JP2006045569A - ポリマーポリオール用の安定剤としてのメタクリレート - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリマーポリオールを製造するために使用され得るプレフォームド安定剤を形成するのに有用な、特定の構造に対応するメタクリレートベースのマクロマー、その製造方法およびその用途を提供すること。
【解決手段】 (a)式:
【化1】
Figure 2006045569

〔式中、Rは、H、分枝または直鎖のC1〜8炭化水素基、またはC6〜12アリール基;R”は、H、飽和または不飽和であり得る、分枝または直鎖のC1〜8炭化水素基、またはC6〜12アリール基;およびAは、Cl、Br、F、I、またはOR’基(式中、R’は、HまたはC1〜8アルキル基を示す。)を示す。〕に対応する化合物を、
(b)OH価10〜300および官能価2〜15を有するポリエーテルポリオールと、
必要に応じて、
(c)少なくとも一つの触媒
の存在下、反応させた生成物を含んでなる、エチレン性不飽和マクロマー。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマーポリオールを製造するために使用され得るプレフォームド(preformed)安定剤を形成するのに有用な、特定の構造に対応するメタクリレートベースのマクロマーに関する。さらにまた、本発明は、ポリマーポリオールを安定化するために有用なメタクリレートベースのマクロマーの製造方法、これらのマクロマーを含んでなる新規プレフォームド安定剤、これらの新規マクロマーを含んでなるこれらのプレフォームド安定剤の製造方法、新規プレフォームド安定剤を含んでなるポリマーポリオールの製造方法、これらの新規プレフォームド安定剤を含んでなるポリマーポリオール、エチレン性不飽和マクロマーを含んでなるポリマーポリオールの製造方法、およびこれらの新規エチレン性不飽和マクロマーを含んでなるポリマーポリオールに関する。
充填剤入りポリオール(filled polyol)としても既知であるポリマーポリオールは、ポリオール中に分散した細粒を含んでなる粘着性の液体である。使用される固体の例としては、スチレン-アクリロニトリルコポリマーおよびポリ尿素である。該固体は、典型的には、ベースポリオールにおけるモノマーのインサイチュ重合によって製造される。ポリマーポリオールは、通常、ポリウレタンフォームの製造に使用される。
本明細書において、マクロマーは、一以上の重合可能な二重結合および一以上のヒドロキシル末端ポリエーテルテールを含んでなる分子として定義される。種々のマクロマーが既知であり、以前から、一以上のエチレン性不飽和モノマー(例えば、スチレンおよびアクリロニトリルなど)と共重合させることによってポリマーポリオールを安定化するために使用されていた。化学組成の類似性のため、該ポリエーテルテールは、スチレン-アクリロニトリルコポリマーとの会合よりはむしろ、連続相中のポリオール分子との会合がエネルギー的に有利である。該ポリエーテルテールは、連続相中に広がり、これにより粒子液体界面付近に、粒子間のファン・デル・ワールス引力を遮蔽する「ブラシ」層を形成する。この現象は、立体的安定化として既知である。ファン・デル・ワールス力を効果的に遮蔽するブラシ層を形成するためには、幾つかの条件を満たす必要がある。該ポリエーテルテールは、連続相中に完全に広がり、粒子に吸着されないように、連続相に化学組成が類似する必要がある。また、表面被覆率および分子量は、界面ブラシ層が固体粒子の凝集を避けるために十分な厚さとなるように、十分に高い必要がある。
反応性不飽和をポリオールに導入し、これによりマクロマーを形成するための多くの方法が、当該分野において既知である。米国特許6,013,731(特許文献1)は、ポリオールと不飽和イソシアネート(例えば、イソシアナトエチルメタクリレート(IEM)またはα,α-ジメチルメタイソプロペニルベンジルイソシアネート(すなわち、TMI))との反応、または、より反応性のフマレート結合へのマレアート結合の異性化が引き続いて起こる、ポリオールとマレイン酸または無水マレイン酸との反応を含む、幾つかの技術を教示する。ビニルアルコキシシランとポリオールのエステル交換によって製造されたマクロマーは、欧州特許EP 0,162,589(特許文献2)に開示されている。
用語プレフォームド安定剤は、反応性不飽和を含有するマクロマー(例えば、アクリレート、メタクリレート、マレアートなど)を、モノマー(すなわち、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メチルなど)と、必要に応じて希釈剤または溶媒(すなわち、メタノール、イソプロパノール、トルエン、エチルベンゼン、ポリエーテルポリオールなど)中、反応させて、コポリマー(例えば低固形分(例えば<20%)または溶解性グラフトを有する分散体など)を得ることによって得られる、中間体として定義される。
プレフォームド安定剤(PFS)は、高い固形分にて低い粘度を有するポリマーポリオールを製造するのに特に有用である。プレフォームド安定剤方法において、マクロマーは、モノマーと反応して、マクロマーとモノマーから構成されるコポリマーを形成する。マクロマーとモノマーを含んでなるこれらのコポリマーは、通常、プレフォームド安定剤(PFS)と称される。反応条件は、コポリマー部分が溶液から沈澱して固体を形成するように制御することができる。多くの用途において、低い固形分(例えば、3〜15重量%)を有する分散体が得られる。好適には、反応条件は、粒度が小さく、これにより、該粒子がポリマーポリオール反応において「種」として作用することが可能になるように制御される。
例えば、米国特許5,196,476(特許文献3)は、フリーラジカル重合開始剤と、プレフォームド安定剤が本質的に不溶である液体希釈剤の存在下、マクロマーを一以上のエチレン性不飽和モノマーと重合させることによって製造されたプレフォームド安定剤組成物を開示する。欧州特許EP 0,786,480(特許文献4)は、フリーラジカル開始剤の存在下、5〜40重量%の一以上のエチレン性不飽和モノマーを、誘導された不飽和を含有し得る、少なくとも30重量%(ポリオールの総重量に基づく)のカップルドポリオールを含んでなる液体ポリオールの存在下、重合させることによってプレフォームド安定剤を製造する方法を開示する。これらのプレフォームド安定剤は、安定性であり、かつ、狭い粒度分布を有するポリマーポリオールを製造するために使用され得る。カップルドポリオールは、プレフォームド安定剤において小さい粒度(好適には0.1〜0.7ミクロンの範囲)を達成するために必要である。また、米国特許6,013,731(特許文献1)および5,990,185(特許文献5)は、ポリオール、マクロマー、少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマー、およびフリーラジカル重合開始剤の反応生成物を含んでなるプレフォームド安定剤組成物を開示する。
より小さい材料は、粒子を立体的に安定化するために使用され得ることから、大きい、嵩高い分子は、有効なマクロマーであることが既知である。例えば、欧州特許EP 0,786,480(特許文献4)を参照のこと。一般的にいえば、これは、高分枝ポリマーは、直鎖分子(例えば、モノオールなど)よりも相当に大きい排除体積を有するので、さほど分枝していないポリマーが要求されるという事実に起因する。米国特許5,196,476(特許文献3)は、二以上の官能価、好適には三以上の官能価がマクロマーを製造するのに適当であることを開示する。欧州特許EP 0,162,589(特許文献2)および米国特許5,990,185(特許文献5)は、マクロマー、およびポリマーポリオールを製造するためのその使用を記載する。ここで、該マクロマーは、ビニルアルコキシシランとポリオールとのエステル交換によって製造される。好適なマクロマーは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、またはビニルトリプロポキシシランと、2〜6の範囲の官能価によって特徴付けられるポリエーテルポリオールの群の混合物との反応生成物を含んでなる。このようなマクロマーは、少なくとも3個のポリエーテルテールを有すると期待されるであろう。また、多官能性ポリオールとポリイソシアネートとのカップリングは、既知であり、そしてポリマーポリオールの分野において、マクロマーの分子量を増大させるための適当な手段として記載されている。欧州特許EP 0,786,480(特許文献4)は、プレフォームド安定剤の製造方法を開示する。ここで、液体ポリオールは、少なくとも30%のカップルドポリオールを含んでなる。そこに記載されるように、カップルドポリオールの高濃度が、プレフォームド安定剤(PFS)において、小粒度を有する粒子を得るために有用である。そしてカップルドポリオール中への反応性不飽和の導入は、カップルドポリオールを粒子中に組み込むための有用な手段である。米国特許6,013,731(特許文献1)は、高分子量のポリオールをカップリングさせて、一層高い分子量の生成物を形成させることによって、分散体の安定性は、相当に増強され得ることを開示する。また、低い固有の不飽和(<0.020meq/グラム)を有するポリオールから製造されたマクロマーも、米国特許6,013,731(特許文献1)に記載されている。さらに、該731特許は、このようなポリオールは、低濃度のオキシアルキル化された、アリル性不飽和含有モノオールを有し、したがって、従来のポリオール中に存在する高濃度のモノオールは、ポリオールの平均官能価を低下させることから、有利であることを開示する。
反応性不飽和の多部位を有する、多官能性ポリオールをベースとするマクロマーは、米国特許5,196,476(特許文献3)に記載されている。そこに記載されるように、無水マレイン酸ルートでマクロマーを製造する場合、不飽和の濃度に対する上限が存在する。ポリオール1モル当たりの不飽和のモル比が高すぎる場合、一分子当たり一以上の二重結合を有する種が形成される可能性が高い。典型的には、該476特許は、アルコキシル化ポリオール付加物の各モルに対して、約0.5〜約1.5モル、好適には約0.7〜約1.1モルの反応性不飽和化合物を用いる。
また、「ゼロール」をベースとする、マクロマーの分野における例が存在する。本明細書中に使用されるように、ゼロールは、末端の第一級水酸基を有しないポリエーテルである。Dow Chemicalに対して発行された、反応性不飽和を含有する付加物を用いてポリエーテルモノオールを誘導体化することによるゼロールの製造に関する一連の特許が存在する。米国特許4,394,491(特許文献6)、4,477,603(特許文献7)、4,493,908(特許文献8)、4,500,675(特許文献9)、4,663,475(特許文献10)、4,513,124(特許文献11)、4,588,830(特許文献12)、および4,640,935(特許文献13)を参照のこと。これらの特許は、それらがプレフォームド安定剤を用いずにセミバッチ方法を使用すること、それらが主としてアクリレート/メタクリレート不飽和に焦点を当てていること、そしてモノオールが使用される場合の最終生成物は、遊離水酸基を有しないゼロールであることで類似する。各特許に対して鍵となることは、モノオール誘導体化が実施される方法である。
米国特許5,854,386(特許文献14)は、ヒドロキシル官能性および不飽和官能性の両方を含有するポリマーポリオールのための安定剤を開示する。これらは、少なくとも一つのオキシアルキル化可能な水素を有する不飽和モノマーを、有効量のDMC触媒の存在下、および、必要に応じてフリーラジカル重合阻害剤の存在下、オキシアルキル化することによって製造される。これらの安定剤は、好適には二つの式:R[-(-R-O-)H]またはR-(-X-{-(R-O)-H})〔式中、oは、1と8の間の整数であり;nは、その平均値が、積n・oが10〜500になるような整数であり;Rは、アルキレンまたは置換アルキレンであり;Xは、連結基であり;およびRは、エチレン性またはエチリニック(アセチレン性)不飽和の少なくとも一つの部位を含有し、非反応性基で置換されていてもよく、および必要に応じて点在したヘテロ原子を含有するC2−30炭化水素である〕で示されるものを一以上含有する混合物に対応する。Rは、脂肪族、脂環族、芳香族、アリール脂肪族、ヘテロ芳香族などであり得る(ただし、Rが芳香族またはヘテロ芳香族である場合、芳香環構造は、少なくとも一つのエチレン性またはエチリニック基含有基によって置換されている)。
