JP5880167B2 - 架橋高分子化合物、樹脂組成物、および樹脂成形体 - Google Patents

架橋高分子化合物、樹脂組成物、および樹脂成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP5880167B2
JP5880167B2 JP2012055936A JP2012055936A JP5880167B2 JP 5880167 B2 JP5880167 B2 JP 5880167B2 JP 2012055936 A JP2012055936 A JP 2012055936A JP 2012055936 A JP2012055936 A JP 2012055936A JP 5880167 B2 JP5880167 B2 JP 5880167B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecular weight
mass
resin
polymer compound
weight component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012055936A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013189530A (ja
Inventor
八百 健二
健二 八百
学 川島
学 川島
三上 正人
正人 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2012055936A priority Critical patent/JP5880167B2/ja
Priority to US13/585,217 priority patent/US20130245171A1/en
Priority to KR1020120101882A priority patent/KR20130105252A/ko
Priority to CN201210342654.3A priority patent/CN103304971B/zh
Priority to EP12184364.3A priority patent/EP2639254A1/en
Publication of JP2013189530A publication Critical patent/JP2013189530A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5880167B2 publication Critical patent/JP5880167B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J3/00Processes of treating or compounding macromolecular substances
    • C08J3/24Crosslinking, e.g. vulcanising, of macromolecules
    • C08J3/246Intercrosslinking of at least two polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/02Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/06Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds derived from hydroxycarboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/66Polyesters containing oxygen in the form of ether groups
    • C08G63/668Polyesters containing oxygen in the form of ether groups derived from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/49Phosphorus-containing compounds
    • C08K5/51Phosphorus bound to oxygen
    • C08K5/52Phosphorus bound to oxygen only
    • C08K5/521Esters of phosphoric acids, e.g. of H3PO4
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2367/04Polyesters derived from hydroxy carboxylic acids, e.g. lactones
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2497/00Characterised by the use of lignin-containing materials

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

本発明は、架橋高分子化合物、樹脂組成物、および樹脂成形体に関する。
環境負荷低減の観点から、植物から得られるリグノフェノール誘導体は、脱石油系樹脂材料の候補の一つとして、注目されている素材である。
このリグノフェノール誘導体を用いた樹脂組成物としては、例えば特許文献1に、分子中にポリ乳酸からなる分岐鎖を少なくとも3個有する、リグノフェノール−ポリ乳酸複合体であって、リグノフェノール−ポリ乳酸複合体は、分子中に少なくとも3個の水酸基を有するリグノフェノールを開始剤として用いて、ラクチドを開環重合させる工程によって得られることが開示されている。
特開2008−274068号公報
本発明の課題は、柔軟性に優れた樹脂成形体を形成し得る架橋高分子化合物を提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
高分子鎖の末端に少なくともカルボキシル基を有するポリ乳酸の該カルボキシル基と、分子構造中に少なくとも水酸基を有するリグノフェノール誘導体の該水酸基と、が反応して形成される架橋構造を有し、
ヘキサフルオロイソプロパノールに不溶な高分子量成分とヘキサフルオロイソプロパノールに可溶な低分子量成分とを含有し、
