JP2006054338A - 薄膜キャパシタ素子およびその製造方法 - Google Patents

薄膜キャパシタ素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 容量値の精度が高く品質も向上させやすい薄膜キャパシタ素子と、その製造方法を提供すること。
【解決手段】 薄膜キャパシタ素子10は、基板1上に形成された下部電極2と、下部電極2の所定領域上に積層された同一平面形状の誘電体層3および上部電極膜41と、これら下部電極2の一部と誘電体層3および上部電極膜41からなる積層体6の側端面6aを覆う位置に形成された枠状の絶縁樹脂層5と、上部電極膜41の表面を覆って基板1上へ延出形成された上部引出し電極40とを備えている。この薄膜キャパシタ素子10は、製造時に異方性エッチングにより積層体6の側端面6aを基板1と略直交する平坦面となしているので、カバレッジ不良部分を覆う絶縁樹脂層5が、下部電極2と上部電極膜41との間に介在せず、同電位な上部引出し電極40と上部電極膜41との間に介在している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、小型電子回路に用いられる薄膜キャパシタ素子と、その製造方法に関するものである。
一般的に薄膜キャパシタ素子は、アルミナ等からなる基板上に下部電極と誘電体層および上部電極を順次積層して概略構成されている。この種の薄膜キャパシタ素子では、下部電極と上部電極間のブレイクダウン電圧の低下や容量値のバラツキ等を極力抑えることによって、高い信頼性を確保することができる。そのため、従来より、誘電体層の周縁部を覆う枠状の絶縁樹脂層を設けてカバレッジ不良部分を覆い、この絶縁樹脂層の開口内に臨出する誘電体層上に上部電極を積層させるという構成の薄膜キャパシタ素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図8はかかる従来の薄膜キャパシタ素子を示す断面図であり、この薄膜キャパシタ素子は、アルミナからなる基板1上に順次積層された下部電極2と誘電体層3および上部電極4と、誘電体層3の周縁部と上部電極4との間に介設された絶縁樹脂層5とで全体が構成されている。下部電極2は、スパッタ法により薄膜形成された下地層2aと、この下地層2a上にメッキ法により薄膜形成された電極層2bとで構成されており、下地層2aは例えば0.1μm厚のTi層およびCu層からなり、電極層2bは例えば3μm厚のCu層と0.3μm厚のNi層とからなる。誘電体層3は下部電極2上とその周囲の基板1上にスパッタ法により薄膜形成された例えば0.3μm厚のSiO2層とからなり、下部電極2上から基板1上に至る段差部分では誘電体層3のカバレッジは悪くなる。上部電極4は、スパッタ法により薄膜形成された下地層4aと、この下地層4a上にメッキ法により薄膜形成された電極層4bとで構成されており、下地層4aは例えば0.1μm厚のTi層およびCu層からなり、電極層4bは例えば3μm厚のCu層と0.3μm厚のNi層とからなる。また、開口5aを有する絶縁樹脂層5はフォトレジストを感光することによって所望形状にパターニングしたものであり、この開口5a内で下部電極2と上部電極4が誘電体層3を介して対向している。
かかる従来の薄膜キャパシタ素子の製造方法について説明すると、まず、基板1上にスパッタ法によりTi/Cu層を成膜し、その上に所望形状のレジストパターンを形成した後、このTi/Cu層上に電解メッキ法によりCu/Ni層を成膜する。そして、レジストパターンを剥離した後、Cu/Ni層に覆われていないTi/Cu層をミリング法によりエッチングすることによって、下地層2aと電極層2bとからなる下部電極2を形成する。
次に、下部電極2上から基板1上に亘ってスパッタ法によりSiO2層を成膜し、このSiO2層をウェットエッチングすることにより誘電体層3を形成する。そして、この誘電体層3の上から全面にポジ型のフォトレジストをスピンコートした後、これを露光・現像して所望形状にパターニングすることによって、開口5aを有する絶縁樹脂層5を形成する。この絶縁樹脂層5のパターニング精度はフォトレジストを感光する際のマスク精度に依存する。
