JP2006052352A - 水性親水化処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 貯蔵安定性に優れた水性の親水化処理剤を提供する。
【解決手段】 (a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の加水分解体、
(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物、
(c)アルキレンオキサイドユニットを有し、HLBが10〜15であるノニオン系界面活性剤、
(d)酸性コロイダルシリカ、ならびに、
(e)親水性有機溶剤、
からなり、さらに酸性化合物を含むことができる水性親水化処理剤。

Description

本発明は、基材の表面に耐汚染性を付与する水性の親水化処理剤に関する。
屋外に設置された物品の表面には、大気中の汚れが付着しやすい。この付着した汚れ物質は、降雨により雨筋汚れとなり、その結果、物品の外観が損なわれることがよくある。これに対し、表面を親水化することにより、このような雨筋汚れを防止できることが知られており、このような性質を耐汚染性と呼んでいる。
物品の表面を親水化する方法はいくつか存在するが、その1つとして、有機シリケートを含む塗膜を表面に形成する方法がよく知られている。しかし、有機シリケートは塗装後に加水分解することによって耐汚染性を発現するため、有機シリケートが失活してしまうような材料を含む塗料では、その機能を発現することができないという問題を有していた。
一方、スプレーなどの簡易で効率的な塗布によって、簡単に表面を親水化することができる親水化処理剤が知られている(特許文献1参照)。この処理剤は、有機シリケートの加水分解体を先に形成し、これを直接物品の表面に塗布するため、先の問題を容易に解決できる。しかし、ここで開示されている親水化処理剤は製造後時間が経過すると、均一に塗布することが困難になったり、得られた膜に虹状の模様が見えたりするなどの不具合が生じ、貯蔵安定性に問題があることがわかっている。
特開2002−265924号公報
本発明の目的は、貯蔵安定性に優れた水性の親水化処理剤を得ることにある。
本発明の水性親水化処理剤は、(a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の加水分解体、(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物、(c)アルキレンオキサイドユニットを有し、HLBが10〜15であるノニオン系界面活性剤、(d)酸性コロイダルシリカ、ならびに(e)親水性有機溶剤からなるものであり、さらに酸性化合物を含むことができる。ここで上記(a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物が有するアルコキシシリル基の炭素数は1〜6であってよく、上記(a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の含有量は加水分解前のテトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物に換算して、0.05〜10質量%であってよい。また、上記(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物が有する金属は、アルミニウム、チタニウム、またはジルコニウムであってよく、その含有量は上記(a)成分に対して0.5〜5質量%であってよい。さらに、上記(c)アルキレンオキサイドユニットを有し、HLBが10〜15であるノニオン系界面活性剤の、水性親水化処理剤中に含まれる水に対する量は、0.001〜5質量%であってよく、上記(d)酸性コロイダルシリカの含有量が、上記(a)成分100部に対し、固形分で0.05〜300部であってよい。また、上記(e)親水性有機溶剤が、任意の割合で水と混和しうるものであってよい。
本発明の水性親水化処理剤の製造方法は、水および親水性有機溶剤の存在下で、テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物を加水分解反応することによって、(a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の加水分解体を得るとともに、(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物、(c)アルキレンオキサイドユニットを有し、HLBが10〜15であるノニオン系界面活性剤および(d)酸性コロイダルシリカを加えることを特徴としている。ここで上記(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物は、上記加水分解反応の際に共存させても、また、加水分解反応終了後に加えてもよい。またここで、上記(d)酸性コロイダルシリカは、上記加水分解反応終了後に加えてもよい。
本発明のもうひとつの水性親水化処理剤は、先の製造方法により得られるものである。
本発明の親水性膜の形成方法は、先に記載の水性親水化処理剤を基材上に塗布することを特徴としている。ここで、上記基材表面に塗膜が形成されていてもよく、この塗膜は有機シリケートを含有してもしていなくてもよい。
本発明の基材は、先に記載の形成方法により得られるものであり、親水性膜が表面に形成されている。
