JP2006037679A - 壁体、バルコニー手摺壁、建物、並びに壁体内空間の通気方法 - Google Patents
壁体、バルコニー手摺壁、建物、並びに壁体内空間の通気方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 パネルフレームとしての枠材11の建物外部側に取り付けられた下地ボード12と、建物外部側の外壁仕上材14と、の間に設けられた通気路16に下階外壁パネル20側から流入された空気を、枠材11を挟んで反対側にある建物内部側の通気路16に流入させるための通気経路としての通気スリーブ50を設ける。壁体内空気は、通気スリーブ50を経由して、枠材11よりも建物内部側に位置する通気路16へ移動されたのち、外壁仕上材14a、14bの隙間に設けられた通気口51から屋外空間へ排出される。
【選択図】 図1
Description
また、本発明は、壁体内空間と屋外空間との間で空気の入れ換えを行うための通気方法に関する。
しかしながら、特許文献1の構成では、笠木の下端部に設けられた通気部が完全に止水されていない。従って、暴風雨にさらされた場合には、雨水混じりの外気が壁体内に吹き込んでしまう。なお、特許文献1の構成では、笠木と壁体との隙間からの雨水の吹き込みは、通気部内の通気経路が蛇行されていることにより抑制されてはいるが、完全に防止されてはいない。従って、吹き込んだ雨水が壁体内を通じて屋内に入り込むことにより、雨漏りが発生してしまうという問題点があった。
ところが、実線の矢印(E)に示すように、上端が閉鎖されたバルコニー部の手摺壁100の壁体内の通気路116に空気が上昇されると、この場合には、手摺壁100の壁体の側面には空気出口が設けられておらず、また、通気路116の上部は密閉されているので、上昇空気は笠木115の裏側に排出されない。従って、笠木115と外壁仕上材114との間に通気可能な隙間があっても壁体内空気は屋外に排出されない。つまり、この手摺壁100では壁体内の換気を行うことができない。
また、本発明は、上端面に笠木が取り付けられた壁体において、雨水の侵入を伴わずに壁体内の空気の入れ替えを行う壁体内空間の通気方法を提供することを目的とする。
また、外部空間に連通された通気口が、壁体内通気路が設けられた側と反対側の壁面に設けられている。従って、例えば、壁体の一方の壁面側に形成された通気路内に、下階からの上昇空気が流入された場合に、この空気を、通気空間を通って壁体の厚み方向に移動させ、上昇空気が流入された側と反対側の壁面側に設けられた空間に流入させることができる。そして、上昇空気が流入された側とは反対側の壁面に設けられた通気口から排出することができる。
このように構成すると、壁体の厚み方向に空気を移動させる通気経路が通気スリーブにより形成されている。従って、壁体の一方の壁面側に形成された通気路内を上昇してきた空気を、この通気スリーブを通過させて反対側の壁面側の通気路に流入させ、反対側の壁面側の通気口から排出することができる。
このように構成すると、通気口が設けられるのは上下に配設される2枚の板状の仕上部材の端部を重ねて形成された隙間状の空間であって、この隙間は下向きに開口されている。従って、この隙間に、例えば雨水の侵入を防止可能な水返し片を備えると共に通気隙間が形成された水切部材を取り付けることにより、雨水の侵入を防止しつつも通気可能とすることができる。
このように、通気空間を構成する通気スリーブの出口が、通気口よりも上側とされていると、請求項3に記載のように、上下に2分した仕上部材の端部を重ねてその隙間に下向きの通気口を設けた場合には、壁体外部側に位置される上部仕上部材の裏側に通気スリーブの開口が位置されることになる。従って、通気スリーブの開口と仕上部材との間に空間が確保されており、この空間が通気スリーブと通気口との間の通気経路となって通気スリーブから流出された空気が確実に排出される。
また、このように、通気空間を構成する通気スリーブを壁体の上端寄りに設けると、袋小路となっている壁体内通気路の上端付近の空気が通気スリーブに流入されやすくなる。従って、壁体内通気路の上端付近でも空気が滞留されることがない。これにより、壁体内の湿気がより確実に排出される。
