JP2006046517A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ドライバビリティの悪化を抑制する。
【解決手段】 ECT_ECUは、予め定められた時間ΔT内において、第1ソレノイドバルブへの制御信号の出力と第2ソレノイドバルブへの制御信号の出力とがハンチングしたときの制御信号の出力時間TOが、予め定められた時間TA(MIN)より長く、予め定められた時間TA(MAX)よりも短い時間であった回数Aをカウントするステップ(S202)と、カウントされた回数Aが、予め定められた回数A(0)よりも多い場合(S204にてYES)、油圧アクチュエータの応答性が抑制されるように、デューティ比−流量制御出力特性を補正するステップ(S206)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、無段変速機の制御装置に関し、特に、電磁弁により制御される作動油を用いて変速比が制御される無段変速機の制御装置に関する。
従来より、ベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が知られている。このベルト式無段変速機は、V溝状のプーリ溝を備えた駆動側プーリ(入力軸プーリ、プライマリプーリ)と従動側プーリ(出力軸プーリ、セカンダリプーリ)とにベルトを巻掛け、一方のプーリのプーリ溝の溝幅を拡大すると同時に他方のプーリのプーリ溝の溝幅を狭くすることにより、それぞれのプーリに対するベルトの巻掛け半径(有効径)を連続的に変化させて変速比を無段階に設定するように構成されている。このベルト式無段変速機において伝達されるトルクは、ベルトとプーリとを相互に接触させる方向に作用する荷重に応じたトルクとなり、したがってベルトに張力を付与するようにプーリによってベルトを挟み付けている。
また、変速は、上記のように、プーリ溝の溝幅を拡大・縮小させることにより行なうように構成されており、具体的には、各プーリを固定シーブと可動シーブとによって構成し、可動シーブをその背面側に設けた油圧アクチュエータにより軸線方向に前後動させることにより変速を行なうように構成されている。
油圧アクチュエータに供給される作動油の流量は、アップシフト用の増速用流量制御弁とダウンシフト用の減速用流量制御弁とにより制御される。さらに、増速用流量制御弁は増速用電磁弁により制御される。減速用流量制御弁は減速用電磁弁により制御される。
アップシフト時には、増速用電磁弁に対してオンとオフを繰り返すデュ−ティ制御を行うことで、増速用流量制御弁からプライマリシーブの油室に作動油が流入する。これによってVベルトがプライマリシーブに巻きかかる部分の回転半径が増大してアップシフトが行われる。一方、ダウンシフト時には、減速用電磁弁に対してオンとオフを繰り返すデュ−ティ制御を行うことで、減速用流量制御弁から、プライマリシーブの油室の作動油が流出する。これによってVベルトがプライマリシーブに巻きかかる部分の回転半径が減少してダウンシフトが行われる。ここで、電磁弁のデュ−ティ比の値に基づいて流量制御弁から流入出する作動油の流量が定まる。電磁弁のデュ−ティ比については、デュ−ティ比−流量制御出力特性をECU(Electronic Control Unit)のメモリに記憶させておき、所望の変速比を得るための作動油の流量に対応したデュ−ティ比を算出することでその値が定まる。
ところが、流量制御弁及び電磁弁には製造ばらつきが発生するので、そのデュ−ティ比−流量制御出力特性にもばらつきが発生する。したがって、ECUのメモリに記憶されているデュ−ティ比−流量制御出力特性と実際のデュ−ティ比−流量制御出力特性とは必ずしも一致せず、その間には特性差が発生する。したがって、所望の流量と実際の流量との間に誤差が発生し、所望の変速比に対する実際の変速比の追従性が悪化してしまう。この追従性の悪化を改善するため、記憶されているデュ−ティ比−流量制御出力特性を学習補正することが行なわれている。
特開2003−227564号公報(特許文献1)は、電子制御装置内に記憶されているデュ−ティ比−オリフィス面積特性を補正する無段変速機の制御装置を開示する。特許文献1に記載の制御装置は、入力される油圧制御信号に基づいて、変速機構において流入出する作動油流量を制御する流量制御部と、流量制御部の油圧制御信号−流量制御出力特性が記憶され、特性に基づいて所望の変速比を得るための流量制御出力に対応した油圧制御信号を算出する油圧制御信号算出部と、変速動作中の所定時間における変速機構内での作動油容量の変化を検出する油容量検出部と、所定時間における変速機構内での作動油容量の変化を、油圧制御信号を考慮した物理モデルに基づいて推定する油容量推定部と、油容量検出部の検出値と油容量推定手段の推定値との偏差に基づいて油圧制御信号算出部に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正する補正部とを含む。
この公報に開示された制御装置によれば、油容量検出部の検出値と油容量推定部の推定値との偏差に基づいて油圧制御信号算出部に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正するので、油圧制御信号算出部に記憶されている油圧制御信号−流量制御出力特性マップと流量制御部の実際の油圧制御信号−流量制御出力特性との特性差を精度よく学習補正することができる。したがって、所望の流量と実際の流量との誤差を抑制し、所望の変速比に対する実際の変速比の追従性を改善することができる。
特開2003−227564号公報