本発明の水性親水化処理剤は、(a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の加水分解体、(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物、(c)アルキレンオキサイドユニットを有し、HLBが10〜15であるノニオン系界面活性剤、(d)酸性コロイダルシリカ、ならびに(e)親水性有機溶剤からなるものである。
(a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の加水分解体
本発明の水性親水化処理剤には、(a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の加水分解体が含まれている。この(a)成分により、得られる膜が親水性を発現する。
上記テトラアルコキシシランとしては、このものが有するアルコキシシリル基の炭素数が1〜6であるものが加水分解性から好ましい。上記テトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラヘキシルオキシシランなどを挙げることができる。
一方、上記テトラアルコキシシランの縮合物は、上記テトラアルコキシシランの少なくとも1種を縮合して得られるものである。その平均縮合度は2〜30であることが好ましい。30を超えると粒子性が高くなり、親水化処理剤を塗布して得られる膜が白濁するなど外観に不具合が生じるおそれがある。上記加水分解体を適度な粘度とする観点から、平均縮合度は2〜25がより好ましく、5〜25が特に好ましい。なお、この平均縮合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーから得られる分子量から求めることができる。
なお、テトラメトキシシランの縮合物およびテトラエトキシシランの縮合物は、三菱化学からMKCシリケートMSシリーズおよびコルコート社からエチルシリケートシリーズとして、それぞれ市販されている。上記テトラアルコキシシランおよびその縮合物が有するアルコキシシリル基の炭素数は、1〜4がさらに好ましく、1または2が特に好ましい。
上記(a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の加水分解体は、上記テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物を加水分解することによって得られる。上記加水分解は、上記テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物が有するアルコキシシリル基に対して、当量以上の水を反応させることにより得られる。この加水分解反応については、後述の水性親水化処理剤の製造方法において詳細に説明する。
上記(a)成分である加水分解体は、アルコキシシリル基がシラノール基に加水分解された構造を有していると考えられる。このため、IRスペクトル測定において、アルコキシシリル基に基づくピークが消失していることにより、その生成を確認することができる。ただし、上記(a)成分において、全てのアルコキシシリル基がシラノール基に加水分解されている必要はない。
本発明の水性親水化処理剤の上記(a)成分の含有量は、その加水分解前のテトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物に換算して、0.05〜10質量%であることが好ましい。0.05質量%未満であると、充分な親水性を有する膜を形成することができず、10質量%を超えると得られる膜の外観が低下する恐れがある。さらに好ましい含有量は、0.1〜5質量%であり、特に好ましい含有量は0.1〜3質量%である。なお、本明細書において、成分の含有量とは、その成分が固形分と溶剤とからなる場合、固形分のみを対象とする。
(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物
本発明の水性親水化処理剤には、(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物が含まれている。この(b)成分により、水性親水化処理剤の貯蔵安定性を向上させることができる。上記相互作用としては、キレート結合やイオン結合などが挙げられる。
上記(b)成分が有する金属としては、アルミニウム、チタニウム、またはジルコニウムなどを挙げることができる。具体的な(b)成分としては、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムモノブトキシイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)などの金属キレート化合物が挙げられる。これらの中で入手が容易なことからアルミニウム化合物が好ましい。
本発明の水性親水化処理剤中の上記(b)成分の含有量は、上記(a)成分に対して0.5〜5質量%であることが好ましい。0.5質量%未満だと目的とする効果が得られず、5質量%を超えると均一な膜が得られないおそれがある。
(c)アルキレンオキサイドユニットを有するノニオン系界面活性剤
本発明の水性親水化処理剤には、(c)アルキレンオキサイドユニットを有し、HLBが10〜15であるノニオン系界面活性剤が含まれている。この(c)成分を含むことにより、均一な塗布が可能となる。カチオン系やアニオン系の界面活性剤を含む場合には、安定性が低下するおそれがある。
