JP2006046327A - 吸気騒音減衰器 - Google Patents

Abstract

【課題】 経済的で、取付けが容易な吸気騒音減衰器を提供する。
【解決手段】 内燃機関の空気吸入通路の主流路１４の周囲側に主流路１４に連通する少なくとも１つの共鳴室２３が設けられる。共鳴室２３側壁３０で囲まれ、蓋部材２８により閉鎖され、共鳴室２３の側壁３０と主流路１４を形成する壁１５とは一体に形成される。蓋部材２８と共鳴室２３の側壁３０との間の分割面３１は主流路１４を形成する壁１５の外側に設けられる。
【選択図】図１

Description

本発明は、請求項に１記載の上位概念による吸気管に関する。吸気音を減衰する特性を備えた吸気管は内燃機関の吸気通路の濾過以前の空気に入口と内燃機関のシリンダヘッドの間に配置される。内燃機関のガス交換に際しては空気脈動が生じ、これにより吸気システムには振動が惹起され、望ましくない音響的及び機械的負荷が生じる。

特許文献１（ＥＰ ０ ８５９ ９０６）にガス入り口とガス出口の間に複数の共鳴室を有する騒音減衰器が開示されている。この騒音減衰器では２つのハウジングを接合することによって管状の共鳴部と流路が形成される。両ハウジングの間には夫々の共鳴器と主通路とを形成するハウジングの壁に沿って分割面が延びている。

このように構成の欠点は、ハウジング壁の接合に際して多くの接合面が気密に接合されなければ成らないということである。これらの接合面の加工には多大の時間を要するとともに、管路接合部における平滑な接合が損なわれることである。さらに、このように形成された共鳴器では大きな面積の平面状の装着面が必要となる。
ＥＰ ０ ８５９ ９０６

本発明の課題は、簡単で、信頼性があり、そして経済的に製作でき、いろいろな取付け空間に適合できる吸気騒音減衰器を提供することである。この課題は請求項１に記載の特徴により達成される。

本発明の吸気管は空気供給および内燃機関の空気吸入通路に生じる脈動の一定の周波数のものを減衰に用いられるものである。該吸気管はその流入側に清浄前空気通路管、空気フィルタハウジング、あるいは中間フランジを接続することができる。流出側は、好ましくは絞り弁、清浄空気通路管、あるいはシリンダヘッドに連結される吸気管に連結される。本発明の吸気管は、空気流方向において空気フィルタの前あるいは後に、あるいは吸気流入口に直接に取り付けることができる。流入側および流出側における連結は、好ましくは弾性体の中間フランジを介して気密に連結され、止め部材、締め部材、あるいは現在公知の連結部材で固定される。

主流路が前記流入側と流出側の間に形成され、内燃機関に吸入される空気の全量が該主流路を流れる。主流路の壁は、好ましくは中空シリンダ状で、主流路を共鳴器および吸気管の周囲側から隔離する。

主流路の周囲側には共鳴器側に連通する連通開口が設けられている。共鳴器は側壁で囲まれ、該側壁はその全周が前記主流路の壁面上に形成されている。

前期吸気管は、基体と、少なくとも１つの蓋部材との、少なくとも２つの部分からなる。前記基体は主流路と共鳴器の一部を形成する。前記蓋部材は共鳴室を周囲側に対して閉鎖する。最も簡単な構成では、前記蓋部材は平板状に形成され、その周辺部が共鳴器の側壁に気密に取付けられる。

この蓋部材と共鳴器の側壁間の連結部は分割面をなす。この連結は、好ましくは溶接で行なわれるが、例えば接着あるいは現在公知の他の結合技術で行なってもよい。共鳴器の側壁が全周に亘って主流路の壁面上に設けられているので、前記分割面は主流路の壁の外側に在ることになる。つまり、主流路の壁の接線面が前記分割面になることはない。

前記吸気管と蓋部材は原型を用いる製法、特に射出成形により製作することができる。材料としては、例えばポリプロピレンあるいはポリアミドが考慮の対象となる。

前記したような構成は、例えば連結に際して接着あるいは溶接の場合に生じるバリが主流路内にはみ出して流れの抵抗を増大することがなくなり、好都合である。また、分割面が共鳴器の領域に在るので、共鳴室の形成に際して形成上の自由度が大きくなる。主流路の壁には溶接部がないので、該壁の機械的強度が安定する。このことは、なかんずく吸気管の流入側および流出側を空気吸入通路管に連結する際に応力が生じる連結にとって有利である。