特開2003−227564号公報に記載された制御装置においては、物理モデルに基づいて作動油容量の変化が推定されている。しかしながら、物理モデル自体に誤差が含まれていれば、推定値に誤差が含まれることになる。この場合、記憶されている油圧制御信号−流量制御出力特性マップが誤って学習補正される。油圧アクチュエータの操作量が過度に多くなるように、油圧制御信号−流量制御出力特性マップが誤学習されれば、追従性が過度によくなる。無段変速機においては、プライマリプーリの実入力回転数NINが、アクセル開度などに基づいて定められる目標入力回転数NINTと一致するように変速比が制御されている。そのため、追従性が過度によくなれば、目標入力回転数NINTに対して実入力回転数NINがオーバーシュートとアンダーシュートとを繰返す変速ハンチングが発生する。これにより、ドライバビリティが悪化するという問題点があった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ドライバビリティの悪化を抑制することができる無段変速機の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る無段変速機の制御装置は、車両に搭載された無段変速機の制御装置である。無段変速機の変速比は、作動油により制御される。作動油の流量は、電磁弁により制御される。制御装置は、作動油の流量に関する予め定められた情報に基づいて、制御信号を電磁弁に送信することにより、電磁弁を制御するための制御手段と、制御信号のハンチングの回数を検出するための検出手段と、予め定められた期間における制御信号のハンチング回数に基づいて、予め定められた情報を補正するための補正手段とを含む。
第1の発明によると、制御手段から電磁弁に送信される制御信号のハンチングの回数が検出されると、予め定められた期間における制御信号のハンチングの回数に基づいて、作動油の流量に関する予め定められた情報が補正される。たとえば、予め定められた期間における制御信号のハンチング回数が、予め定められた回数よりも多ければ、変速比を制御する際の応答性を抑制するように、予め定められた情報が補正される。これにより、プライマリプーリの実入力回転数NINが、目標入力回転数NINTと一致するように変速比が制御される無段変速機において、目標入力回転数NINTに対する実入力回転数NINのオーバーシュートおよびアンダーシュートを抑制することができる。そのため、ドライバビリティの悪化を抑制することができる。その結果、ドライバビリティの悪化を抑制することができる無段変速機の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る無段変速機の制御装置においては、第1の発明の構成に加え、補正手段は、予め定められた期間における制御信号のハンチング回数が、予め定められた回数よりも多い場合、予め定められた情報を補正するための手段を含む。
第2の発明によると、予め定められた期間における制御信号のハンチング回数が予め定められた回数よりも多いと、予め定められた情報が補正される。予め定められた情報は、たとえば変速比を制御する際の応答性を抑制するように補正される。これにより、プライマリプーリの実入力回転数NINが、目標入力回転数NINTと一致するように変速比が制御される無段変速機において、目標入力回転数NINTに対する実入力回転数NINのオーバーシュートおよびアンダーシュートを抑制することができる。そのため、ドライバビリティの悪化を抑制することができる。
第3の発明に係る無段変速機の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加え、補正手段は、変速比を制御する際の応答性を抑制するように、予め定められた情報を補正するための手段を含む。
第3の発明によると、予め定められた情報は、変速比を制御する際の応答性を抑制するように補正される。これにより、プライマリプーリの実入力回転数NINが、目標入力回転数NINTと一致するように変速比が制御される無段変速機において、目標入力回転数NINTに対する実入力回転数NINのオーバーシュートおよびアンダーシュートを抑制することができる。そのため、ドライバビリティの悪化を抑制することができる。
第4の発明に係る無段変速機の制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加え、補正手段は、車両の走行状態に応じて、予め定められた情報を補正するための手段を含む。
第4の発明によると、たとえば定常状態である場合とコースト状態である場合とで、車両の走行状態を区別して、予め定められた情報が補正される。燃費が抑制されるようにプライマリプーリの実入力回転数NINが制御される無段変速機においては、走行状態が定常状態である場合、アップシフトされる頻度がダウンシフトされる頻度よりも多い。このような定常状態において、作動油の流量に関する予め定められた情報を補正することにより、アップシフト側のハンチングを抑制することができる。一方、車速が低いと変速比が高くなるように制御される無段変速機においては、コースト状態である場合、車速が低下するため、ダウンシフトされる頻度がアップシフトされる頻度よりも多い。このようなコースト状態において、予め定められた情報を補正することにより、ダウンシフト側のハンチングを抑制することができる。
第5の発明に係る無段変速機の制御装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加え、検出手段は、制御信号の出力周期が予め定められた周期の範囲内である場合、ハンチングが発生したことを検出するための手段を含む。
第5の発明によると、制御信号が、予め定められた周期の範囲内で出力された場合、ハンチングが発生したと検出される。これにより、ドライバビリティに影響を及ぼすような周期のハンチングが検出された場合に、作動油の流量に関する予め定められた情報を補正し、ドライバビリティが悪化することを抑制することができる。
第6の発明に係る無段変速機の制御装置においては、第5の発明の構成に加え、予め定められた周期は、車両の走行状態に応じた周期である。
第6の発明によると、たとえば、アップシフトされる傾向がある定常状態である場合とダウンシフトされる傾向があるコースト状態である場合とで車両の走行状態が区別される。ハンチングが発生したと検出される出力周期は、走行状態に応じて設定される。これにより、走行状態の特性に合わせてハンチングを検出して、ドライバビリティが悪化することを抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、図1に示すECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU900により実現される。
図1に示すように、動力源100が変速機構200に連結され、その変速機構200の出力軸300がディファレンシャルギヤ400を介して左右の駆動輪500に連結されている。ここで、動力源100は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関あるいはモータなどの電動機、さらにはこれら内燃機関と電動機とを組み合わせた装置など、車両に使用可能な種々の動力源を含む。以下の説明では、動力源100として、燃料をシリンダの内部に直接噴射し、その噴射量およびタイミングを制御することにより均質燃焼や成層燃焼の可能ないわゆる直噴ガソリンエンジン、あるいはスロットル開度を電気的に自由に制御できる電子スロットルバルブを備えたガソリンエンジンを採用した例を説
