JP2013129710A - 樹脂化合物、樹脂組成物、及び樹脂成形体 - Google Patents

樹脂化合物、樹脂組成物、及び樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】成形後の柔軟性に優れる樹脂化合物を提供すること。
【解決手段】脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと、前記脂肪族ポリエステルおよび/又は前記脂肪族ポリアミド100質量部に対する組成比が0.1質量部以上5質量部以下の下記一般式(1)で表される芳香族化合物と、の結合体からなる樹脂化合物。
一般式(1) (X)−(CHOH)
(一般式(1)中、Xは芳香環を1つ以上含むn価の基を表し、nは2以上10以下の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂化合物、樹脂組成物、及び樹脂成形体に関する。
従来、樹脂組成物として種々のものが提供され、各種用途に使用されている。特に家電製品や自動車の各種部品、筐体等に使用され、また事務機器、電子電気機器の筐体などの部品にも樹脂組成物が使用されている。
例えば、特許文献1には、「数平均分子量が10,000〜300,000の範囲にある融点90℃以上の結晶性ポリマー(A)100重量部に対して、活性エネルギー線照射により該結晶性ポリマー(A)の分子鎖を拘束できる架橋性モノマー(B)0.1〜30重量部を配合してなる架橋性樹脂組成物」が提案されている。
特開平10−147720号公報
本発明の課題は、成形後の柔軟性に優れる樹脂化合物を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと、
前記脂肪族ポリエステルおよび/又は前記脂肪族ポリアミド100質量部に対する組成比が0.1質量部以上5質量部以下の下記一般式(1)で表される芳香族化合物と、
の結合体からなる樹脂化合物。
一般式(1) (X)−(CHOH)
一般式(1)中、Xは芳香環を1つ以上含むn価の基を表し、nは2以上10以下の整数を表す。
請求項2に係る発明は、
前記芳香族化合物が、前記一般式(1)におけるヒドロキシメチル基の少なくとも1つが、前記Xで表される基における芳香環に直接結合した芳香族化合物である請求項1に記載の樹脂化合物。
請求項3に係る発明は、
前記芳香族化合物が、下記一般式(2)で表される芳香族化合物、下記一般式(3)で表される芳香族化合物、及び下記一般式(4)で表される芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の樹脂化合物。

一般式(2)中、Rは水素原子又は置換基を表し、mは2以上6以下の整数を表す。
一般式(3)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、p及びqはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表し、rは0以上10以下の整数を表す。
一般式(4)中、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、d及びfはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表し、e及びgはそれぞれ独立に0以上5以下の整数を表し、h、i、j及びkはそれぞれ独立に0以上10以下の整数を表す。ただし、dとeとfとgとの合計は10以下である。
請求項4に係る発明は、
脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと、前記脂肪族ポリエステルおよび/又は前記脂肪族ポリアミド100質量部に対する組成比が0.1質量部以上5質量部以下の下記一般式(1)で表される芳香族化合物と、の結合体からなる樹脂化合物と、
縮合リン酸エステルと、
を含有する樹脂組成物。
一般式(1) (X)−(CHOH)
一般式(1)中、Xは芳香環を1つ以上含むn価の基を表し、nは2以上10以下の整数を表す。
請求項5に係る発明は、
前記芳香族化合物が、前記一般式(1)におけるヒドロキシメチル基の少なくとも1つが、前記Xで表される基における芳香環に直接結合した芳香族化合物である請求項4に記載の樹脂組成物。
請求項6に係る発明は、
前記芳香族化合物が、下記一般式(2)で表される芳香族化合物、下記一般式(3)で表される芳香族化合物、及び下記一般式(4)で表される芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項4又は請求項5に記載の樹脂組成物。

一般式(2)中、Rは水素原子又は置換基を表し、mは2以上6以下の整数を表す。
一般式(3)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、p及びqはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表し、rは0以上10以下の整数を表す。
一般式(4)中、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、d及びfはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表し、e及びgはそれぞれ独立に0以上5以下の整数を表し、h、i、j及びkはそれぞれ独立に0以上10以下の整数を表す。ただし、dとeとfとgとの合計は10以下である。
請求項7に係る発明は、
脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと、
前記脂肪族ポリエステルおよび/又は前記脂肪族ポリアミド100質量部に対する組成比が0.1質量部以上5質量部以下の下記一般式(1)で表される芳香族化合物と、
の結合体からなる樹脂化合物を含有する樹脂成形体。
一般式(1) (X)−(CHOH)
一般式(1)中、Xは芳香環を1つ以上含むn価の基を表し、nは2以上10以下の整数を表す。
請求項8に係る発明は、
前記芳香族化合物が、前記一般式(1)におけるヒドロキシメチル基の少なくとも1つが、前記Xで表される基における芳香環に直接結合した芳香族化合物である請求項7に記載の樹脂成形体。
請求項9に係る発明は、
前記芳香族化合物が、下記一般式(2)で表される芳香族化合物、下記一般式(3)で表される芳香族化合物、及び下記一般式(4)で表される芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項7又は請求項8に記載の樹脂成形体。

