JP2005016785A - 空調兼用排煙システム - Google Patents

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Kunio Hirafune
邦夫 平船
Fusayuki Mitsuhashi
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Abstract

【課題】還気ダクトと排煙ダクトを兼用することができ、これによって、コストの低減、並びにダクトの占有スペースの削減を図ることができる上に、システムの信頼性および安全性を向上させることができる空調兼用排煙システムを提供する。
【解決手段】居室1の天井内2に、先端部開口から空気または煙を吸引することにより空調システムの還気手段と排煙システムとを兼用するダクト10を配設するとともに、当該ダクトの基端部に、空調機5に至る還気流路12と排煙ファン8に至る排煙流路13とに分岐する分岐部を設け、当該分岐部に、通常時に空気を空調機に導き、かつ火災時に煙を排煙ファンに導くように切り替える流路切替ダンパ20を介装した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排煙機能と空調機能とを兼ね備えた空調兼用排煙システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、建物においては、居室内の温湿度や清浄度等を良好な状態に保つために空調システムが設置され、火災時における避難の安全性を確保するために排煙システムが設置されるのが一般的である。
図8〜図11は、従来の排煙システムおよび空調システムを示す概略構成図である。この建物においては、各階居室1の天井面2aと直上の床スラブ2bとの間の天井内2にチャンバ2cがそれぞれ形成されて、それらチャンバ2c内に、横引き排煙ダクト51が展開されるとともに、これら横引き排煙ダクト51には、排煙ダンパ52を介して、建物の各階に亘って鉛直方向に延びる排煙立ダクト53が接続され、この排煙立ダクト53の上端には、当該ダクト内の煙を吸引して屋外に排出する排煙ファン8が設けられている。これら排煙ダクト51、排煙ダンパ52、排煙立ダクト53および排煙ファン8等によって排煙システムが構成されている。
また、上記チャンバ2cには、上記排煙ダクト51とは別に、空調機械室の空調機5から吐出された調和空気を居室1内に供給するための給気ダクト55と、居室1内の空気を空調機5に還気するための還気ダクト56とがそれぞれ設けられ、これらダクト55、56と空調機5とによって空調システムが構成されている。
【0003】
上記構成からなる排煙システムおよび空調システムを備えた建物においては、通常時には、図8および図10に示すように、各階の空調機5が作動して、サプライファン6より吐出された調和空気が給気ダクト55を介して居室1内に供給されるとともに、居室1内の空気が還気ダクト56を介してレタンファン7に導かれ、このレタンファン7から吐出された空気の一部が屋外に排出される一方、残りが空調機5に還気されるようになっている。この際に、各排煙ダンパ52は閉状態、排煙ファン8は停止状態となっている。
【0004】
一方、図9および図11に示すように、例えば、建物のN階の居室1で火災が発生した際には、その火災の発生が火災検知器(図示省略)等によって検出され、その検出信号に基づいて、各階の空調機5が運転を停止するとともに、N階の排煙ダンパ52が開放されて、排煙ファン8が作動する。その結果、火災が発生した居室1(火災室1A)内の煙が、排煙ファン8の吸引により、横引き排煙ダクト51および排煙立ダクト53を介して屋外に排出され、これにより、火災室1Aから他の居室1等への煙の侵入が防止されて、火災に対する避難時の安全性が確保されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような従来のシステムにおいては、空調用のダクト55、56とは別に天井内2に排煙ダクト51を設ける必要があることから、天井内2に十分なスペースがない場合には、それらダクトを天井内2の限られたスペースに納めるのが容易ではなかった。また、ダクトを天井内2に収納することができたとしても、天井内2が錯綜してメンテナンス等の作業に支障をきたすような場合もあった。
さらに、排煙システムを構成する各設備が火災発生時にしか利用できないことから、設備全体としての使用効率が悪く、コスト面での課題を有していた。