明する(以下、動力源100をエンジン100と記載する)。
このエンジン100は、電気的に制御できるように構成されており、その制御のためのマイクロコンピュータを主体とするエンジンECU800が設けられている。このエンジンECU800は、少なくともエンジン100の出力を制御するように構成されており、その制御のためのデータとして出力軸回転数(エンジン回転数)NEとアクセル開度PAなどの出力要求量とが入力される。
この出力要求量は、エンジン100の出力の増大・減少のための信号であり、運転者が操作するアクセルペダルなどの加減速操作装置700の操作量信号やその操作量を電気的に処理して得た信号を採用することができ、またそれ以外に、車速を設定車速に維持するためのクルーズコントロールシステム(図示せず)などからの出力要求量信号であってもよい。
変速機構200は、流体伝動機構210と、前後進切換機構220と、ベルト式無段変速機(CVT)230とから構成される。
流体伝動機構210は、オイルなどの流体を介して入力側の部材と出力側の部材との間でトルクを伝達するように構成された装置であって、一例として、一般の車両に採用されているトルクコンバータを挙げることができる。また、この流体伝動機構210は、ロックアップクラッチ212を備えている。すなわちロックアップクラッチ212は、入力側の部材と出力側の部材とを摩擦板などの機械的手段で直接連結するように構成されたクラッチであって、緩衝を行なうためのコイルスプリングなどの弾性体からなるダンパー214を備えている。
動力源であるエンジン100によって回転させられ、その回転数に応じて吐出圧が高くなる油圧ポンプが、流体伝動機構210に接近した位置に設けられている。具体的には、流体伝動機構210と前後進切換機構220との間に配置されている。なお、車両が停止している状態であってもエンジン100を駆動させ続けるために流体伝動機構210を設けている場合には、車両の状態に基づいて自動的に断続される自動クラッチを、上記の流体伝動機構210に置換して使用することができる。
流体伝動機構210の入力部材がエンジン100の出力部材に連結され、また流体伝動機構210の出力部材が前後進切換機構220の入力部材に連結されている。この前後進切換機構220は、一例としてダブルピニオン型遊星歯車機構によって構成され、特には図示しないが、サンギヤとキャリヤとのいずれか一方を入力要素とし、かつ他方を出力要素とするとともに、リングギヤを選択的に固定するブレーキ要素と、サンギヤおよびキャリヤならびにリングギヤの3要素のうちのいずれか2つの回転要素を選択的に連結して遊星歯車機構の全体を一体化するクラッチ要素とを備えている。すなわちそのクラッチ要素を係合させることに前進状態を設定し、またブレーキ要素を係合させることにより後進状態を設定するように構成される。
図1に示すベルト式無段変速機230は、その入力側の部材の回転数と出力側の部材の回転数との比率すなわち変速比を無段階に(連続的に)変化させることのできるベルト式無段変速機である。そのベルト式無段変速機230の一例を、図2を参照して説明する。
駆動側プーリ(プライマリプーリ)232と、従動側プーリ(セカンダリプーリ)234と、これらのプーリ232,234に巻き掛けられたベルト236とを備えている。これらのプーリ232,234のそれぞれは、固定シーブ238,240と、その固定シーブ238,240に対して接近・離隔する可動シーブ242,244とからなり、可動シ
ーブ242,244を固定シーブ238,240に対して接近する方向に押圧する油圧アクチュエータ246,248が設けられている。これら各シーブ238,240,242,244によって、ベルト236を巻掛けるためのV溝状のベルト巻掛け溝(プーリ溝)が形成されている。
プライマリプーリ232が入力軸290に取り付けられ、その入力軸290と平行に配置された出力軸300にセカンダリプーリ234が取り付けられている。そして、セカンダリプーリ234における油圧アクチュエータ248には、アクセル開度PAに代表される出力要求に基づいて求められる要求駆動力に応じた油圧が供給され、可動シーブ244を固定シーブ240側に押圧してベルト236を挟み付けることにより、トルクを伝達するのに必要な力をベルト236に付与する。
また、プライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246には、入力軸290の回転数を目標入力回転数に一致させる変速比となるように、作動油が給排されている。すなわち、各プーリ232,234における溝幅(固定シーブ238,240と可動シーブ242,244との間隔)を変化させることにより、各プーリ232,234に対するベルト236の巻き掛け半径が大小に変化して変速が実行されるようになっている。
より具体的には、実入力回転数と目標入力回転数との回転数偏差(制御偏差)に基づいてプライマリプーリ232の作動油をフィードバック制御することにより変速が実行され、したがってその制御偏差が大きいほど、変速速度が速くなる。
図3を参照して、変速制御を行なう油圧回路について説明する。
プライマリプーリ232に対する作動油の給排は、流量制御によって行なわれる。そのためのバルブ機構は、図3に示すように構成される。すなわち、プライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246には、ライン圧PLを供給する第1流量制御弁3100と、ドレンに接続された第2流量制御弁3200とが連通されている。第1流量制御弁3100は、アップシフトを実行するためのバルブであって、ライン圧PLが供給される入力ポート3300とプライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246に連通された出力ポート3400との間の流路をスプール3500によって開閉するように構成されている。そのスプール3500の一端側にはスプリング3600が配置されるとともに、そのスプール3500を挟んでスプリング3600とは反対側の端部に、信号圧を印加するための第1信号圧ポート3700が形成されている。また、スプリング3600が配置されている上記の一端側に信号圧を印加するための第2信号圧ポート3800が形成されている。