米国特許4,680,358(特許文献15)は、スチリル官能性頭基を一つの末端に有し、他の末端に末端水酸基を有するポリエーテルのマクロマーを記載する。これらのマクロマーは、共重合可能なモノマー(例えば、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸など)を有する頭基、および他の末端の末端水酸基を通じて重合可能である。このマクロマーの重合は、ポリエーテル分枝を有する飽和の炭化水素骨格を有するポリマクロマー、すなわち、グラフトまたはコームコポリマーを生じさせる。これらのマクロマーは、アルケニルアルコールと共同した環状エーテルのカチオン性開環重合によって形成される。
米国特許6,013,731 欧州特許EP 0,162,589 米国特許5,196,476 欧州特許EP 0,786,480 米国特許5,990,185 米国特許4,394,491 米国特許4,477,603 米国特許4,493,908 米国特許4,500,675 米国特許4,663,475 米国特許4,513,124 米国特許4,588,830 米国特許4,640,935 米国特許5,854,386 米国特許4,680,358
本発明は、ポリマーポリオールを製造するために使用され得るプレフォームド安定剤を形成するのに有用な、特定の構造に対応するメタクリレートベースのマクロマー、該マクロマーの製造方法、該マクロマーを含んでなる新規プレフォームド安定剤、該プレフォームド安定剤の製造方法、該プレフォームド安定剤を含んでなるポリマーポリオールの製造方法、該プレフォームド安定剤を含んでなるポリマーポリオール、エチレン性不飽和マクロマーを含んでなるポリマーポリオールの製造方法、および該エチレン性不飽和マクロマーを含んでなるポリマーポリオールを提供することを目的とする。
本発明は、一以上のエチレン性不飽和二重結合と水酸基で終結した少なくとも一つのポリエーテル鎖を含んでなる新規マクロマー、これらの新規マクロマーの製造、該新規マクロマーを含んでなるポリマーポリオール、およびこれらの新規マクロマーからのこれらのポリマーポリオールの製造を記載する。本発明の新規マクロマーは、一分子当たり少なくとも一つの二重結合と末端ヒドロキシ基を有する少なくとも一つのポリエーテル鎖を有する。本発明の鍵となる利点は、新規α,β-不飽和カルボニル化合物をベースとする種々のマクロマーを使用して、低粘度ポリマーポリオールを製造する能力である。
すなわち、本発明は、エチレン性不飽和マクロマー、これらのエチレン性不飽和マクロマーの製造方法、エチレン性不飽和マクロマーをベースとするプレフォームド安定剤、これらのプレフォームド安定剤の製造方法、これらのプレフォームド安定剤を含んでなるポリマーポリオール(すなわち、安定性分散体)、およびこれらのポリマーポリオール(すなわち、安定性分散体)の製造方法に関する。また、本発明は、エチレン性不飽和マクロマーから製造されたポリマーポリオールおよびこれらのポリマーポリオールの製造方法に関する。
本発明の新規エチレン性不飽和マクロマーの製造方法は、
Figure 2006045569
(1)(a)式:
〔式中、
Rは、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有する分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
R”は、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有し、飽和または不飽和であり得る、分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
Aは、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、またはOR’基(式中、R’は、水素原子または1〜8個の炭素原子を含有するアルキル基を示す。)を示す。〕
に対応する化合物を、
(b)OH価10〜300および官能価2〜15を有するポリエーテルポリオールと、
必要に応じて、
(c)少なくとも一つの触媒
の存在下、反応させることを含む。
また、本発明は、
(a)式:
Figure 2006045569
〔式中、
Rは、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有する分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
R”は、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有し、飽和または不飽和であり得る、分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
Aは、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、またはOR’基(式中、R’は、水素原子または1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を示す。)を示す。〕
に対応する化合物を、
(b)OH価10〜300および官能価2〜15を有するポリエーテルポリオールと、
必要に応じて、
(c)少なくとも一つの触媒
の存在下、反応させた生成物を含んでなる、新規エチレン性不飽和マクロマーに関する。
また、本発明は、
(1)(A)上記エチレン性不飽和マクロマーと、
(B)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
(C)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
および、必要に応じて
(D)液体希釈剤、
および、必要に応じて
(E)連鎖移動剤
の存在下、フリーラジカル重合させることを含む、プレフォームド安定剤の製造方法に関する。
これらのプレフォームド安定剤は、本発明の別の局面である。このプレフォームド安定剤は、
(A)上記エチレン性不飽和マクロマーと、
(B)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
(C)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
および、必要に応じて
(D)液体希釈剤、
および、必要に応じて
(E)連鎖移動剤
の存在下、フリーラジカル重合させた生成物を含んでなる。
さらに、本発明はまた、これらのプレフォームド安定剤を含んでなるポリマーポリオールおよびそれらの製造方法に関する。
このポリマーポリオールの製造方法は、(1)(I)ベースポリオールと、(II)上記プレフォームド安定剤と、(III)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、(IV)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、および、必要に応じて(V)連鎖移動剤
の存在下、フリーラジカル重合させることを含む。
本発明のこれらのポリマーポリオールは、(I)ベースポリオールと、(II)上記プレフォームド安定剤と、(III)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、(IV)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、および、必要に応じて(V)連鎖移動剤の存在下、フリーラジカル重合させた生成物を含んでなる。
また、本発明は、エチレン性不飽和マクロマーを含んでなるポリマーポリオール、およびこれらのポリマーポリオールの製造方法に関する。
これらのポリマーポリオールは、
(I)ベースポリオールと、
(II)上記エチレン性不飽和マクロマーであって、
(a)式:
Figure 2006045569
〔式中、
Rは、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有する分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
R”は、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有し、飽和または不飽和であり得る、分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
および
Aは、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、またはOR’基(式中、R’は、水素原子または1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を示す。)を示す。〕
に対応する化合物を、
(b)OH価10〜300および官能価2〜15を有するポリエーテルポリオールと、
必要に応じて、
(c)少なくとも一つの触媒
の存在下、反応させた生成物を含んでなる、エチレン性不飽和マクロマーと、
(III)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
(IV)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
および、必要に応じて
(V)連鎖移動剤
の存在下、
フリーラジカル重合させた生成物を含んでなる。
これらのポリマーポリオールの製造方法は、(A)(I)ベースポリオールと、(II)上記エチレン性不飽和マクロマーと、(III)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、(IV)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、および、必要に応じて(V)連鎖移動剤の存在下、フリーラジカル重合させることを含む。この方法のための適当なエチレン性不飽和マクロマーは、エチレン性不飽和マクロマーから直接製造されたポリマーポリオールにおいて先に述べたようなものである。
本発明の別の局面は、これらのポリマーポリオールから製造されたフォーム、およびこれらのフォームの製造方法に関する。これらのフォームは、ポリイソシアネートまたはそのプレポリマーと、イソシアネート反応性成分との反応生成物を含んでなる。ここで、上記ポリマーポリオールの少なくとも一つは、該イソシアネート反応性成分の少なくとも部分として使用される。フォームおよび該フォームの製造方法のための適当なポリマーポリオールとしては、本明細書に記載されたような、エチレン性不飽和マクロマーから直接製造されたポリマーポリオール、およびエチレン性不飽和マクロマーに基づくプレフォームド安定剤から製造されたポリマーポリオールが挙げられる。
本発明のエチレン性不飽和マクロマーとしては、
(a)式:
Figure 2006045569
〔式中、
Rは、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有する分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
R”は、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有し、飽和または不飽和であり得る、分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
および
Aは、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子またはOR’基(R’は、水素原子、または1〜8個の炭素原子を含有するアルキル基を示す。)を示す。〕
に対応する化合物を、
(b)OH価約10〜約300および官能価約2〜約15を有する一以上のポリエーテルポリオール
と反応させた生成物を含んでなる化合物が挙げられる。
化合物(a)についての上記式において、
Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、またはブチルを示し、
R”は、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、またはアルキレン基(例えばエテニルまたはプロペニル)を示し、および
Aは、塩素、臭素、ヨウ素、またはOR’基〔式中、R’は、水素、メチル、またはエチルを示す〕を示すことが好適である。
エチレン性不飽和マクロマーにおいて、成分(a)として使用される適当な化合物としては、例えば、塩化アクリロイル、臭化アクリロイル、塩化メタクリロイル、臭化メタクリロイル、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、2,4-ヘキサジエン酸、ソルビン酸メチルなどの化合物が挙げられる。より好適には、アクリレート化合物である。最も好適には、メタクリレートである。
