JP6614005B2 - 高強度鋼線用熱間圧延線材およびその製造方法 - Google Patents

高強度鋼線用熱間圧延線材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はパテンティング処理を施すことなく、強度、延性に優れた高強度鋼線を得ることができる伸線加工性及びスケールはく離性に優れた高強度鋼線用熱間圧延線材およびその製造方法に関するものである。
自動車のタイヤやホースの補強材に使用される高強度鋼線は、通常、炭素含有量が0.7〜0.8%程度の高炭素鋼を熱間圧延した後、冷却条件を制御し、直径5.0〜6.4mm程度の熱間圧延線材とし、次いでスケール除去、皮膜処理、一次伸線、パテンティング処理、スケール除去、皮膜処理、二次伸線、更にパテンティング処理、スケール除去、Cu−Znの二相めっき、拡散処理をした後、所定の線径まで仕上げ伸線を行うことで製造されている。
この製造工程におけるパテンティング処理は、伸線加工に適した組織を得るために行われている。鋼線は、伸線加工に伴い、強度が上昇し延性が低下し、通常真歪で4以上の伸線加工を施すと、延性低下により、撚り線時に断線が頻発する。そのため、最終線径がより細くなって、歪量が大きくなる場合、パテンティング処理回数を増加させる必要がある。
なお、ここで、パテンティング処理とは、オーステナイト温度領域に加熱して組織全体をオーステナイト組織とした後、空冷、または鉛浴、流動床に浸漬することによって、パーライト組織へ変態する温度域まで急冷し、その温度域で所定の時間、保定する処理である。
パテンティング処理が増えると、その後、スケール除去、皮膜処理などの工程も必要となり、製造コストの増加、CO2排出量の増加につながるため、パテンティング処理回数の低減が望まれている。そこで、従来より種々の改良法が提案されており、例えば、特許文献1は圧延材の強度やばらつき制御、ノジュール径制御などにより、伸線加工性が向上すると提案している。しかし、これらの方法は、伸線加工性を高めることで、パテンティング回数を従来より少なくしても、少なくとも伸線中に1回のパテンティング処理を必ず行う必要がある。
一方、パテンティング処理を一切施すことなく高強度鋼線を得るための提案として、例えば特許文献2〜4がある。特許文献2は、中高炭素鋼線(C:0.35〜0.9%)を熱間圧延後冷却し、初析フェライトを面積率で20%以下含有した組織に調整した後に、パテンティング処理すること無しに伸線によって直径0.15〜0.4mmの線径の高強度鋼線を得る方法が開示されている。通常、スチールコード用フィラメントを製造するためには、伸線時の潤滑性とゴムとの密着性を保障するために、伸線工程の途中でCu−Zn二相めっき・加熱拡散処理(拡散黄銅めっき)を施す必要がある。特許文献2の方法では、このめっきの加熱拡散処理時(以後、この処理をブルーイング処理と称する。)に、伸線で形成された伸長ラメラ組織が分断されるため、加工硬化能が低下して所定の強度を得にくくなり、延性も劣化するという問題があった。
特許文献3では、C量0.30〜0.50%の熱間圧延線材を、巻取り後に溶融ソルトに浸漬することで、初析フェライト量を低減し、強度を適正範囲に制御し、パテンティング処理を施すことなしに、直径0.2〜0.4mmの高強度鋼線を得る方法が開示されているが、このC量の線材の初析フェライトを低減するには、線材の冷却を強化する必要があり、設備コストが高くなる。また、溶融ソルトと衝風冷却ではスケール性状が異なるが特許文献3では、メカニカルデスケーリング性についての言及がない。
特許文献4ではC量0.2〜0.6%の線材において、初析フェライト量やラメラセメンタイトの形態を制御することでパテンティング処理を省略できるとしている。しかし、該当発明の鋼は変態温度が低いため、線材コイル内の強度のばらつきが大きくなる。パテンティング処理を省略した際、鋼線の強度ばらつきは、線材の強度ばらつきに比例して増加し、伸線時や撚り線時の断線につながるため、特許文献4に記載の線材は、鋼線の素材として満足できるものではなかった。
また、パテンティング処理を完全に省略する場合、製造工程に大きな変更を伴う。工程の変更により、線材、鋼線のスケールはく離性が劣位となれば、デスケーリングやめっきを行う際に、めっき/母材界面にスケールが残存し、伸線時のめっき剥離等を引き起こす。めっきが剥離した鋼線は、スチールタイヤコード用として使用する場合に、ゴムとの接着性が低下するので不適当である。しかし、特許文献3、4ではスケールはく離性に関しての検討はなされていない。