前記高分子量成分および前記低分子量成分の全量に対する前記高分子量成分の含有比率が2質量%以上75質量%以下であり、
且つ前記低分子量成分の重量平均分子量(Mw)が10万以上である架橋高分子化合物である。
請求項2に係る発明は、
前記低分子量成分の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が10以上20以下である請求項1に記載の架橋高分子化合物である。
請求項3に係る発明は、
前記ポリ乳酸由来の構成成分の含有量(N)と前記リグノフェノール誘導体由来の構成成分の含有量(L)との質量比(L/N×100)が0.1質量%以上10質量%以下である請求項1または請求項2に記載の架橋高分子化合物である。
請求項4に係る発明は、
請求項1に記載の架橋高分子化合物を含有する樹脂組成物である。
請求項5に係る発明は、
更に縮合リン酸エステルを含む請求項4に記載の樹脂組成物である。
請求項6に係る発明は、
請求項1に記載の架橋高分子化合物を含有する樹脂成形体である。
請求項7に係る発明は、
更に縮合リン酸エステルを含む請求項6に記載の樹脂成形体である。
請求項1に係る発明によれば、ポリ乳酸の高分子鎖の末端のカルボキシル基とリグノフェノール誘導体の水酸基とが反応して形成される架橋構造を有し、ヘキサフルオロイソプロパノールに不溶な高分子量成分およびヘキサフルオロイソプロパノールに可溶な低分子量成分の全量に対する前記高分子量成分の含有比率が2質量%以上75質量%以下であり、且つ前記低分子量成分の重量平均分子量(Mw)が10万以上であるとの要件を満たさない場合に比べ、柔軟性に優れた樹脂成形体を形成し得る架橋高分子化合物が提供される。
請求項2に係る発明によれば、低分子量成分の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が10以上20以下でない場合に比べ、柔軟性に優れた樹脂成形体を形成し得る架橋高分子化合物が提供される。
請求項3に係る発明によれば、ポリ乳酸由来の構成成分の含有量(N)とリグノフェノール誘導体由来の構成成分の含有量(L)との質量比(L/N×100)が0.1質量%以上10質量%以下でない場合に比べ、柔軟性に優れた樹脂成形体を形成し得る架橋高分子化合物が提供される。
請求項4に係る発明によれば、ポリ乳酸の高分子鎖の末端のカルボキシル基とリグノフェノール誘導体の水酸基とが反応して形成される架橋構造を有し、ヘキサフルオロイソプロパノールに不溶な高分子量成分およびヘキサフルオロイソプロパノールに可溶な低分子量成分の全量に対する前記高分子量成分の含有比率が2質量%以上75質量%以下であり、且つ前記低分子量成分の重量平均分子量(Mw)が10万以上であるとの要件を満たす架橋高分子化合物を含有しない場合に比べ、柔軟性に優れた樹脂成形体を形成し得る樹脂組成物が提供される。
請求項5に係る発明によれば、縮合リン酸エステルを含まない場合に比べ、難燃性に優れた樹脂組成物が提供される。
請求項6に係る発明によれば、ポリ乳酸の高分子鎖の末端のカルボキシル基とリグノフェノール誘導体の水酸基とが反応して形成される架橋構造を有し、ヘキサフルオロイソプロパノールに不溶な高分子量成分およびヘキサフルオロイソプロパノールに可溶な低分子量成分の全量に対する前記高分子量成分の含有比率が2質量%以上75質量%以下であり、且つ前記低分子量成分の重量平均分子量(Mw)が10万以上であるとの要件を満たす架橋高分子化合物を含有しない場合に比べ、柔軟性に優れた樹脂成形体が提供される。
請求項7に係る発明によれば、縮合リン酸エステルを含まない場合に比べ、難燃性に優れた樹脂成形体が提供される。
本実施形態に係る成形体を備える電子・電気機器の部品の一例を示す模式図である。
以下、本実施形態に係る架橋高分子化合物および該架橋高分子化合物を用いた樹脂組成物、樹脂成形体ついて詳細に説明する。
[架橋高分子化合物]
本実施形態に係る架橋高分子化合物は、高分子鎖の末端に少なくともカルボキシル基を有するポリ乳酸の該カルボキシル基と、分子構造中に少なくとも水酸基を有するリグノフェノール誘導体の該水酸基と、が反応して形成される架橋構造を有し、ヘキサフルオロイソプロパノールに不溶な高分子量成分とヘキサフルオロイソプロパノールに可溶な低分子量成分とを含有し、前記高分子量成分および前記低分子量成分の全量に対する前記高分子量成分の含有比率が2質量%以上75質量%以下であり、且つ前記低分子量成分の重量平均分子量(Mw)が10万以上である。
ポリ乳酸は植物由来の環境に優しい高分子材料であるが、硬くて脆いとの特性を有している。強度向上の観点で該ポリ乳酸を架橋する方法も考えられるが、通常高分子材料は架橋すると柔軟性が損なわれ硬くなる。また、柔軟性付与の観点で可塑剤を添加する方法も考えられるが、この場合強度は低下し、現象として引張破断伸度が多少向上しても面衝撃強度が低下する。
これに対し、本実施形態に係る架橋高分子化合物は、ポリ乳酸の高分子鎖の末端のカルボキシル基とリグノフェノール誘導体の水酸基とが反応して形成される架橋構造を有する高分子化合物である。この高分子化合物は分子量分布を有しており、分子量が100万を超えるような高分子量成分はヘキサフルオロイソプロパノールに不溶であり、一方分子量が100万以下のような低分子量成分はヘキサフルオロイソプロパノールに可溶である。本実施形態においては、前記高分子量成分と低分子量成分との全量に対する高分子量成分の含有比率が2質量%以上75質量%以下であり、且つ前記低分子量成分の重量平均分子量(Mw)が10万以上であり、この構成を有することで柔軟性に優れた樹脂成形体を形成し得るとの効果が奏される。
この効果がもたらされるメカニズムは定かではないが、以下のように考えられる。ポリ乳酸の分子鎖末端のカルボン酸がリグノフェノール誘導体に存在する水酸基と反応しポリ乳酸が架橋されるが、これは末端における反応である。また、ポリ乳酸の高分子鎖末端には水酸基も存在するがこの水酸基は反応に関与しない。そのため、架橋は部分的な緩い架橋となり、ある程度の自由体積が残された状態で3次元的に分子量が増大し、いわゆるインターポリマーネットワーク(IPN)のごとき、極めて高い柔軟性が発現されるものと推察される。
尚、飛躍的な柔軟性の効果が発現されるのは、分子量が100万を超えるような比較的高分子量であるヘキサフルオロイソプロパノールに不溶な高分子量成分を2質量%以上75質量%以下含有し、且つ分子量が100万以下のような比較的低分子量であるヘキサフルオロイソプロパノールに可溶な低分子量成分においても、その重量平均分子量(Mw)が10万以上の場合である。