一般式(2)中、Rは水素原子又は置換基を表し、mは2以上6以下の整数を表す。
一般式(3)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、p及びqはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表し、rは0以上10以下の整数を表す。
一般式(4)中、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、d及びfはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表し、e及びgはそれぞれ独立に0以上5以下の整数を表し、h、i、j及びkはそれぞれ独立に0以上10以下の整数を表す。ただし、dとeとfとgとの合計は10以下である。
請求項10に係る発明は、
さらに、縮合リン酸エステルを含有する請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
請求項11に係る発明は、
射出成形により成形されてなる請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
請求項1に係る発明によれば、前記一般式(1)で表される芳香族化合物と脂肪族ポリエステル又は脂肪族ポリアミドとの組成比が上記特定の範囲でない場合に比べ、成形後の柔軟性に優れる樹脂化合物が提供される。
請求項2に係る発明によれば、前記一般式(1)で表される芳香族化合物が上記特定の芳香族化合物でない場合に比べ、成形後の熱耐性に優れる樹脂化合物が提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記一般式(1)で表される芳香族化合物が上記特定の芳香族化合物でない場合に比べ、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が提供される。
請求項4に係る発明によれば、従来公知の難燃剤のなかで縮合リン酸エステルでない難燃剤を含有する場合に比べ、成形後の機械的強度に優れる樹脂組成物が提供される。
請求項5に係る発明によれば、前記一般式(1)で表される芳香族化合物が上記特定の芳香族化合物でない場合に比べ、成形後の熱耐性に優れる樹脂組成物が提供される。
請求項6に係る発明によれば、前記一般式(1)で表される芳香族化合物が上記特定の芳香族化合物でない場合に比べ、成形後の柔軟性に優れる樹脂組成物が提供される。
請求項7に係る発明によれば、前記一般式(1)で表される芳香族化合物と脂肪族ポリエステル又は脂肪族ポリアミドとの組成比が上記特定の範囲でない場合に比べ、柔軟性に優れる樹脂成形体が提供される。
請求項8に係る発明によれば、前記一般式(1)で表される芳香族化合物が上記特定の芳香族化合物でない場合に比べ、熱耐性に優れる樹脂成形体が提供される。
請求項9に係る発明によれば、前記一般式(1)で表される芳香族化合物が上記特定の芳香族化合物でない場合に比べ、柔軟性により優れる樹脂成形体が提供される。
請求項10に係る発明によれば、従来公知の難燃剤のなかで縮合リン酸エステルでない難燃剤を含有する場合に比べ、機械的強度に優れる樹脂成形体が提供される。
請求項11に係る発明によれば、自由な形状が実現された樹脂成形体が提供される。
本実施形態に係る樹脂成形体を備える電子・電気機器の部品の一例を示す模式図である。 実施例5で得た樹脂化合物の吸収スペクトルを示す図である。 実施例18で得た樹脂化合物の吸収スペクトルを示す図である。
以下、本発明の樹脂化合物、樹脂組成物及び樹脂成形体の一例である実施形態について説明する。
<樹脂化合物>
本実施形態に係る樹脂化合物は、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと、下記一般式(1)で表される芳香族化合物(単に「芳香族化合物」とも称する)とが、前記脂肪族ポリエステルおよび/又は前記脂肪族ポリアミド100質量部に対して前記芳香族化合物0.1質量部以上5質量部以下の組成比で結合した結合体からなる樹脂化合物である。
一般式(1) (X)−(CHOH)
一般式(1)中、Xは芳香環を1つ以上含むn価の基を表し、nは2以上10以下の整数を表す。
本実施形態に係る樹脂化合物では、上記構成により、成形後の柔軟性に優れる樹脂化合物が実現される。
この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
前記芳香族化合物は、前記一般式(1)におけるヒドロキシメチル基(−CHOH)を介して脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドの分子末端のカルボキシル基と共有結合し、更に、前記一般式(1)における別のヒドロキシメチル基を介して脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドが有するカルボニル基にイオン結合的に配位して架橋に類した構造(「疑似架橋構造」と表現することがある)を形成すると考えられる。
上記の疑似架橋構造は、前記芳香族化合物と脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドとを柔軟に繋ぎ、その結果、成形後の柔軟性に優れる樹脂化合物が実現されると考えられる。
また、前記芳香族化合物は、芳香環と、芳香環に直接結合又は間接的に結合したメチレン基を有することから、比較的剛直な構造と比較的柔軟な構造の繰り返しが形成され、その結果、成形後の柔軟性に優れる樹脂化合物が実現されると考えられる。
さらに、本実施形態に係る樹脂化合物では、前記芳香族化合物に由来する構造単位が有する芳香環が、当該構造単位のヒドロキシメチル基及び、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドに由来する構造単位と作用し、樹脂化合物の成形体に火がついた場合に成形体表面に炭化層を形成しやすく、その結果、それ以上の燃焼をくい止めると考えられる。したがって、本実施形態に係る樹脂化合物によれば、成形後の難燃性に優れる樹脂化合物が実現されると考えられる。
前記芳香族化合物と、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドとは、前述のように疑似架橋構造を形成すると考えられる。
そのため、前記芳香族化合物に由来する構造単位は、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドに由来する構造単位の全体にわたって分布すると考えられる。その結果、前記芳香族化合物によって付与される特性は、樹脂化合物全体にわたって実現されるものと考えられる。
本実施形態に係る樹脂化合物は、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと、前記芳香族化合物とが、前記脂肪族ポリエステルおよび/又は前記脂肪族ポリアミド100質量部に対して前記芳香族化合物0.1質量部以上5質量部以下の組成比で結合した結合体である。
脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミド100質量部に対して、前記芳香族化合物が0.1質量部以上であることにより、成形後の柔軟性に優れる樹脂化合物が実現される。
一方、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミド100質量部に対して、前記芳香族化合物が5質量部以下であることにより、樹脂化合物に占める脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドに由来する構造単位の割合が少なくなり過ぎず、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミド本来の柔軟性により、成形後の柔軟性に優れる樹脂化合物が実現される。
本実施形態に係る樹脂化合物において、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと前記芳香族化合物とが結合していることは、赤外吸収スペクトルを測定することにより同定される。具体的には、赤外吸収スペクトルを測定し、730cm−1乃至740cm−1付近と3010cm−1付近とにピークが見られた場合に、結合が生じていると同定される。
