JP2006056100A - ディスプレー材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクジェット記録材料を用いて、画質、画像濃度に優れたディスプレー材料を提供する。
【解決手段】 少なくとも基材層とインク受容層とを有するインクジェット記録材料を2枚以上、熱ラミネートにより積層したことを特徴とするディスプレー材料とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、インクジェット記録材料を用いたディスプレー材料に関する。
インクジェット記録方式は、低コストで精細な記録が可能であることから、一般に広く普及している。近年、インクジェットヘッド等のハードウエアや、ラスターイメージプロセッサー等のソフトウエアの改良により、より高性能のインクジェットプリンタが開発されてきた。その結果、インクジェット記録材料を用いた看板やパネルなどのディスプレー材料も多数市場で見られるようになってきている。
通常のインクジェットプリントによって作成されるディスプレーにおいては、一般的に素材の下地が白色であることから、カラーマネージメントアプリケーションなどによりその色の調合がなされてきており、最近では通常印刷に近いレベルまでその色調合の精度が上がってきている。
一方、ディスプレー材料の中でも、背面から光を当てる「電飾版」用途やウインドーマーキングなどの透過光を利用したディスプレー分野においては、下地の色がないために着色部の色の濃度が重要視される。例えば、駅などにみられる電飾看板は一般的に、乳白色の板を介した蛍光灯で記録材料を照射するという方法でディスプレーされるが、通常このような場合は、シルク印刷やグラビア印刷などでインクを多く塗布することにより高い濃度を実現している。また最近では写真技術を用いてRGB(レッド・ブルー・グリーンの光の3原色)にて直接基材に焼き付ける方法もとられている。これらは非常に手間のかかる方法であり、インクジェットプリントにより実現できれば低コスト、短納期で作成することができる。例えば、特許文献1には、画像濃度を高めることのできるインクジェット記録材料を使用した電飾看板が開示されている。
特開2004−50509号公報
しかしながら、特許文献1のように発色性のよいインクジェット記録材料を使用しても、インクジェットプリント方式ではプリンタからのインクの噴射量に限界があることから、通常のインクジェットプリンタを用いた場合に一定以上の高い濃度を実現することは困難であった。例えば、オレンジ色等の中間色は、反射光で見た場合には発色が十分であっても、透過光で見た場合には不十分であり、透過光で所望の濃度を再現するためにはより一層高い遮光濃度でプリントする必要があった。また、インクの噴射量を増やすと、その部分のインクにひび割れが起こるという問題もあった。濃度を出すために複数枚のインクジェット記録材料を粘着材を介して積層接着することも考えられるが、ディスプレー材料として使用するためには、例えば1m以上の大きなディスプレーもわずか0.5mm以下の誤差で精密に貼り合わせる必要があるため、微妙な位置合わせが困難な粘着材による接着では「ずれ」が大きく、実用に耐えうるディスプレー材料を作成するのは困難である。さらに、粘着材を用いると、粘着材の塗布むらや厚さによる画質の低下が起こってしまうという問題もある。
そこで、本発明はインクジェット記録材料を用いて、画質、画像濃度に優れたディスプレー材料を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。
請求項1の発明は、少なくとも基材層とインク受容層とを有するインクジェット記録材料を2枚以上、熱ラミネートにより積層したことを特徴とするディスプレー材料を提供して前記課題を解決する。
この発明によれば、インクジェット記録という低コストかつ簡便な方法で、画質や画像濃度に優れたディスプレー材料を提供することができる。
請求項2の発明は、前記インクジェット記録材料のインク受容層がホットメルト接着性を有することを特徴とする請求項1に記載のディスプレー材料を提供して前記課題を解決する。
この発明によればより画質、画像濃度に優れたディスプレー材料を提供することができる。
請求項3の発明は、前記インクジェット記録材料の前記インク受容層が下記一般式(1)で表される樹脂であることを特徴とする請求項2に記載のディスプレー材料を提供して前記課題を解決する。
Figure 2006056100
[一般式(1)において、Xは活性水素基を2個有する有機化合物の残基であり、Rはジカルボン酸類化合物残基であり、Aは下記一般式(2)によって表される。]
Figure 2006056100
[一般式(2)において、Zは炭素数2以上の炭化水素基であり、a、b、cはそれぞれ1以上の整数であり、a、b、cより計算される質量比、{44(a+c)/(炭素数4以上のアルキレンオキシドの分子量)×b}は、80/20〜94/6である。また、各繰り返し単位a、cより計算される質量割合において、c/(a+c)が50質量%以上となるよう設定される。]
この発明によれば、インクジェット記録材料のインク吸収性を高めることができることから、さらに画像濃度の高いディスプレー材料とすることができる。
