JP2005089546A - 難燃性樹脂組成物及びそれからなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】非ハロゲン系難燃剤で難燃化された樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリ乳酸樹脂に芳香族縮合リン酸エステル化合物を複合化させる。ポリ乳酸樹脂100部に対して、芳香族縮合リン酸エステル化合物の添加量が、6〜25部であることがより好ましい。
【効果】この発明により、ハロゲンガスの発生やダイオキシンを誘導する可能性のあるハロゲン系難燃剤を用いることなく、難燃性の高いポリ乳酸樹脂組成物を提供することが出来る。
【選択図】なし。

Description

本発明は、難燃性を有する樹脂組成物及びそれからなる成形品に関する物である。
近年、石油資源枯渇の問題や炭酸ガス排出量増加に伴う地球温暖化といった環境問題の観点より、石油を原料としない非石油系樹脂が注目されてきている。
こうした中で、植物由来原料をモノマーとした樹脂が開発されて来ており、既にとうもろこしやイモ類等から得た澱粉を糖化して、更に乳酸菌により乳酸を得、次に、乳酸を環化反応させてラクチドとし、これを開環重合すると言う方法でポリ乳酸樹脂がコマーシャルベースで生産されるようになった。
このようにして得られた植物由来原料の樹脂中の炭素は、大気中の炭酸ガスを光合成により固定化された物であるために、たとえ焼却廃棄しても炭酸ガス総量を増加させる事のない、いわゆる「カーボンニュートラル」な材料と言える物である。表現を換えると循環型で環境維持可能な「サスティナブル」な材料である。
また、このような植物由来原料を用いた樹脂は、生分解性を有しており、廃棄の際に焼却することなく、土中に埋めたり、食べ物残等と一緒にコンポストすることによっても廃棄することが可能である。
このようなポリ乳酸樹脂は、繊維やフィルム・シートとして用いられる他、射出成形品としても使用が図られている。
一般に樹脂材料を電気製品の筐体や部品等に使用する場合には、難燃性が必要であり、一般的に樹脂材料に各種難燃剤を複合させる事で対応している。
難燃剤としては無機化合物、有機リン化合物、有機ハロゲン化合物、ハロゲン含有有機リン化合物などが一般に用いられている。これらの中で優れた難燃効果を発揮するのは、有機ハロゲン化合物、ハロゲン含有有機リン化合物である。しかし、これらハロゲン含有難燃剤は、樹脂との複合時や成型加工時に熱分解してハロゲン化水素を発生し加工機械や金型を腐食させたり、作業環境を悪化させたりすると言う問題を持っている。更に成形品の焼却廃棄時にハロゲンが気散したり、ダイオキシン等の有害物質を誘導する可能性が懸念されている。
非ハロゲン系の難燃剤としては、無機化合物系難燃剤である水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムと言った分解して水を放出するタイプの難燃剤が特許文献1に開示されている程度にすぎない。
しかもこの様な水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムを難燃剤として用いる場合には、特許文献1に開示されているように30%以上という大量に難燃剤を複合させる必要があり、元の材料の特性を損なうことを避けられない。また、複合時の加工温度においてもこれら難燃剤より水の放出を禁じ得ず、ポリ乳酸樹脂と複合させた場合には、ポリ乳酸樹脂の加水分解を生じる。
無機化合物系以外の非ハロゲン系難燃剤としてトリフェニルホスフェートやトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェートといった有機リン化合物が用いられることも有るが、これらモノメリックな有機リン化合物は耐熱性に劣り、揮発性が高いと言う欠点を持っている。
特開平8−252823号公報
本発明の目的は、上記問題点を解消し、ポリ乳酸樹脂をベース樹脂とする難燃性樹脂組成物を提供することにある。
上記課題は、ポリ乳酸樹脂をベース樹脂とし、芳香族縮合リン酸エステル化合物をポリ乳酸樹脂100部に対し2部から30部、好ましくは6部から25部複合化させることを特徴とする難燃性樹脂組成物により解決する。