しかる後、絶縁樹脂層5の上から全面にスパッタ法によりTi/Cu層を成膜し、その上に所望形状のレジストパターンを形成した後、このTi/Cu層上に電解メッキ法によりCu/Ni層を成膜する。そして、レジストパターンを剥離した後、Cu/Ni層に覆われていないTi/Cu層をミリング法によりエッチングすることによって、下地層4aと電極層4bとからなる上部電極4を形成する。
上述した従来の薄膜キャパシタ素子は、カバレッジ不良部分を含めて誘電体層3の周縁部が絶縁樹脂層5によって覆われているため、誘電体層3のカバレッジ不良に起因するブレイクダウン電圧の低下を防止することができる。また、絶縁樹脂層5の開口5aを高精度に形成することができ、この開口5aが容量値をほぼ規定することになるので、下部電極2と上部電極4の大きさや位置合わせ精度に拘らず容量値のバラツキを低減することができる。
特開2002−25854(第3−4頁、図2)
ところで、上述した従来の薄膜キャパシタ素子では、絶縁樹脂層5の開口5aを高精度に形成することによって容量値のバラツキを低減してはいるものの、下部電極2と上部電極4とが重なり合っている領域の周縁部において、両電極2,4間に絶縁樹脂層5が介在しているため、該周縁部の負荷電圧が不所望に増大してリーク電流やQ値等の特性に悪影響を及ぼしたり、容量値を高精度に規定しにくいといった問題があった。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、容量値の精度が高く品質も向上させやすい薄膜キャパシタ素子を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、そのような薄膜キャパシタ素子の製造方法を提供することにある。
上述した第1の目的を達成するため、本発明による薄膜キャパシタ素子では、基板上に形成された下部電極と、該下部電極の所定領域上に順次積層された同一平面形状の誘電体層および上部電極膜と、これら下部電極の一部と誘電体層および上部電極膜からなる積層体の側端面を覆う位置に形成されて前記上部電極膜を臨出させる開口を有する絶縁樹脂層と、前記上部電極膜の表面を覆って前記基板上へ延出形成された上部引出し電極とを備え、前記積層体の前記側端面を前記基板と略直交する平坦面となした。
このように構成された薄膜キャパシタ素子は、前記積層体がキャパシタとして動作する部位となるが、この積層体の側端面(カバレッジ不良部分)を覆う絶縁樹脂層は下部電極と上部電極膜との間には介在していない。また、上部引出し電極は上部電極膜と同電位なため、両者間に介在する絶縁樹脂層に負荷電圧が印加されることもない。したがって、下部電極と上部電極膜とが重なり合っている動作領域の周縁部で負荷電圧が不所望に増大する虞がなくなって、容量値を高精度に規定することができると共に、リーク電流やQ値等の特性が改善する。
かかる構成の薄膜キャパシタ素子は、前記絶縁樹脂層の前記開口を前記上部電極膜の周縁と略合致させるようにしてもよいが、絶縁樹脂層が上部電極膜の周縁部をある程度覆う構成にしてあると、絶縁樹脂層の位置精度が若干低くても品質に影響を及ぼさなくなるため、絶縁樹脂層の製造工程が簡素化できて好ましい。
また、かかる構成の薄膜キャパシタ素子において、前記下部電極が、前記基板上に形成された下部引出し電極と、該下部引出し電極上の前記所定領域に形成されて前記誘電体層および前記上部電極膜と同一平面形状の下部電極膜とからなる場合、前記積層体は下部引出し電極上の一部に下部電極膜と誘電体層および上部電極膜とを順次積層して構成されることになる。