上記(c)成分が有するアルキレンオキサイドユニットの種類としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラメチレンオキサイドが挙げられ、この中でエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドが好ましい。
一方、上記HLBは、ノニオン系界面活性剤の親水性と疎水性とのバランスの指標であり、アルキレンオキサイドユニット部の分子量をノニオン系界面活性剤全体の分子量で割った値を20倍して得られる値である。この値およびその求め方は、グリフィンの式として、当業者によく知られたものである。HLBが上記範囲外では、均一に塗布することができないおそれがある。
上記(c)成分としては、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルまたはポリアルキレングリコールモノアルキルエステルを好ましい化合物種として例示することができる。ここで、上記アルキレンオキサイドユニットの繰返し数は7〜10であることが好ましい。また、アルキル部のアルキル基の炭素数は8〜18であることが好ましい。
上記(c)成分の具体的なものとして、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレイルエーテル、ポリエチレングリコールモノオレイエート、ポリエチレングリコールモノデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンモノデシルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンモノオレイルエーテルなどを挙げることができる。
本発明の水性親水化処理剤中の上記(c)成分の含有量は、水性親水化処理剤中に含まれる水に対して、0.001〜5質量%であることが好ましい。0.001質量%未満だと目的とする効果が得られず、5質量%を超えても、それに見合う効果が得られず、かえって得られる膜に不具合が生じるおそれがある。さらに好ましい含有量は、0.01〜0.5質量%である。
(d)酸性コロイダルシリカ
本発明の水性親水化処理剤には、(d)酸性コロイダルシリカが含まれている。この(d)成分を含むことにより、先の(b)成分と同様に、水性親水化処理剤の貯蔵安定性を向上させることができる。
上記(d)酸性コロイダルシリカは、通常のコロイダルシリカがナトリウム塩部分やアンモニウム塩部分を有しているために塩基性を示すのに対し、これらの部分をシラノール基化することにより、酸性を示すことを特徴としている。また、塩基性コロイダルシリカでは貯蔵安定性が悪化する。
上記(d)酸性コロイダルシリカの平均粒子径は10〜20nmのものが一般的であり、これを好適に使用できるが、特に限定されるものではなく、上記範囲以外の、数nmのものや100nm程度のものも使用することができる。
上記(d)酸性コロイダルシリカとしては、水分散体および水を有機溶剤に置換したものがある。日産化学工業社から市販されている水分散体として、スノーテックスOXS、スノーテックスOS、スノーテックスO、スノーテックスO−40、スノーテックスOL、スノーテックスOUP、スノーテックスPS−SO、スノーテックスPS−MOなどを挙げることができる。一方、水分散体の水を有機溶剤に置換したものは、オルガノシリカゾルシリーズとして市販されているが、この中でアルコールなどの親水性有機溶剤で置換したものが利用できる。
本発明の水性親水化処理剤中の上記(d)成分の含有量は、上記(a)成分100部に対し、固形分で0.05〜300部であることが好ましい。0.05部未満だと目的とする効果が得られず、300部を超えても、それに見合う効果が得られず、かえって得られる膜に不具合が生じるおそれがある。なお、上記(d)成分の含有量は、固形分で100部以下であることがさらに好ましい。
(e)親水性有機溶剤
本発明の水性親水化処理剤には、(e)親水性有機溶剤が含まれている。上記(e)成分を含むことによって、塗布後の乾燥状態を制御することができる。上記(e)親水性有機溶剤は、任意の割合で水と混和しうるものであることが好ましい。
上記(e)親水性有機溶剤としては、水に自由に混和するものが好ましく、例えば、アルコールとしてメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど;またグリコール誘導体としてエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、テトラエチレングリコールなど;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類が使用できる。また、水性塗料で使用される沸点100〜300度のもの、例えば、メトキシプロパノールなども使用可能である。早い揮発性を考慮すると、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールを用いることが好ましく、揮発性を制御するためには、ブチルセロソルブやメトキシプロパノールなどの使用が好ましい。また、上記(e)成分は2種以上の混合物であってもよい。
本発明の水性親水化処理剤中の上記(e)成分の含有量は、特に規定されるものではないが。水性親水化処理剤中に含まれる水との質量比が、例えば、5/95〜95/5となる量であることが好ましい。
その他の成分
本発明の親水化処理剤は、水性であるため、上記(a)〜(e)成分以外に、溶剤としての水を含有している。その含有量は、個々の成分について規定した量から、決定されうるが、例えば、水性親水化処理剤中、50〜90質量%とすることができる。