特開2004−137597号公報 特許第3499341号公報 特許第5201009号公報 特開2014−55316号公報
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、優れたスケールはく離性を有しつつ、パテンティング処理を全く施すことなく、歪5.5以上の伸線加工を可能とし、かつ撚り線時に断線することなく安定的に極細の高強度鋼線(例えば強度3200MPa以上)を製造し得る高強度鋼線用熱間圧延線材とその製造方法を提供することを課題としたものである。
本発明者らは炭素濃度0.35%〜0.50%の鋼材を用い、種々の圧延条件で組織、強度特性、スケール量や粒径を制御した熱間圧延線材を作製した。その後、それら熱間圧延線材を伸線加工し、直径0.20〜0.40mmの鋼線を作製し、その鋼線の強度や延性などの機械的特性を測定した。続いて、熱間圧延線材の組織及び強度、スケールの量や粒径がスケールの剥離性や伸線加工時の断線、伸線加工後の鋼線の機械的特性に及ぼす影響について詳細に検討した。
その結果、以下の知見を得て、本発明に至ることができた。
1)熱間圧延線材の組織や強度をC量やSi量、線径に応じて適正範囲に制御することで、断線が抑制され、鋼線の延性が向上する。
2)熱間圧延線材の強度のばらつきが大きいほど、鋼線の強度ばらつきも増加し、延性の低下や断線につながる。
3)熱間圧延線材強度のばらつき抑制には巻取り後の冷却速度の制御および圧延後に600℃以上で変態させることが有効である。
4)更に600℃以上で変態させる際に初析フェライトを抑制するには変態前のオーステナイト粒径を30〜60μmに制御することが有効である。
5)一方、変態温度が600℃以上の場合、変態完了後も、変態温度近傍で保持するとラメラセメンタイトが分断し、熱間圧延線材の強度の低下や伸線加工材(鋼線)の強度や延性が低下する。
本発明は、以上の知見に基づいて完成したものであり、その要旨は以下の通りである。
(1)質量%でC:0.35〜0.50%、Si:0.10〜0.80%、Mn:0.60〜0.90%、Cr:0.15%以下を含有し、かつMn量(%)+2×Cr量(%)<0.9%を満たし、残部はFeおよび不可避不純物よりなり、パーライトが面積率60%以上であるとともに初析フェライト量が面積率で式(1)を満たし、かつ残部がベイナイトおよび疑似パーライトの1種又は2種からなり、強度TS(MPa)が式(2)かつ式(3)を満足し、かつ1コイル内の熱間圧延線材の強度のばらつきが平均強度から±50MPa以内であることを特徴とする直径4.1〜5.5mmの高強度鋼線用熱間圧延線材。
初析フェライト量(%)≦50-55×C量(%)+20×Si量(%)・・・式(1)
900×C量(%)+50×Si量(%)+300≦TS≦900×C量(%)+50×Si量(%)+400・・・式(2)
TS≦1200-80×D・・・式(3) D:熱間圧延線材線径(mm)
(2)更に、質量%で0.5%≦Si量(%)+Cr量(%)≦0.9%を満たすことを特徴とする上記(1)に記載の直径4.1〜5.5mmの高強度鋼線用熱間圧延線材。
(3)更に、質量%でNi:0.50%以下、Co:1.00%以下、Mo:0.20%以下、B:2〜30ppmのいずれか1種もしくは2種以上を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の直径4.1〜5.5mmの高強度鋼線用熱間圧延線材。
(4)線材表面のスケール量が40〜60g/m2であり、かつ、スケール/母材界面近傍(母材境界からスケール厚さの1/2の領域)において粒径が2.0μm以上のスケールが面積率で50%以上であることを特徴とするスケールはく離性に優れた上記(1)から(3)までのいずれかひとつに記載の直径4.1〜5.5mmの高強度鋼線用熱間圧延線材。
(5)熱間圧延でオーステナイト粒径を30〜60μmの範囲に制御した後、巻取り後、650℃以下まで5〜25℃/sで冷却し、その後、600℃までは0.5〜5℃/sに冷却速度を低下させ、かつ600℃以下では、更に冷却速度5℃/s以上の速度で、300℃以下まで冷却することを特徴とする上記(1)から(4)までのいずれかひとつに記載の直径4.1〜5.5mmの高強度鋼線用熱間圧延線材の製造方法。
本発明の高強度鋼線用熱間圧延線材は、優れたスケールはく離性を有し、パテンティング処理を一切施すことなく歪5.5以上の伸線加工を可能とし、例えば、引張強さが3200MPa以上の高強度かつ優れた延性を持つ高強度鋼線が安定して製造できるものであり、パテンティング省略によるスチールタイヤコードの生産性向上、環境負荷低減に寄与する。
