JP2006053789A - 多軸数値制御装置用のncポストプロセッサ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 多軸制御NC加工機(50)に対応した工具先端位置ベクトルと工具主軸方向ベクトルからなるCLデータ(20)と、前記加工機の第1回転軸と第2回転軸および初期主軸方向、第1/2回転軸の軸偏差、送り速度からなる加工機構成(20)とを入力し(110)、前記CLデータを前記加工機を数値制御するNCデータに変換するNCポストプロセッサ装置30において、前記工具先端位置の各点における前記工具主軸方向ベクトルが前記第2回転軸と一致するか否か判断し、一致する場合は前記第2回転軸と一致しない周辺の点における角度を取り出して曲線補間して当該点における角度を作成する処理(123,124)を含んで構成したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
ステップ1:CAMシステムで計算した工具先端位置ベクトルと工具主軸方向ベクトル(工具姿勢)、加工機構成、送り速度を読み取る。
ステップ2:工具主軸方向ベクトルと加工機構成とから、工作機械上でCLデータと同じ工具姿勢をとるように、機械座標の軸周りの工具の角度を作成する。
ステップ3:工具先端位置ベクトルと工具の角度とから機械座標を作成する。
ステップ4:機械座標の軌跡と工具先端位置ベクトルの軌跡を比較し、差を小さくする(リニアライゼーション)。
ステップ5:機械座標の軌跡と工具先端位置ベクトルの軌跡から、機械座標の送り速度(例えば、一定速度)を作成する。
ステップ6:加工機構成から数値制御装置の種類を取り出し、数値制御装置の指令フォーマットに従ってNCデータへ変換する。
(CLデータ・加工機構成読取手段110)
CLデータ・加工機構成読取手段110は、CLデータファイル20から工具先端位置ベクトル(X,Y,Z)と工具主軸方向ベクトル(I,J,K)からなるCLデータと、第1回転軸、第2回転軸、初期主軸方向、軸ずれ量、送り速度からなる加工機構成のデータを読取るようになっている。
(角度変換手段120)
角度変換手段120は、加工機構成に基づいて工具主軸方向ベクトル(I,J,K)から第1回転軸の角度と第2回転軸の角度を求める。
(角度変換手順列作成手段121)
最初に、角度変換手順列作成手段121は、角度変換手順を文字列で作成する。図2に、第1回転軸をB軸、第2回転軸をA軸としたときの工作機械種類と角度変換、機械座標変換の一般化座標変換式および対応する変換文字列の対応関係を示す。例えば、角度変換手順列作成手段121は、第1回転軸をB軸、第2回転軸をA軸としたとき、(RAL)(MA)(RAR)(RBL)(MB)(RBR)(TV)という文字列220を作成する。
(各変換行列・角度の初期設定手段122)
次に、各変換行列・角度の初期設定手段122は、各変換行列や角度を初期化する。図8に、この初期化処理のフローチャートを示す。ステップ810の回転行列初期化処理は、回転行列MA,MB,MCの角度A,B,Cをいずれも0に設定する。ステップ820の各軸中心ずれ行列初期化処理は、各軸中心ずれ行列RAL,RAR,RBL,RBR,RCL,RCRの初期化処理を、次のように設定する。まず、角度変換手順(例えば、文字列220)中から区切り文字“(”と“)”で囲まれた各軸中心のずれ行列およびずれ戻し行列を表す文字列(RAL,RAR,RBL,RBR,RCL,RCR)の有無を判別する。次いで、加工機構成の軸ずれ量から読み取った値((tAY,tAZ),(tBX,tBZ),(tCX,tCY))を数6、数8、数10に従い、4×4の行列で設定する。加工機構成を示す文字列中に、加工機構成の軸ずれ量が無い場合は、ずれ成分を0に設定する。
(第2回転軸不一致時の最短角度作成手段123)
本発明の特徴に係る第2回転軸不一致時の最短角度作成手段123について詳細に説明する。最短角度作成手段123は、第2回転軸と工具主軸方向ベクトルが同一方向あるいは反対方向かを判別し、同一方向あるいは反対方向にならない場合の角度を作成する。ここで、第2回転軸と工具主軸方向ベクトルが同一方向あるいは反対方向にならないとは、第2回転軸と工具主軸方向ベクトルとが不一致の場合である。