本実施形態に係る樹脂化合物において、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと前記芳香族化合物との組成比(質量比)は、赤外吸収スペクトルを測定し、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミド由来のピークと前記芳香族化合物由来のピークの比を計算することにより同定される。
また、樹脂組成物または樹脂成形体に本実施形態に係る樹脂化合物が含まれることは、例えば、赤外吸収スペクトルの測定や、電位差滴定法により検出される。
(脂肪族ポリエステル)
脂肪族ポリエステルとしては、特に制限されるものではないが、例えば、ヒドロキシカルボン酸重合体、脂肪族ジオールと脂肪族カルボン酸との重縮合体等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルとして具体的には、例えば、ポリ乳酸、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシヘキサネート、ポリヒドロキシバリレート、及びこれらの共重合体、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリエレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、及びこれらの共重合体などが挙げられる。
これら脂肪族ポリエステルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、脂肪族ポリエステルとしては、前記芳香族化合物との組み合わせにおいて、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、及びこれら2種以上の共重合体がよく、より望ましくはポリ乳酸がよい。
脂肪族ポリエステルは、単一の連続体(例えば、ポリヒドロキシブチレート)でもよく、ポリ乳酸の光学異性体であるL体とD体が混在していてもよく、また、それらが共重合していてもよい。
脂肪族ポリエステルの重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、8000以上150000以下がよく、望ましくは20000以上100000以下である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミッションクロマトグラフィー装置(島津製作所製Prominence GPC型)を用い、測定カラムにはShim−pack GPC−80Mを使用して測定された値である。以下同様である。
(脂肪族ポリアミド)
脂肪族ポリアミドとしては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリヒドロキシアミン、脂肪族アミンと脂肪族ジオールの重縮合体等が挙げられる。
脂肪族ポリアミドとして具体的には、例えば、ポリアミド4−6、ポリアミド6、ポリアミド6−6、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12、ポリアミド6−13、ポリアミド6−14、ポリアミド6−15、ポリアミド6−16、ポリアミド9−10、ポリアミド9−12、ポリアミド9−13、ポリアミド9−14、ポリアミド9−15、ポリアミド9−36、ポリアミド10−6、ポリアミド10−10、ポリアミド10−12、ポリアミド10−13、ポリアミド10−14、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド12−10、ポリアミド12−12、ポリアミド12−13、ポリアミド12−14等が挙げられる。
これら脂肪族ポリアミドは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、脂肪族ポリアミドとしては、前記芳香族化合物との組み合わせにおいて、ポリアミド11がよい。
脂肪族ポリアミド樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、5000以上200000以下がよく、望ましくは10000以上150000以下である。
(一般式(1)で表される芳香族化合物)
前記芳香族化合物は、下記一般式(1)で表される芳香族化合物である。
一般式(1) (X)−(CHOH)
一般式(1)中、Xは芳香環を1つ以上含むn価の基を表し、nは2以上10以下の整数を表す。
一般式(1)においてXで表される基は、芳香環を1つ以上含み、当該芳香環としては単環でも多環でも縮合環でもよい。
一般式(1)においてXで表される基としては、例えば、置換又は無置換の、ベンゼン(単環芳香族炭化水素);ビフェニル、トリフェニル等の複数のベンゼンが単結合した多環芳香族炭化水素;ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラセン等の縮合環芳香族炭化水素;ベンゼン、前記多環芳香族炭化水素及び前記縮合環芳香族炭化水素から選ばれる2個以上が単結合した化合物;複数のベンゼンが炭素数1以上12以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)を介して単結合した化合物;ベンゼン、前記多環芳香族炭化水素及び前記縮合環芳香族炭化水素から選ばれる2個以上が炭素数1以上12以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)を介して単結合した化合物;等から水素原子がn個とれた基が挙げられる。
上記置換の置換基としては、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数2以上12以下のアルケニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)等が挙げられる。
前記置換基としては、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、炭素数1以上6以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)又はヒドロキシ基が望ましく、メチル基又はヒドロキシ基がより望ましい。
一般式(1)において、nは、2以上10以下の整数を表す。即ち、前記芳香族化合物は、2以上10以下の個数のヒドロキシメチル基(−CHOH)を有する。
前記芳香族化合物は、ヒドロキシメチル基を介して脂肪族ポリエステル又は脂肪族ポリアミドの分子末端のカルボキシル基と共有結合し、更に、別のヒドロキシメチル基を介して脂肪族ポリエステル又は脂肪族ポリアミドが有するカルボニル基と疑似架橋構造を形成するために、ヒドロキシメチル基を2個以上有する必要がある。
ヒドロキシメチル基の個数が2個以上であると、疑似架橋構造が十分に形成され、柔軟性や難燃性に対する効果が十分に得られる傾向がある。一方、ヒドロキシメチル基の個数が10個以下であると、架橋反応が進み過ぎることが抑制され、柔軟性が保持される傾向がある。
nは、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、望ましくは2以上8以下の整数がよく、より望ましくは3以上7以下の整数がよい。
前記芳香族化合物は、前記一般式(1)におけるヒドロキシメチル基の少なくとも1つが、前記Xで表される基における芳香環に直接結合した芳香族化合物がよい。より望ましくは、前記一般式(1)におけるヒドロキシメチル基の2つ以上が、前記Xで表される基における芳香環に直接結合した芳香族化合物がよく、更に望ましくは、前記一般式(1)におけるヒドロキシメチル基の全てが、前記Xで表される基における芳香環に直接結合した芳香族化合物がよい。
ヒドロキシメチル基自体は短く、前記Xで表される基における芳香環と、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドとが、この短いヒドロキシメチル基を介して共有結合しまた疑似架橋構造で結ばれる結果、熱分解を起こしにくく成形後の熱耐性に優れる樹脂化合物が実現されるものと考えられる。
前記芳香族化合物は、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、下記一般式(2)で表される芳香族化合物、下記一般式(3)で表される芳香族化合物、及び下記一般式(4)で表される芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種がよい。
[一般式(2)で表される芳香族化合物]
前記芳香族化合物の望ましい態様の1つは、下記一般式(2)で表される芳香族化合物である。