以下、本発明の高強度鋼線用熱間圧延線材の実施形態について説明する。なお、この実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために詳細に説明するものであるから、特に指定の無い限り、本発明を限定するものではない。
まず、本発明の熱間圧延線材の鋼組成について説明する。以下、単位は特に記載がない場合は質量%である。
C:0.35〜0.50%
Cは、鋼材の必要強度を付与するために必須の元素である。0.35%未満ではパーライト面積率が低下し、鋼線の強度や延性の低下を招く。そのために、下限を0.35%以上とする。一方、0.50%を超えると、伸線後の鋼材強度が過度に高くなり、伸線時や鋼線の撚り線時に断線が発生する。よって、その上限を0.50%とする。
Si:0.10〜0.80%
Siは脱酸剤として有用な元素であり、また、パーライト中のフェライト強度を増加させる作用や伸線時のラメラセメンタイトの分解を抑制し、延性低下を抑制する作用がある有用な元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、0.10%以上添加することが必要である。しかしながら、過剰に添加すると、伸線加工性に有害なSiO2系介在物が発生し易くなるため、その上限を0.80%に定めた。より好ましくは0.5%超0.75%以下である。
Mn:0.60〜0.90%
Mnは脱酸及び脱硫に有用であるのみならず、鋼のオーステナイトからの相変態を遅延させる効果があり、パーライト組織を得るために有用な元素である。このような作用を有効に発揮させるには、0.60%以上添加することが必要である。但し、過剰に添加しても上記効果が飽和してしまい、経済的に無駄である他、熱間圧延後の冷却過程で、ベイナイトなどの組織が発生しやすくなるため、その上限を0.90%に定めた。より好ましくは0.85%以下である。
Cr:0.15%以下
CrはMnと同様に鋼のオーステナイトからの相変態を遅延させる効果があり、パーライト組織を得るために有用な元素である。また、パーライトの加工硬化能を高め、低歪でより高い強度を得ることができる。しかし、0.15%超では焼入れ性が過大となり、熱間圧延後の冷却過程でベイナイト、マルテンサイトなどの過冷組織が生成し、加工性が低下する。好ましくは、0.05%以上である。なお、Crは含有させなくてもよい。
相変態を遅延させる効果を持つMnとCrの合計量が増加すれば、相変態が過剰に遅延し、衝風冷却において熱間圧延線材の強度が過剰に上昇する他、ベイナイト、マルテンサイトなどの過冷組織が生成しやすくなる。そのため、Mn量(%)+2×Cr量(%)は0.9%未満とする。
更に、SiやCrは鋼線の撚り線時の断線を抑制する効果を持つ。この効果を十分に得るためにはSi量(%)+Cr量(%)が0.5%以上にすることが望ましい。一方、0.9%超では熱間圧延線材の強度が過剰に高くなるため、延性が低下し、この効果が得られなくなる。よって上限は0.9%が望ましい。
本発明は、さらに下記に示す元素を選択的に含有させると好ましい。
Ni:0.50%以下
Niは鋼のオーステナイトからの相変態を遅延させる効果があり、パーライト組織を得るために有用な元素である。その他、伸線材の靭性を高める元素である。これらの効果を得るためには0.10%以上の添加が望ましい。一方、過剰に添加すると、焼入れ性が過大となり、熱間圧延後の冷却過程でベイナイト、マルテンサイトなどの過冷組織が生成し、加工性が低下するため、上限を0.50%以下とした。
Co:1.00%以下
Coは、圧延材における初析フェライトの析出を抑制するのに有効な元素である。また、鋼線の延性を向上させるのに有効な元素である。このような作用を有効に発揮させるには0.1%以上の添加が好ましい。一方、Coを過剰に添加してもその効果は飽和して経済的に無駄であるので、その上限値を1.00%とした。
Mo:0.20%以下
Moは鋼のオーステナイトからの相変態を遅延させる効果があり、パーライト組織を得るために有用な元素である。しかしながら、0.20%超では、焼入れ性が過大となり、熱間圧延後の冷却過程でベイナイト、マルテンサイトなどの過冷組織が発生しやすくなるため、その上限を0.20%とした。
B:2〜30ppm
Bは粒界に濃化して、初析フェライトの抑制に有効な元素である。これらの効果を得るためには2ppm以上の添加が必要である。一方、過剰に添加するとオーステナイト中にFe23(CB)6などの炭化物を形成し、伸線加工性を低下させるので、その上限を30ppmとした。好ましくは、5〜20ppmである。