(イ)本発明の壁体は、笠木と壁体との隙間以外の部位に設けられた通気口を介して壁体内通気路と屋外空間とを連通させることができる。従って、雨水の侵入が防止された状態で壁体内通気を行うことができる。これにより、雨漏りを防止しつつ壁体内に侵入した湿気を外部空間に排出することができる。その結果、壁体内の部材が湿気により腐食されることがなく、部材の耐久性が向上される。
従って、下階からの上昇空気が流入される通気路が建物外部側あるいは建物内部側のどちらの面側に位置される場合でも、この空気を、通気空間を通って壁体の厚み方向に移動させ、上昇空気が流入された側と反対側の壁面側に設けられた空間に流入させることができる。従って、常に建物内部側の通気口から空気を排出することができる。これにより、通気口を建物の外部から視認されない位置に設けることができ、通気口を設けても建物の外観を損なうことがない。
図1は本発明の一実施形態を示すバルコニー手摺壁の断面構成、及び、このバルコニー手摺壁の壁体内空間における空気の流れを示す説明図である。なお、図1のバルコニー手摺壁は、図2に示す従来例の通気外壁を備えた建物におけるバルコニー部の手摺壁100と置き換えられるように構成されている。
下地ボード12は、耐力面材としての機能を有するものであって、所定の曲げ強度及びせん断強度を有する板状体であり、例えば合板とすることができる。
外壁仕上材14は、この手摺壁パネル10の外周面に取り付けられて手摺壁パネル10の壁体内空間と屋外空間とを区画するものであって、例えば、セメント板やスレート板、ケイカル板、等が用いられる。また、サイディングボードや、タイル下地ボードに表面タイルを取り付けた構成であってもよい。
このように取り付けると、通気路16(16a)の下端は、胴差部30を構成する所定断面の胴差部材31の外部側に固定された胴差部下地ボード32と、胴差部下地ボード32の外部側に桟木または取付金物を介して固定された胴差部外壁仕上材34との間に形成された通気可能な空間である胴差部通気路36に連通されている。
まず、通気スリーブ50について説明する。図1に示すように、枠材11には、枠材11をサンドイッチするように両面側から下地ボード12が取り付けられている。そして、手摺壁パネル10の建物内部側(図1、図2の矢印I側)及び建物外部側(図1、図2の矢印O側)において、外壁仕上材14と下地ボード12との間には、それぞれ通気路16(16a、16b)が形成されている。つまり、手摺壁パネル10の壁体内空間には、枠材11を挟んで建物内部側と建物外部側にそれぞれ通気路16が設けられている。そして、通気スリーブ50は、建物内部側の通気路16(16a)及び建物外部側の通気路16(16b)を連通させる通気経路となるように設けられている。
なお、この通気スリーブ50は断面円形状であるが、断面形状は円形に限定されず、矩形状や楕円形状であってもよい。また、通気スリーブ50の中間部が蛇腹状に構成されていてもよい。このようにすると、厚み方向に伸縮可能となるので、壁厚の変化に対応可能となり、好適である。また、通気スリーブ50は、樹脂製に限らず、金属製であってもよい。
また、このとき、下部側の外壁仕上材14(14b)の上端部よりも、通気スリーブ50の方が上側に位置されるように設けられている。このようにすると、通気スリーブ50の端部が通気路16(16a)に接続される。
このように、本実施形態では、通気口51が笠木15に覆われない位置に設けられているので、壁体の上端が密閉され、笠木15と壁体との隙間からの雨水の侵入が防止された状態でも、壁体内通気を行うことができる。これにより、壁体内の湿気を外部に排出することができるので、壁体内の部材が湿気により腐食されることがなく、部材の耐久性が向上される。
上述のように、空気入口27から取り入れられて壁体内空気となった外気は、上昇されて一階外壁パネル20及び胴差部30の壁体内空間を循環され、図1において実線の矢印(G)に示すように、手摺壁パネル10の壁体内空間のうち枠材11よりも建物外部側に位置する通気路16(16b)に流入される。流入された空気は、この通気路16(16b)の上端部が笠木固定部材17によって閉鎖されているために、上端部から外部空間に排出することはできない。
従って、本実施形態のように、下階からの上昇空気が流入される通気路16(16b)が建物外部側(矢印O側)に位置される場合でも、この空気を、通気空間を通って壁体の厚み方向に移動させ、上昇空気が流入された側と反対側の壁面側に設けられた空間に流入させることができる。従って、常に建物内部側(矢印I側)に設けられた通気口51から空気を排出することができる。これにより、通気口51を建物の外部から視認されない位置に設けることができ、建物の外観を損なうことがない。
