JP6263924B2 - 冷間鍛造用線材の製造方法 - Google Patents
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(Al+Ti)/N≧7 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(原子%)が代入される。Tiが含有されていない場合、式(1)中のTiには0を代入する。
(Al+Ti)/N≧7 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(原子%)が代入される。
Tiが含有されていない場合、式(1)中のTiには「0」が代入される。
図2に、本実施の形態の冷間鍛造用線材の製造ラインの一例を示す。図2を参照して、製造ライン10は、加熱炉1と、粗及び中間圧延機2と、仕上圧延機3と、巻取装置(レーイングヘッド)4と、コンベア5と、集束装置6と、コンベア7と、結束装置8とを備える。
図3は、本発明の実施の形態による冷間鍛造用線材の製造方法の一例を示すフロー図である。図3を参照して、本実施形態の製造方法は、素材準備工程(S1)と、熱間圧延工程(S2)と、巻取り工程(S3)と、第1冷却工程(S4)と、第2冷却工程(S5)と、結束工程(S6)とを備える。以下、各工程について詳述する。
素材準備工程では、線材の素材である鋼ビレットを準備する。鋼ビレットの化学組成は、少なくとも、次の元素を含有する。以下、元素に関する%は、質量%を意味する。
炭素(C)は、鋼の強度を高める。C含有量が低すぎれば、この効果は得られない。一方、C含有量が高すぎれば、冷間鍛造時における鋼の変形抵抗が過剰に高くなり、冷間鍛造性が低下する。したがって、C含有量は0.01〜0.30%である。C含有量の好ましい上限は0.25%である。
シリコン(Si)は、不可避的に含有される。Siは、鋼を脱酸する。一方、Si含有量が高すぎれば、フェライトがSiにより固溶強化され、冷間鍛造性が低下する。したがって、Si含有量は0.50%以下である。Siを脱酸剤として使用する場合、Si含有量の好ましい下限は0.01%である。Si含有量の好ましい上限は0.35%である。
マンガン(Mn)は鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。Mnはさらに、鋼中のSと結合してMnSを形成し、鋼の被削性を高める。Mn含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、鋼の硬さが過剰に高くなり、冷間鍛造性が低下する。したがって、Mn含有量は0.10〜1.50%である。Mn含有量の好ましい上限は1.00%である。
リン(P)は不純物である。Pは粒界に偏析して鋼の靭性を低下する。そのため、P含有量は低い方が好ましい。したがって、P含有量は0.050%以下である。好ましいP含有量は0.030%以下である。
硫黄(S)は、不可避的に含有される。Sは粒界に偏析して鋼の靭性を低下する。そのため、S含有量は低い方が好ましい。したがって、S含有量は0.050%以下である。好ましいS含有量は0.035%以下である。上述のとおり、MnSを形成して鋼の被削性を高める場合、S含有量の好ましい下限は0.015%である。
アルミニウム(Al)は鋼を脱酸する。Alはさらに、鋼中のNと結合してAlNを形成し、固溶Nを低減する。固溶Nが低減すれば、ひずみ時効硬化が抑制される。そのため、傾斜疵の発生が抑制される。Al含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Al含有量が高すぎれば、粗大なAl酸化物が生成され、冷間鍛造性を低下する。したがって、Al含有量は0.020〜0.100%である。Al含有量の好ましい下限は0.060%である。本明細書におけるAl含有量は、sol.Al(酸可溶Al)を意味する。
窒素(N)は不純物であり、不可避的に含有される。Nはコットレル雰囲気を形成する。コットレル雰囲気により転位が固着されれば、ひずみ時効硬化が生じる。ひずみ時効硬化は、傾斜疵の原因となる。そのため、N含有量はなるべく低い方が好ましい。したがって、N含有量は0.0100%以下である。N含有量の好ましい上限は0.0060%であり、さらに好ましくは0.0050%である。上記のとおり、N含有量は低いほど好ましい。しかしながら、工業生産上におけるN含有量の下限は0.0030%である。
Tiは含有されなくてもよい。Tiは任意元素である。Tiが含有された場合、TiはNと結合してTiNを形成し、固溶Nを低減する。固溶Nが低減すれば、ひずみ時効硬化が抑制される。そのため、傾斜疵の発生が抑制される。一方、Ti含有量が高すぎれば、炭化物が形成され、線材の強度が高くなりすぎる。したがって、Ti含有量は0〜0.100%である。Ti含有量の好ましい下限は0.0005%であり、さらに好ましくは0.001%である。Ti含有量の好ましい上限は0.060%であり、さらに好ましくは0.040%である。