また、上述した第2の目的を達成するため、本発明による薄膜キャパシタ素子の製造方法では、基板上に下部電極をパターニング形成した後、少なくとも前記下部電極の所定領域を覆う誘電体層材料を成膜する誘電体層成膜工程と、前記誘電体層成膜工程後に、前記誘電体層材料の上に上部電極膜材料を成膜する上部電極膜成膜工程と、前記上部電極膜成膜工程後に、前記所定領域に対応する前記上部電極膜材料の上にレジストマスクを形成するマスク形成工程と、前記マスク形成工程後に、前記レジストマスクに覆われていない少なくとも前記上部電極膜材料および前記誘電体層材料を異方性エッチングにより除去して、前記レジストマスクに覆われた上部電極膜および誘電体層を形成するエッチング工程と、前記エッチング工程後に、前記レジストマスクを剥離してから、前記下部電極の一部と前記誘電体層と前記上部電極膜とからなる積層体の側端面を覆う位置に絶縁樹脂層を形成する絶縁層形成工程と、前記絶縁層形成工程後に、前記上部電極膜上から前記基板上に亘って上部引出し電極を形成する引出し電極形成工程とを含み、前記積層体の前記側端面を前記基板と略直交する平坦面となした。
このように下部電極の所定領域を覆う誘電体層材料と上部電極膜材料を順次成膜した後に、該所定領域に対応する上部電極膜材料の上にレジストマスクを形成してから異方性エッチングを行えば、レジストマスクに覆われていない上部電極膜材料および誘電体層材料を同一工程で除去して前記積層体の側端面を基板と略直交する平坦面となすことができる。そして、この積層体の側端面を覆う位置に絶縁樹脂層を形成することにより、カバレッジ不良部分を絶縁樹脂層で覆ってブレイクダウン電圧の低下が防止できると共に、下部電極と上部電極膜との間に絶縁樹脂層を介在させない構成が実現できる。さらに、その後に形成される上部引出し電極は上部電極膜と同電位なため、両者間に介在する絶縁樹脂層に負荷電圧が印加されることもない。したがって、こうして製造された薄膜キャパシタ素子は、下部電極と上部電極膜とが重なり合う動作領域の周縁部で負荷電圧が不所望に増大する虞がなくなって、容量値を高精度に規定することができると共に、リーク電流やQ値等の特性が改善する。
かかる薄膜キャパシタ素子の製造方法では、例えば、前記上部電極膜の主成分がTaであると共に、前記誘電体層の主成分がSiO2であり、かつ、前記エッチング工程で使用する反応性ガスがCF4であれば、前記異方性エッチングを効率よく行うことができる。
また、かかる薄膜キャパシタ素子の製造方法において、前記下部電極の構成要素である下部引出し電極を前記基板上にパターニングし、さらに前記下部引出し電極上から前記基板上に亘って下部電極膜材料を成膜した後に、前記誘電体層成膜工程を行って前記下部電極膜材料の上に前記誘電体層材料を成膜すると共に、前記エッチング工程で、前記レジストマスクに覆われていない前記上部電極膜材料と前記誘電体層材料および前記下部電極膜材料を除去することにより、前記レジストマスクに覆われた上部電極膜と誘電体層および下部電極膜を形成するようにしてもよい。この場合、前記積層体は下部引出し電極上の一部に下部電極膜と誘電体層および上部電極膜を順次積層した構成になる。この場合、例えば、上部電極膜と下部電極膜の主成分がTaであると共に、誘電体層の主成分がSiO2であり、かつ、エッチング工程で使用する反応性ガスがCF4であれば、前記異方性エッチングを効率よく行うことができる。
本発明による薄膜キャパシタ素子は、カバレッジ不良部分を覆う絶縁樹脂層が下部電極と上部電極膜との間に介在しておらず、かつ、上部引出し電極が上部電極膜と同電位なため、両者間に介在する絶縁樹脂層に負荷電圧が印加されることもない。したがって、この薄膜キャパシタ素子は、下部電極と上部電極膜とが重なり合う動作領域の周縁部で負荷電圧が不所望に増大する虞がなくなって、容量値を高精度に規定することができると共に、リーク電流やQ値等の特性が改善して品質の向上が期待できる。