本発明により、ポリ乳酸樹脂の非ハロゲン系難燃樹脂組成物を実現できる。すなわち、本発明の組成物は、高い難燃性を要望される電気、電子分野の筐体や部品等に使用できる非ハロゲン系樹脂組成であり、既存の材料と比較して環境配慮が高い。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いるポリ乳酸樹脂は、とうもろこしやイモ類等から得た澱粉を糖化して、更に乳酸菌により乳酸を得、次に、乳酸を環化反応させてラクチドとし、これを開環重合すると言う方法で得られたポリ乳酸樹脂を用いることが出来る。また、石油からラクチドを合成しこれを開環重合して得たポリ乳酸樹脂でも、石油から乳酸を得、これを直接脱水縮合して得たポリ乳酸樹脂を用いても何ら差は無い。
また、ポリ乳酸樹脂を構成するD−乳酸およびL−乳酸の比率に関しては、特に限定されることなく用いることが出来る。
更に、ポリ乳酸樹脂には、主たる構成モノマーであるD−乳酸およびL−乳酸以外に他のヒドロキシカルボン酸である、グリコール酸や3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸等が共重合されても良い。
本発明に用いるポリ乳酸樹脂には、耐衝撃性を付与する目的で衝撃改善剤を複合化させることも出来る。上述のような生分解性を阻害しない耐衝撃剤としては、脂肪族ポリエステル系の材料、具体的には、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネートテレフタレート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリエチレンサクシネートテレフタレートもしくはポリカプロラクトンと言った樹脂を好的に用いることができる。
また、上記脂肪族ポリエステルには、その主たる酸成分並びにジオール成分以外に他の酸成分として、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸等を、他のジオール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を共重合しても何ら問題は無い。
尚、脂肪族ポリエステルの複合化は、一般的な溶融混練法による海島状のポリマーアロイを形成させてもよく、また、触媒存在下に反応混練を行い共重合化させても良い。
脂肪族ポリエステル系以外の耐衝撃材としては、オレフィン系コポリマー樹脂(例えばエチレン−エポキシ基含有モノマー2元共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−酸無水基含有モノマー3元共重合体、エチレン−グルシジルメタクリレート共重合体にアクリロニトリル−スチレン共重合体やポリメチルメタクリレートをグラフト重合した樹脂 等)、スチレン系エラストマー(例えばスチレン・ブタジエンブロック共重合体)、エチレン系エラストマー(例えばEPDM:エチレン・プロピレン・ジエンモノマー共重合体)、各種アイオノマー(エチレン―メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したもの)などが挙げられる。
本発明における縮合リン酸エステル化合物とは、構造式(1)で表される物である。
Figure 2005089546

式中R1およびR2は、水素原子もしくは同一または異なる低級アルキル基を、Yは結合手、−、−CH−もしくは−C(CH−基を、kは0または1を示す。
ここで、「低級アルキル基」とは、直鎖または分枝状のC1−5アルキル基であって、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、neo−ペンチル等があり、特にメチル基が好ましい。
この発明に用いられる芳香族縮合リン酸エステル化合物は、例えば、次の方法で製造される。すなわち、芳香族モノヒドロキシ化合物とオキシハロゲン化リンとをルイス酸触媒の存在下で反応させ、ジアリールホスホロハリデートを得、更に芳香族ジヒドロキシ化合物をルイス酸触媒下に反応させて一般式(1):
Figure 2005089546

(式中R1、R2は、水素原子もしくは同一または異なる低級アルキル基を、Yは結合手、−、−CH−もしくは−C(CH−基を、kは0または1を示す)で示される芳香族縮合リン酸エステル化合物を得ることが出来る。
これを反応図式で示すと次の通りである。
第1工程
Figure 2005089546
第2工程
Figure 2005089546
ここで第1工程で用いられる芳香族モノヒドロキシ化合物の具体例としては、2,6−キシレノール、フェノール、o−クレゾールなどが挙げられ、2,6−キシレノールが好ましい。
また、オキシハロゲン化リンとしては、オキシ塩化リンまたはオキシ臭化リンが挙げられ、オキシ塩化リンが好ましい。