請求項4の発明は、前記インクジェット記録材料の基材層がポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスプレー材料を提供して前記課題を解決する。
この発明によれば、加工性に優れたディスプレー材料とすることができる。
請求項5の発明は、前記インクジェット記録材料の基材層がアクリルフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスプレー材料を提供して前記課題を解決する。
この発明によれば、耐候性に優れたディスプレー材料とすることができる。
請求項6の発明は、前記インクジェット記録材料の基材層の熱変形率が、40℃において1%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のディスプレー材料を提供して前記課題を解決する。
この発明よれば、インクジェット記録材料の積層時のずれを効果的に防止できるため、鮮鋭性に優れたディスプレー材料とすることができる。
請求項7の発明は、前記インクジェット記録材料の基材層に紫外線吸収剤を添加したことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスプレー材料を提供して前記課題を解決する。
この発明によれば、耐光性に優れたディスプレー材料とすることができる。
請求項8の発明は、前記インクジェット記録材料のインク受容層を構成する材料の融点が、80℃以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のディスプレー材料を提供して前記課題を解決する。
この発明によれば、加熱時のインクジェット記録材料の変形を防止できるため、積層時のずれを防止し、鮮鋭性に優れたディスプレー材料とすることができる。
本発明においては、インクジェット記録材料を積層することでインク濃度を高めるので、通常のインクジェットプリンタを用いた低コストかつ簡便な方法で、画像濃度に優れたディスプレー材料を提供することができる。また、本発明においては、粘着剤を使用した積層と違って、熱ラミネート前は積層部分が粘着性を有さないことから、記録材料を自由に動かすことができる。そのため、微妙な位置合わせが可能であり、積層によるずれの少ないディスプレー材料とすることができる。
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明のディスプレー材料に使用するインクジェット記録材料10の断面図である。インクジェット記録材料10は、図1のように、少なくとも基材層1とインク受容層2とが積層された構造をしている。インク受容層2にインクジェットプリンタで画像3が印刷されたインクジェット記録材料10は、複数枚重ねられて積層されることによりディスプレー材料100となる。
図2は、図1の印刷されたインクジェット記録材料10を使用して作成された、本発明のディスプレー材料100の断面図の例である。例えば、(A)のように同じ画像3が印刷された2枚のインクジェット記録材料をインク受容層2面で重ね合わせたり、あるいは(B)のように同じ向きに3枚重ね合わせたりしたものであってもよい。また、積層は単なる同じ画像3の積層に限らず、部分によって印刷されない箇所がある記録材料を積層してもよい。つまり、(C)のように2枚のインクジェット記録材料を使用した場合に、濃い色を欲する画像部位4には2枚とも同じ部位を印刷し、それよりも薄い色を欲する画像部位5には、1枚だけその部位を印刷したものを積層するようにすれば、濃度差をつけることができる。このように、各部位の所望の濃度によって、1枚のみの印刷、2枚の印刷、3枚の印刷・・・とした複数枚の記録材料を積層させることにより、1つのディスプレー材料の中でより精細に濃度の変化をつけることができる。また、インクジェット記録材料自体にホットメルト接着性がない場合には、例えば(D)のように、ホットメルト接着性のフィルム6を介してインクジェット記録材料を積層することにより、インクジェット記録材料同士を熱ラミネートさせることができる。ホットメルト接着性のフィルム6として使用される樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステルやロジン、ピネン系ポリマー及びそれらの混合体や誘導体、共重合体や変性体などが挙げられる。
画像を記録したインクジェット記録材料の積層は、熱ラミネートによって行われるが、熱ラミネートは、1枚ずつ重ねて熱をかけることにより、あるいは複数枚を重ねて一度に熱をかけることにより、行われる。熱ラミネートの温度は、インク受容層2に使用される樹脂にもよるが、通常60℃〜150℃で行われる。
以下、本発明のディスプレー材料に使用されるインクジェット記録材料について説明する。
<基材層1>
本発明のディスプレー材料に使用されるインクジェット記録材料の基材層1は、インクジェット記録材料を複数枚重ねた際に、基材層1越しにインク受容層2の画像を視認できるように透明であることが必要であるが、完全に透明である必要はなく、基材層1を通じて画像が認識でき、ディスプレー材料として使用に問題ない透過性を有していれば着色されていてもよい。また、基材層1は、熱ラミネートされる際の変形や積層される画像のずれを防止する観点から耐熱性を有することが好ましく、40℃における熱変形率が1%以下であることが好ましい。
