JP2006057144A - フェライト系ステンレス鋼熱間圧延線材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
全体として簡単な工程で、工数が少なく、また熱エネルギの無駄もなく、熱間圧延とは別工程で焼鈍処理したものと同等の引張り強さや結晶粒度等を有し、とりわけ耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼線材を得ることができるフェライト系ステンレス鋼熱間圧延線材の製造方法を提供する。
【解決手段】
いずれも重量%で、0.0030〜0.015%のC、19〜21%のCr、0.35〜0.65%のSi及び1.0〜1.5%のMnを含有するフェライト系ステンレス鋼材を、仕上げ温度800〜1000℃で熱間圧延し、引き続きその残熱を利用して700〜1000℃で2〜5分間保持した後、冷却してコイル状に巻取った。
【選択図】 図1
全体として簡単な工程で、工数が少なく、また熱エネルギの無駄もなく、熱間圧延とは別工程で焼鈍処理したものと同等の引張り強さや結晶粒度等を有し、とりわけ耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼線材を得ることができるフェライト系ステンレス鋼熱間圧延線材の製造方法を提供する。
【解決手段】
いずれも重量%で、0.0030〜0.015%のC、19〜21%のCr、0.35〜0.65%のSi及び1.0〜1.5%のMnを含有するフェライト系ステンレス鋼材を、仕上げ温度800〜1000℃で熱間圧延し、引き続きその残熱を利用して700〜1000℃で2〜5分間保持した後、冷却してコイル状に巻取った。
【選択図】 図1
Description
本発明はフェライト系ステンレス鋼熱間圧延線材の製造方法に関し、更に詳しくは、熱間圧延したフェライト系ステンレス鋼線材を別工程で焼鈍処理しなくても、焼鈍処理したものと同等の引張り強さや結晶粒度等を有し、とりわけ耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼線材を得ることができるフェライト系ステンレス鋼熱間圧延線材の製造方法に関する。
従来、フェライト系ステンレス鋼熱間圧延線材の製造方法として、フェライト系ステンレス鋼材を熱間圧延し、熱間圧延したフェライト系ステンレス鋼線材を冷却してコイル状に巻取った後、これを熱間圧延とは別工程の焼鈍処理に供し、再び冷却してコイル状に巻取ることが行なわれている(例えば特許文献1〜3参照)。
しかし、前記のような従来法には、熱間圧延したフェライト系ステンレス鋼線材を熱間圧延とは別工程の焼鈍処理に供するため、全体としての工程が煩雑で、工数が多く、また熱間圧延して冷却した後に再加熱して焼鈍処理するため、熱エネルギの無駄が大きいという問題がある。
特開平6−299300号公報
特開2001−181801号公報
特開2004−60031号公報
本発明が解決しようとする課題は、熱間圧延したフェライト系ステンレス鋼線材を別工程で焼鈍処理しなくても、焼鈍処理したものと同等の引張り強さや結晶粒度等を有し、とりわけ耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼線材を得ることができ、したがって全体としての工程が簡単で、工数が少なく、また熱エネルギの無駄もなく、前記のような物性を有するフェライト系ステンレス鋼線材を得ることができるフェライト系ステンレス鋼熱間圧延線材の製造方法を提供する処にある。
前記の課題を解決する本発明は、いずれも重量%で、0.0030〜0.015%のC、19〜21%のCr、0.35〜0.65%のSi及び1.0〜1.5%のMnを含有するフェライト系ステンレス鋼材を、仕上げ温度800〜1000℃で熱間圧延し、引き続きその残熱を利用して700〜1000℃で2〜5分間保持した後、冷却してコイル状に巻取ることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼熱間圧延線材の製造方法に係る。