反応に用いられるルイス酸触媒としては、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、四塩化チタン、五塩化アンチモン、塩化亜鉛、塩化スズなどが挙げられ、特に塩化マグネシウ
ムが好ましい。これらの化合物を2種以上混合して使用してもよい。
次に第2工程で用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物としては、ハイドロキノン(1,4−ジヒドロキシベンゼン)、レソルシノール(m−ジヒドロキシベンゼン)、カテコール(o−ジヒドロキシベンゼン)、4,4’−ビフェノール、ビスフェノールAなどが挙げらる。
第2工程に用いられる触媒としては、第1工程の触媒をそのまま使用してもよいが、さらに添加してもよい。またトリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミンを触媒を用いてもかまわない。
反応温度は、第1工程及び第2工程共に50〜250℃、好ましくは100〜200℃である。反応により副生するハロゲン化水素を反応系外に除去し反応を促進させる目的で、反応系内を減圧してもよい。
反応溶媒は、第1工程においては、必ずしも必要としないが、例えばキシレン、トルエン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどを用いることが出来る。
第2工程においては、反応終了後、反応物中の触媒などの不純物は常法により洗浄除去される。例えば、反応物を塩酸などの酸水溶液と接触させ、これらの不純物を水溶液側に抽出することにより達成される。この時、芳香族縮合リン酸エステル化合物が固体となることを防ぐ目的と、その後の晶析溶媒をかねて、有機溶媒が添加される。用いられる有機溶媒としては芳香族縮合リン酸エステル化合物の溶解度が高温で高く、低温で低いものが好ましい。例えばトルエン、キシレン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどがあるが、これらに限定されるものではない。また、これらを混合して使用してもかまわない。接触時の温度は、室温から水溶液の沸点以下までである。有機溶媒の使用量は接触時の温度において、少なくとも芳香族縮合リン酸エステル化合物の析出が起こらない量が好ましい。
洗浄された混合液は、そのまま冷却して結晶を析出させ固体成分を濾過などの方法で分離するか、あるいは溶液中に溶解または分散している水分を除去後、結晶を析出させ固体成分を分離してもよい。得られた結晶は、そのまま乾燥して用いるか、あるいは、水、メタノール、エタノールなどの、芳香族縮合リン酸エステル化合物を実質上溶解しない溶剤で洗浄したのち乾燥して用いることができる。
また、芳香族縮合リン酸エステル化合物は、上記反応以外で得られた物でも一般に市販されているものでも全く差し支えは無い。
ポリ乳酸樹脂100部に対する芳香族縮合リン酸エステル化合物の複合化量は、2部から30部、好ましくは6部から25部である。
ポリ乳酸樹脂100部に対する芳香族縮合リン酸エステル化合物の複合化量が、2部未満の場合には難燃化効果は発現せず、2部以上4部未満の場合には熱処理前ではV−2の難燃性が得られるが、70℃の熱処理後はV−2未満の難燃分類となる。芳香族縮合リン酸エステル化合物の複合化量が、4部以上6部未満の複合化量であれば熱処理前がV−0となり、70℃の熱処理後もV−2レベルの難燃性を有した。
ポリ乳酸樹脂100部に対する芳香族縮合リン酸エステル化合物の複合化量が、6部を超えると熱処理の有無に係らずV−0の難燃性ランクとなる。
芳香族縮合リン酸エステル化合物の複合化量が、30部を超えると複合後のチップ自体にブリードアウトによるベトツキが生じ、これの射出成形片にもブリードアウトによるベ
トツキが認められた。更に複合化量を35部まで増すと、均一な複合化が出来なくなり、混練機先端より複合索と共に芳香族縮合リン酸エステル化合物の溶融物が液状のまま噴出し、索切れを生じた。
ポリ乳酸樹脂と芳香族縮合リン酸エステル化合物からなる難燃性樹脂組成物は、芳香族縮合リン酸エステル化合物を十分に混練、分散させることが重要である。このための方法としては、限定されるものではないが、例えば、特に二軸混練押出機を用いて溶融混練する事が好ましい。
