JP2006056557A - ポリオレフィン系食品包装用フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)アイソタクティックポリプロピレン0〜90重量%と、(B)プロピレンから導かれる構成単位を90モル%を超えて含有するシンジオタクティックポリプロピレン0〜90重量%と、(C)プロピレンから導かれる構成単位を90〜55モル%の量で含有し、プロピレンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を10〜45モル%の量で含むシンジオタクティックプロピレン・α−オレフィン共重合体10〜100重量%(ここで(A)(B)(C)の合計量は100重量%)とからなる樹脂組成物を主成分とする層を構成層の少なくとも一層とする。
Description
本発明で用いられるアイソタクティックポリプロピレン(A)は、NMR法により測定したアイソタクティックペンタッド分率が0.9以上、好ましくは0.95以上のポリプロピレンである。
アイソタクティックペンタッド分率(mmmm)については、先行公報特開2003−147135に記載されている方法で測定・計算されるものである。
本発明で用いられるシンジオタクティックポリプロピレン(B)は、プロピレンの単独重合体またはプロピレンとプロピレン以外のオレフィン類との共重合体であり、実質的にシンジオタックティック構造を有するポリプロピレンである。
本発明で用いられるシンジオタクティックプロピレン・α−オレフィン共重合体(C)は、実質的にシンジオタクティック構造であり、プロピレンから導かれる構成単位を90〜55モル%、好ましくは85〜60モル%、特に好ましくは80〜65モル%の量で、プロピレン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を10〜45モル%、好ましくは12〜40モル%の量、特に好ましくは15〜35モル%の量で含有している。
このようなシンジオタクティックプロピレン・α−オレフィン共重合体(C)合成方法については先行公報特開2003−147135に記載されているほか、特願2002−332243に記載された触媒を用いて製造することが可能であるが、とくにこれらに限定されるものではない。
本発明で必要に応じて用いられるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(D)は、エチレンと炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜10までのα−オレフィン共重合させたものを意味するが、下記特徴を有するものが好ましく使用できる。
(a)密度(ASTM 1505 23℃)が0.850〜0.910g/cm3、好ましくは0.860〜0.905g/cm3、より好ましくは0.865〜0.895g/cm3
(b)190℃、荷重2.16kgで測定されるMFRが0.1〜150g/10分、好ましくは0.3〜100g/10分 。
本発明に係る樹脂組成物は、上記アイソタクティックポリプロピレン(A)と、上記シンジオタクティックポリプロピレン(B)と、上記シンジオタクティックプロピレン・α−オレフィン共重合体(C)と、必要に応じて、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(D)からなる。
また、シンジオタクティックポリプロピレン(B)とシンジオタクティックプロピレン・α−オレフィン共重合体(C)との重量比(B/C)が10/90〜90/10、好ましくは50/50〜90/10の範囲にあるものは、伸縮性、柔軟性、耐傷つき性、透明性、耐熱性が向上するとともに、折り曲げ時の耐白化性や耐折れしわ性に優れる傾向がある。
本発明の食品包装用フィルムは、上記成分からなる樹脂組成物からなる層を1層以上有する、少なくとも2層からなる多層構成の食品包装用フィルムである。
前記樹脂組成物からなるコア層(Y)と、エチレン系(共)重合体からなる表面層(X)を積層する方法としては、通常のポリオレフィン積層フィルムを製造する方法を採用することができる。具体的には、多層T−ダイ成形、多層インフレ成形、押出ラミネーション成形、ドライラミネーション法などを挙げることができる。
以下、本実施例および比較例で評価した試験方法を示す。
i)物性試験項目
1.突刺し強度、突刺し伸び
125mmの枠に固定したフィルムサンプルに、先端形状1mmφの針を50mm/minの速度で突刺し、貫通するまでの最大荷重を突刺し強度とした。突刺し強度測定時、針が貫通するまでの最大伸びを突刺し伸びとした。
JIS K6781に準拠し、200mm/minの引張速度で引張試験を実施し、試験後のサンプルを目視で評価した。
トレー(長さ200mm、幅150mm、高さ30mm)にフィルムを包装固定し、中央部を指で押した後の押し後の状況を評価した。
1.融点(Tm)、結晶化温度(Tc)およびガラス転移温度(Tg);
DSCの発熱・吸熱曲線を求め、降温時の最大発熱ピーク位置の温度をTc、昇温時の最大融解ピーク位置の温度をTm、また−100℃〜0℃の間の吸熱曲線で観測される2次転移点をTgとした。測定は、試料をアルミパンに詰め、100℃/分で200℃まで昇温して200℃で5分間保持したのち、10℃/分で−150℃まで降温し次いで10℃/分で昇温する際の発熱・吸熱曲線より求めた。
135℃、デカリン中で測定した。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、140℃で測定した。
・合成例1(シンジオタクティックプロピレン・エチレン共重合体(sPER−1)の合成)