−高分子量成分と低分子量成分との含有比率−
本実施形態に係る架橋高分子化合物は、前述のごとく、高分子量成分と低分子量成分とからなる。高分子量成分と低分子量成分は、ヘキサフルオロイソプロパノールに不溶であるか可溶であるかによって分けられ、分子量が100万を超えるような高分子量の成分は不溶であり、一方分子量が100万以下のような低分子量成分は可溶である。
本実施形態では、高分子量成分および低分子量成分の全量に対する高分子量成分の含有比率が2質量%以上75質量%以下(即ち低分子量成分の含有比率が25質量%以上98質量%以下)である。
高分子量成分の含有比率が2質量%未満であると、引張破断歪や面衝撃強度に代表される柔軟性が低下する。一方高分子量成分の含有比率が75質量%を超える(即ち低分子量成分の含有比率が25質量%未満)であると、溶融粘度が上昇し射出成形等による成形の際の適合性が低下し、また硬くなりすぎて柔軟性も低下する。
高分子量成分の含有比率は、更に5質量%以上70質量%以下であることが望ましく、7質量%以上65質量%以下であることがより望ましい。
尚、この含有比率は、架橋高分子化合物をヘキサフルオロイソプロパノール中に添加し、可溶分と不溶分とに分けた後にそれぞれの質量を測定することで算出される。
−分子量−
本実施形態においては、ヘキサフルオロイソプロパノールに可溶な低分子量成分の重量平均分子量(Mw)が10万以上である。低分子量成分の重量平均分子量が10万未満の場合には、架橋が不十分であり柔軟性の向上が発現しない。
尚、低分子量成分の重量平均分子量(Mw)は、更に20万以上であることが望ましく、30万以上であることがより望ましい。
また、ヘキサフルオロイソプロパノールに可溶な低分子量成分の分子量分布(Mw/Mn)は10以上20以下であることが好ましく、12以上18以下であることがより望ましく、14以上17以下であることが更に望ましい。
分子量分布(Mw/Mn)が10以上であることにより、十分な架橋構造が形成され優れた柔軟性が得られる。一方、分子量分布(Mw/Mn)が20以下であることにより、分子量が異なる成分同士においても相溶性が得られ、強度に優れた樹脂成形体を形成し得る。
ここで、上記重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定される。
本実施形態においては、GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー社、HLC−3121GPC/HTを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒で行われる。重量平均分子量および数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出される。
−制御方法−
尚、前述の高分子量成分と低分子量成分との含有比率や、低分子量成分における重量平均分子量、分子量分布等は、本実施形態に係る架橋高分子化合物全体の分子量および分子量分布を調整することによって制御される。
架橋高分子化合物全体の分子量および分子量分布の調整は、例えば、ポリ乳酸およびリグノフェノール誘導体の分子量および分子量分布、ポリ乳酸とリグノフェノール誘導体の重合比率、架橋重合の際の反応温度、反応時間、攪拌速度、触媒の有無、および触媒の種類等によって制御し得る。
−リグノフェノール誘導体−
次いで、本実施形態に用いられるリグノフェノール誘導体について説明する。
リグノフェノール誘導体は、ポリ乳酸におけるカルボキシル基と架橋反応するための水酸基を分子構造中に少なくとも有する。リグノフェノール誘導体は重合体であり、該重合体中には複数の水酸基を有する。
尚、特に限定されるものではないが、本実施形態に用いられるリグノフェノール誘導体は、下記一般式(1)で表される構造を有していることが好ましい。
上記一般式(1)中、X、XおよびXは、各々独立に置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリーレン基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基またはアミド基を表す。
尚、X、XおよびXがそれぞれ置換アルキル基、置換アルコキシ基、置換アリール基または置換アリーレン基である場合の置換基としては、水酸基、カルボン酸基、カルボン酸誘導体基、アルキル基、アルコキシ基などが挙げられる。
また、上記一般式(1)中、aおよびcは各々独立に0以上3以下の整数を示し、bは0以上4以下の整数を示し、nは10以上5000以下の整数を示す。
上記一般式(1)で表されるリグノフェノール誘導体のより好ましい例としては、下記一般式(2)乃至一般式(4)で表されるリグノフェノール誘導体が挙げられる。
(一般式(2)中、nは10以上5000以下の整数を示す。)
(一般式(3)中、nは10以上5000以下の整数を示す。)
(一般式(4)中、nは10以上5000以下の整数を示す。)
上記一般式(1)で表されるリグノフェノール誘導体は、単一構造であってもよく、あるいは構造が異なる2種以上の混合物であってもよい。なお、一般式(1)で表されるリグノフェノール誘導体は重合体混合物であり、一般式(1)中のnは重合体混合物全体についてのnの平均値を意味する。
尚、本実施形態に用いられるリグノフェノール誘導体は、その重量平均分子量(Mw)が3000以上6000以下が好ましく、更には3500以上5500以下がより好ましい。
また、分子量分布(Mw/Mn)は3以上10以下が好ましく、更には4以上8以下がより好ましい。
更に溶融温度は、150℃以上180℃以下のものが好ましく、更には160℃以上170℃以下がより好ましい。
尚、重量平均分子量の測定は、ゲルパーミッションクロマトグラフ(GPC)により測定される。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー社製、HLC−8320GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行われる。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出される。
−リグノフェノール誘導体の合成方法−