エチレン性不飽和マクロマーにおいて、化合物(a)と反応する成分(b)に適当なポリエーテルポリオールとしては、少なくとも約2、好適には少なくとも約3、より好適には少なくとも約4の官能価を有するものが挙げられる。適当なポリエーテルポリオールの官能価は、約15以下、好適には約10以下、および最も好適には約8以下である。また、適当なポリエーテルポリオールは、これらの上限値および下限値の任意の組合せの間の範囲(上限値および下限値を含む)の官能価を有し得る。適当なポリエーテルポリオールのOH価は、少なくとも約10、好適には少なくとも約15、および最も好適には少なくとも約18である。また、ポリエーテルポリオールは、典型的には、約300以下、好適には約200以下、および最も好適には約100以下のOH価を有する。また、適当なポリエーテルポリオールは、これらの上限値および下限値の任意の組合せの間の範囲(上限値および下限値を含む)のOH価を有し得る。適当なポリエーテルポリオールの(数平均)分子量は、典型的には、約400より大きく、好適には少なくとも約2,000、および最も好適には少なくとも約4,000である。ポリエーテルポリオールは、典型的には、15,000以下、より好適には12,000以下、および最も好適には9,000以下の(数平均)分子量を有する。また、適当なポリエーテルポリオールは、これらの上限値および下限値の任意の組合せの間の範囲(上限値および下限値を含む)の(数平均)分子量を有し得る。
また、これらのポリエーテルポリオールは、約2〜約15、好適には約3〜約10、および最も好適には約4〜約8の範囲の官能価;約10〜300、好適には約15〜約200、および最も好適には約18〜約100の範囲のOH価;および400を超えて約15,000まで、好適には約2,000〜12,000、および最も好適には約4,000〜9,000の範囲の(数平均)分子量を有し得る。
このような化合物の例としては、ポリオキシエチレングリコール、トリオール、テトロールおよびそれらより高い官能価のポリオール、ポリオキシプロピレングリコール、トリオール、テトロールおよびそれらより高い官能価のポリオール、それらの混合物などが挙げられる。混合物として使用される場合、エチレンオキシドおよびプロピレンオキサイドは、ポリエーテルポリオール中のオキシエチレン基および/またはオキシプロピレン基の内部ブロック、末端ブロックまたはランダム分布を与えるために同時にまたは連続的に添加され得る。これらの化合物に適当なスターターまたは開始剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖、エチレンジアミン、トルエンジアミンなどが挙げられる。スターターのアルコキシル化によって、ベースポリオール成分に適当なポリエーテルポリオールが形成され得る。
他の本発明に適当なベースポリオールとしては、非還元糖および糖誘導体のアルキレンオキシド付加物、リン酸(phosphorus acid)およびポリリン酸(polyphosphorus acid)のアルキレンオキシド付加物、ポリフェノールのアルキレンオキシド付加物、天然オイル(例えば、ヒマシ油など)から製造されたポリオール、および上記以外のポリヒドロキシアルカンのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
例示的なポリヒドロキシアルカンのアルキレンオキシド付加物としては、例えば、1,3-ジヒドロキシプロパン、1,3-ジ-ヒドロキシブタン、1,4-ジヒドロキシブタン、1,4-、1,5-および1,6-ジヒドロキシヘキサン、1,2-、1,3-、1,4-、1,6-および1,8-ジヒドロキシオクタン、1,10-ジヒドロキシデカン、グリセロール、1,2,4-トリヒドロキシブタン、1,2,6-トリヒドロキシヘキサン、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、カプロラクタン、ポリカプロラクトン、キシリトール、アラビトール、ソルビトール、マンニトールなどのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
用いられ得る他のポリオールとしては、非還元糖のアルキレンオキシド付加物(ここで、アルコキシドは2〜4個の炭素原子を有する)が挙げられる。非還元糖および糖誘導体としては、ショ糖、アルキルグリコシド(例えば、メチルグリコシド、エチルグリコシドなど)、グリコールグリコシド(例えば、エチレングリコールグリコシド、プロピレングリコールグリコシド、グリセロールグリコシド、1,2,6-ヘキサントリオールグリコシドなど)、ならびに米国特許3,073,788(その開示は、参照によって本明細書中に組み込まれる)に開示されたようなアルキルグリコシドのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
他の適当なポリオールとしては、ポリフェノールおよび好適にはそのアルキレンオキシド付加物(ここで、アルキレンオキシドは、2〜4個の炭素原子を有する)が挙げられる。ポリフェノールのなかでも、適当なものとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールとホルムアルデヒドの縮合生成物、ノボラック樹脂、種々のフェノール性化合物とアクロレインの縮合生成物(1,1,3-トリス(ヒドロキシフェニル)プロパンを含む)、種々のフェノール性化合物とグリオキサールの縮合生成物、グルタルアルデヒド、他のジアルデヒド(1,1,2,2-テトラキス(ヒドロキシフェノール)エタンを含む)などが挙げられる。
また、リン酸およびポリリン酸のアルキレンオキシド付加物も有用なポリオールである。これらは、好適なアルキレンオキシドとして、エチレンオキシド、1,2-エポキシ-プロパン、エポキシブタン、3-クロロ-1,2-エポキシプロパンなどを含む。リン酸(phosphoric acid)、リン酸、ポリリン酸(polyphosphoric acid)(例えば、トリポリリン酸、ポリメタリン酸など)は、本発明における使用に望ましい。
式(a)に対応する化合物とポリエーテルポリオール(b)との間の反応は、一以上の触媒(c)の存在下、行い得る。事実上、エステル化および/またはエステル交換反応に適当であることが知られている任意の触媒が、本発明における成分(c)として使用され得る。本発明に適当な触媒(c)の例としては、例えば、酢酸、リン酸(phosphoric acid)、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、テトラブチルチタネート、テトラエチルチタネート、酢酸カリウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、およびN,N-ジメチルアニリンなどの化合物が挙げられる。
エチレン性不飽和マクロマーの製造方法において、式(a)に対応する化合物は、典型的には、約25℃〜約250℃の温度にて、約1時間〜約10時間の間、必要に応じて触媒の存在下、ポリエーテルポリオール(b)と反応する。この反応は、約60℃〜約200℃の温度にて、約2時間〜約7時間の間であることが好適である。
プレフォームド安定剤の製造方法によれば、エチレン性不飽和マクロマーは、少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、および必要に応じて液体希釈剤、ならびに必要に応じて連鎖移動剤の存在下、少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーとフリーラジカル重合させる。
プレフォームド安定剤およびプレフォームド安定剤の製造方法において、上記エチレン性不飽和マクロマーが使用され得る。本発明のこの局面のためのエチレン性不飽和マクロマーは、
(a)式:
Figure 2006045569
〔式中、R、R”およびAは、上記と同義である。〕
に対応する化合物を、
(b)OH価10〜300および官能価2〜15を有するポリエーテルポリオールと、
必要に応じて、
(c)少なくとも一つの触媒
の存在下、反応させた生成物を含んでなる。
本発明のプレフォームド安定剤およびこれらの製造方法に関して、(a)上記エチレン性不飽和マクロマーを製造するために使用される上記式に対応する化合物において、
Rは、水素、メチルまたはエチルを示し、
R’’は、水素、メチル、エチルまたはフェニルを示し、
および
Aは、クロリド、ヒドロキシル、メトキシまたはエトキシを示す
ことが好適である。
さらに、(a)上記式に対応する化合物において、
Rは、水素またはメチルを示し、
R’’は、水素またはフェニルを示し、
および
Aは、ヒドロキシルまたはメトキシを示す
ことが特に好適である。
本発明のプレフォームド安定剤に適当なエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、脂肪族共役ジエン(例えば、ブタジエンおよびイソプレン);モノビニリデン芳香族モノマー(例えば、スチレン、α-メチルスチレン、(t-ブチル)スチレン、クロロスチレン、シアノスチレンおよびブロモスチレン);α,β-エチレン性不飽和カルボン酸およびそのエステル(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、ブチルアクチレート、イタコン酸、無水マレイン酸など);α,β-エチレン性不飽和ニトリルおよびアミド(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-(ジメチルアミノメチル)アクリルアミドなど);ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル);ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルハライドおよびビニリデンハライド、ならびに上記付加物モノマーまたは反応性モノマーと共重合可能である広範な他のエチレン性不飽和材料が挙げられる。また、二以上の上記モノマーの混合物は、プレフォームド安定剤の製造に適当に用いられることが理解される。上記モノマーのなかでも、モノビニリデン芳香族モノマー(特にスチレン)、およびエチレン性不飽和ニトリル(特にアクリロニトリル)が好適である。
モノマーの混合物を使用する場合、二つのモノマーの混合物を使用することが好適である。これらのモノマーは、典型的には、80:20(スチレン:アクリロニトリル)ないし40:60(S:AN)の重量比、および好適には75:25(S:AN)ないし50:50(S:AN)の重量比で使用される。
本発明のこの局面に適当なフリーラジカル重合開始剤としては、例えば、アルキルおよびアリールヒドロペルオキシドの両方を含むペルオキシド、ペルサルフェート、ペルボレート、ペルカーボネート、アゾ化合物などが挙げられる。幾つかの特定の例としては、過酸化水素、ジ(t-ブチル)ペルオキシド、t-ブチルペルオキシジエチルアセテート、t-ブチルペルオクトエート、t-ブチルペルオキシイソブチレート、t-ブチルペルオキシ3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルペルベンゾエート、t-ブチルペルオキシピバレート、t-アミルペルオキシピバレート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、ラウロイルペルオキシド、キュメンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)などの触媒が挙げられる。
適当な触媒濃度は、成分の総重量(すなわち、マクロマー、エチレン性不飽和モノマー、フリーラジカル重合開始剤および必要に応じて液体希釈剤および/または連鎖移動剤の総重量100重量%)に基づいて、約0.01重量%〜約2重量%、好適には約0.05重量%〜1重量%、および最も好適には0.05重量%〜0.3重量%の範囲にある。
本発明のプレフォームド安定剤に適当な希釈剤としては、例えば、モノオール(すなわち、モノヒドロキシアルコール)、ポリオール、炭化水素、エーテルなどの化合物、およびそれらの混合物などが挙げられる。適当なモノオールとしては、少なくとも一つの炭素原子を含有する全てのアルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec.-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノールなど、およびそれらの混合物が挙げられる。好適なモノオールは、イソプロパノールである。