また、本発明による薄膜キャパシタ素子の製造方法は、下部電極の所定領域を覆う誘電体層材料と上部電極膜材料を順次成膜した後に、該所定領域に対応する上部電極膜材料の上にレジストマスクを形成してから異方性エッチングを行うことにより、レジストマスクに覆われていない上部電極膜材料および誘電体層材料を同一工程で除去して積層体の側端面を基板と略直交する平坦面となすことができる。そして、このエッチング工程後、カバレッジ不良部分である該積層体の側端面を覆う絶縁樹脂層を形成してから上部引出し電極を形成するが、絶縁樹脂層が下部電極と上部電極膜との間に介在せず、かつ、上部引出し電極が上部電極膜と同電位になるため、両者間に介在する絶縁樹脂層に負荷電圧が印加されることもない。したがって、こうして製造された薄膜キャパシタ素子は、下部電極と上部電極膜とが重なり合う動作領域の周縁部で負荷電圧が不所望に増大する虞がなくなって、容量値を高精度に規定することができると共に、リーク電流やQ値等の特性が改善して品質の向上が期待できる。
発明の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係る薄膜キャパシタ素子の平面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は図1のB−B線に沿う断面図、図4と図5は該薄膜キャパシタ素子の製造工程を示す説明図であり、従来技術の説明で用いた図8と対応する部分には同一符号が付してある。
図1〜図3に示すように、本実施形態例に係る薄膜キャパシタ素子10は、基板1上に順次積層された下部電極2、誘電体層3、上部電極膜41、絶縁樹脂層5および上部引出し電極40とで全体が構成されており、上部電極膜41および上部引出し電極40が上部電極4として機能する。また、下部電極2のうち上部電極4と対向する部分の平面形状は、そこに積層される誘電体層3および上部電極膜41と同じであって、これら下部電極2と誘電体層3および上部電極膜41からなる積層体6の側端面6aは基板1と略直交する平坦面となっている。そして、上部電極膜41を臨出させる開口5aを有する絶縁樹脂層5が、この積層体6の側端面6aを覆っていると共に、上部引出し電極40が開口5a内の上部電極膜41の表面を覆って基板1上へ延出形成されている。
基板1はアルミナ基板からなり、この基板1上に下部電極2が薄膜形成されている。下部電極2は、スパッタ法により形成された約0.2μm厚のTi/Cu層からなる下地層2aと、この下地層2a上にメッキ法により形成された約3.6μm厚のCu/NiP層からなる電極層2bとで構成されている。誘電体層3はスパッタ法により形成された約0.5μm厚のSiO2層からなり、下部電極2の一部(積層体6に相当する部分)の表面に薄膜形成されている。上部電極膜41はスパッタ法により形成された約0.1μm厚のTa層からなり、誘電体層3の表面に薄膜形成されている。絶縁樹脂層5はフォトレジストを感光することによって、上部電極膜41の周縁部から積層体6の側端面6aを覆う位置に枠状に形成されており、この絶縁樹脂層5に包囲された開口5a内に上部電極膜41が臨出している。上部引出し電極40は、スパッタ法により形成された約0.2μm厚のTi/Cu層からなる下地層4aと、この下地層4a上にメッキ法により形成された約4.4μm厚のCu/NiP層からなる電極層4bとで構成されている。
このように構成された薄膜キャパシタ素子10は、下部電極2の一部と誘電体層3および上部電極膜41からなる積層体6がキャパシタとして動作する部位となる。積層体6の各側端面6aは後述する異方性エッチングを行うことにより基板1と略直交する平坦面となっており、これらの側端面6aは全周に亘って絶縁樹脂層5に覆われている。なお、絶縁樹脂層5は下部電極2と上部電極膜41との間に介在しておらず、また、上部引出し電極40は上部電極膜41と同電位なため、これら上部引出し電極40と上部電極膜41間に介在する絶縁樹脂層5に負荷電圧が印加されることもない。したがって、この薄膜キャパシタ素子10は、下部電極2と上部電極膜41とが重なり合っている動作領域の周縁部で負荷電圧が不所望に増大する虞がなくなって、容量値を高精度に規定することができると共に、リーク電流やQ値等の特性が改善する。また、積層体6のカバレッジ不良部分である側端面6aが絶縁樹脂層5に覆われているため、この薄膜キャパシタ素子10はカバレッジ不良に起因するブレイクダウン電圧の低下を確実に防止することができる。また、この薄膜キャパシタ素子10では、絶縁樹脂層5が上部電極膜41の周縁部をある程度覆う構成にしてあるため、絶縁樹脂層5の位置精度が若干低くても品質に影響を及ぼさず、よって絶縁樹脂層5の製造工程が簡素化できる。ただし、絶縁樹脂層5の開口5aを上部電極膜41の周縁と略合致させる構成にしてもよい。