そして、第1信号圧ポート3700に、デューティに応じて出力圧が高くなる第1ソレノイドバルブ3900が接続され、また第2信号圧ポート3800に、デューティに応じて出力圧が高くなる第2ソレノイドバルブ4000が接続されており、各信号圧ポート3700,3800にこれらのソレノイドバルブ3900,4000の出力する信号圧が印加されるようになっている。すなわち、第1信号圧ポート3700に印加する油圧を高くして入力ポート3300を開くことにより、作動油が出力ポート3400からプライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246に供給されてプライマリプーリ232の溝幅が狭くなり、その結果、変速比が低下するようになっている。すなわちアップシフトされる。またその際の作動油の供給流量を増大させることにより、変速速度が速くなる。
また、第2流量制御弁3200は、ダウンシフトを実行するためのバルブであって、プライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246に連通された第1ポート4100を、ライン圧PLを元圧して調圧された油圧が供給される第2ポート4200とドレンポート4300とに、スプール4400によって選択的に連通させるように構成されている。そ
のスプール4400の一端側にはスプリング4500が配置されるとともに、その一端側に信号圧を印加するための第1信号圧ポート4600が形成されている。そのスプール4400を挟んでスプリング4500とは反対側の端部に、信号圧を印加するための第2信号圧ポート4700が形成されている。
そして、第1信号圧ポート4600に第1ソレノイドバルブ3900が接続され、また第2信号圧ポート4700に第2ソレノイドバルブ4000が接続されており、各信号圧ポート4600,4700にはこれらのソレノイドバルブ3900,4000の出力する信号圧が印加されるようになっている。すなわち、第2信号圧ポート4700に印加する油圧を高くして第1ポート4100をドレインポート4300に連通させることにより、プライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246から作動油が排出されてプライマリプーリ232の溝幅が広くなり、その結果、変速比が増大するようになっている。すなわちダウンシフトされる。またその際の作動油の排出流量を増大させることにより、変速速度が速くなる。
さらに、第2流量制御弁3200の第2ポート4200には、調圧弁4800が接続されている。この調圧弁4800は、スプリング4900によって押圧されているピストン5000の正面側に、ライン圧PLが供給される入力ポート5100が形成され、かつそのピストン5000の正面側と背面側とに連通した出力ポート5200とを有するバルブであって、その出力ポート5200が第2流量制御弁3200の第2ポート4200に連通されている。また入力ポート5100には開口面積の小さいダブルオリフィス5300を介してライン圧PLが供給されている。すなわちこの調圧弁4800は、ライン圧PLからスプリング4900の弾性力を減じた圧力の油圧が、その出力ポート5200すなわち第2流量制御弁3200の第2ポート4200に生じるように構成されている。
さらに具体的に説明すると、第1流量制御弁3100の入力ポート3300が閉じられた状態で、第2流量制御弁3200の第1ポート4100と第2ポート4200とが連通されると、調圧弁4800で調圧した作動油が第2ポート4200を介してプライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246に供給される。その場合の流量はダブルオリフィス5300で制限された微少量である。その結果、プライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246の油圧が高くなるが、その油圧アクチュエータの油圧が調圧弁4800におけるピストン5000の背面側に作用するので、その圧力が、ライン圧PLからスプリング4900の弾性力を減じた圧力になると、ピストン5000が入力ポート5100側に押圧されて入力ポート5100を閉じ、それ以上に作動油が供給されることを阻止する。したがって第1流量制御ポート3100からプライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246に作動油を供給せず、かつ第2流量制御弁3200から排出しないいわゆる閉じ込み(中込め)状態では、プライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246の油圧が、調圧弁4800で調圧した油圧(ライン圧PLより低い圧力)に維持されるようになっている。
このような油圧の維持の状態は、閉じ込み制御中の不可避的なオイルの漏れが生じた場合も同様であり、油圧回路や油圧制御機器などからオイルの漏洩が生じてプライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246の油圧が低下した場合には、調圧弁4800の入力ポート5100からプライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246に作動油が僅かずつ供給され、調圧弁4800による調圧値に維持される。その結果、変速の状態としては、僅かながらアップシフト傾向となり、変速比が僅かずつ低下する緩速のアップシフトとなる。
ベルト式無段変速機230では、プライマリプーリ232に対するベルト236の巻き掛け半径が最小でかつセカンダリプーリ234に対するベルト236の巻き掛け半径が最
大の状態で、最低速側の変速比(最大変速比:最減速状態)が設定され、また、これとは反対にプライマリプーリ232に対するベルト236の巻き掛け半径が最大でかつセカンダリプーリ234に対するベルト236の巻き掛け半径が最小の状態で、最高速側の変速比(最小変速比:最増速状態)が設定される。