基材層1として好ましく用いられる樹脂としては、加工性、耐候性等の点から、ポリエステル、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等が挙げられ、単一の樹脂でも、ブレンド樹脂であってもよい。加工性の点からは特にポリエステルが好ましく、耐候性の点からはアクリル系樹脂が特に好ましい。
また、基材層1には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を添加することができる。中でも、ディスプレー材として使用される際の耐光性を考慮すると、紫外線吸収剤を添加することが好ましい。好ましい紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系、酸化亜鉛、酸化セリウム等が挙げられ、その好ましい添加量は基材層1に対し、0.01〜2質量%である。
基材層1の厚みは、十分なコシ、剛性を得るという観点から25μm以上であるのが好ましく、熱ラミネート時の熱伝導性を考慮すると、100μm以下であるのが好ましい。
<インク受容層2>
本発明のディスプレー材料に使用されるインクジェット記録材料のインク受容層2は、一般に空隙型、あるいは膨潤型のインク受容層として使用されているものをそのまま使用することもできるが、インク受容層2がホットメルト接着性を有さない場合には、熱ラミネートにより積層する際にホットメルト接着性のフィルム6を介する必要があるため、本発明においては、インク受容層2は、インク受容層としてインク吸収能力を有するだけでなく、ホットメルト接着性も有するものであることが好ましい。そのような性能を有するインク受容層2にするためには、例えば、ホットメルト接着性を有する疎水性樹脂にナノポーラスシリカやメソポーラスシリカ等のシリカ類やアルミナなどのインクを吸収させるための多孔質の無機微粒子を添加したものや、ホットメルト接着性を有する疎水性樹脂とインクを吸収させるための親水性樹脂とのブレンド樹脂としたもの、あるいは、ホットメルト接着性を有する親水性樹脂を使用したもの、などとすることができる。
本発明においては、インク吸収とホットメルト接着の2つの機能を単独で実現できる樹脂として、下記一般式(1)で表される繰り返し単位から構成されるポリエチレンオキシド系の親水性樹脂をインク受容層2の樹脂として用いることが好ましい。
Figure 2006056100
一般式(1)において、Xは活性水素基を2個有する有機化合物の残基であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、アニリンプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。Rはジカルボン酸類化合物残基であり、例えば、環状ジカルボン酸化合物または直鎖状ジカルボン酸化合物が望ましく、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸の低級アルキルエステルが挙げられる。
上記ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、イタコン酸が挙げられる。上記ジカルボン酸無水物としては、上記各種ジカルボン酸の無水物が挙げられる。また、上記ジカルボン酸の低級アルキルエステルとしては、上記各種のジカルボン酸のメチルエステル、ジメチルエステル、エチルエステル、ジエチルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル等が挙げられる。特に好ましくは、炭素数12〜36の直鎖状ジカルボン酸およびその低級アルキルエステルが挙げられ、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,14−テトラデカメチレンジカルボン酸、1,18−オクタデカメチレンジカルボン酸、1,32−ドトリアコンタンメチレンジカルボン酸等が挙げられる。
上記の低級アルキルエステルとしては、これらジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル等が挙げられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。なかでも、反応の容易性という観点から、上記ジカルボン酸無水物およびジカルボン酸の低級アルキルエステルを用いることが好ましい。これらは単独で、または2種以上併用して用いることができる。
また、Aは下記一般式(2)によって表される。
Figure 2006056100