また、本発明の難燃性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、耐熱剤(例えばヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキノン系、チオエーテル系、ホスファイト類及びこれらの置換体及びその組合せを含む)、紫外線吸収剤(例えばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等)、滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等)及び離型剤(例えばモンタン酸及びその塩、ステアリン酸及びその塩、ステアリルアルコール、ステアリルアミド、シリコン樹脂等)、染料(例えばニトロシン等)及び顔料(例えばカーボンブラック、硫化カドミウム、フタロシアニン等)を含む着色剤、添加剤展着液(例えばシリコンオイル等)の1種以上添加することが出来る。
本発明の難燃性樹脂組成物を用いた成形品の製造方法に関しては、特に制限された成形法があるわけではなく、公知の押出し成形もしくは射出成形が適応できる。また、最初に押出し成形にてシート状ないしは板状の成形品を得、これを真空成形、圧空成形等のプレス成形にて所定の成形品を得ても良い。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。尚、複合化および評価は以下の方法に従って実施した。
複合化方法
所定の組成を二軸混練機(日本製鋼所製 TEX−30α)にて200℃の設定温度で溶融混練を行い、ペレット化を行なった。
試験片作製方法
所定形状の金型を用い射出成形機(住友重機械工業製 SG−75)にて射出成形を行ない、試験片(長さ:125mm、幅:13mm、厚さ:3.2mm、1.6mmおよび0.8mm)を得た。
難燃性評価方法(UL−94垂直燃焼性試験方法に準じた)
ATLAS社製 HVUL(UL燃焼テストチャンバー)にて燃焼性試験を行なった。
〔判定基準〕
次表の判断基準と照らし合わせ、V−0、V−1およびV−2にランク付けした。但しいずれをも満足しなかった場合は、V−2未満とし、計4ランクにランク付けした。
Figure 2005089546
[実施例1]
ポリ乳酸樹脂として、カネボウ合繊(株)製200DAを用い、これに芳香族縮合リン酸エステル化合物として下記構造式で示される大八化学工業(株)製PX200を200DA100部に対し、2部溶融混練し複合化させた。
得られた樹脂を用い、射出成形にて試験片を得、難燃性評価を実施し、その結果を表2に示した。
Figure 2005089546
[実施例2]
芳香族縮合リン酸エステル化合物、PX200の添加量を4部とする以外は、実施例1と同じ要領で複合化させた。実施例1と同様に難燃性評価を行い、表2に合わせて結果を示した。
[実施例3]
芳香族縮合リン酸エステル化合物、PX200の添加量を6部とする以外は、実施例1と同じ要領で複合化させた。実施例1と同様に難燃性評価を行い、表2に合わせて結果を示した。
[実施例4]
芳香族縮合リン酸エステル化合物、PX200の添加量を15部とする以外は、実施例1と同じ要領で複合化させた。実施例1と同様に難燃性評価を行い、表2に合わせて結果を示した。
[実施例5]
芳香族縮合リン酸エステル化合物、PX200の添加量を25部とする以外は、実施例
1と同じ要領で複合化させた。実施例1と同様に難燃性評価を行い、表2に合わせて結果を示した。
[実施例6]
芳香族縮合リン酸エステル化合物、PX200の添加量を30部とする以外は、実施例1と同じ要領で複合化させた。実施例1と同様に難燃性評価を行い、表2に合わせて結果を示した。
[比較例1]
ポリ乳酸樹脂200DAのみにて射出成形を行い、難燃性評価を実施した。実施例1と同様に難燃性評価を行い、表2に合わせて結果を示した。
[比較例2]
芳香族縮合リン酸エステル化合物、PX200の添加量を1部とする以外は、実施例1と同じ要領で複合化させた。実施例1と同様に難燃性評価を行い、表2に合わせて結果を示した。
Figure 2005089546
[比較例3]
芳香族縮合リン酸エステル化合物、PX200の添加量を35部とする以外は、実施例1と同じ要領で複合化させた。実施例1と同様に難燃性評価を行い、表2に合わせて結果を示した。
[実施例7]
芳香族縮合リン酸エステル化合物として下記構造式に示す大八化学工業(株)製PX202を用いる以外は、実施例2と同様にポリ乳酸樹脂200DA100部に対し、PX202を15部複合化させた。実施例1と同様に難燃性評価およびJIS K7191による荷重たわみ温度試験を行い、表3に結果を合わせて示した。
Figure 2005089546