(Al+Ti)/N≧7 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(原子%)が代入される。
Tiが含有されていない場合、式(1)中のTiには「0」が代入される。
準備された鋼ビレットを熱間圧延して線材(冷間鍛造用線材)を製造する(S2)。具体的には、鋼ビレットを加熱炉1に挿入して加熱する。加熱炉1の加熱温度の好ましい上限は1150℃である。加熱温度が高すぎれば、鋼ビレット内のAlNが溶解してNが鋼中に固溶しやすくなる。この場合、傾斜疵が発生する場合がある。加熱温度が1150℃以下であれば、鋼ビレット内のAlNの溶解を抑制でき、固溶Nの増大を抑制できる。
仕上圧延機3による圧延後の線材を、巻取装置4まで搬送する。巻取装置(レーイングヘッド)4を用いて、線材を螺旋状に形成する。そして、螺旋状に形成された線材をコンベア5に落下させる。コンベア5に落下した直後のリング状線材の表面温度を「巻取温度」(℃)と定義する。本実施形態では、巻取温度を850℃以下にする。
巻取装置4から排出されたリング状の線材を、コンベア5上で、非同心円状に展開し、搬送する。さらに、展開された線材をコンベア5で冷却する。このとき、線材の表面が巻取温度(850℃以下)〜600℃の間の平均冷却速度(以下、第1冷却速度という)を2.5℃/秒以上にする。
第1冷却工程後、第2冷却工程を実施する(S5)。上述のとおり、本発明の実施の形態では、スケールに起因する傾斜疵を抑制するとともに、固溶Nに起因する傾斜疵も抑制する。巻取工程(S3)及び第1冷却工程(S4)では、スケールに起因した傾斜疵を抑制するための条件を設定する。第2冷却工程では、固溶Nに起因した傾斜疵を抑制するための条件を設定する。具体的には、第2冷却工程では、線材の表面温度が600℃〜100℃の間の平均冷却速度(以下、第2冷却速度という)を0.5℃/秒以下にする。
フックコンベアで搬送された線材コイルを、結束装置8を用いて、線材コイルの軸方向に圧縮して、バンド材により結束する。圧縮時における線材コイルの表面温度は100℃以下にする。さらに、式(2)で定義される線材コイルの圧縮率(%)を40%以下にする。
圧縮率=(L0−L1)/L0×100 (2)
ここで、L0は、圧縮前の線材コイルの軸方向長さ(mm)であり、L1は圧縮後の線材コイルの軸方向長さ(mm)である。
上述のとおり製造された冷間鍛造用線材に対して、酸洗処理及び潤滑処理を実施する。さらに、潤滑処理された線材に対して、減面率が10%以下の冷間鍛造(伸線)を実施して、冷間鍛造用鋼線を製造する。冷間鍛造用鋼線は、冷間鍛造により所定の形状に形成される。
製造された各試験番号の冷間鍛造用線材に対して、各試験番号で同一の条件で酸洗処理及び潤滑処理を実施した。
表1の「疵評価」欄に、試験結果を示す。「疵評価」欄中の「◎」印は、傾斜疵が0個/mであったことを意味する。「○」は傾斜疵が0.1個/m以下であったことを意味する。「×」は、傾斜疵が0.1個/mよりも多いことを意味する。傾斜疵が0.1個/m以下である場合、傾斜疵が抑制されたと評価した。
2 粗及び中間圧延機
3 仕上圧延機
4 巻取装置
5 ステルモアコンベア
6 集束装置
7 フックコンベア
8 結束装置
10 製造ライン
20 傾斜疵
Claims (2)
- 質量%で、C:0.01〜0.30%、Si:0.50%以下、Mn:0.10〜1.50%、P:0.050%以下、S:0.050%以下、Al:0.020〜0.100%、N:0.0100%以下、及び、Ti:0〜0.100%を含有し、残部はFe及び不純物からなり、式(1)を満たす鋼ビレットを準備する工程と、
前記鋼ビレットを熱間圧延して線材を製造する工程と、
前記線材を螺旋状に形成してコンベア上に落下させ、前記コンベア上に落下したときの前記線材の表面温度を850℃以下にする工程と、
前記コンベア上に落下した前記線材の表面温度が600℃になるまでの間、2.5℃/秒以上の平均冷却速度で前記線材を冷却する工程と、
前記線材の表面温度が600℃〜100℃の間、0.5℃/秒以下の平均冷却速度で前記線材を冷却する工程と、
表面温度が100℃以下の前記線材のコイルを、40%以下の圧縮率で結束する工程とを備える、冷間鍛造用線材の製造方法。
(Al+Ti)/N≧7 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(原子%)が代入される。Tiが含有されていない場合、式(1)中のTiには0を代入する。 - 請求項1に記載の冷間鍛造用線材の製造方法であって、
前記鋼ビレットを熱間圧延する工程では、1150℃以下に加熱された前記鋼ビレットを熱間圧延する、冷間鍛造用線材の製造方法。
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