JP2006052339A - 難燃性生分解性材料及びその製造方法、難燃性生分解性高分子組成物、成形体及びその廃棄方法 - Google Patents

難燃性生分解性材料及びその製造方法、難燃性生分解性高分子組成物、成形体及びその廃棄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 生分解性高分子の生分解性を十分に維持しつつ、難燃性を付与することが可能な難燃性生分解材料及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の難燃性生分解性材料は、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする。
【化1】
Figure 2006052339

[式中、R、R、R、R、R、R、R10及びR11はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を示し、n、p及びqはそれぞれ独立に1以上の整数を示す。]
【選択図】 なし

Description

本発明は、難燃性生分解性材料及びその製造方法、難燃性生分解性高分子組成物、並びに成形体及びその廃棄方法に関する。
「21世紀は環境の時代である」というコンセプトの下、循環型社会の構築を目的として様々な環境技術が研究、提案されており、その一つとして生分解性高分子が注目されている。
生分解性高分子は、土中や水中の微生物や加水分解により、理論的には水と二酸化炭素単位まで分解可能な高分子であり、産業廃棄物の削減、石油資源の節約の点で高い効果が期待されている材料である。
また、生分解性高分子は一般的に機械的強度や耐熱性に劣るため、これらの特性を改善するために、ケナフ、マイカなどの天然充填剤を添加する技術が提案されている(特許文献1、2を参照)。
特開2002−173583号公報 特開2002−372427号公報
ところで、生分解性高分子を成形材料などの用途に使用する場合、上述した機械的強度や耐熱性に加えて難燃性が求められることがある。しかし、現状では、生分解性高分子に難燃性を付与する実用的な方法は未だ確立されていない。
生分解性高分子に難燃性を付与することが困難な理由の一つとしては、生分解性高分子以外の用途に従来使用されている難燃剤が使用できないことがある。例えば、リン酸エステル系難燃剤は、それ自身の加水分解性が高く、また、生分解性高分子が難燃剤の加水分解性を促進させるため、十分な難燃性を確保することができない。加えて、難燃剤の加水分解生成物は、通常の使用条件で生分解性高分子を劣化させてしまう。また、別の難燃剤としてハロゲン含有高分子系難燃剤が知られているが、ハロゲン含有高分子系難燃剤を生分解性高分子に配合すると、材料全体として生分解性があるとは言えなくなり、根本的な解決策とはなり得ない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、生分解性高分子の生分解性を十分に維持しつつ、難燃性を付与することが可能な難燃性生分解材料及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、その難燃性生分解材料を用いた難燃性生分解性高分子組成物及びそれを用いた成形体、並びにその成形体の廃棄方法を提供することにある。
そこで、本発明の難燃性生分解性材料は、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする。
Figure 2006052339
[式中、R、R、R、R、R、R、R10及びR11はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を示し、n、p及びqはそれぞれ独立に1以上の整数を示す。]
本発明の難燃性生分解性材料によれば、生分解性高分子に配合したときに、生分解性高分子の生分解性を十分に維持しつつ、十分な難燃性を付与することが可能となる。特に、本発明の難燃性生分解性材料は、燃焼時の火種の滴下を抑制できる点で有効である。更に、本発明の難燃性生分解性材料は、その使用量が比較的少量であっても生分解性高分子に十分な難燃性を得ることができるため、生分解性の他、機械的強度、耐熱性などの生分解性高分子が本来的に有する特性を十分に維持することができる。
なお、本発明の難燃性生分解性材料により上述の効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者は以下のように推察する。すなわち、本発明においては、難燃性に有効な(ポリ)オルガノシロキサン構造を脂肪族(ポリ)エステル構造と組み合わせたことにより、分子全体としての生分解性高分子に対する相溶性が高められるため、難燃性生分解性材料を生分解性高分子中に十分に均一に分散させることができ、上述したオルガノシロキサン構造に起因する難燃性を生分解性高分子に効果的に付与できると考えられる。また、(ポリ)オルガノシロキサン構造と脂肪族(ポリ)エステル構造との組み合わせにより、難燃性生分解性材料自体の生分解性、更には機械的強度や耐熱性を十分に確保できるものと考えられる。