変速機構200におけるロックアップクラッチ212の係合・解放ならびに滑りを伴う半係合の各状態の制御および前後進切換機構220での前後進の切り換えならびにベルト式無段変速機230での変速比の制御は、基本的には、車両の走行状態に基づいて、燃費がよくなるように制御される。その制御のためにマイクロコンピュータを主体として構成されたECT_ECU900が設けられている。
このECT_ECU900は、前述したエンジンECU800とデータ通信可能に接続される一方、制御のためのデータとして車速や変速機構200の入力側の回転数(実入力回転数NIN)、出力側の回転数(実出力回転数NOUT)などのデータが入力される。回転数センサ600は、ベルト式無段変速機230での変速制御を実行するために、プライマリプーリ232やセカンダリプーリ234などの回転数を検出するセンサであって、一例として、電磁ピックアップの先端側をパルスギヤの歯(それぞれ図示せず)が通過することにより、電磁ピックアップにパルス信号を発生させ、そのパルス信号の間隔やパルス幅などに基づいて上記の実入力回転数NINや実出力回転数NOUTを求めるように構成される。
変速機構200を停止状態(パーキングポジション:Pポジション)、後進状態(リバースポジション:Rポジション)、中立状態(ニュートラルポジション:Nポジション)、車両の走行状態に応じて変速比を自動的に設定して通常の走行を行なう自動前進状態(ドライブポジション:Dポジション)、エンジン100のポンピングロスを制動力とする状態(ブレーキポジション:Bポジション)ならびに所定値以上の高速側の変速比の設定を禁止する状態(SDポジション)の各状態(ポジション)を選択するシフト装置1000が設けられており、このシフト装置1000がECT_ECU900に電気的に接続されている。
また、ECT_ECU900は、第1ソレノイドバルブ3900および第2ソレノイドバルブ4000への制御信号のデューティ比(デューティ指令値)と第1流量制御弁3100および第2流量制御弁3200から給排される作動油の流量との関係であるデューティ比−流量制御出力特性をメモリ(図示せず)に記憶している。
ECT_ECU900は、デューティ比−流量制御出力特性に基づいて、所望の変速比を得るためのデュ−ティ比を算出する。しかしながら、第1流量制御弁3100、第2流量制御弁3200、第1ソレノイドバルブ3900および第2ソレノイドバルブ4000には、製造時のばらつきによる個体差がある。そのため、実際に給排される作動油の流量が、記憶されたデューティ比−流量制御出力特性と異なる場合がある。この場合、記憶されたデューティ比−流量制御出力特性の学習補正が行なわれる。
デューティ比−流量制御出力特性の学習補正を行なうため、ECT_ECU900は、変速開始から変速終了までの時間または変速中の予め定められた時間における、油圧アクチュエータ246の作動油容量の変化量推定値を算出する。作動油容量の変化量の推定値は、第1流量制御弁3100および第2流量制御弁3200の物理モデルを用い、デューティ比を考慮して算出される。物理モデルは、メモリに記憶されている。なお、作動油容量の変化量推定値を算出する方法については、周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではさらなる詳細な説明は繰返さない。
また、ECT_ECU900は、変速開始から変速終了までの時間または変速中の予め定められた時間における、変速比の変化量から、プライマリプーリ232の可動シーブ242の移動量を算出する。ECT_ECU900は、可動シーブ242の移動量に基づいて、変速開始から変速終了までの時間または変速中の予め定められた時間における、油圧アクチュエータ246の作動油容量の変化量検出値を算出する。
ECT_ECU900は、作動油容量の検出値と推定値との偏差に基づいて、デューティ比−流量制御出力特性を学習補正する。これにより、目標変速比に対する実際の変速比の追従性を改善することができる。
しかしながら、メモリに記憶された物理モデルは、実際の第1流量制御弁3100および第2流量制御弁3200と必ずしも一致しない。したがって、作動油容量の変化量推定値には誤差が含まれる。このような推定値に基づいて、デューティ比−流量制御出力特性を学習補正した場合、誤学習するおそれがある。
ところで、ベルト式無段変速機230においては、プライマリプーリ232の実入力回転数NINが、目標入力回転数NINTと一致するように、油圧アクチュエータ246が制御される。ここで、誤学習されたデューティ比−流量制御出力特性に基づいてデューティ比を算出して第1ソレノイドバルブ3900および第2ソレノイドバルブ4000を制御すると、油圧アクチュエータ246の操作量が過度に多くなり、応答性が過度によくなる場合がある。
このような場合、実入力回転数NINが目標入力回転数NINTと一致しない。そのため、図4に示すように、ECT_ECU900から第1ソレノイドバルブ3900への制御信号の出力と第2ソレノイドバルブ4000への制御信号の出力とが、短周期(0〜50msec)でハンチングする(交互に出力される)。
また、図5に示すように、ECT_ECU900から第1ソレノイドバルブ3900への制御信号の出力と第2ソレノイドバルブ4000への制御信号の出力とが、中周期(約200msec)でハンチングする。
これにより、実入力回転数NINが目標入力回転数NINTに対してオーバーシュートとアンダーシュートとを繰返す変速ハンチングが発生する。変速ハンチングが発生すると、プライマリプーリ232の実入力回転数NINが周期的に増減するため、セカンダリプーリ234の出力回転数、すなわち車速が周期的に増減する。これにより、車両に前後振動が生じ、ドライバビリティが悪化する。本実施の形態に係る制御装置のECT_ECU900は、デューティ比−流量制御出力特性の誤学習による変速ハンチングを抑制する。
図6を参照して、本実施の形態に係る制御装置のECT_ECU900が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、以下に説明するプログラムは、予め定められた周期で繰返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECT_ECU900は、ソレノイドバルブへのデューティ指令値、アクセル開度、ブレーキ信号、エンジン回転数、実入力軸回転数NIN、実出力回転数NOUTおよび推定入力トルクの情報を取得する。なお、アクセル開度およびブレーキ信号の情報は、エンジンECU800を介して加減速操作装置700からECT_ECU900に送信される。エンジン回転数は、エンジンECU800からECT_ECU900に送信される。推定入力トルクは、エンジン回転数に基づいて、ECT_ECU900がマップから算出する。
