徴とする電気光学装置。
  11. データ線と、
    櫛歯状の形状を構成する複数の櫛歯部分を有し、前記データ線の延在方向と交差する方向に延在する走査線と、
    前記データ線に接続され、第1導電層、絶縁層、第2導電層の順に積層されてなる二端子型非線形素子と、
    前記第2導電層に接続され、前記走査線の延在方向に延び、相隣接する前記櫛歯部分の間に配置され、前記走査線との間で電界を発生させる複数の画素電極と、
    前記第2導電層に電気的に接続されるとともに、前記走査線と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する第2電極部と、を備え、
    前記補助容量部における前記第2電極部の幅と、前記二端子型非線形素子における前記第2導電層の幅と、は略同一に設定されていることを特徴とする電気光学装置。
  12. 前記補助容量部における前記走査線の幅と、前記二端子型非線形素子における前記第1導電層の幅と、は略同一に設定されていることを特徴とする請求項11に記載の電気光学装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電気光学装置を表示部として備えることを特徴とする電子機器。
  14. 互いに交差する方向に延在するデータ線及び走査線と、前記データ線及び前記走査線のうち一方の配線に接続され、第1導電層、絶縁層、第2導電層の順に積層されてなる二端子型非線形素子と、前記第2導電層に接続された画素電極と、前記一方の配線と交差する方向に延在し、前記他方の配線に接続された補助容量線と、前記補助容量線に接続された第1電極部と、前記第2導電層に電気的に接続されるとともに、前記第1電極部と他の絶縁層を介して部分的に重なって補助容量部を構成する第2電極部と、を備える電気光学装置の製造方法であって、
    前記二端子型非線形素子が形成されるべき領域に且つ前記絶縁層上に前記第2導電層を積層すると共に、前記補助容量部が形成されるべき領域に且つ前記他の絶縁層上に前記第2導電層と同一の層となる前記第2電極部の層を積層する工程を備え、
    前記工程は、前記第2導電層及び前記第2電極部の層を各々パターニングすることにより、前記二端子型非線形素子における前記第2導電層の幅と、前記補助容量部における前記第2電極部の幅とを略同一に形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  15. 前記二端子型非線形素子の前記絶縁層及び前記補助容量部における前記他の絶縁層を各々形成する工程の前工程として、
    前記二端子型非線形素子が形成されるべき領域に前記第1導電層を積層すると共に、前記補助容量部が形成されるべき領域に前記第1導電層と同一の層となる前記第1電極部の層を積層する工程を有し、
    当該工程は、前記第1導電層及び前記第1電極部の層を各々パターニングすることにより、前記二端子型非線形素子における前記第1導電層の幅と、前記補助容量部における前記第1電極部の幅とを略同一に形成することを特徴とする請求項14に記載の電気光学装置の製造方法。
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JP2020087921A (ja) * 2018-11-14 2020-06-04 日亜化学工業株式会社 光源装置および光源装置の調整方法

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