また、本発明の難燃性生分解性材料の製造方法は、エステル化触媒又はエステル交換触媒の存在下、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物と、下記一般式(5)で表される化合物と、を含有する混合物を加熱する第1のステップと、第1のステップで得られる反応混合物に重合触媒を添加し、減圧下で加熱して下記一般式(1)で表される重合体を生成させる第2のステップと、を備えることを特徴とする。
Figure 2006052339
Figure 2006052339
Figure 2006052339
Figure 2006052339
Figure 2006052339
[式中、R、R、R、R、R、R、R10及びR11はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を示し、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、n、p及びqはそれぞれ独立に1以上の整数を示す。]
上記製造方法によれば、生分解性高分子の生分解性を十分に維持しつつ、難燃性を付与することが可能な本発明の難燃性生分解材料を、容易に且つ確実に得ることができる。
また、本発明の難燃性生分解性高分子組成物は、下記一般式(1)で表される構造を有する難燃性生分解性材料と、生分解性高分子と、を含有することを特徴とする。
Figure 2006052339
[式中、R、R、R、R、R、R、R10及びR11はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を示し、n、p及びqはそれぞれ独立に1以上の整数を示す。]
このように、本発明の難燃性生分解性材料と生分解性高分子とを組み合わせることによって、生分解性及び難燃性に優れる高分子組成物が実現可能となる。
本発明においては、生分解性高分子として、酸及びアルコール残基の一部又は全部が脂肪族基であるポリエステルを含有することが好ましく、前記生分解性高分子としてポリ乳酸を含有することがより好ましい。
なお、ここでいう「酸及びアルコール残基の一部又は全部が脂肪族基であるポリエステル」には、酸及びアルコール残基の全部が脂肪族基である全脂肪族ポリエステル、並びに酸及びアルコール残基の一部が脂肪族基であり、他部が芳香族基である含芳香族ポリエステルが包含される。
また、本発明の成形体は、上記本発明の難燃性生分解性高分子組成物を成形してなることを特徴とする。
このように、上記本発明の難燃性生分解性高分子組成物を構成材料とすることで、生分解性及び難燃性に優れた成形体が実現可能となる。
本発明の成形体は、回収容易性の点から、筐体であることが好ましく、事務機器用筐体であることがより好ましい。
また、本発明の成形体の廃棄方法は、上記本発明の成形体を生分解させ、その残渣からSi(ケイ素)含有成分を分離することを特徴とする。
上記の廃棄方法において、本発明の成形体を生分解させると、一般式(1)中の脂肪族(ポリ)エステル構造に相当する部分及び生分解性高分子は生分解するが、一般式(1)中の(ポリ)オルガノシロキサン構造に相当する部分は分解せずに、Si含有成分(通常、ある程度の大きさのオリゴマーである)として残渣中に存在する。このSi含有成分は、例えば残渣に水を加えて遠心ろ過法による分離操作を行うことができ、分離されたSi含有成分は、Si含有化合物の原料として再利用することができる。このように、本発明の成形体の廃棄方法によれば、生分解により有害物質を生じることなく、環境負荷が十分に低い廃棄処理を行うことができ、また、回収した資源を有効に再利用することができる。
本発明によれば、生分解性高分子の生分解性を十分に維持しつつ、難燃性を付与することが可能な難燃性生分解材料及びその製造方法を提供することが可能となる。また、本発明によれば、その難燃性生分解材料を用いた難燃性生分解性高分子組成物及びそれを用いた成形体、並びにその成形体の廃棄方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の難燃性生分解性材料は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
Figure 2006052339
上記一般式(1)中、R、R、R、R、R、R、R10及びR11はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。R、R、R、R、R、R、R10及びR11で表される基がアルキル基である場合、当該アルキル基は直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。R、R、R、R、R、R、R10及びR11で表される基としては、生分解性又は難燃性が損なわれない限りにおいて特に制限されないが、具体的には、下記表1に示す基(I−1)〜(I−12)が挙げられる。
Figure 2006052339