また、本発明の水性親水化処理剤は、上記成分以外に、さらに酸性化合物を含むことができる。加水分解体が有するシラノール基の縮合反応は酸性条件下では進行しにくいため、酸性化合物を含むことで貯蔵安定性を向上させることができる。この酸性化合物としては、有機酸、無機酸、ルイス酸やブレンステッド酸として機能する金属化合物、ホウ素化合物などが挙げられる。
本発明の水性親水化処理剤は、純粋な水溶液ではないため、上記酸性化合物の添加によって到達すべき酸性度を明示することは難しいが、系を酸性にするための添加量を求めることは、当業者にとって特に困難なものではない。なお、(b)成分であるシラノール基と相互作用可能な金属化合物はルイス酸とみなされるが、この酸性化合物には含めないものとする。
本発明の水性親水化処理剤は、上記(a)〜(e)成分からなるものであるが、その他の成分として、水および酸性化合物以外の成分を全く含まないことを意味するものではない。すなわち、本発明の水性親水化処理剤の機能を阻害しない限り、他の成分として、樹脂成分、種々の添加剤、(a)〜(d)成分由来の溶剤などを含むことができる。その場合、上記他の成分は、上記(a)〜(d)成分の合計量の10質量%未満であることが好ましい。
水性親水化処理剤の製造方法
本発明の水性親水化処理剤の製造方法は、水および親水性有機溶剤の存在下で、テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物を加水分解反応することによって、(a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の加水分解体を得るとともに、(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物、(c)アルキレンオキサイドユニットを有し、HLBが10〜15であるノニオン系界面活性剤、および(d)酸性コロイダルシリカを加えることを特徴としている。
上記(a)成分を得るためのテトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の加水分解は、上記テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物が有するアルコキシシリル基に対して、当量以上の水を反応させることにより行われる。この反応は、室温で進行し、触媒の存在する大過剰量の水中にシリケート化合物を添加して放置しておくことにより、上記(a)成分を得ることができるが、必要に応じて加熱することができる。
上記テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物は、水に対する溶解性が充分でないため、目的とする加水分解反応を効率的に進行させるために、通常、親水性有機溶剤を加えて、系を均一化して加水分解反応を行う。このような親水性有機溶剤としては、先の(e)成分で挙げたものがそのまま使用できる。上記系を均一化するための親水性有機溶剤の添加量は、上記テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物が溶解する量以上であれば特に限定されない。この場合、最終的に得られる親水化処理剤に高い揮発性を期待する場合には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールの使用が、また、揮発性を制御する目的のためには、ブチルセロソルブやメトキシプロパノールなどの使用が、それぞれ好ましい。
上記触媒としては、一般的に加水分解反応に用いられるものが使用できる。先に述べたように、加水分解で生成したシラノール基は、塩基性条件下で縮合反応が進行しやすいため、酸性のものを用いることが好ましい。上記酸性の加水分解触媒としては、例えば、塩酸、酢酸、硝酸、ギ酸、硫酸、リン酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸などの有機酸;例えばジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテートなどの有機スズ化合物、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムモノブトキシイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)などの金属キレート化合物、ホウ素ブトキシド、ホウ酸などのホウ素化合物などを挙げることができる。上記触媒の量は特に限定されないが、通常、上記シリケート化合物に対して、0.1〜5質量%とすることができる。これらの加水分解触媒は、上記(b)成分または酸性化合物に該当する。通常、触媒を含む均一な系では、室温で12時間以上放置することで、目的とする(a)成分を得ることができるが、加水分解反応を促進させるために加熱することも可能である。また、加水分解反応を確実に行わせるために、さらに数日〜10日程度放置しておくこともできる。なお、親水性有機溶剤を用いる場合には、シリケート化合物を親水性有機溶剤に溶解させ、ここに加水分解触媒を加えた後に、大過剰量の水を徐々に加えていく方法を取ることができる。
このようにして得られた上記(a)成分は、一般的に透明な水溶液の形態で得られるものであり、これから加水分解体を単離しようとすると、(a)成分間での縮合反応が進行してしまうおそれがあるため、加水分解を行って得られる水溶液をそのまま用いることが好ましい。