本発明の高強度鋼線用熱間圧延線材は上記成分を含有し、残部は実質的にFeおよび不可避不純物で形成される。
本発明にかかる高強度鋼線用熱間圧延線材は、パーライトを主組織とし、その他、初析フェライトとベイナイト、疑似パーライトのいずれか1種もしくは2種以上からなる。しかし、初析フェライトやベイナイト、疑似パーライトは破壊の伝播経路となり、鋼線の延性低下の要因ともなる。また、初析フェライトの面積率が高くなれば、加工硬化能が低下し、鋼線の強度が低下する。そのため、パーライトの面積率を60%以上とし、かつ初析フェライトの面積率の上限を下記の式(1)で規定する。また、好ましくはパーライトの面積率を65%以上とし、初析セメンタイトの面積率の上限は式(1)で得られる値の0.9倍とするほうがよく、より好ましくはパーライトの面積率は70%以上とし、初析フェライトの面積率の上限は式(1)で得られる値の0.8倍とするほうがよい。なお、パーライト面積率は100%であってもよいが、本発明の成分系、線径で、初析フェライトやベイナイトの析出を完全に抑制することは困難であり、非常に優れた冷却能力が要求され、設備コストが増加する。
初析フェライト量(%)≦50-55×C量(%)+20×Si量(%)・・・式(1)
なお、式(1)の係数および定数は初析フェライト量とSi、Cの関係についての実験結果を元に定めたものである。
本発明にかかる熱間圧延線材の強度TS(MPa)はC含有量(質量%)やSi含有量(質量%)、熱間圧延線材の線径に応じて、下記の式(2)および式(3)で規定する。式(2)に示す下限値を下回ると、加工硬化能が低下し、鋼線の強度が低下する。一方、式(2)の上限値もしくは式(3)を上回ると、鋼線の強度が過度に上昇し、延性が低下、撚り線時に断線が発生する懸念がある。
900×C量(%)+50×Si量(%)+300≦TS≦900×C量(%)+50×Si量(%)+400・・・式(2)
TS≦1200-80×D・・・式(3) D:熱間圧延線材線径(mm)
なお、式(2)の係数および定数は強度とSi、Cの関係についての実験結果を元に定めたものであり、式(3)の係数および定数は強度と熱間圧延線材線径の関係についての実験結果を元に定めたものである。
熱間圧延線材は、熱間圧延直後に冷却コンベアに載置される際、連続的にずれながら重なったリング状態となり、その状態で冷却される。リングには重なりや粗密差ができるため、冷却中の熱間圧延線材には温度分布が生じ、その結果、強度のばらつきが発生する。熱間圧延線材の加工硬化能は強度に依存するため、熱間圧延線材の強度ばらつきが増加すれば、鋼線の強度ばらつきは更に大きくなり、実機製造において、伸線時の断線や撚り線時の断線につながる。そのため、実機での安定的な製造および鋼線の特性確保のため、本発明では1コイル内での強度のばらつきの許容範囲を平均強度の±50MPa以内とした。より好ましくは±35MPa以内である。これにより、パテンティング処理を行わなくとも、鋼線の品質安定性を実現することができる。
熱間圧延線材の線径は、巻取り後の冷却速度や強度ばらつきに影響する。直径5.5mm超では、コイルの粗密部での温度差が増加し、また、冷却速度が低下するため、強度のばらつきが増加し、またパーライト量が低減する。一方、直径4.1mm未満では、生産性が低下し製造コストが増加する。
スケールはく離性は、スケール量やスケール/母材界面のスケールの粒径に依存する。熱間圧延線材表面のスケール量が単位面積当たりで40g/m2未満であれば、熱間圧延線材に歪みを加えても、スケールが薄すぎて割れることなく変形するため、剥離性が低下する。一方、スケール量が単位面積当たり60g/m2を超えて過剰に厚くなると、搬送時などにスケールが剥離し、錆の要因となる。そのため、熱間圧延線材表面のスケール量は、40〜60g/m2が好ましい。より好ましくは45g/m2〜55g/m2の範囲である。また、部位によっては、スケール/母材界面のスケールの粒径が微細化し、スケールはく離性が低下する問題がある。スケール/母材近傍(母材境界からスケール厚さの1/2の領域)のスケール粒径が2.0μm以上のスケール面積率が50%以上であれば、スケールはく離性は良好である。より好ましくは60%以上である。
パーライトの面積率の測定、パーライト以外の組織の同定には、熱間圧延線材を長さ方向と垂直な方向に切断し、切断面を観察できるように樹脂埋め後、アルミナで研磨した試料を用いる。本試料を3%ナイタール溶液やピクラールで適宜腐食し、走査電子顕微鏡(SEM)にて、中心部を1000倍で10視野(合計0.08mm2の領域)を撮影し、画像解析を用いて組織の同定と面積率の測定を行う。又、熱間圧延でのオーステナイト粒径の測定については、後述の実施例において説明する。