本発明の目的にかなう実施形態では、吸気管に複数の共鳴器を設け、これら共鳴器を互いに隣り合って、あるいは入れ子式に設けることができる。互いに隣り合う共鳴器は、共通の隔壁で互いに隔離され、周囲側に対して閉鎖する側壁を有する。これらの共鳴器は、共通のあるいは複数の蓋部材によって閉鎖される。これらの共鳴器を独立に隣り合って設けてもよく、その際は、各共鳴器は夫々を周囲側から隔離する側壁を有する。共鳴器あるいは吸気管全体の機械的強度を安定させるために、共鳴器をリブで連結してもよい。

共鳴器は互いに重なり合う入れ子式に設けることができ、その際、それらの共鳴器は相互が完全に、あるいは部分的に包囲し合ってもよい。共鳴器間には隔壁が設けられ、該隔壁は外側の共鳴器に対しては内側壁をなし、内側の共鳴器に対しては外側壁をなす。入れ子式の共鳴器は１つの共通の蓋部材で閉鎖するのが好ましい。入れ子式共鳴器の側壁は互いに略平行とすることができ、これにより一個の型で製作することができる。複数の共鳴器とすることにより、種々異なる共鳴室容積を容易に経済的に設けることができて好都合である。これにより、側壁を複数の機能に利用することができ、構造体容積が有利に利用され、重量が軽減される。

本発明の他の有利な実施形態では、蓋部材は共鳴器の側壁に対応する側壁を有する。したがって、蓋部材は共鳴室の一部を形成する。吸気管側で入れ子式の側壁に形成されている場合は蓋部材側でも同様に入れ子式の側壁に形成することができる。この場合、蓋部材は平板形状であってはならず、湾曲あるいは段付き形状とすることはできる。このような形状とすることの有利な点は、蓋部材を種々の形状に形成できることである。これにより、蓋部材をさまざまな取り付けスペースに適合させることができる。

本発明のさらに別の実施形態では、共鳴器を主流路の周方向の異なる位置に設ける。この場合、主流路から共鳴器通路への分岐は、例えば１面内で行なわれる。共鳴器は互いに対向して、あるいは任意の角度位置に設けることができる。このような形態では短い吸気管に多数の共鳴室を形成することができて有利である。共鳴器を主流路の周方向に沿って等間隔に設けることにより、吸気管の荷重が厳しい箇所が主流路上に在るようにすることができ、それにより吸気管の補強に要する製作費用を減じることができる。

さらに、共鳴器を主流方向に沿って位置を異ならせて設けることも有利である。これは、主流路の周囲側に所要の共鳴室容積を設けるスペースが十分ではなく、また、吸気管の断面積が大きい場合には必要なことである。複数の共鳴器を吸気管の長手方向に沿って設けると、吸気管の荷重が厳しいところが共鳴器側に在るようになる。この場合、共鳴器に補強部を設けるのが好ましい。補強部は、突起、リブ、へこみ、あるいはねじボス等である。補強部は型形状により吸気管あるいは蓋部材に一体に形成されるか、または吸気管に溶接あるいは接着される。共鳴器を主流方向に位置を異ならせて設けることは、多くの共鳴器を長手方向に延びる取付けスペースに適合させ、１つの蓋部材で閉鎖することができる利点がある。

さらに本発明の目的にかなう実施形態では、共鳴器は1/4波長共鳴器及び／或はヘルムホルツ共鳴器に形成される。両方式の共鳴器の組合せにより、構造体容積が有利に利用され、さまざまな音響的課題を解決することができる。

本発明のさらに有利な実施形態では、蓋部材と共鳴室の側壁の間の分割面は湾曲状あるいは段付き状に形成される。該分割面は主流路の周方向に沿って互いに隣り合って設けられた、あるいは主流路における流れ方向に沿って互いに隣り合って設けられた複数の共鳴器を閉鎖することができる。このように分割面を形成することによって、主流路の壁からの半径方向長さが異なる共鳴器を１つの蓋部材によって閉鎖することができる。

実施形態の有利な変形例では、主流路の周方向に共鳴器が対向して設けられる。２つの共鳴器の場合は、好ましくはこれらが１８０度の角度で互いに対向して設けられる。２つよりも多い場合は、それらは同じ角度間隔で設けられる。夫々の共鳴器は複数の共鳴室を有することができる。このような構成では、荷重の厳しい部分が中央部にある、静力学的に安定した、有利な、対称形の吸気管に形成される。

上記およびその他の本発明の好ましい実施例の特徴が、請求項のほか、明細書及び図面から読み取れ、それらの特徴が個々にあるいは幾つかが組み合わされて本発明の実施形態に実施され、および他の分野で適用されて有利かつそれ自身保護され得る実施形態を具現することができ、それらに対して茲に保護を要請するものである。

図１には吸気管１０が全断面が斜視図で示されている。同図において、基体１は流入側１２と流出側１３の間に主流路１４を有する。前記流入側１２と流出側１３は図示しない空気吸入通路構成部品に連結される。この連結部は、好ましくは円形或は楕円形状でつながり、例えば弾性プラスチックカップリングを介して気密に連結される。連結される前記空気吸入通路構成部品は、例えば絞り弁、清浄空気通路管、吸気管、清浄前空気通路管、あるいは空気フィルタである。

