JP2006041571A - Pwmモータ駆動回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速で小型、低損失で信頼性の高いPWMモータ駆動回路を実現する。
【解決手段】ソースを電源+VDDと接続したPチャンネルMOSFETトランジスタTru+ とソースをGNDと接続したNチャンネルMOSFETトランジスタTru- のドレインを接続し、モータコイルの出力とする。また、前記PチャンネルMOSトランジスタTru+ のソースとゲート間にバイアス抵抗R4を接続し、その抵抗R4と並列にソースとゲートを前記PチャンネルMOSトランジスタTru+ のオフ時に短絡するトランジスタQ2を設けるとともに、前記ゲートとコレクタを接続し、ベースを電源+VDDに接続した入力用のNPNトランジスタQ1のエミッタをマイコン2のポートP1に接続する。一方、前記NチャンネルMOSトランジスタTru- のゲートをマイコン2のポートP2と接続して両ポートP1、P2から駆動信号を入力する。この回路を用いることで簡便で高速動作ができて小型化が図れ、低損失で信頼性の高いPWMモータ駆動回路を実現する。
【選択図】図1

Description

この発明は、低損出で、かつ、高信頼を実現させたPWMモータ駆動回路に関するものである。
バイポーラトランジスタに代わる新しい素子として「IGBT」(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)がある。
「IGBT」は、図3のようなシンボルが用いられ、一部のオーディオ用のPチャンネル型を除いてほとんど全てがNチャンネル型の縦型二重拡散構造となっている。
すなわち、NチャンネルパワーMOSFETのコレクタ(ドレイン)側のN+層をP+層へ変更し、PN接合を一個追加した構造を基本としており、バイポーラトランジスタに比べて高速動作が容易にできる構造となっている。
そのため、誘導モータやブラシレスDCモータのPWMインバータ駆動などの分野でもバイポーラトランジスタに代えて用いられるようになっている。
例えば、マイコン制御のブラシレスDCモータの駆動回路では、図3に示すように、各相U、V、Wのステータコイル駆動用の上下の出力デバイスTru+ 、Tru- をNチャンネル「IGBT」で構成している。そのため、各相U、V、Wのゲート回路1は、例えば図4のように、上段と下段に同じものを使用して上段と下段に逆位相の信号を入力するようにしたものがある。ここでは、同じ回路なので上段の回路について動作を説明する。
すなわち、マイコン2のポートP1が「H」になると、トランジスタQ1がONとなり、フォトカプラPC1がオンとなる。フォトカプラPC1がオンになると、トランジスタQ2がオフとなり、トランジスタQ3が抵抗Rcを介して電源+Vaから流れる電流によってオンになる。すると、ステータコイル駆動用の「IGBT」Tru+ のゲート入力容量を充電するゲート電流が流れてゲート電圧を引き上げオンにする。
このとき、「IGBT」Tru+ のゲート入力の閾値は、通常、3〜5Vであるが、ノイズマージンを高くするため、ゲート駆動回路の電源はVB+は+15〜20Vとする必要がある。また、「IGBT」Tru+ はスイッチングする度に、VDD〜GND間の電位差間を上下するため、マイコン2のデジタル回路系の+5電源とフォトカプラなどのアイソレーションを使って絶縁する必要があった。
しかしながら、上記の「IGBT」を用いた回路では、フォトカプラなどのアイソレーションを使って絶縁する必要があるため、複数の電源からなる非常に複雑な回路構成になる。
しかも、同じフォトカプラを用いた大型で複雑なゲート駆動回路を上下段に用いなければならず、小型化を図る上で大きな問題となっていた。
また、その際、「IGBT」には、インバータ回路に使用できるPチャンネルタイプのものが無く、上下段とも同じNチャンネルタイプの素子を使わなければならないので、回路を簡略化する上で規制される問題もあった。
そこで、この発明の課題は、「IGBT」と同じように高速動作ができて、簡単な回路で、小型化が図れ、かつ、低損失のPWMインバータ駆動回路を実現することである。