本実施形態に係るリグノフェノール誘導体の合成方法としては、例えば、ヒノキやスギ等の植物資源に含まれるリグニンをリグノフェノール誘導体に変換分離して取り出し、この末端を水添加による水酸基化および天然ケトンを用いた酸化反応によるカルボキシル化する方法が挙げられる。かかる製造方法により得られるリグノフェノール誘導体の構造は、針葉樹、広葉樹などの植物資源の相違によって異なる場合があるが、特性上問題はない。
尚、リグノフェノール誘導体の合成方法の一例を挙げると、まず植物資源に含まれるリグニンをリグノフェノール誘導体に変換したものを沈殿物として分離した後、回収した沈殿物に水洗を行い、次いで、水洗後の沈殿物をアセトンに溶解し、ジエチルエーテル層に滴下し、再沈殿させることで、リグノフェノール誘導体が得られる。
尚、この溶解と再沈殿との工程の繰返しの回数を調整することで、リグノフェノール誘導体における重量平均分子量や分子量分布(Mw/Mn)が調整される。
本実施形態に用いられるリグノフェノール誘導体が上記一般式(1)で表される構造単位と他の構造単位とを有する場合、他の構造単位としては、脂肪族ポリエステル構造などのポリエステル構造、ポリカーボネート構造、芳香族ポリエステル構造、ポリアミド構造、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン構造、ポリスチレン構造、ポリアクリレート構造、ポリブタジエン構造、あるいはそれらの共重合体構造などが挙げられ、中でも脂肪族ポリエステル構造が好ましい。この場合、重合体はブロック共重合体またはランダム共重合体のいずれであってもよい。
本実施形態に用いられるリグノフェノール誘導体において、全構造単位に占める上記一般式(1)で表される構造単位の割合は、5mol%以上100mol%以下であることが好ましく、10mol%以上100mol%以下であることがより好ましい。
−ポリ乳酸−
本実施形態に用いられるポリ乳酸は、高分子鎖の末端(つまり主鎖の末端)に少なくともカルボキシル基を有していれば特に限定されるものではなく、L−体であっても、D−体であっても、その混合物(例えばポリ−L乳酸とポリ−D乳酸とを混合したステレオコンプレックスや、L−乳酸ブロックとD−乳酸ブロックとの両者を構造中に含むポリ乳酸)であってもよい。
本実施形態に用いられるポリ乳酸は、下記構造式(1)に示す構造単位を有する樹脂である。尚、高分子鎖の末端(主鎖の末端)は、両端ともがカルボキシル基であってもよいし、片末端のみがカルボキシル基でもう一方の末端が他の基(例えば水酸基)であってもよい。但し、両末端がカルボキシル基であることがより好ましい。
・分子量
本実施形態に用いられるポリ乳酸としては、あらゆる分子量のものが使用し得る。しかし、分子量が小さいほど架橋が強くなって柔軟性が低下する傾向にあり、逆に大きいほど架橋効果が不十分でやはり柔軟性が低下する傾向にあるとの観点から、重量平均分子量は50,000以上150,000以下が好ましく、更に60,000以上120,000以下がより好ましい。
尚、重量平均分子量の測定は、ゲルパーミッションクロマトグラフ(GPC)により測定される。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー社製、HLC−8320GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行われる。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出される。
−架橋高分子化合物の合成−
本実施形態に係る架橋高分子化合物は、上記ポリ乳酸とリグノフェノール誘導体とを混合し、この混合物を溶融混練することにより架橋重合が行われ、架橋高分子化合物として得られる。
尚、混合や溶融混練の手段としては公知の手段が用いられ、例えば、二軸押出し機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
また、ポリ乳酸とリグノフェノール誘導体とを架橋重合する際には、架橋触媒を添加してもよい。
本実施形態において用いられる架橋触媒としては、例えば、テトラブトキシチタン酸、酸化ゲルマニウム、オクチル酸スズ、酸化アルミニウム等が挙げられる。
架橋触媒の添加量としては、ポリ乳酸とリグノフェノール誘導体との合計量に対して0.01質量%以上1質量%以下が望ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下がより望ましい。
・ポリ乳酸とリグノフェノール誘導体との比
本実施形態に係る架橋高分子化合物中における、ポリ乳酸に由来する構成成分の含有量(N)とリグノフェノール誘導体に由来する構成成分の含有量(L)との質量比(L/N×100)は、架橋重合に用いられるポリ乳酸とリグノフェノール誘導体との量によって調整される。尚、重縮合で結合した部分については、カルボン酸酸素原子までをポリ乳酸構造に含み計算する。
上記質量比(L/N×100)としては、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、更には0.2質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。
0.1質量%以上であることにより、架橋構造が適度に得られ優れた柔軟性を有する樹脂成形体を形成し得る架橋高分子化合物となる。一方10質量%以下であることにより、架橋が過度となり過ぎず硬く脆い性質となってしまうことが抑制され、優れた機械強度が得られる。
尚、本実施形態に係る架橋高分子化合物や、該架橋高分子化合物を用いて形成された樹脂成形体から、前記質量比(L/N×100)を算出するには、以下の方法が用いられる。まずIR(赤外吸収)スペクトルにて、ポリ乳酸とリグノフェノール誘導体を含む組成物であることを確認し、次いでH−NMR(核磁気共鳴)にて、ベンゼン環由来Hとポリ乳酸のメチル基由来プロトン強度から各成分の質量を算出する。
[樹脂組成物]
本実施形態に係る樹脂組成物は、前述の本実施形態に係る架橋高分子化合物を含有する。また、上記樹脂組成物に対しては、その他の添加剤を添加してもよい。
(難燃剤)
本実施形態に係る樹脂組成物は、更に難燃剤を含有してもよい。
難燃剤としては、臭素系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機粒子系難燃剤などが挙げられる。難燃剤の好ましい例としては、リン酸エステル系、縮合リン酸エステル系、リン重合ポリエステル系などのリン系難燃剤、シリコーンパウダー、シリコーン樹脂などのシリコーン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機粒子系難燃剤などが挙げられる。