減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを750ml加え、続いてトリイソブチルアルミニウムの1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が0.3ミリモルとなるように0.3ml加え、撹拌下にプロピレンを50.7リットル(25℃、1 気圧)装入し、昇温を開始し30℃に到達させた。その後、系内をエチレンで5.5kg/cm2Gとなるように加圧し、公知の方法で合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.0002mM/ml)を3.75ml、(トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)のトルエン溶液(0.002mM/ml)を2.0ml加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。この時の触媒濃度は、全系に対してジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドが0.001ミリモル/リットル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが0.004ミリモル/リットルであった。
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、833mlの乾燥ヘキサンとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を90℃に昇温しプロピレンで系内の圧力を0.66MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.69MPaに調整した。次いで、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルジヒドロベンゾイルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温90℃、系内圧力を0.69MPaにエチレンで保ちながら20分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、46.4gであり、極限粘度[η]が2.3dl/gであり、ガラス転移温度Tgは−24℃であり、エチレン含量は19.0モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。また、前述のDSC測定条件では融解ピークは、実質的に観測されなかった。
特開平2−274763号公報に記載の方法に従い、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライドおよびメチルアルミノキサンからなる触媒を用いて、水素の存在下でプロピレンの塊状重合法によって得られたシンジオタクティックポリプロピレンのMFR(230℃)が7.2g/10min、GPCによる分子量分布は2.3、C13−NMRによって測定されたシンジオタクチックペンタッド分率(rrrr)が0.823、示差走査熱量分析で測定したTmが127℃、Tcが58℃であった。
表.2記載の物性を有するプロピレンランダムコポリマーを用いた。
・ブテン・プロピレンランダム共重合体(BPR)
MFR(230℃)が2.0g/10分、Tmが71℃、1−ブテン含量が77mol%のブテン・プロピレンランダム共重合体を用いた。
・直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
MFR(190℃)が1.0g/10分、密度が0.915g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンを用いた。
コア層・表面層として、表.3に記載の組成物を使用し、50mmφの押出機を備えた幅300mmの3種3層T−ダイ成形機にて層構成(表面層60μm)/(コア層60μm)/(表面層60μm)からなる3層フィルムを得た。このフィルムを更にバッチ式2軸延伸機を用いて縦4.0倍、横4.5倍に80℃で同時二軸延伸することにより延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの物性を表.3に示す。
表.3に記載の組成物を使用し、実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの物性を表.3に示す。
Claims (3)
- (A)アイソタクティックポリプロピレン0〜90重量%と、(B)プロピレンから導かれる構成単位を90モル%を超えて含有するシンジオタクティックポリプロピレン0〜90重量%と、(C)プロピレンから導かれる構成単位を90〜55モル%の量で含有し、プロピレンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を10〜45モル%の量で含むシンジオタクティックプロピレン・α−オレフィン共重合体10〜100重量%(ここで(A)(B)(C)の合計量は100重量%)を含む樹脂組成物を主成分とする層を少なくとも1層有する、少なくとも2層からなる多層構成の食品包装用フィルム。
- 少なくとも1層の表面層(X)とコア層(Y)からなる多層フィルムにおいて、表面層(X)がエチレン系(共)重合体からなり、コア層(Y)が請求項1に記載の樹脂組成物から形成されることを特徴とする食品包装用フィルム。
- 請求項1または2記載の食品包装用フィルムを縦方向および/または横方向に少なくとも2倍以上延伸することによって得られる食品包装用延伸フィルム。
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JP2010235696A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Mitsui Chemicals Inc | 延伸フィルム、およびその製造方法 |
JP2019531929A (ja) * | 2016-09-30 | 2019-11-07 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | メカノクロミック染料を組み込んだポリオレフィン系延伸フィルムおよびその使用方法 |
CN114096416A (zh) * | 2019-07-10 | 2022-02-25 | 东洋纺株式会社 | 双轴取向聚丙烯系树脂膜及使用了其的包装体 |
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