適当なポリオールは、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、トリオールおよびより高い官能価のポリオールを包含する。このようなポリオールとしては、ポリ(オキシプロピレン-オキシエチレン)ポリオールが挙げられる;しかしながら、望ましくは、オキシエチレン含量は、総量の約50%未満、好適には約20%未満を構成すべきである。エチレンオキシドは、ポリマー鎖に沿って任意の様式で組み込まれ得る。別の言い方をすれば、エチレンオキシドは、末端ブロックとして内部ブロックに組み込まれ得るか、またはポリマー鎖に沿ってランダムに分布され得る。ポリオールは、種々の量の非誘導化不飽和を含有することが当該分野で周知である。本発明の好適なポリオールは、DMC触媒反応を使用して製造されたものである。これらのポリオールは、低い、典型的には、ASTM D2849-69を使用して測定される0.02meq/g未満の不飽和を有する。不飽和の程度は、本発明のポリマーポリオールの形成に、いかなる悪影響も及ぼさない。
本発明の目的のためには、有用なポリオールは、約400以上の数平均分子量を有するべきである。本明細書で使用される数平均は、理論的な、ヒドロキシル価に由来する値である。真の数平均分子量は、真の分子官能価が出発または理論的な官能価よりどの程度小さいかに依存して、幾分小さいものであり得る。
用いられるポリオールは、広範囲に変化するヒドロキシル価を有し得る。一般に、本発明に用いられるポリオールのヒドロキシル価は、約20以下から約280以上の範囲であり得る。ヒドロキシル価は、ポリオール1グラムから製造された完全フタレート化誘導体を完全に加水分解するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数として定義される。また、ヒドロキシル価は、方程式:
Figure 2006045569
〔式中、
OH=ポリオールのヒドロキシル価;
f=官能価、すなわち、ポリオール一分子当たりの水酸基の平均数;および
m.w.=ポリオールの分子量〕
によって定義され得る。
用いられる的確なポリオールは、生成されるポリウレタン生成物の最終用途に依存する。ヒドロキシル価の分子量は、ポリオールから製造されたポリマーポリオールがポリウレタンに変換される場合、柔軟性または幾分柔軟性のフォームまたはエラストマーを生じさせるように適当に選択される。ポリオールは、好適には、幾分柔軟性のフォームについて約50〜約150のヒドロキシル価を、そして柔軟性フォームについて約30〜約70のヒドロキシル価を有する。このような制限は、限定する意図ではなく、上記ポリオール共反応物質の多数の可能性のある組合せの単なる例示に過ぎない。
また、好適ではないが、既知のポリオールの任意の他のタイプも使用され得る。該ポリオールのなかでも、用いられ得るものは、ポリウレタン化学の分野で当業者に既知の、以下の組成物のクラスからの一以上のポリオールである:(a)非還元糖および糖誘導体のアルキレンオキシド付加物;(b)リン酸およびポリリン酸のアルキレンオキシド付加物;(c)ポリフェノールのアルキレンオキシド付加物;(d)天然オイル(例えば、ヒマシ油など)からのポリオール;(e)上記以外のポリヒドロキシアルカンのアルキレンオキシド付加物。
例示的なポリヒドロアルカンのアルキレンオキシドとしては、とりわけ、1,3-ジヒドロキシプロパン、1,3-ジヒドロキシ-ブタン、1,4-ジヒドロキシブタン、1,4-、1,5-および1,6-ジヒドロキシヘキサン、1,2-、1,3-、1,4-、1,6-および1,8-ジヒドロキシオクタン、1,10-ジヒドロキシデカン、グリセロール、1,2,4-トリヒドロキシブタン、1,2,6-トリヒドロキシヘキサン、1,1,1-トリメチロール-プロパン、ペンタエリスリトール、カプロラクトン、ポリカプロラクトン、キシリトール、アラビトール、ソルビトール、マンニトールなどのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
用いられ得るポリオールの別のクラスは、非還元糖のアルキレンオキシド付加物(ここで、アルキレンオキシドは、2〜4個の炭素原子を有する)である。非還元糖および糖誘導体のなかでも、意図されるものは、ショ糖、アルキルグリコシド(例えば、メチルグリコシド、エチルグリコシドなど)、グリコールグリコシド(例えば、エチレングリコールグリコシド、プロピレングリコールグリコシド、グリセロールグリコシド、1,2,6-ヘキサントリオールグリコシドなど)、ならびに、米国特許3,073,788(その開示は、参照によって本明細書中に組み込まれる)に記載されるようなアルキルグリコシドのアルキレンオキシド付加物である。
さらにまた、フェノールの有用なクラスは、ポリフェノール、好適にはそのアルキレンオキシド付加物(ここで、アルキレンオキシド付加物は、2〜4個の炭素原子を有する)である。ポリフェノールのなかでも、意図されるものは、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールとホルムアルデヒドの縮合生成物、ノボラック樹脂、種々のフェノール性化合物とアクロレインの縮合生成物(このうち最も簡単なものは、1,1,3-トリス(ヒドロキシフェニル)プロパンである)、種々のフェノール性化合物とグリオキサールの縮合生成物、グルタルアルデヒド、および他のジアルデヒド(このうち最も簡単なものは、1,1,2,2-テトラキス(ヒドロキシフェノール)エタン)などである。
リン酸およびポリリン酸のアルキレンオキシド付加物は、別の有用なポリオールのクラスである。エチレンオキシド、1,2-エポキシプロパン、エポキシブタン、3-クロロ-1,2-エポキシプロパンなどは、好適なアルキレンオキシドである。リン酸(phosphoric acid)、リン酸、ポリリン酸(polyphosphoric acid)(例えば、トリポリリン酸、ポリメタリン酸など)は、これに関する使用に望ましい。
本発明において希釈剤として使用される好適なポリオール成分としては、典型的には、例えば、4個以上の水酸基を有する適当なスターター材料(例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビトールのジエーテル、マンニトール、マンニトールのジエーテル、アラビトール、アラビトールのジエーテル、ショ糖、ポリビニルアルコールまたはグリシドールのオリゴマー)のアルキレンオキシド付加物、それらの混合物などが挙げられる。
モノオールおよびポリオールの混合物をプレフォームド安定剤の希釈剤として使用する場合、ポリオールは、好適には希釈剤の少ない方の量のみを構成し、モノオールは、多い方の量を構成する。一般に、ポリオールは、希釈剤の30重量%未満、好適には約20重量%未満、および最も好適には約15重量%未満を構成する。希釈剤中に存在するポリオール成分の量は、プレフォームド安定剤中にゲル化が起こる濃度未満である。
一般に、希釈剤の量は、PFS(プレフォームド安定剤)の100重量%に基づいて、>40重量%である。
また、連鎖移動剤は、本発明のプレフォームド安定剤中におよびプレフォームド安定剤の製造方法において存在し得る。本発明のこの局面に適当な連鎖移動剤としては、例えば、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシル-メルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、塩化メチレンが挙げられる。また、連鎖移動剤は、一般に、分子量調整剤と称される。これらの化合物は、共重合体の分子量を制御するために通例の量で用いられる。
プレフォームド安定剤の製造に適当な方法は、例えば、米国特許4,148,840、4,242,249、4,954,561、4,745,153、5,494,957、5,990,185、6,455,603、4,327,005、4,334,049、4,997,857、5,196,476、5,268,418、5,854,386、5,990,232、6,013,731、5,554,662、5,594,066、5,814,699および5,854,358(それらの開示は、参照によって本明細書中に組み込まれる)中に記載された既知の方法に類似する。一般に、プレフォームド安定剤の製造方法は、ポリマーポリオールの製造方法に類似する。温度範囲は、重要でなく、約80℃〜約150℃以上、好適には約115℃〜約125℃程度に変更し得る。触媒および温度は、触媒が連続流通反応器についての反応器中のホールドアップ時間または半バッチ反応器についてのフィード時間に関して合理的な分解速度を有するように選択されるべきである。
この方法に用いられる混合条件は、背面混合反応器(例えば、攪拌フラスコまたは攪拌オートクレーブ)を使用することで得られる。このタイプの反応器は、反応混合物を比較的均質に保持し、そして、モノマーの全てが反応開始時に添加される管型反応器において起こるような局在化された高いマクロマー対モノマー比を防止する。
好適な実施態様において、本発明のプレフォームド安定剤は、希釈剤中の分散体および任意の未反応モノマーを含んでなる。ここで、プレフォームド安定剤は、おそらく、個々の分子として、またはミセル状態の分子群として、あるいは小ポリマー粒子の表面上に、存在する。
プレフォームド安定剤の製造について選択される条件の組合せは、ポリマーポリオール組成物の製造において決定的な能力に悪影響を及ぼし得る、プレフォームド安定剤における架橋またはゲル形成を導くべきではない。余りに低い希釈剤濃度、余りに高い前駆体および/またはモノマー濃度、余りに高い触媒濃度、余りに長い反応時間、および余りに多い前駆体中の不飽和の組合せは、架橋またはゲル化から、有効でないプレフォームド安定剤を生じ得る。
本発明のプレフォームド安定剤の特に好適な製造方法としては、例えば、米国特許5,196,476および米国特許6,013,731(その開示は、参照によって本明細書中に組み込まれる)に記載されるようなものが挙げられる。好適な希釈剤および相対濃度、エチレン性不飽和モノマーおよび相対濃度、フリーラジカル開始剤および相対濃度、ならびにプロセス条件は、米国特許5,196,476および米国特許6,013,731(その開示は、参照によって本明細書中に組み込まれる)中に開示されている。明らかに、本発明に適当なエチレン性不飽和マクロマーは、これらの参考文献に記載されたマクロマーとは異なり、したがって、構造的に異なるプレフォームド安定剤を生じさせる。
本発明のポリマーポリオール(すなわち、安定性分散体)は、ベースポリオールと、上記プレフォームド安定剤と、一以上のエチレン性不飽和モノマーを、少なくとも一つのフリーラジカル開始剤および必要に応じて連鎖移動剤の存在下、フリーラジカル重合させた生成物を含んでなり、そして、ポリマーポリオール(すなわち、安定性分散体)の製造方法は、これらの成分をフリーラジカル重合させることを含んでなる。得られたポリマーポリオールは、得られたポリマーポリオールの総重量に基づいて、高い固形分(すなわち、30〜60重量%)を示す。ポリマーポリオールの固形分は、40〜50重量%の範囲であることが好適である。また、これらのポリマーポリオールは、低粘度(すなわち、2000〜10,000cSt、好適には4,000〜6,000cSt);良好なろ過性;を示し、好適には白色である。
本発明のこの局面に適当なベースポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオールなどのベースポリオールが挙げられる。適当なポリエーテルポリオールとしては、好適には少なくとも約2、より好適には少なくとも約3の官能価を有するものが挙げられる。適当なポリエーテルポリオールの官能価は、約8以下、好適には約6以下、および最も好適には約5以下である。また、適当なポリエーテルポリオールは、これらの上限値および下限値の任意の組合せの間の範囲(上限値および下限値を含む)の官能価を有し得る。適当なポリエーテルポリオールのOH価は、少なくとも約10、好適には少なくとも約15、および最も好適には少なくとも約20である。また、ポリエーテルポリオールは、典型的には、約180以下、好適には約100以下、および最も好適には約70以下のOH価を有する。また、適当なポリエーテルポリオールは、これらの上限値および下限値の任意の組合せの間の範囲(上限値および下限値を含む)のOH価を有し得る。適当なポリエーテルポリオールの(数平均)分子量は、典型的には、約600より大きく、好適には少なくとも約2,000および最も好適には少なくとも約3,000である。ポリエーテルポリオールは、典型的には、15,000以下、より好適には12,000以下および最も好適には8,000以下の(数平均)分子量を有する。また、適当なポリエーテルポリオールは、これらの上限値および下限値の任意の組合せの間の範囲(上限値および下限値を含む)の(数平均)分子量を有し得る。