次に、このように構成された薄膜キャパシタ素子10の製造工程について、主に図4と図5を用いて説明する。
まず、下部電極形成工程として、図4(a)に示すように、基板1上に下地層2aとなるTi層とCu層をスパッタ法により順次成膜した後、このTi/Cu層上にポジ型のフォトレジストをスピンコートし、これを露光して現像することにより、図4(b)に示すように所望形状のレジストパターン7を形成する。次いで、図4(c)に示すように、Ti/Cu層上に電解メッキ法により3μm厚のCu層と0.6μm厚のNiP層を順次成膜した後、図4(d)に示すようにレジストパターン7を剥離することによってCu/NiP層からなる電極層2bを形成する。しかる後、ドライエッチング(ミリング法)によりTi/Cu層をエッチングすることによって、図4(e)に示すように、基板1上に下地層2aおよび電極層2bからなる下部電極2を得る。
次に、誘電体層成膜工程として図4(f)に示すように、下部電極2上から基板1上に亘る全面にスパッタ法により0.5μm厚のSiO2層を成膜する。さらに、上部電極膜成膜工程として図4(g)に示すように、該SiO2層上の全面にスパッタ法により0.1μm厚のTa層を成膜する。この後、マスク形成工程として図4(h)に示すように、ポジ型のフォトレジストを用いて該Ta層上の所定位置にエッチング保護用のレジストマスク8を形成する。前記積層体6の平面的な大きさと形成位置は、このレジストマスク8によって規定される。
次に、エッチング工程として図4(i)に示すように、レジストマスク8に覆われていない前記Ta層と前記SiO2層を異方性エッチングによって除去することにより、下部電極2の所定領域上に誘電体層3と上部電極膜41を積層してなる積層体6が得られる。この異方性エッチングは、RIE(Reactive Ion Etching)と称されるドライエッチングによって行い、真空チャンバー内に導入する反応性ガスとしてはCF4を用いる。これにより、レジストマスク8に覆われていないTa層やSiO2層を、基板1と直交する方向に加速されたイオンや活性種によって効率よく除去することができるため、積層体6の側端面6aは基板1と直交する平坦な面に形成される。
次に、図5(a)に示すようにレジストマスク8を剥離した後、絶縁層形成工程として、まず図5(b)に示すように上部電極膜41上やその周囲の全面にフォトレジストをスピンコートし、これを露光して現像することにより所望形状にパターニングして、図5(c)に示すように開口5aを有する枠状の絶縁樹脂層5を形成する。この絶縁樹脂層5は、上部電極膜41の周縁部と重なり合った状態で積層体6の側端面6aを全周に亘って覆っている。
次に、引出し電極形成工程として、まず図5(d)に示すように上部電極膜41上やその周囲の全面に下地層4aとなるTi層とCu層をスパッタ法により順次成膜した後、このTi/Cu層上にポジ型のフォトレジストをスピンコートし、これを露光して現像することにより、図5(e)に示すように所望形状のレジストパターン9を形成する。次いで、図5(f)に示すように、Ti/Cu層上に電解メッキ法により4μm厚のCu層と0.4μm厚のNiP層を順次成膜した後、図5(g)に示すようにレジストパターン9を剥離することによってCu/NiP層からなる電極層4bを形成する。しかる後、ドライエッチング(ミリング法)によりTi/Cu層をエッチングすることによって、下地層4aおよび電極層4bからなる上部引出し電極40が得られるため、図1〜図3に示すような薄膜キャパシタ素子10が完成する。