また、一般式(1)中、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を示す。当該アルキレン基は直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。R、R及びRで示される基としては、生分解性及び難燃性が損なわれない限りにおいて特に制限されないが、具体的には、下記表2に示す基(II−1)〜(II−12)が挙げられる。これらの中でも、生分解性高分子との相溶性を高め、更には高い機械的強度を維持できる点から、(II−2)、(II−4)及び(II−6)で示される基が好ましい。
Figure 2006052339
また、一般式(1)中、n、p及びqはそれぞれ独立に1以上の整数を示す。n、p及びqは、機械的強度の点から、一般式(1)で表される化合物の重量平均分子量(ポリスチレン換算)3000以上となるように選定することが好ましい。また、n、p及びqは、押出成形、射出成形などの成形性の点から、一般式(1)で表される化合物の重量平均分子量(ポリスチレン換算)が500000以下となるように選定することが好ましい。更に、生分解性と難燃性とを高水準でバランスよく両立する点からは、p:qが1:20〜10:1の範囲内であることが好ましい。
本発明の難燃性生分解性材料の好ましい例を下記表3〜4に示す。
Figure 2006052339
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上記構成を有する本発明の難燃性生分解性材料は、生分解性高分子に十分な難燃性を付与することができる材料であり、また、それ自体が十分な生分解性を有しているため、生分解性高分子の生分解性を損なうことはない。更に、本発明の難燃性生分解性材料は、資源の回収及び再利用の点でも有用である。例えば、本発明の難燃性生分解性材料を土中あるいは水中で生分解させると、一般式(1)中の(ポリ)オルガノシロキサン構造に由来するSi含有成分を、生分解後の残渣から分離し回収することが可能である。この低分子量成分は、通常、低分子量であり、そのため精製が容易で、精製後に本発明の難燃性生分解性材料の原料として再利用することができる。
次に、本発明の難燃性生分解性材料の製造方法について説明する。本発明の難燃性生分解性材料は、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物と、下記一般式(5)で表される化合物とを用いて製造することができる。これらの原料化合物の比率は、目的とする難燃性生分解性材料の構造に応じて適宜選定することができる。化学量論的には、一般式(2)で表される化合物1molに対して、一般式(3)で表される化合物qmol、一般式(4)で表される化合物(q―1)mol、一般式(5)で表される化合物1molである。
Figure 2006052339
Figure 2006052339
Figure 2006052339
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上記一般式(2)〜(5)中、R〜R11及びpはそれぞれ一般式(1)中のR〜R11及びpと同一の定義内容である。すなわち、R、R、R、R、R、R、R10及びR11はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を示す。また、一般式(3)中のR12及びR13はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、好ましくは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
上記一般式(2)〜(5)で表される化合物を用いて本発明の生分解性高分子を製造する場合、先ず、これらの原料化合物を含む混合物を、エステル化触媒又はエステル交換触媒の存在下で加熱する(第1のステップ)。
エステル化又はエステル交換を行う際には、エステル化触媒又はエステル交換触媒として、酢酸カルシウム、酢酸マンガン等の金属酢酸塩、テトラブトキシチタン等のチタン化合物、酸化亜鉛、三酸化錫等の金属酸化物等の公知の触媒を用いることができる。触媒の使用量は、用いる触媒等により任意に調節することが好ましい。また、第1のステップは、着色を防止する観点から不活性雰囲気下(より好ましくは窒素雰囲気下)で行うことが好ましい。
また、加熱する際の温度は、200〜250℃であることが好ましい。温度が前記上限値を超えると、熱分解が促進し、着色してしまう傾向にある。また、温度が前記下限値未満であると、反応効率が不十分となる傾向にある。反応の際には、原料混合物を撹拌しながら、温度が上記の範囲内となるまで徐々に加熱することが好ましい。
なお、反応の進行に伴い、エステル化の場合は水、エステル交換の場合はアルコールが副生するが、これらの副生成物を系外に留去し、その留去量に基づいて反応の終点を確認することができる。
次に、第1のステップで得られる反応混合物に重合触媒を添加し、減圧下で加熱することにより、上記一般式(1)で表される重合体、すなわち本発明の難燃性生分解性材料を生成させる(第2のステップ)。重合触媒としては、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン等の金属酸化物、テトラブトキシチタン等のチタン化合物等の公知の触媒を用いることができる。また、重合触媒の使用量は、目的とする高分子の構造に応じて適宜選択される。