本発明に係るフェライト系ステンレス鋼熱間圧延線材の製造方法(以下単に本発明の製造方法という)では、いずれも重量%で、1)0.0030〜0.015%のC、19〜21%のCr、0.35〜0.65%のSi及び1.0〜1.5%のMnを含有するフェライト系ステンレス鋼材、又は2)前記の1)に加えて更に1.7〜2.5%のMo、0.25〜0.30%のS、0.10〜0.23%のPb及び0.020〜0.040%のTeを含有するフェライト系ステンレス鋼材を熱間圧延する。これらのフェライト系ステンレス鋼材はいずれも、残部が主としてFe及び不純物から成るものであるが、本発明の製造方法に供するフェライト系ステンレス鋼材としては、かかる不純物として、共に重量%で、Pの含有量が0.050%以下及びCuの含有量が0.30%以下のものが好ましい。フェライト系ステンレス鋼材には様々な組成のものが知られているが、前記のような組成のフェライト系ステンレス鋼材を本発明の製造方法に供する場合に、熱間圧延とは別工程で焼鈍処理しなくても、焼鈍処理したものと同等の引張り強さや結晶粒度等を有し、とりわけ耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼線材を得ることができる。
本発明の製造方法では、前記のような組成のフェライト系ステンレス鋼材を、仕上げ温度800〜1000℃で熱間圧延する。熱間圧延の仕上げ温度が800〜1000℃の範囲を外れると、熱間圧延したフェライト系ステンレス鋼線材を引き続きその残熱を利用して700〜1000℃で2〜5分間保持するのが難しくなり、結局は、焼鈍処理したものと同等の引張り強さや結晶粒度等を有し、とりわけ耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼線材を得ることができなくなる。本発明の製造方法において、より優れた耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼線材を得るためには、仕上げ温度が850〜950℃で熱間圧延するのが好ましい。熱間圧延は通常、粗列、中間列及び仕上列に大別された一連の圧延機列を用い、連続して行なう。この際、各圧延機間で被圧延材を保持するためのガイド部材を設けてもよいし、設けなくてもよいが、熱間圧延途中の被圧延材に相当するフェライト系ステンレス鋼線材が相応に細線化されている仕上列では、かかるフェライト系ステンレス鋼線材からの抜熱をできるだけ抑えるために、ガイド部材を設けないで、すなわちガイドレスで圧延するのが好ましい。
本発明の製造方法では、前記のような組成のフェライト系ステンレス鋼材を、仕上げ温度800〜1000℃、好ましくは850〜950℃で熱間圧延し、引き続きその残熱を利用して700〜1000℃で2〜5分間、好ましくは750〜950℃で3〜5分間保持した後、冷却してコイル状に巻取る。前記のような組成のフェライト系ステンレス鋼材を用い、また前記のような仕上げ温度で熱間圧延し、更に引き続きその残熱を利用して前記のような温度及び時間で保持することにより、熱間圧延とは別工程で焼鈍処理しなくても、焼鈍処理したものと同等の引張り強さや結晶粒度等を有し、とりわけ耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼線材を得ることができる。
本発明の製造方法によると、従来法のように熱間圧延とは別工程で焼鈍処理しないため、全体として簡単な工程で、工数が少なく、また熱エネルギの無駄もなく、熱間圧延とは別工程で焼鈍処理したものと同等の引張り強さや結晶粒度等を有し、とりわけ耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼線材を得ることができる。
図1は本発明の製造方法で用いる装置を略示するブロック図である。圧延機列1の下流側に保持炉2が接続されており、保持炉2の下流側に冷却機3が接続されていて、冷却機3の下流側に巻取機4が接続されている。圧延機列1は、上流側から下流側へと、粗列、中間列及び仕上列に大別されており、仕上列はガイドレスになっている。保持炉2は炉保温用の熱源として複数の直火バーナを備えており、また冷却機3は複数の水冷ノズルを備えている。図1では、いずれも重量%で、0.0030〜0.015%のC、19〜21%のCr、0.35〜0.65%のSi及び1.0〜1.5%のMnを含有するフェライト系ステンレス鋼材を用い、所要温度に加熱した該フェライト系ステンレス鋼材を圧延機列1にて仕上温度800〜1000℃で熱間圧延し、熱間圧延したフェライト系ステンレス鋼線材を引き続きその残熱を利用して保持炉2にて700〜1000℃で2〜5分間保持した後、冷却機3で水冷し、巻取機4でコイル状に巻取っている。