一方で、排煙システムは、防災上重要なシステムであることから、従来よりも高い信頼性および安全性を有する排煙システムが常に求められている。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、還気ダクトと排煙ダクトを兼用することができ、これによって、コストの低減、並びにダクトの占有スペースの削減を図ることができる上に、システムの信頼性および安全性を向上させることができる空調兼用排煙システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、建物の内部空間に空調機から吐出された調和空気を供給する給気手段および上記内部空間の空気を吸引して上記空調機に還気する還気手段を有する空調システムと、上記建物の内部空間において火災が発生した際に排煙手段によって当該内部空間の煙を吸引して屋外に排気する排煙システムとを備える空調兼用排煙システムであって、上記内部空間の天井内に、先端部開口から上記内部空間の上記空気または上記煙を吸引することにより上記空調システムの上記還気手段と上記排煙システムとを兼用するダクトを配設するとともに、当該ダクトの基端部に、上記空調機に至る還気流路と上記排煙手段に至る排煙流路とに分岐する分岐部を設け、当該分岐部に、通常時に上記空気を上記空調機に導き、かつ上記火災時に上記煙を上記排煙手段に導くように切り替える流路切替ダンパを介装したことを特徴とするものである。
ここで、上記内部空間には、居住、執務、娯楽などの目的のために用いられる各種居室が含まれる他に、廊下やエレベータホールなども含まれる。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、天井内のダクトを還気と排煙とに兼用するようにしたので、コストの低減、並びにダクトの占有スペースの削減を図ることができる。
また、天井内のダクトや流路切替ダンパなど、排煙システムを構成する設備の多くが、通常時においても空調システムの還気手段として使用されることとなるので、火災時にしか使用されない従来の排煙システムと比較して、システムの安定性および信頼性を向上させることができる。
【0009】
また、従来では、ダクトの梁貫通スペースを確保できない際に、梁と天井面との間に空気流通用の隙間を設け、この隙間を排煙ダクトに代わる流路として用いる場合もあったが、請求項1に記載の発明によれば、天井内のダクトを還気と排煙とに兼用するようにしたので、上記のような隙間が不要となり、その分、天井高を高くしたり、或いは階高を低くしたりすることが可能になる。また、還気のときと同じように天井内の各所を均一に排煙することが可能になり、従来の排煙システムと比較して排煙効率を高めることができる。
【0010】
さらに、還気流路と排煙流路の切替を、その分岐部に設けた流路切替ダンパのみで行うようにしたので、例えば、還気流路と排煙流路の各々に開閉ダンパを設けて、それらダンパの協働により、ダクト内の空気の流れ方向を切り替えるように構成したシステムと比較して、ダンパの設置数が少なくて済み、その結果、コストの低減、収納スペースの削減、工法の簡略化(工数の削減)を図ることが可能になる。また、上記システムのように複数のダンパを設けた場合には、ダンパの制御が複雑になるだけでなく、それらダンパすべてが正常に作動する確率(全体の稼働率)が低下する虞があるが、請求項1に記載の発明のように、一つの流路切替ダンパで流路の切替を行う場合には、ダンパの制御が容易になるのに加えて、故障率も低くなることから、流路切替ダンパの作動の信頼性を向上させることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空調兼用排煙システムにおいて、上記流路切替ダンパは、空気の流入口と2つの吐出口とを具備し、内部に上記流入口から両吐出口に通ずる空洞部を有する筐体部と、上記筐体部内に回動自在な状態で設けられ、その回動角度に応じて、上記吐出口の一方を閉塞して他方を開放する第1状態と、上記吐出口の他方を閉塞して一方を開放する第2状態とに切替可能な羽根部材と、上記羽根部材に回動力を付与するための駆動装置とを備えてなり、上記筐体部は、上記流入口に上記ダクトが、上記吐出口の一方に上記排煙流路が、上記吐出口の他方に上記還気流路がそれぞれ接続され、上記羽根部材は、通常時は上記第1状態に保たれる一方、排煙時には上記駆動装置により回動されて上記第2状態に切り替えられるようになっていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、羽根部材を回動させるだけの単純な操作で、還気流路と排煙流路の切替を行うことができる。したがって、切替動作を円滑に行うことができ、流路切替ダンパの作動の信頼性をより一層向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は、本発明に係る空調兼用排煙システムの一実施形態を示す概略構成図である。この空調兼用排煙システムにおいては、各階居室1の天井内2にチャンバ2cがそれぞれ形成されて、それらチャンバ2c内に、還気と排煙とに兼用の横引きダクト(以下、兼用ダクトと称する)10と、空調機5より吐出された調和空気を各居室(内部空間)1に供給するための給気ダクト11とがそれぞれ配設されている。これら兼用ダクト10および給気ダクト11は、図3に示すように、天井内2で複数に分岐して、その各先端部に、吸入口10aおよび吐出口11aをそれぞれ有している。すなわち、吸入口10aおよび吐出口11aが天井内2の各所に分散配置されて、空気の吸入および吐出がチャンバ2c内の各所で均一に行われるようになっている。また、天井面2aには、空気流通用の開口(図示省略)が複数設けられて、チャンバ2cと居室1との間を空気が自由に移動できるようになっている。