また、これらのポリエーテルポリオールは、約2〜約8、好適には約2〜約6、および最も好適には約3〜約5の範囲の官能価;約10〜180、好適には約15〜約100、および最も好適には約20〜約70の範囲のOH価;および600より大きく約15,000まで、好適には約2,000〜12,000および最も好適には約3,000〜8,000の範囲の(数平均)分子量を有し得る。
このような化合物の例としては、ポリオキシエチレングリコール、トリオール、テトロールおよびより高い官能価のポリオール、ポリオキシプロピレングリコール、トリオール、テトロールおよびより高い官能価のポリオール、それらの混合物などが挙げられる。混合物として使用される場合、エチレンオキシドおよびプロピレンオキサイドは、ポリエーテルポリオール中のオキシエチレン基および/またはオキシプロピレン基の内部ブロック、末端ブロックまたはランダム分布を与えるために同時にまたは連続的に添加され得る。これらの化合物に適当なスターターまたは開始剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖、エチレンジアミン、トルエンジアミンなどが挙げられる。スターターのアルコキシル化によって、ベースポリオール成分に適当なポリエーテルポリオールが形成され得る。
他の本発明に適当なベースポリオールとしては、非還元糖および糖誘導体のアルキレンオキシド付加物、リン酸およびポリリン酸のアルキレンオキシド付加物、ポリフェノールのアルキレンオキシド付加物、天然オイル(例えば、ヒマシ油など)から製造されたポリオール、および上記以外のポリヒドロキシアルカンのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
例示的なポリヒドロキシアルカンのアルキレンオキシド付加物としては、例えば、1,3-ジヒドロキシプロパン、1,3-ジ-ヒドロキシブタン、1,4-ジヒドロキシブタン、1,4-、1,5-および1,6-ジヒドロキシヘキサン、1,2-、1,3-、1,4-、1,6-および1,8-ジヒドロキシオクタン、1,10-ジヒドロキシデカン、グリセロール、1,2,4-トリヒドロキシブタン、1,2,6-トリヒドロキシヘキサン、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、カプロラクタン、ポリカプロラクトン、キシリトール、アラビトール、ソルビトール、マンニトールなどのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
用いられ得る他のポリオールとしては、非還元糖のアルキレンオキシド付加物(ここで、アルコキシドは2〜4個の炭素原子を有する)が挙げられる。非還元糖および糖誘導体としては、ショ糖、アルキルグリコシド(例えば、メチルグリコシド、エチルグリコシドなど)、グリコールグリコシド(例えば、エチレングリコールグリコシド、プロピレングリコールグリコシド、グリセロールグリコシド、1,2,6-ヘキサントリオールグリコシドなど)、ならびに米国特許3,073,788(その開示は、参照によって本明細書中に組み込まれる)に開示されたようなアルキルグリコシドのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
他の適当なポリオールとしては、ポリフェノールおよび好適にはそのアルキレンオキシド付加物(ここで、アルキレンオキシドは、2〜4個の炭素原子を有する)が挙げられる。ポリフェノールのなかでも、適当なものとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールとホルムアルデヒドの縮合生成物、ノボラック樹脂、種々のフェノール性化合物とアクロレインの縮合生成物(1,1,3-トリス(ヒドロキシフェニル)プロパンを含む)、種々のフェノール性化合物とグリオキサールの縮合生成物、グルタルアルデヒド、他のジアルデヒド(1,1,2,2-テトラキス(ヒドロキシフェノール)エタンを含む)などが挙げられる。
また、リン酸およびポリリン酸のアルキレンオキシド付加物も有用なポリオールである。これらは、好適なアルキレンオキシドとして、エチレンオキシド、1,2-エポキシ-プロパン、エポキシブタン、3-クロロ-1,2-エポキシプロパンなどを含む。リン酸(phosphoric acid)、リン酸、ポリリン酸(polyphosphoric acid)(例えば、トリポリリン酸、ポリメタリン酸など)は、本発明における使用に望ましい。
本発明のこの局面に適当なプレフォームド安定剤としては、上記したものが挙げられる。
本発明のポリマーポリオールおよびこれらの製造方法に適当なエチレン性不飽和モノマーとしては、プレフォームド安定剤の製造に関して上記したエチレン性不飽和モノマーが挙げられる。他の適当なモノマーとしては、例えば、脂肪族共役ジエン(例えば、ブタジエンおよびイソプレン);モノビニリデン芳香族モノマー(例えば、スチレン、α-メチルスチレン、(t-ブチル)スチレン、クロロスチレン、シアノスチレンおよびブロモスチレン);α,β-エチレン性不飽和カルボン酸およびそのエステル(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、ブチルアクチレート、イタコン酸、無水マレイン酸など);α,β-エチレン性不飽和ニトリルおよびアミド(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-(ジメチルアミノメチル)アクリルアミドなど);ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル);ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルハライドおよびビニリデンハライド、ならびに上記付加物モノマーまたは反応性モノマーと共重合可能である広範な他のエチレン性不飽和材料が挙げられる。また、二以上の上記モノマーの混合物は、プレフォームド安定剤の製造において適当に用いられることが理解される。上記モノマーのなかでも、モノビニリデン芳香族モノマー(特にスチレン)、およびエチレン性不飽和ニトリル(特にアクリロニトリル)が好適である。本発明のこの局面によれば、これらのエチレン性不飽和モノマーは、スチレンおよびその誘導体、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ビニリデンクロリドを含むことが好適であり、そしてスチレンおよびアクリロニトリルが特に好適なモノマーである。
スチレンおよびアクリロニトリルは、重量比スチレン:アクリロニトリル(S:AN)が約80:20ないし30:70、より好適には約75:25ないし50:50になり得るのに十分な量で使用されることが好適である。これらの比は、それらが本発明のエチレン性不飽和マクロマーまたはプレフォームド安定剤を含んでなるかどうかに関わらず、ポリマーポリオールおよびそれらの製造方法に適当である。
概して、プレフォームド安定剤を含んでなるポリマーポリオール中に存在するエチレン性不飽和モノマーの量は、ポリマーポリオール100重量%に基づいて少なくとも約30重量%である。固形分は、約35重量%〜約70重量%、より好適には約35重量%から60重量%未満、および最も好適には約40重量%〜約50重量%であることが好適である。
概して、本発明のエチレン性不飽和マクロマーを含んでなるポリマーポリオール中に存在するエチレン性不飽和モノマーの量は、ポリマーポリオール100重量%に基づいて少なくとも約20重量%である。固形分は、約20重量%〜約45重量%であることが好適である。
適当なフリーラジカル開始剤としては、プレフォームド安定剤の製造について上記したものが挙げられる。有用な開始剤のなかでも、安定剤の形成に使用される温度範囲内で満足できる半減期(すなわち、半減期は、所定の時間での反応器における滞留時間の約25%未満であるべきである)を有する触媒が挙げられる。本発明のこの部分の好適な開始剤としては、アシルペルオキシド(例えば、ジデカノイルペルオキシドおよびジラウロイルペルオキシド)、アルキルペルオキシド(例えば、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルピバレート、t-アミルペルオクトエート、2,5-ジメチル-ヘキサン-2,5-ジ-ペル-2-エチルヘキソエート、t-ブチルペルネオデカノエート、t-ブチルペルベンゾエートおよび1,1-ジメチル-3-ヒドロキシブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、およびアゾ触媒(例えば、アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス-(2-メトキシルブチロニトリル)、およびそれらの混合物が挙げられる。最も好適なものは、上記アシルペルオキシドおよびアゾ触媒である。特に好適な開始剤は、アゾビス(イソブチロニトリル)を含んでなる。
本発明に使用される開始剤の量は、重大でなく、広範囲に変更し得る。一般に、開始剤の量は、最終ポリマーポリオールの100重量%に基づいて、約0.01重量%〜2重量%の範囲である。触媒濃度の増大は、特定の時点までモノマー変換の増大をもたらすが、これを過ぎると、さらなる増大は、実質的な変換の増大をもたらさない。選択される特定の触媒濃度は、通常、コストを含む全ての要因を考慮した最適値である。
本発明に適当な連鎖移動剤としては、例えば、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、塩化メチレンが挙げられる。また、連鎖移動剤は、一般に、分子量調整剤と称される。これらの化合物は、共重合体の分子量を制御するために通例の量で用いられる。
本発明のプレフォームド安定剤を含んでなるポリマーポリオールは、例えば、米国特許4,148,840、4,242,249、4,954,561、4,745,153、5,494,957、5,990,185、6,455,603、4,327,005、4,334,049、 4,997,857、5,196,476、5,268,418、5,854,386、5,990,232、6,013,731、5,554,662、5,594,066、5,814,699 and 5,854,358(それらの開示は、参照によって本明細書中に組み込まれる)中に開示されるような方法を利用して製造される。そこに記載されるように、該方法の間の反応混合物を通じて低いポリオール対モノマー比が維持される。ポリマーへのモノマーの迅速な変換を与える条件を用いることによって、これは達成される。実際には、半バッチおよび連続操作の場合、温度および混合条件の制御によって、また、半バッチ操作の場合、ポリオールにモノマーをゆっくりと添加することによって、低いポリオール対モノマー比が維持される。
(I)ベースポリオールと、(II)エチレン性不飽和マクロマーと、(III)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、(IV)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤および(V)連鎖移動剤の存在下、フリーラジカル重合させた生成物を含んでなる本発明のポリマーポリオールの種々の成分としては、本発明のプレフォームド安定剤を含んでなるポリマーポリオールに関して上記した成分が挙げられる。もちろん、これらのポリマーポリオールは、プレフォームド安定剤中に、およびプレフォームド安定剤の製造方法において、反応物質として上記エチレン性不飽和マクロマーを使用して、プレフォームド安定剤の代わりにポリマーポリオールを形成する。残りの成分、それらの相対量および/または比は、他に言及しない限り、上記と同様である。
プレフォームド安定剤について上記されたものに対応する一以上のエチレン性不飽和マクロマーを含んでなるこれらのポリマーポリオールは、例えば、米国特許3,875,258、3,931,092、3,950,317、3,953,393、4,014,846、4,093,573、4,372,005、4,334,049、4,454,255、4,458,038、4,689,354、4,690,956、Re 29,014、4,305,861、5,093,412、5,254,667、6,172,164およびRe 33,291、ならびに米国特許4,524,157、4,539,340、Re 28,715およびRe 29,118(それらの開示の全ては、参照によって本明細書中に組み込まれる)中に開示された方法を利用することによって製造される。