上記の課題を解決するため、この発明では、PチャンネルMOSFETトランジスタのドレイン端子とNチャンネルMOSFETトランジスタのドレイン端子とを接続した出力回路の前記接続点をモータコイルへの出力とし、前記出力回路のPチャンネルMOSFETトランジスタのソース端子を電源のプラス側と接続し、NチャンネルMOSFETトランジスタのソース端子を電源のマイナス側と接続して、前記PチャンネルMOSFETトランジスタのソース端子とゲート端子間にバイアス抵抗を接続し、そのバイアス抵抗と並列にNPNトランジスタのコレクタ端子とエミッタ端子をPチャンネルMOSFETトランジスタのソース端子とゲート端子に接続するとともに、前記ゲート端子に第1抵抗を介して入力用NPNトランジスタのコレクタ端子を接続し、その入力用トランジスタのベース端子を電源のプラス側に接続して、エミッタ端子に第2抵抗を介して入力信号を入力し、かつ、前記第1の抵抗とPチャンネルMOSFETトランジスタのゲート端子との接続点にダイオードのアノード端子を接続し、第1の抵抗と入力用NPNトランジスタのコレクタ端子との接続点をコンデンサの一方と接続し、そのコンデンサの他方とダイオードのカソード端子とをバイアス抵抗と並列に接続したNPNトランジスタのベース端子と接続し、他方、出力回路のNチャンネルMOSFETのゲート端子に第3の入力抵抗を介して前記入力信号と同位相の入力信号を入力するという構成を採用することができる。
このような構成を採用したことにより、上段のPチャンネルMOSFETトランジスタをオンにする場合は、入力信号を「L」にすると、入力用のNPNトランジスタ(ベース接地回路)のエミッタが第2の抵抗を介して接地され、入力用のNPNトランジスタがオンする。すると、オンした入力用NPNトランジスタのコレクタに接続された第1入力抵抗とバイアス抵抗へ電源から電流が流れ、PチャンネルMOSFETトランジスタのゲート電圧は、
{バイアス抵抗/(バイアス抵抗+第1抵抗)}×(電源電圧ーVCC
となり、PチャンネルMOSFETトランジスタはオンとなる。このとき、コンデンサは、第1抵抗とバイアス抵抗によって流れる電流により充電される。
一方、NチャンネルMOSFETトランジスタのゲート端子には、前述の入力信号と同位相の信号「L」が入力されるのでオフとなるので、電源からモータコイルへ電流を流すことができる。
逆に、PチャンネルMOSFETトランジスタをオフにする場合は、入力信号を「H」にすると、入力用のNPNトランジスタのエミッタが第2の抵抗を介してハイレベルになり、入力用のNPNトランジスタはオフになる。すると、PチャンネルMOSFETトランジスタのゲート電圧は電源電圧となり、PチャンネルMOSFETトランジスタはオフとなる。このとき、充電されたコンデンサの電荷がバイアス抵抗と並列に接続されたNPNトランジスタのベース端子に流れて、前記NPNトランジスタをオンする。このため、PチャンネルMOSFETトランジスタのソースとゲート端子間を短絡してゲートに蓄積された電荷を消滅させるので、オフ時間を短縮することができる。
一方、NチャンネルMOSFETトランジスタのゲート端子には、同位相の信号が入力されるのでオンになり、モータコイルからGNDへ電流を流すことができる。
この発明は、以上のように構成したことにより、簡便な回路で高速動作ができて小型化が図れ、かつ、低損失で信頼性の高いPWMモータ駆動回路を実現することができる。
以下、この発明の最良の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、マイコン制御による三相ブラシレスモータの駆動回路の一つの層(U相)を示したもので、出力回路にPチャンネルMOSFETトランジスタTru+ とNチャンネルMOSFETトランジスタTru- を用いたもので単一電源で作動する。
前記出力回路は、PチャンネルMOSFETトランジスタTru+ のドレイン端子とNチャンネルMOSFETトランジスタTru- のドレイン端子とを接続し、PチャンネルMOSFETトランジスタTru+ のソース端子を電源(プラス側)+VDDと接続し、NチャンネルMOSFETトランジスタTru- のソース端子を電源のマイナス側GNDに接続して、前記PチャンネルMOSFETトランジスタTru+ とNチャンネルMOSFETトランジスタTru- のドレイン端子の接続点をモータのステータコイルへの出力としてある。
また、そのPチャンネルMOSFETトランジスタTru+ のソース端子とゲート端子間に、バイアス抵抗R4を接続して、そのバイアス抵抗R4と並列にNPNトランジスタQ2のコレクタ端子とエミッタ端子をPチャンネルMOSFETトランジスタTru+ のソース端子とゲート端子に接続してある。