本発明の水性親水化処理剤の製造方法では、上記加水分解反応により加水分解体を得るとともに、(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物、(c)アルキレンオキサイドユニットを有し、HLBが10〜15であるノニオン系界面活性剤、および(d)酸性コロイダルシリカを加えるものである。ここで、本明細書における「得るとともに加える」との表記は、上記加水分解反応の際に共存させること、加水分解反応終了後に加えること、およびそれらの両方を意味するものとする。
上記(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物は、先に述べたように、酸性の加水分解触媒として機能するものである。よって、上記(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物は触媒として使用することにより、上記加水分解反応の際に共存させることができる。ただし、その量が多すぎるとかえって加水分解反応の進行に時間がかかるおそれがある。また、上記(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物を加水分解触媒として使用しなかった場合や加水分解触媒として使用したが水性親水化処理剤中の含有量として少ないと判断した場合には、加水分解反応終了後に必要量を加えることが可能である。
また、上記(c)アルキレンオキサイドユニットを有し、HLBが10〜15であるノニオン系界面活性剤については、上記加水分解反応に影響を及ぼさないものと考えられるので、上記加水分解反応の際に共存させることも、加水分解反応終了後に加えることもできる。
一方、上記(d)酸性コロイダルシリカについては、これが上記加水分解反応の際に関与することを避けるため、加水分解反応終了後に加えることが好ましい。なお、上記(d)酸性コロイダルシリカが共存しても加水分解反応に影響を及ぼさないことが明確である場合には、上記酸性コロイダルシリカを加水分解反応の際に共存させても構わない。
すなわち、本発明の水性親水化処理剤の製造方法では、水および親水性有機溶剤の存在下で、テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物を、必要に応じて上記(b)〜(d)成分を共存させた状態で、まず加水分解反応を行う。こうして得られたものが、先の水性親水化処理剤における各成分を含むものであれば、これにより水性親水化処理剤を得られたと言える。また、上記加水分解により得られたものが、先に説明した水性親水化処理剤における各成分を含んでいない場合、および各成分を含んでいるものの、さらに好ましい量として規定された範囲の中で含有量の増加したい場合には、(b)〜(d)成分ならびに、水および親水性有機溶剤を適宜量加えて各成分の量を調整することによって、水性親水化処理剤を得ることができる。
また、上記成分以外に、酸性の加水分解触媒として酸性化合物を使用した場合、酸性化合物が含まれることになるし、加水分解反応終了後、さらに上記酸性化合物を加えることもできる。
このようにして得られる水性親水化処理剤は、(a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の加水分解体、(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物、(c)アルキレンオキサイドユニットを有し、HLBが10〜15であるノニオン系界面活性剤、(d)酸性コロイダルシリカ、ならびに、(e)親水性有機溶剤からなるものであり、さらに酸性化合物を含むことができる。
親水性膜の形成方法
本発明の親水性膜の形成方法は、上記水性親水化処理剤を基材上に塗布することを特徴としている。基材としては、上記水性親水化処理剤によってその表面を浸食されない限り特に限定されず、金属、コンクリート、プラスチック、ガラスなどに直接塗布することが可能であるが、特にこれらの基材表面に塗膜が形成されたものに塗布することが好ましい。上記水性親水化処理剤を基材上に塗布することにより、その表面を親水化することができ、結果として耐汚染性を付与することができる。
上記基材表面に形成された塗膜は、溶剤系、水性、粉体、UV硬化系など種々の塗料により形成された塗膜であってよい。また、塗布により耐汚染性が付与されることから、橋梁や建物の外側に使用される部材、住宅用外装材、自動車、産業機械、自動販売機、ガードレールなど通常、屋外で使用される物品を構成する基材上に形成された上塗り塗膜であることが好ましい。これらの塗膜は、有機シリケートを含まないものであっても含むものであっても構わない。上記塗膜が有機シリケートを含まない場合、この塗膜に親水性を容易に付与することができ、その結果、この塗膜の耐汚染性を向上させることができる。また、上記塗膜が有機シリケートを含む場合には、本発明の形成方法により得られる親水性膜の効果と相まって、さらに高い親水性を示すことが期待できるとともに、上記塗膜に含まれる有機シリケートが加水分解して親水性を発現する以前に、親水性を付与することができる。
上記親水性膜の形成方法に使用される塗布方法としては特に限定されず、例えば、スプレー塗装、ロールコーター法、刷毛塗り、浸漬塗装、ワイプ塗装、シャワーカーテン塗装など当業者によく知られた方法を挙げることができる。上記親水性膜の形成方法に使用される水性親水化処理剤は通常の塗料に比べてその固形分率が低いため、それに応じた塗布方法の選択およびその条件設定を行うことが好ましい。