一般式(2)において、Zは炭素数2以上の炭化水素基であり、例えば好ましいものとしてはエチル基、プロピル基等のアルキル基が挙げられる。a、b、cはそれぞれ1以上の整数であり、a、b、cより計算される質量比、{44(a+c)/(炭素数4以上のアルキレンオキシドの分子量)×b}は、80/20〜94/6である。80/20より小さくても、前記親水性樹脂として使用することができるが、この場合は、親水性が低下したり、インク吸水性、印刷適性が劣るものとなったり等の問題が生じる。一方、94/6を超えても、前記親水性樹脂として使用することがきできるが、この場合は、インクの滲み耐水性等の点で劣るという問題が生じる。a、b、cの割合を上述の範囲内とすることにより、親水性を失わず、かつ水に対して不溶化することができる。また、各繰り返し単位a、cより計算される質量割合においては、c/(a+c)が50質量%以上となるよう設定される。
かかる親水性樹脂はエチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した後、アルキレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して生成したポリアルキレンオキシドにジカルボン酸化合物を反応させて生成することができる。
また、インク受容層2に使用されるホットメルト接着性を有する疎水性樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステルやロジン、ピネン系ポリマー及びそれらの混合体や誘導体、共重合体や変性体などが挙げられる。中でも接着性の点からは、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体が好ましく、また同様の点から酸変性ポリオレフィンなどの酸変性物も好ましく使用される。
インク受容層2に使用される親水性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリアルキレンオキシド、あるいはそれらの混合物等が挙げられる。
インク受容層2には、必要に応じて様々な添加剤を添加することができる。例えば、インクの吸収性を高めるために前述の多孔質の無機微粒子を含有させたり、インクの滲み特性や定着性を改良する目的で、ポリアリルアミン塩酸塩やポリアルキルアミノアクリレート等のカチオン性樹脂を添加することができる。さらに、インク受容層2にはこれら以外の添加物を添加してもよく、例えばトコフェロールやブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤や、シランカップリング剤などが挙げられる。
また、インク受容層2の厚みは、インク吸収性、積層時の接着性の点から5〜50μmであることが好ましい。
<インクジェット記録材料の製造方法>
本発明のディスプレー材料に使用されるインクジェット記録材料は、基材層1上にインク受容層2を塗布成形したり、あらかじめ成形した基材層1とインク受容層2とを熱により貼り合わせたりして作成することもできるが、基材層1なる樹脂フィルム上に、インク受容層2を押出し成形すると同時にラミネートする方法が、簡便かつ高品質な記録材料を作成できる方法として好ましく用いることができる。例えば、インク受容層2となる樹脂をT型マニホールドダイで溶融成形すると同時に、ニップロールで基材層1となるフィルムとラミネートをすることにより、インクジェット記録材料となる積層フィルムを得ることができる。
以下実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
<評価用サンプルの作成>
(実施例1)
エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオクタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加えエステル交換反応を行って、重量平均分子量15万の樹脂Aを得た。これに熱安定剤としてトコフェノール(BASF社製UVINUL2000AO)を1質量部添加したものを、T型マニホールドダイにて30μmに溶融成形し、成形と同時にニップロールにて基材層となる二軸延伸ポリエステルフィルムとラミネートすることにより、インクジェット記録材料を得た。
作成したインクジェット記録材料に、ヒューレットパッカード社製デザインジェット5500を用いて、イエロー100%、マゼンダ85%の混合色を、インク噴射量100%で3枚印刷した。印刷したインクジェット記録材料を、熱ラミネーター(ラミーコーポレーション社製ラミモンキー)を用いて70℃でラミネートを行い、インクジェット記録材料を3枚積層したディスプレー材料を作成した。
(実施例2)
ピクトリコ社製インクジェットメディアに、ヒューレットパッカード社製デザインジェット5500を用いて、イエロー100%、マゼンダ85%の混合色を、インク噴射量100%で3枚印刷した。印刷したインクジェット記録材料を、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量15〜40質量%、メルトインデックス300)フィルム(厚さ20μm)を介して、熱ラミネーター(ラミーコーポレーション社製ラミモンキー)を用いて70℃でラミネートを行い、インクジェット記録材料を3枚積層したディスプレー材料を作成した。
(実施例3)
実施例1において、基材層を紫外線吸収剤が添加されたアクリルフィルム(住友化学社製テクノロイS001)に代えた以外は、実施例1と全て同じ工程でディスプレー材料を作成した。