エチレン性不飽和マクロマーを含んでなるポリマーポリオールの特に好適な実施態様において、本明細書および特許請求の範囲に記載されたエチレン性不飽和マクロマーが、ポリマーポリオールおよびこれらの製造方法のためのエチレン性不飽和マクロマーとして使用されることが好適である。
温度範囲は、重大でなく、約100℃〜約140℃あるいはそれ以上にも変化し得る。好適な範囲は、115〜125℃である。ここで留意されるように、触媒および温度は、触媒が、連続流通反応器についての反応器中のホールドアップ時間または半バッチ反応器についてのフィード時間に関して、合理的な分解速度を有するように、選択されるべきである。
この方法に用いられる混合条件は、背面混合反応器(例えば、攪拌フラスコまたは攪拌オートクレーブ)を使用することで得られる。このタイプの反応器は、反応混合物を比較的均質に保持し、そして、特定の管型反応器において、例えば、「マクロ」反応器の第一段階において、このような反応器が第一段階に添加された全てのモノマーを用いて操作される場合に、起こるような局在化された高いポリオール対モノマー比を防止する。
米国特許5,196,476および6,013,731に記載されるような方法の利用は、これらが、そうでなければ必要とされる安定性をもって製造され得ない、広範なモノマー組成物、ポリマー含量およびポリマーポリオールを有するポリマーポリオールの製造を可能することから、本発明のこの局面に好適である。しかしながら、米国特許5,916,476および6,013,731に開示された方法を利用するかどうかは、本質的に、プロセスパラメーターが、満足できるポリマーポリオールがこれらの方法のいずれも使用せずに製造され得るようなものであるかどうかに依存する。
本発明のポリマーポリオールは、分散体を含んでなる。ここで、ポリマー粒子(これは個々の粒子または個々の粒子の凝集体のいずれかである)は、比較的小さい大きさであり、好適な実施態様においては、実質的に全てが約1ミクロン未満から3ミクロンである。しかしながら、高いスチレン含量が使用される場合、粒子は、大きくなる傾向がある;しかしながら、得られるポリマーポリオールは、特に最終用途ができるだけスコーチが少ないことを要求する場合、より高度に有用である。好適な実施態様において、実質的に全ての生成物(すなわち、約99%以上)が、実施例と併せて記載するろ過障害(ろ過性)試験に用いられるフィルターを通過し得る。これは、任意の有意な量の比較的大きい粒子を許容できないフィルターの使用を必要とする衝撃タイプの攪拌を用いるものを含む、現在ポリウレタン生成物の大量製造に使用される比較的精巧な機械系全てのタイプにおいて、ポリマーポリオール生成物が首尾良く加工され得ることを保証する。余り厳格でない用途は、生成物の約50%がフィルターを通過する場合、満足される。また、幾つかの用途は、約20%のみ、またはそれ以下しかフィルターを通過しない、有用な生成物を見出し得る。したがって、本発明のポリマーポリオールは、望ましくは、20%のみがフィルターを通過する、好適には少なくとも50%がフィルターを通過する、および最も好適には実質的に全てがフィルターを通過する生成物が意図される。
ろ過障害試験は、ポリマーポリオールの安定性の厳格な試験を提供する。したがって、満足できるろ過障害特性は、確かに好適とされるべきであるが、種々の用途のための市販の安定性ポリマーポリオールは、それらの粘度および遠心分離可能な固体レベル(この試験も実施例と併せて記載する)によって十分に定義され得る。したがって、ポリマーポリオールは、粘度が25℃で約6,000cSt以下および遠心分離可能な固体が約10%未満(好適には5%未満)である限り、安定性と考えられる。
本発明によれば、安定剤は、満足できる安定化が、所望のろ過障害、遠心分離可能な固体レベルおよび粘度をもたらすことを保証するのに十分な量で存在する。これに関して、プレフォームド安定剤の量は、一般に、総フィードに基づいて、約1重量%〜約20重量%(好適には約1重量%〜約10重量%)の範囲にある。当業者が知るおよび理解するように、種々の要因(例えば、フリーラジカル開始剤、固形分、重量比S:AN、プロセス条件などを含む)は、プレフォームド安定剤の最適量に影響を及ぼす。
また、ポリマーポリオールを含んでなるポリウレタン(好適にはポリウレタンフォーム)およびそれらの製造方法は、本発明の一部である。これらのポリウレタンに適当なポリマーポリオールは、エチレン性不飽和マクロマーから直接製造されたものか、またはエチレン性不飽和マクロマーに基づくプレフォームド安定剤から製造されたもののいずれかであり得る。これらのポリウレタンは、ポリイソシアネート成分またはそのプレポリマーと、本発明のポリマーポリオールを含んでなるイソシアネート反応性成分との反応生成物を含んでなる。これらのポリウレタンの製造方法は、ポリイソシアネート成分またはそのプレポリマーと、本発明のポリマーポリオールを含んでなるイソシアネート反応性成分を反応させることを含む。
ポリエーテルポリマーポリオールの製造における安定剤としての使用に加えて、本発明の反応性不飽和含有安定剤は、他の生成物のため(例えば、制限されないが、衝撃改質剤のため)にも使用され得る。例えば、プレフォームドビニルポリマー衝撃改質剤は、反応性不飽和含有安定剤と、一以上の重合可能なビニルモノマー(例えば、上記で議論したもの)と、複数の不飽和モノマー(例えば、ブタジエンなど)を反応させることによって、製造され得る。重合は、適当な溶媒中の溶液中で、または水系中の通常のまたは逆のエマルジョン中で良い影響を受け得る。また、反応性不飽和含有安定剤は、モノマー(例えば、アクリル酸)と共重合させることによって、セメント添加剤のための安定剤として使用され得る。また、安定剤は、放射硬化塗料中の反応物質として役立ち得る。
本明細書中で使用されるように、句「ポリオールフィード」は、ポリマーポリオール中に存在する、またはポリマーポリオールの製造方法において存在するベースポリオールフィードの量を意味する。
本明細書中で使用されるように、句「総フィード」は、種々の生成物(すなわち、プレフォームド安定剤、ポリマーポリオールなど)の各々の中に存在する、および/または種々の生成物の各々の製造方法において存在する成分の全量の合計を意味する。
本明細書中で使用されるように、他に特に表さない限り、本明細書の以下の部分における全ての数値域、量、値およびパーセンテージ(例えば、材料の量についてのもの、反応の時間および温度、量比、分子量の値、およびその他のもの)は、用語「約」が値、量または範囲と共に明確に表されていない場合でも、あたかも用語「約」が前に置かれているように読み取られ得る。
以下の実施例は、本発明の化合物の製造および使用について詳細を例示する。上記の開示のように記載された本発明は、これらの実施例によって精神または範囲のいずれも制限されない。当業者は、以下の製造手順の条件および方法の既知の変形が使用されて、これらの化合物が製造され得ることを容易に理解する。他に示さない限り、全ての温度は、摂氏であり、全ての部およびパーセンテージは、それぞれ重量部および重量パーセンテージである。
以下の成分を実施例に使用した。
(ポリオールA)
プロピレンオキサイドとエチレンオキシドを、水酸化カリウム触媒の存在下、反応させ、そして精製して触媒を除去することによって製造された、グリセリン出発ポリエーテルポリオール。得られたポリオールは、ヒドロキシル価約52、数平均分子量約3235および官能価約3を有する。
(ポリオールB)
プロピレンオキサイドとエチレンオキシドを、水酸化カリウム触媒の存在下、反応させ、そして精製して触媒を除去することによって製造された、ソルビトール出発ポリエーテルポリオール。得られたポリオールは、ヒドロキシル価約28、数平均分子量約12,020および官能価約6を有する。
(ポリオールC)
プロピレンオキサイドとエチレンオキシドを、水酸化カリウム触媒の存在下、反応させ、そして精製して触媒を除去することによって製造された、トリメチロールプロパン出発ポリエーテルポリオール。得られたポリオールは、ヒドロキシル価約28、数平均分子量約6,000および官能価約3を有する。
(イソシアネートA)
ジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート(MDI)、Bayer Polymersから市販。
(触媒A)
フォームに適当なポリウレタンアミン触媒、Dow Chemical CompanyからNIAX Catalyst A-1として販売。
(触媒B)
安定化第一スズオクトエートを含んでなるポリウレタンフォーム触媒、Air ProductsからT-9として市販。
(界面活性剤A)
フォームにおける使用に適当なシリコーン界面活性剤、Dow Chemical Companyから「Silicone Surfactant L-620」として市販。
(BHT)
ブチル化ヒドロキシトルエン
(TDI)
2,4-ジイソシアナトトルエン80重量%と2,6-ジイソシアナトトルエン20重量%の混合物
(開始剤A)
tert-ブチルペルオキシド(TBPO)
(開始剤B)
されているアゾビス(イソブチロニトリル)、DuPontからVAZO 64として市販。
また、以下の特性および単位は、ASTMの特性および単位に加えて、実施例に使用する。
(粘度)
粘度は、Cannon-Fenske粘度計を使用して測定した。
(密度)
密度(ポンド/フィート)(ASTM D-3574、試験A)
(IFD25%)
窪み力による撓み(Indentation Force Deflection)25%(ASTM D-3574、試験B1および試験B2)
(IFD65%)
窪み力による撓み65%(ASTM D-3574、試験B1および試験B2)
(IFD65/25)
窪み力による撓み65%を窪み力による撓み25%で除したもの(ASTM D-3574、試験B1および試験B2)
(張力)
引張強さ(psi)(ASTM D-3574、試験E)
(伸び)
伸び(%)(ASTM D-3574、試験E)
(引き裂き)
耐引き裂き性(ポンド/インチ)(ASTM D-3574、試験F)
〔マクロマーについての一般的な手順〕
(マクロマーI)
マクロマーIを、0.1重量%のp-トルエンスルホン酸および溶媒としてトルエンを使用する共沸エステル化を介して、アクリル酸(1モル)をポリオールC(1モル)と反応させることによって製造した。
(マクロマーII)
ポリオールBを、攪拌反応器に充填し、80℃に加熱した。次いで、無水マレイン酸(ポリオールB充填量に基づいて0.889重量%)を反応器に充填した。ポリオールおよび無水マレイン酸混合物を十分に混合した後、60ppmのKOHを添加し、そして混合物を110℃で1時間反応させた。次いで、酸価が<0.4mgKOH/gに低減するまで混合物を110℃で攪拌することによって、酸基をエチレンオキシド(ポリオールB充填量に基づいて1.0重量%)でキャップした。次いで、混合物を真空ストリップして残留EOを除去し、そしてモルホリン(1000ppm)と80℃で6時間反応させた。ポリオールに対する無水マレイン酸のモル比は、0.55であった。
上記段落に記載した混合物に、イソシアネートA(ポリオールB充填量に基づいて0.93重量%)を充填した。混合物を、63℃で反応させて粘度6500cStに到達させ、そしてBHT(500ppm)で抑制した。本明細書において、この生成物をマクロマーIIと称する。
(マクロマーIII)
アクリル酸メチル(0.35モル)を、ポリオールB(0.58モル)と、チタンブトキシド触媒(200ppm)の存在下、205℃にて反応させた。分留カラムを使用して、メタノールを留去させながら、アクリレートをフラスコ中に保持した。測定されたモル比は、アクリレート0.40モル/ポリオール1モルであった。本明細書において、この生成物をマクロマーIIIと称する。
(マクロマーIV)
マクロマーIIIについて上記した方法を用いて、アクリル酸メチルの代わりにメタクリル酸メチルを使用して、マクロマーIVを製造した。測定されたモル比は、メタクリレート0.40モル/ポリオール1モルであった。
(マクロマーV)
マクロマーVを、0.1重量%のp-トルエンスルホン酸および溶媒としてトルエンを使用する共沸エステル化を介して、メタクリル酸(1モル)とポリオールB(1モル)を反応させることにより製造した。測定されたモル比は、メタクリレート0.45モル/ポリオール1モルであった。
〔プレフォームド安定剤(PFS)処方物〕