中でも、縮合リン酸エステルが好ましい。縮合リン酸エステルは、その一部がリグノフェノール誘導体の官能基に配位され、またその他にも架橋高分子化合物の架橋構造中の自由体積に分散されるものと推察され、極めて高い分散性が得られるものと推察される。これにより消炎効果が加速されて、優れた難燃性が得られるものと考えられる。
・縮合リン酸エステル
縮合リン酸エステルとしては、例えば、ビスフェノールA型、ビフェニレン型、イソフタル型などの芳香族縮合リン酸エステルが挙げられ、具体的には、例えば、下記一般式(I)または一般式(II)で表される縮合リン酸エステルが挙げられる。
一般式(I)中、Q、Q、QおよびQはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、Q、Q、QおよびQはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、m1、m2、m3およびm4はそれぞれ独立に、0以上3以下の整数を示し、m5およびm6はそれぞれ独立に、0以上2以下の整数を表し、n1は、0以上10以下の整数を表す。
一般式(II)中、Q、Q10、Q11およびQ12はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、Q13は、水素原子またはメチル基を表し、m7、m8、m9およびm10はそれぞれ独立に、0以上3以下の整数を表し、m11は0以上4以下の整数を表し、n2は、0以上10以下の整数を表す。
縮合リン酸エステルは合成品でも市販品でもよい。縮合リン酸エステルの市販品として、具体的には、例えば、大八化学社製の市販品(「PX200」、「PX201」、「PX202」、「CR741」等)、アデカ社製の市販品(「アデカスタブFP2100」、「FP2200」等)等が挙げられる。
これらの中でも、縮合リン酸エステルとしては、下記構造式(1)で示される化合物(例えば大八化学社製「PX200」)、及び下記構造式(2)で示される化合物(例えば大八化学社製「CR741」)から選択される少なくとも1種であることがよい。
難燃剤の含有量は、樹脂組成物全量を基準として、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上25質量%以下がより好ましい。
また特に、難燃剤として縮合リン酸エステルを用いる場合には、樹脂組成物全量を基準として、1質量部以上20質量部以下が好ましく、5質量部以上10質量部以下がより好ましい。
(その他の樹脂)
本実施形態に係る樹脂組成物において、前記架橋高分子化合物と他の樹脂とを併用して用いてもよい。併用される樹脂としては、脂肪族ポリエステル等のポリエステル、ポリカーボネートなど従来公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、中でも脂肪族ポリエステルが好ましい。
・脂肪族ポリエステル
併用される脂肪族ポリエステルとしては、特に制限されるものではないが、例えば、ヒドロキシカルボン酸重合体、脂肪族ジオールと脂肪族カルボン酸との重縮合体等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルとして具体的には、例えば、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシヘキサネート、ポリヒドロキシバリレートおよびそれらの共重合体など、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリエレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、およびこれら2種以上の共重合体等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルは、例えば、単一の連続体(例えば、ポリヒドロキシブチレート)でもよいし、光学異性体が混在していてもよく、また、それらが共重合していてもよい。
脂肪族ポリエステルの重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば、8000以上150000以下がよく、望ましくは20000以上100000以下である。
また、脂肪族ポリエステル以外の他の樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリーレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリールケトン樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、液晶樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリパラバン酸樹脂、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂、ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂、シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
これら樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物が、本実施形態に係る架橋高分子化合物に加えて更に他の樹脂を含有する場合、該他の樹脂の含有量は、本実施形態に係る架橋高分子化合物の量を基準として、好ましくは5質量%以上50質量%以下、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
(その他の添加剤)
また、樹脂組成物に添加される添加剤としては、例えば、酸化防止剤、強化剤、相溶化剤、耐候剤、強化剤、加水分解防止剤等が挙げられる。これらの添加剤の含有量は、樹脂組成物全量を基準としてそれぞれ5質量%以下であることが好ましい。
[成形体]
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る架橋高分子化合物を含んで構成されている。