(比較例1)
実施例1において作成したインクジェット記録材料に、ヒューレットパッカード社製デザインジェット5500を用いて、イエロー100%、マゼンダ85%の混合色を、インク噴射量300%で1枚印刷したものをそのままディスプレー材料とした。
(比較例2)
ピクトリコ社製インクジェットメディアに、ヒューレットパッカード社製デザインジェット5500を用いて、イエロー100%、マゼンダ85%の混合色を、インク噴射量100%で3枚印刷した。これを、粘着材を介して3枚積層することにより、ディスプレー材料を作成した。
<サンプルの評価>
上記作成したサンプルを、印字品質、濃度および取り扱い性により評価した。各測定方法は以下のとおりである。結果を表1に示す。
(1)印字品質評価
各サンプルの印字品質について、目視にて官能評価を行った。印字品質が優れているものを○、印字品質が劣っており実用不可であるものを×とした。
(2)濃度
作成したサンプルを電飾版に貼り込み、色濃度を測定し、濃度が出ているものを○、濃度が足りないものを×とした。また、12ヶ月使用後の濃度についても同様に測定し、退色がほとんどみられないものを○、わずかに退色がみとめられるものを△、著しく退色しているものを×とした。
(3)取り扱い性
ディスプレーとしての設置時や、持ち運び時の取り扱い性について、取り扱いに問題のないものを○、やや取り扱いにくいものを△、厚すぎて設置や持ち運びがしにくいものを×とした。
(評価結果)
Figure 2006056100
表1から明らかなように、本発明のディスプレー材料は、印字品質、濃度、取り扱い性すべてにおいて実用に遜色のない性能を有していた。一方、1枚のインクジェット記録材料にインクの噴射量を増加させて印刷した比較例1は、インクの濃度が足りない上に、インクがひび割れをおこして印字品質も悪かった。粘着材を介してインクジェット記録材料を積層した比較例2は、濃度は足りているものの画像にずれがみられ、印字品質に劣っていた。また、粘着材によって厚みがふえ、取り扱い性にも劣っていた。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うディスプレー材料もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明のディスプレー材料に使用するインクジェット記録材料の断面図である。 本発明のディスプレー材料の断面図の例である。
符号の説明
1 基材層
2 インク受容層
3 画像
4 濃い色の画像部位
5 薄い色の画像部位
6 ホットメルト接着性のフィルム
10 インクジェット記録材料
100 ディスプレー材料

Claims (8)

  1. 少なくとも基材層とインク受容層とを有するインクジェット記録材料を2枚以上、熱ラミネートにより積層したことを特徴とするディスプレー材料。
  2. 前記インクジェット記録材料のインク受容層がホットメルト接着性を有することを特徴とする、請求項1に記載のディスプレー材料。
  3. 前記インクジェット記録材料の前記インク受容層が下記一般式(1)で表される樹脂であることを特徴とする、請求項2に記載のディスプレー材料。
    Figure 2006056100
    [一般式(1)において、Xは活性水素基を2個有する有機化合物の残基であり、Rはジカルボン酸類化合物残基であり、Aは下記一般式(2)によって表される。]
    Figure 2006056100
    [一般式(2)において、Zは炭素数2以上の炭化水素基であり、a、b、cはそれぞれ1以上の整数であり、a、b、cより計算される質量比、{44(a+c)/(炭素数4以上のアルキレンオキシドの分子量)×b}は、80/20〜94/6である。また、各繰り返し単位a、cより計算される質量割合において、c/(a+c)が50質量%以上となるよう設定される。]
  4. 前記インクジェット記録材料の基材層がポリエステルフィルムであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスプレー材料。
  5. 前記インクジェット記録材料の基材層がアクリルフィルムであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスプレー材料。
  6. 前記インクジェット記録材料の基材層の熱変形率が、40℃において1%以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のディスプレー材料。
  7. 前記インクジェット記録材料の基材層に紫外線吸収剤を添加したことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスプレー材料。
  8. 前記インクジェット記録材料のインク受容層を構成する材料の融点が、80℃以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のディスプレー材料。
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