JP2017057670A - 壁構造 - Google Patents

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荻野光彦
Mitsuhiko Ogino
佐藤淳二
Junji Sato
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Abstract

【課題】排湿機能、結露防止機能、断熱機能、防水機能、等を形成した壁構造を提供する。【解決手段】既存壁下地、あるいは新築壁下地上に硬質板5が形成された下地αと、下地αと外壁材A間に形成した通気層γと、通気層γの下端部分と上端部分に形成した屋外Gに開口した下開口8と上開口7と、通気層γ下端の表面側に固定された水切り10とから形成することにより、屋外Gと通気層γを等圧構造に形成した壁構造とする。【選択図】図1

Description

本発明は、排湿機能、結露防止機能、断熱機能、防水機能、等を形成した壁構造に係るものである。
壁体内が密閉状態の場合、水蒸気の逃げ場が無く、外気温度が低いと外壁材裏面や壁体内に結露が発生する。そこで、壁体内の水蒸気を外気に排出して内部結露を防止したり、土台や柱にしみ込んだ水分を外気に排出するために、外壁材と躯体間に厚さ20mm程度の空気層を設ける工法、所謂通気工法が開発された。本来、通気工法とは、壁内結露防止のための工法である。(例えば、特許文献1〜6参照)。
特開平09−119175号公報 特開平09−144152号公報 特開平11−241427号公報 特開平11−293801号公報 特開2000−291169号公報 特開2003−328460号公報
しかしながら、特許文献1〜6は湿気を排出するが、外気が外壁材の裏面を通過するために、外壁材に断熱性のある部材を形成しても断熱材としての効果を発揮出来ず、外壁材が断熱材として機能しないものであった。また、窯業系外壁材の雨漏りを防止するために通気工法を採用することが多くなり、現在では雨仕舞いのための工法として考えている人も多い。
本発明はこのような欠点を解決するために、既存壁下地、あるいは新築壁下地上に硬質板が形成された下地と、下地と外壁材間に形成した通気層と、通気層の下端部分と上端部分に形成した屋外に開口した下開口と上開口と、通気層下端の表面側に固定された水切りとから形成することにより、屋外と通気層を等圧構造に形成した壁構造を提供するものである。
本発明に係る壁構造によれば、通気層の上下が屋外に連通すると共に、屋外と通気層が等圧に形成されるために、(1)屋外と通気路が等圧となり、雨水が屋内側に浸入することが無く(ノンシーリング工法)、防水性が大幅に向上する。(2)出隅、入隅、縦目地、窓廻り等へのシーリング施工の必要が無くなり、施工に熟練を要さずとも確実な防水構造を形成することが出来る。(3)壁内の湿気を外部に放出することが出来るので、通気層(壁)内に結露が生じない。(4)通気層を空気が急激に移動しなくなるために、空気層としての断熱性を生かせる。(5)結露が生じないので、躯体の腐朽が生じにくい。(6)通気層(空気層)の外側に位置する外壁材が断熱材として機能する。(7)断熱性を有する外壁材を使用すれば、外壁材の断熱性を生かすことが出来る。(8)外壁材が断熱材として機能するために、夏季の冷房効率、冬季の暖房効率を高められる。(9)外壁材の断熱性により、外壁材の裏面および壁内の温度が高く保持され、より内部結露の発生が抑えられる。また、下地上に硬質板を形成することにより、(10)屋外と通気層が等圧に形成されても、通気層から屋内内への外気(風雨)の浸入防止が図れる。さらに、(11)硬質板は、通気層内が屋外と等圧になっても、風圧力に耐えることが出来る強度が有る。(12)水切りを通気層下端の表面側に固定したために、外壁材の表面を流れてきた雨水が、土台側の下開口を塞ぐことが無く、屋外と通気路内を等圧に保つことが出来る。等の特徴、効果がある。
また、本発明に係る壁構造によれば、外壁材の裏面に通気層(通気層)を形成した壁構造では、外壁材として断熱性の有る部材を形成しても外壁材が断熱材として認められなかったが、通気層の本来の意義である内部結露防止の効果を生かし、さらに、断熱性のある外壁材により断熱効果を生むことで、外壁材裏面および壁内の温度を高く保つことが可能となり、省エネルギーと壁内結露の防止効果を高めることが出来る工法となる。これは、今までの通気工法のように、外壁材の裏面と下地間の通気路を外気が移動することにより結露を防止する構造とは異なり、湿気だけを外部に排出出来る構造であるために、断熱性を有する外壁材の性能を有効に活用出来る。等の特徴、効果がある。
本発明に係る壁構造の代表的一例を示す断面図である。 本発明に係る壁構造の代表的一例を示す断面図である。 本発明に係る壁構造の代表的一例を示す断面図である。 本発明に係る壁構造の代表的一例を示す断面図である。 本発明に係る壁構造に使用する外壁材の代表的一例を示す断面図である。 従来例を示す断面図である。 従来例を示す断面図である。 従来例を示す断面図である。 従来例を示す断面図である。
以下に図面を用いて本発明に係る壁構造について詳細に説明する。図1〜図4は本発明に係る壁構造を示す断面図、図5(a)〜(d)は外壁材Aを示す説明図である。図中、αは下地、βは釘等の固定具、γは通気層を示している。
下地αは、内装材1、ポリエチレンシート等の防湿層2、主柱、間柱等の躯体3、躯体3間に形成したグラスウール等の断熱材4より形成したものである。