この一連の実施例は、それぞれマクロマーI〜Vから製造してPFS I〜Vを得た、プレフォームド安定剤の製造に関する。各々のプレフォームド安定剤を、インペラおよび4個のバッフルを装備した連続攪拌槽反応器(CSTR)(第一段階)およびプラグフロー反応器(第二段階)を含んでなる二段階反応系で製造した。各反応器における滞留時間は、約60分であった。反応物質を、フィード槽から、インライン中のスタティックミキサーを通じて、次いでフィードチューブを通じて、反応器中に連続的にポンプで送った。これを良く混合した。反応混合物の温度を120±1℃に制御した。第二段階反応器からの生成物を、各段階における圧力を65psigに制御することを意図した圧力調節器を通じて連続的にオーバーフローさせた。次いで、プレフォームド安定剤を、冷却器を通して収集容器中に送った。プレフォームド安定剤について使用した処方を、表1に列挙する。
Figure 2006045569
〔実施例1〜5〕
この一連の実施例は、それぞれプレフォームド安定剤I〜Vから製造された、ポリマーポリオールの製造に関する。各々のポリマーポリオールを、インペラおよび4個のバッフルを装備した連続攪拌槽反応器(CSTR)(第一段階)およびプラグフロー反応器(第二段階)を含んでなる二段階反応系で製造した。各反応器における滞留時間は、約60分であった。反応物質を、フィード槽から、インライン中のスタティックミキサーを通じて、次いでフィードチューブを通じて、反応器中に連続的にポンプで送った。これを良く混合した。反応混合物の温度を115±1℃に制御した。第二段階反応器からの生成物を、各段階における圧力を45psigに制御することを意図した圧力調節器を通じて連続的にオーバーフローさせた。次いで、ポリマーポリオールを、冷却器を通して収集容器中に送った。粗生成物を、真空ストリップして揮発性物質を除去した。生成物中の総ポリマーの重量%は、ストリッピング前の粗ポリマーポリオールにおいて測定したモノマー濃度から計算した。実験に使用したパラメーターを表2に列挙する。
Figure 2006045569
〔実施例6および7〕
これらの実施例は、市販のポリマーポリオールおよび実施例4で製造したポリマーポリオールからのフリーライズフォームの製造に関する。
ポリマーポリオール、アミン触媒、およびシリコーン界面活性剤を、バッフルを装備した1/2ガロンの円筒型紙容器に添加した。内容物を、二つのタービンインペラを有する攪拌機を用いて、2400rpmで60秒間混合した。次いで、混合物を、10秒間脱気した。脱気後、スズ触媒を添加し、そして内容物を2400rpmで10秒間混合した。混合機を回転させながら、トルエンジイソシアネートを添加し、そして内容物を5秒間混合した。次いで、混合物を14×14×6インチのボール箱中に注いだ。ここで、それは反応が完結するまで自由に膨らんだ。次いで、フォームを、オーブン中、225℃で5分間加熱した。フォーム特性を、ASTM規格基準D-3574-66にしたがって決定した。実験に使用したパラメーターを表3に列挙する。
Figure 2006045569
本発明を上記で例示の目的をもって詳細に説明したが、このような詳説が単にその目的のためであって、本発明は、特許請求の範囲によって限定され得る場合を除いて、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、当業者によって変形がなされ得ると理解されるべきである。
本発明の実施態様には、以下のものが含まれる。
〔1〕 (a)式:
Figure 2006045569
〔式中、
Rは、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有する分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
R”は、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有し、飽和または不飽和であり得る、分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
および
Aは、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、またはOR’基(式中、R’は、水素原子または1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を示す。)を示す。〕
に対応する化合物を、
(b)OH価10〜300および官能価2〜15を有するポリエーテルポリオールと、
必要に応じて、
(c)少なくとも一つの触媒
の存在下、反応させた生成物を含んでなる、エチレン性不飽和マクロマー。
〔2〕 化合物(a)において、
Rは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基を示し、
R”は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、エテニル基またはプロペニル基を示し、
および
Aは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはOR’基(式中、R’は、水素、メチル基またはエチル基を示す。)を示す、上記第1項に記載のエチレン性不飽和マクロマー。
〔3〕 (b)前記ポリエーテルポリオールは、官能価約3〜約10、OH価約15〜約200、および分子量約2,000〜約12,000を有する、上記第1項に記載のエチレン性不飽和マクロマー。
〔4〕 (a)メタクリル酸メチルを含んでなる、上記第1項に記載のエチレン性不飽和マクロマー。
〔5〕 (1)(a)式:
Figure 2006045569
〔式中、
Rは、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有する分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
R”は、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有し、飽和または不飽和であり得る、分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
および
Aは、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、またはOR’基(式中、R’は、水素原子または1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を示す。)を示す。〕
に対応する化合物を、
(b)OH価10〜300および官能価2〜15を有するポリエーテルポリオールと、
必要に応じて、
(c)少なくとも一つの触媒
の存在下、反応させることを含んでなる、エチレン性不飽和マクロマーの製造方法。
〔6〕 化合物(a)において、
Rは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基を示し、
R”は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、エテニル基またはプロペニル基を示し、
および
Aは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはOR’基(式中、R’は、水素原子、メチル基またはエチル基を示す。)を示す、上記第5項に記載の方法。
〔7〕 (b)前記ポリエーテルポリオールは、官能価約3〜約10、OH価約15〜約200、および分子量約2,000〜約12,000を有する、上記第5項に記載の方法。
〔8〕 (a)は、メタクリル酸メチルを含んでなる、上記第5項に記載の方法。
〔9〕 (a)と(b)の間の反応は、約25℃〜約250℃の温度にて、約1時間〜約10時間の間の反応である、上記第5項に記載の方法。
〔10〕 (A)上記第1項に記載のエチレン性不飽和マクロマーと、
(B)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
(C)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
および、必要に応じて
(D)液体希釈剤、
および、必要に応じて
(E)連鎖移動剤
の存在下、フリーラジカル重合させた生成物を含んでなる、プレフォームド安定剤。
〔11〕 (A)エチレン性不飽和マクロマーは、
(a)式:
Figure 2006045569
〔式中、
Rは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基を示し、
R”は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、エテニル基、またはプロペニル基を示し、
および
Aは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはOR’基(式中、R’は、水素原子、メチル基またはエチル基を示す。)を示す。〕
に対応する化合物と、
(b)官能価約3〜約10、OH価約15〜約200および分子量約2,000〜約12,000を有するポリエーテルポリオール
との反応生成物を含んでなる、上記第10項に記載のプレフォームド安定剤。
〔12〕 (B)前記エチレン性不飽和モノマーは、アクリロニトリル、スチレンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第10項に記載のプレフォームド安定剤。
〔13〕 (B)は、スチレンとアクリロニトリルとの重量比80:20ないし40:60の混合物を含んでなる、上記第12項に記載のプレフォームド安定剤。
〔14〕 (C)前記フリーラジカル開始剤は、一以上のペルオキシド開始剤、一以上のアゾ開始剤およびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第10項に記載のプレフォームド安定剤。
〔15〕 (D)前記希釈剤は、モノオール、ポリオール、炭化水素、エーテルおよびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第10項に記載のプレフォームド安定剤。
〔16〕 (E)前記連鎖移動剤は、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、および塩化メチレンからなる群から選択される、上記第10項に記載のプレフォームド安定剤。
〔17〕 (1)(A)上記第1項に記載のエチレン性不飽和マクロマーと、
(B)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
(C)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
および、必要に応じて
(D)液体希釈剤、
および、必要に応じて
(E)連鎖移動剤
の存在下、フリーラジカル重合させることを含む、プレフォームド安定剤の製造方法。
〔18〕 (A)エチレン性不飽和マクロマーは、
(a)式:
Figure 2006045569
〔式中、
Rは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基を示し、
R”は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、エテニル基、またはプロペニル基を示し、
および
Aは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはOR’基(式中、R’は、水素原子、メチル基またはエチル基を示す。)を示す。〕
に対応する化合物と、
(b)官能価約3〜約10、OH価約15〜約200および分子量約2,000〜約12,000を有するポリエーテルポリオール
との反応生成物を含んでなる、上記第17項に記載の方法。
〔19〕 (B)前記エチレン性不飽和モノマーは、アクリロニトリル、スチレンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第17項に記載の方法。
〔20〕 (B)は、スチレンとアクリロニトリルとの重量比80:20ないし40:60の混合物を含んでなる、上記第19項に記載の方法。
〔21〕 (C)前記フリーラジカル開始剤は、一以上のペルオキシド開始剤、一以上のアゾ開始剤およびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第17項に記載の方法。
〔22〕 (D)前記希釈剤は、モノオール、ポリオール、炭化水素、エーテルおよびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第17項に記載の方法。
〔23〕 (E)前記連鎖移動剤は、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、および塩化メチレンからなる群から選択される、上記第17項に記載の方法。
〔24〕 (I)OH価10〜180および官能価2〜8を有するベースポリオールと、