熱間圧延線材の強度を測定するための引張試験片は、熱間圧延線材のフロント部(熱間圧延線材先端から50リング尾端側)、ミドル部(先端と尾端の中間の100リング内)、およびテール部(尾端から50リング先端側)から採取する。3部位からそれぞれ3リングを採取し、各リングから、等間隔になるように長さ400mmの引張試験片を8本、計72本採取し、引張試験に供する。その72本の引張強度の平均値を熱間圧延線材の強度とし、最大値もしくは最小値と平均の差で最も大きい値を強度ばらつきとした。なお、引張試験は、クロスヘッドスピード10mm/min、評点間距離200mmで行う。
スケール量は、熱間圧延線材2000mm長さにおける平均値である。すなわち、熱間圧延線材から長さ200mmの試験片を連続で10本採取し、各試験片の重量を測定した後、17%の塩酸に浸漬させてスケールを完全に除去した後、再度重量を測定する。このスケール除去前後の重量差を測定領域の熱間圧延線材表面積で除した値がスケール量である。
スケールはく離性は、引張試験機で熱間圧延線材に6%の引張歪みを付与し、剥離したスケールを除去した後、残留スケール量を上記のスケール量と同様にして測定して評価した。
スケール/母材近傍のスケールの粒径はEBSD(Electron Back Scatter Diffraction)を用いて測定した。なお、スケール/母材界面近傍とは、母材との境界から、スケールの1/2厚さまでの領域である。スケール粒径の測定試料は、熱間圧延線材のフロント部、ミドル部、テール部の各1リングから、等間隔にそれぞれ4個採取し、熱間圧延線材の長さ方向と垂直な切断面を観察するように樹脂埋めしたものである。これら試料を、粗研磨から始め、最終的にコロイダルシリカを研磨剤として研磨した後、EBSD測定に供した。スケールのEBSD測定は、熱間圧延線材表面の周方向の長さ50μmほどの領域、8箇所について行った。測定データは結晶方位を解析するソフトウエアを用いて解析し、隣り合う部位の結晶方位差が15°以上となる境界を結晶粒界として定義し、スケールの結晶粒径を測定した。なお、各々の結晶粒径は短径と長径の平均で評価した。その後、スケール/母材近傍におけるスケール粒径が2.0μm以上のスケールの面積率を測定した。
次に製造方法について説明する。なお、以下に説明する製造方法は一例であり、以下の手順および方法で限定するものではなく、本発明の構成を実現できる方法であれば、如何なる方法を採用することも可能である。
熱間圧延に供する材料は、通常の製造条件を採用することができる。例えば、前記成分の鋼を鋳造し、鋳造片を1100〜1200℃程度で10〜20hr程度保定するソーキング処理(鋳造で発生する偏析を軽減させるための熱処理)を施した後、分塊圧延にて、線材圧延に適した大きさの鋼片(一般にビレットと呼ばれる線材圧延前の鋼片)を製造し、熱間圧延に供する。
線材圧延は、前記鋼片を900〜1300℃に加熱し、仕上げ圧延開始温度を750℃以上900℃以下に制御する。線材の圧延温度は放射温度計により測定されたものであり、線材の表面温度を意味する。その後、仕上げ圧延による加工発熱で温度が上昇するが、仕上げ圧延後の線材の巻取り温度を830℃以上920℃以下に制御することにより、オーステナイト粒径を30〜60μmに制御する。
その後、線材を冷却コンベア上にリング状に載置し、650℃以下まで6〜25℃/s、好ましくは7〜20℃/sで冷却し、その後、600℃まで0.5〜5℃/s、好ましくは1.0〜4.5℃/sに冷却速度を低下させ、600〜650℃の温度域で変態させる。その後、変態完了後も高温で保持するとラメラセメンタイトが分断し、線材の強度の低下や鋼線の延性低下につながるので、600℃以下では、更に冷却速度5℃/s以上、好ましくは8℃/s以上の速度で、300℃以下まで冷却を行う。なお、冷却中の線材の温度も放射温度計により測定した。また、一般に線材の圧延においては、圧延後、リング状に巻き取られて冷却されており、線材の重なりが多い密部と、重なりが少ない疎部がある。本発明では巻取り後の線材の温度は、リングが重なっている箇所(密部)を測定した。