5は硬質板であり、新築では合板、構造用合板(OSB)、等、あるいは既存の外壁材では、例えば既存の窯業系サイディング材、既存の金属系サイディング材、既存モルタル壁、等より成るものである。これは、下地αの強度を向上すると共に、防水性の向上、気圧が屋外G=通気層γ>屋内Nの関係になった時の、通気層γから屋内N内への外気(風雨)の浸入防止を図るために形成したものである。また、硬質板5は、通気層γ内が屋外Gと等圧になるために、風圧力に耐えるために形成したものである。なお、硬質板5における隙間面積は、5平方センチ(cm)/平米(m)の関係とすることが望ましい。
Tは透湿防水シートであり、湿気は通すが、雨水等は通さない素材からなるシートであり、硬質板5上の下地α全面に形成するものである。
6は通気層形成部材であり、通気層γが上下開口部と連通するように形成したものであり、例えば縦胴縁である。勿論、通気層γが上下開口部と連通するように形成されれば、横胴縁でも、通気層形成部材6の替わりに、通気層形成部材6に溝を形成して通気層γを形成する板材を、部分的あるいは全面に形成してもかまわない。なお、通気層形成部材6の材質は、木材、金属材、プラスチック材、等である。
また、通気層形成部材6は図1、3に示すように、軒天NT形成後に土台部から軒天まで縦に形成することにより、各通気層γを独立させ、小屋裏や隣接する壁の通気層γとは遮断することにより、屋外Gと通気層γ内を等圧にするものである。なお、図6、7に示すように小屋裏(軒天袋)と通気層γが連通するように形成した場合には、屋外Gと通気層γ内を等圧に保つことは不可能である。
7は上開口、8は下開口であり、通気層形成部材6により形成された通気層γと連通し、屋内の湿気を外部に排出するための出口であると共に、屋外Gと通気層γを等圧とし、外気が通気路γに急激に浸入するのを防止し、屋内N側に雨水等が浸入するのを防止出来るものである。
9は止縁、10は水切りであり、外壁材Aの上下端部を納めるための部材である。また、水切り10は通気層形成部材6の下端部屋外面に形成することにより、外壁材Aの表面を流下した雨水が水切り10と外壁材A間より通気層γ内に浸入することが無いものである。
さらに、水切り10を図1、4に示すように形成することにより、下開口8からの漏水を防止出来るものである。さらに詳細すると、図8、9に示すように外壁材Aの下端と水切り10間に下開口8を形成した場合には、外壁材A表面を流れてきた雨水が下開口8を閉塞するように溜り、屋外G圧力>通気路γ内圧力の関係となり、屋内Nへ雨水が浸入してしまうものである。
Aは外壁材であり、断熱性、防水性、気密性、耐候性、等の機能を有する部材である。例えば、図5(a)〜(d)に示すような金属系サイディング材等を使用するものである。
次に、図1〜図4を用いて本発明に係る壁構造の施工方法について説明する。まず、内装材1、ポリエチレンシート等の防湿層2、主柱、間柱等の躯体3、躯体3間に形成したグラスウール等の断熱材4より形成した下地α上に、構造用合板(OSB)よりなる硬質板5を形成し、下端に防水用の長尺状で金属製の捨て水切りSを連続状に固定する。
次に、軒天NTを形成し、その後厚さ18mm×幅45mm程度の通気層形成部材6を455mmピッチで縦に複数本固定する。なお、出隅、入隅、縦目地、窓廻り、等には縦胴縁を形成(繋ぎ部は隙間を開けない)し、隣接する壁の通気層γ間が連通しないように形成するものである。
通気層形成部材6の形成が完了したら、上開口7と下開口8を閉塞しないように止縁9、水切り10を形成する。
その後、外壁材Aをその雄雌嵌合と釘等の固定具βによる固定により施工し、施工を完了するものである。
このように形成することにより、屋外Gと通気路γが等圧となり、雨水が屋内N側に浸入することが無く、また、出隅、入隅、縦目地、窓廻り等へのシーリング施工の必要が無くなるものであり、施工に熟練を要さずとも確実な防水構造を形成することが出来るものである。
また、図示しないが各層間にアスファルトフェルト、透湿防水シート、等の防水シートを形成したり、上下の上開口7、下開口8部分に防虫網を形成したりすることも出来るものである。
さらに、外壁材Aを縦張りに形成する場合には、(1)20平方センチ(cm)/メートル(m)以上の通気を確保するには、深さ6mm×幅30mmの通気路をピッチ90mmにて形成した横胴縁よりなる通気層形成部材6を使用し、(2)30.6平方センチ(cm)/メートル(m)以上の通気を確保するには、深さ6mm×幅30mmの通気路をピッチ60mmにて形成した横胴縁よりなる通気層形成部材6を使用するものである。このように形成することにより、外壁材Aを縦張りに形成する場合でも、屋外G圧力=通気路γ内圧力に形成して等圧とし、ノンシーリングの壁構造を形成出来るものである。
α 下地
β 固定具
γ 通気層
A 外壁材
G 屋外
N 屋内
NT 軒天
S 捨て水切り
T 透湿防水シート
1 内装材
2 防湿層
3 躯体
4 断熱材
5 硬質板
6 通気層形成部材
7 上開口
8 下開口
9 止縁
10 水切り
11 スターター

Claims (1)

  1. 既存壁下地、あるいは新築壁下地上に硬質板が形成された下地と、下地と外壁材間に形成された通気層と、通気層の下端部分と上端部分に形成した屋外に開口した下開口と上開口と、通気層下端の表面側に固定された水切りとから形成することにより、屋外と通気層を等圧構造に形成したことを特徴とする壁構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115279980A (zh) * 2020-05-27 2022-11-01 爱吉工业株式会社 装饰结构、板材、以及装饰结构的施工方法

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