【0014】
そして、兼用ダクト10の基端部には、還気流路12と排煙流路13とに分岐する分岐部が設けられ、当該分岐部には、通常時にダクト10内の空気を空調機5に導き、かつ火災時にダクト10内の煙を排煙ファン(排煙手段)8に導くように切り替える流路切替ダンパ20が介装されている。
還気流路12は、上記分岐部から空調機5または屋外に空気を導くための流路であって、図1に示すように、途中で空調機5に至る流路12aと排気口12cに至る流路12bとに分岐し、その分岐点の上流側にレタンファン7が設置されている。これら還気流路12、レタンファン7および兼用ダクト10等によって、各居室1内の空気を吸引して空調機5に還気する還気手段が構成されている。
また、前述した給気ダクト11によって、空調機5から吐出された調和空気を各居室1に供給する給気手段が構成され、この給気手段と上記還気手段とにより空調システムが構成されている。
【0015】
一方、排煙流路13は、上記分岐部から屋外に煙を導くための流路であって、建物の各階に亘って鉛直方向に延びる排煙立ダクト13aと、この排煙立ダクト13aから分岐して各階の天井内2へと延びる中継ダクト13bとにより構成されている。排煙立ダクト13aの上端部には、当該ダクト内の煙を吸引して屋外に排出する排煙ファン8が設けられている。これら排煙ファン8、排煙立ダクト13a、中継ダクト13bおよび兼用ダクト10等によって、居室1内で火災が発生した際に当該居室1内の煙を吸引して屋外に排気する排煙システムが構成されている。
【0016】
流路切替ダンパ20は、可動ベーン機構による一体型切替ダンパであって、図5に示すように、筐体部21と、空気の流れ方向を変える羽根部材(可動ベーン)22と、羽根部材22を駆動する駆動装置23と、筐体部21を支承する架台24とを備えて構成されている。
筐体部21は矩形筒状に形成され、その軸線方向の両端が開口して、それら開口が空気の吐出口B、Cとなっている。また、筐体部21の一側面21aには、空気の流入口Aが形成され、これと対向する側面21bの内周側には、羽根部材22と協働して空気の流れ方向を変える気流ガイド25a、25bが、上記軸線方向における両端部から羽根部材22の回転軸26に向けて延出する状態で設けられている。これら気流ガイド25a、25bは、熱などによる筐体部21の変形を防止する補強壁としても機能するようになっている。
【0017】
また、上記側面21a、21bと直交する各側面21c、21dには、羽根部材22の回転軸26を回動自在に支持する軸受け27が、各々の中央部に設けられている。この実施形態では、流入口Aに兼用ダクト10が接続され、吐出口Bに角単管28aを介して排煙流路13の中継ダクト13bが接続され、吐出口Cに角単管28bを介して還気流路12が接続されている。流入口A、吐出口B、Cの各々の周縁部には、それぞれフランジ29a、29b、29cが設けられ、それらフランジ29a、29b、29cが兼用ダクト10や単管28a、28bの端部に形成されたフランジと重ね合わせた状態で固着されるようになっている。
【0018】
羽根部材22は、その一端側に回転軸26を有し、この回転軸26を中心に筐体部21内で回動自在に保持されている。この羽根部材22は、その回動角度に応じて、吐出口Bを閉塞して吐出口Cを開放する第1状態(図3の状態)と、吐出口Cを閉塞して吐出口Bを開放する第2状態(図4の状態)とに選択的に切替可能となっている。すなわち、羽根部材22は、第1状態において、図3(b)に示すように、流入口Aと吐出口Bとを繋ぐ内部流路を遮断すると同時に、流入口Aと吐出口Cとを繋ぐ内部流路の一側壁を気流ガイド25bとともに構成するように配置される一方、第2状態においては、図4(b)に示すように、流入口Aと吐出口Cとを繋ぐ内部流路を遮断すると同時に、流入口Aと吐出口Bとを繋ぐ内部流路の一側壁を気流ガイド25aとともに構成するように配置される。羽根部材22は、図5(a)に示すように、第1状態と第2状態において、空気の流入方向と吐出方向のそれぞれに対して約45度の傾斜角度となるようにその向きが設定され、これにより、空気の流れ方向の転換が円滑に行われて、当該流路切替ダンパ20を通過する際の圧力損失が抑制されるようになっている。さらに、流入口Aの周縁部にはガスケットが取り付けられて、羽根部材22が第1状態と第2状態にあるときに、羽根部材22の先端部と筐体部21の内周面との間に隙間が生じることの無いように構成されている。