一般式(2)中、Rは水素原子又は置換基を表す。mは2以上6以下の整数を表す。
(6−m)が2以上のとき、Rは同じでもよく異なっていてもよい。
一般式(2)において、Rが置換基の場合、当該置換基としては、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数2以上12以下のアルケニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)等が挙げられる。
前記置換基としては、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、炭素数1以上6以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)又はヒドロキシ基が望ましく、メチル基又はヒドロキシ基がより望ましい。
一般式(2)で表される芳香族化合物は、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、炭素数1以上6以下のアルキル基を少なくとも1個、及びヒドロキシ基を少なくとも1個有することが望ましい。
一般式(2)において、mは、2以上6以下の整数を表す。mは、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、望ましくは2以上4以下の整数がよく、より望ましくは2がよい。
一般式(2)で表される芳香族化合物は、少なくとも2個含まれるヒドロキシメチル基のうちの2個が、互いにメタ位又はパラ位に位置することが望ましい。
[一般式(3)で表される芳香族化合物]
前記芳香族化合物の望ましい態様の1つは、下記一般式(3)で表される芳香族化合物である。

一般式(3)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。p及びqはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表す。rは0以上10以下の整数を表す
(5−p)が2以上のとき、Rは同じでもよく異なっていてもよい。(5−q)が2以上のとき、Rは同じでもよく異なっていてもよい。
rが2以上のとき、(−RCR−)は同じでもよく異なっていてもよい。
一般式(3)において、Rが置換基の場合、当該置換基としては、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数2以上12以下のアルケニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)等が挙げられる。
前記置換基としては、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、炭素数1以上6以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)又はヒドロキシ基が望ましく、メチル基又はヒドロキシ基がより望ましい。
一般式(3)において、Rが置換基の場合も上記と同様である。
一般式(3)で表される芳香族化合物は、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、Rの少なくとも1個とRの少なくとも1個とが、ヒドロキシ基であることが望ましい。
一般式(3)において、p及びqはそれぞれ独立に、1以上5以下の整数を表す。p及びqは、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、望ましくはそれぞれ独立に1以上3以下の整数がよく、より望ましくはそれぞれ独立に1又は2がよく、成形後の難燃性に優れる樹脂化合物が実現される点で、望ましくは共に2がよい。
一般式(3)において、Rが置換基の場合、当該置換基としては、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数2以上12以下のアルケニル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)等が挙げられる。
で表される置換基としては、炭素数1以上6以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)が望ましく、メチル基がより望ましい。
が置換基の場合も上記と同様である。
一般式(3)において、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基が望ましい。
一般式(3)において、rは、0以上10以下の整数を表し、成形後の難燃性により優れる樹脂化合物が実現される点で、望ましくは1以上6以下の整数がよく、より望ましくは1以上4以下の整数がよい。
一般式(3)で表される芳香族化合物は、2個のベンゼン環において、(−RCR−)が結合している位置のメタ位又はパラ位に、ヒドロキシメチル基が位置することが望ましい。
[一般式(4)で表される芳香族化合物]
前記芳香族化合物の望ましい態様の1つは、下記一般式(4)で表される芳香族化合物である。