具体的に本実施形態に係る成形体は、例えば、本実施形態に係る樹脂組成物を成形機により成形することにより得られる。なお、成形機による成形方法は、例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーテイング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などが挙げられる。
ここで、上記射出成形は、例えば、日精樹脂工業製NEX150、日精樹脂工業製NEX70000、東芝機械製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
この際、シリンダ温度としては、170℃以上280℃以下とすることが望ましく、180℃以上270℃以下とすることがより望ましい。また、金型温度としては、40℃以上110℃以下とすることが望ましく、50℃以上110℃以下とすることがより望ましい。
本実施形態に係る成形体は、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの用途に好適に用いられる。より具体的には、家電製品や電子・電気機器などの筐体、各種部品など、ラッピングフィルム、CD−ROMやDVDなどの収納ケース、食器類、食品トレイ、飲料ボトル、薬品ラップ材などであり、中でも、電子・電気機器の部品に好適である。
図1は、本実施形態に係る成形体を備える電子・電気機器の部品の一例である画像形成装置を、前側から見た外観斜視図である。
図1の画像形成装置100は、本体装置110の前面にフロントカバー120a,120bを備えている。これらのフロントカバー120a,120bは、操作者が装置内を操作するよう開閉自在となっている。これにより、操作者は、トナーが消耗したときにトナーを補充したり、消耗したプロセスカートリッジを交換したり、装置内で紙詰まりが発生したときに詰まった用紙を取り除いたりする。図1には、フロントカバー120a,120bが開かれた状態の装置が示されている。
本体装置110の上面には、用紙サイズや部数等の画像形成に関わる諸条件が操作者からの操作によって入力される操作パネル130、及び、読み取られる原稿が配置されるコピーガラス132が設けられている。また、本体装置110は、その上部に、コピーガラス132上に原稿を搬送する自動原稿搬送装置134を備えている。更に、本体装置110は、コピーガラス132上に配置された原稿画像を走査して、その原稿画像を表わす画像データを得る画像読取装置を備えている。この画像読取装置によって得られた画像データは、制御部を介して画像形成ユニットに送られる。なお、画像読取装置、及び制御部は、本体装置110の一部を構成する筐体150の内部に収容されている。また、画像形成ユニットは、着脱自在なプロセスカートリッジ142として筐体150に備えられている。プロセスカートリッジ142の着脱は、操作レバー144を回すことによって行われる。
本体装置110の筐体150には、トナー収容部146が取り付けられており、トナー供給口148からトナーが補充される。トナー収容部146に収容されたトナーは現像装置に供給されるようになっている。
一方、本体装置110の下部には、用紙収納カセット140a,140b,140cが備えられている。また、本体装置110には、一対のローラで構成される搬送ローラが装置内に複数個配列されることによって、用紙収納カセットの用紙が上部にある画像形成ユニットまで搬送される搬送経路が形成されている。なお、各用紙収納カセットの用紙は、搬送経路の端部に配置された用紙取出し機構によって1枚ずつ取り出されて、搬送経路へと送り出される。また、本体装置110の側面には、手差しの用紙供給部136が備えられており、ここからも用紙が供給される。
画像形成ユニットによって画像が形成された用紙は、本体装置110の一部を構成する筐体152によって支持された相互に接触する2個の定着ロールの間に順次移送された後、本体装置110の外部に排紙される。本体装置110には、用紙供給部136が設けられている側と反対側に用紙排出部138が複数備えられており、これらの用紙排出部に画像形成後の用紙が排出される。
画像形成装置100において、例えば、フロントカバー120a,120b、プロセスカートリッジ142の外装、筐体150、及び筐体152に、本実施形態に係る成形体が用いられている。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。尚、以下において「部」および「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
<リグノフェノール誘導体の製造>
(リグノフェノール誘導体A)
20L攪拌釜にて、ひのきの木粉1kgをアセトン10Lで洗浄し、濾過後、洗浄済木粉を真空乾燥機にて60℃/20Paの条件下で4時間乾燥した。この木粉を20L攪拌釜に入れ、5Lのクレゾールに溶解し、更に72%濃硫酸を5L加え、温度が上昇しないよう冷却しながら5時間攪拌した。クレゾール層だけを抜き取り、500mlまで濃縮させ、これに1Lのジエチルエーテルを加えて攪拌した後、分散している固形分を濾過した。これを5Lのアセトンに溶解し、200mlまで濃縮し、5Lの蒸留水に滴下して不溶分を吸引濾過し、再び「アセトンへの溶解−濃縮−蒸留水中への滴下」の工程を5回繰り返した。こうしてリグノフェノール誘導体Aを得た。
(リグノフェノール誘導体B)
「アセトンへの溶解−濃縮−蒸留水中への滴下」の工程を10回繰り返した以外は、リグノフェノール誘導体Aにおける製造方法によって、リグノフェノール誘導体Bを得た。
(リグノフェノール誘導体C)
「アセトンへの溶解−濃縮−蒸留水中への滴下」の工程を2回繰り返した以外は、リグノフェノール誘導体Aにおける製造方法によって、リグノフェノール誘導体Cを得た。
(リグノフェノール誘導体D)
「アセトンへの溶解−濃縮−蒸留水中への滴下」の工程を30回繰り返した以外は、リグノフェノール誘導体Aにおける製造方法によって、リグノフェノール誘導体Dを得た。
(リグノフェノール誘導体E)
原料として、ひのきの木粉の代わりにスギの木粉を用いた以外は、リグノフェノール誘導体Aにおける製造方法によって、リグノフェノール誘導体Eを得た。
(リグノフェノール誘導体F)
原料として、ひのきの木粉の代わりにスギの木粉を用いた以外は、リグノフェノール誘導体Bにおける製造方法によって、リグノフェノール誘導体Fを得た。
それぞれのリグノフェノール誘導体の分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を下記表1に示す。