仕上げ圧延開始温度や仕上げ圧延後の巻取り温度を制御することで、オーステナイト粒を30〜60μmに制御する。オーステナイト粒径が微細すぎると、初析フェライトが多くなり、伸線加工後の強度や延性が得られない場合がある。またオーステナイト粒径が粗大すぎると、パーライトの組織も粗大化し、伸線加工性が低下する。オーステナイト粒径を30〜60μmとすることにより、これらの問題が生じることなく、初析フェライトの抑制や伸線加工性の確保が可能となる。仕上げ圧延開始温度を750℃以上900℃以下、好ましくは800℃以上850℃以下とし、巻取り温度を830℃以上920℃以下、好ましくは850℃以上900℃以下とすることで、オーステナイト粒径を30〜60μmとすることができる。
また、巻取り温度はスケール量やスケールの粒径にも影響する。巻取り温度が低いと、スケール量が40g/m2未満となり、剥離性が低下する。一方、巻取り温度が高すぎると、スケール付着量が60g/m2超と過多になったり、スケール反応が過剰に進行し、母材近傍のスケール粒径の小さくなり、スケール粒径2.0μm以上の面積率が50%未満となり、はく離性が低下する。本発明では、巻取り温度を830℃以上920℃以下、好ましくは850℃以上900℃以下とするとともに、その後の冷却速度を後述の通りに制御することで、スケール量および母材近傍における2.0μm以上のスケール面積率を本発明の範囲内に制御することができる。
巻取り後の冷却にて、オーステナイトからパーライトへ変態する。巻取り後の冷却速度は組織や変態温度を制御する因子である。また、酸化反応の進行状況にも影響し、スケール量やスケールの粒径に影響する。650℃以下までの冷却速度が6℃/s未満では初析フェライトの抑制が困難であり、一方、冷却速度25℃/s超とすると、スケール量の減少やスケールの粒径の微細化を招き、スケールの剥離性が低下する他、冷却設備のためのコストが増加する。より好ましくは7℃/s以上20℃/s以下である。また、その後、冷却速度を0.5〜5.0℃/sとし、変態温度を600℃〜650℃としたのは、0.5℃/s未満では、ラメラセメンタイトが分断し、パーライト組織が得られないか、パーライト組織が得られたとしても、強度が低く、かつラメラセメンタイトが厚いため、加工性が低下するためである。また、スケールの反応が進み、スケール/母材界面近傍に微細なスケールが生成するためである。一方、5℃/s超では変態温度が600℃未満になり、強度ばらつきが大きくなるためである。好ましくは1.0℃/s以上、より好ましくは、1.5℃/s以上5.0℃/s以下である。600℃まで冷却後、冷却速度を5℃/s以上にし、300℃以下まで冷却するとしたのは、変態後も変態温度付近で保持すると、ラメラセメンタイトが分断するためである。
上記のように、830℃以上920℃以下の温度で巻取り後に650℃以下まで6〜25℃/sの冷却速度で冷却し、その後、0.5〜5.0℃/sに冷却速度を低下させることにより、変態温度を600〜650℃の範囲とすることができる。
本発明の成分組成を有し、オーステナイト粒径を30〜60μmに制御し、変態温度を600〜650℃とし、変態温度まで及び変態以降の冷却速度を上記のように調整することにより、パーライト面積率を60%以上とし、初析フェライト量を上記の式(1)に制御でき、残部がベイナイトおよび疑似パーライトの1種又は2種からなる組織とすることができる。
本発明の成分組成を有し、変態温度を600〜650℃とし、変態後の冷却速度を上記本発明の範囲とすることにより、熱間圧延線材の強度を上記の式(2)および式(3)の範囲とすることができる。
熱間圧延線材の強度のばらつきについては、圧延後の線材の直径を5.5mm以下と細径化し、変態温度を600〜650℃の範囲と高温化することにより、強度のばらつきを平均強度から±50MPa以内に抑えることができる。
以下、本発明にかかる高強度鋼線の実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、もとより下記実施例に限定されるものではなく、前、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
Figure 0006614005
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表1−1および表1−2に組成、圧延条件を、表2−1および表2−2に熱間圧延線材の組織評価、引張特性および鋼線の引張特性および撚り線時の断線の発生状況、熱間圧延線材のスケール量とスケールはく離性を評価した結果を示す。表1−1および表1−2において、
冷却速度1:巻取り後650℃までの冷却速度
冷却速度2:650℃から600℃までの冷却速度
冷却速度3:600℃から300℃までの冷却速度