ここで、本発明の特徴の1つである0割りを避けるための処理について、図10に示したフローチャートに基づいて説明する。まず、図9のステップ920、922の処理において0割りが発生すると角度の特異値が作成され、鋸刃状、尖点あるいは不自然な凹凸が表れることになる。そこで、このような0割りを避けるため、ステップ920の近似工具主軸方向ベクトルVIを作成した後、ステップ1012において、I番目の近似工具主軸方向ベクトルVIから(I−1)番目の近似工具主軸方向ベクトルVI−1を引いて差ベクトルc=VI―VI−1を作成する。次いで、ステップ1014において、更新量δαを作成する際の0割りを避けるため、近似工具主軸方向ベクトルを角度αで偏微分したベクトルaと差ベクトルcの内積a・cが0に近いか否かの判定Aを実行する。この判定Aの結果、ベクトルの内積a・cが0に近い場合は、ステップ1016に進んで、0割りを避けるためにδα=0.01に設定する。
(第2回転軸一致時の最短角度作成手段124)
ここで、図1に戻って、本発明の他の特徴に係る第2回転軸一致時の最短角度作成手段124について説明する。この手段124は、第2回転軸と工具主軸方向ベクトルが同一方向あるいは反対方向かを判別し、同一方向あるいは反対方向になる場合の角度を作成する。つまり、5軸制御加工機の場合、工具主軸方向ベクトルは工具軸(回転軸)に相当するから、工具姿勢を規定する第2回転軸が工具主軸方向ベクトルに一致する場合は無意味である。
さらに、ステップ1320〜1330の処理で表れる0割りを避けるための処理の実施形態を、図14のフローチャートに示す。図示のように、図11のステップ1322で角度曲線上の点作成処理を実行し、次のステップ1324でステップ1322で近似工具主軸方向ベクトルを求めると共に、近似工具主軸方向ベクトルの微分ベクトルa、bを計算した後、ステップ1430の偏差作成処理にて、目的とする工具主軸方向ベクトルと近似工具主軸方向ベクトルの差ベクトルc、角度曲線のパラメータtによる微分ベクトルdを作成する。次に、ステップ1440の判定Aにより、δtを作成する場合の0割りを避けるため、ベクトルの内積d・dが0に近い場合は、ステップ1460で角度(α、β)を1つ前の角度(α、β)に設定して処理を終了する。一方、ベクトルの内積d・dが0とみなせないときは、ステップ1450で初期パラメータtの更新量δt=d・c/d・dを更新する。次いで、図11と同様に、ステップ1328に進んで、収束判定を実行する。このようにして、δtを作成する場合の0割りを避けることができることから、ステップ1430〜1460の処理を行うことで、安定に角度(α、β)を求めることができる。
(角度補正手段125)
図1に戻って、本発明の他の特徴である角度補正手段125について説明する。角度補正手段125は、各手段121〜124で作成した角度の間隔や方向を確認して必要な角度補正をする。この角度補正の第1の補正手順を図17を参照して説明する。同図は、αを角度とした第1回転軸1701、βを角度とした第2回転軸1702に、各手段121〜124で作成した角度を順番に繋いだ角度曲線1712を描画している。ここで、黒丸印1711は角度曲線の頂点であり、白丸印1721および1722は角度間隔が2πラジアンより大きい場合の角度曲線の頂点を示す。
(機械座標変換手段130)
図1の機械座標変換手段130は、角度変換手段120で作成した角度、CLデータの工具先端位置ベクトル、加工機構成を用いて、従来の手法により機械座標を作成する。
(機械座標変換手順列作成手段131)
まず、機械座標変換手順列作成手段131で機械座標変換手順を文字列で作成する。図2に、第1回転軸がB軸、第2回転軸がA軸としたときの工作機械種類と角度変換、機械座標変換の一般化座標変換式および対応する変換文字列の対応関係を示す。機械座標変換手順列作成手段131は、第1回転軸がB軸、第2回転軸がA軸としたときに、
・工作機械種類が工作物旋回形のとき、
(RAL)(MA)(RAR)(RBL)(MB)(RBR)(MXYZ)(TXYZ)の文字列230、
・工作機械種類が工具旋回形のとき、
(MXYZ)(RAL)(MA)(RAR)(RBL)(MB)(RBR)(TXYZ)の文字列240、
・工作機械種類が工具・工作物両旋回形のとき、
(RAL)(MA)(RAR)(MXYZ)(RBL)(MB)(RBR)(TXYZ)の文字列250、を作成する。
(各変換行列の初期設定手段132)
また、各変換行列の初期設定手段132は、各変換行列を初期化する。なお、回転角度に関連する行列は初期化しない。この初期化は、回転角度に関連する行列を初期化しないことを除き、各変換行列・角度の初期設定手段122と同様である。
(最短機械座標作成処理133)
さらに、最短機械座標作成処理133は、角度変換手段120で作成した角度、CLデータの工具先端位置ベクトルから機械座標変換手順文字列に従って機械座標を求める。
・機械座標行列:
図16に、ステップ1516〜1522の処理で、0割りを避けるための処理の一例のフローチャートを示す。ステップ1516の近似工具先端位置ベクトル作成を実行後、ステップ1612で目的工具先端位置ベクトルと近似工具先端位置ベクトルの偏差である差ベクトルdを作成する。次いで、ステップ1614の判定Aを実行する。判定Aは、更新量δMXを作成する場合の0割りを避けるため、ベクトルの内積a・aが0に近い場合、ステップ1618で更新量δMXを0に設定する。また、判定Aでベクトルの内積a・aが十分大きいときは、ステップ1616でδMX=a・d/a・aに設定する。
(NCデータ変換手段140)
図1のNCデータ変換手段140は、手段110〜130で求めた角度や機械座標を数値制御装置40が解釈可能な文字列で構成されるNCデータに変換し、NCデータ伝送手段150でNC制御装置に送付する。
110 CLデータ・加工機構成読取手段
120 角度変換手段
121 角度変換手順列作成手段
122 各変換行列・角度の初期設定手段
123 第2回転軸不一致時の最短角度作成手段
124 第2回転軸一致時の最短角度作成手段
125 角度補正手段
130 機械座標変換手段
131 機械座標変換手順列作成手段
132 各変換行列の初期設定手段
133 最短機械座標作成手段
140 NCデータ変換手段
150 NCデータ伝送手段
Claims (5)
- 多軸制御NC加工機に対応した工具先端位置ベクトルと工具主軸方向ベクトルからなるCLデータと、前記加工機の第1回転軸と第2回転軸および初期主軸方向、第1/2回転軸の軸偏差、送り速度からなる加工機構成とを入力し、前記CLデータを前記加工機を数値制御するNCデータに変換するNCポストプロセッサ装置において、前記工具先端位置の各点における前記工具主軸方向ベクトルが前記第2回転軸と一致するか否か判断し、一致する場合は前記第2回転軸と一致しない周辺の点における角度を取り出して曲線補間して当該点における角度を作成する処理を含むことを特徴とするNCポストプロセッサ装置。
- 前記曲線補間は、前記第2回転軸と一致しない周辺の点における角度に基づいて角度曲線を作成し、該作成した角度曲線と該角度曲線を両端で延長した角度曲線の少なくとも一方に基づいて、第2回転軸と工具主軸方向ベクトルが一致する点の角度を求めることを特徴とする請求項1に記載のNCポストプロセッサ装置。
- 前記工具先端位置の各点における前記工具主軸方向ベクトルについて求めた角度の間隔が2πラジアン以上の部位を検出し、該部位の角度の間隔を2πラジアン以下に補正する第1の補正と、角度が反転する部位を検出して反転を解消するように補正する第2の補正を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のNCポストプロセッサ装置。
- 多軸制御NC加工機に対応した工具先端位置ベクトルと工具主軸方向ベクトルからなるCLデータと、前記加工機の第1回転軸と第2回転軸および初期主軸方向、第1/2回転軸の軸偏差、送り速度からなる加工機構成とを入力し、前記CLデータを前記加工機を数値制御するNCデータに変換するNCポストプロセッサ装置において、前記工具先端位置の点における前記工具主軸方向ベクトルの第1回転軸と第2回転軸の角度を取り出し、当該点における近似工具主軸方向ベクトルと前記工具先端位置の前の点における前記工具主軸方向ベクトルとの差ベクトルを求め、該差ベクトルと前記近似工具主軸方向ベクトルの第1回転軸方向の微分ベクトルまたは第2回転軸方向の微分ベクトルとの内積を求め、該求めた内積が0に近いか否か判定し、該判定が0に近い判定のときは、角度の更新量を予め定めた微小量に変更して当該点における前記工具主軸方向ベクトルの角度を作成する処理を含むことを特徴とするNCポストプロセッサ装置。
- 多軸制御NC加工機に対応した工具先端位置ベクトルと工具主軸方向ベクトルからなるCLデータと、前記加工機の第1回転軸と第2回転軸および初期主軸方向、第1/2回転軸の軸偏差、送り速度からなる加工機構成とを入力し、前記CLデータを前記加工機を数値制御するNCデータに変換するNCポストプロセッサ装置において、前記工具先端位置の任意の点における前記工具先端位置ベクトルを取り出し、当該点における前記工具先端位置ベクトルと前記工具先端位置の前の点における前記工具先端位置ベクトルとの差ベクトルを求め、該差ベクトルと前記工具先端位置ベクトルの第1回転軸方向の微分ベクトルまたは第2回転軸方向の微分ベクトルとの内積を求め、該求めた内積が0に近いか否か判定し、該判定が0に近い判定のときは、機械座標の更新量を予め定めた微小量に変更して当該点における前記工具先端位置の機械座標を作成する処理を含むことを特徴とするNCポストプロセッサ装置。
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