S200にて、ECT_ECU900は、取得した情報に基づいて、車両の走行状態が、定常状態であるか否かを判定する。定常状態であるか否かを判別する方法については、周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。定常状態である場合(S200にてYES)、処理はS202に移される。そうでない場合(S200にてNO)、処理はS300に移される。
S202にて、ECT_ECU900は、予め定められた時間ΔT内において、第1ソレノイドバルブ3900への制御信号の出力と第2ソレノイドバルブ4000への制御信号の出力とがハンチングした場合の制御信号の出力時間TOが、予め定められた時間TA(MIN)より長く、予め定められた時間TA(MAX)よりも短い時間であった回数Aをカウントする。すなわち、ECT_ECU900は、予め定められた時間ΔT内において、ハンチング周期が、予め定められた時間TA(MIN)より長く、予め定められた時間TA(MAX)よりも短い時間であった回数Aをカウントする。本実施の形態において、TA(MIN)は0msecに設定され、TA(MAX)は50msecに設定される。
S204にて、ECT_ECU900は、カウントされた回数Aが、予め定められた回数A(0)よりも多いか否かを判別する。カウントされた回数Aが、予め定められた回数A(0)よりも多い場合(S204にてYES)、処理はS206に移される。そうでない場合(S204にてNO)、処理はS208に移される。
なお、カウントされた回数Aが、予め定められた回数A(0)よりも多いという条件に代えて、あるいは加えて、ハンチングしたときのデューティ指令値(デューティ比)が予め定められた値よりも大きい場合に、処理をS206に移すようにしてもよい。
S206にて、ECT_ECU900は、メモリに記憶されているデューティ比−流量制御出力特性を補正し、油圧アクチュエータ246の操作量を補正する。このとき、油圧アクチュエータ246の補正量をGAとして、油圧アクチュエータ246の応答性が抑制されるように、デューティ比−流量制御出力特性が補正される。
S208にて、ECT_ECU900は、予め定められた時間ΔT内において、第1ソレノイドバルブ3900への制御信号の出力と第2ソレノイドバルブ4000への制御信号の出力とがハンチングしたときの制御信号の出力時間TOが、予め定められた時間TB(MIN)(TB(MIN)>TA(MIN))より長く、予め定められた時間TB(MAX)(TB(MAX)>TA(MAX))よりも短い時間であった回数Bをカウントする。すなわち、ECT_ECU900は、予め定められた時間ΔT内において、ハンチング周期が、予め定められた時間TB(MIN)より長く、予め定められた時間TB(MAX)よりも短い時間であった回数Bをカウントする。本実施の形態において、TB(MIN)は150msecに設定され、TB(MAX)は250msecに設定される。
S210にて、ECT_ECU900は、カウントされた回数Bが、予め定められた回数B(0)よりも多いか否かを判別する。カウントされた回数Bが、予め定められた回数B(0)よりも多い場合(S210にてYES)、処理はS212に移される。そうでない場合(S210にてNO)、この処理は終了する。
なお、カウントされた回数Bが、予め定められた回数B(0)よりも多いという条件に代えて、あるいは加えて、ハンチングしたときのデューティ指令値(デューティ比)が予め定められた値よりも大きい場合に、処理をS212に移すようにしてもよい。
S212にて、ECT_ECU900は、メモリに記憶されているデューティ比−流量制御出力特性を補正し、油圧アクチュエータ246の操作量を補正する。このとき、油圧アクチュエータ246の補正量をGB(GA>GB)として、油圧アクチュエータ246の応答性が抑制されるように、デューティ比−流量制御出力特性が補正される。
S300にて、ECT_ECU900は、取得した情報に基づいて、車両の走行状態が、コースと状態であるか否かを判定する。コースト状態であるか否かを判別する方法については、周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。コースト状態である場合(S300にてYES)、処理はS302に移される。そうでない場合(S300にてNO)、この処理は終了する。
S302にて、ECT_ECU900は、予め定められた時間ΔT内において、第1ソレノイドバルブ3900への制御信号の出力と第2ソレノイドバルブ4000への制御信号の出力とがハンチングしたときの制御信号の出力時間TOが、予め定められた時間TC(MIN)より長く、予め定められた時間TC(MAX)よりも短い時間であった回数Cをカウントする。すなわち、ECT_ECU900は、予め定められた時間ΔT内において、ハンチング周期が、予め定められた時間TC(MIN)より長く、予め定められた時間TC(MAX)よりも短い時間であった回数Cをカウントする。
なお、TC(MIN)はTA(MIN)と同じ値であってもよく、コースト状態での制御信号の出力特性に応じて、TA(MIN)とは異なる値に設定してもよい。同様に、TC(MAX)はTA(MAX)と同じ値であってもよく、コースト状態での制御信号の出力特性に応じて、TA(MAX)とは異なる値に設定してもよい。
S204にて、ECT_ECU900は、カウントされた回数Cが、予め定められた回数C(0)(C(0)<A(0))よりも多いか否かを判別する。カウントされた回数Cが、予め定められた回数C(0)よりも多い場合(S304にてYES)、処理はS306に移される。そうでない場合(S304にてNO)、処理はS308に移される。
なお、カウントされた回数Cが、予め定められた回数C(0)よりも多いという条件に代えて、あるいは加えて、ハンチングしたときのデューティ指令値(デューティ比)が予め定められた値よりも大きい場合に、処理をS306に移すようにしてもよい。