を意味する。表1−1および表1−2、表2−1および表2−2で本発明範囲から外れる数値にアンダーラインを付している。
表1−1および表2−1のA1〜17は本発明例であり、表1−2および表2−2のB1〜17は成分および熱間圧延条件のいずれかが適正範囲外であり、熱間圧延線材の線径、組織、強度範囲のいずれかが本発明の適正範囲から外れたものである。
本実施例、比較例とも、ビレットを加熱炉にて1000〜1200℃まで加熱したのち、仕上げ圧延前温度およびリング状にする巻取り温度を制御して表1−1および表1−2に示す値とした。表1−1および表1−2において、冷却速度1は巻取り後650℃までの冷却速度、冷却速度2は650℃から600℃までの冷却速度、冷却速度3は600℃からから300℃までの冷却速度を表す。
組織評価は、パーライト面積率及びパーライト以外の組織で評価した。測定はSEMを用いて行った。その評価手順は、上記の方法と全く同一である。なお、本発明例、比較例いずれも、パーライト以外の組織は初析フェライトおよびベイナイト、疑似パーライトのの1種又は2種以上であった。
表1−1および表1−2に示したオーステナイト粒径は、巻取り後、5s以内に圧延線材の一部を切り出し、水中に浸漬させることで焼入れした試料で評価した。焼入れした線材の長手方向と垂直な断面を樹脂に埋め込み、アルミナ研磨後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液でオーステナイト粒界を現出し、断面中央部を200〜500倍の光学顕微鏡で撮影し、その後、JISG0551記載の方法で結晶粒度を測定し、粒径を求めた。
スケール量、スケールはく離性は、前述の方法で測定した。なお、スケールはく離性は残留スケール量5.0g/m2以下を良好とした。
線材表層のスケール/母材近傍におけるスケールの粒径は、前述と同じEBSD法で測定した。線材の引張強度と強度ばらつきについても、前述の方法と同一の方法で測定した。
上記のようにして得られた熱間圧延線材を用いて、パテンティング処理を施すことなく、真歪4.9以上の伸線加工(乾式伸線+湿式伸線)を行い、直径0.18〜0.40mmの高強度鋼線を製造した。なお、乾式伸線は前処理として、スケール除去後皮膜処理を行い、1パス当たりの減面率を15〜25%で行った。一方、湿式伸線はエマルジョンタイプの潤滑剤を使用し、1パス当たりの減面10〜20%で伸線し、最終パスはスキンパス伸線を行った。伸線した鋼線の評価は、5000m以上伸線を行った際の断線の有無および1000m間隔ごとに採取した鋼線を用いて、強度を測定し、3200MPa以上を良品と判定した。また、撚り線の加工性として、製造した鋼線をチューブラー式の撚り線機を用いて1×5の撚り構造で1000m撚り線加工を行い、その際の断線の発生の有無で評価した。
実施例のA1〜17は、いずれも本発明例であり、熱間圧延線材はスケールはく離性に優れ、かつ、真歪5.5以上の伸線加工を行っても断線せず、かつ伸線した鋼線はすべて強度3200MPa以上の高強度を有し、さらに1000mの撚り線加工を行っても断線は発生しなかった。また、A3〜7、A11、12はSi+Cr量が0.5以上0.9以下の範囲で有り、真歪6.0以上の伸線加工を行っても伸線時及び撚り線時に断線は発生しなかった。
一方、B1〜17の試験例は、本発明の要件のいずれかを満たしていないため、伸線時や撚り線時に断線が発生したか、鋼線の強度が十分に得られていないとの結果となった。
B1はC量が低いため、パーライト面積率が低く、鋼線の強度が低下し、撚り線時に断線が発生した。一方、B2はC量が高く、熱間圧延線材の強度が高いため、鋼線の強度も過剰に高くなり、真歪5.5未満で伸線時に断線が発生した。B3はSi量が高いため、熱間圧延線材の強度が高くなり、真歪5.5以下で伸線時に断線が発生した。また、スケール/母材界面にFe2SiO4(ファイアライト)が析出し、スケールはく離が低下した。
B4はMnおよびMn+2×Cr量が高く、焼入れ性が増したため、熱間圧延線材でパーライト面積率が低く、かつ式(2)を満たさないため、真歪5.5未満で伸線時に断線が発生した。
一方、B5はMn量が少ないため、初析フェライト量が増加し、パーライト面積率が低く、かつ強度が低いため、鋼線の強度が低下し、かつ撚り線時に断線が発生した。
B6はCr、Mn+2×Cr量が高く、焼入れ性が増したため、強度が高く、式(2)を満たさず、強度のばらつきも大きいため、真歪5.5未満で伸線時に断線が発生した。
B7はMn+2×Cr量が高く、焼入れ性が増したため、強度が高く、式(2)を満たさず、強度のばらつきも大きいため、真歪5.5未満で伸線時に断線が発生した。