さらに、前記PチャンネルMOSFETトランジスタTru+ のゲート端子に第1の抵抗R1の一方を接続し、その抵抗R1の他方を入力用NPNトランジスタQ1のコレクタ端子と接続して、そのトランジスタQ1のベース端子を電源(プラス側)+VDDに抵抗R6を介して接続するとともに、そのトランジスタQ1のエミッタ端子を第4の抵抗R4を介してマイコン2のポートP1に接続してある。このように、ベース接地によるトランジスタ入力回路を設けたことにより、高速応答ができるようになり、また、入力インピーダンスも小さくできるので、ノイズに対する余裕度も高くできる。
この入力用NPNトランジスタQ1のベース端子とエミッタ端子には、ダイオードD4を逆接続して、入力用トランジスタQ1のVbe=0.6Vとなるようにマイコン2のポートP1の出力電圧で電流を流せるようになっている。
一方、前記第1の抵抗R1とPチャンネルMOSFETトランジスタTru+ のゲート端子との接続点にダイオードD1のアノード端子を接続し、第1の抵抗R1と入力用NPNトランジスタQ1のコレクタ端子との接続点にコンデンサCの一方を接続して、そのコンデンサCの他方とダイオードD1のカソード端子とをバイアス抵抗と並列にしてNPNトランジスタQ2のベース端子に接続してある。
このとき、この形態では、コンデンサCの他方とダイオードD1のカソード端子間に抵抗R5(R5<R1)を設け、ダイオードD1を介してコンデンサCを充電する際の電流を規制するようにしている。こうすることで、コンデンサCへ流れる過大な電流によってダイオードD1が破損することを防止して信頼性を向上させている。
他方、出力回路のNチャンネルMOSFETトランジスタTru- のゲート端子は、第3の入力抵抗R3を介してマイコン2のポートP2に接続し、前記入力信号と同位相の入力信号を入力できるようになっている。
なお、ダイオードD2とD3はフライホイールダイオードである。また、抵抗R2は、コンデンサCの電荷を放電するための放電抵抗である。
この形態は、上記のように構成されており、U相の動作を述べることにより、本願のPWMモータ駆動回路を説明する。
いま、マイコン2のポートP1が「L」になり、ポートP2も「L」になると、ポートP1が「L」になったことにより、入力トランジスタQ1がオンとなり、第1の抵抗R1とバイアス抵抗R4とを介して電流が流れ、ゲート電圧をVGSとすると、 VGS={R4/(R1+R4)}×(VDD−VCC
GS:ゲート・ソース間電圧
となり、このゲート電圧によって、PチャンネルMOSFETトランジスタTru- はオンになる。
このとき、NチャンネルMOSFETトランジスタTru- のゲート端子には、マイコン2のポートP2の出力が印加される。いま、ポートP2は「L」なのでオフとなるので、電源+VDDからPチャンネルMOSFETトランジスタTru+ を通してステータコイルへ電流が流れる。
また、このときPチャンネルMOSFETトランジスタTru+ をオンにするため流れるゲート電流は、第1の抵抗R1を流れるとともに、ダイオードD1を介してコンデンサCを図1の極性に充電する。ここで、抵抗R5の電圧降下をVR5、ダイオードD1の電圧降下をVD1とし、抵抗R1の電圧降下をVR1とすると、コンデンサCの充電電圧は、
(VR1−VD1)×R2/(R2+R5)
で表され、充電電流Icは、
Ic=(VR5−VD1)/R5
となって制限される。このように、充電電流を制限してダイオードD1を破損しないようにできるので、装置の信頼性を向上することができる。
次に、マイコン2のポートP1が「H」となり、ポートP2も「H」になると、ポートP1が「H」になったことにより、入力用のトランジスタQ1がオフになり、PチャンネルMOSFETトランジスタTru+ のゲート端子はバイアス抵抗R4を介して電源+VDDに接続される。このとき、コンデンサCの電荷は、バイアス抵抗R4と並列に設けたNPNトランジスタQ2のベース端子に入力する。このため、前記トランジスタQ2がオンになり、バイアス抵抗R4を短絡してPチャンネルMOSFETトランジスタTru+ のゲート端子の電荷を消滅させて短時間でオフにすることができる。
このとき、NチャンネルMOSFETトランジスタTru- のゲート端子は、前述したようにマイコン2のポートP2が「H」なのでオンとなり、ステータコイルを接地する。