一般式(4)中、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。d及びfはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表し、e及びgはそれぞれ独立に0以上5以下の整数を表す。ただし、dとeとfとgとの合計は10以下である。h、i、j及びkはそれぞれ独立に0以上10以下の整数を表す。
(5−d)が2以上のとき、Rは同じでもよく異なっていてもよい。(5−e)が2以上のとき、Rは同じでもよく異なっていてもよい。(5−f)が2以上のとき、Rは同じでもよく異なっていてもよい。(5−g)が2以上のとき、Rは同じでもよく異なっていてもよい。
hが2以上のとき、(−R12CR13−)は同じでもよく異なっていてもよい。iが2以上のとき、(−R14CR15−)は同じでもよく異なっていてもよい。jが2以上のとき、(−R16CR17−)は同じでもよく異なっていてもよい。kが2以上のとき、(−R18CR19−)は同じでもよく異なっていてもよい。
一般式(4)において、Rが置換基の場合、当該置換基としては、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数2以上12以下のアルケニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)等が挙げられる。
前記置換基としては、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、炭素数1以上6以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)又はヒドロキシ基が望ましく、メチル基又はヒドロキシ基がより望ましい。
一般式(4)において、R、R及びRが置換基の場合も上記と同様である。
一般式(4)において、d及びfはそれぞれ独立に、1以上5以下の整数を表す。d及びfは、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、望ましくはそれぞれ独立に1以上3以下の整数がよく、より望ましくはそれぞれ独立に1又は2がよく、更に望ましくは共に1がよい。
一般式(4)において、e及びgはそれぞれ独立に、0以上5以下の整数を表す。e及びgは、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、望ましくはそれぞれ独立に0以上4以下の整数がよく、より望ましくはそれぞれ独立に0又は1がよく、更に望ましくは共に1がよい。
一般式(4)において、d、e、f及びgは、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、望ましくは共に1がよい。
一般式(4)において、R10が置換基の場合、当該置換基としては、炭素数1以上12以下のアルキル基、炭素数2以上12以下のアルケニル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)等が挙げられる。
10で表される置換基としては、炭素数1以上6以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)が望ましく、メチル基がより望ましい。
11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19が置換基の場合も上記と同様である。
一般式(4)において、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基が望ましい。
一般式(4)において、h、i、j及びkはそれぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。h、i、j及びkは、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物が実現される点で、望ましくはそれぞれ独立に0以上5以下の整数がよく、より望ましくはそれぞれ独立に0又は1がよく、更に望ましくは共に0がよい。
一般式(4)で表される芳香族化合物は、4個のベンゼン環において、それぞれ(−R12CR13−)、(−R14CR15−)、(−R16CR17−)、(−R18CR19−)が結合している位置のメタ位又はパラ位に、ヒドロキシメチル基が位置することが望ましい。
前記芳香族化合物としては、具体例には例えば以下の化合物が挙げられる。




前記芳香族化合物としては、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物を実現する点で、芳香環の個数が1以上4以下であることがよく、1以上4以下の範囲で芳香環の個数は多いほど望ましい。
前記芳香族化合物としては、成形後の柔軟性により優れ、また、熱分解を起こしにくく熱耐性もよい樹脂化合物を実現する点で、ヒドロキシメチル基の個数が1以上4以下であることがよく、1以上4以下の範囲でヒドロキシメチル基の個数は多いほど望ましい。
前記芳香族化合物としては、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物を実現する点で、望ましくはビスフェノールであることがよい。
前記の例示化合物(1)〜(13)の中でも、前記芳香族化合物としては、成形後の柔軟性により優れる樹脂化合物を実現する点で、望ましくは例示化合物(1)〜(6)がよく、より望ましくは例示化合物(5)及び(6)がよい。
一般式(1)で表される芳香族化合物は、例えば、通常ビスフェノールを合成する時と同じように、ヒドロキシフェニル基を有する芳香族化合物とケトンとの反応によって合成される。
(樹脂化合物の製造方法)
本実施形態に係る樹脂化合物は、例えば、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと、前記芳香族化合物との混合物を溶融混練することにより製造される。
ここで、溶融混練の手段としては公知の手段が挙げられ、具体的には例えば、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
<樹脂組成物>
本実施形態に係る樹脂組成物は、本実施形態に係る樹脂化合物と縮合リン酸エステルとを含む。
本実施形態に係る樹脂組成物では、上記組成により、従来公知の難燃剤のなかで縮合リン酸エステルでない難燃剤を含有する場合に比べ、成形後の機械的強度に優れる樹脂組成物が実現される。この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
本実施形態に係る樹脂化合物は、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと、前記芳香族化合物とが、共有結合と疑似架橋構造で繋がっていると考えられ、樹脂化合物内部および樹脂化合物間に、縮合リン酸エステルが入り込む隙間があると考えられる。そして、縮合リン酸エステルは、前記隙間に入り込むことで、樹脂組成物全体に分散するものと考えられる。その結果、本実施形態に係る樹脂組成物は、樹脂化合物本来の柔軟性が保たれ成形後の機械的強度が実現されるものと考えられる。
そして、本実施形態に係る樹脂化合物は、縮合リン酸エステルを含むことによる難燃性が実現されるものと考えられる。
(縮合リン酸エステル)
縮合リン酸エステルとしては、例えば、ビスフェノールA型、ビフェニレン型、イソフタル型などの芳香族縮合リン酸エステルが挙げられる。具体的には、例えば、下記一般式(A)で表される縮合リン酸エステル及び一般式(B)で表される縮合リン酸エステルが挙げられる。

一般式(A)中、Q、Q、Q及びQはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、Q、Q、Q及びQはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、m1、m2、m3及びm4はそれぞれ独立に0以上3以下の整数を示し、m5及びm6はそれぞれ独立に0以上2以下の整数を表し、n1は0以上10以下の整数を表す。
一般式(B)中、Q、Q10、Q11及びQ12はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、Q13は水素原子又はメチル基を表し、m7、m8、m9及びm10はそれぞれ独立に0以上3以下の整数を表し、m11は0以上4以下の整数を表し、n2は0以上10以下の整数を表す。
縮合リン酸エステルは合成品でも市販品でもよい。縮合リン酸エステルの市販品として、例えば、大八化学社製の市販品である「PX200」、「PX201」、「PX202」、「CR741」等、アデカ社製の市販品である「アデカスタブFP2100」、「アデカスタブFP2200」等が挙げられる。
これらの中でも、縮合リン酸エステルとしては、樹脂組成物に含まれる樹脂化合物との組み合わせで成形後の機械的強度および難燃性が顕著な点から、下記構造式(C)で示される化合物(大八化学社製「PX200」)、及び下記構造式(D)で示される化合物(大八化学社製「CR741」)から選択される少なくとも1種であることがよい。