【0019】
また、図5(b)に示すように、羽根部材22の回転軸26は、その一端側が筐体部21の側面21dを貫通して筐体部21外の駆動装置23にまで延び、この駆動装置23によって回動力が付与されるようになっている。羽根部材22は、通常時は上記第1状態に保たれる一方、排煙時には駆動装置23により回動されて上記第2状態に切り替えられるように設定されている。
【0020】
他方、各階の居室1には、火災の発生を検知するための火災検知器(図示省略)がそれぞれ設けられ、それら火災検知器からの火災信号が防災センタ等に設置された制御装置(図示省略)に出力されるようになっている。この制御装置は、火災信号に基づいて火災発生を検知した場合に、その火災信号が発せられた階の流路切替ダンパ20の駆動装置23や排煙ファン8、各階の空調機5に対してそれぞれ制御信号を出力することにより、火災発生階の流路切替ダンパ20を還気流路12側から排煙流路13側に切り替えて、排煙ファン8を作動させる制御や、各階の空調機5の運転を停止させる制御等を行う。一方、火災後には、火災発生階の流路切替ダンパ20の駆動装置23や排煙ファン8、各階の空調機5に対してそれぞれ制御信号を出力することにより、火災発生階の流路切替ダンパ20を排煙流路13側から還気流路12側に復帰させて、排煙ファン8を停止させる制御や、各階の空調機5の運転を再開させる制御等を行う。
【0021】
また、各階の居室1近傍には、図6に示すような排煙口開放函30がそれぞれ設置されている。この排煙口開放函30には、電源表示灯31、開放表示灯32、操作ボタン33等が設けられ、電源表示灯31や開放表示灯32の点灯状態によって排煙システムの作動状態が視認できるようになっている。また、火災信号が制御装置に出力されなくとも、操作ボタン33を操作することにより、その操作信号が各階の空調機5、その階の流路切替ダンパ20、排煙ファン8にそれぞれ出力されて、これにより、各階の空調機5が運転を停止するとともに、その階の流路切替ダンパ20が還気流路12側から排煙流路13側に切り替えられて、排煙ファン8が作動するようになっている。このため、万が一、火災検知器等に故障が生じたとしても、電源表示灯31や開放表示灯32の点灯状態を確認しながら操作ボタン33を操作することにより、火災室1Aの排煙を適切に行うことができる。
【0022】
上記構成からなる空調兼用排煙システムによれば、通常時には、図1および図3に示すように、各階の空調機5が作動して、サプライファン6より吐出された調和空気が給気ダクト11を介して各階の居室1に供給されるとともに、流路切替ダンパ20の羽根部材22が第1状態に保たれて兼用ダクト10から還気流路12に向かう内部流路(流入口A→吐出口C)が形成され、これにより、居室1内の空気が兼用ダクト10を介してレタンファン7に導かれた後、このレタンファン7から吐出された空気の一部が空調機5に還気される一方、残りが屋外に排出され、この屋外に排出された空気に相当する量の新鮮な外気が空調機5に取り込まれることとなる。これにより、環境衛生上必要とされる換気が行われつつ、居室1内が快適な状態に保たれる。この際に、排煙ファン8は停止状態となっている。
【0023】
一方、図2および図4に示すように、例えば、N階の居室1で火災が発生した際には、N階の火災検知器からの火災信号または排煙口開放函30からの操作信号に基づいて、各階の空調機5が運転を停止した後、N階の流路切替ダンパ20の羽根部材22が駆動装置23により第2状態に回動変換されて兼用ダクト10から排煙流路13に向かう内部流路(流入口A→吐出口B)が形成され、その後、排煙ファン8が作動する。その結果、火災が発生した居室1(火災室1A)内の煙が、排煙ファン8の吸引により、兼用ダクト10、中継ダクト13bおよび排煙立ダクト13aを介して屋外に排出され、これにより、火災室1Aから他の居室1等への煙の侵入が防止されて、火災に対する避難時の安全性が確保される。
【0024】
以上のように、本実施形態によれば、天井内2の横引きダクト10を還気と排煙とに兼用するようにしたので、コストの低減、並びにダクトの占有スペースの削減を図ることができる。
また、兼用ダクト10や流路切替ダンパ20など、排煙システムを構成する設備の多くが、通常時においても空調システムの還気手段として使用されることとなるので、火災時にしか使用されない従来の排煙システムと比較して、システムの安定性および信頼性を向上させることができる。
【0025】