重合触媒を添加後の操作は減圧下で行われるが、そのときの圧力は10Pa以下であることが好ましい。また、加熱の際の温度は、230〜350℃であることが好ましい。温度が前記上限値を超えると、熱分解を起こし着色する傾向にある。また、温度が前記下限値未満であると、反応効率が不十分となったり、分子量が十分に上がらない傾向にある。反応の際には、第1のステップで加熱した後の前記混合物を撹拌しながら、圧力及び温度が上記の範囲内となるように徐々に(好ましくは1〜2時間かけて)減圧及び加熱を行うことが好ましい。
第2ステップにおける重合反応の終点については、撹拌のトルク値を指標とすることができる。また、反応終了後、内容物をテトラヒドロフラン(THF)等の溶剤に溶解し、水中に再沈殿させることによって、本発明の生分解性高分子を単離することができる。
上記製造方法により得られる本発明の難燃性生分解性材料は、(ポリ)オルガノシロキサン構造を含む構造単位と脂肪族(ポリ)エステル構造を含む構造単位との共重合体である。かかる共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいが、ランダム共重合体の場合は生産性の点で優れており、ブロック共重合体の場合は生分解性及び難燃性、更には機械的強度を制御しやすい点で優れている。
次に、本発明の難燃性生分解性高分子組成物について説明する。本発明の難燃性生分解性高分子組成物は、上記一般式(1)で表される難燃性生分解性材料と、生分解性高分子とを含有するものである。
本発明にかかる生分解性高分子としては、生分解性、即ち、土中や水中の微生物で二酸化炭素と水に分解される性質を有する高分子であれば特に限定されない。具体的には、デンプン、キトサン、酢酸セルロース、蟻酸セルロースなどのセルロース類、ポリグルコール酸、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシサクシネートなどのポリヒドロキシエステル類、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートなどの全脂肪族ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート系共重合体、ポリエチレンナフタレート系共重合体などの含芳香族ポリエステル及びこれら、あるいはこれら以外との高分子の共重合体などが挙げられる。
これらの中でも、一般式(1)で表される難燃性生分解性材料との組み合わせにおいて、より高い難燃性が得られる点から、ポリ乳酸、全脂肪族ポリエステル、含芳香族ポリエステルが好ましく、機械強度及び耐熱性の点から、ポリ乳酸が特に好ましい。
本発明の難燃性生分解性高分子組成物においては、一般式(1)で表される難燃性生分解性材料の含有量は、生分解性高分子100重量部に対して、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。
次に本発明の成形体について説明する。本発明の成形体は、上記本発明の難燃性生分解性高分子組成物を成形してなるものである。
本発明の難燃性生分解性高分子組成物を成形する方法としては、射出成形、押出し成形、ブロー成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形等が挙げられる。
本発明の成形体の用途は特に制限されないが、具体例としては、家電製品、事務機器、精密機械などの筐体、バンパー、内装品などの自動車部品、壁紙コートシート、雨どいなどの建築部材、衣料用繊維、織布、不織布、包装シート、袋、緩衝シート、農業用フィルム、植生ネット、シリンジ、マイクロチップなどの医療用器具その他各種シート、フィルムなどが挙げられる。これらの中でも、製品回収システムが構築されていることにより、一般式(1)で表される化合物の(ポリ)オルガノシロキサン構造に由来するSi含有成分を回収することが容易である点から、筐体が好ましく、事務機器筐体がより好ましい。
図1は、本発明の成形体にかかる外装筐体を備える電子写真装置の一例を示す概略構成図である。図1に示した電子写真装置220は中間転写方式の電子写真装置であり、外装筐体(ハウジング)400内において4つの電子写真感光体1a〜1d(例えば、電子写真感光体1aがイエロー、電子写真感光体1bがマゼンタ、電子写真感光体1cがシアン、電子写真感光体1dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。電子写真感光体1a〜1dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像装置404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a〜401dに当接している。
