JP3873756B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機の制御装置に関し、流量制御装置により無段変速機の変速比を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の変速機として無段変速機が利用されている。この無段変速機では、ベルト式においては、エンジン側のプライマリシーブと車輪側のセカンダリシーブとにVベルトが掛け回され、プライマリシーブ及びセカンダリシーブの溝幅を変更することで変速比を連続的に変更している。
【0003】
この無段変速機において変速比を変更するための駆動力については、一般的に油圧アクチュエータからの油圧によって発生させる。そして、油圧アクチュエータとしては、例えば特開平11−182667号公報に示すような流量制御装置が用いられる。特開平11−182667号公報の流量制御装置においては、アップシフト用の増速用流量制御弁とダウンシフト用の減速用流量制御弁を別々に備え、さらに増速用流量制御弁を制御するための増速用電磁弁と減速用流量制御弁を制御するための減速用電磁弁を備えている。
【0004】
アップシフト時には、増速用電磁弁に対してオンとオフを繰り返すデュ−ティ制御を行うことで、増速用流量制御弁からプライマリシーブの油室に作動油が流入する。これによってVベルトがプライマリシーブに巻きかかる部分の回転半径が増大してアップシフトが行われる。一方、ダウンシフト時には、減速用電磁弁に対してオンとオフを繰り返すデュ−ティ制御を行うことで、減速用流量制御弁からプライマリシーブの油室から作動油が流出する。これによってVベルトがプライマリシーブに巻きかかる部分の回転半径が減少してダウンシフトが行われる。ここで、電磁弁のデュ−ティ比の値に基づいて流量制御弁内のオリフィス面積が定まる。電磁弁のデュ−ティ比の値については、デュ−ティ比−オリフィス面積特性を電子制御装置内に記憶させておき、所望の変速比を得るためのオリフィス面積に対応したデュ−ティ比を算出することでその値が定まる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
流量制御弁及び電磁弁には製造ばらつきが発生するので、そのデュ−ティ比−オリフィス面積特性にもばらつきが発生する。したがって、電子制御装置内に記憶されているデュ−ティ比−オリフィス面積特性と流量制御装置の実際のデュ−ティ比−オリフィス面積特性は必ずしも一致せず、その間には特性差が発生する。したがって、所望の流量と実際の流量との間に誤差が発生し、所望の変速比に対する実際の変速比の追従性が悪化してしまうという課題があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、流量制御手段の製造ばらつきに起因する変速比の誤差を補正し、所望の変速比に対する変速比の追従性を改善する無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の参考例に係る無段変速機の制御装置は、作動油の流入出によって駆動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構を有する無段変速機を制御する装置であって、入力される油圧制御信号に基づいて、前記変速機構において流入出する作動油流量を制御する流量制御手段と、前記流量制御手段の油圧制御信号−流量制御出力特性が記憶され、該特性に基づいて所望の変速比を得るための流量制御出力に対応した油圧制御信号を算出する油圧制御信号算出手段と、変速動作中の所定時間における前記変速機構内での作動油容量の変化を検出する油容量検出手段と、前記所定時間における前記変速機構内での作動油容量の変化を前記油圧制御信号に基づいて推定する油容量推定手段と、前記油容量検出手段の検出値と前記油容量推定手段の推定値との偏差に基づいて前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正する補正手段と、無段変速機の変速比を検出する変速比検出手段と、を有し、前記変速機構は、原動機の駆動トルクが伝達されるプライマリシーブと、負荷に駆動トルクを伝達するセカンダリシーブと、プライマリシーブ及びセカンダリシーブに掛け回されたベルトと、を備え、前記流量制御手段は、プライマリシーブにおいて流入出する作動油流量を制御することで変速比を制御し、前記油容量検出手段は、前記所定時間における変速比の変化量からプライマリシーブの移動量を算出し、この移動量に基づいて前記所定時間における前記変速機構内での作動油容量の変化を検出することを特徴とする。
【0008】
このように、油容量検出手段の検出値と前記油容量推定手段の推定値との偏差に基づいて油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正するので、油圧制御信号算出手段に記憶されている油圧制御信号−流量制御出力特性マップと流量制御手段の実際の油圧制御信号−流量制御出力特性との特性差を精度よく学習補正することができる。したがって、所望の流量と実際の流量との誤差を抑制し、所望の変速比に対する実際の変速比の追従性を改善することができる。
【0009】
発明に係る無段変速機の制御装置では、前記油容量推定手段は、前記流量制御手段前後における作動油の圧力差を検出する差圧検出手段を有し、前記油圧制御信号と該差圧検出手段の検出値に基づいて前記変速機構内での作動油容量の変化を推定することを特徴とする。
【0010】
発明に係る無段変速機の制御装置では、前記油容量推定手段は、前記油圧制御信号、前記差圧検出手段の検出値及び前記油圧制御信号と前記流量制御出力との間の動特性モデルに基づいて前記変速機構内での作動油容量の変化を推定することを特徴とする。
【0011】
このように、油圧制御信号と流量制御出力との間の動特性モデルに基づいて変速機構内での作動油容量の変化を推定するので、流量制御手段の応答遅れを考慮することができ、変速機構内での作動油容量の変化をより正確に推定できる。したがって、油圧制御信号算出手段に記憶されている油圧制御信号−流量制御出力特性マップを、より精度よく学習補正することができる。
【0012】
発明に係る無段変速機の制御装置では、前記補正手段は、前記油容量推定手段による作動油容量の変化の推定に用いた油圧制御信号値の範囲について前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正することを特徴とする。
【0013】
このように、作動油容量の変化の推定に用いた油圧制御信号値の範囲について油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正するので、油圧制御信号算出手段に記憶されている油圧制御信号−流量制御出力特性マップと流量制御手段の実際の油圧制御信号−流量制御出力特性との特性差が、油圧制御信号値に応じて変化するような場合においても、精度のよい学習補正を実現できる。
【0014】
発明に係る無段変速機の制御装置は、作動油の流入出によって駆動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構を有する無段変速機を制御する装置であって、入力される油圧制御信号に基づいて、前記変速機構において流入出する作動油流量を制御する流量制御手段と、前記流量制御手段の油圧制御信号−流量制御出力特性が記憶され、該特性に基づいて所望の変速比を得るための流量制御出力に対応した油圧制御信号を算出する油圧制御信号算出手段と、変速動作中の所定時間における前記変速機構内での作動油容量の変化を検出する油容量検出手段と、前記所定時間における前記変速機構内での作動油容量の変化を前記油圧制御信号に基づいて推定する油容量推定手段と、前記油容量検出手段の検出値と前記油容量推定手段の推定値との偏差に基づいて前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正する補正手段と、を有し、前記油容量推定手段は、前記流量制御手段前後における作動油の圧力差を検出する差圧検出手段を有し、前記油圧制御信号と該差圧検出手段の検出値に基づいて前記変速機構内での作動油容量の変化を推定し、前記変速機構は、原動機の駆動トルクが伝達されるプライマリシーブと、負荷に駆動トルクを伝達するセカンダリシーブと、プライマリシーブ及びセカンダリシーブに掛け回されたベルトと、を備え、前記流量制御手段は、プライマリシーブにおいて流入出する作動油流量を制御することで変速比を制御する無段変速機の制御装置において、プライマリシーブの回転速度を検出するプライマリ回転速度検出手段と、セカンダリシーブの回転速度を検出するセカンダリ回転速度検出手段と、プライマリシーブへの入力トルクを検出する入力トルク検出手段と、セカンダリシーブ内の作動油圧力を検出するセカンダリ圧力検出手段と、をさらに有し、前記差圧検出手段は、前記プライマリ回転速度検出手段の検出値、前記セカンダリ回転速度検出手段の検出値、前記入力トルク検出手段の検出値及び前記セカンダリ圧力検出手段の検出値に基づいて前記流量制御手段前後における作動油の圧力差を検出することを特徴とする。