縮合リン酸エステルの含有量は、樹脂組成物に含まれる樹脂化合物を構成する脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドの総量に対して、5質量%以上30質量%以下であることがよく、望ましくは10質量%以上15質量%以下である。縮合リン酸エステルの含有量を5質量%以上とすることにより、得られる樹脂成形体の難燃性がより優れる。一方、縮合リン酸エステルの含有量を30質量%以下とすることにより、得られる樹脂成形体の機械的強度がより優れる。
(その他の成分)
本実施形態に係る樹脂組成物は、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分の含有量は、樹脂組成物全体に対して、0質量%以上10質量%以下であることがよく、望ましくは0質量%以上5質量%以下である。ここで、「0質量%」とはその他の成分を含まないことを意味する。
その他の成分としては、例えば、相溶化剤、可塑剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、難燃剤、着色剤、顔料、改質剤、ドリップ防止剤、帯電防止剤、耐加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミナ、ボロンナイトライド等)等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミド以外の他の樹脂を含有していてもよい。但し、他の樹脂は、成形機による成形性が低減しない範囲で配合する。
他の樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂;ポリプロピレン樹脂;芳香族ポリエステル樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルフォン樹脂;ポリエーテルスルフォン樹脂;ポリアリーレン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリアリールケトン樹脂;ポリエーテルニトリル樹脂;液晶樹脂;ポリベンズイミダゾール樹脂;ポリパラバン酸樹脂;芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂;ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂;シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂;芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂;シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂;ポリオレフィン;塩化ビニル樹脂;塩素化塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
これら樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
(樹脂組成物の製造方法)
本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、上記各成分の混合物を溶融混練することにより製造される。
ここで、溶融混練の手段としては公知の手段が挙げられ、具体的には例えば、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
<樹脂成形体>
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂化合物又は本実施形態に係る樹脂組成物を含んで構成されている。つまり、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂化合物又は本実施形態に係る樹脂組成物と同じ組成で構成されている。
具体的には、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂化合物又は本実施形態に係る樹脂組成物を成形して得られる。ここで、成形方法は、例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーテイング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などを適用してよい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、材料である樹脂化合物および樹脂組成物において、脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと前記芳香族化合物とが疑似架橋構造で柔軟に繋がっていると考えられ、その結果、材料である樹脂化合物および樹脂組成物が熱可塑性を有し、したがって、射出成形による成形が実現される。本実施形態に係る樹脂成形体は、射出成形により、自由な形状が実現される。
射出成形は、例えば、日精樹脂工業製NEX150、日精樹脂工業製NEX70000、東芝機械製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
この際、シリンダ温度としては、170℃以上280℃以下とすることが望ましく、180℃以上270℃以下とすることがより望ましい。また、金型温度としては、40℃以上110℃以下とすることが望ましく、50℃以上110℃以下とすることがより望ましい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの用途に好適に用いられる。より具体的には、家電製品や電子・電気機器などの筐体、各種部品など、ラッピングフィルム、CD−ROMやDVDなどの収納ケース、食器類、食品トレイ、飲料ボトル、薬品ラップ材などであり、中でも、電子・電気機器の部品に好適である。
図1は、本実施形態に係る樹脂成形体を備える電子・電気機器の部品の一例である画像形成装置を、前側から見た外観斜視図である。
図1の画像形成装置100は、本体装置110の前面にフロントカバー120a,120bを備えている。これらのフロントカバー120a,120bは、操作者が装置内を操作するよう開閉自在となっている。これにより、操作者は、トナーが消耗したときにトナーを補充したり、消耗したプロセスカートリッジを交換したり、装置内で紙詰まりが発生したときに詰まった用紙を取り除いたりする。図1には、フロントカバー120a,120bが開かれた状態の装置が示されている。
本体装置110の上面には、用紙サイズや部数等の画像形成に関わる諸条件が操作者からの操作によって入力される操作パネル130、及び、読み取られる原稿が配置されるコピーガラス132が設けられている。また、本体装置110は、その上部に、コピーガラス132上に原稿を搬送する自動原稿搬送装置134を備えている。更に、本体装置110は、コピーガラス132上に配置された原稿画像を走査して、その原稿画像を表わす画像データを得る画像読取装置を備えている。この画像読取装置によって得られた画像データは、制御部を介して画像形成ユニットに送られる。なお、画像読取装置及び制御部は、本体装置110の一部を構成する筐体150の内部に収容されている。また、画像形成ユニットは、着脱自在なプロセスカートリッジ142として筐体150に備えられている。プロセスカートリッジ142の着脱は、操作レバー144を回すことによって行われる。
本体装置110の筐体150には、トナー収容部146が取り付けられており、トナー供給口148からトナーが補充される。トナー収容部146に収容されたトナーは現像装置に供給されるようになっている。
一方、本体装置110の下部には、用紙収納カセット140a,140b,140cが備えられている。また、本体装置110には、一対のローラで構成される搬送ローラが装置内に複数個配列されることによって、用紙収納カセットの用紙が上部にある画像形成ユニットまで搬送される搬送経路が形成されている。なお、各用紙収納カセットの用紙は、搬送経路の端部近傍に配置された用紙取出し機構によって1枚ずつ取り出されて、搬送経路へと送り出される。また、本体装置110の側面には、手差しの用紙供給部136が備えられており、ここからも用紙が供給される。
画像形成ユニットによって画像が形成された用紙は、本体装置110の一部を構成する筐体152によって支持された相互に接触する2個の定着ロールの間に順次移送された後、本体装置110の外部に排紙される。本体装置110には、用紙供給部136が設けられている側と反対側に用紙排出部138が複数備えられており、これらの用紙排出部に画像形成後の用紙が排出される。
画像形成装置100において、例えば、フロントカバー120a,120b、プロセスカートリッジ142の外装、筐体150及び筐体152に、本実施形態に係る樹脂成形体が用いられている。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
<実施例1〜22、比較例1〜10>
(樹脂化合物の製造)
表1及び2に示す組成比(表1及び2中の数値は質量部である)で材料を混合し、二軸押出装置(東芝機械製、TEM3000)を用い、表1及び2に示す混練温度(℃)のシリンダ温度にて混練し、冷却し、ペレタイズして、樹脂化合物のペレットを得た。
ただし、比較例7〜10については、表2に示す電子線照射の条件にて電子線を照射しながら混練した。