上記塗布後の乾燥方法としては、乾燥するまで室温で放置する方法や、40〜100℃で1〜30分程度加熱する方法などが挙げられる。上記形成方法で得られる親水性膜の乾燥膜厚は特に規定されるものではない。ただし、あまり厚くなると、塗膜の透明性に劣ったり、ワレなどの塗膜欠陥が生じたりするおそれがある。
本発明の基材は、先の親水性膜の形成方法により得られるものであり、親水性膜が表面に形成されている。上記親水性膜は、その水接触角が40°以下であることが好ましく、このような親水性を有することにより、耐汚染性が優れている。
本発明の水性親水化処理剤は、シラノール基と相互作用可能な金属化合物および酸性コロイダルシリカを含むことにより、従来のものに比べて貯蔵安定性に優れている。これは、アルコキシシリル基が加水分解して生じたシラノール基同士が縮合することにより、貯蔵安定性が低下するものと考え、この縮合反応の進行を抑制するのに、シラノール基と相互作用可能な金属化合物および酸性コロイダルシリカが有用であることを見つけ出したことによるものである。すなわち、これらの成分が水性親水化処理剤中に存在することで、シラノール基と相互作用可能な金属化合物は、例えば、シラノール基とキレート結合することにより、また、コロイダルシリカはシラノール基同士の接触を防ぐことで、それぞれ縮合反応の進行を抑えることができているものと考えられる。また、上記縮合反応は塩基性条件下で進行することから、酸性コロイダルシリカおよび酸性化合物を含むことにより、水性親水化処理剤が酸性となることによっても、縮合反応の進行を抑制でき、その結果、貯蔵安定性が向上したものと考えられる。
本発明の水性親水化処理剤は、有機シリケートを含まない塗膜上に塗布することにより、この塗膜に親水性を容易に付与して、耐汚染性を向上させることができる。また、有機シリケートを含む塗膜上に塗布した場合には、水性親水化処理剤から得られる親水性膜の効果と上記有機シリケートとの効果とが相まって、さらに高い親水性を示すことが期待できる。さらに、有機シリケートを含む塗膜が親水性を発現するのに時間がかかる場合においても、本発明の水性親水化処理剤では、その塗布直後から親水性を発現させることができる。
実施例1 水性親水化処理剤の製造その1
MKCシリケートMS51(三菱化学社製、平均縮合度5のテトラメトキシシラン縮合物)153部にアルミキレートD(川研ファインケミカル社製、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)の76質量%イソプロピルアルコール溶液)0.62部、エタノール4100部を混合して溶液化した。これを30℃に加温した後、ポリエチレングリコールモノラウレート(エチレンオキサイドユニットの繰返し数10、HLB14.1)2.8部を溶解させた水5740部を徐々に加え、40℃で2時間攪拌したのち、室温で7日間放置することにより、加水分解を進行させた。このようにして得られた溶液のIRスペクトルを測定したところ、メトキシシリル基に基づくピークは認められなかった。
ここにエタノール4100部、水5740部およびポリエチレングリコールモノラウレート2.8部を混合したものを加えて、約50%に希釈した。
ここにアルミキレートD5.58部およびスノーテックスO(日産化学工業社製、酸性コロイダルシリカ、平均粒子系10〜20nm、20質量%水分散液)1400部を加え、攪拌することにより、水性親水化処理剤を得た。
実施例2 水性親水化処理剤の製造その2
実施例1において、アルミキレートD0.62部をアルミキレートA(川研ファインケミカル社製、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)のメタノール10質量%溶液4部に変更するとともに、また、後で添加したアルミキレートD5.58部およびスノーテックスO 1400部をアルミキレートAのメタノール10質量%溶液36部およびスノーテックスPS−MO(日産化学工業社製、パールスライク酸性コロイダルシリカ、平均粒子径10〜50nm、19質量%水分散液)100部にそれぞれ変更した以外は同様にして、水性親水化処理剤を得た。
実施例3 ガラス板表面の親水化
実施例1で得られた水性親水化処理剤を、ガラス板上にローラーを用いて均一に塗布した。これをそのまま1時間放置し、ガラス板表面が透明な膜で被覆されていることを目視で確認した。このガラス板表面の水接触角を、協和界面科学社製CA−A型接触角測定装置を用いて測定したところ、25°であり、親水性膜が形成されていることが確認できた。
実施例4 溶剤型塗料から得られた、有機シリケートを含有しない塗膜の親水化
ユニポン400HKタキシエロー(日本ペイント社製、アクリル・ポリエステルポリオール/イソシアネート硬化系)を磨き鋼板に、乾燥膜厚約50μmになるようにスプレー塗装し、90℃で20分焼き付けて硬化塗膜を得た。この硬化塗膜の水接触角を測定したところ、78°であった。
この硬化塗膜に対し、実施例2で得られた水性親水化処理剤を、スプレーを用いて均一に塗布した。これをそのまま1時間放置し、硬化塗膜表面が透明な膜で被覆されていることを目視で確認した。この表面の水接触角を測定したところ、27°であり、親水性膜が形成されていることが確認できた。
実施例5 粉体塗料から得られた、有機シリケートを含有する塗膜の親水化
MKCシリケート56(三菱化学社製、テトラメトキシシランの縮合物、平均縮合度10)735部にエタノール161部およびトリエチルアミン5部を加えて、約80℃で6時間加熱還流した。次いで、生成したメタノールを系外に留出させながら加熱撹拌した。放冷後、残存するメタノールを減圧下で留去し、メチルエチルシリケート731部を得た。H−NMRスペクトルから求めたメチル基とエチル基との比は約4/1であった。
