JP2006046766A - 排気システム及び排気方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気より比重の軽い特定の気体を扱う設備を備えた建物に備えた該気体を排気させるための排気システムにおいて、気体発生設備25の上方に建物外部と連通する排気口13を設け、空調の吹出口17を床16に設けるとともに、空調の吸入口12を天井11に設けて、特定気体30の発生する場所の周囲において床16から天井11に向かう空調による気流を形成した。そして、排気口13が天井11の最高位置に位置するよう天井11に勾配を形成した。また、建物10の床部を二重床として床16をパネル式床とし、天井部を二重天井として天井11をパネル式天井とした。
【選択図】図1
Description
このため、水素ガス等、爆発の発生や人体に危害を与える虞のある気体等が建物内部で漏洩した場合は、できる限り早急に建物の外に排気して大気拡散させる必要がある。
そこで、従来、水素ガス等、爆発の発生や人体に危害を与える虞のある気体を扱う設備を備えた建物に強制的換気機構を備えて、これらの気体を速やかに建物の外へ排気する技術が公知となっている。
例えば、特許文献1に記載の技術である。この技術では、給水素スタンドの構造であって、水素貯溜タンクの配置される建物の屋根に傾斜を設け、その傾斜の最上部に開口を形成する。これにより、水素貯溜タンクから漏れ出た水素ガスが、屋根の下面の傾斜に沿って建物外部へ速やかに排出され、大気に拡散されるようにしている。
しかし、建物には温度・湿度を調整するために空調設備が備えられていることが一般的であり、この空調設備により形成される空調気流によっては、排気されるべき気体の直線的で速やかな上昇が妨げられることがある。例えば、空調により生じる気流の方向が排気されるべき気体の比重の差による移動方向と異なる場合には、排気されるべき気体は上昇を妨げられ、該気体が建物内部を上昇して排気口へ至るまでに乱流拡散されて、建物内部に不均一に広く拡散してしまうおそれがあった。
さらに、設備の配置が変更された場合であっても、容易にその変更に対応することのできる排気システムを提案する。
図1は本発明の実施例に係る循環式の空調を利用した排気システムの構成を示す図、図2は本発明の実施例に係る排出式の空調を利用した排気システムの構成を示す図、図3は天井の別形態を示す図、図4は天井パネルと床パネルの配置構成を示す図、図5は天井パネルと床パネルの配置構成の別形態を示す図である。
排気システムを備えた建物10では、空気よりも軽い特定の気体(特定気体30)を発生させる気体発生設備25を備えており、通常その気体は漏洩しないが、万が一、気体発生設備25より特定気体30が漏洩した場合に、その漏洩した特定気体30を強制的に排気させる機構を備えている。特定気体30となる気体は、例えば、水素やアンモニア等の空気よりも軽い気体であって、建物内部に漏洩した場合には排気されるべき気体である。
このための構造として、床16に空調の吹出口17を設け、天井11に吸入口12を設けて、気体発生設備25の周囲に常に上昇する空気の流れを形成するとともに、特定気体30の発生する場所である気体発生設備25の上方に建物10外部と連通する排気口13を開口している。これにより、気体発生設備25から特定気体30が漏洩した場合、漏洩した特定気体30が拡散することなく直線的に排気口13へ向かって上昇し、速やかに建物10の外部へ排出されるようにしている。
これより、建物10内部に拡散して残留する特定気体30の量を低減させることができる。従って、特定気体30が水素ガスであったときに、水素ガスに着火した場合の爆発の威力を低減させることが期待される。
このための構造として、建物10の天井11及び床16を一定形状の天井パネル又は床パネルを接続して形成した接続パネル式天井又は床としている。吹出口17を形成した床パネル32と、吸入口12を形成した天井パネル34と、排気口13を形成した天井パネル35の配置を変更し、天井裏空間38又は床下空間39に設けられた管を接続し直すことにより、容易に気体発生設備25の配置の変更に対応することができるようにしている。
排気システムは、循環式の空調を利用した排気システムと、排出式の空調を利用した排気システムの二種類があり、それぞれについて説明する。
図1は、循環式の空調を利用した排気システムの概要を示す図である。
建物10の床部では、基礎床18の上に複数の吹出口17・17・・・が形成された床16が設けられる。床16と基礎床18との間には床下空間39が形成される。
空調機20では、気体の温度や量の調整が行われ、調整された気体が、送気管21を通じて建物10の基礎床18に形成された送気溜22に送られる。送気溜22は床下空間39に対して開口されており、送気溜22にある調整された気体は、床下空間39を介して、吹出口17・17・・・を通じて、建物10の内部へ吹き出される。
前記吸入口12・12・・・に取り込まれた気体は、吸入管24から戻気管23を通じて空調機20へ戻される。従って、空調機20から建物10内部へ送られる気体は循環している。なお、空調機20の吸気機能によって、戻気管23及び吸入管24は減圧状態となっており、建物10内部の空気は、吸入口12・12・・・より強制的に吸入される。