B8は熱間圧延線材の線径が太く、巻取り温度が高く、オーステナイト粒径が大きいため、熱間圧延線材の伸線加工性が低下し、真歪5.5未満で断線が発生した。B9は巻取り温度が低いため、オーステナイト粒径が微細化し、初析フェライト量が増加したため、加工硬化能が低下し、鋼線の強度も低下し、かつ撚り線時に断線が発生した例である。また、スケール量が少なく、スケールはく離性も低下した。B10、B11は巻取り後から650℃までの冷却速度(冷却速度1)が小さく、初析フェライト量が増加したため、加工硬化能が低下し、鋼線の強度が低下し、かつ撚り線時に断線が発生した。また、スケールの反応が進み、母材近傍のスケールが微細化し、スケールはく離性が低下した。B12は650℃から600℃までの冷却速度(冷却速度2)が小さく、セメンタイトが崩れ、熱間圧延線材の強度が低下したため、鋼線の強度も低下した。B13、14、15は650℃から600℃までの冷却速度(冷却速度2)が大きいため、変態温度が下がり、熱間圧延線材の強度および強度のばらつきが大きくなり、真歪5.5未満で断線が発生した。また、B15は巻取り後から650℃までの冷却速度(冷却速度1)も大きいため、スケール量が小さく、スケールはく離性も低下した。B16は600℃から300℃までの冷却速度(冷却速度3)が小さいため、パーライト組織が分断し、熱間圧延線材の強度が低下し、鋼線の強度が低下した。
B17は巻取り後、ソルト浴に浸漬し、575℃で保持した水準である。熱間圧延線材の強度が高くなったため、鋼線の強度も上昇し、真歪5.5未満で伸線時に断線が発生した。また、スケール量も小さくなり、スケールはく離性も低下した。
以上、実施例にも示したように、本発明の高強度鋼線用熱間圧延線材を用いることで、強度および延性に優れた高強度鋼線が安定的に得られることが明らかである。

Claims (5)

  1. 質量%で
    C:0.35〜0.50%、
    Si:0.10〜0.80%、
    Mn:0.60〜0.90%、
    Cr:0.15%以下
    を含有し、かつMn量(%)+2×Cr量(%)<0.9%を満たし、残部はFeおよび不可避不純物よりなり、パーライトが面積率60%以上であるとともに初析フェライト量が面積率で式(1)を満たし、かつ残部がベイナイトおよび疑似パーライトの1種又は2種からなり、強度TS(MPa)が式(2)かつ式(3)を満足し、かつ1コイル内の熱間圧延線材の強度のばらつきが平均強度から±50MPa以内であることを特徴とする直径4.1〜5.5mmの高強度鋼線用熱間圧延線材。
    初析フェライト量(%)≦50-55×C量(%)+20×Si量(%)・・・式(1)
    900×C量(%)+50×Si量(%)+300≦TS≦900×C量(%)+50×Si量(%)+400・・・式(2)
    TS≦1200-80×D・・・式(3) D:熱間圧延線材線径(mm)
  2. 更に、質量%で0.5%≦Si量(%)+Cr量(%)≦0.9%を満たすことを特徴とする請求項1に記載の直径4.1〜5.5mmの高強度鋼線用熱間圧延線材。
  3. 更に、質量%でNi:0.50%以下、Co:1.00%以下、Mo:0.20%以下、B:2〜30ppmのいずれか1種もしくは2種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の直径4.1〜5.5mmの高強度鋼線用熱間圧延線材。
  4. 線材表面のスケール量が40〜60g/m2であり、かつ、スケール/母材界面近傍(母材境界からスケール厚さの1/2の領域)において粒径が2.0μm以上のスケール面積率が50%以上であることを特徴とするスケールはく離性に優れた請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の直径4.1〜5.5mmの高強度鋼線用熱間圧延線材。
  5. 熱間圧延でオーステナイト粒径を30〜60μmの範囲に制御した後、巻取り後、650℃以下まで6〜25℃/sで冷却し、その後、600℃までは0.5〜5℃/sに冷却速度を低下させ、かつ600℃以下では、更に冷却速度5℃/s以上の速度で、300℃以下まで冷却することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の直径4.1〜5.5mmの高強度鋼線用熱間圧延線材の製造方法。
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