このようにして製造される薄膜キャパシタ素子10では、誘電体層成膜工程と上部電極膜成膜工程の後にレジストマスク8を形成してから異方性エッチングを行うことにより、レジストマスク8に覆われていないTa層(上部電極膜材料)およびSiO2層(誘電体層材料)を同一工程で除去して、積層体6の側端面6aを基板1と直交する平坦面となすことができる。そして、この積層体6の側端面6aを覆う位置に絶縁樹脂層5を形成することにより、カバレッジ不良部分を絶縁樹脂層5で覆ってブレイクダウン電圧の低下が防止できると共に、下部電極2と上部電極膜41との間に絶縁樹脂層5を介在させない構成が実現できる。さらに、その後に形成される上部引出し電極40は上部電極膜41と同電位なため、両者40,41間に介在する絶縁樹脂層5に負荷電圧が印加されることもない。したがって、こうして製造された薄膜キャパシタ素子10は、下部電極2と上部電極膜41とが重なり合う動作領域の周縁部で負荷電圧が不所望に増大する虞がなくなって、容量値を高精度に規定することができると共に、リーク電流やQ値等の特性が改善する。
図6は本発明の他の実施形態例に係る薄膜キャパシタ素子の断面図、図7は該薄膜キャパシタ素子の製造工程を示す説明図であり、図1〜図5と対応する部分には同一符号を付してあるため重複する説明は省略する。
図6に示す薄膜キャパシタ素子11が前述した薄膜キャパシタ素子10と相違する点は、下部電極2のうち誘電体層3を介して上部電極膜41と対向する領域に下部電極膜21を設けたことにある。つまり、本実施形態例に係る薄膜キャパシタ素子11の下部電極2は、基板1上に形成された下地層2aおよび電極層2bからなる下部引出し電極20と、下部引出し電極20上の所定領域に形成されて誘電体層3および上部電極膜41と同一平面形状の下部電極膜21とによって構成されており、下部電極膜21は上部電極膜41と同様に約0.1μm厚のTa層からなる。このように薄膜キャパシタ素子11の動作領域において、同じ材料からなる下部電極膜21と上部電極膜41が誘電体層3を介して対向配置されていると、両電極膜21,41間に発生する電界が基板1に対して直交する向きに揃いやすくなるため、動作領域の周縁部で発生する電界の漏れを抑制する効果が高まる。
また、このような薄膜キャパシタ素子11を製造する場合、まず、前記実施形態例における図4(a)〜(e)の工程と同様の手順で、基板1上に下地層2aおよび電極層2bからなる下部引出し電極20をパターニングする。次に、図7(a)に示すように、下部引出し電極20上とその周囲の全面に、スパッタ法により0.1μm厚のTa層(下部電極膜材料)を成膜する。この後、図7(b)に示すように、該Ta層上の全面にスパッタ法により0.5μm厚のSiO2層(誘電体層材料)を成膜し、さらに図7(c)に示すように、該SiO2層上の全面にスパッタ法により0.1μm厚のTa層(上部電極膜材料)を成膜する。そして、図7(d)に示すように該Ta層(上部電極膜材料)上の所定位置にエッチング保護用のレジストマスク8を形成した後、図7(e)に示すように、レジストマスク8に覆われていない両Ta層およびSiO2層を異方性エッチングによって除去することにより、レジストマスク8に覆われた上部電極膜41と誘電体層3および下部電極膜21を形成することができる。この場合も、異方性エッチングはRIEと称されるドライエッチングによって行い、反応性ガスとしてはCF4を用いることにより、不要領域の両Ta層およびSiO2層を同一工程で効率よく除去することができると共に、積層体6の側端面6aを基板1と直交する平坦面となすことができる。
本発明の実施形態例に係る薄膜キャパシタ素子の平面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1のB−B線に沿う断面図である。 該薄膜キャパシタ素子の製造工程を示す説明図である。 該薄膜キャパシタ素子の製造工程を示す説明図である。 本発明の他の実施形態例に係る薄膜キャパシタ素子の断面図である。 該薄膜キャパシタ素子の製造工程を示す説明図である。 従来例に係る薄膜キャパシタ素子の断面図である。