(樹脂化合物の同定)
各実施例について、赤外吸収スペクトル測定装置(島津製作所製、IRAffinity−1)にて吸収スペクトルを測定して樹脂化合物を同定した。吸収スペクトルの例として、実施例5に係る樹脂化合物の吸収スペクトルを図2に示し、実施例18に係る樹脂化合物の吸収スペクトルを図3に示す。
図2に示すとおり、ポリ乳酸の吸収以外に740cm−1付近と3010cm−1付近とに、ポリ乳酸に例示化合物(5)が結合したことによって生じたピークが見られることから、ポリ乳酸と例示化合物(5)とが結合した樹脂化合物が得られていることがわかる。また、ポリ乳酸由来のピークと芳香族化合物由来のピークとの比から、混合比と同じ組成比の樹脂化合物が得られていることがわかる。
図3に示すとおり、ポリアミド11の吸収以外に730cm−1付近と3010cm−1付近とに、ポリアミド11に例示化合物(5)が結合したことによって生じたピークが見られることから、ポリアミド11と例示化合物(5)とが結合した樹脂化合物が得られていることがわかる。また、ポリアミド11由来のピークと芳香族化合物由来のピークとの比から、混合比と同じ組成比の樹脂化合物が得られていることがわかる。
<実施例101〜114>
(樹脂組成物の製造)
表3に示す組成比(表3中の数値は質量部である)で材料を混合し、二軸押出装置(東芝機械製、TEM3000)を用い、表3に示す混練温度(℃)のシリンダ温度にて混練し、冷却し、ペレタイズして、樹脂組成物のペレットを得た。

<実施例201〜222、比較例201〜210、実施例301〜314>
上記で得た樹脂化合物または樹脂組成物のペレットを、射出成形機(日精樹脂工業製、NEX150)を用い、表4又は5に示す成形条件のシリンダ温度(℃)及び金型温度(℃)にて射出成形し、ISO多目的ダンベル試験片(試験部長さ100mm、幅10mm、厚さ4mm)とUL試験片(長さ125mm、幅13mm、厚さ1.6mm)とD2試験片(長さ60mm、幅60mm、厚さ2mm)とを得た。
(評価)
上記で得た各試験片について以下の評価を行った。結果を表4及び5に示す。
−引張破断伸度−
ISO多目的ダンベル試験片を用い、ISO527−1,2に従い、材料試験機(東洋精機製作所製、インストロンVR6)にて引張破断伸度(%)を測定し、柔軟性を評価した。
−曲げ破断歪−
ISO多目的ダンベル試験片を用い、ISO178に従い、材料試験機(東洋精機製作所製、インストロンVR6)にて曲げ破断歪(%)を測定し、柔軟性を評価した。
−面衝撃強度−
D2試験片を用い、ISO6603に従い、衝撃測定装置(三井リサーチセンター製)にて高速面衝撃強度(J)を測定した。
−難燃性−
UL試験片を用い、UL94のVテストに従い、難燃性を評価した。評価基準は、難燃性が優れる順にV−0、V−1、V−2であり、V−2より劣る場合、即ち試験片が延焼してしまった場合をV−Notと示した。
−荷重たわみ温度−
ISO多目的ダンベル試験片を用い、ISO75に従い、HDT測定装置(東洋精機製作所製、HDT−3)にて1.8MPa荷重の条件にて、荷重たわみ温度(℃)を測定し、耐熱性を評価した。

上記結果から、類似する組成において、特定の芳香族化合物を特定の組成比で含む実施例に係る樹脂化合物は、特定の芳香族化合物を特定の組成比で含まない比較例に係る樹脂化合物に比べ、引張破断伸度、曲げ破断歪、面衝撃強度(これらの中でも特に曲げ破断歪)が優れており、成形後の柔軟性に優れることがわかる。

上記結果から、類似する組成において、難燃剤として縮合リン酸エステルを含有する実施例301〜310に係る樹脂組成物は、難燃剤として縮合リン酸エステル以外の難燃剤を含有する実施例311〜314に係る樹脂組成物に比べ、引張破断伸度、曲げ破断歪、面衝撃強度(これらの中でも特に引張破断伸度)が優れており、成形後の機械的強度に優れることがわかる。
ここに、各表中の材料種の詳細を示す。
−脂肪族ポリエステル−
・ポリ乳酸:「テラマックTE2000」ユニチカ社製
・ポリ乳酸:「3051D」ネイチャーワークス社製
・ポリヒドロキシブチレート:「バイオポールD400G」日本モンサント社製
−脂肪族ポリアミド−
・ポリアミド11:「リルサン」アルケマ社製
−芳香族化合物−
・既述の例示化合物(1):一般式(1)で表される芳香族化合物
・既述の例示化合物(2):一般式(1)で表される芳香族化合物
・既述の例示化合物(3):一般式(1)で表される芳香族化合物
・既述の例示化合物(4):一般式(1)で表される芳香族化合物
・既述の例示化合物(5):一般式(1)で表される芳香族化合物
・既述の例示化合物(6):一般式(1)で表される芳香族化合物
・既述の例示化合物(8):一般式(1)で表される芳香族化合物
・既述の例示化合物(9):一般式(1)で表される芳香族化合物
・既述の例示化合物(11):一般式(1)で表される芳香族化合物
・下記の芳香族化合物(14)