このように、PチャンネルMOSFETトランジスタTru+ とNチャンネルMOSFETトランジスタTru- とを用いたことにより、簡便な回路でステータコイルへの電流を制御することができる。その際、MOSFETトランジスタTru+ 、Tru- はバイポーラトランジスタと異なり電圧制御素子なので、バイポーラトランジスタと比べて駆動損失も小さく、スイッチングスピードも高速であり、スイッチングロスも小さくできる。
例えば、図1の回路のMOSFETトランジスタTru+ 、Tru- に代えて、PNP及びNPNトランジスタを用いた場合は、PNP及びNPNトランジスタが電流制御素子であるため、オン状態を継続するためにはベース電流を流し続けなければならない。そのため、例えば、図2のように、上段をPNPトランジスタTR1に置き換えた場合は、
(VDD−VBE1 −VCE2 /(R1+R4)
となるジュール熱が第1の抵抗R1とバイアス抵抗R4に発生し、下段をNPNトランジスタTR2に置き換えた場合は、
(VCC−VBE2 2 /R3
となるジュール熱による損失が第3の抵抗R3で発生する。そのため、バイポーラトランジスタを用いる場合には、このジュール熱に耐えうる許容損失の抵抗を回路に用いなければならず、回路の小型化や低損失化の妨げとなる。
したがって、先に述べたように、PチャンネルMOSFETトランジスタTru+ とNチャンネルMOSFETトランジスタTru- はバイポーラトランジスタと異なり電圧制御素子なのでオンの場合でも抵抗R1〜R3に大きな電流が流れず、小型化、低損失で、かつ、高信頼性のPWMモータ駆動回路を実現することができる。
この発明は、高速動作ができて、簡単な回路で、小型化が図れ、かつ、低損失で信頼性の高いスイッチング回路を実現できるので、インバータ回路などへの利用も最適である。
実施形態の回路図 作用説明図 従来例のブロック図 従来例の回路図
符号の説明
C コンデンサ
Q1 入力用NPNトランジスタ
Q2 NPNトランジスタ
R1 第1の抵抗
R2 第2の抵抗
R3 第3の抵抗
R4 バイアス抵抗
ru+ PチャンネルMOSFETトランジスタ
ru- NチャンネルMOSFETトランジスタ
+VDD 電源

Claims (1)

  1. PチャンネルMOSFETトランジスタのドレイン端子とNチャンネルMOSFETトランジスタのドレイン端子とを接続した出力回路の前記接続点をモータコイルへの出力とし、
    前記出力回路のPチャンネルMOSFETトランジスタのソース端子を電源のプラス側と接続し、NチャンネルMOSFETトランジスタのソース端子を電源のマイナス側と接続して、
    前記PチャンネルMOSFETトランジスタのソース端子とゲート端子間にバイアス抵抗を接続し、そのバイアス抵抗と並列にNPNトランジスタのコレクタ端子とエミッタ端子をPチャンネルMOSFETトランジスタのソース端子とゲート端子に接続するとともに、
    前記ゲート端子に第1抵抗を介して入力用NPNトランジスタのコレクタ端子を接続し、その入力用トランジスタのベース端子を電源のプラス側に接続して、エミッタ端子に第2抵抗を介して入力信号を入力し、かつ、前記第1の抵抗とPチャンネルMOSFETトランジスタのゲート端子との接続点にダイオードのアノード端子を接続し、第1の抵抗と入力用NPNトランジスタのコレクタ端子との接続点をコンデンサの一方と接続し、そのコンデンサの他方とダイオードのカソード端子とをバイアス抵抗と並列に接続したNPNトランジスタのベース端子と接続し、
    他方、出力回路のNチャンネルMOSFETトランジスタのゲート端子に第3の入力抵抗を介して前記入力信号と同位相の入力信号を入力するPWMモータ駆動回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007318873A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Daiwa Industries Ltd Pwmモータ駆動回路
WO2020195035A1 (ja) * 2019-03-26 2020-10-01 日本電産株式会社 駆動回路、駆動システム

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