このように、本実施形態では、空気が一旦通気路16(16b)の上端近くまで循環されてから通気口51側に移動され、下降されて排出されるので、袋小路となっている壁体内通気路の上端付近の空気が滞留されることがない。これにより、壁体内の湿気がより確実に排出される。その結果、壁体内の部材が湿気により腐食されることがなく、部材の耐久性が向上される。
また、本実施形態では、住宅のバルコニー手摺壁を構成する手摺壁パネルとして適用した例を記載したが、本実施形態と同様の構成を、パラペットや、屋外階段の手摺壁として適用することができるのは勿論である。また、住宅以外の建物にも適用可能である。また、これ以外にも、屋外通路の壁などに使用することができる。
11 枠材
12、22 下地ボード
13、23 横桟
13´ 縦桟
14、14a、14b、24、114、214 外壁仕上材
15、115、215 笠木
15a 延出片
16、16a、16b、116、216 通気路
17、217 笠木固定部材
20 一階外壁パネル
26 一階外壁通気路
27 空気入口
30 胴差部
31 胴差部材
32 胴差部下地ボード
34 胴差部外壁仕上材
36 胴差部通気路
37 一階天井
38 バルコニー床下地部材
39 天井裏空間
40 基礎部
41 土台部材
50 通気スリーブ
51 通気口
52 水切金物
52a 水返し片
53 スペーサ部材
A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、O 矢印
S バルコニー手摺壁
X、Y 隙間
Claims (8)
- 表面と裏面とが屋外空間に面し、上端面に笠木部材が取り付けられた壁体であって、
該壁体は、屋外空間と壁体内空間とを区画する仕上部材と、前記仕上部材の裏側に配設されて前記仕上部材との間に壁体内通気路を形成する下地部材と、を備えると共に、
前記壁体内通気路に前記下地部材側から接続された通気空間と、前記通気空間と屋外空間とを連通する通気口とを有して構成され、
前記通気口は、前記壁体の表面または裏面のうち、前記壁体内通気路よりも前記通気空間側に位置する面であって、かつ、前記笠木部材に覆われていない部位に設けられたことを特徴とする壁体。 - 前記通気空間は、管状の通気スリーブを備え、
該通気スリーブは、一端側の開口が前記通気口に連通されると共に、他端側の開口が前記下地部材に設けられた開口に接続されることを特徴とする請求項1に記載の壁体。 - 前記通気口が設けられた面の仕上部材は、前記壁体の下部側を覆う下部仕上部材と、前記壁体の上部側を覆う上部仕上部材とを備えると共に、
前記上部仕上部材の下端部は、前記下部仕上部材の上端部を壁体外部側から覆うように設けられ、
前記通気口は、前記下部仕上部材の上端部と前記上部仕上部材の下端部との隙間に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の壁体。 - 前記壁体は建物の外周に設けられ、
前記通気口は、前記壁体の建物内部側の面に設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の壁体。 - 前記通気空間は、前記通気口よりも上側に位置され、かつ、前記壁体内通気路の上端寄りに設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の壁体。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の壁体を備えたことを特徴とするバルコニー手摺壁。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の壁体を備えたことを特徴とする建物。
- 請求項2に記載の壁体における壁体内空間の通気方法であって、
前記壁体内通気路に流入した空気を、前記壁体内通気路の上端側に一旦上昇させてから、前記通気スリーブを通過させて前記通気口側へ移動させて下降させ、前記通気口から外部空間へ排出させることを特徴とする壁体内空間の通気方法。
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