【0015】
このように、プライマリシーブの回転速度、セカンダリシーブの回転速度、プライマリシーブへの入力トルク及びセカンダリシーブ内の作動油圧力に基づいて流量制御手段前後における作動油の圧力差を検出するので、プライマリシーブ内の作動油圧力を検出するための圧力センサを省略することができ、コスト削減が図れる。
【0016】
発明に係る無段変速機の制御装置では、無段変速機の変速比を検出する変速比検出手段を有し、前記油容量検出手段は、前記所定時間における変速比の変化量に基づいて前記変速機構内での作動油容量の変化を検出することを特徴とする。
【0017】
発明に係る無段変速機の制御装置では、前記所定時間は、変速動作開始時から変速動作終了時までの時間であることを特徴とする。
【0018】
発明に係る無段変速機の制御装置では、前記流量制御出力は、前記流量制御手段のオリフィス面積であることを特徴とする。
【0019】
発明に係る無段変速機の制御装置は、作動油の流入出によって駆動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構を有する無段変速機を制御する装置であって、入力される油圧制御信号に基づいて、前記変速機構において流入出する作動油流量を制御する流量制御手段と、前記流量制御手段の油圧制御信号−流量制御出力特性が記憶され、該特性に基づいて所望の変速比を得るための流量制御出力に対応した油圧制御信号を算出する油圧制御信号算出手段と、変速動作中の所定時間における前記変速機構内での作動油容量の変化を検出する油容量検出手段と、前記所定時間における前記変速機構内での作動油容量の変化を前記油圧制御信号に基づいて推定する油容量推定手段と、前記油容量検出手段の検出値と前記油容量推定手段の推定値との偏差に基づいて前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正する補正手段と、無段変速機の変速比を検出する変速比検出手段と、を有し、前記油容量推定手段は、変速比が設定範囲から外れた場合には、前記変速機構内での作動油容量の変化の推定を中止することを特徴とする。
【0020】
このように、変速比が設定範囲から外れた場合には、変速機構内での作動油容量の変化の推定を中止するので、油圧制御信号算出手段に記憶されている油圧制御信号−流量制御出力特性マップを学習補正する際に、変速比が最大変速比または最小変速比に達することが原因で発生する誤学習を防止でき、より精度のよい学習補正を実現できる。
【0021】
本発明の参考例に係る無段変速機の制御装置は、作動油の流入出によって駆動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構を有する無段変速機を制御する装置であって、入力される油圧制御信号に基づいて、前記変速機構において流入出する作動油流量を制御する流量制御手段と、前記流量制御手段の油圧制御信号−流量制御出力特性が記憶され、該特性に基づいて所望の変速比を得るための流量制御出力に対応した油圧制御信号を算出する油圧制御信号算出手段と、変速動作中の所定タイミングに前記変速機構において流入出する作動油流量を検出する油流量検出手段と、前記所定タイミングに前記変速機構において流入出する作動油流量を前記油圧制御信号に基づいて推定する油流量推定手段と、前記油流量検出手段の検出値と前記油流量推定手段の推定値との偏差に基づいて前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正する補正手段と、無段変速機の変速比を検出する変速比検出手段と、を有し、前記変速機構は、原動機の駆動トルクが伝達されるプライマリシーブと、負荷に駆動トルクを伝達するセカンダリシーブと、プライマリシーブ及びセカンダリシーブに掛け回されたベルトと、を備え、前記流量制御手段は、プライマリシーブにおいて流入出する作動油流量を制御することで変速比を制御し、前記油流量検出手段は、前記所定タイミングにおける単位時間あたりの変速比変化量からプライマリシーブの移動速度を算出し、この移動速度に基づいて前記所定タイミングに前記変速機構において流入出する作動油流量を検出することを特徴とする。
【0022】
発明に係る無段変速機の制御装置は、作動油の流入出によって駆動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構を有する無段変速機を制御する装置であって、入力される油圧制御信号に基づいて、前記変速機構において流入出する作動油流量を制御する流量制御手段と、前記流量制御手段の油圧制御信号−流量制御出力特性が記憶され、該特性に基づいて所望の変速比を得るための流量制御出力に対応した油圧制御信号を算出する油圧制御信号算出手段と、変速動作中の所定タイミングに前記変速機構において流入出する作動油流量を検出する油流量検出手段と、前記所定タイミングに前記変速機構において流入出する作動油流量を前記油圧制御信号に基づいて推定する油流量推定手段と、前記油流量検出手段の検出値と前記油流量推定手段の推定値との偏差に基づいて前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正する補正手段と、を有し、前記補正手段はさらに、前記油圧制御信号と前記油流量検出手段の検出値に基づいて前記流量制御手段において作動油流量が発生し始めるときの油圧制御信号値を補正することを特徴とする。
【0023】
このように、油圧制御信号と油流量検出手段の検出値に基づいて流量制御手段において作動油流量が発生し始めるときの油圧制御信号値を補正するので、流量制御手段において作動油流量が発生し始めるときの油圧制御信号値を精度よく学習補正することができる。したがって、変速比を少しだけ変更するような場合に、流量制御手段による変速比の制御を精度よく行うことができ、所望の変速比に制御するためにアップシフトとダウンシフトを繰り返すような変速比のハンチングを抑制できる。
【0024】
発明に係る無段変速機の制御装置では、前記補正手段は、前記油圧制御信号、前記油流量検出手段の検出値及び前記油圧制御信号と前記流量制御出力との間の動特性モデルに基づいて前記流量制御手段において作動油流量が発生し始めるときの油圧制御信号値を補正することを特徴とする。
【0025】
このように、油圧制御信号と流量制御出力との間の動特性モデルに基づいて流量制御手段において作動油流量が発生し始めるときの油圧制御信号値を補正するので、流量制御手段の応答遅れを考慮することができ、流量制御手段において作動油流量が発生し始めるときの油圧制御信号値をより精度よく学習補正することができる。したがって、変速比のハンチングをさらに抑制できる。
【0026】
発明に係る無段変速機の制御装置では、前記油流量推定手段は、前記流量制御手段前後における作動油の圧力差を検出する差圧検出手段を有し、前記油圧制御信号と前記差圧検出手段の検出値に基づいて前記変速機構において流入出する作動油流量を推定することを特徴とする。
【0027】
発明に係る無段変速機の制御装置では、前記油流量推定手段は、前記油圧制御信号、前記差圧検出手段の検出値及び前記油圧制御信号と前記流量制御出力との間の動特性モデルに基づいて前記変速機構において流入出する作動油流量を推定することを特徴とする。
【0028】
発明に係る無段変速機の制御装置では、前記補正手段は、前記油容量推定手段による作動油流量の推定に用いた油圧制御信号値について前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正することを特徴とする。