また、従来では、排煙ダクト51の梁貫通スペースを確保できない際に、図7(a)に示すように、梁3と天井面2aとの間に空気流通用の隙間3aを設け、この隙間3aを排煙ダクト51に代わる流路として用いる場合もあったが、本実施形態によれば、図7(b)に示すように、還気と排煙とに共通のダクト10を用いるようにしたので、上記のような隙間3aが不要となり、その分、天井高を高くしたり、或いは階高を低くしたりすることが可能になる。また、還気のときと同じように天井内2の各所を均一に排煙することが可能になり、図7(a)に示すような従来の排煙システムと比較して排煙効率を高めることができる。
【0026】
また、本実施形態では、羽根部材22を回動させることにより還気流路12と排煙流路13との切替を行う流路切替ダンパ20を用いるようにしたので、複数の開閉ダンパを組み合わせて還気流路12と排煙流路13との切替を行う場合と比較して、ダンパの設置数が少なくて済み、これにより、コストの低減、収納スペースの削減、工法の簡略化を図ることができるとともに、流路切替ダンパ20の作動の信頼性を向上させることができる。また、流路切替ダンパ20に温度ヒューズを設けることにより、当該流路切替ダンパ20に防火ダンパとしての機能を持たせることも可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にれば、還気ダクトと排煙ダクトを兼用することができ、これによって、コストの低減、並びにダクトの占有スペースの削減を図ることができる。また、システムの信頼性および安定性を高めることができ、火災時における建物内の避難安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空調兼用排煙システムの一実施形態を示す概略構成図で、通常時の状態を示している。
【図2】図1の空調兼用排煙システムにおいて火災が発生したときの状態を示す概略構成図である。
【図3】図1の空調兼用排煙システムの平面図で、通常時の状態を示している。
【図4】図1の空調兼用排煙システムの平面図で、火災発生時の状態を示している。
【図5】流路切替ダンパを示す図である。
【図6】排煙口開放函を示す図である。
【図7】天井内の梁周辺を示す図である。
【図8】従来の排煙システムおよび空調システムを示す概略構成図である。
【図9】図8の建物において火災が発生したときの状態を示す図である。
【図10】図8の排煙システムおよび空調システムの平面図で、通常時の状態を示している。
【図11】図8の排煙システムおよび空調システムの平面図で、火災発生時の状態を示している。
【符号の説明】
1 居室(内部空間)
2 天井内
5 空調機
7 レタンファン(還気手段、空調システム)
8 排煙ファン(排煙手段、排煙システム)
10 兼用ダクト(還気手段、排煙システム)
11 給気ダクト(給気手段、空調システム)
12 還気流路(還気手段、空調システム)
13 排煙流路(排煙システム)
20 流路切替ダンパ
21 筐体部
22 羽根部材
23 駆動装置

Claims (2)

  1. 建物の内部空間に空調機から吐出された調和空気を供給する給気手段および上記内部空間の空気を吸引して上記空調機に還気する還気手段を有する空調システムと、上記建物の内部空間において火災が発生した際に排煙手段によって当該内部空間の煙を吸引して屋外に排気する排煙システムとを備える空調兼用排煙システムであって、
    上記内部空間の天井内に、先端部開口から上記内部空間の上記空気または上記煙を吸引することにより上記空調システムの上記還気手段と上記排煙システムとを兼用するダクトを配設するとともに、当該ダクトの基端部に、上記空調機に至る還気流路と上記排煙手段に至る排煙流路とに分岐する分岐部を設け、当該分岐部に、通常時に上記空気を上記空調機に導き、かつ上記火災時に上記煙を上記排煙手段に導くように切り替える流路切替ダンパを介装したことを特徴とする空調兼用排煙システム。
  2. 上記流路切替ダンパは、
    空気の流入口と2つの吐出口とを具備し、内部に上記流入口から両吐出口に通ずる空洞部を有する筐体部と、
    上記筐体部内に回動自在な状態で設けられ、その回動角度に応じて、上記吐出口の一方を閉塞して他方を開放する第1状態と、上記吐出口の他方を閉塞して一方を開放する第2状態とに切替可能な羽根部材と、
    上記羽根部材に回動力を付与するための駆動装置とを備えてなり、
    上記筐体部は、上記流入口に上記ダクトが、上記吐出口の一方に上記排煙流路が、上記吐出口の他方に上記還気流路がそれぞれ接続され、
    上記羽根部材は、通常時は上記第1状態に保たれる一方、排煙時には上記駆動装置により回動されて上記第2状態に切り替えられるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の空調兼用排煙システム。
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