さらに、ハウジング400内の所定の位置にはレーザー光源(露光装置)403が配置されており、レーザー光源403から出射されたレーザー光を帯電後の電子写真感光体1a〜1dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写媒体417が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
本発明の成形体は、十分に高い生分解性及び難燃性、更には十分な機械的強度及び耐熱性を有しているため、上述したような電子写真装置の外装筐体(ハウジング)として好適である。
なお、従来使用されるハロゲン系やリン系の難燃剤を生分解性高分子に混合して成形体材料に用いると、成形体を生分解させる際に、ハロゲンやリンなどの有害性が懸念される物質が水中又は堆肥中に残存してしまう。そのため、このような従来の成形体材料は、生分解による廃棄処理に供することができない。また、ハロゲンやリンが生分解高分子中に化学的に結合することがあるため、ケミカルリサイクルもできない。これに対して、本発明の成形体の場合は、目的期間使用した後の成形体を、後述する本発明の廃棄方法により処理することで、上記の問題点を回避することができる。
すなわち、本発明の成形体の廃棄方法は、上記本発明の成形体を生分解させ、その残渣からSi含有成分を分離するものである。
本発明の成形体を生分解させる際には、堆肥または水中などに所定期間放置すればよく、その手段としては一般的なコンポストを使用することができる。これにより、成形体中の生分解性高分子成分、並びに一般式(1)中の脂肪族(ポリ)エステル構造の部分を、水と二酸化炭素に分解することができる。また、生分解処理を行う雰囲気中の微生物種、量、分解温度、時間を適宜調整すれば、ある大きさのオリゴマーやモノマーの段階で分解を止めることも可能である。そして、これらのオリゴマー又はモノマーを精製することによりケミカルリサイクルをすることもできる。
一方、一般式(1)中の(ポリ)シロキサン構造の部分(Si含有成分)は、生分解によっては分解せず、生分解処理後の残渣中にSi含有成分として残存する。このSi含有成分は、通常、ある程度の大きさのオリゴマーとして残渣中に存在するが、例えば残渣に水を加えて遠心ろ過法による分離操作を行うことにより、残渣から容易に分離することができる。そして、分離されたSi含有成分は、通常低分子量であるため、精製が容易であり、精製後にはSi含有化合物(例えば一般式(1)で表される重合体)の原料として再利用することができる。なお、Si含有成分は、長期間静置することで、酸化により二酸化ケイ素と水と二酸化炭素に分解することも可能である。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
本実施例では、一般式(2)で表される化合物として、R、R、R、R及びRがそれぞれメチル基であり、Rがエチレン基であり、pが4である化合物(以下、化合物(2−1)という)を用いた。また、一般式(3)で表される化合物として、Rがブチレン基であり、R12及びR13が水素原子である化合物(以下、化合物(3−1)という)を用いた。また、一般式(4)で表される化合物として、Rがブチレン基である化合物(以下、化合物(4−1)という)を用いた。また、一般式(5)で表される化合物として、Rがブチレン基であり、R、R10及びR11がそれぞれメチル基である化合物(以下、化合物(5−1)という)を用いた。
上記の化合物(2−1)を5重量部、化合物(3−1)を1重量部、化合物(4−1)を1重量部、化合物(5−1)を1重量部、それぞれ三ツ口フラスコに入れ、これらの原料化合物に酢酸カルシウム0.002重量部を加えた。このフラスコ内に窒素をフローし、撹拌下、室温から220℃まで30℃/hrの速度で昇温し、留出する水及びアルコールを採取した。留出量が理論量の90%以上になったことを確認した。
次に、フラスコ内に酸化ゲルマニウム0.008重量部を加え、撹拌下、2時間にわたって、フラスコ内を常圧から10Pa以下にまで徐々に減圧するとともに、220℃から280℃まで徐々に昇温した。撹拌トルクが所望の値に到達したことを確認し、反応を停止した。三ツ口フラスコの内容物を一旦室温にまで冷却し、テトラヒドロフランで溶解後、水中に再沈殿させ、表3中の式(III−1)で表される構造を有する重合体(重量平均分子量(スチレン換算):30000、以下、重合体(III−1)という)を得た。
次に、重合体(III−1)3重量部とポリ乳酸(三井化学社製、レイシアH100J)97重量部とを混練機(テクノベル社製、KZW15−45MG型)に投入し、240℃にて溶融混練して、ペレットを得た。
このペレットを射出成形機(山城精機社製、)にて、溶融温度280℃で射出成形し、JIS K−1762に記載の試験片1A型と、JIS K−7110に規定の試験片1A型と、幅×長さが100×200mm、厚み3.18mmの難燃性試験用試験片を作製した。