−シアヌレート化合物−
・「ファンクリルFA−731A」日立化成工業社製:下記のシアヌレート化合物(1)
・トリアリルシアヌレート:下記のシアヌレート化合物(2)

−縮合リン酸エステル−
・既述の構造式(C)で表される化合物:「PX200」大八化学社製
・既述の構造式(D)で表される化合物:「CR741」大八化学社製
−難燃剤−
・ポリリン酸アンモニウム:「EXOLIT AP422」クラリアントジャパン社製
100 画像形成装置
110 本体装置
120a、120b フロントカバー
136 用紙供給部
138 用紙排出部
142 プロセスカートリッジ
150、152 筐体

Claims (11)

  1. 脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと、
    前記脂肪族ポリエステルおよび/又は前記脂肪族ポリアミド100質量部に対する組成比が0.1質量部以上5質量部以下の下記一般式(1)で表される芳香族化合物と、
    の結合体からなる樹脂化合物。
    一般式(1) (X)−(CHOH)
    (一般式(1)中、Xは芳香環を1つ以上含むn価の基を表し、nは2以上10以下の整数を表す。)
  2. 前記芳香族化合物は、前記一般式(1)におけるヒドロキシメチル基の少なくとも1つが、前記Xで表される基における芳香環に直接結合した芳香族化合物である請求項1に記載の樹脂化合物。
  3. 前記芳香族化合物は、下記一般式(2)で表される芳香族化合物、下記一般式(3)で表される芳香族化合物、及び下記一般式(4)で表される芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の樹脂化合物。


    (一般式(2)中、Rは水素原子又は置換基を表し、mは2以上6以下の整数を表す。
    一般式(3)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、p及びqはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表し、rは0以上10以下の整数を表す。
    一般式(4)中、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、d及びfはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表し、e及びgはそれぞれ独立に0以上5以下の整数を表し、h、i、j及びkはそれぞれ独立に0以上10以下の整数を表す。ただし、dとeとfとgとの合計は10以下である。)
  4. 脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと、前記脂肪族ポリエステルおよび/又は前記脂肪族ポリアミド100質量部に対する組成比が0.1質量部以上5質量部以下の下記一般式(1)で表される芳香族化合物と、の結合体からなる樹脂化合物と、
    縮合リン酸エステルと、
    を含有する樹脂組成物。
    一般式(1) (X)−(CHOH)
    (一般式(1)中、Xは芳香環を1つ以上含むn価の基を表し、nは2以上10以下の整数を表す。)
  5. 前記芳香族化合物は、前記一般式(1)におけるヒドロキシメチル基の少なくとも1つが、前記Xで表される基における芳香環に直接結合した芳香族化合物である請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 前記芳香族化合物は、下記一般式(2)で表される芳香族化合物、下記一般式(3)で表される芳香族化合物、及び下記一般式(4)で表される芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項4又は請求項5に記載の樹脂組成物。


    (一般式(2)中、Rは水素原子又は置換基を表し、mは2以上6以下の整数を表す。
    一般式(3)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、p及びqはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表し、rは0以上10以下の整数を表す。
    一般式(4)中、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、d及びfはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表し、e及びgはそれぞれ独立に0以上5以下の整数を表し、h、i、j及びkはそれぞれ独立に0以上10以下の整数を表す。ただし、dとeとfとgとの合計は10以下である。)
  7. 脂肪族ポリエステルおよび/又は脂肪族ポリアミドと、
    前記脂肪族ポリエステルおよび/又は前記脂肪族ポリアミド100質量部に対する組成比が0.1質量部以上5質量部以下の下記一般式(1)で表される芳香族化合物と、
    の結合体からなる樹脂化合物を含有する樹脂成形体。
    一般式(1) (X)−(CHOH)
    (一般式(1)中、Xは芳香環を1つ以上含むn価の基を表し、nは2以上10以下の整数を表す。)
  8. 前記芳香族化合物は、前記一般式(1)におけるヒドロキシメチル基の少なくとも1つが、前記Xで表される基における芳香環に直接結合した芳香族化合物である請求項7に記載の樹脂成形体。
  9. 前記芳香族化合物は、下記一般式(2)で表される芳香族化合物、下記一般式(3)で表される芳香族化合物、及び下記一般式(4)で表される芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項7又は請求項8に記載の樹脂成形体。


    (一般式(2)中、Rは水素原子又は置換基を表し、mは2以上6以下の整数を表す。
    一般式(3)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、p及びqはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表し、rは0以上10以下の整数を表す。
    一般式(4)中、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、d及びfはそれぞれ独立に1以上5以下の整数を表し、e及びgはそれぞれ独立に0以上5以下の整数を表し、h、i、j及びkはそれぞれ独立に0以上10以下の整数を表す。ただし、dとeとfとgとの合計は10以下である。)
  10. さらに、縮合リン酸エステルを含有する請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
  11. 射出成形により成形されてなる請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
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