次にクリルコート690(ダイセルUCB社製、ポリエステルポリオール)600部、B−1530(ヒュルスジャパン社製、ブロックイソシアネート硬化剤)100部、TEPIC−G(日産化学工業社製、トリスグリシダルイソシアヌレート)5部、ベンゾイン10部、CR−95(石原産業社製、二酸化チタン)300部、YF−3919(東芝シリコーン社製、シリコーン系表面調整剤)10部、先に得られたメチルエチルシリケート18部をヘンシェルミキサーで混合したのち、ニーダーで混練、粉砕、分級して白色粉体塗料を得た。
このようにして得られた白色粉体塗料を、リン酸亜鉛処理鋼板に対して、膜厚が約60μmになるようにコロナ帯電型塗装ガンにより静電塗装し、180℃×20分の条件で焼き付けて有機シリケートを含有する粉体塗膜を得た。焼き付け後、塗板の温度が室温になった時点での粉体塗膜の水接触角は85°であった。また、この塗膜を20℃、湿度50%の環境に1ヶ月間おいた後の水接触角は45°まで低下していた。
一方、実施例1で得られた水性親水化処理剤を満たした槽に、先の焼き付け直後と同条件の塗板をこの槽に浸漬し、約20秒後にこれを引き上げた。そのまま1時間乾燥することにより、粉体塗膜表面が透明な膜で被覆されていることを目視で確認した。この表面の水接触角を測定したところ、20°であり、親水性膜が形成されていることが確認できた。
実施例6 水性エマルション塗料から得られた、有機シリケートを含有する塗膜の親水化
エチルシリケート40(コルコート社製、テトラエトキシシランの縮合物、平均縮合度5)60.5部に、ポリエチレングリコールモノラウレート104部、トリエチルアミン0.33部を加え、100℃から140℃まで6時間かけて昇温した。エタノールの留出がなくなるまで加熱して、ポリエチレングリコールモノラウレートで変性された有機シリケートを得た。
次に水性アクリルエマルション(酸価8、数平均分子量約30万、樹脂固形分50質量%)100部に、酸化チタン15部とアクリル系顔料分散剤1.5部とを分散して得られた顔料ペーストを加え、さらにここに先に得られたポリエチレングリコールモノラウレートで変性された有機シリケートを3部加えて、有機シリケートを含有する水性エマルション塗料を得た。
日本ペイント社製ニッペウルトラシーラーIIIによる下塗り塗膜が形成された窯業建材試験用フレキ板に、先に得られた水性エマルション塗料を約30μmとなるようロールコーターで塗装し、これをジェット乾燥機にて100℃で5分間、風速10m/秒の条件で乾燥させた。この塗膜の乾燥直後の水接触角は、48°であった。
続いて、この試験板に実施例1で得られた水性親水化処理剤をスプレーで均一に塗布した後、60℃で5分間乾燥した。目視により、塗膜表面が透明な膜で被覆されていることを確認した。この表面の水接触角を測定したところ、測定限界の10°以下であり、親水性膜が形成されていることが確認できた。
実施例7 水性親水化処理剤の製造その3
MKCシリケートMS51 153部にエタノール4100部を加え、これを40℃に加温した後、水5740部を徐々に加えた。水添加後、さらに2時間、40℃で攪拌した。このようにして得られた溶液に、ポリエチレングリコールモノラウレート2.8部、ジルコニウムアセチルアセテートの20%溶液(トルエン/メタノール=4/1、質量比)を30部加えた。この溶液に、エタノール4100部および水5740部にポリエチレングリコールモノラウレート2.8部混合したものを加え、約50質量%に希釈した。
ここに、スノーテックスO 400部を加え、攪拌することにより、水性親水化処理剤を得た。
実施例8 水性親水化処理剤の製造その4
実施例7において、ジルコニウムアセチルアセテートの20%溶液30部に代えて、チタニウムアセチルアセテート5.5部を含むイソプロピルアルコール溶液20部を用いた以外は同様にして、水性親水化処理剤を得た。
比較例1 酸性コロイダルシリカを含まない場合その1
実施例1において、アルミキレートDおよびスノーテックスOを後で添加しなかった以外は同様にして、比較用水性親水化処理剤を得た。
比較例2 酸性コロイダルシリカを含まない場合その2
実施例1において、後でアルミキレートDは添加し、スノーテックスOは添加しなかった以外は同様にして、比較用水性親水化処理剤を得た。
比較例3 シラノール基と相互作用可能な金属化合物を含まない場合
実施例1において、アルミキレートDの代わりに同量のp−トルエンスルホン酸を用い、後でスノーテックスOを添加し、アルミキレートDは添加しなかった以外は同様にして、比較用水性親水化処理剤を得た。
比較例4 塩基性コロイダルシリカを含む場合
実施例1において、スノーテックスOの代わりにスノーテックス20(日産化学工業社製、塩基性コロイダルシリカ、平均粒子径10〜20nm、20質量%水分散液)を用いた以外は同様にして、比較用水性親水化処理剤を得た。
貯蔵安定性試験
実施例5の粉体塗膜において、水性親水化処理剤の製造直後、60℃で1週間および2週間保管した後における、水性親水化処理剤の塗布作業性、水性親水化処理剤を塗布して得られた親水性膜の外観および水接触角の値を、実施例1および2、ならびに比較例1〜4について、それぞれ比較した。結果を表1に示す。
Figure 2006052352