得られたJIS K−1762試験片1A型について、JIS K−1762に規定される方法により引張破断強度を測定した。また、JIS K−7110に規定の試験片1A型について、JIS K−7110に規定される方法によりアイゾット耐衝撃強度を測定した。更に、得られた難燃性試験用試験片について、UL規格(UL−94)に準拠した垂直燃焼試験を行い、自己消化性の試験を行った。更に、得られたペレットを用いJIS K−6835に準拠した方法で化合物の生分解度を評価した。得られた結果を表5に示す。
[実施例2]
先ず、実施例1と同様にして、重合体(III−1)を合成した。
次に、重合体(III−1)4重量部とポリブチレンサクシネート/アジペート(昭和高分子社製、ビオノーレ#2000)96重量部とを混練機(テクノベル社製、KZW15−45MG型)に投入し、260℃にて溶融混練して、ペレットを得た。
このペレットを射出成形機(山城精機社製、)にて、溶融温度270℃で射出成形し、JIS K−1762に記載の試験片1A型と、JIS K−7110に規定の試験片1A型と、幅×長さが100×200mm、厚み3.18mmの難燃性試験用試験片を作製した。
得られた各試験片について、実施例1と同様にして、引張破断強度、アイゾット耐衝撃強度、自己消化性、及び生分解度を評価した。得られた結果を表5に示す。
[実施例3]
先ず、実施例1と同様にして、重合体(III−1)を合成した。
次に、重合体(III−1)3重量部とポリエチレンテレフタレート共重合体(DuPont社製、バイオマックスWB100)97重量部とを混練機(テクノベル社製、KZW15−45MG型)に投入し、280℃にて溶融混練して、ペレットを得た。
このペレットを射出成形機(山城精機社製、)にて、溶融温度290℃で射出成形し、JIS K−1762に記載の試験片1A型と、JIS K−7110に規定の試験片1A型と、幅×長さが100×200mm、厚み3.18mmの難燃性試験用試験片を作製した。
得られた各試験片について、実施例1と同様にして、引張破断強度、アイゾット耐衝撃強度、自己消化性、及び生分解度を評価した。得られた結果を表5に示す。
[実施例4]
先ず、実施例1と同様にして、重合体(III−1)を合成した。
次に、重合体(III−1)3重量部とポリエチレンテレフタレート/アジペート(BASF社製、エコフレックスFBX7011)97重量部とを混練機(テクノベル社製、KZW15−45MG型)に投入し、280℃にて溶融混練して、ペレットを得た。
このペレットを射出成形機(山城精機社製、)にて、溶融温度290℃で射出成形し、JIS K−1762に記載の試験片1A型と、JIS K−7110に規定の試験片1A型と、幅×長さが100×200mm、厚み3.18mmの難燃性試験用試験片を作製した。
得られた各試験片について、実施例1と同様にして、引張破断強度、アイゾット耐衝撃強度、自己消化性、及び生分解度を評価した。得られた結果を表5に示す。
[実施例5]
先ず、実施例1と同様にして、重合体(III−1)を合成した。
次に、重合体(III−1)1重量部とポリ乳酸(三井化学社製、レイシアH100J)99重量部とを混練機(テクノベル社製、KZW15−45MG型)に投入し、240℃にて溶融混練して、ペレットを得た。
このペレットを実施例1と同様の方法で試験片に成形し、実施例1と同様にして、引張破断強度、アイゾット耐衝撃強度、自己消化性、及び生分解度を評価した。得られた結果を表5に示す。
[実施例6]
先ず、実施例1と同様にして、重合体(III−1)を合成した。
次に、重合体(III−1)9重量部とポリ乳酸(三井化学社製、レイシアH100J)91重量部とを混練機(テクノベル社製、KZW15−45MG型)に投入し、240℃にて溶融混練して、ペレットを得た。
このペレットを実施例1と同様の方法で試験片に成形し、実施例1と同様にして、引張破断強度、アイゾット耐衝撃強度、自己消化性、及び生分解度を評価した。得られた結果を表5に示す。
[実施例7]
本実施例では、一般式(2)で表される化合物として、化合物(2−1)の代わりに、R、R、R及びRがそれぞれメチル基であり、Rがフェニル基であり、Rがエチレン基であり、pが9である化合物(以下、化合物(2−2)という)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、表3中の式(III−2)で表される重合体(重量平均分子量(スチレン換算):40000、以下、重合体(III−2)という)を合成した。
次に、重合体(III−1)の代わりに重合体(III−2)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてペレットを作製した。
このペレットを実施例1と同様の方法で試験片に成形し、実施例1と同様にして、引張破断強度、アイゾット耐衝撃強度、自己消化性、及び生分解度を評価した。得られた結果を表5に示す。
[実施例8]
本実施例では、一般式(2)で表される化合物として、R、R、R及びRがそれぞれメチル基であり、Rがtert−ブチル基であり、Rがエチレン基であり、pが5である化合物(以下、化合物(2−3)という)を用いた。また、一般式(3)で表される化合物として、Rがヘキシレン基であり、R12及びR13が水素原子である化合物(以下、化合物(3−3)という)を用いた。また、一般式(4)で表される化合物として、実施例1と同様に、化合物(4−1)を用いた。また、一般式(5)で表される化合物として、Rがブチレン基であり、R及びR11がそれぞれメチル基であり、R10がフェニル基である化合物(以下、化合物(5−3)という)を用いた。