【0029】
発明に係る無段変速機の制御装置は、作動油の流入出によって駆動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構を有する無段変速機を制御する装置であって、入力される油圧制御信号に基づいて、前記変速機構において流入出する作動油流量を制御する流量制御手段と、前記流量制御手段の油圧制御信号−流量制御出力特性が記憶され、該特性に基づいて所望の変速比を得るための流量制御出力に対応した油圧制御信号を算出する油圧制御信号算出手段と、変速動作中の所定タイミングに前記変速機構において流入出する作動油流量を検出する油流量検出手段と、前記所定タイミングに前記変速機構において流入出する作動油流量を前記油圧制御信号に基づいて推定する油流量推定手段と、前記油流量検出手段の検出値と前記油流量推定手段の推定値との偏差に基づいて前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正する補正手段と、を有し、前記油流量推定手段は、前記流量制御手段前後における作動油の圧力差を検出する差圧検出手段を有し、前記油圧制御信号と前記差圧検出手段の検出値に基づいて前記変速機構において流入出する作動油流量を推定し、前記変速機構は、原動機の駆動トルクが伝達されるプライマリシーブと、負荷に駆動トルクを伝達するセカンダリシーブと、プライマリシーブ及びセカンダリシーブに掛け回されたベルトと、を備え、前記流量制御手段は、プライマリシーブにおいて流入出する作動油流量を制御することで変速比を制御する無段変速機の制御装置において、プライマリシーブの回転速度を検出するプライマリ回転速度検出手段と、セカンダリシーブの回転速度を検出するセカンダリ回転速度検出手段と、プライマリシーブへの入力トルクを検出する入力トルク検出手段と、セカンダリシーブ内の作動油圧力を検出するセカンダリ圧力検出手段と、をさらに有し、前記差圧検出手段は、前記プライマリ回転速度検出手段の検出値と前記セカンダリ回転速度検出手段の検出値と前記入力トルク検出手段の検出値と前記セカンダリ圧力検出手段の検出値とに基づいて前記流量制御手段前後における作動油の圧力差を検出することを特徴とする。
【0030】
発明に係る無段変速機の制御装置では、無段変速機の変速比を検出する変速比検出手段を有し、前記油流量検出手段は、前記所定タイミングにおける単位時間あたりの変速比変化量に基づいて前記変速機構において流入出する作動油流量を検出することを特徴とする。
【0031】
発明に係る無段変速機の制御装置では、前記流量制御出力は、前記流量制御手段のオリフィス面積であることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0033】
(1)第1実施形態
本発明の第1実施形態に係る図1は、本発明をベルト式無段変速機の制御に適用した全体構成図を示し、エンジン出力軸22に連結されるトルクコンバータ10、前後進切換装置12、ベルト式無段変速機14、変速機14の変速比を制御する油圧制御装置40、油圧制御装置40の油圧を制御する電子制御装置42を備えている。エンジンから出力される駆動トルクは、トルクコンバータ10、前後進切換装置12、ベルト式無段変速機14及び図示しない差動歯車装置を経て図示しない駆動輪へ伝達される。
【0034】
トルクコンバータ10は、エンジン出力軸22に連結されたポンプ翼車10aと、トルクコンバータ出力軸24に連結され流体を介してポンプ翼車10aから駆動トルクが伝達されるタービン翼車10bと、ワンウェイクラッチ10eを介して位置固定のハウジング10fに固定された固定翼車10cと、ポンプ翼車10aとタービン翼車10bとをダンパを介して締結するロックアップクラッチ10dを備えている。
【0035】
前後進切換装置12は、ダブルプラネタリ式歯車装置を備え、サンギヤ12s、キャリア12c及びリングギヤ12rを有している。サンギヤ12sは、トルクコンバータ出力軸24に連結されている。キャリア12c群は、クラッチ28を介してトルクコンバータ出力軸24に連結されると共に、ベルト式無段変速機入力軸26に連結されている。リングギヤ12rは、ブレーキ12bに連結されている。
【0036】
ベルト式無段変速機14は、入力軸26に連結されたプライマリシーブ30、出力軸36に連結されたセカンダリシーブ32及びプライマリシーブ30とセカンダリシーブ32とに掛け回されたV字型断面のVベルト34を備え、入力軸26からプライマリシーブ30へ伝達されたトルクをVベルト34及びセカンダリシーブ32を介して出力軸36へ伝達する。
【0037】
プライマリシーブ30は、入力軸26方向に移動可能なプライマリ可動側シーブ半体30aとプライマリ固定側シーブ半体30bで構成されている。同様にセカンダリシーブ32は、出力軸36方向に移動可能なセカンダリ可動側シーブ半体32aとセカンダリ固定側シーブ半体32bで構成されている。プライマリ可動側シーブ半体30aは、プライマリ油室30cに供給される油圧によって入力軸26方向に移動する。これによってVベルト34がプライマリシーブ30及びセカンダリシーブ32に巻きかかる部分の回転半径が変化し、ベルト式無段変速機14の変速比が連続的に変化する。また、セカンダリ可動側シーブ半体32aに設けられたセカンダリ油室32cへ供給される油圧によってVベルト34にベルト挟圧力が与えられる。これによって、シーブとVベルト34との間に発生する滑りを抑制している。
【0038】
ベルト式無段変速機14のプライマリ油室30cとセカンダリ油室32cに供給される油圧は、油圧制御装置40によって供給され、それらの油圧は電子制御装置42によって制御される。
【0039】
電子制御装置42には、スロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ76、エンジン回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ78、入力軸26の回転速度Ninを検出する入力軸回転速度センサ80、出力軸36の回転速度Noutを検出する出力軸回転速度センサ82、油圧制御装置40内の作動油の油温TOILを検出する油温センサ88及びセカンダリ油室32c内の作動油圧力Poutを検出する圧力センサ74等からの信号が入力される。電子制御装置42は、上記入力信号を処理し、その処理結果に基づいて、ベルト式無段変速機14のプライマリ油室30cとセカンダリ油室32cに供給する油圧を制御する。
【0040】
次に油圧制御装置40の主な構成について図2を用いて説明する。
【0041】
ライン圧制御装置90は、図示しないリニアソレノイド弁を備えており、エンジンによって回転駆動されるポンプ52からの油圧をリニアソレノイド弁によって調圧したライン圧PLを油路R1に出力する。ベルト挟圧力制御装置60は、油路R1内のライン圧PLを入力軸26のトルクに応じて調圧した油圧を油路R3を通じてセカンダリ油室32cへ供給する。これによって、シーブとVベルト34との間に発生する滑りを抑制するためのベルト挟圧力が与えられる。また、油路R1にはライン圧PLを常に一定の油圧となるように調圧して出力するための一定圧制御装置70が設けられている。一定圧制御装置70によって一定に維持された油圧は、油路R7を通じて後述する増速用電磁弁66及び減速用電磁弁68に供給される。
【0042】
流量制御装置50は、プライマリシーブ30のプライマリ油室30cに流入出する作動油の流量を制御し、増速用流量制御弁62及び減速用流量制御弁64と、増速用流量制御弁62及び減速用流量制御弁64にそれぞれ制御圧を供給する増速用電磁弁66及び減速用電磁弁68を備えている。増速用流量制御弁62は、4つのポート62a、62b、62c、62d、図2の上下方向に移動するスプール62s、スプール62sを図2の下方に押圧するばね62f及び制御圧が供給される制御圧室62hを有している。増速用電磁弁66は、3つのポート66a、66b、66cを有している。増速用電磁弁66がオンのとき(図2の右側)、ポート66aと66bとが連通する。そして、増速用電磁弁66はオンとオフを繰り返すデュ−ティ制御により油路R7内の一定に調圧された油圧を大気圧からこの一定圧の間で制御し、制御圧として増速用流量制御弁62のポート62aから制御圧室62hに供給する。また、増速用電磁弁66がオフのとき(図2の左側)、ポート66bと66cとが連通し、制御圧室62hの油圧がポート66cから排出され、大気圧まで減圧される。