前記主流路１４は壁１５で囲まれている。該壁１５は、前記主流路１４を周囲側１６と共鳴器１７、１８、１８とから隔離する。

これらの共鳴器は２つの1/4波長共鳴器１７、１８と、１つの二重共鳴器１９と、断面では現われていない１つの多重共鳴器２０である。前記二重共鳴器１９は互いに重なる入れ子式の２つのヘルムホルツ共鳴器を形成する。そして、内側共鳴室２１は分割壁２２によって外側共鳴室２３と分離されている。該外側共鳴室２３は前記内側共鳴室２１を全周に亘って囲んでいる。共鳴室２１、２３、２４、２５は全て連通開口２６によって前記主流路１４に連通している。共鳴室２１、２３、２４、２５は、蓋部材２８a、２８b及び側壁３０によって周囲側１６に対して気密に閉じられている。前記側壁３０は、前記蓋部材２８a、２８bの部分および前記基体１１の部分に設けられている。蓋部材２８a、２８bおよび基体１１の間に前記側壁３０を横切る方向に分割面３１が走り、該分割面３１で蓋部材２８a、２８bが基体１１に気密に連結される。この連結は接着あるいは溶接により行なわれるが、ねじあるいは固定金具による連結としてもよい。

ヘルムホルツ共鳴器には共鳴室２１、２３と連通穴２６の間に共鳴室２１、２３の方向に断面積が減少する連通路２７が設けられている。該連通路２７はまた前記側壁３０に隣接し、該側壁をして壁として利用する。

1/4波長共鳴器１７、１８は基本的に円管状、シリンダ状の容積に形成され、該容積は、一部分は前記基体１１の側壁３０で、一部分は前記蓋部材２８bの側壁３０で形成されている。これら基本的にシリンダ状の共鳴室２４、２５は任意の断面形状に形成してもよく、またさらに他の共鳴器と組み合わせて配置されていてもよい。これら1/4波長共鳴器１７、１８は湾曲した、あるいは曲がり角の多い形状で吸気管１０に配置されてもよい。

図２は吸気システム３４に取り付けられた吸気管１０を示す。図１に対応する部分は同じ符号が付してある。吸気管１０には入口側１２には空気フィルタ３５が、出口側１３には清浄空気通路管３６が連結されている。空気フィルタ３５の中空シリンダ状の接続管３８が吸気管１０の入口接続管３９を介して接続されている。出口側１３には清浄空気通路管３６が吸気管１０の出口フランジ４０に嵌め込んである。両連結部は締め部材３７で締め付けられる。基体１１では側壁３０が該基体１１と一体的に形成してある。共鳴器１７、１８が側壁３０と蓋部材２８a、２８bで形成されている。側壁３０と蓋部材２８a、２８bは分割面３１で連結されている。

本発明の実施例は概略を示す図面を参照して説明される。

吸気管の全断面を示す斜視図である。 図１の吸気管が吸気システムに配置された状態を示す図である。

Claims (8)

1. 入口側と出口側の間に形成された１つの主流路と、前記主流路の外周側に設けられて前記主流路と連通する少なくとも１つの共鳴室とを有し、該共鳴室は側壁で囲まれると共に蓋部材で閉じられ、前記共鳴室の側壁と前記主流路を形成する壁とが一体に形成された吸気管であって、前記蓋部材と前記共鳴室の側壁の間の分割面が前記主流路を形成する壁の外側に在ることを特徴とする吸気管。
2. 複数の共鳴室が入れ子式に及び／或は互いに隣り合って設けられ、これらの共鳴室は１つ或は複数の蓋部材で閉じられたことを特徴とする請求項１記載の吸気管。
3. 前記蓋部材には前記共鳴器の側壁に連結される側壁が設けられていることを特徴とする前記請求項のいずれか１項に記載の吸気管。
4. 前記複数の共鳴室は前記主流路の周方向の異なる位置に設けてあることを特徴とする前記請求項のいずれか１項に記載の吸気管。
5. 前記複数の共鳴室は主流方向の互いに異なる位置に設けてあることを特徴とする前記請求項のいずれか１項に記載の吸気管。
6. 前記複数の共鳴室はヘルムホルツ共鳴器及び／或は1/4波長共鳴器に形成されていることを特徴とする前記請求項のいずれか１項に記載の吸気管。
7. 前記分割面は湾曲あるいは段付き状に形成されていることを特徴とする前記請求項のいずれか１項に記載の吸気管。
8. 前記複数の共鳴室は周方向において互いに対向するように配置されていることを特徴とする前記請求項のいずれか１項に記載の吸気管。

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