前記気体濃度検出手段27は、気体発生設備25から発生する特定気体30の気体濃度を検出する手段である。
図2は、排出式の空調を利用した排気システムの概要を示す図である。
建物10の床部では、基礎床18の上に複数の吹出口17・17・・・が形成された床16が設けられる。床16と基礎床18との間には床下空間39が形成される。前記吹出口17は、建物10の床16の適宜位置に設けられる。
空調機20では、気体の温度や量の調整が行われ、調整された気体が、送気管21を通じて建物10の基礎床18に形成された送気溜22に送られる。送気溜22は床下空間39に対して開口されており、送気溜22にある調整された気体は、床下空間39を介して、吹出口17・17・・・を通じて、建物10の内部へ吹き出される。
また、気体濃度検出手段27を備えることにより、より迅速に特定気体30の漏洩を検出することができるとともに、特定気体30をより迅速に排気させるために空調システムを運転させることができる。
この場合、空調による気流の流れは、床16と天井11との間では、床16から天井11へ向かう直線的な流れであり、天井11近傍では、天井11の傾きに沿って上方に位置する排気口13へ向かう流れとなる。このように、天井11の傾きによって天井11近傍においても気流の流れが形成されることになる。従って、天井11近傍に至った気体は、速やかに排気口13へ至ることができる。
なお、本実施例においては、天井部、床部ともにパネル式としているが、いずれか一方のみをパネル式とすることもできる。
これらの天井パネル34・35・36を接合して天井11が形成される。
また、床パネルは、吹出口17を形成した床パネル32と、開口を形成しない床パネル33との、各種類がある。
これらの床パネル32・33を接合して床16が形成される。
このとき、循環式の空調を利用した排気システムでは、図4(a)に示す如く、気体発生設備25の直上に排気口13を備えた天井パネル35を配置し、その周囲四方向に吸入口12を備えた天井パネル34を配置し、他の部分に天井パネル36を配置して、天井11を構成する。また、排出式の空調を利用した排気システムでは、図4(b)に示す如く、気体発生設備25の直上とその周囲四方向に排気口13を備えた天井パネル35を配置し、他の部分に天井パネル36を配置して、天井11を構成する。
このとき、循環式の空調を利用した排気システムでは、図5(a)に示す如く、気体発生設備25の直上に排気口13を備えた天井パネル35を配置し、その周囲二方向に吸入口12を備えた天井パネル34を配置し、他の部分に天井パネル36を配置して、天井11を構成する。また、排出式の空調を利用した排気システムでは、図5(b)に示す如く、気体発生設備25の直上とその周囲二方向に排気口13を備えた天井パネル35を配置し、他の部分に天井パネル36を配置して、天井11を構成する。
なお、吸入管24及び排気管15は、吸入口12又は排気口13の位置に応じて、管を延長・短縮したり、再接続したりして、配管し直す。これらの配管作業は、天井パネルを取り外して天井裏空間38にて行うことができる。
11 天井
12 吸入口
13 排気口
14 排気ファン
15 排気管
16 床
17 吹出口
18 基礎床
19 基礎天井
20 空調機
25 気体発生設備
26 排気溜
27 気体濃度検出手段
28 バルブ
30 特定気体
Claims (6)
- 空気より比重の軽い特定の気体を扱う設備を備えた建物において該特定の気体を排気させるための排気システムであって、
建物内における特定の気体の漏洩が発生する場所の上方に建物外部と連通する排気口を設け、
建物に備えた空調の吹出口を床に設けるとともに、空調の吸入口を天井に設けて、特定の気体の漏洩が発生する場所の周囲において床から天井に向かう空調による気流を形成したことを、
特徴とする排気システム。 - 前記排気口を天井に設け、
該排気口を最高位置とするべく天井に勾配を形成した、
請求項1に記載の排気システム。 - 前記建物において、
床の下方に基礎床を設けて二重床を構成するともに、
床を着脱可能な複数のパネルを接続配置したパネル式床とした、
請求項1又は請求項2に記載の排気システム。 - 前記建物において、
天井の上方に基礎天井を設けて二重天井を構成するともに、
天井を着脱可能な複数のパネルを接続配置したパネル式天井とした、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の排気システム。 - 空気より比重の軽い特定の気体を扱う設備を備えた建物において該特定の気体を排気させるための排気方法であって、
建物内における特定の気体の漏洩が発生する場所の周囲において特定の気体の流れに合わせた空調による気流を形成し、
特定の気体の漏洩が発生する場所の上方に設けた建物外部と連通する排気口より特定の気体を排気することを、
特徴とする排気方法。 - 前記建物において、
空調による気流を形成する空調の吹出口及び空調の吸入口を移動可能とするとともに、
排気口を移動可能とする、
請求項5に記載の排気方法。
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