上記の化合物(2−3)を5重量部、化合物(3−3)を2重量部、化合物(4−1)を2重量部、化合物(5−3)を1重量部、それぞれに三ツ口フラスコに入れ、これらの原料化合物に酢酸カルシウム0.0018重量部を加えた。このフラスコ内に窒素をフローし、撹拌下、室温から220℃まで30℃/hrの速度で昇温し、留出する水及びアルコールを採取した。留出量が理論量の90%以上になったことを確認した。
次に、フラスコ内に酸化ゲルマニウム0.009重量部を加え、撹拌下、2時間にわたって、フラスコ内を常圧から10Pa以下にまで徐々に減圧するとともに、220℃から280℃まで徐々に昇温した。撹拌トルクが所望の値に到達したことを確認し、反応を停止した。三ツ口フラスコの内容物を一旦室温にまで冷却し、テトラヒドロフランで溶解後、水中に再沈殿させ、表3中の式(III−3)で表される構造を有する重合体(重量平均分子量(スチレン換算):35000、以下、重合体(III−3)という)を得た。
次に、重合体(III−1)の代わりに重合体(III−3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ペレットを作製した。
このペレットを実施例1と同様の方法で試験片に成形し、実施例1と同様にして、引張破断強度、アイゾット耐衝撃強度、自己消化性、及び生分解度を評価した。得られた結果を表5に示す。
[比較例1]
ポリ乳酸(三井化学社製、レイシアH100J)を単独で成形材料として用い、実施例1と同様の方法でペレットを作製した。
このペレットを実施例1と同様の方法で試験片に成形し、実施例1と同様にして、引張破断強度、アイゾット耐衝撃強度、自己消化性、及び生分解度を評価した。得られた結果を表5に示す。
[比較例2]
ポリ乳酸(三井化学社製、レイシアH100J)90重量部とリン酸系難燃剤(イルガフォス168)10重量部とを混練機(テクノベル社製、KZW15−45MG型)に投入し、240℃にて溶融混練して、ペレットを得た。
このペレットを実施例1と同様の方法で試験片に成形し、実施例1と同様にして、引張破断強度、アイゾット耐衝撃強度、自己消化性、及び生分解度を評価した。得られた結果を表5に示す。
[比較例3]
ポリ乳酸(三井化学社製、レイシアH100J)90重量部と芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤(CR−741、ダイハチ化学社製)10重量部とを混練機(テクノベル社製、KZW15−45MG型)に投入し、240℃にて溶融混練して、ペレットを得た。
このペレットを実施例1と同様の方法で試験片に成形し、実施例1と同様にして、引張破断強度、アイゾット耐衝撃強度、自己消化性、及び生分解度を評価した。得られた結果を表5に示す。
[比較例4]
ポリブチレンサクシネート/アジペート(昭和高分子社製、ビオノーレ#2000)95重量部とリン酸系難燃剤(イルガフォス168)5重量部とを混練機(テクノベル社製、KZW15−45MG型)に投入し、240℃にて溶融混練して、ペレットを得た。
このペレットを実施例1と同様の方法で試験片に成形し、実施例1と同様にして、引張破断強度、アイゾット耐衝撃強度、自己消化性、及び生分解度を評価した。得られた結果を表5に示す。
Figure 2006052339
表5に示した結果から明らかなように、実施例1〜8の成形体は、優れた機械特性を有し、UL−94難燃グレードにおいても、V−0の難燃性を実現できた。更に良好な生分解性が維持されていた。
一方、比較例1の成形体は、耐衝撃性に劣り、UL−94難燃グレードにおいて規格外の評価だった。また、比較例2〜4の成形体は、耐衝撃性に劣り、UL−94難燃グレードもV−1であった。
[実施例9]
実施例1で得られたペレットを用い、射出成形機(日精樹脂社製、FM8000)を用いて、プリンター(DocuCenter Color500、富士ゼロックス社製)形状の外装筐体を成形した。得られた筐体について、温度25℃、湿度80%の恒温室にて10000時間静置した後、筐体をJIS K−1762試験片1A型と、JIS K−7110に記載の試験片1A型とに切り出し、そのそれぞれについてJIS K−1762の方法で引張破断強度を、JIS K−7110の方法でアイゾット耐衝撃強度を測定した。得られた結果を表6に示す。
[実施例10〜16]
実施例10〜16においては、それぞれ実施例1で得られたペレットの代わりに実施例2〜8で得られたペレットを用いたこと以外は実施例9と同様にして、プリンター(DocuCenter Color500、富士ゼロックス社製)形状の外装筐体を成形した。得られた筐体について実施例9と同様の評価を実施した。得られた結果を表6に示す。
[比較例5〜8]