S306にて、ECT_ECU900は、メモリに記憶されているデューティ比−流量制御出力特性を補正し、油圧アクチュエータ246の操作量を補正する。このとき、油圧アクチュエータ246の補正量をGCとして、油圧アクチュエータ246の応答性が抑制されるように、デューティ比−流量制御出力特性が補正される。なお、補正量GCは補正量GAと同じ値であってもよく、コースト状態での制御信号の出力特性に応じて、補正量GAとは異なる値に設定してもよい。
S308にて、ECT_ECU900は、予め定められた時間ΔT内において、第1ソレノイドバルブ3900への制御信号の出力と第2ソレノイドバルブ4000への制御信号の出力とがハンチングしたときの制御信号の出力時間TOが、予め定められた時間TD(MIN)(TD(MIN)>TC(MIN))より長く、予め定められた時間TD(MAX)(TD(MAX)>TC(MAX))よりも短い時間であった回数Dをカウントする。すなわち、ECT_ECU900は、予め定められた時間ΔT内において、ハンチング周期が、予め定められた時間TD(MIN)より長く、予め定められた時間TD(MAX)よりも短い時間であった回数Dをカウントする。
なお、TD(MIN)はTB(MIN)と同じ値であってもよく、コースト状態での制御信号の出力特性に応じて、TB(MIN)とは異なる値に設定してもよい。同様に、TD(MAX)はTB(MAX)と同じ値であってもよく、コースト状態での制御信号の出力特性に応じて、TB(MAX)とは異なる値に設定してもよい。
S310にて、ECT_ECU900は、カウントされた回数Dが、予め定められた回数D(0)(D(0)<B(0))よりも多いか否かを判別する。カウントされた回数Dが、予め定められた回数D(0)よりも多い場合(S310にてYES)、処理はS312に移される。そうでない場合(S310にてNO)、この処理は終了する。
なお、カウントされた回数Dが、予め定められた回数D(0)よりも多いという条件に代えて、あるいは加えて、ハンチングしたときのデューティ指令値(デューティ比)が予め定められた値よりも大きい場合に、処理をS312に移すようにしてもよい。
S312にて、ECT_ECU900は、メモリに記憶されているデューティ比−流量制御出力特性を補正し、油圧アクチュエータ246の操作量を補正する。油圧アクチュエータ246の補正量をGD(GD>GC)として、油圧アクチュエータ246の応答性が抑制されるように、デューティ比−流量制御出力特性が補正される。なお、補正量GDは補正量GBと同じ値であってもよく、コースト状態での制御信号の出力特性に応じて、補正量GBとは異なる値に設定してもよい。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態における制御装置のECT_ECU900の動作について説明する。
車両の走行中において、変速ハンチングを検出するのに必要な情報として、ソレノイドバルブへのデューティ指令値、アクセル開度、ブレーキ信号、エンジン回転数、実入力軸回転数NIN、出力回転数および推定入力トルクの情報が取得される。
取得された情報に基づいて、車両の走行状態が、定常状態であるか否かが判別される(S200)。定常状態である場合(S200にてYES)、短周期の変速ハンチングが発生しているか否かを判別するため、予め定められた時間ΔT内において、制御信号の出力がハンチングしたときの出力時間TOが、予め定められた時間TA(MIN)より長く、予め定められた時間TA(MAX)よりも短い時間であった回数Aがカウントされる(S202)。
図7における時間T(1)から時間T(2)までの時間ΔTおよび時間T(2)から時間T(3)までの時間ΔTのように、カウントされた回数Aが、予め定められた回数A(0)よりも少ない場合(S204にてNO)、デューティ比−流量制御出力特性の補正、すなわち油圧アクチュエータ246の操作量の補正は行なわれない。
一方、時間T(3)から時間T(4)までの時間ΔTのように、カウントされた回数Aが、予め定められた回数A(0)よりも多い場合(S204にてYES)、油圧アクチュエータ246の補正量をGAとして、油圧アクチュエータ246の応答性が抑制されるように、デューティ比−流量制御出力特性が補正される(S206)。これにより、油圧アクチュエータ246の操作量が低減されて、応答性が抑制され、変速ハンチングの発生が抑制される。
また、中周期の変速ハンチングが発生しているか否かを判別するため、予め定められた時間ΔT内において、制御信号の出力がハンチングしたときの制御信号の出力時間TOが、予め定められた時間TB(MIN)より長く、予め定められた時間TB(MAX)よりも短い時間であった回数Bがカウントされる(S208)。
予め定められた時間ΔT内においてカウントされた回数Bが、予め定められた回数B(0)よりも少ない場合(S210にてNO)、中周期の変速ハンチングは発生していないため、デューティ比−流量制御出力特性の補正は行なわれない。
一方、予め定められた時間ΔT内においてカウントされた回数Bが、予め定められた回数B(0)よりも多い場合(S210にてYES)、中周期の変速ハンチングが発生してるため、油圧アクチュエータ246の補正量をGBとして、油圧アクチュエータ246の応答性が抑制されるように、デューティ比−流量制御出力特性が補正される(S212)。これにより、油圧アクチュエータ246の操作量が低減されて、応答性が抑制され、変速ハンチングの発生が抑制される。
中周期の変速ハンチングが発生した場合の油圧アクチュエータ246の応答性は、短周期の変速ハンチングが発生した場合の応答性に比べて低い。そのため、中周期の変速ハンチングが発生した場合の油圧アクチュエータ246の補正量GBは、短周期の変速ハンチングが発生した場合の補正量GAよりも小さい補正量でよい。
車両の走行状態が定常状態である場合は、ベルト式無段変速機230は燃費が向上するように制御されるため、アップシフトされる頻度がダウンシフトされる頻度よりも多い。そのため、定常状態時にデューティ比−流量制御出力特性を補正すると、アップシフト側に油圧アクチュエータ246の操作量が過度に多くなるようにデューティ比−流量制御出力特性が誤学習されている場合に有効である。
一方、車両の走行状態がコースト状態である場合(S200にてNO、S300にてYES)、定常状態時と同様に、短周期の変速ハンチングが発生しているか否かを判別するため、予め定められた時間ΔT内において、制御信号の出力がハンチングしたときの制御信号の出力時間TOが、予め定められた時間TC(MIN)より長く、予め定められた時間TC(MAX)よりも短い時間であった回数Cがカウントされる(S302)。