【0043】
増速用流量制御弁62のポート62aから増速用電磁弁66からの制御圧が制御圧室62hに供給されると、この制御圧によってスプール62sは図2の上方に押圧される。一方、ばね62fによってスプール62sは図2の下方に押圧されており、これらの力のバランスにより油路R4を通じてポート62cから供給されたライン圧PLが調圧され、ポート62dから油路R5を介してプライマリ油室30cへ供給される。
【0044】
同様に、減速用流量制御弁64は、4つのポート64a、64b、64c、64d、図2の上下方向に移動するスプール64s、スプール64sを図2の下方に押圧するばね64f及び制御圧が供給される制御圧室64hを有している。減速用電磁弁68は、3つのポート68a、68b、68cを有している。減速用電磁弁68がオンのとき(図2の右側)、ポート68aと68bとが連通する。そして、減速用電磁弁68はオンとオフを繰り返すデュ−ティ制御により油路R7内の一定に調圧された油圧を大気圧からこの一定圧の間で制御し、制御圧として減速用流量制御弁64のポート64aから制御圧室64hに供給する。また、減速用電磁弁68がオフのとき(図2の左側)、ポート68bと68cとが連通し、制御圧室64hの油圧がポート68cからドレインされ、大気圧まで減圧される。
【0045】
減速用流量制御弁64のポート64aから減速用電磁弁68からの制御圧が制御圧室64hに供給されると、この制御圧によってスプール64sは図2の上方に押圧される。一方、ばね64fによってスプール64sは図2の下方に押圧されており、これらの力のバランスによりポート64cとポート64dとの連通状態が制御され、プライマリ油室30cへ供給されている油圧が油路R5を通じてポート64dから排出される。
【0046】
油路R5から分岐した油路R20上に設けられた切換弁100は、3つのポート100a、100b、100cとスプール100s及びスプール100sを図2の下方に押圧するばね100fを有している。ポート100aには油路R22を介してライン圧PLが供給され、ポート100bは油路R20と連通し、ポート100cはリザーバ54に連結されている。
【0047】
次に、図2における電子制御装置42内の主な構成について説明する。
【0048】
電子制御装置42内には、増速用電磁弁66及び減速用電磁弁68へのデュ−ティ制御指令値のデュ−ティ比を算出する油圧制御信号算出手段124が設けられている。油圧制御信号算出手段124は、流量制御装置50の油圧制御信号−流量制御出力特性としてのデュ−ティ比−オリフィス面積特性を記憶しており、この特性に基づいて所望の変速比を得るためのオリフィス面積に対応したデュ−ティ比を算出する。さらに本実施形態においては、電子制御装置42は、プライマリ油室30c内の作動油容量の変化を算出する油容量検出手段120、プライマリ油室30c内の作動油容量の変化を推定する油容量推定手段122及び油圧制御信号算出手段124に記憶されたデュ−ティ比−オリフィス面積特性を補正する補正手段126を備えている。そして、油容量推定手段122は、増速用流量制御弁62及び減速用流量制御弁64前後における作動油の圧力差を算出する差圧検出手段128を備えている。
【0049】
次に電子制御装置42内で実行される流量特性補正ルーチンについて図3に示すフローチャート及び図4に示すタイムチャートを用いて説明する。この流量特性補正ルーチンの実行はある所定時間おきごとに繰り返される。ただし、ここではダウンシフトの場合についてのみ説明し、アップシフトの場合については説明を省略するが、アップシフトの場合も同様のルーチンで実現できる。
【0050】
まずステップ(以下Sとする)101において、減速用電磁弁68へのデュ−ティ制御指令値を出力しているか否かが判定される。S101の判定結果がNOの場合は、後述するS109に進む。一方、S101の判定結果がYESの場合はS102に進み、現サンプル時刻nでのデュ−ティ制御指令値のデュ−ティ比の値をメモリDS2(n)に記憶する。次にS103に進み、デュ−ティ制御指令値を出力している場合のデュ−ティ比の最大値DS2max及び最小値DS2minを更新する。具体的には、デュ−ティ比DS2(n)の値が現在のDS2maxの値より大きい場合はDS2maxの値をDS2(n)の値に更新し、デュ−ティ比DS2(n)の値が現在のDS2minの値より小さい場合はDS2minの値をDS2(n)の値に更新する。
【0051】
S104では、減速用電磁弁68へのデュ−ティ制御指令値を出力し始めてから所定時間t1経過したか否かが判定される。ここでの所定時間t1は図4に示すように、デュ−ティ制御指令値を出力し始めてからプライマリ可動側シーブ半体30aが移動し始めるまでの時間遅れに基づいて実験により設定され、作動油温度の関数である。S104の判定結果がNOの場合は、ダウンシフトが開始されていないと判断して本ルーチンの実行を終了する。一方、S104の判定結果がYESの場合はS105に進み、ダウンシフトが開始されたと判断してFLAG1の値を1に設定して、S106に進む。
【0052】
S106では、ダウンシフト開始時刻n1での変速比RATIOSの値を記憶する。次にS107に進み、油容量推定手段122において、時刻nでのプライマリ油室30cから流出している流量推定値Qout(n)を以下に示す物理モデルを用いて算出する。ここで、流量推定値Qout(n)は(1)式で表される。
【0053】
【数1】
out(n)=C×A(n)×(2×δP(n)/ρ)0.5 (1)
ここで、Cは流量係数、A(n)は時刻nでの減速用流量制御弁64内のオリフィス面積、ρは油の密度、δP(n)は時刻nで減速用流量制御弁64前後における圧力差である。流量係数Cは、オリフィス面積A(n)、作動油温度等から実験により設定される。δP(n)は、ダウンシフト時は時刻nでのプライマリ油室30cの圧力Pin(n)となる。オリフィス面積A(n)については、減速用電磁弁68へのデュ−ティ制御指令値のデュ−ティ比DS2(n)と減速用流量制御弁64内のオリフィス面積A(n)と間の動特性を考慮した特性モデルを用いて算出することができる。例えば、デュ−ティ比DS2(n)とオリフィス面積A(n)との間の動特性は、時定数t0の1次遅れモデルで考える。ここで、t0の値については、実験により設定され、作動油温度の関数である。そして、デュ−ティ比−オリフィス面積特性マップは、例えば特性のばらつきの中央値の特性を用いる。また、プライマリ油室30cの圧力Pin(n)は、圧力センサを用いない場合は、差圧検出手段128において、(2)式から算出することができる。
【0054】
【数2】
in(n)=(Win(n)−kin×Nin(n)2)/Sin (2)
ここで、kinはプライマリシーブ遠心油圧係数(実験により設定)、Nin(n)は時刻nでの入力軸26回転速度、Sinはプライマリ可動側シーブ半体30aの受圧面積である。Win(n)は時刻nでのプライマリ可動側シーブ半体30aの推力であり、(3)式で表される。
【0055】
【数3】
in(n)=Wout(n)/
(a+b×log10γ(n)+c×Tin(n)+d×Nin(n)) (3)
ここで、係数a、b、c、dは実験により求められる。γ(n)は時刻nでの変速比であり、入力軸26回転速度Nin(n)、出力軸36回転速度Nout(n)から算出することができる。Tin(n)は時刻nでの入力軸26トルクであり、例えばエンジン回転速度Ne、スロットル開度TA及びトルクコンバータ10のトルク比等から算出することができる。Wout(n)は時刻nでのセカンダリ可動側シーブ半体32aの推力であり、(4)式で表される。
【0056】
【数4】
out(n)=Pout(n)×Sout+kout×Nout(n)2 (4)
ここで、Pout(n)は時刻nでのセカンダリ油室32cの圧力(圧力センサにより測定)、koutはセカンダリシーブ遠心油圧係数(実験により設定)、Nout(n)は時刻nでの出力軸36回転速度、Soutはセカンダリ可動側シーブ半体32aの受圧面積である。
【0057】