[実施例1〜30および比較例1〜5]
<樹脂組成物の作製>
リグノフェノール誘導体、ポリ乳酸、重合触媒および添加剤を、下記表2および表3に示す量で準備した。これらの内、リグノフェノール誘導体、ポリ乳酸、および添加剤を混合したものをメインホッパーから、重合触媒をサイドフィードホッパーから供給する方法で、2軸押し出し装置(東芝機械製。TEM3000)にて、表2および表3に示すシリンダ温度、吐出量で混練し、冷却、ペレタイズしてペレット状の樹脂組成物(樹脂ペレット)を得た。
−物性値の測定−
この樹脂ペレット0.1gをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)100gに添加し、室温(25℃)で1時間攪拌した後、溶けなかった成分(高分子量成分)を濾過で除去し、この高分子量成分の質量を測定した。
次いで、ヘキサフルオロイソプロパノールに溶けた成分(低分子量成分)について、ゲルパーミッションクロマトグラフ(東ソー社、HLC−3121GPC/HT)にて重量平均分子量(Mw)および、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
HFIP不溶分(高分子量成分)の含有比率、およびHFIP可溶分(低分子量成分)の重量平均分子量(Mw)と分子量分布(Mw/Mn)を、下記表2および表3に示す。
尚、上記表2および表3にて用いた各成分は、下記の通りである。
・ポリ乳酸G:(ユニチカ社/テラマックTE2000)、重量平均分子量12万
・ポリ乳酸H:(三井化学社/レイシアH100)、重量平均分子量6万
・ポリ乳酸I:(東洋紡社/バイオエコロール)、重量平均分子量0.8万
・重合触媒J:和光純薬社/テトラブトキシチタン酸
・重合触媒K:和光純薬社/酸化ゲルマニウム
・添加剤(難燃剤)L:縮合リン酸エステル、大八化学工業社/PX200
・添加剤(難燃剤)M:縮合リン酸エステル、大八化学工業社/CR741
・添加剤(難燃剤)N:ポリリン酸アンモニウム、クラリアント社/AP422
・添加剤(難燃剤)O:臭素系化合物、鈴裕化学社/ファイアカットP−83D
<樹脂成形体の作製>
前記樹脂ペレットを、射出成形機(日精樹脂工業製、NEX150)を用い、表4および表5に示すシリンダ温度、金型温度で、ISO多目的ダンベル試験片(試験部長さ100mm、幅10mm、厚み4mm)、および正方形平板(60×60mm、厚さ2mm)を作製した。
〔評価試験〕
−引張破断歪(柔軟性)−
前記ISO多目的ダンベル試験片を加工し、材料試験機(東洋精機製作所製、インストロンVR6)にて、ISO527−1に従って引張試験を実施し引張破断歪を測定し、柔軟性を評価した。
−面衝撃強度−
次に、前記正方形平板を用い、面衝撃測定装置(東洋精機社製、シートインパクテスタ)にて面衝撃強度を測定した。具体的な測定方法としては、前記正方形平板にロードセルで制御された圧子を押し付け、割れるまでに要したエネルギーを測定した。
以上の結果を表4および表5に示す。
100 画像形成装置
110 本体装置
120a、120b フロントカバー
136 用紙供給部
138 用紙排出部
142 プロセスカートリッジ
150、152 筐体

Claims (7)

  1. 高分子鎖の末端に少なくともカルボキシル基を有するポリ乳酸の該カルボキシル基と、分子構造中に少なくとも水酸基を有するリグノフェノール誘導体の該水酸基と、が反応して形成される架橋構造を有し、
    ヘキサフルオロイソプロパノールに不溶な高分子量成分とヘキサフルオロイソプロパノールに可溶な低分子量成分とを含有し、
    前記高分子量成分および前記低分子量成分の全量に対する前記高分子量成分の含有比率が2質量%以上75質量%以下であり、
    且つ前記低分子量成分の重量平均分子量(Mw)が10万以上である架橋高分子化合物。
  2. 前記低分子量成分の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が10以上20以下である請求項1に記載の架橋高分子化合物。
  3. 前記ポリ乳酸由来の構成成分の含有量(N)と前記リグノフェノール誘導体由来の構成成分の含有量(L)との質量比(L/N×100)が0.1質量%以上10質量%以下である請求項1または請求項2に記載の架橋高分子化合物。
  4. 請求項1に記載の架橋高分子化合物を含有する樹脂組成物。
  5. 更に縮合リン酸エステルを含む請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1に記載の架橋高分子化合物を含有する樹脂成形体。
  7. 更に縮合リン酸エステルを含む請求項6に記載の樹脂成形体。
JP2012055936A 2012-03-13 2012-03-13 架橋高分子化合物、樹脂組成物、および樹脂成形体 Expired - Fee Related JP5880167B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012055936A JP5880167B2 (ja) 2012-03-13 2012-03-13 架橋高分子化合物、樹脂組成物、および樹脂成形体
US13/585,217 US20130245171A1 (en) 2012-03-13 2012-08-14 Crosslinked polymer compound, resin compound and resin molded product
KR1020120101882A KR20130105252A (ko) 2012-03-13 2012-09-14 가교 고분자 화합물, 수지 조성물, 및 수지 성형체
CN201210342654.3A CN103304971B (zh) 2012-03-13 2012-09-14 交联高分子化合物、树脂组合物和树脂成形体
EP12184364.3A EP2639254A1 (en) 2012-03-13 2012-09-14 Crosslinked polymer compound, resin composition and resin molded product

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012055936A JP5880167B2 (ja) 2012-03-13 2012-03-13 架橋高分子化合物、樹脂組成物、および樹脂成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013189530A JP2013189530A (ja) 2013-09-26