符号の説明
1 基板
2 下部電極
2a 下地層
2b 電極層
3 誘電体層
4 上部電極
5 絶縁樹脂層
5a 開口
6 積層体
6a 側端面
8 レジストマスク
10,11 薄膜キャパシタ素子
20 下部引出し電極
21 下部電極膜
40 上部引出し電極
41 上部電極膜

Claims (7)

  1. 基板上に形成された下部電極と、該下部電極の所定領域上に順次積層された同一平面形状の誘電体層および上部電極膜と、これら下部電極の一部と誘電体層および上部電極膜からなる積層体の側端面を覆う位置に形成されて前記上部電極膜を臨出させる開口を有する絶縁樹脂層と、前記上部電極膜の表面を覆って前記基板上へ延出形成された上部引出し電極とを備え、前記積層体の前記側端面を前記基板と略直交する平坦面となしたことを特徴とする薄膜キャパシタ素子。
  2. 請求項1の記載において、前記絶縁樹脂層が前記上部電極膜の周縁部を覆っていることを特徴とする薄膜キャパシタ素子。
  3. 請求項1または2の記載において、前記下部電極は、前記基板上に形成された下部引出し電極と、該下部引出し電極上の前記所定領域に形成されて前記誘電体層および前記上部電極膜と同一平面形状の下部電極膜とからなることを特徴とする薄膜キャパシタ素子。
  4. 基板上に下部電極をパターニング形成した後、少なくとも前記下部電極の所定領域を覆う誘電体層材料を成膜する誘電体層成膜工程と、
    前記誘電体層成膜工程後に、前記誘電体層材料の上に上部電極膜材料を成膜する上部電極膜成膜工程と、
    前記上部電極膜成膜工程後に、前記所定領域に対応する前記上部電極膜材料の上にレジストマスクを形成するマスク形成工程と、
    前記マスク形成工程後に、前記レジストマスクに覆われていない少なくとも前記上部電極膜材料および前記誘電体層材料を異方性エッチングにより除去して、前記レジストマスクに覆われた上部電極膜および誘電体層を形成するエッチング工程と、
    前記エッチング工程後に、前記レジストマスクを剥離してから、前記下部電極の一部と前記誘電体層と前記上部電極膜とからなる積層体の側端面を覆う位置に絶縁樹脂層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記絶縁層形成工程後に、前記上部電極膜上から前記基板上に亘って上部引出し電極を形成する引出し電極形成工程とを含み、
    前記積層体の前記側端面を前記基板と略直交する平坦面となしたことを特徴とする薄膜キャパシタ素子の製造方法。
  5. 請求項4の記載において、前記上部電極膜の主成分がTaであると共に、前記誘電体層の主成分がSiO2であり、かつ、前記エッチング工程で使用する反応性ガスがCF4であることを特徴とする薄膜キャパシタ素子の製造方法。
  6. 請求項4の記載において、前記下部電極の構成要素である下部引出し電極を前記基板上にパターニングし、さらに前記下部引出し電極上から前記基板上に亘って下部電極膜材料を成膜した後に、前記誘電体層成膜工程を行って前記下部電極膜材料の上に前記誘電体層材料を成膜すると共に、前記エッチング工程で、前記レジストマスクに覆われていない前記上部電極膜材料と前記誘電体層材料および前記下部電極膜材料を除去することにより、前記レジストマスクに覆われた上部電極膜と誘電体層および下部電極膜を形成するようにしたことを特徴とする薄膜キャパシタ素子の製造方法。
  7. 請求項6の記載において、前記上部電極膜と前記下部電極膜の主成分がTaであると共に、前記誘電体層の主成分がSiO2であり、かつ、前記エッチング工程で使用する反応性ガスがCF4であることを特徴とする薄膜キャパシタ素子の製造方法。
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