S108では、油容量推定手段122において、S107で算出された流量推定値Qout(n)の値を積算していくことで、ダウンシフト開始時刻n1から時刻nまでにおけるプライマリ油室30c内の作動油容量の変化量推定値Qmodel(n)を算出して本ルーチンの実行を終了する。ここで、推定値Qmodel(n)は(5)式で表される。
【0058】
【数5】
model(n)=Qmodel(n−1)+Qout(n) (5)
S101の判定結果がNOの場合は、S109に進み、FLAG1の値が1であるか否かが判定される。S109の判定結果がNOの場合は、ダウンシフトが行われていないと判断して本ルーチンの実行を終了する。一方、S109の判定結果がYESの場合は、ダウンシフト中であると判断してS110に進む。
【0059】
S110では、減速用電磁弁68へのデュ−ティ制御指令値の出力をオフにしてから所定時間t2経過したか否かが判定される。ここでの所定時間t2は図4に示すように、デュ−ティ制御指令値の出力をオフにしてからプライマリ可動側シーブ半体30aが移動しなくなるまでの時間遅れに基づいて実験により設定され、作動油温度の関数である。S110の判定結果がNOの場合は、ダウンシフトが終了していないと判断してS107に進み、プライマリ油室30cから流出している流量推定値Qout(n)を算出する。一方、S110の判定結果がYESの場合はS111に進み、ダウンシフトが終了したと判断してダウンシフト終了時刻n2での変速比RATIOEの値を記憶する。
【0060】
S112では、油容量検出手段120において、ダウンシフト終了時刻n2での変速比RATIOEの値とダウンシフト開始時刻n1での変速比RATIOSとの値の差からプライマリ可動側シーブ半体30aの移動量を算出し、この移動量に基づいてダウンシフト開始時刻n1からダウンシフト終了時刻n2までにおけるプライマリ油室30c内の作動油容量の変化量検出値Qrealを算出する。次にS113に進み、この検出値Qrealとダウンシフト開始時刻n1からダウンシフト終了時刻n2までにおけるプライマリ油室30c内の作動油容量の変化量推定値Qmodel(n2)との偏差δQ=Qreal−Qmodel(n2)を算出する。
【0061】
S114では、補正手段126において、減速用電磁弁68及び減速用流量制御弁64のデュ−ティ比−オリフィス面積特性マップを学習補正する。具体的には、図5に示すようにDS2minからDS2maxまでのデュ−ティ比の範囲においてオリフィス面積の値をδA=K1×δQ分補正する。図5ではδQの値が負でオリフィス面積の値を減らす方向に補正する場合について示している。ここでK1の値については実験により設定され、学習補正を短時間で行う場合はK1の値を大きくし、学習補正を時間をかけて正確に行う場合はK1の値を小さくする。最後にS115において、FLAG1の値を0に設定して、本ルーチンの実行を終了する。
【0062】
なお、S114における学習補正は繰り返し行い、δQの絶対値が閾値以下になった時点で学習補正を終了する。そして、学習補正の途中の段階では、図5に示すようにデュ−ティ比−オリフィス面積特性マップに段差が生じる場合(特にK1の値が大きい場合)もあるため、学習補正を行うデュ−ティ比の範囲をDS2min〜DS2maxだけでなく、図5に示すようにDS2min〜DS2max以外のデュ−ティ比についてもオリフィス面積の値をK2×δA(0<K2<1)分学習補正することで、デュ−ティ比−オリフィス面積特性マップの段差を抑えるようにしてもよい。
【0063】
本実施形態においては、まず油容量推定手段122において、変速開始時刻n1から変速終了時刻n2までにおけるプライマリ油室30c内の作動油容量の変化量推定値Qmodel(n2)を、(1)式に示す物理モデルを用いて算出する。一方、油容量検出手段120において、変速開始時刻n1から変速終了時刻n2までにおけるプライマリ油室30c内の作動油容量の変化量検出値Qrealを、変速比の変化量に基づいて算出する。そして、この検出値Qrealとこの推定値Qmodel(n2)との偏差δQを算出するので、流量制御手段50の製造ばらつきが原因で発生する油圧制御信号算出手段124に記憶されている特性と実際の流量制御手段50の特性との間の特性差を精度よく検出することができる。そして、補正手段126において、この偏差δQに基づいて流量制御手段50のデュ−ティ比−オリフィス面積特性マップを補正するので、デュ−ティ比−オリフィス面積特性マップを精度よく学習補正できる。したがって、目標変速比に対する実際の変速比の追従性を改善することができる。そして、変速開始時刻n1から変速終了時刻n2までの十分な時間を考慮して偏差δQを算出しているので、学習補正値δAのばらつきを抑えることができ、安定した学習補正を実現できる。さらに、減速用電磁弁68へのデュ−ティ制御指令値のデュ−ティ比と減速用流量制御弁64内のオリフィス面積と間の動特性を考慮して推定値Qmodel(n2)を算出しているので、推定値Qmodel(n2)をより精度よく算出することができ、より精度のよい学習補正を実現できる。そして、推定値Qmodel(n2)の算出に用いたデュ−ティ比値の範囲についてデュ−ティ比−オリフィス面積特性マップを補正するので、特性差がデュ−ティ比の値に応じて変化するような場合でも、精度のよい学習補正を実現できる。また、プライマリ油室30c内の作動油圧力を(2)〜(4)式に示す物理モデルを用いて求めているので、プライマリ油室30c内の作動油圧力を検出するための圧力センサを省略することができ、コスト削減が図れる。
【0064】
本実施形態においては、変速開始時から変速終了時までにおける作動油容量の変化量検出値と作動油容量の変化量推定値からデュ−ティ比−オリフィス面積特性の学習補正を行う場合について説明したが、変速動作中の所定時間における作動油容量の変化量検出値と作動油容量の変化量推定値からデュ−ティ比−オリフィス面積特性の学習補正を行ってもよい。なお、本実施形態における学習補正は、流量制御手段50の製造ばらつきが原因で発生する特性差の補正だけでなく、流量制御手段50の経時劣化が原因で発生する特性差の補正においても有効である。
【0065】
(2)第2実施形態
図6は、本発明の第2実施形態に係る流量特性補正ルーチンを示すフローチャートであり、第1実施形態と同様にダウンシフトの場合について示したものである。ただし、アップシフトの場合も同様のルーチンで実現できる。
【0066】
図6のS204では、油容量推定手段122において、現サンプル時刻nでの変速比γ(n)が設定値RATIOMAXより小さいか否かが判定される。S204の判定結果がYESの場合は、S205に進む。一方、S204の判定結果がNOの場合は、S212に進む。ここで、RATIOMAXの値については、無段変速機14の最大変速比のばらつきを考慮し、最大変速比の最小値またはその最小値よりも小さい近傍値をRATIOMAXの値として設定する。一方、アップシフトの場合は、変速比γ(n)が設定値RATIOMINより大きいか否かを判定する。ここで、RATIOMINの値については、無段変速機14の最小変速比のばらつきを考慮し、最小変速比の最大値またはその最大値よりも大きい近傍値をRATIOMINの値として設定する。他の構成は第1実施形態と同様のため省略する。
【0067】
本実施形態においては、変速比がRATIOMINからRATIOMAXまでの設定範囲から外れた場合は、プライマリ油室30c内の作動油容量の変化量推定値の算出をその時点で中止し、その時点までの検出値Qrealと推定値Qmodel(n)との偏差δQに基づいてデュ−ティ比−オリフィス面積特性の学習補正を行う。ここで、無段変速機14の最大変速比及び最小変速比の値はばらつきを持つので、例えばダウンシフトの場合に減速用電磁弁68へデュ−ティ制御指令値を出力しても変速比が最大変速比で飽和してしまい変速比が変化しない場合が発生する。その場合は、デュ−ティ比に基づいて算出するプライマリ油室30c内の作動油容量の変化量推定値については値が変化すると推定するが、変速比の変化量に基づいて算出するプライマリ油室30c内の作動油容量の変化量検出値については値が変化しない。したがって、プライマリ油室30c内の作動油容量の変化量の推定に誤りが発生し、デュ−ティ比−オリフィス面積特性マップを誤って学習補正してしまう。このことはアップシフトの場合についても同様である。しかし本実施形態では、変速比が最大変速比近傍(ダウンシフトの場合)または最小変速比近傍(アップシフトの場合)に達したらプライマリ油室30c内の作動油容量の変化量の推定を中止するので、流量制御装置50のデュ−ティ比−オリフィス面積特性を学習補正する際に、誤学習することを防止でき、より精度のよい学習補正を実現できる。