本発明の実施例1および2では、親水性膜が容易に得られたのに対し、シラノール基と相互作用可能な金属化合物であるアルミキレートDを含み、酸性コロイダルシリカを含まない比較例1では、保存後の塗装作業性に問題が生じた。また、アルミキレートDのみを増量した比較例2では、貯蔵安定性は改善されたものの充分なレベルに達することはできなかった。また、シラノール基と相互作用可能な金属化合物を含まない比較例3では、加水分解体の縮合に起因すると考えられる、虹状の模様の発生が確認された。さらに、塩基性のコロイダルシリカを添加した場合には、製造直後から塗布作業性に問題が見られ、60℃で2週間おいた後には、膜が形成できないほど変質していることが確認された。これらの結果から、貯蔵安定性を向上させるには、シラノール基と相互作用可能な金属化合物および酸性コロイダルシリカの両方が必要であることがわかる。
本発明の水性親水化処理剤は、屋外に設置された物品や構造物の表面に塗布することでその表面を容易に親水化でき、その美観を保つことができる。

Claims (19)

  1. (a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の加水分解体、
    (b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物、
    (c)アルキレンオキサイドユニットを有し、HLBが10〜15であるノニオン系界面活性剤、
    (d)酸性コロイダルシリカ、ならびに、
    (e)親水性有機溶剤、
    からなる水性親水化処理剤。
  2. さらに酸性化合物を含む請求項1記載の水性親水化処理剤。
  3. 前記(a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物が有するアルコキシシリル基の炭素数が1〜6である請求項1または2記載の水性親水化処理剤。
  4. 前記(a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の加水分解体の含有量が、加水分解前のテトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物に換算して、0.05〜10質量%である請求項1〜3のいずれか1つに記載の水性親水化処理剤。
  5. 前記(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物が有する金属が、アルミニウム、チタニウム、またはジルコニウムである請求項1〜4のいずれか1つに記載の水性親水化処理剤。
  6. 前記(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物の含有量が、前記(a)成分に対して0.5〜5質量%である請求項1〜5のいずれか1つに記載の水性親水化処理剤。
  7. 前記(c)アルキレンオキサイドユニットを有し、HLBが10〜15であるノニオン系界面活性剤の、水性親水化処理剤中に含まれる水に対する量が、0.001〜5質量%である請求項1〜6のいずれか1つに記載の水性親水化処理剤。
  8. 前記(d)酸性コロイダルシリカの含有量が、前記(a)成分100部に対し、固形分で0.05〜300部である請求項1〜7のいずれか1つに記載の水性親水化処理剤。
  9. 前記(e)親水性有機溶剤が、任意の割合で水と混和しうるものである請求項1〜8のいずれか1つに記載の水性親水化処理剤。
  10. 水および親水性有機溶剤の存在下で、テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物を加水分解反応することによって、(a)テトラアルコキシシランおよび/またはその縮合物の加水分解体を得るとともに、(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物、(c)アルキレンオキサイドユニットを有し、HLBが10〜15であるノニオン系界面活性剤、
    および(d)酸性コロイダルシリカを加えることを特徴とする水性親水化処理剤の製造方法。
  11. 前記加水分解反応の際に、前記(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物を共存させることを特徴とする請求項10記載の水性親水化処理剤の製造方法。
  12. 前記加水分解反応終了後に、前記(b)シラノール基と相互作用可能な金属化合物を加えることを特徴とする請求項10または11記載の水性親水化処理剤の製造方法。
  13. 前記加水分解反応終了後に、前記(d)酸性コロイダルシリカを加えることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1つに記載の水性親水化処理剤の製造方法。
  14. 請求項10〜13のいずれか1つに記載の製造方法により得られる水性親水化処理剤。
  15. 請求項1〜9または14いずれかの1つに記載の水性親水化処理剤を基材上に塗布することを特徴とする親水性膜の形成方法。
  16. 前記基材表面に塗膜が形成されていることを特徴とする請求項15記載の親水性膜の形成方法。
  17. 前記塗膜が有機シリケートを含有しないものである請求項16記載の親水性膜の形成方法。
  18. 前記塗膜が有機シリケートを含有するものである請求項16記載の親水性膜の形成方法。
  19. 請求項15〜18のいずれか1つに記載の形成方法により得られる、親水性膜が表面に形成されている基材。
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