JP5880167B2 true JP5880167B2 (ja) 2016-03-08

Family

ID=46940325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012055936A Expired - Fee Related JP5880167B2 (ja) 2012-03-13 2012-03-13 架橋高分子化合物、樹脂組成物、および樹脂成形体

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20130245171A1 (ja)
EP (1) EP2639254A1 (ja)
JP (1) JP5880167B2 (ja)
KR (1) KR20130105252A (ja)
CN (1) CN103304971B (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6369168B2 (ja) * 2014-07-01 2018-08-08 富士電機株式会社 電子写真用感光体及びそれを搭載する画像形成装置
JP6822766B2 (ja) * 2015-01-22 2021-01-27 旭化成株式会社 ポリアミド樹脂組成物を含む成形体
CN115575437A (zh) 2017-08-22 2023-01-06 Lg化学株式会社 用于评价塑料树脂的注射物理性质的方法,以及用于注射成型的聚乙烯树脂
CN115746524B (zh) * 2022-11-24 2023-12-19 扬州惠通新材料有限公司 一种生物降解的微发泡聚乳酸材料的制备方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7026379B2 (en) * 2001-09-26 2006-04-11 Kabushiki Kaisha Toshiba Copolymer resin composition and production process thereof
JP3632763B2 (ja) * 2002-03-15 2005-03-23 三重県 自然崩壊性を有するプラスチック成形品
JP5045030B2 (ja) * 2006-08-23 2012-10-10 富士ゼロックス株式会社 樹脂組成物、樹脂成形体及び筐体、並びに樹脂成形体の製造方法及びリサイクル方法
JP4893158B2 (ja) * 2006-08-23 2012-03-07 富士ゼロックス株式会社 樹脂、樹脂成形体及び筐体並びに樹脂成形体の製造方法
JP4135760B2 (ja) * 2006-11-28 2008-08-20 富士ゼロックス株式会社 リグノフェノール誘導体、重合体、樹脂組成物および樹脂成形体
JP5164423B2 (ja) 2007-04-27 2013-03-21 独立行政法人科学技術振興機構 リグノフェノール−ポリ乳酸複合体
JP5572864B2 (ja) * 2008-12-25 2014-08-20 出光ライオンコンポジット株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物
JP5599017B2 (ja) * 2009-02-27 2014-10-01 出光ライオンコンポジット株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物
WO2010074228A1 (ja) * 2008-12-25 2010-07-01 出光興産株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
KR20130105252A (ko) 2013-09-25
EP2639254A1 (en) 2013-09-18
US20130245171A1 (en) 2013-09-19
CN103304971B (zh) 2016-08-17
CN103304971A (zh) 2013-09-18
JP2013189530A (ja) 2013-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7498422B2 (en) Lignophenol derivative, polymer, resin composition, and molded resin
EP2294140B1 (en) Fire retardant resin composition
JP5045030B2 (ja) 樹脂組成物、樹脂成形体及び筐体、並びに樹脂成形体の製造方法及びリサイクル方法
JP5880167B2 (ja) 架橋高分子化合物、樹脂組成物、および樹脂成形体
JP2008303320A (ja) 電子機器向けポリ乳酸系難燃薄物シート
JP5942451B2 (ja) リグノフェノール誘導体、樹脂組成物、樹脂成形体
JP2013067681A (ja) 木粉含有材料及びその製造方法、並びに、成形体
JP5974574B2 (ja) 樹脂組成物、および樹脂成形体
JP5115172B2 (ja) 樹脂組成物
JP2017082062A (ja) 樹脂組成物及び樹脂成形体
JP5708057B2 (ja) ポリ乳酸樹脂、樹脂組成物および樹脂成形体
JP5732885B2 (ja) 化合物、樹脂組成物、及び樹脂成形体
JP2013129710A (ja) 樹脂化合物、樹脂組成物、及び樹脂成形体
JP2005008672A (ja) 樹脂組成物
CN111051431A (zh) 阻燃性聚对苯二甲酸丁二醇酯树脂组合物
JP2012001608A (ja) 化合物、樹脂組成物および樹脂成形体
JP2010185031A (ja) 耐加水分解性ポリカーボネート/アクリロニトリル系アロイ樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150210

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151225

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5880167

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees