JP6724720B2 - 高張力鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
また、鋳片を一度冷却すると、冷却時に粗大なTiCが析出する。粗大なTiCの析出は、析出した粗大なTiCの周囲のTi濃度を低下させ、Ti添加によるフェライト粒径の微細化効果を低下させる。粗大なTiCが析出すると、再加熱によって、TiCの固溶化(溶体化)処理を行わなければならず、この時間が長時間に及ぶことがあり、製造効率が低下する。
(1)化学組成が質量%で、C:0.05〜0.2%、Si:0.2〜1.5%、Mn:1.3〜2.5%、Ti:0.1〜0.3%、Al:0.01〜0.05%、N:0.001〜0.01%、P:0.05%以下、S:0.005%以下、残部:Feおよび不可避的不純物からなる連続鋳造鋳片を熱間圧延する高張力鋼板の製造方法であって、
前記連続鋳造鋳片と、前記連続鋳造鋳片が粗圧延された熱延板を、鋳造後から熱間仕上圧延の開始まで、γ領域温度以上に維持し、熱間仕上圧延し、
前記熱間仕上圧延では、
前記熱延板の表面温度1250〜1380℃で、入り側圧延速度を5〜20m/min、圧下率40%を超える熱延パスを1パス行い、さらにその次のパスで1パスあたり圧下率40%を超える熱延パスを行う
ことを特徴とする高張力鋼板の製造方法。
(2)前記熱延板の表面温度1250〜1380℃とするために、高周波誘導加熱装置により加熱することを特徴とする(1)に記載の高張力鋼板の製造方法。
(3)前記鋳片が、さらに、Ni:0.35%以下、Cu:0.4%以下、B:0.001%以下のいずれか1種以上を含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の高張力鋼板の製造方法。
前述のように、動的再結晶は温度、圧下率、圧延速度に依存して発現することが知られているが、本発明の温度域では、40%超の高圧下を考えた場合、入り側圧延速度が40m/minでも動的再結晶を発現する。入り側圧延速度を20m/minとした場合、現状の熱延で想定される最大圧下率50%で考えた場合でも次のスタンド入り側では40m/minとなり、次のスタンドまでの動的再結晶利用が可能となる。動的再結晶条件が1スタンドの圧延でも細粒化効果はあるが、再結晶率が100%に満たない可能性がある。連続した2スタンド以上を動的再結晶条件とすることで再結晶率を100%とし、より安定して細粒化効果が得られる。そのため、少なくとも次のスタンドまで動的再結晶を活用可能な圧延条件となるよう、仕上入り側圧延速度の上限を20m/minとした。
一方で入り側圧延速度が5m/min未満では、圧延に時間がかかり、温度が下がってしまい動的再結晶が生じにくくなると共に、生産効率が悪い。
Cは必要な強度を得るため、および組織、特にフェライト粒径の微細化に重要な巻き取り段階でのTiCの析出量を十分に確保するために、0.05%以上必要である。また、0.20%を超えると延性および靱性が劣化するとともに溶接性も劣化する。したがって、0.05〜0.20%の範囲とした。
Siは固溶強化により伸びの著しい低下を伴わずに強度を高める有効な元素である。このような効果を十分に発揮させるためには0.20%以上の添加が必要である。一方、Siの多量添加は、熱間圧延時に脱スケール性の悪いスケールが生成して製品の表面性状に悪影響を及ぼす。本発明では、加熱温度を高温域に設定するので、上記表面性状を悪化させるSi量の上限は、通常に比べ低くしなければならず、1.5%を超えるとその悪影響が顕在化するので1.5%とした。
Mnは、強度向上に有効な元素であり、この目的のためには、Mnは1.3%以上の添加が必要である。一方、多量の含有は鋼を硬質化し、却って強度‐伸びバランスを劣化させる。このようなことから、Mnは2.5%以下とした。
Tiは、TiCとして、フェライト粒径を微細化させるためにも、必須の元素である。結晶粒微細化に必要なTiCを得るためには、少なくとも0.1%以上必要であるが、0.30%を超えるとTiCによる微細化効果は飽和するので、0.30%を上限とした。
Alは、脱酸に極めて有効に作用する元素であるが、0.01%未満ではその効果は十分に得られない。また、0.05%を超えると結晶粒の粗大化および介在物による内部欠陥をもたらす。そのため、0.01〜0.05%の範囲とした。また、この範囲であれば、結晶粒が微細化する。
Nは、不可避的不純物として含まれる。鋼中のN量が0.01%を超えると、TiがTiNとして生成しやすくなり、固溶Ti量が減少するため、強度低下を生じるとともに、本発明で狙いとする巻き取り時の微細TiCの量も低減する。Nは少ない方が好ましいが、過度な脱窒素は精錬工程の処理時間の延長を招来する。そのため生産性と固溶Ti量を確保することのバランスを考慮し、0.001〜0.01%の範囲とした。