【0068】
また、本実施形態においては、RATIOMAX、RATIOMINの値を学習して設定してもよい。具体的には、ダウンシフトの場合は目標変速比を最大変速比としたときに、所定時間t3経過後の変速比の値をRATIOMAXの値として設定する。ここでt3の値は、流量制御装置50及びプライマリ可動側シーブ半体30aの動特性に基づいて実験により設定され、作動油温度及び変速比の関数である。また、減速用流量制御弁64の流量が発生するデュ−ティ比のデュ−ティ制御指令値を減速用電磁弁68へ所定時間t4の間出力し続けても変速比が変化しない場合における変速比をRATIOMAXの値として設定してもよい。ここで、t4の値についても流量制御装置50及びプライマリ可動側シーブ半体30aの動特性に基づいて実験により設定され、作動油温度の関数である。
【0069】
(3)第3実施形態
図7は、本発明の第3実施形態に係る流量特性補正ルーチンを示すフローチャートであり、第1実施形態と同様にダウンシフトの場合について示したものである。ただし、アップシフトの場合も同様のルーチンで実現できる。この流量特性補正ルーチンの実行はある所定時間おきごとに繰り返される。なお、図示はしていないが電子制御装置42には、プライマリ油室30cにおいて流入出する作動油流量を算出する油流量検出手段、プライマリ油室30cにおいて流入出する作動油流量を推定する油流量推定手段が備えられている。その他の油圧制御装置40等の全体構成については第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0070】
まずS301において、減速用電磁弁68へのデュ−ティ制御指令値を出力しているか否かが判定される。S301の判定結果がNOの場合は、後述するS305に進む。一方、S301の判定結果がYESの場合はS302に進み、現サンプル時刻nでのデュ−ティ制御指令値のデュ−ティ比の値をメモリDS2(n)に記憶する。
【0071】
S303では、減速用電磁弁68へのデュ−ティ制御指令値を出力し始めてから所定時間t1経過したか否かが判定される。ここでの所定時間t1は、デュ−ティ制御指令値を出力し始めてからプライマリ可動側シーブ半体30aが移動し始めるまでの時間遅れに基づいて実験により設定され、作動油温度の関数である。S303の判定結果がNOの場合は、ダウンシフトが開始されていないと判断して本ルーチンの実行を終了する。一方、S303の判定結果がYESの場合はS304に進み、ダウンシフトが開始されたと判断してFLAG1の値を1に設定して、後述するS308に進む。
【0072】
S301の判定結果がNOの場合は、S305に進み、FLAG1の値が1であるか否かが判定される。S305の判定結果がNOの場合は、ダウンシフトが行われていないと判断して本ルーチンの実行を終了する。一方、S305の判定結果がYESの場合は、ダウンシフト中であると判断してS306に進む。
【0073】
S306では、減速用電磁弁68へのデュ−ティ制御指令値の出力をオフにしてから所定時間t2経過したか否かが判定される。ここでの所定時間t2は、デュ−ティ制御指令値の出力をオフにしてからプライマリ可動側シーブ半体30aが移動しなくなるまでの時間遅れに基づいて実験により設定され、作動油温度の関数である。S306の判定結果がNOの場合は、後述するS308に進む。一方、S306の判定結果がYESの場合は、ダウンシフトが終了したと判断してS307に進み、FLAG1の値を0に設定して本ルーチンの実行を終了する。
【0074】
S308では、時刻nより図8のタイムチャートに示す所定時間Tdel前における単位時間あたりのデュ−ティ比変化量δDS2(n−Tdel)が所定値xより小さいか否かが判定される。ここでの所定時間Tdelは、減速用電磁弁68へのデュ−ティ制御指令値のデュ−ティ比DS2(n)と減速用流量制御弁64内のオリフィス面積A(n)と間の動特性及びプライマリ可動側シーブ半体30aの動特性に基づいて実験により設定され、変速比及び作動油温度の関数である。S308の判定結果がNOの場合は、後述するデュ−ティ比−オリフィス面積特性マップの学習補正の誤差が大きくなると判断して学習補正を行わずに本ルーチンの実行を終了する。
【0075】
一方、S308の判定結果がYESの場合はS309に進み、油流量検出手段において、時刻nでの単位時間あたりの変速比変化量δγ(n)を算出する。次にS310に進み、変速比変化量δγ(n)の値から変速比が変化したか否かが判定される。S310の判定結果がNOの場合はS311に進み、減速用流量制御弁64から流量が発生していないと判断し、補正手段126において、流量が発生し始めるデュ−ティ比DS0maxに記憶する値を更新することで、デュ−ティ比−オリフィス面積特性マップの学習補正を行う。具体的には、デュ−ティ比DS2(n−Tdel)の値が現在のDS0maxの値より大きい場合は、DS0maxの値をDS2(n−Tdel)の値に更新する。ここでデュ−ティ比と変速比との間の特性は図8のタイムチャートに示すように時間遅れがあるために、更新するデュ−ティ比は所定時間Tdel前の値を用いる。この場合は図9における学習補正値αの値は、DS2(n−Tdel)と更新前のDS0maxとの差になる。一方、S310の判定結果がYESの場合は、減速用流量制御弁64から流量が発生していると判断してS312に進む。
【0076】
S312では、デュ−ティ比DS2(n−Tdel)の値がDS0maxの値以下であるか否かが判定される。ここでも比較するデュ−ティ比は所定時間Tdel前の値を用いる。S312の判定結果がYESの場合はS313に進み、減速用流量制御弁64から流量が発生し始めるデュ−ティ比がDS0maxの値より小さいため、補正手段126において、DS0maxに記憶する値を(DS0max−α)に更新することで、デュ−ティ比−オリフィス面積特性マップの学習補正を行う。ここで、図9における学習補正値αの値については実験により設定され、学習補正を短時間で行う場合はαの値を大きくし、学習補正を時間をかけて正確に行う場合はαの値を小さくする。
【0077】
一方、S312の判定結果がNOの場合はS314に進み、油流量検出手段において、時刻nでの変速比変化量δγ(n)からプライマリ可動側シーブ半体30aの移動速度を算出し、この移動速度に基づいて時刻nでのプライマリ油室30cから流出している流量検出値Qreal(n)を算出する。次にS315に進み、油流量推定手段において、時刻nでのプライマリ油室30cから流出している流量推定値Qout(n)を第1実施形態と同様の物理モデルを用いて算出する。そしてS316では、流量検出値Qreal(n)と流量推定値Qout(n)との偏差δQ(n)=Qreal(n)−Qout(n)を算出する。
【0078】
最後にS317では、補正手段126において、減速用電磁弁68及び減速用流量制御弁64のデュ−ティ比−オリフィス面積特性マップを学習補正して本ルーチンの実行を終了する。具体的には、図9に示すようにデュ−ティ比DS2(n−Tdel)におけるオリフィス面積の値をδA=K1×δQ分補正する。ここでもデュ−ティ比と変速比との間の特性は図8のタイムチャートに示すように時間遅れがあるために、補正対象とするデュ−ティ比の値は所定時間Tdel前の値を用いる。図9ではδQの値が負でオリフィス面積の値を減らす方向に補正する場合について示している。ここでK1の値については実験により設定され、学習補正を短時間で行う場合はK1の値を大きくし、学習補正を時間をかけて正確に行う場合はK1の値を小さくする。
【0079】