Figure 2005089546
[実施例8]
芳香族縮合リン酸エステル化合物として次の構造式に示す旭電化工業(株)製FP−750を用いる以外は、実施例2と同様にポリ乳酸樹脂200DA100部に対し、FP−750を15部複合化させた。実施例6と同様に難燃性評価を行い、表3に合わせて結果を示した。
Figure 2005089546
[比較例3]
芳香族リン酸エステル化合物として次の構造式に示す大八化学工業(株)製TPPを用いる以外は、実施例2と同様にポリ乳酸樹脂200DA100部に対し、TPPを15部複合化させた。実施例6と同様に難燃性評価を行い、表3に合わせて結果を示した。
Figure 2005089546
[実施例9]
200DA90部に対し、衝撃改良材としてポリブチレンサクシネート樹脂(昭和高分子製ビオノーレ#1000)を10部を複合したポリ乳酸樹脂を用い、これに芳香族縮合リン酸エステル化合物PX200を15部実施例1と同様に溶融混練し複合化させた。
得られた樹脂を用い、射出成形にて試験片を得、難燃性評価およびJIS K7111によるシャルピー衝撃強さ試験を実施し、その結果を表4に示した。
Figure 2005089546
[実施例10]
200DAとポリブチレンサクシネートの部数をそれぞれ70部と10部とし、実施例9と同様に複合化および評価を実施し、結果を表4に合わせて示した。
[実施例11]
200DA70部に対し、衝撃改良材としてポリブチレンサクシネートアジペート樹脂(三菱化学製GS−Pla AD)30部を複合したポリ乳酸樹脂を用い、これに芳香族縮合リン酸エステル化合物PX200を15部実施例9と同様に複合化および評価を実施し、結果を表4に合わせて示した。
[実施例12]
200DA70部に対し、衝撃改良材としてポリブチレンアジペートテレフタレート樹脂(BASF製Ecoflex)30部を複合したポリ乳酸樹脂を用い、これに芳香族縮合リン酸エステル化合物PX200を15部実施例9と同様に複合化および評価を実施し、結果を表4に合わせて示した。
[実施例13]
200DA70部に対し、衝撃改良材としてポリエチレン系エラストマー樹脂(日本油脂製IE−205)30部を複合したポリ乳酸樹脂を用い、これに芳香族縮合リン酸エステル化合物PX200を15部実施例9と同様に複合化および評価を実施し、結果を表4に合わせて示した。
[実施例14]
200DA70部に対し、衝撃改良材としてオレフィン系コポリマー樹脂(日本ポリオレフィン製ET184M)30部を複合したポリ乳酸樹脂を用い、これに芳香族縮合リン酸エステル化合物PX200を15部実施例9と同様に複合化および評価を実施し、結果を表4に合わせて示した。
[実施例15]
200DA70部に対し、衝撃改良材としてアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル製#1855)30部を複合したポリ乳酸樹脂を用い、これに芳香族縮合リン酸エステル化合物PX200を15部実施例9と同様に複合化および評価を実施し、結果を表4に合わせて示した。
本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性が要求される電気製品等の筐体や部品に使用する事が出来る。

Claims (4)

  1. ポリ乳酸樹脂100部に対して、構造式(1)で示される芳香族縮合リン酸エステル化合物の添加量が2〜30部であることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
    Figure 2005089546

    式中R1、R2は、水素原子もしくは同一または異なる低級アルキル基を、Yは結合手、−、−CH−もしくは−C(CH−基を、kは0または1を示す。
  2. ポリ乳酸樹脂100部に対して、芳香族縮合リン酸エステル化合物の添加量が、6〜25部である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 脂肪族ポリエステル系樹脂、オレフィン系コポリマー樹脂、スチレン系エラストマー樹脂、エチレン系エラストマー樹脂、アイオノマー樹脂の少なくとも一つを複合化したポリ乳酸樹脂組成物を用いる請求項1ないしは2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 請求項1ないしは3いずれかに記載の難燃性樹脂組成物からなる成形品。
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