図1について前記した装置を用い、所要温度に加熱したフェライト系ステンレス鋼材を熱間圧延し、熱間圧延した直径5.5mmのフェライト系ステンレス鋼線材を引き続きその残熱を利用して保持した後、水冷してコイル状に巻取った(実施例1〜4及び比較例1〜7)。ここで用いたフェライト系ステンレス鋼材の組成を表1に、またフェライト系ステンレス鋼材の当初の加熱温度、熱間圧延時の仕上げ温度、保持時の温度及び時間並びに炉内の雰囲気温度を表2に示すと共に、かくして巻取ったフェライト系ステンレス鋼線材の引張り強さ、絞り、結晶粒度及び耐食性を求め、結果を表2にまとめて示した。別に、前記した従来法にしたがい、1200℃に加熱したフェライト系ステンレス鋼材を熱間圧延し、熱間圧延した直径5.5mmのフェライト系ステンレス鋼線材を水冷してコイル状に巻取った後、これを熱間圧延とは別工程の焼鈍処理に供して、750℃で480分間焼鈍処理し、再び水冷してコイル状に巻取った(参考例1〜7)。かくして熱間圧延とは別工程で焼鈍処理したフェライト系ステンレス鋼線材(焼鈍材)の引張り強さ、絞り及び結晶粒度を求め、結果を表3に示した。
表1において、単位は重量%
表2において、耐食性は、実施例1〜4及び比較例1〜7のフェライト系ステンレス鋼線材、並びに参考例1〜7のフェライト系ステンレス鋼線材(焼鈍材)について、JIS−Z2371の塩水噴霧試験を行ない、同じ鋼種毎で比較して、焼鈍材と同等の耐食性を示したものを○、焼鈍材よりも劣る耐食性を示したものを×とした。
表2において、耐食性は、実施例1〜4及び比較例1〜7のフェライト系ステンレス鋼線材、並びに参考例1〜7のフェライト系ステンレス鋼線材(焼鈍材)について、JIS−Z2371の塩水噴霧試験を行ない、同じ鋼種毎で比較して、焼鈍材と同等の耐食性を示したものを○、焼鈍材よりも劣る耐食性を示したものを×とした。
表2中、比較例1〜4は本発明の製造方法で用いるフェライト系ステンレス鋼材からはその組成が外れたものを用いた例であり、また比較例5〜7は本発明の製造方法における仕上げ温度や保持条件からはそれらが外れた条件で行なった例であるが、これらの各例ではいずれも、実施例1〜4のような物性のフェライト系ステンレス鋼線材を得ることができず、とりわけ耐食性が劣る。
1 圧延機列
2 保持炉
3 冷却機
4 巻取機
2 保持炉
3 冷却機
4 巻取機
Claims (2)
- いずれも重量%で、0.0030〜0.015%のC、19〜21%のCr、0.35〜0.65%のSi及び1.0〜1.5%のMnを含有するフェライト系ステンレス鋼材を、仕上げ温度800〜1000℃で熱間圧延し、引き続きその残熱を利用して700〜1000℃で2〜5分間保持した後、冷却してコイル状に巻取ることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼熱間圧延線材の製造方法。
- フェライト系ステンレス鋼材が、いずれも重量%で、更に1.7〜2.5%のMo、0.25〜0.30%のS、0.10〜0.23%のPb及び0.020〜0.040%のTeを含有するものである請求項1記載のフェライト系ステンレス鋼熱間圧延線材の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2004240506A JP2006057144A (ja) | 2004-08-20 | 2004-08-20 | フェライト系ステンレス鋼熱間圧延線材の製造方法 |
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JP2020084210A (ja) * | 2018-11-16 | 2020-06-04 | 日鉄ステンレス株式会社 | 棒状鋼材 |
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2004
- 2004-08-20 JP JP2004240506A patent/JP2006057144A/ja active Pending
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JP2020084210A (ja) * | 2018-11-16 | 2020-06-04 | 日鉄ステンレス株式会社 | 棒状鋼材 |
JP7320936B2 (ja) | 2018-11-16 | 2023-08-04 | 日鉄ステンレス株式会社 | 棒状鋼材 |
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