Pは、不可避的不純物として含まれる。0.05%を超えると、熱間加工性(熱間圧延性)が悪化するため0.05%以下とした。Pは少ない方が好ましいが、Pの低減にはコストがかかるので、経済性と熱間加工性のバランスを考慮すると0.005〜0.03%の範囲が好ましい。
Sは、不可避的不純物として含まれる。0.005%を超えると、熱間脆化を引き起こすため0.005%以下とした。Sは少ない方が好ましいが、Sの低減にはコストがかかるので、経済性と熱間加工性のバランスを考慮すると0.001〜0.004%の範囲が好ましい。
Niは必要に応じて添加される元素で、強度および耐食性を向上させる効果がある。多量の添加は却って強度―延性バランスを劣化させると共に、製造コストが上昇する。そのため0.35%を上限とした。十分に強度および耐食性を向上させるには、0.15%以上添加することが好ましい。
Cuは必要に応じて添加される元素で、Niと同様に強度および耐食性を向上させる効果がある。0.4%を超えると、鋼板の製造コストが上昇する。十分に強度および耐食性を向上させるには、0.1%以上添加することが好ましい。
Bは必要に応じて添加される元素で、粒界強度の上昇を通じ加工性を改善する効果を有していると共に、Tiを含む炭化物を微細化する効果がある。一方で、過剰な添加は、清浄度や再結晶性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、上限を0.001%とした。十分な微細化によって強度を向上させるには、0.0001%以上添加することが好ましい。
鋼種成分は、建設機械向け熱延引張強度950MPaの鋼である。実施例に使用した試験材の成分は、いずれも、質量%でCが0.1%、Siが0.2%、Mnが1.6%、Tiが0.2%、Pが0.01%、Sが0.003%、Niが0.3%、Bが0.0002%、Alが0.03%、Nが0.003%である。試験材はラボ試験として板幅160mm、50mm厚で鋳造し、粗圧延で30−30−20−20%の4スタンドの圧延を実施し15.5mm厚みとした後、IH加熱を実施した。IH加熱では表層温度が表1中に記載の1パス目の仕上げ圧延温度となるまで加熱後、仕上げ圧延で表1中に記載の大圧下圧延の圧下率およびパス数で圧延し(複数回圧延する場合、各実施例の1パスあたりの圧下率はすべて同じ。)、2.6mmの鋼板厚みとしたものを評価に用いた。実施例5では、2スタンド圧延での評価を行なうため、厚み3.8mmの鋼板、比較例5では1スタンド圧延での評価を行うため厚み8.5mmの鋼板も作製した。いずれの圧延でも仕上げ圧延温度は860℃とした。
材質評価用の試験片は2.6mm、3.8mmまたは8.5mmの鋼板の圧延方向に対して並行および垂直となる断面より採取し、表層近傍部として1/8厚部、内部として1/2厚部の組織およびビッカース硬度測定を行なった。硬度は、ビッカース硬さ試験機(荷重10kgf)により所定厚み部を0.25mm間隔で5点測定し、得られた測定値の平均値を用いて評価を行なった。また、析出したTiCのサイズおよび分布状態を確認するために薄膜を作製し透過電子顕微鏡による観察を実施した。
Claims (3)
- 化学組成が質量%で、C:0.05〜0.2%、Si:0.2〜1.5%、Mn:1.3〜2.5%、Ti:0.1〜0.3%、Al:0.01〜0.05%、N:0.001〜0.01%、P:0.05%以下、S:0.005%以下、残部:Feおよび不可避的不純物からなる連続鋳造鋳片を熱間圧延する高張力鋼板の製造方法であって、
前記連続鋳造鋳片と、前記連続鋳造鋳片が粗圧延された熱延板を、鋳造後から熱間仕上圧延の開始まで、γ領域温度以上に維持し、熱間仕上圧延し、
前記熱間仕上圧延では、
前記熱延板の表面温度1250〜1380℃で、入り側圧延速度を5〜20m/min、圧下率40%を超える熱延パスを1パス行い、さらにその次のパスで1パスあたり圧下率40%を超える熱延パスを行う
ことを特徴とする高張力鋼板の製造方法。 - 前記熱延板の表面温度1250〜1380℃とするために、高周波誘導加熱装置により加熱することを特徴とする請求項1に記載の高張力鋼板の製造方法。
- 前記鋳片が、さらに、Ni:0.35%以下、Cu:0.4%以下、B:0.001%以下のいずれか1種以上を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高張力鋼板の製造方法。
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