なお、S317における学習補正は繰り返し行い、δQの絶対値が閾値以下になった時点で学習補正を終了する。そして、学習補正の途中の段階では、図9に示すようにデュ−ティ比−オリフィス面積特性マップに段差が生じる場合(特にK1の値が大きい場合)もあるため、学習補正を行うデュ−ティ比の値をDS2(n−Tdel)だけでなく、図9に示すようにDS2(n−Tdel)以外のデュ−ティ比についてもオリフィス面積の値をK2×δA(0<K2<1)分学習補正することで、デュ−ティ比−オリフィス面積特性マップの段差を抑えるようにしてもよい。また、学習補正未実施のデュ−ティ比におけるオリフィス面積の値については、図9に示すように学習補正実施後のデュ−ティ比におけるオリフィス面積の値の間を、例えば線形補間することで補正してもよい。
【0080】
本実施形態においても第1実施形態と同様に、流量制御手段50の製造ばらつきが原因で発生する油圧制御信号算出手段124に記憶されている特性と実際の流量制御手段50の特性との間の特性差を精度よく検出することができ、デュ−ティ比−オリフィス面積特性マップを精度よく学習補正できる。したがって、目標変速比に対する実際の変速比の追従性を改善することができる。さらに、流量推定値Qout(n)の算出に用いたデュ−ティ比値についてデュ−ティ比−オリフィス面積特性マップを補正するので、特性差がデュ−ティ比値に応じて異なるような場合でも、精度のよい学習補正を実現できる。
【0081】
さらに本実施形態においては、デュ−ティ比に対する変速比の変化を調べることによって、流量が発生し始めるデュ−ティ比DS0maxを補正するので、DS0maxの値を精度よく学習補正することができる。したがって、変速比を少しだけ変更するような場合に、流量制御装置50による変速比の制御を精度よく行うことができ、所望の変速比に制御するためにアップシフトとダウンシフトを繰り返すような変速比のハンチングを抑制できる。さらに、減速用電磁弁68へのデュ−ティ制御指令値のデュ−ティ比と減速用流量制御弁64内のオリフィス面積と間の動特性を考慮してDS0maxの値を補正しているので、DS0maxの値をより精度よく学習補正することができ、変速比のハンチングをさらに抑制できる。
【0082】
なお、本実施形態における流量検出値Qreal(n)及び流量推定値Qmodel(n)の算出については、複数のサンプル時刻における平均値を用いてもよい。
【0083】
以上の実施形態においては、ベルト式無段変速機の場合について説明したが、本発明は、エンジン側の入力ディスクと車輪側の出力ディスクとの間に挟持されたパワーローラの傾転角を変更することで変速比を連続的に変更するトロイダル式無段変速機の場合についても適用可能である。また、各実施形態における流量特性補正ルーチンを組み合わせて学習補正を行ってもよい。そして、各実施形態における流量特性補正ルーチンについては、ダウンシフトの場合について説明したが、本発明はアップシフトの場合についても適用できる。また、各実施形態においては、油圧制御信号算出手段にデュ−ティ比−オリフィス面積特性特性を記憶して学習補正する場合について説明したが、油圧制御信号算出手段に記憶する特性はデュ−ティ比−オリフィス面積特性に限るものではなく、例えばデュ−ティ比−(流量係数×オリフィス面積)特性を記憶して学習補正してもよい。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、油容量検出手段の検出値と油容量推定手段の推定値との偏差に基づいて油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正することで、油圧制御信号算出手段に記憶されている油圧制御信号−流量制御出力特性マップと流量制御手段の実際の油圧制御信号−流量制御出力特性との特性差を精度よく学習補正することができる。したがって、所望の流量と実際の流量との誤差を抑制し、所望の変速比に対する実際の変速比の追従性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る無段変速機の制御装置を含む車両用動力伝達装置の構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施形態における油圧制御装置及び電子制御装置の構成の概略を示す図である。
【図3】 本発明の第1実施形態における流量特性補正ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】 本発明の第1実施形態におけるダウンシフト時のデュ−ティ比及び変速比の時間変化を示すタイムチャートである。
【図5】 本発明の第1実施形態におけるデュ−ティ比−オリフィス面積特性マップの学習補正を説明する図である。
【図6】 本発明の第2実施形態における流量特性補正ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】 本発明の第3実施形態における流量特性補正ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】 本発明の第3実施形態におけるダウンシフト時のデュ−ティ比及び変速比の時間変化を示すタイムチャートである。
【図9】 本発明の第3実施形態におけるデュ−ティ比−オリフィス面積特性マップの学習補正を説明する図である。
【符号の説明】
10 トルクコンバータ、12 前後進切換装置、14 ベルト式無段変速機、30 プライマリシーブ、32 セカンダリシーブ、34 Vベルト、40 油圧制御装置、42 電子制御装置、50 流量制御装置、62 増速用流量制御弁、64 減速用流量制御弁、66 増速用電磁弁、68 減速用電磁弁、120 油容量検出手段、122 油容量推定手段、124 油圧制御信号算出手段、126 補正手段、128 差圧検出手段。

Claims (14)

  1. 作動油の流入出によって駆動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構を有する無段変速機を制御する装置であって、
    入力される油圧制御信号に基づいて、前記変速機構において流入出する作動油流量を制御する流量制御手段と、
    前記流量制御手段の油圧制御信号−流量制御出力特性が記憶され、該特性に基づいて所望の変速比を得るための流量制御出力に対応した油圧制御信号を算出する油圧制御信号算出手段と、
    変速動作中の所定時間における前記変速機構内での作動油容量の変化を検出する油容量検出手段と、
    前記所定時間における前記変速機構内での作動油容量の変化を前記油圧制御信号に基づいて推定する油容量推定手段と、
    前記油容量検出手段の検出値と前記油容量推定手段の推定値との偏差に基づいて前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正する補正手段と
    有し、
    前記油容量推定手段は、前記流量制御手段前後における作動油の圧力差を検出する差圧検出手段を有し、前記油圧制御信号と該差圧検出手段の検出値に基づいて前記変速機構内での作動油容量の変化を推定し、
    前記変速機構は、原動機の駆動トルクが伝達されるプライマリシーブと、負荷に駆動トルクを伝達するセカンダリシーブと、プライマリシーブ及びセカンダリシーブに掛け回されたベルトと、を備え、
    前記流量制御手段は、プライマリシーブにおいて流入出する作動油流量を制御することで変速比を制御する無段変速機の制御装置において、
    プライマリシーブの回転速度を検出するプライマリ回転速度検出手段と、
    セカンダリシーブの回転速度を検出するセカンダリ回転速度検出手段と、
    プライマリシーブへの入力トルクを検出する入力トルク検出手段と、
    セカンダリシーブ内の作動油圧力を検出するセカンダリ圧力検出手段と、
    をさらに有し、
    前記差圧検出手段は、前記プライマリ回転速度検出手段の検出値、前記セカンダリ回転速度検出手段の検出値、前記入力トルク検出手段の検出値及び前記セカンダリ圧力検出手段の検出値に基づいて前記流量制御手段前後における作動油の圧力差を検出することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 作動油の流入出によって駆動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構を有する無段変速機を制御する装置であって、
    入力される油圧制御信号に基づいて、前記変速機構において流入出する作動油流量を制御する流量制御手段と、