予め定められた時間ΔT内においてカウントされた回数Cが、予め定められた回数C(0)よりも少ない場合(S304にてNO)、デューティ比−流量制御出力特性の補正、すなわち油圧アクチュエータ246の操作量の補正は行なわれない。
予め定められた時間ΔT内においてカウントされた回数Cが、予め定められた回数C(0)よりも多い場合(S304にてYES)、油圧アクチュエータ246の補正量をGCとして、油圧アクチュエータ246の応答性が抑制されるように、デューティ比−流量制御出力特性が補正される(S306)。これにより、油圧アクチュエータ246の操作量が低減されて、応答性が抑制され、短周期の変速ハンチングの発生が抑制される。
また、中周期の変速ハンチングが発生しているか否かを判別するため、予め定められた時間ΔTにおいて、制御信号がハンチングしたときの制御信号の出力時間TOが、予め定められた時間TB(MIN)より長く、予め定められた時間TB(MAX)よりも短い時間であった回数Dがカウントされる(S308)。
予め定められた時間ΔT内においてカウントされた回数Dが、予め定められた回数D(0)よりも少ない場合(S310にてYES)、中周期の変速ハンチングは発生していないため、デューティ比−流量制御出力特性の補正は行なわれない。
一方、予め定められた時間ΔT内においてカウントされた回数Dが、予め定められた回数D(0)よりも多い場合(S210にてYES)、中周期の変速ハンチングが発生しているため、油圧アクチュエータ246の補正量をGDとして、油圧アクチュエータ246の応答性が抑制されるように、デューティ比−流量制御出力特性が補正される(S312)。これにより、油圧アクチュエータ246の操作量が低減されて、応答性が抑制され、短周期の変速ハンチングの発生が抑制される。
中周期の変速ハンチングが発生した場合の油圧アクチュエータ246の応答性は、短周期の変速ハンチングが発生した場合の応答性に比べて低い。そのため、中周期の変速ハンチングが発生した場合の油圧アクチュエータ246の補正量GDは、短周期の変速ハンチングが発生した場合の補正量GCよりも小さい補正量でよい。
車両の走行状態がコースト状態である場合は、車速の減速に伴ない、ダウンシフトされる頻度がアップシフトされる頻度よりも多い。そのため、コースト状態時にデューティ比−流量制御出力特性を補正すると、ダウンシフト側に油圧アクチュエータ246の操作量が過度に多くなるようにデューティ比−流量制御出力特性が誤学習されている場合に有効である。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置のECT_ECUは、予め定められた時間ΔT内において、制御信号の出力がハンチングしたときの制御信号の出力時間TOが、予め定められた時間の範囲内であった回数をカウントする。カウントされた回数が予め定められた回数よりも多い場合、ECT_ECUは、油圧アクチュエータの応答性が抑制されるように、デューティ比−流量制御出力特性を補正する。これにより、油圧アクチュエータの操作量が低減されて、応答性が抑制され、変速ハンチングの発生が抑制される。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る制御装置の制御ブロック図である。 図1に示すCVTの詳細図である。 CVTの変速制御のための油圧回路の一部を示す図である。 ECT_ECUからソレノイドバルブに短周期で出力される制御信号を示す図である。 ECT_ECUからソレノイドバルブに中周期で出力される制御信号を示す図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示す図である。 車両の走行状態が定常状態である場合にECT_ECUからソレノイドバルブに出力される制御信号を示すタイミングチャートである。
符号の説明
100 エンジン、200 変速機構、210 流体伝動機構、212 ロックアップクラッチ、214 ダンパー、220 前後進切換機構、232 プライマリプーリ、234 セカンダリプーリ、236 ベルト、290 入力軸、300 出力軸、400 ディファレンシャルギヤ、500 駆動輪、600 回転数センサ、700 加減速操作装置、800 エンジンECU、900 ECT_ECU、1000 シフト装置、3100 第1流量制御弁、3200 第2流量制御弁、3900,4000 ソレノイドバルブ、4800 調圧弁。

Claims (6)

  1. 車両に搭載された無段変速機の制御装置であって、前記無段変速機の変速比は、作動油により制御され、作動油の流量は、電磁弁により制御され、
    作動油の流量に関する予め定められた情報に基づいて、制御信号を前記電磁弁に送信することにより、前記電磁弁を制御するための制御手段と、
    前記制御信号のハンチングの回数を検出するための検出手段と、
    予め定められた期間における前記制御信号のハンチング回数に基づいて、前記予め定められた情報を補正するための補正手段とを含む、無段変速機の制御装置。
  2. 前記補正手段は、前記予め定められた期間における前記制御信号のハンチング回数が、予め定められた回数よりも多い場合、前記予め定められた情報を補正するための手段を含む、請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  3. 前記補正手段は、変速比を制御する際の応答性を抑制するように、前記予め定められた情報を補正するための手段を含む、請求項1または2に記載の無段変速機の制御装置。
  4. 前記補正手段は、前記車両の走行状態に応じて、前記予め定められた情報を補正するための手段を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の無段変速機の制御装置。
  5. 前記検出手段は、前記制御信号の出力周期が予め定められた周期の範囲内である場合、ハンチングが発生したことを検出するための手段を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の無段変速機の制御装置。
  6. 前記予め定められた周期は、前記車両の走行状態に応じた周期である、請求項5に記載の無段変速機の制御装置。
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