比較例5〜8においては、それぞれ実施例1で得られたペレットの代わりに比較例1〜4で得られたペレットを用いたこと以外は実施例9と同様にして、プリンター(DocuCenter Color500、富士ゼロックス社製)形状の外装筐体を成形した。得られた筐体について実施例9と同様の評価を実施した。得られた結果を表6に示す。
Figure 2006052339
表6に示した結果から明らかなように、実施例9〜16の筐体においては、多湿条件下で長期保存しても、高い機械強度を維持することができた。一方、比較例5〜8の筐体の場合は、多湿条件下で加水分解が促進され、機械強度が著しく低下した。特に、比較例6〜8の筐体において、リン酸系難燃剤により、機械強度の低下が顕著に認められた。
(実施例17)
実施例9で得られた外装筐体を、コンポスト(NEC製、容量15L)に投入した。35℃嫌気性条件で72時間攪拌し、外装筐体を目視で完全分解した。このコンポストの内容物15Lをそれぞれ1Lずつ4Lの水で希釈し、遠心ろ過した。遠心ろ過後の沈殿分24gをとり、これをメタノール洗浄し、化合物(2−1)、(5−1)を得た。
本発明の成形体にかかる外装筐体(ハウジング)を備える電子写真装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1a〜1d…電子写真感光体、220…電子写真装置、400…外装筐体(ハウジング)、402a〜402d…帯電ロール、403…レーザー光源(露光装置)、404a〜404d…現像装置、405a〜405d…トナーカートリッジ、406…駆動ロール、407…テンションロール、408…バックアップロール、409…中間転写ベルト、410a〜410d…1次転写ロール、411…トレイ(被転写媒体トレイ)、412…移送ロール、413…2次転写ロール、414…定着ロール、415a〜415d…クリーニングブレード、416…クリーニングブレード、417、500…被転写媒体。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする難燃性生分解性材料。
    Figure 2006052339
    [式中、R、R、R、R、R、R、R10及びR11はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を示し、n、p及びqはそれぞれ独立に1以上の整数を示す。]
  2. エステル化触媒又はエステル交換触媒の存在下、下記一般式(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物と、下記一般式(4)で表される化合物と、下記一般式(5)で表される化合物と、を含有する混合物を加熱する第1のステップと、
    前記第1のステップで得られる反応混合物に重合触媒を添加し、減圧下で加熱して下記一般式(1)で表される重合体を生成させる第2のステップと、
    を備えることを特徴とする難燃性生分解性材料の製造方法。
    Figure 2006052339
    Figure 2006052339
    Figure 2006052339
    Figure 2006052339
    Figure 2006052339
    [式中、R、R、R、R、R、R、R10及びR11はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を示し、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、n、p及びqはそれぞれ独立に1以上の整数を示す。]
  3. 下記一般式(1)で表される構造を有する難燃性生分解性材料と、
    生分解性高分子と、
    を含有することを特徴とする難燃性生分解性高分子組成物。
    Figure 2006052339
    [式中、R、R、R、R、R、R、R10及びR11はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキレン基を示し、n、p及びqはそれぞれ独立に1以上の整数を示す。]
  4. 前記生分解性高分子として、酸及びアルコール残基の一部又は全部が脂肪族基であるポリエステルを含有することを特徴とする、請求項3に記載の難燃性生分解性高分子組成物。
  5. 前記生分解性高分子としてポリ乳酸を含有することを特徴とする、請求項3又は4に記載の難燃性生分解性高分子組成物。
  6. 請求項3〜5のうちのいずれか一項に記載の難燃性生分解性高分子組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
  7. 筐体であることを特徴とする、請求項6に記載の成形体。
  8. 事務機器用筐体であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の成形体。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項に記載の成形体を生分解させ、その残渣からSi含有成分を分離することを特徴とする成形体の廃棄方法。
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