    前記流量制御手段の油圧制御信号−流量制御出力特性が記憶され、該特性に基づいて所望の変速比を得るための流量制御出力に対応した油圧制御信号を算出する油圧制御信号算出手段と、
    変速動作中の所定時間における前記変速機構内での作動油容量の変化を検出する油容量検出手段と、
    前記所定時間における前記変速機構内での作動油容量の変化を前記油圧制御信号に基づいて推定する油容量推定手段と、
    前記油容量検出手段の検出値と前記油容量推定手段の推定値との偏差に基づいて前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正する補正手段と、
    無段変速機の変速比を検出する変速比検出手段と、
    を有し、
    前記油容量推定手段は、変速比が設定範囲から外れた場合には、前記変速機構内での作 動油容量の変化の推定を中止することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  3. 請求項2に記載の無段変速機の制御装置であって、
    前記油容量推定手段は、前記流量制御手段前後における作動油の圧力差を検出する差圧検出手段を有し、前記油圧制御信号と該差圧検出手段の検出値に基づいて前記変速機構内での作動油容量の変化を推定することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  4. 請求項1または3に記載の無段変速機の制御装置であって、
    前記油容量推定手段は、前記油圧制御信号、前記差圧検出手段の検出値及び前記油圧制御信号と前記流量制御出力との間の動特性モデルに基づいて前記変速機構内での作動油容量の変化を推定することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の無段変速機の制御装置であって、
    前記補正手段は、前記油容量推定手段による作動油容量の変化の推定に用いた油圧制御信号値の範囲について前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の無段変速機の制御装置であって、
    前記所定時間は、変速動作開始時から変速動作終了時までの時間であることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の無段変速機の制御装置であって、
    前記流量制御出力は、前記流量制御手段のオリフィス面積であることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  8. 作動油の流入出によって駆動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構を有する無段変速機を制御する装置であって、
    入力される油圧制御信号に基づいて、前記変速機構において流入出する作動油流量を制御する流量制御手段と、
    前記流量制御手段の油圧制御信号−流量制御出力特性が記憶され、該特性に基づいて所望の変速比を得るための流量制御出力に対応した油圧制御信号を算出する油圧制御信号算出手段と、
    変速動作中の所定タイミングに前記変速機構において流入出する作動油流量を検出する油流量検出手段と、
    前記所定タイミングに前記変速機構において流入出する作動油流量を前記油圧制御信号に基づいて推定する油流量推定手段と、
    前記油流量検出手段の検出値と前記油流量推定手段の推定値との偏差に基づいて前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正する補正手段と、
    を有し、
    前記補正手段はさらに、前記油圧制御信号と前記油流量検出手段の検出値に基づいて前記流量制御手段において作動油流量が発生し始めるときの油圧制御信号値を補正することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  9. 請求項8に記載の無段変速機の制御装置であって、
    前記補正手段は、前記油圧制御信号、前記油流量検出手段の検出値及び前記油圧制御信号と前記流量制御出力との間の動特性モデルに基づいて前記流量制御手段において作動油流量が発生し始めるときの油圧制御信号値を補正することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  10. 作動油の流入出によって駆動されることで変速比を連続的に変化させる変速機構を有する無段変速機を制御する装置であって、
    入力される油圧制御信号に基づいて、前記変速機構において流入出する作動油流量を制御する流量制御手段と、
    前記流量制御手段の油圧制御信号−流量制御出力特性が記憶され、該特性に基づいて所望の変速比を得るための流量制御出力に対応した油圧制御信号を算出する油圧制御信号算出手段と、
    変速動作中の所定タイミングに前記変速機構において流入出する作動油流量を検出する油流量検出手段と、
    前記所定タイミングに前記変速機構において流入出する作動油流量を前記油圧制御信号に基づいて推定する油流量推定手段と、
    前記油流量検出手段の検出値と前記油流量推定手段の推定値との偏差に基づいて前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正する補正手段と、
    を有し、
    前記油流量推定手段は、前記流量制御手段前後における作動油の圧力差を検出する差圧検出手段を有し、前記油圧制御信号と前記差圧検出手段の検出値に基づいて前記変速機構において流入出する作動油流量を推定し、
    前記変速機構は、原動機の駆動トルクが伝達されるプライマリシーブと、負荷に駆動トルクを伝達するセカンダリシーブと、プライマリシーブ及びセカンダリシーブに掛け回されたベルトと、を備え、
    前記流量制御手段は、プライマリシーブにおいて流入出する作動油流量を制御することで変速比を制御する無段変速機の制御装置において、
    プライマリシーブの回転速度を検出するプライマリ回転速度検出手段と、
    セカンダリシーブの回転速度を検出するセカンダリ回転速度検出手段と、
    プライマリシーブへの入力トルクを検出する入力トルク検出手段と、
    セカンダリシーブ内の作動油圧力を検出するセカンダリ圧力検出手段と、
    をさらに有し、
    前記差圧検出手段は、前記プライマリ回転速度検出手段の検出値と前記セカンダリ回転速度検出手段の検出値と前記入力トルク検出手段の検出値と前記セカンダリ圧力検出手段の検出値とに基づいて前記流量制御手段前後における作動油の圧力差を検出することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  11. 請求項8または9に記載の無段変速機の制御装置であって、
    前記油流量推定手段は、前記流量制御手段前後における作動油の圧力差を検出する差圧検出手段を有し、前記油圧制御信号と前記差圧検出手段の検出値に基づいて前記変速機構において流入出する作動油流量を推定することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  12. 請求項10または11に記載の無段変速機の制御装置であって、
    前記油流量推定手段は、前記油圧制御信号、前記差圧検出手段の検出値及び前記油圧制御信号と前記流量制御出力との間の動特性モデルに基づいて前記変速機構において流入出する作動油流量を推定することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  13. 請求項8〜12のいずれかに記載の無段変速機の制御装置であって、
    前記補正手段は、前記油容量推定手段による作動油流量の推定に用いた油圧制御信号値について前記油圧制御信号算出手段に記憶された油圧制御信号−流量制御出力特性を補正することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  14. 請求項8〜13のいずれかに記載の無段変速機の制御装置であって、
    前記流量制御出力は、前記流量制御手段のオリフィス面積であることを特徴とする無段変速機の制御装置。
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