(II)上記第10項に記載のプレフォームド安定剤と、
(III)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
(IV)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
および、必要に応じて
(V)連鎖移動剤
の存在下、
反応させた生成物を含んでなる、ポリマーポリオール。
〔25〕 (III)前記エチレン性不飽和モノマーは、スチレン、アクリロニトリルおよびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第24項に記載のポリマーポリオール。
〔26〕 (III)前記エチレン性不飽和モノマーは、スチレンとアクリロニトリルとの重量比80:20ないし30:70の混合物を含んでなる、上記第25項に記載のポリマーポリオール。
〔27〕 (IV)前記フリーラジカル重合開始剤は、アシルペルオキシド、アルキルペルオキシド、アゾ化合物およびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第24項に記載のポリマーポリオール。
〔28〕 (V)前記連鎖移動剤は、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムおよび塩化メチレンからなる群から選択される、上記第24項に記載のポリマーポリオール。
〔29〕 (1)(I)OH価10〜180および官能価2〜8を有するベースポリオールと、
(II)上記第10項に記載のプレフォームド安定剤と、
(III)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
(IV)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
および、必要に応じて
(V)連鎖移動剤
の存在下、
フリーラジカル重合させることを含む、ポリマーポリオールの製造方法。
〔30〕 (III)前記エチレン性不飽和モノマーは、スチレン、アクリロニトリルおよびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第29項に記載の方法。
〔31〕 (III)前記エチレン性不飽和モノマーは、スチレンとアクリロニトリルとの重量比80:20ないし30:70の混合物を含んでなる、上記第30項に記載の方法。
〔32〕 (IV)前記フリーラジカル重合開始剤は、アシルペルオキシド、アルキルペルオキシド、アゾ化合物およびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第29項に記載の方法。
〔33〕 (V)前記連鎖移動剤は、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムおよび塩化メチレンからなる群から選択される、上記第29項に記載の方法。
〔34〕 (I)OH価10〜180および官能価2〜8を有するベースポリオールと、
(II)上記第1項に記載のエチレン性不飽和マクロマーと、
(III)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
(IV)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
および、必要に応じて
(V)連鎖移動剤
の存在下、
反応させた生成物を含んでなる、ポリマーポリオール。
〔35〕 (III)前記エチレン性不飽和モノマーは、スチレン、アクリロニトリルおよびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第34項に記載のポリマーポリオール。
〔36〕 (III)前記エチレン性不飽和モノマーは、スチレンとアクリロニトリルとの重量比80:20ないし30:70の混合物を含んでなる、上記第35項に記載のポリマーポリオール。
〔37〕 (IV)前記フリーラジカル重合開始剤は、アシルペルオキシド、アルキルペルオキシド、アゾ化合物およびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第34項に記載のポリマーポリオール。
〔38〕 (V)前記連鎖移動剤は、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムおよび塩化メチレンからなる群から選択される、上記第34項に記載のポリマーポリオール。
〔39〕 (1)(I)OH価10〜180および官能価2〜8を有するベースポリオールと、
(II)上記第1項に記載のエチレン性不飽和マクロマーと、
(III)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
(IV)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
および、必要に応じて
(V)連鎖移動剤
の存在下、
フリーラジカル重合させることを含む、ポリマーポリオールの製造方法。
〔40〕 (III)前記エチレン性不飽和モノマーは、スチレン、アクリロニトリルおよびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第39項に記載の方法。
〔41〕 (III)前記エチレン性不飽和モノマーは、スチレンとアクリロニトリルとの重量比80:20ないし30:70の混合物を含んでなる、上記第40項に記載の方法。
〔42〕 (IV)前記フリーラジカル重合開始剤は、アシルペルオキシド、アルキルペルオキシド、アゾ化合物およびそれらの混合物からなる群から選択される、上記第39項に記載の方法。
〔43〕 (V)前記連鎖移動剤は、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムおよび塩化メチレンからなる群から選択される、上記第39項に記載の方法。
〔44〕 (1)ポリイソシアネートを、(2)上記第24項に記載のポリマーポリオールを含んでなるイソシアネート反応性成分と反応させることを含む、ポリウレタンの製造方法。
〔45〕 (1)ポリイソシアネートを、(2)上記第34項に記載のポリマーポリオールを含んでなるイソシアネート反応性成分と反応させることを含む、ポリウレタンの製造方法。

Claims (9)

  1. (a)式:
    Figure 2006045569
    〔式中、
    Rは、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有する分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
    R”は、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有し、飽和または不飽和であり得る、分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
    および
    Aは、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、またはOR’基(式中、R’は、水素原子または1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を示す。)を示す。〕
    に対応する化合物を、
    (b)OH価10〜300および官能価2〜15を有するポリエーテルポリオールと、
    必要に応じて、
    (c)少なくとも一つの触媒
    の存在下、反応させた生成物を含んでなる、エチレン性不飽和マクロマー。
  2. (1)(a)式:
    Figure 2006045569
    〔式中、
    Rは、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有する分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
    R”は、水素原子、1〜8個の炭素原子を含有し、飽和または不飽和であり得る、分枝または直鎖の炭化水素基、または6〜12個の炭素原子を含有するアリール基を示し、
    および
    Aは、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、またはOR’基(式中、R’は、水素原子または1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を示す。)を示す。〕
    に対応する化合物を、
    (b)OH価10〜300および官能価2〜15を有するポリエーテルポリオールと、
    必要に応じて、
    (c)少なくとも一つの触媒
    の存在下、反応させることを含んでなる、エチレン性不飽和マクロマーの製造方法。
  3. (A)請求項1に記載のエチレン性不飽和マクロマーと、
    (B)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
    (C)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
    および、必要に応じて
    (D)液体希釈剤、
    および、必要に応じて
    (E)連鎖移動剤
    の存在下、フリーラジカル重合させた生成物を含んでなる、プレフォームド安定剤。
  4. (1)(A)請求項1に記載のエチレン性不飽和マクロマーと、
    (B)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
    (C)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
    および、必要に応じて
    (D)液体希釈剤、
    および、必要に応じて
    (E)連鎖移動剤
    の存在下、フリーラジカル重合させることを含む、プレフォームド安定剤の製造方法。
  5. (I)OH価10〜180および官能価2〜8を有するベースポリオールと、
    (II)請求項10に記載のプレフォームド安定剤と、
    (III)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
    (IV)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
    および、必要に応じて
    (V)連鎖移動剤
    の存在下、
    反応させた生成物を含んでなる、ポリマーポリオール。
  6. (1)(I)OH価10〜180および官能価2〜8を有するベースポリオールと、
    (II)請求項10に記載のプレフォームド安定剤と、
    (III)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
    (IV)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
    および、必要に応じて
    (V)連鎖移動剤
    の存在下、
    フリーラジカル重合させることを含む、ポリマーポリオールの製造方法。
  7. (I)OH価10〜180および官能価2〜8を有するベースポリオールと、
    (II)請求項1に記載のエチレン性不飽和マクロマーと、
    (III)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
    (IV)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
    および、必要に応じて
    (V)連鎖移動剤
    の存在下、
    反応させた生成物を含んでなる、ポリマーポリオール。
  8. (1)(I)OH価10〜180および官能価2〜8を有するベースポリオールと、
    (II)請求項1に記載のエチレン性不飽和マクロマーと、
    (III)少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを、
    (IV)少なくとも一つのフリーラジカル重合開始剤、
    および、必要に応じて
    (V)連鎖移動剤
    の存在下、
    フリーラジカル重合させることを含む、ポリマーポリオールの製造方法。
  9. (1)ポリイソシアネートを、(2)請求項5に記載のポリマーポリオールを含んでなるイソシアネート反応性成分と反応させることを含む、ポリウレタンの製造方法。
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